説明

ミシン

【課題】張りポケットやパッチの縫製の時に、針糸を簡単に切り換える可能なミシンの提供。
【解決手段】本発明に係るミシンは、クローシェを備えたベースと、ニードル支持体30、布地押さえ脚部24、その調節手段26、前記クローシェと共にニードルに縫い動作をさせるモータ手段、及び前記駆動手段の回転運動を上下方向の往復運動に変換するレバー手段32とを備えたヘッド14とを備えている。前記ニードル支持体30は、前記レバー手段32によって上下方向に動かされる少なくとも2つのニードルバー46と、前記レバー手段32を少なくとも1つのニードルバー46と組み合わせる連結エレメントと、を備えている。各ニードルバー46は、各々の糸を通したニードル16,18に組み合わされ、縫い動作を許容するために前記クローシェ内で選択的に駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミシンに関し、好ましくは、2枚もしくはそれ以上の布きれ(布地ピース:piece of fabric)を、異なる特性を有する2つ若しくはそれ以上の縫い目でもって機械的に縫合するのに好適な産業用のミシンに関する。
【背景技術】
【0002】
このミシンの構造は簡素(シンプル:simple)である。更に、このミシンは、例えば色や太さ等の特性が異なる2種類の糸を用いて2枚の布地ピースを縫い合わせることができる。
【0003】
周知のように、2枚もしくはそれ以上の布きれを機械的に縫い合わせる産業用ミシンは、通常、遂行されるべき幾つかの動作に依存する異なった構造上の技法に応じて着想されている。
【0004】
例えば、1本もしくはそれ以上の針を備えたユニットが、一般にジーンズ(jeans)や普段着のズボンなどの衣料品、作業用の衣服やシャツなどを縫うことが知られている。
【0005】
より通常の形態では、前記の型式(バージョン:version)は、針が配置される上部ヘッドと、ミシン掛けすべき布地ピースを送るための布地送りシステムと、前記上部ヘッドの下方に位置するベースとを備えると共に、縫い目(ステッチ:stitch)の形成のために前記針と協働する手段を備えている。
【0006】
上部ヘッドでは、駆動モータに結合されたシャフトにより動力が付与される回転運動が、偏心機構を介して往復運動に変換された上で、針の支持部に伝達される。更に、上部ヘッドは、針の近くに布地押さえ脚部を備えており、該押さえ脚部が、縫い付けられるべき布地ピースをベースに向かって押圧する。
【0007】
布地送りシステムは、通常、布地ピースを一方向に従って移動させることによって縫われるべき当該布地ピースに作用する好適な手段を備えている。
ベースは、上部ヘッドの下方に位置しており、針と共に裁縫ステッチを完成することができるようにする少なくとも一つのクローシェ(かぎ針:crochet)を備えている。
【0008】
明らかに、回転動作と直進動作とを実行できる上述の部品は全て同期して動作する。
【0009】
産業用ミシンは、ますます他にはない特徴をもった衣料品をデザインするスタイリストやデザイナーの要求に応えなければならない。特別な要求は、異なった縫製タイプや糸、例えば異なった色の糸、を用いて縫われた衣料品を得ることである。
【0010】
衣料品に異なる色の縫い目をもたらす既知のシステムは、二者択一のものとして以下の通りである。先ず、単針ミシンを一つだけ用い、或る色の縫い目を得た後に、最初の糸を色が異なる他の糸に取り替え、異なる色の第2の縫い目を得ることができる。
【0011】
この代わりに、異なる特性を呈する糸を用いる2つの単針ミシンを用い、第1のミシンでの縫い目のタイプと、第2のミシンでの異なるタイプの縫い目とをもたらすこともできる。
【0012】
更なる代替案が、多針ミシンを一つだけ用いることによって示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記システムの各々には不都合な点がある:初めの2つのシステムにあっては、縫製時間が長くなり過ぎ、また、第3のシステムにあっては、少なくとも2本の針と、これに対応し固定された少なくとも2つのクローシェとを有するミシンを用いる必要がある。
【0014】
