説明

ミラー本体の支持構造

【課題】車両用ミラーのミラー本体の支持構造において、ミラー本体を回動可能に支持するシャフト部の剛性、耐振性の低下を抑制しつつ、軽量化を図り、かつ支持構造を完成させるまでの作業性を向上する。
【解決手段】ミラー本体を支持する支持構造10は、車両側面の車体側ベース21から側方に突出するように設けられた板状のシャフトベース22とそのシャフトベース22の上面231から上向きに延びた棒状のシャフト部25とを備える。シャフトベース22とシャフト部25は樹脂により一体に形成されている。シャフトベース22の下面232には補強リブがシャフトベース22の一部として形成されている。支持構造10は、シャフトベース22の下面232を下側から被うように、爪嵌合によって装着されるベースロアカバー30を備える。ミラー本体はシャフト部25の軸回りに回動可能に支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアミラーのミラー本体を支持する支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ドアミラーのミラー本体(ミラー及びそのミラーを格納するハウジング)は、一般的に、使用位置(突出位置)と格納位置との間で回動可能とされている。ここで、図10は、ミラー本体を回動可能に支持する従来の支持構造を示している。図10に示すように、支持構造100は、ミラー本体(図示外)を支持するミラーベース200と、そのミラーベース200に取り付けられてミラー本体を回動可能に支持するシャフト部300とを備えている。ミラーベース200は、車体の前席ドア付近(Aピラーの下部付近)に車体面に沿って設けられる車体側ベース201と、その車体側ベース201から車両側方に突出して設けられるシャフトベース202とから構成されている。シャフトベース202は上側に開口部203を有している。なお、車体側ベース201とシャフトベース202とは樹脂により一体に形成されている。
【0003】
シャフト部300は、基部301とその基部301から起立して上方に延びた棒状(厳密には内部が中空になった円筒状)の棒状部302とから構成されている。そのシャフト部300は、高い剛性や強度、耐振性に優れた金属(例えば、亜鉛ダイカスト(ZDC)、アルミダイカスト(ADC))で形成されている。
【0004】
シャフト部300の基部301がシャフトベース202の開口部203に嵌まる形で、シャフト部300はシャフトベース202に設置される。そして、シャフト部300の基部301とシャフトベース202とが、シャフトベース202の裏側からネジ204で締結される。なお、図10の例では、3本のネジ204で締結されている。シャフト部300には、ミラー本体側に設けられた軸受部(図示外)が嵌合される。そして、ミラー本体は、手動又は電動(モータの動力)でシャフト部300の軸回りに使用位置と格納位置との間で回動可能となる。
【0005】
シャフトベース(ミラーベース)とシャフト部とを備えるミラー本体の支持構造は、図10の他にも各種の提案があり、例えば特許文献1には、シャフトベースとシャフト部とが樹脂により一体に形成された例が開示されている(請求項3、図2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3980964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の図10の支持構造では、金属製のシャフト部を使用していたので重量が大きくなるという問題点があった。また、シャフト部とシャフトベースとが別体で構成されているので、シャフト部をシャフトベースに装着する作業が煩わしいという問題点があった。この点、特許文献1の支持構造では、シャフトベースとシャフト部とが樹脂により一体に形成されているので上記の問題点は無いものの、シャフトベースの剛性、耐振性を確保するためにシャフトベースの断面を厚くする必要があり(図2参照)、重量が増加するという問題がある。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、シャフトベース及びシャフト部を備えたミラー本体の支持構造において、その支持構造の剛性、耐振性の低下を抑制しつつ、軽量化を図ることができ、かつ支持構造を完成させるまでの作業性を向上できる支持構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の支持構造は、車両用ドアミラーのミラー本体を使用位置と格納位置との間で回動可能に支持するミラー本体の支持構造であって、
車両ドア付近の車体面に沿って設けられる車体側ベースと、
前記車体側ベースから車両側方に突出して設けられた板状部と、その板状部の端部から下側に屈曲した板状の側壁部とを有し、前記板状部及び前記側壁部によって下側に開口したスペースが形成されたシャフトベースと、
前記板状部の上面から上向きに延びた棒状のシャフト部であって、前記ミラー本体側に設けられた軸受部と嵌合して前記ミラー本体を自身の軸回りに回動可能に支持するシャフト部と、
