説明

マーク検出方法及び装置、並びに露光方法及び装置

【課題】物体の裏面に設けられた被検マークの位置情報を高精度に検出する。
【解決手段】マーク検出方法は、ウエハの表面の第1のデフォーカス量を計測するステップ324と、第1のデフォーカス量に基づいてウエハの表面の合焦を行いつつ、ウエハの表面で反射する波長の光を含むアライメント光を用いてウエハの表面のマークを検出するステップ326と、ウエハの表面の第2のデフォーカス量を計測するステップ340と、その第2のデフォーカス量を補正して得られるデフォーカス量に基づいてウエハの裏面の合焦を行いつつ、ウエハを透過する波長の光を含むアライメント光を用いてウエハの裏面のマークを検出するステップ342と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ又はガラス基板等の物体に設けられたマークの位置情報を検出するためのマーク検出技術、このマーク検出技術を用いる露光技術、及びこの露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば半導体デバイスを製造するリソグラフィ工程で使用される露光装置は、半導体ウエハ(以下、単にウエハという。)の複数の層間での重ね合わせ精度を高く維持するために、アライメント系を用いて複数のショット領域から選択されたショット領域(アライメントショット)に付設されたマーク(ウエハマーク)の位置を検出している。そして、検出されたマーク位置を例えばEGA方式で統計処理して、各ショット領域の配列座標を求め、この配列座標に基づいてウエハを駆動することによって、ウエハの各ショット領域にレチクルのパターンの像を高精度に重ね合わせて露光している。
【0003】
最近では、ウエハアライメントを効率的に行うために、3眼以上の複数軸のアライメント系を備え、これらのアライメント系に対してウエハを所定方向に相対移動することと、複数軸のアライメント系とウエハとを相対的に静止させて、複数軸のアライメント系でウエハの一列のアライメントショットに付設されたマークの位置を検出することとを繰り返すようにした露光装置が開発されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。この露光装置では、複数軸のアライメント系の被検マーク(被検面)に対するデフォーカス量を個別に計測し、この計測されたデフォーカス量に基づいて各アライメント系に被検面を合焦させて被検マークの検出を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2007/097379号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2008/029757号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のアライメント系は、被検マークがウエハの表面に形成されていることを前提としている。これに対して、最近は、半導体デバイスの構造が三次元化しており、プロセスによっては、基板の裏面の被検マークを検出し、この検出結果に基づいて基板と転写対象のパターンとの位置合わせを行うことが求められることがある。しかしながら、従来のアライメント系では、基板の裏面に合焦を行って、かつその裏面の被検マークの位置情報を検出することは困難であった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、物体の裏面に設けられた被検マークの位置情報を高精度に検出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、基板に設けられたマークの位置情報を検出するマーク検出方法が提供される。このマーク検出方法は、マーク検出系に対する第1基板の表面の第1の面位置情報を計測することと、その第1の面位置情報に基づいてそのマーク検出系に対するその第1基板の表面の合焦を行いつつ、そのマーク検出系からその第1基板の表面で反射する第1の波長の光を含む第1光束をその第1基板に照射してその第1基板の表面の第1マークを検出することと、そのマーク検出系に対する第2基板の表面の第2の面位置情報を計測することと、その第2の面位置情報のオフセットを補正して得られる面位置情報に基づいて、そのマーク検出系に対するその第2基板の裏面の合焦を行いつつ、そのマーク検出系からその第2基板を透過する第2の波長の光を含む第2光束をその第2基板に照射してその第2基板の裏面の第2マークを検出することと、を含むものである。
【0008】
また、第2の態様によれば、露光光でパターンを介して物体を露光する露光方法が提供される。この露光方法は、本発明のマーク検出方法を用いて第1基板の表面の第1マークを検出する工程と、この検出結果に基づいてその第1基板と転写対象のパターンとの位置合わせを行って、その第1基板を露光する工程と、そのマーク検出方法を用いて第2基板の裏面の第2マークを検出する工程と、この検出結果に基づいてその第2基板と転写対象のパターンとの位置合わせを行って、その第2基板を露光する工程と、を含むものである。
【0009】
また、第3の態様によれば、基板に設けられたマークの位置情報を検出するマーク検出装置が提供される。このマーク検出装置は、その基板の表面の面位置情報を計測する第1検出系と、その基板の表面で反射する第1の波長の光を含む第1光束及びその基板を透過する第2の波長の光を含む第2光束を切り換えてその基板に照射する照射系と、その基板から戻されるその第1の波長の光を含む第1反射光又はその第2の波長の光を含む第2反射光を受光してその基板の表面の第1マーク又はその基板の裏面の第2マークの像を検出する第2検出系と、その第2検出系の光軸方向にその第2検出系とその基板との相対位置を調整する駆動機構と、その照射系からその基板にその第2光束が照射されるときに、その第1検出系で計測される面位置情報のオフセットを補正して得られる面位置情報に基づいて、その駆動機構を制御してその第2検出系に対するその基板の合焦を行う合焦制御装置と、を備えるものである。