本発明の目的は、前述の不都合を無くし、また、例えば、継ぎ当て(バンプ:vamp),縫い付けポケット(patch pocket),ジーンズ、及び異なる特性を有するより多くの縫い糸を用いることが必要とされるあらゆる品目を縫うのに、簡単な構造を呈する自動化されただけのミシンを稼働することによる不都合を無くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述の全ての目的および利点は本発明に従って、ニードル支持体と、布地押さえ脚部およびその調節手段と、前記クローシェと共にニードルに縫い動作をさせる駆動手段と、前記駆動手段の回転運動を上下方向の往復運動に変換するレバー手段と、を備えたミシンによって達成される。前記ニードル支持体は、次には、前記レバー手段によって上下方向に動かされる少なくとも2つのニードルバーと、前記レバー手段を少なくとも1つのニードルバーと組み合わせる連結エレメントと、を備えている。各ニードルバーは、各々の糸を通したニードルに組み合わされ、縫い動作を許容するために前記クローシェ内で選択的に駆動される。
【0016】
より有利な条件としては、前記ニードルバーの上下方向の動作に直交する方向における前記ニードル支持体の並進移動をもたらすために並進移動手段が備えられ、その結果、前記ニードル支持体が並進移動して、選択的に作動させられる前記ニードルバーの1つを、縫製を成し遂げるために前記クローシェに持ち来すことができる。
【0017】
より有利には、本発明に係るミシンは、2つ若しくはそれ以上の別々の段階(フェーズ:phase)で、少なくとも2つの異なるタイプの縫い目、すなわち、各縫い目が、例えば色が異なるなど特性が異なる糸を用いることによってもたらされる、2つ若しくはそれ以上の縫い目を成し遂げることができるようにする。ミシンは、2つ若しくはそれ以上の並進移動するニードルバーと相対的な並進移動装置を備えているけれども、2つ若しくはそれ以上のニードルバーのうちの1つの針がその中で縫製を成し遂げるクローシェは唯一つだけであるので、ミシンの構造は簡素(シンプル)である。
【0018】
より有利には、本発明に係るミシンは、唯一つだけのニードルバーの上下方向の往復動作を許容するために、1つ若しくはそれ以上の非作動のニードルバーの動作を止めるブロック(blocking)手段を備えていてもよい。
【0019】
より有利には、ミシンは、少なくとも2つの孔が設けられ各孔を糸が通る糸張力エレメントを唯一つだけ備えていてもよい。
【0020】
各ニードルバーは、ニードルバーが作動していないときには、前記張力エレメントの動作によって糸が針から抜け出ることが回避されるように、糸ロック手段を備えていてもよい。
【0021】
本発明の他の特徴および詳細は、非限定的な例として与えられる以下の記載から、また、同様に添付図面から、より良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るミシンの上方からの斜視図である。
【図2】図1において符号Aで表示された詳細部分を示す図である。
【図3】図1のミシンのヘッドの内部からの斜視図である。
【図4】図3のヘッド内に含まれるニードル支持体に係る斜視図である。
【図5】図3のヘッド内に含まれるニードル支持体に係る異なる角度での斜視図である。
【図6】使用すべきニードルバーの選択のための並進移動手段に結合された図4,図5の針支持体を示す図である。
【図7】使用すべきニードルバーの選択のための並進移動手段に結合された図4,図5の針支持体を示す図である。
【図8】使用すべきニードルバーの選択のための並進移動手段に結合された図4,図5の針支持体を示す図である。
【図9】前記並進移動手段および使用すべきニードルバーを選択する選択手段を含むニードル支持体の側面図である。
【図10】図9において符号Bで表示された詳細部分を示す図である。
【図11】ニードル支持体および糸ロック手段を示す相対並進移動手段の底部からの斜視図である。
【図12】図11において符号Cで表示された詳細部分を示す図である。
【図13】糸ロック手段の斜視図である。
【図14】糸ロック手段の側面断面図である。
【図15】ニードル支持体の並進移動手段の斜視図である。
【図16】ニードル支持体の並進移動手段の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付図面を、特に図1,図2を、参照すれば、符号10は、ヘッド14及びベース12を備えたミシンを表示している。ベース12は、縫製すべき布きれを載せる平面部20を有している。平面部20内には、針(ニードル:needle)を挿通させる孔部22が設けられており、前記針が、平面部20の下方に配置されたクローシェ(図には表れていない)と協働して縫い目をもたらす。
【0024】
図3にも示されるように、前記ヘッド14は、以下のものを備えている。すなわち、
−その位置が調節手段26によって制御される布地押さえ脚部24と;
−この後はニードルバーと呼ばれる、2本の針(ニードル)16,18に対する2つの上下方向に可動なシリンダ要素(図3には、ニードルバー46のみが視認できる)を備えているニードル支持体30と;