前記シャフトベースの前記スペースを下側から被うように、爪嵌合によって前記シャフトベースに装着される樹脂製のベースロアカバーと、を備え、
前記車体側ベース、前記シャフトベース及び前記シャフト部が樹脂により一体に形成されたことを特徴とする。
【0010】
これによれば、車体側ベース及びシャフトベース(ミラーベース)とシャフト部とが樹脂により一体に形成されているので、金属製のシャフト部を使用する場合に比べて軽量化を図ることができる。また、シャフト部をシャフトベースにネジで締結する必要が無いので、ネジ止めに伴う作業を省略できる(作業性を向上できる)。また、ネジを省略できることの他の効果として、部品点数の削減、製造原価を低減できる。さらに、ネジ緩みによるミラー本体の脱落も防止できる。また、シャフトベースは、板状部及び側壁部で構成された箱形形状となっているので、シャフトベースの剛性、耐振性の低下を抑制しつつ軽量化を図ることができる。シャフトベースの内側には、板状部及び側壁部によってスペースが形成されているので、そのスペースに、ワイヤーハーネス等を配設できる。シャフトベースのスペースを被うベースロアカバーが装着されるので、そのスペースを隠すことができ意匠性を向上できる。そのベースロアカバーは、爪嵌合によってシャフトベースに装着されるので、簡易にシャフトベースに装着できる(装着に伴う作業性を向上できる)。また、ベースロアカバーは樹脂製とされているので、樹脂製のシャフトベースと一体感を出すことができる。
【0011】
また、本発明において、前記シャフトベースの前記板状部の下面には補強リブが前記シャフトベースの一部として一体に形成されたことを特徴とする。これによれば、シャフトベース(板状部)に補強リブが形成されているので、シャフトベースの剛性、耐振性を向上できる。このように、シャフト部からの曲げモーメントが大きいシャフトベースの剛性を向上できるので、支持構造全体として剛性、耐振性の低下を抑制できる。その補強リブは、板状部の下面に形成されてベースロアカバーで隠されるので(シャフトベースの外側に露出していないので)、意匠性を向上できる。また、補強リブは、シャフトベースの一部としてシャフトベースと一体に形成されているので、シャフトベースに対して強固に補強リブを設けることができる。
【0012】
また、本発明において、前記車体側ベース、前記シャフトベース及び前記シャフト部はガラス繊維入りの樹脂で形成されたことを特徴とする。これによって、より一層、剛性、耐振性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ミラー本体の支持構造10の分解斜視図である。
【図2】ミラーベース20を車両の側方から見た図である。
【図3】図2のA方向(車両後方)からミラーベース20を見た図である。
【図4】図2のB方向(車両上方)からミラーベース20を見た図である。
【図5】図2のC方向(車両下方)からミラーベース20を見た図である。
【図6】車体側ベース21を裏側から見た図である。
【図7】図2のE−E線で切ったときのシャフト部25の縦断面図である。
【図8】ベースロアカバー30を、その裏面32側及び表面31側から見た図である。
【図9】ミラーベース20にミラー本体40が装着された状態を示した図である。
【図10】従来のミラー本体の支持構造を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るミラー本体の支持構造の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態のミラー本体の支持構造10の分解斜視図である。支持構造10と図9のミラー本体40とから車両用ミラーが構成される。図1に示すように、支持構造10は、シャフト部25が一体に形成された樹脂製のミラーベース20とベースロアカバー30とを備えている。ミラーベース20は、車両の前席ドア(図示外)の前部付近(Aピラーの下辺り)に設けられ、ミラー本体40(図9参照)を使用位置と格納位置との間で回動可能に支持するものである。詳細には、ミラーベース20は、車体面に沿って車体側に固定される車体側ベース21と、その車体側ベース21から車両側方に略水平に突出したシャフトベース22と、そのシャフトベース22(板状部23)の上面231から上向き(ミラー本体40が取り付けられる方向)に延びた棒状のシャフト部25とから構成されている。なお、車体側ベース21、シャフトベース22及びシャフト部25は射出成形によりガラス繊維入りの樹脂で一体に形成されている。
【0015】
以下、図1に加えて、図2〜図6を参照して、ミラーベース20を詳細に説明する。ここで、図2は、ミラーベース20を車両の側方から見た図(正面図)であり、図3は、図2のA方向(車両後方)からミラーベース20を見た図(側面図)であり、図4は、図2のB方向(車両上方)からミラーベース20を見た図(平面図)である。また、図5は、図2のC方向(車両下方)からミラーベース20を見た図(裏面図)であり、図6は、車体側ベース21を裏側から見た図である。
【0016】