【0010】
また、第4の態様によれば、露光光でパターンを介して物体を露光する露光装置が提供される。この露光装置は、本発明のマーク検出装置を備え、そのマーク検出装置の複数のマークの検出結果に基づいてその物体とそのパターンとの位置合わせを行うものである。
また、第5の態様によれば、本発明の露光方法又は露光装置を用いて物体に感光パターンを形成することと、その露光された物体をその感光パターンに基づいて処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、マーク検出系(第2検出系)に対する第2基板の表面の第2の面位置情報を計測し、その第2の面位置情報のオフセットを補正して得られる面位置情報に基づいて、そのマーク検出系に対するその第2基板の裏面の合焦を行うことができる。この状態で、そのマーク検出系からその第2基板を透過する第2の波長の光を含む第2光束をその第2基板に照射して、その第2基板の裏面の第2マークを検出することにより、物体の裏面に設けられた被検マークの位置情報を高精度に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態の一例に係る露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1のウエハアライメント装置を示す図である。
【図3】アライメント系でウエハの裏面のウエハマークを検出している状態を示す図である。
【図4】AF系の検出結果のオフセットを求める方法の一例を示すフローチャートである。
【図5】(A)は撮像信号の一例を示す図、(B)フォーカス信号の一例を示す図である。
【図6】アライメント方法及び露光方法の一例を示すフローチャートである。
【図7】(A)は基板の表面のマークを検出しているアライメント系を示す図、(B)は基板の裏面のマークを検出しているアライメント系を示す図である。
【図8】電子デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態の一例につき図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る露光装置EXの概略構成を示す。露光装置EXは、一例としてスキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査露光型の投影露光装置(走査型露光装置)である。後述するように本実施形態では、投影光学系PLが設けられており、以下においては、投影光学系PLの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する面内でレチクルとウエハとが相対走査される方向にY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向にX軸を取り、X軸、Y軸、及びZ軸の回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
【0014】
図1において、露光装置EXは、露光用の照明光(露光光)ILによりレチクルRを照明する照明系10、レチクルRを保持して移動するレチクルステージRST、レチクルRから射出された照明光ILをウエハWの表面に投射する投影光学系PLを含む投影ユニットPU、ウエハWを保持して移動するウエハステージWST、及びこれらの制御系等を備えている。さらに、露光装置EXは、装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御装置20(図2参照)と、ウエハWの表面に設けられたアライメントマークとしてのウエハマークの検出を行うウエハアライメント装置48とを備えている。
【0015】
照明系10は、例えば特開2001−313250号公報(対応する米国特許出願公開第2003/0025890号明細書)などに開示されるように、光源と、照明光学系とを有し、照明光学系は、一例として回折光学素子または空間光変調器等を含む光量分布形成光学系と、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ又はロッドインテグレータなど)と、レチクルブラインド等(いずれも不図示)とを有する。照明系10は、レチクルブラインドで規定されたレチクルRのパターン面(レチクル面)のスリット状の照明領域IARを照明光ILによりほぼ均一な照度分布で照明する。照明光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。なお、照明光としては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、YAGレーザの高調波、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波、又は水銀ランプの輝線(i線等)なども使用できる。
【0016】
レチクルステージRSTの上面には、回路パターンなどが形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により保持されている。レチクルステージRSTは、XY平面内で微少駆動可能であるとともに、走査方向(Y方向)に指定された走査速度で駆動可能となっている。レチクルステージRSTの移動面内の位置情報(X方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む)は、レーザ干渉計よりなるレチクル干渉計116によって、移動鏡15を介して例えば0.5〜0.1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計116の計測値は、図2の主制御装置20に送られる。主制御装置20は、その計測値に基づいてステージ駆動系124を制御することで、レチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。