−ニードルバーの動きに直交する方向に従って当該ニードルバーを並進移動させる並進移動手段と;
−前記ニードル支持体30を駆動する駆動手段28と;
−モータ手段28の回転動作を、ニードルバー30へ伝達されるべき往復動作に変換するてこ(レバレッジ:leverage)装置32と;
−2つの穴33,35を有し、それらの各々に各ニードル16,18用の糸が通される、糸張力エレメント34と、
を備えている。
【0025】
前記布地押さえ脚部24及び相対調節手段26、前記モータ手段28及びてこ装置32については、全て既知の技術範囲のものであるので、これ以上の説明は省略する。
【0026】
図4,図5により明瞭に示されているように、前記ニードル支持体30は、下側ガイド支持部52と上側ガイド支持部54とが固定されているL字形の支持フレーム36を備えている。これらガイド支持部52,54の各々には、2つの貫通孔が設けられている。特に、ガイド支持部52の孔はガイド支持部54の孔に対して同軸で;同軸をなす孔の各組は一つのニードルバーを受容しており、従って、ニードル支持体30は、2つのニードルバー46,48を備えている。
【0027】
このニードルバーの上下方向の往復運動は、連結エレメント50を介して得られる。この連結エレメントは、2本のニードルバー46,48を包み込んで、ロック機構によってそれらを選択的にロックし、ピン51を介してそれらをレバー機構32に連結するものである。
【0028】
特に、各ニードルバー46,48は、第1のグループの球体(ボール:ball)と第2のグループの球体とを備え、第2のグループの球体は第1のグループの球体の下方に配置されている。
【0029】
連結エレメント50に関し各バー46,48について選択的であるロック機構は、第1のグループの球体(図面中には視認できない)が、圧力を受け、2つのバーの一方から出て行き、往復運動でもって上下方向に動作するバーに関してそれをロックするために、連結エレメント50の内面にぶつかる位置で停止するようにする。
【0030】
これに類似して、図4,図5において符号45で示される第2のグループの球体は、圧力を受け、2つのバーの一方から出て行き、当該バーは、ニードル支持体30に関して上下方向の如何なる動きも防止され、ミシンのヘッド14に対するしっかりとした固定状態を維持する。
【0031】
ニードルバーは、第1のグループの球体がその本来の位置から出て行くと、第2のグループの球体が当該バーの内部に戻って来るように製作されている。
【0032】
図9及び図10に示され後述される選択エレメント64を介して、同期して、第1のグループの球体が第1のニードルバーから出て行き当該バーを連結エレメント50にロックし、第2のグループの球体が戻って来て入る一方、(何らの圧力も受けない)第2のニードルバーの第1のグループの球体は戻って入ることができ、当該バーが前記エレメント50から解放されることを許容する。同時に、前記エレメント50から解放されたバーの第2のグループの球体45が出て行き、当該解放されたバーをニードル支持体30にロックする。
【0033】
このように、一方のニードルバーだけが、前記エレメント50に拘束された状態に維持されて上下方向に並進運動を行い、他方のニードルバーはミシン10のヘッド14に対するしっかりとした固定状態に維持されたままである。
【0034】
連結エレメント50は、本体部58を備えている。この本体部58の端部には2つのパイプ57,59が固定され、これらパイプは、支持フレーム36及び支持ガイド54に固定されたガイドエレメント56に設けられたガイド若しくは溝内を摺動する。両ニードルバー46,48の上下方向の直線的な並進動作は、前記ガイドエレメント56によって更に確かなものとされる。
【0035】
各ニードルバー46,48の下端部はそれぞれのニードル16,18に固定される一方、上端部はそれぞれのピン70,72を備えている。これらピンは、各ニードルバーの内部圧力を調節し、第1又は第2のグループのロック用の球体が選択エレメント64を通って出て来ることを許容するものである。
【0036】
ニードル支持体30のミシン本体10の残りの部分に対する結合および挙動は、下側並進移動手段38及び上側並進移動手段40を介してもたらされる。各並進移動手段は、図7に表れているように、支持フレーム36にそれぞれ固定されている。尚、図8においては、内部の機構をより良く見えるようにするために、フレーム36は表示されていない。
【0037】
詳しく言えば、並進移動手段38,40はピストンである。かかるピストンの一つが、図15,図16に詳しく示されている。