シャフトベース22は、板状部23と、その板状部23の端部から略垂直に下方に屈曲した板状の側壁部24とから構成されている。板状部23は、図4の平面図で略矩形状(車両側方に長い矩形であり、短辺が弧状に曲がった矩形)となっている。板状部23の上面(表面)231(図2参照)は車両の上方(上空の方向)に面しており、板状部23の下面(裏面)232(図2参照)は車両の下方(地面の方向)に面している。その板状部23の上面231にはシャフト部25が立設されるとともに、板状部23のシャフト部25周囲には、ミラー本体40の回動位置を使用位置と格納位置に位置決めするための位置決め部26が、板状部23の一部として一体に形成されている。その位置決め部26は、図4に示すように、シャフト部25を中心にして平面視でリング状に形成されている。より具体的には、位置決め部26は、その周方向に所定間隔おきに形成された、板状部23の上面231から上方に隆起した複数の隆起部261を有している。なお、隣り合う2つの隆起部261間の部分は、隆起部261に対して凹まれた凹部262とされている。すなわち、位置決め部26は、隆起部261と凹部262とが周方向に交互に形成された構成となっている。その位置決め部26の凹部262にミラー本体40側の位置決め部(図示外)が嵌められることで、ミラー本体40が使用位置又は格納位置に位置決めされる。なお、板状部23の下面232側から見ても、位置決め部26が表されている(図5参照)。この図5では、隆起部261が下面232に対して凹まれた部分とされている。
【0017】
また、板状部23の上面231には、ミラー本体40の回動位置が使用位置又は格納位置を超えた位置になるのを防止するストッパ298が、板状部23の一部として一体に形成されている。そのストッパ298は、位置決め部26に隣接した位置にて上面231から上方に突出する形で形成されている。
【0018】
シャフトベース22の側壁部24は、板状部23の後方側端部233及び側方側端部234と接続されている(図2、図3参照)。なお、側壁部24は、板状部23の前方側には設けられておらず、そのため、板状部23の前方側端部235(図2参照)は開口端とされている。側壁部24のうち後方側端部233と接続された部分241は、図3に示すように、その後方側端部233に沿って長い略長方形状とされている。側壁部24のうち側方側端部234と接続された部分242は、図2に示すように、前方側の辺243が斜めに迫り上がった形状とされている。このように、シャフトベース22の裏側には、板状部23及び側壁部24(241、242)で囲まれたスペース28が形成されている(図5参照)。また、側壁部24(241、242)の下端は開口端とされており、板状部23の前方側端部235も開口端とされていることから、スペース28は、下側及び前側に開口されたスペースとされている。そのスペース28には、ミラー本体40を電動駆動するためのワイヤーハーネス等、各種ワイヤーハーネスが配設される。
【0019】
図5に示すように、シャフトベース22(板状部23)の下面232には補強リブ27が形成されている。その補強リブ27は、位置決め部26の外周に沿って形成された円弧状の外周側補強リブ271、位置決め部26の内周に沿って形成された円弧状の内周側補強リブ272、板状部23が伸びている方向(車両側方への突出方向)に形成された直線状の複数の縦方向補強リブ273〜277、及び板状部23の横幅方向に形成された直線状の複数の横方向補強リブ278、279から構成されている。複数の縦方向補強リブ273〜277のうち第1〜第4の縦方向補強リブ273〜276は、位置決め部26と車体側ベース21側の側面295(図5参照)との間を縦断する形で形成されている。具体的には、第1の縦方向補強リブ273は、一端が車体側ベース21側の側面295に接続され、他端が外周側補強リブ271の側壁部241側の位置で接続されている。第2の縦方向補強リブ274は、一端が側面295に接続され、他端が外周側補強リブ271の前方側端部235側の位置で接続されている。
【0020】
第3の縦方向補強リブ275及び第4の縦方向補強リブ276は、それぞれ、一端が側面295に接続され、外周側補強リブ271と交差しつつ他端が内周側補強リブ272に接続されている。一方、複数の縦方向補強リブ273〜277のうち第5の縦方向補強リブ277は、位置決め部26と側壁部242の内面との間を縦断する形で形成されている。具体的には、第5の縦方向補強リブ277は、一端が側壁部242の内面に接続され、外周側補強リブ271を交差しつつ他端が内周側補強リブ272に接続されている。
【0021】
複数の横方向補強リブ278、279のうち第1の横方向補強リブ278は、位置決め部26と側壁部241の内面との間を横断する形で形成されている。具体的には、第1の横方向補強リブ278は、一端が側壁部241の内面に接続され、外周側補強リブ271を交差しつつ他端が内周側補強リブ272に接続されている。第2の横方向補強リブ279は、位置決め部26と前方側端部235との間を横断する形で形成されている。具体的には、第2の横方向補強リブ279は、一端が前方側端部235近くに位置し、第2の縦方向補強リブ274を交差しつつ他端が内周側補強リブ272に接続されている。それら補強リブ271〜279は、板状部23の下面232から下方に突出しており、その突出量は、側壁部24(241、242)の高さと同程度とされている。これら補強リブ271〜279によって、シャフトベース22の剛性の向上を図り、ひいては、支持構造10全体の剛性、耐振性の向上を図っている。