【0017】
図1において、レチクルステージRSTの下方に配置された投影ユニットPUは、鏡筒40と、該鏡筒40内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子を有する投影光学系PLとを含む。投影光学系PLは、例えば両側(又はウエハ側に片側)テレセントリックで所定の投影倍率β(例えば1/4倍、1/5倍など)を有する。投影光学系PLを介して照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの像が、ウエハWの一つのショット領域の露光領域IA(照明領域IARに共役な領域)に形成される。ウエハW(半導体ウエハ)は、例えば直径が200mmから450mm程度の円板状のシリコン等よりなる基材の表面に、感光剤(感光層)であるフォトレジストを所定の厚さ(例えば数10〜200nm程度)で塗布したものを含む。本実施形態のウエハWの各ショット領域には、これまでのパターン形成工程によって所定の単層又は複数層の回路パターン及び対応するウエハマークが形成されている。なお、露光対象のウエハの中には、複数層の基板を貼り合わせて構成され、その最上層の基板の裏面にウエハマークが形成されているものもある。その最上層の基板は、近赤外光をウエハマークが検出できる程度は透過する材料から形成されている。
【0018】
なお、露光装置EXでは、液浸法を適用した露光を行うため、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子である先端レンズ191を保持する鏡筒40の下端部周囲を取り囲むように、局所液浸装置8の一部を構成するノズルユニット32が設けられている。ノズルユニット32は、露光用の液体Lqを供給可能な供給口と、液体Lqを回収可能な回収口とを有する。その供給口は、供給管31Aを介して、液体Lqを送出可能な液体供給装置(不図示)に接続されている。その回収口は、回収管31Bを介して、液体Lqを回収可能な液体回収装置(不図示)に接続されている。局所液浸装置としては、例えば米国特許出願公開第2007/242247号明細書等に開示されている装置を使用できる。
【0019】
図1において、ベース盤12の上面にウエハステージWSTが配置され、ウエハステージWSTの位置情報(X方向、Y方向の位置、及びθx方向、θy方向、θz方向の角度)を計測するY軸干渉計を含むウエハ干渉計16が設けられている。ウエハステージWSTは、X方向、Y方向に移動するXYステージを有するステージ本体91と、ステージ本体91の上面に搭載されたウエハテーブルWTBと、ステージ本体91内に設けられて、ステージ本体91に対してZ方向、θx方向、及びθy方向にウエハテーブルWTB(ウエハW)を相対的に微小駆動するZステージ125(図2参照)とを備えている。ウエハ干渉計16の計測値は、図2の主制御装置20に送られる。主制御装置20は、その計測値に基づいてステージ制御系124を介してそのXYステージの動作を制御する。主制御装置20はステージ125の動作を制御する。
【0020】
ウエハテーブルWTBの中央には、ウエハWを真空吸着等によって保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。また、ウエハテーブルWTBの上面には、ウエハホルダ上に載置されるウエハの表面とほぼ同じ高さの、液体Lqに対して撥液化処理された表面(撥液面)を有し、かつ外形(輪郭)が矩形でその中央部にウエハホルダ(ウエハの載置領域)よりも一回り大きな円形の開口が形成された低熱膨張率のプレート(撥液板)28が設けられている。プレート28の一部には、ベースライン計測用の基準マークが形成されるとともに、レチクルRのパターンの像の位置を計測するためのスリットが形成された基準部材FM(図2参照)が設けられている。基準部材FMの底面には、そのスリットを通過した光束を受光する空間像計測装置45(図5参照)が設けられている。
【0021】
また、投影光学系PLの側面にウエハWのウエハマークの位置情報を検出するアライメント系50の光学系が配置されている。アライメント系50の光学系は、不図示のフレームに支持されている。本実施形態のアライメント系50は、画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系である。
図2は、図1中のアライメント系50を含むウエハアライメント装置48の構成を示す。図2において、アライメント系50は、ウエハマークを照明する照明系49Cと、ウエハマークの像を検出する検出系49Aと、検出系49Aに対する被検面のデフォーカス量(面位置情報)を検出するオートフォーカス用の面位置検出系(以下、AF系という)49Bとを備えている。さらに、アライメント系50は、検出信号処理系127及びオフセット補正系129を備えている(詳細後述)。
【0022】
アライメント時には、光ガイド51から可視光から近赤外光までの波長域を含む広帯域の光が射出される。光ガイド51から射出された光は波長選択フィルタ52Aを通過して可視光(波長400〜750nm程度)のアライメント光IL1が選択される。波長選択フィルタ52Aは交換装置52Dによって近赤外光(波長760nm〜2.5μm程度)を選択する波長選択フィルタ52Bと交換可能である。なお、アライメント光の波長を切り替える場合には、光源自体を切り替えてもよい。