各ピストン38,40は、一方向のみに従ってニードル支持体30を移動させる。一方、反対方向への移動はバネ42,44によって生じさせられる。加えて、これらのバネは、ピストン38,40の空圧システムにエアが無い場合には、ニードル支持体30を或る固定された位置に位置させるものである。
【0038】
ニードル支持体30の並進移動は、同時に、選択エレメント64を作動させ、その結果、図9に示されるように、相応するニードルバーが動作させられる。
選択エレメント64は箱状エレメント65を備え、該箱状エレメントには、ネジ74,76が或る間隔で固定されている。
【0039】
前記ニードルバーの2つのピン70,72の何れか一方が押圧された場合、そのことは、第1のグループの球体を解放して当該バーを連結エレメント50から解放し、また、第2のグループの球体を押圧し、ガイド支持部52上での閉塞を生じさせ当該バーの上下方向の動きを防止する。これに対して、ピン70,72の1つが関連するネジ74,76によって押圧されていないときには、関連するニードルバーの内部にある第1のグループの球体は、圧力下にあり、当該ニードルバーは連結エレメント50に対してしっかりと固定され、一方、第2のグループの球体45は自由(フリー:free)であり、ガイド支持部52に関してバーを摺動させる。
【0040】
図10に表れているように、2つのピン70,72間の距離は、ネジ74,76間の距離とは違っている。このようにして、ニードル支持体30の並進動作の終端では、ピン70がネジ74の下端部によって押圧される一方、他方のピン72はネジ76と何らの接触もしていない。これに類似して、前記並進動作の反対側の終端では、ピン72がネジ76の下端部によって押圧される一方、ピン70は、ネジ74と接触していないので、何らの押圧力も受けない。
【0041】
図3,図6,図7,図8,図9に見られるように、糸張力エレメント34は、各ニードル16,18用の糸をそれぞれ通すための2つの穴33,35を備えている。このことは、たとえ各々のニードルバーがロックされていても、両方の糸が動かされることを意味している。糸が針の孔から抜け出ることを回避するために、ミシン10は、図11,図12に視認されるような糸ロックエレメント66,68を備えている。これら糸ロックエレメントは、各々のニードルバーが静止しているときに選択的に作動させることができるものである。
【0042】
図13,図14には、糸ロックエレメント66が示されている。この糸ロックエレメントは、糸が通る貫通孔78を有している。万一に備えて、糸をロックすることができる。糸ロックエレメント66の内部には、空圧的に可動なピストン80が備えられている。糸をロックしなければならないときには、ノズル84から糸ロックエレメントの内部チャンバにエアが送給される。このエアがピストン80を駆動し、ピストンは、糸ロックエレメント66の端部に備えられたキャップ82に当接する。それにより、ピストン80の頭部とキャップ82との間に糸がロックされる。バネ86は、糸が再び孔78を通過できる位置へピストン80が復帰できるようにする。
【0043】
当然のことながら、以上のように説明されたミシンの様々な機構および装置は、空圧バルブや電子制御部を備えた中央制御パネルによって同期させられる。
【0044】
このミシンにおいては、針16と組み合わされるべき糸であって特定の特性を呈する第1の糸と、針18と組み合わされるべき糸であって前記第1の糸の特性とは異なる特性を呈する第2の糸とを、使用することができる。第1の糸を用いることが必要な場合には、連結エレメント50を関連するニードルバーに固定するため、及び当該エレメント50と他方のニードルバー(ミシンに固定されている)との間の相対運動を自由(フリー)ならしめるために、ニードル支持体は並進移動させられる。前記ニードルバーに関連し、静止してミシン10に内蔵される糸ロックエレメントは、糸が針から抜け出ることを防止するように、同期して駆動される。
【0045】
これと類似して、他方のニードルバーを使用する場合には、ピストン38,40及び/又はバネ42,44を介してニードル支持体30を並進移動させ、球体ロック機構を作動させてニードルバーを固定位置にロックし、他方のニードルバーを連結エレメント50と共に可動にする必要がある。
【0046】
本発明の変形例によれば、ミシンは、上下方向の往復運動を許容する連結エレメントと組み合わされた3本又はそれ以上のニードル支持体を備えているかも知れない。適合した選択手段を介して1本のニードルバーだけを前記連結エレメントと一体のものとすることができ、他のニードルバーは固定されミシンと一体の状態を維持したままで、当該ニードルバーは、縫い目をもたらすためにクローシェに沿って上下方向に動く。
【0047】