【0022】
シャフト部25は、板状部23の上面231から上方に延びた棒状とされている。ここで、図7は、図2のE−E線で切ったときのシャフト部25の縦断面図を示している。シャフト部25は、図7に示すように、内部が中空とされた(中空部254を有した)、上端側252にいくほど径Dが小さくなる横断面が円形状の筒状とされている。すなわち、上端側252の径D2は下端側251の径D1よりも小さくなっている。これによって、シャフト部25全体の重量の増加を抑制しつつ、シャフト部25の剛性(特に曲げ剛性)を向上できる。
【0023】
シャフト部25の剛性が従来の金属製のシャフト部の剛性と同等となるように(同等とまではいかないまでも使用時に不具合が生じない剛性となるように)、シャフト部25の板厚tは、金属製のシャフト部のときよりも厚くされている。さらに、シャフト部25の径D(横断面)は、従来のシャフト部の径(横断面)よりも大きくなっている。なお、中空部254は、ワイヤーハーネスを配設するスペースを確保する必要上、従来の金属製のシャフト部の中空部と同程度の大きさとなっている。なお、どの程度の板厚tや径Dにするかは、従来の金属製のシャフト部の板厚や断面の形状(筒状)に基づいて定まる断面係数(断面二次モーメント等)と金属の材料定数(ヤング率等)とから従来のシャフト部の剛性を算出できるので、その剛性を考慮して、今回の板厚tや径Dを決定すれば良い。
【0024】
さらに、シャフト部25と板状部23の付け根には、シャフト部25の全周に渡って断面視円弧状のアール部253が形成されている。これによって、シャフト部25と板状部23の付け根の応力集中を緩和でき、その結果、シャフトベース22の破損を防止できる。
【0025】
図6に示すように、車体側ベース21の裏側の、シャフトベース22が接続される位置(図6の破線で囲まれた位置)には縦横に交差した複数のリブ211が形成されている。よって、シャフトベース22の撓みを抑制できる。また、ミラーベース20(シャフトベース22、シャフト部25)の剛性を向上するために、ミラーベース20はガラス繊維入り樹脂で形成されている。具体的には、予めガラス繊維が混入された樹脂で射出成形することでミラーベース20が形成されている。
【0026】
次に、ベースロアカバー30(図1参照)について説明する。図8は、ベースロアカバー30を、その裏面32側から見た図(同図(a))及びその表面31側から見た図(同図(b))である。ベースロアカバー30は樹脂製かつ板状とされている。なお、ベースロアカバー30は、支持構造10の剛性を向上させるためというよりは意匠性を向上させるために設けられているので、コストアップを抑えるためにガラス繊維が入っていない通常の樹脂で形成されている。ベースロアカバー30の表面31(図8(b)参照)は、支持構造10の下方(地面側)から見たときの意匠面とされている。そのために、表面31は、滑らかな曲面(下方に凸の凸曲面)となっている。また、図8(a)に示すように、ベースロアカバー30の裏面32(シャフトベース22のスペース28側の面)には、シャフトベース22の板状部23に向けて延ばされた、先端が曲がった2つの爪部33、34が、ベースロアカバー30と一体に形成されている。それら爪部33、34は、ベースロアカバー30の、側方側の端部35(以下、外側端部と言う)付近に形成されている。また、ベースロアカバー30の、車体側ベース21側の端部36(以下、内側端部と言う)には、3つの突出片37がベースロアカバー30と一体に形成されている。それら突出片37は、内側端部36から、ベースロアカバー30の板面と同一平面方向に突出している。
【0027】
図4及び図5に示すように、シャフトベース22の板状部23には、ベースロアカバー30に形成された爪部33、34が嵌合する嵌合孔291、292が形成されている。それら嵌合孔291、292は、爪部33、34と対向する位置、具体的には板状部23の側方側端部234付近の位置に形成されている。嵌合孔291、292は板状部23の表裏面間を貫いた貫通孔とされている。ベースロアカバー30は、図1に示すように、シャフトベース22(板状部23)の下面232を下側から被うように(スペース28を完全に閉塞するように)して、シャフトベース22に装着される。より具体的には、ベースロアカバー30の端部と、シャフトベース22の側壁部24(241、242)の下端及び前方側端部235とを突き合わせるようにして、ベースロアカバー30が装着される。この際、爪部33、34がシャフトベース22に形成された嵌合孔291、292に挿入されるとともに、爪部33、34の先端の曲がった部分がシャフトベース22の上面231に掛けられる。すなわち、爪部33、34と嵌合孔291、292とが爪嵌合する。