【0023】
アライメント光IL1は、レンズ系53A及び53Bを介してビームスプリッター54Aに入射する。ビームスプリッター54Aで−Z方向に反射されたアライメント光IL1は、ビームスプリッター54B及び第1対物レンズ55を介してウエハWの表面のウエハマークWM1に照射される。ウエハマークWM1はフォトレジスト層PRで覆われている。光ガイド51、波長選択フィルタ52A,52B、交換装置52D、レンズ系53A及び53B、ビームスプリッター54A及び54B、及び第1対物レンズ55から照明系49Cが構成されている。
【0024】
ウエハマークWM1で反射されたアライメント光IL1は、第1対物レンズ55、ビームスプリッター54B,54A、及び第2対物レンズ56を介して、CCD又はCMOS型の2次元の撮像素子57の受光面にウエハマークWM1の像を形成する。第1対物レンズ55、ビームスプリッター54B,54A、第2対物レンズ56、及び撮像素子57から検出系49Aが構成されている。検出系49Aの光軸はZ軸に平行である。撮像素子57の撮像信号を例えば非計測方向に積算して得られる検出信号DSが検出信号処理系127に供給される。
【0025】
検出信号処理系127では、オフセットを求める際には検出信号DSをオフセット補正系129に供給する。通常のアライメント時には、検出信号処理系127は、検出信号DSを例えば所定のスライスレベルで2値信号に変換し、この2値信号から撮像素子57の特定の画素を基準としてウエハマークWM1のX方向、Y方向の位置ずれ量を求め、位置ずれ量を主制御装置20を介してEGA演算部126に供給する。EGA演算部126では、その位置ずれ量に主制御装置20から供給されるウエハステージWSTの座標(X,Y)を加算して、ウエハステージWSTの座標で規定される座標系(ステージ座標系)におけるウエハマークの座標を求める。
【0026】
また、検出系49Aに対するデフォーカス量を検出するために、光ガイド58から可視光を含む波長域の光が射出される。光ガイド58から射出された光は波長選択フィルタ59を通過して可視光(波長400〜750nm程度)のフォーカス検出光AFLが選択される。波長選択フィルタ59を通過したフォーカス検出光AFLは、集光レンズ60によってスリットパターンが形成されたスリット板61を照明する。スリットパターンから射出されるフォーカス検出光AFLは、ビームスプリッター62で反射され、レンズ系63を介してビームスプリッター53Bに入射する。ビームスプリッター53Bで反射されたフォーカス検出光AFLは、第1対物レンズ55を介してウエハWの表面(フォトレジスト層PRの裏面)の検出系49Aの検出領域(ここではウエハマークWM1が形成されている領域)内に、そのスリットパターンの像を形成する。そのウエハWの表面で反射されたフォーカス検出光AFLは、第1対物レンズ55、ビームスプリッター54B、レンズ系63、ビームスプリッター62、及びレンズ系64を介して瞳分割用のミラー65に入射する。ミラー65でX方向に分かれて反射された光束はレンズ系66を介して一次元のラインセンサ67の受光面に、X方向に離れた2つのスリットパターンの像を形成する。ラインセンサ67の検出信号がフォーカス信号処理系128に供給される。なお、ラインセンサ67の代わりに2次元の撮像素子も使用可能である。
【0027】
光ガイド58からレンズ系63までの光学部材、ビームスプリッター54B、第1対物レンズ55、レンズ系64からラインセンサ67までの光学部材、及びフォーカス信号処理系128を含んでAF系49Bが構成されている。フォーカス信号処理系128は、ラインセンサ67の検出信号からその2つのスリットパターンの像の間隔と所定の基準の間隔との差分に対応するフォーカス信号FSを生成し、生成したフォーカス信号FSをオフセット補正系129に供給する。オフセット補正系129は、そのフォーカス信号FSに対応するデフォーカス量を後述の第1のオフセットで補正したデフォーカス量を主制御装置20に供給する。主制御装置20は、アライメント時に、そのデフォーカス量に基づいてZステージ125を駆動して、被検マーク(被検面)のアライメント系50(検出系49A)に対する合焦を行う。この場合、アライメント光IL1を用いた場合の検出系49Aのベストフォーカス位置と、AF系49Bで検出されるベストフォーカス位置とのZ方向の差分である第1のオフセットの初期値は0である。実際には、その第1のオフセットは後述のキャリブレーションによって補正量δZ1が加算される。
【0028】
また、図3に示すように、ウエハWの裏面のウエハマークWM2が検出対象である場合には、光ガイド51から射出される光から波長選択フィルタ52Bによって近赤外光(波長760nm〜2.5μm程度)よりなるアライメント光IL2が選択され、アライメント光IL2がウエハWを透過してウエハWの裏面のウエハマークWM2に照射される。この場合のウエハWの基材は、近赤外光に対して少なくとも裏面のマークが観察できる程度の透過率を有する。そして、ウエハマークWM2で反射されたアライメント光IL2が第1対物レンズ55等を介して撮像素子57の受光面にウエハマークWM2の像を形成する。撮像素子57の検出信号を図2の検出信号処理系127で処理することで、ウエハマークWM2の位置ずれ量が求められる。
【0029】