当該分野の技術者であれば、本発明の保護の範囲に含まれると考えられる修正や変形を思い付くかも知れない。例えば、上述のように説明された選択エレメント64の代わりに、上下方向の往復動作を許容する連結エレメントに関して関連するニードルバーを選択的にロックする電子制御機構手段あるいは他の装置を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0048】
10 ミシン
12 ベース
14 ヘッド
16,18 ニードル(針)
24 布地押さえ脚部
28 駆動手段
30 ニードル支持体
32 レバー機構
33,35 穴
34 糸張力エレメント
38,40 並進移動手段
45 第2のグループの球体
46,48 ニードルバー
50 連結エレメント
64 選択エレメント
66,68 糸ロックエレメント
70,72 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クローシェを有するベースとヘッドとを備えるミシンであって、
−ニードル支持体と、
−布地押さえ脚部およびその調節手段と、
−前記クローシェと共にニードルに縫い動作をさせる駆動手段と、
−前記駆動手段の回転運動を上下方向の往復運動に変換するレバー手段と、
を備え、前記ニードル支持体は、
−前記レバー手段によって上下方向に動かされる少なくとも2つのニードルバーと、
−前記レバー手段を少なくとも1つのニードルバーと組み合わせる連結エレメントであって、各ニードルバーは、各々の糸を備えたニードルに組み合わされ、縫い動作を許容するために前記クローシェ内で選択的に駆動される、連結エレメントと、を備えている、
ことを特徴とするミシン。
【請求項2】
前記ニードルバーの上下方向の動作に直交する方向に前記ニードル支持体を並進移動させる並進移動手段が備えられ、前記ニードル支持体が並進移動して、選択的に作動させられる前記ニードルバーの1つを、前記縫い動作を許容するために前記クローシェに持ち来す、ことを特徴とする請求項1に記載のミシン。
【請求項3】
前記連結エレメントを唯一つのニードルバーにロックするロック手段を操作する選択エレメントが備えられ、残りのニードルバーが静止して動かずにミシンの前記ヘッドと一体的である一方、前記ニードルバーは、前記縫い動作を許容するために上下方向に動くことができる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
【請求項4】
前記選択エレメントは、前記連結エレメントを唯一つのニードルバーに順にロックするロック手段を作動させる作動手段を備え、該作動手段は、前記並進移動手段による前記ニードル支持体の並進移動を通じて操作される、ことを特徴とする請求項3に記載のミシン。
【請求項5】
前記連結エレメントによる上下方向の往復運動に従って動かされるニードルバーの針糸をフリーにし、静止して動かずに前記ヘッドと一体的であるニードルバーの針糸をロックする糸ロック手段が備えられている、ことを特徴とする請求項1から3の何れか一に記載のミシン。
【請求項6】
糸張力エレメントが備えられており、該糸張力エレメントは前記レバー手段によって動作させられ、前記糸張力エレメントには穴部が設けられ、かかる穴部の数は前記ニードルバーの数に対応しており、各々のニードルバーのニードルにより使用される各糸は各々の穴部を通る、ことを特徴とする請求項1から5の何れか一に記載のミシン。
【請求項7】
各ニードルバーはその上端部にピンを備え、該ピンは、押圧されると、当該ニードルバーを前記結合エレメントと組み合わせるのに適合した第1のグループの球体を押すとともに、前記ニードル支持体に関して当該ニードルバーの上下方向動作を許容する第2のグループの球体を解放し;前記ピンが解放されると、前記第1のグループの球体を解放して、前記結合エレメントから前記ニードルバーを解放するとともに、前記第2のグループの球体を押して、前記ニードルバーが前記ニードル支持体と組み合わせる、ことを特徴とする請求項4に記載のミシン。
【請求項8】
前記選択エレメントは、前記ピンの1つを選択的に押圧するのに適したネジを少なくとも備えている、ことを特徴とする請求項7に記載のミシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−12271(P2010−12271A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−158477(P2009−158477)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(593082380)ビィ・ベ・マック・ソシエタ・ペル・アチオニ (3)
【氏名又は名称原語表記】VI.BE.MAC. S.p.A.
【Fターム(参考)】