【0028】
また、ベースロアカバー30の車体側ベース21側に形成された3つの突出片37(図8参照)が、ミラーベース20に形成された係止部(図示外)にて係止される。このように、ベースロアカバー30は、爪部33、34及び嵌合孔291、292による爪嵌合と、突出片37及び係止部による係止とによって、シャフトベース22に装着されている。これによれば、ネジ等の別体の締結部材を必要としないので、簡易に、ベースロアカバー30を装着できる。また、板状部23の下面232に表された補強リブ27を隠すことができるので、見た目を良くできる。さらに、シャフトベース22とベースロアカバー30との間にはスペース28ができるので、ミラー本体40に電力を供給するワイヤーハーネス等をそのスペース28に配設できる。
【0029】
図9は、ミラーベース20にミラー本体40が装着された状態を示している。なお、図9では、図3と同じ方向から見たときの状態を示している。図9に示すミラー本体40は、ミラー41、そのミラー41を格納する椀状(ミラー41が位置する部分が開口された)のハウジング42及びシャフト部25と嵌合する軸受部43を備えている。また、ハウジング42には、ミラー本体40を使用位置と格納位置との間で回動させるモータ(図示外)やミラー41の向きを変えるモータ(図示等)なども格納されている。ミラー本体40は、軸受部43にシャフト部25が挿通(嵌合)されることで、ミラーベース20に取り付けられる。このとき、板状部23の上面231にミラー本体40の軸受部43が載置されるので、その軸受部43によって上面231に表された位置決め部26や嵌合孔291、292が隠される。また、シャフト部25の中空部254(図7参照)には、ミラー本体40に設けられたモータに電力を供給するワイヤーハーネス等が配設される。ミラーベース20に取り付けられたミラー本体40は、電動又は手動にて、シャフト部25の軸回りに、使用位置と格納位置との間で回動可能とされる。
【符号の説明】
【0030】
10 ミラー本体の支持構造
20 ミラーベース
21 車体側ベース
211 リブ
22 シャフトベース
23 板状部
231 板状部の上面
232 板状部の下面
233 板状部の後方側端部
234 板状部の側方側端部
235 板状部の前方側端部
24、241、242 側壁部
25 シャフト部
251 シャフト部の下端側
252 シャフト部の上端側
253 アール部
254 中空部
26 位置決め部
27 補強リブ
271 外周側補強リブ
272 内周側補強リブ
273〜277 縦方向補強リブ
278、279 横方向補強リブ
28 シャフトベースのスペース
291、292 嵌合孔
30 ベースロアカバー
31 ベースロアカバーの表面
32 ベースロアカバーの裏面
33、34 爪部
35 ベースロアカバーの外側端部
36 ベースロアカバーの内側端部
37 突出片
40 ミラー本体
41 ミラー
42 ハウジング
43 軸受部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドアミラーのミラー本体を使用位置と格納位置との間で回動可能に支持するミラー本体の支持構造であって、
車両ドア付近の車体面に沿って設けられる車体側ベースと、
前記車体側ベースから車両側方に突出して設けられた板状部と、その板状部の端部から下側に屈曲した板状の側壁部とを有し、前記板状部及び前記側壁部によって下側に開口したスペースが形成されたシャフトベースと、
前記板状部の上面から上向きに延びた棒状のシャフト部であって、前記ミラー本体側に設けられた軸受部と嵌合して前記ミラー本体を自身の軸回りに回動可能に支持するシャフト部と、
前記シャフトベースの前記スペースを下側から被うように、爪嵌合によって前記シャフトベースに装着される樹脂製のベースロアカバーと、を備え、
前記車体側ベース、前記シャフトベース及び前記シャフト部が樹脂により一体に形成されたことを特徴とするミラー本体の支持構造。
【請求項2】
前記シャフトベースの前記板状部の下面には補強リブが前記シャフトベースの一部として一体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のミラー本体の支持構造。
【請求項3】
前記車体側ベース、前記シャフトベース及び前記シャフト部はガラス繊維入りの樹脂で形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のミラー本体の支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−63686(P2013−63686A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202604(P2011−202604)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000105925)サカエ理研工業株式会社 (110)
【Fターム(参考)】