また、図3において、AF系49Bからは可視光のフォーカス検出光AFLがウエハWの表面に照射され、ウエハWの表面からのフォーカス検出光AFLの反射光がAF系49Bのラインセンサ67の受光面に2つのスリットパターンの像を形成する。ラインセンサ67の検出信号をフォーカス信号処理系128で処理して得られるフォーカス信号FSがオフセット補正系129に供給され、そのフォーカス信号FSに対応するデフォーカス量を後述の第2のオフセットで補正したデフォーカス量を主制御装置20に供給する。主制御装置20は、アライメント時に、そのデフォーカス量に基づいてZステージ125を駆動して、被検マークのアライメント系50(検出系49A)に対する合焦を行う。この場合、アライメント光IL2を用いた場合の検出系49Aのベストフォーカス位置と、AF系49Bで検出されるベストフォーカス位置とのZ方向の差分である第2のオフセットは初期値ではZofである。実際には、その第2のオフセットには後述のキャリブレーションによって補正量δZ2が加算される。なお、アライメント光IL1とアライメント光IL2とでは、波長が異なるため、検出系49Aにおける軸上色収差の相違によってベストフォーカス位置が異なっている。
【0030】
図1に戻り、本実施形態の露光装置EXは、例えば特開平6−283403号公報(対応する米国特許第5,448,332号明細書)等に開示されるものと同様の構成の斜入射方式の多点焦点位置検出系(以下、多点AF系と略述する)(不図示)を備えている。この多点AF系の検出結果に基づいて、露光時に投影光学系PLの像面に対するウエハWの各ショット領域の合焦が行われる。
【0031】
ウエハWの露光時には、主制御装置20は、レチクルRのパターンに応じて照明条件を設定する。そして、レチクルRのアライメント及びウエハアライメント装置48を用いたウエハWのアライメントが行われた後、ウエハステージWSTの移動(ステップ移動)によってウエハWが走査開始位置に移動する。その後、照明光ILの発光を開始して、レチクルRのパターンの投影光学系PLによる像でウエハWを露光しつつ、レチクルステージRST及びウエハステージWSTを介してレチクルR及びウエハWを投影倍率を速度比として同期して移動することで、ウエハWの一つのショット領域にレチクルRのパターンの像が走査露光される。このようにウエハWのステップ移動と走査露光とを繰り返すステップ・アンド・スキャン動作によって、ウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターンの像が露光される。
【0032】
次に、本実施形態の露光装置EXにおいて、アライメント系50のAF系49Bで検出されるデフォーカス量のオフセットを求める方法(キャリブレーション方法)の一例につき図4のフローチャートを参照して説明する。この動作は主制御装置20によって制御される。
先ず、図4のステップ302において、図2に示すように、ウエハステージWSTに表面にウエハマークが設けられたウエハ(ウエハWとする)がロードされ、ウエハステージWSTを駆動してウエハWのウエハマークWM1が検出系49Aの検出領域に移動する。なお、例えば不図示のサーチアライメントマークの検出等によって、ウエハWの大まかなアライメントが行われている(以下同様)。次のステップ304において、照明系49Cで可視光のアライメント光IL1を選択してウエハWに照射し、検出系49Aの撮像素子57から出力される検出信号DSを検出信号処理系127からオフセット補正系129に供給する。これと並行して、AF系49Bで検出されるフォーカス信号FSもオフセット補正系129に供給される。この状態でウエハステージWSTのZステージ125を介してウエハWをZ方向に移動する。
【0033】
この結果、図5(A)に示すように、検出信号DSはウエハWのZ位置に応じてコントラストが変化し、図5(B)に示すように、フォーカス信号FSは被検面のZ位置に応じて変化する。そこで、オフセット補正系129は、一例として、検出信号DSのコントラストが最大になるときのZ位置を検出系49Aのベストフォーカス位置として、このときのフォーカス信号FS1から求められるZ位置を第1のオフセットの補正量δZ1とする。この補正量δZ1が記憶される。
【0034】
次のステップ310において、図3に示すように、ウエハステージWSTに裏面にウエハマークWM2が設けられたウエハ(ウエハWとする)がロードされ、ウエハステージWSTの駆動によりウエハWのウエハマークWM2が検出系49Aの検出領域に移動する。次のステップ312において、照明系49Cで近赤外光のアライメント光IL2を選択してウエハWに照射し、検出系49Aの撮像素子57から出力される検出信号DSを検出信号処理系127からオフセット補正系129に供給する。これと並行して、AF系49Bで検出されるフォーカス信号FSもオフセット補正系129に供給される。この状態でウエハステージWSTのZステージ125を駆動してウエハWをZ方向に移動する。
【0035】
オフセット補正系129は、一例として、検出信号DSのコントラストが最大になるときのZ位置を検出系49Aのベストフォーカス位置として、このときの図5(B)のフォーカス信号FS2に対応するZ位置を第2のオフセットの補正量δZ2とする。この補正量δZ2が記憶される。これによって、アライメント系50のAF系49Bによるデフォーカス量の検出結果のオフセットの補正値が求められたことになる。
【0036】
次に、本実施形態の露光装置EXにおけるアライメント及び露光動作の一例につき、図6のフローチャートを参照して説明する。この動作は主制御装置20によって制御される。
先ず、図1のレチクルステージRSTにレチクルR1をロードし、主制御装置20は、不図示の露光データファイルより露光対象のウエハの情報を読み出し、この情報から、検出対象のウエハマークがウエハの最上層(又は単層)の基板の表面又は裏面のどちらに形成されているのかを認識する。ここでは、被検マークは単層の基板の表面にあるとする。
【0037】
その後、図6のステップ320において、図7(A)に示すように、ウエハW1がウエハステージWSTにロードされる。一例として、ウエハW1は、厚さd1が780μm程度のシリコンの平板の基材よりなる基板70の第1面B1(ここでは表面)の各ショット領域にウエハマーク71を付設し、かつ第1面B1に所定の厚さのフォトレジスト層PR1を形成したものである。次のステップ322において、主制御装置20はアライメント系50の照明系49Cで可視光のアライメント光IL1を設定し、オフセット補正系129に可視光用のオフセットを設定させる。ここでは、オフセットとしてステップ308で求めた補正値δZ1が設定される。
【0038】
次のステップ324において、ウエハマーク71を検出系49Aの検出領域内に移動し、AF系49Bからフォーカス検出光AFLを照射して、第1面B1のデフォーカス量ΔF1を計測する。次のステップ326において、主制御装置20がそのデフォーカス量ΔF1を相殺するようにZステージ125を駆動することによって、オートフォーカス方式で第1面B1が検出系49Aのベストフォーカス位置に合焦される。この状態で、検出系49Aによってウエハマーク71の像の位置ずれ量を検出し、検出結果をEGA演算部126に供給する。実際には、ウエハW1の所定の複数のアライメントショットに付設されたウエハマークの位置が検出される。次のステップ328において、EGA演算部126は、計測された複数のウエハマークの座標を用いて例えばEGA方式でウエハW1のショット領域の配列座標を算出する。次のステップ330において、その配列座標に基づいてウエハステージWSTを駆動することで、レチクルR1のパターンの像がウエハW1の各ショット領域に露光される。露光後のウエハW1は、不図示のコータ・デベロッパで現像される(ステップ332)。次のステップ334において、ウエハW1は不図示のエッチング装置等においてパターン形成が行われる。さらに、パターン形成後のウエハW1の裏面を薄くした後、ウエハW1の表面(第1面に)接着剤を介してウエハサポート基板を固定することでウエハW2が製造される。この場合、ウエハW2の表面は薄く加工されたウエハW1の裏面であり、ウエハW2の表面(第2面)にフォトレジストが塗布される。
【0039】
このときに、露光装置EX側では、図1のレチクルステージRSTにレチクルR2をロードし、主制御装置20は、不図示の露光データファイルより検出対象のウエハマークがウエハの最上層(又は単層)の基板の表面又は裏面のどちらに形成されているのかを認識する。ここでは、被検マークは最上層の基板の裏面にあるとする。
その後、図6のステップ336において、図7(B)に示すように、ウエハW2がウエハステージWSTにロードされる。一例として、ウエハW2は、厚さd2が100μm程度のシリコンの基板70aの第1面(ここでは裏面)に接着剤72を介して厚さd3が780μm程度の絶縁体等からなるウエハサポート基板73を固定したものである。さらに、ウエハW2の最上層の基板70aの第2面B2(ここでは表面)にフォトレジスト層PR2が形成され、基板70aの第1面B1(ここでは裏面)の各ショット領域に対応する位置にウエハマーク71が形成されている。なお、図7(B)のウエハマーク71は、図7(A)のウエハマーク71と異なっていてもよい。
【0040】
次のステップ338において、主制御装置20はアライメント系50の照明系49Cで近赤外光のアライメント光IL2を設定し、オフセット補正系129に近赤外光用のオフセットを設定させる。ここでは、オフセットとしてステップ316で求めた補正値δZ2が設定される。
次のステップ340において、ウエハW2のウエハマーク71を検出系49Aの検出領域内に移動し、AF系49Bからフォーカス検出光AFLを照射して、第2面B2のデフォーカス量ΔF2を計測する。次のステップ342において、主制御装置20がそのデフォーカス量ΔF2を相殺するようにZステージ125を駆動することによって、オートフォーカス方式で第1面B1が検出系49Aのベストフォーカス位置に合焦される。この状態で、検出系49Aによって基板70aの第1面B1(ここでは裏面)のウエハマーク71の像の位置ずれ量を検出し、検出結果をEGA演算部126に供給する。実際には、ウエハW2の所定の複数のアライメントショットに付設されたウエハマークの位置が検出される。次のステップ344において、EGA演算部126は、計測された複数のウエハマークの座標を用いて例えばEGA方式でウエハW2のショット領域の配列座標を算出する。次のステップ346において、その配列座標に基づいてウエハステージWSTを駆動することで、レチクルR2のパターンの像がウエハW2の各ショット領域の第2面B2(表面)に露光される。露光後のウエハW2は、不図示のコータ・デベロッパで現像された後(ステップ348)、不図示のエッチング装置等でパターン形成が行われる(ステップ350)。
【0041】
このようにして、本実施形態によれば、基板(ウエハ)の表面又は裏面のどの面にウエハマークがある場合でも、アライメント系50を用いてオートフォーカス方式でそのウエハマークの位置情報を高精度に検出できる。従って、基板の裏面のパターンとの位置合わせを高精度に行うようにして、その表面にパターンを露光できるため、3次元構造の電子デバイスを高精度に製造できる。
【0042】
上述のように本実施形態のウエハアライメント装置48は、ウエハWの表面のデフォーカス量を計測するAF系49Bと、ウエハWの表面で反射する可視光のアライメント光IL1及びウエハW(又はこの最上層の基板)を透過する近赤外光のアライメント光IL2を切り換えてウエハWに照射する照明系49Cと、ウエハWから戻されるアライメント光IL1を含む第1反射光又はアライメント光IL2を含む第2反射光を受光してウエハWの表面のウエハマークWM1又はウエハWの裏面のウエハマークWM2の像を検出する検出系49Aと、を有する。さらに、ウエハアライメント装置48は、検出系49Aの光軸方向(Z方向)に検出系49AとウエハWとの相対位置を調整するZステージ125と、照明系49CからウエハWにアライメント光IL2が照射されるときに、AF系49Bで計測されるデフォーカス量を、補正量δZ2だけ補正されたオフセットを用いて補正して得られるデフォーカス量に基づいて、Zステージ125を制御して検出系49Aに対するウエハWの合焦を行う主制御装置20と、を備えている。
【0043】
また、ウエハアライメント装置48によるウエハマークの検出方法は、ウエハW1の表面のデフォーカス量を計測するステップ324と、このデフォーカス量に基づいてウエハW1の表面の検出系49Aに対する合焦を行いつつ、ウエハW1の表面で反射する波長の光を含むアライメント光IL1を用いてウエハW1の表面のウエハマーク71を検出するステップ326と、ウエハW2(基板70a)の表面のデフォーカス量を計測するステップ340と、このデフォーカス量をオフセットで補正して得られるデフォーカス量に基づいて、検出系49Aに対するウエハW2の最上層の基板70aの裏面の合焦を行いつつ、基板70aを透過するアライメント光IL2を用いて基板70aの裏面のウエハマーク71を検出するステップ342と、を含んでいる。
【0044】
本実施形態によれば、検出系49Aに対するウエハW2(基板70a)の表面のデフォーカス量を計測し、そのデフォーカス量を補正して得られるデフォーカス量に基づいて、そのマーク検出系に対するその第2基板の裏面の合焦を行うことができる。この状態で、検出系49Aから基板70aを透過するアライメント光IL2を基板70aに照射して、基板70aの裏面のウエハマーク71を検出することにより、基板70aの裏面に設けられたウエハマーク71の位置情報を高精度に検出できる。
【0045】
なお、ウエハアライメント装置48の検出対象の表面にウエハマークがある基板と、裏面にウエハマークがある基板とは同一でもよく、異なっていてもよい。
また、本実施形態の露光装置EXは、照明光ILでレチクルRのパターンを介してウエハWを露光する露光装置であって、ウエハアライメント装置48を備え、ウエハアライメント装置48のアライメント系50の検出結果に基づいてウエハステージWSTを駆動してウエハWとレチクルRのパターンとの位置合わせを行っている。
【0046】
また、露光装置EXによる露光方法は、ウエハアライメント装置48を用いたアライメント方法を用いてウエハ(又は最上層の基板)の表面又は裏面の複数のウエハマークの位置情報を検出するステップ326,342、この検出結果に基づいて、ウエハWとレチクルRのパターンとの位置合わせを行いながらウエハWを露光するステップ330,346とを含んでいる。
【0047】
これらの露光装置EX及び露光方法によれば、必要に応じてウエハ(基板)の裏面のウエハマークの位置情報を高精度に検出できるため、ウエハ(基板)の裏面のパターンと表面に露光するパターンとの重ね合わせ精度を向上できる。
なお、本実施形態では、アライメント系50は一軸であるが、アライメント系50は複数軸であってもよい。
【0048】
また、上記の実施形態の露光装置(又は露光方法)を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図8に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ223、前述した実施形態の露光装置EX(露光方法)によりレチクルのパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
【0049】
言い換えると、このデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置又は露光方法を用いて基板(物体)を露光することと、その露光された基板を現像する(処理する)ことと、を含んでいる。この際に、基板の裏面のウエハマークも高精度に検出できるため、3次元構造の電子デバイスを高精度に製造できる。
なお、上記の実施形態において、上述の走査露光型の露光装置(スキャナ)の他に、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー等)も使用できる。さらに、液浸型露光装置以外の、ドライ露光型の露光装置も同様に使用することができる。
【0050】
また、上記の実施形態は、半導体デバイス製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子やプラズマディスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックスウエハ上に転写する露光装置、並びに撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems)、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などの電子デバイス(マイクロデバイス)だけでなく、光露光装置及びEUV露光装置などで使用されるマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
【0051】
このように、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【符号の説明】
【0052】
EX…露光装置、R…レチクル、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、WM1,WM2…ウエハマーク、20…主制御装置20、48…ウエハアライメント装置、49A…検出系、49B…AF系、49C…照明系、71…ウエハマーク、125…Zステージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に設けられたマークの位置情報を検出するマーク検出方法であって、
マーク検出系に対する第1基板の表面の第1の面位置情報を計測することと、
前記第1の面位置情報に基づいて前記マーク検出系に対する前記第1基板の表面の合焦を行いつつ、前記マーク検出系から前記第1基板の表面で反射する第1の波長の光を含む第1光束を前記第1基板に照射して前記第1基板の表面の第1マークを検出することと、
前記マーク検出系に対する第2基板の表面の第2の面位置情報を計測することと、
前記第2の面位置情報のオフセットを補正して得られる面位置情報に基づいて、前記マーク検出系に対する前記第2基板の裏面の合焦を行いつつ、前記マーク検出系から前記第2基板を透過する第2の波長の光を含む第2光束を前記第2基板に照射して前記第2基板の裏面の第2マークを検出することと、
を含むことを特徴とするマーク検出方法。
【請求項2】
前記マーク検出系によって前記第2基板の裏面の前記第2マークを検出するときに、前記マーク検出系の光軸方向に前記マーク検出系と前記第2基板との相対位置を変化させて、前記第2マークの像のコントラストの変化に基づいて前記オフセットを補正すること、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のマーク検出方法。
【請求項3】
前記マーク検出系に対する前記第1基板又は第2基板の表面の面位置情報を計測するときに、それぞれ
前記マーク検出系から前記第1基板又は第2基板に前記第1基板又は第2基板で反射する第3の波長の光を含む光束を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載のマーク検出方法。
【請求項4】
前記第1及び前記第3の波長の光は可視光であり、前記第2の波長の光は近赤外光であることを特徴とする請求項3に記載のマーク検出方法。
【請求項5】
前記第2基板の前記第2マークが形成されている裏面は、接着層を介してベース基板に固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のマーク検出方法。
【請求項6】
露光光でパターンを介して基板を露光する露光方法において、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のマーク検出方法を用いて第1基板の表面の第1マークを検出する工程と、
該検出結果に基づいて前記第1基板と転写対象のパターンとの位置合わせを行って、前記第1基板を露光する工程と、
前記マーク検出方法を用いて第2基板の裏面の第2マークを検出する工程と、
該検出結果に基づいて前記第2基板と転写対象のパターンとの位置合わせを行って、前記第2基板を露光する工程と、
を含むことを特徴とする露光方法。
【請求項7】
基板に設けられたマークの位置情報を検出するマーク検出装置において、
前記基板の表面の面位置情報を計測する第1検出系と、
前記基板の表面で反射する第1の波長の光を含む第1光束及び前記基板を透過する第2の波長の光を含む第2光束を切り換えて前記基板に照射する照射系と、
前記基板から戻される前記第1の波長の光を含む第1反射光又は前記第2の波長の光を含む第2反射光を受光して前記基板の表面の第1マーク又は前記基板の裏面の第2マークの像を検出する第2検出系と、
前記第2検出系の光軸方向に前記第2検出系と前記基板との相対位置を調整する駆動機構と、
前記照射系から前記基板に前記第2光束が照射されるときに、前記第1検出系で計測される面位置情報のオフセットを補正して得られる面位置情報に基づいて、前記駆動機構を制御して前記第2検出系に対する前記基板の合焦を行う合焦制御装置と、
を備えることを特徴とするマーク検出装置。
【請求項8】
前記合焦制御装置は、
前記第2検出系によって前記基板の裏面の前記第2マークを検出するときに、前記駆動機構を介して前記第2検出系と前記基板との相対位置を変化させて、前記第2マークの像のコントラストの変化に基づいて前記オフセットを補正することを特徴とする請求項7に記載のマーク検出装置。
【請求項9】
前記第1検出系は、前記基板に前記基板で反射される第3の波長の光を含む光束を照射し、前記基板の表面からの反射光を検出することを特徴とする請求項7又は8に記載のマーク検出装置。
【請求項10】
前記第1の波長及び前記第3の波長の光は可視光であり、前記第2の波長の光は近赤外光であることを特徴とする請求項9に記載のマーク検出装置。
【請求項11】
前記基板の裏面に前記第2マークが形成されている状態で、前記基板の裏面は、接着層を介してベース基板に固定されることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載のマーク検出装置。
【請求項12】
露光光でパターンを介して物体を露光する露光装置において、
請求項7〜11のいずれか一項に記載のマーク検出装置を備え、
前記マーク検出装置による複数のマークの検出結果に基づいて前記物体と前記パターンとの位置合わせを行うことを特徴とする露光装置。
【請求項13】
請求項6に記載の露光方法を用いて基板に感光パターンを形成することと、
前記露光された基板を前記感光パターンに基づいて処理することと、
を含むデバイス製造方法。
【請求項14】
請求項12に記載の露光装置を用いて基板に感光パターンを形成することと、
前記露光された基板を前記感光パターンに基づいて処理することと、
を含むデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−195380(P2012−195380A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56941(P2011−56941)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】