説明

ミルクベースの混合物を製造するための自浄式ミキシングヘッドおよびそのようなミキシングヘッドを備える飲料製造機

ミルクおよび水蒸気の混合物を製造するためのデバイスは、水入口10と、供給物を混合し乳化するように適合されたミキシング領域にそれぞれ水蒸気およびミルクを供給するようになっている前記水入口およびミルク入口と3、乳化された混合物を吐出するための出口ノズル5と、洗浄媒体供給部6と、ミルク供給部とを有するミキシングヘッド2を備える。ミキシングヘッドを洗浄するために、ミルク入口を洗浄媒体供給部およびミルク供給部と選択的に流通連通させ、ミルクまたは水が選択的にミルク入口に、したがってミキシングヘッドに入ることができるようになる。デバイスの洗浄モードでは、ミルク入口が洗浄媒体供給部と流体連通するステップ、水がミキシングヘッドを出て出口ノズルでミルク供給容器へと入るために、ミキシングヘッドおよびミルク入口に入り、ミキシングヘッドを通過するステップを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、ミルク/水の混合物の製造分野に関する。前記混合物は、コーヒー飲料の上に前記混合物を加えることによってカプチーノタイプのコーヒー飲料を製造するために、提供される。
【背景技術】
【0002】
そのような混合物を製造するためのデバイスは、単独式であるいはコーヒーまたは他の飲料の製造機に組み込んで使用することができる。従来技術で知られているように、そのような混合物を製造するために、水を加熱し水蒸気を製造する加熱ユニットに水を供給する。このように生成された水蒸気を、例えばベンチュリ効果を適用して、ミルク供給部から供給されたミルクおよび空気入口からの空気が水蒸気流に吸入されるミキシングヘッドに、送り込み、加熱された水/ミルク混合物とし、次いでこれをミキシングヘッドの出口ノズルからカップへと吐出することができる。
【0003】
よく知られている問題は、所望の量の混合物を製造した後、ミキシングヘッドのミルク入口、ミキシングヘッド自体の内部およびノズル出口はミルクとずっと接触しており、そのため、例えばミルク入口からミキシング領域および出口ノズルへのミルク流路を洗浄することによって、清掃しなければならないことである。既知のデバイスでは、これは上記のミルク流路を手で洗浄することを要求する労力を要し時間がかかる作業である。洗浄および/または清掃には、混合物を製造するステップより実質的に多くの時間と労力がかかることがある。ミルクがミキシングヘッドの表面で乾燥してしまっていると、清掃は特に困難である。一方、清掃が十分に適切かつ頻繁に実行されないと、デバイスのその後の使用において衛生問題が起きる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明はそのようなミキシングヘッドの使いやすい清掃または洗浄を目的とする。そのため、本発明は、清掃ステップを簡単にし、清掃が適切に実行されるようにするために、清掃過程を簡単にする機械的手段を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的は独立請求項の特徴によって達成される。従属請求項はさらに本発明の中心的な概念を発展させる。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、ミルクの泡および/またはホットミルクを製造するためのデバイスが、
水蒸気供給部と、
この水蒸気供給部とミキシングヘッドのミキシング領域で連結するミルク入口であり、ミキシング領域が供給された水蒸気とミルクを混合するようになっている、ミルク入口と、
ミキシングヘッドから混合物を吐出するための出口ノズルと、
洗浄媒体供給部と、
ミルク供給部と
を有するミキシングヘッドを有する。
【0007】
さらに、選択的にミルクまたは例えば水などの洗浄媒体がミルク入口でミキシングヘッドに入ることができるように、ミルク入口を洗浄媒体供給部およびミルク供給部と選択的に流体連通させるための機構が提供される。
【0008】
ミルク入口が洗浄媒体供給部と流体連通するとき、出口ノズルから出る流体がミルク供給容器へと移動するように、ミキシングヘッドを設計することができる。
【0009】
本発明の別の態様によれば、ミルクと水蒸気の混合物を製造するためのデバイスが、出口ノズルを選択的に、出口ノズルを出る流体が例えばミルク供給容器または別個の水槽とすることのできる収集容器へと移動する位置にするための手段を有する。
【0010】
ミキシングヘッドのミルク入口は、ミルク供給部を含むためのミルク供給容器と選択的にシール係合するように適合させることができる。
【0011】
移動手段は、ミキシングヘッドおよび洗浄媒体供給容器の相対動作のために設けることができる。
【0012】
移動手段は、ミキシングヘッドおよびミルク供給部容器の相対動作のために設けることができる。
【0013】
本発明のさらに他の態様によれば、ミルクおよび水蒸気の混合物を製造するためのデバイスが、出口ノズルをケーシング前壁の内部および外部に選択的に移動させるための機構を有する。
【0014】
ミキシングヘッドはガイド湾曲に沿って移動可能とすることができる。この利点は、モータを1つだけ使用してミキシングヘッドを垂直および水平方向の組み合わせに沿った動作で駆動することによる、デバイスの簡略化にある。
【0015】
洗浄媒体供給容器は、水供給源と、特に水ポンプの下流の主要水供給ラインと、選択的に流体連通することができる。洗浄媒体容器を洗浄媒体としての水で充填することを制御するために、バルブが設けられている。
【0016】
本発明のさらに他の態様は、ミルクと水蒸気の混合物を製造するためのデバイスを備える飲料製造機に関する。
【0017】
本発明はまた、水蒸気を使用してミルクの泡および/またはホットミルクを製造するためのデバイスのミキシングヘッドを清掃および/または洗浄するための方法も提案し、
その方法は、
ミキシングヘッドのミルク入口を洗浄媒体供給部と流体的に接触させるステップと、
洗浄媒体をミルク入口に入れ、ミキシングヘッドを通過させ、出口ノズルでミキシングヘッドから出すステップと
を備える。
【0018】
この方法はまた、水蒸気がミキシングヘッドを通過する結果として生成される液体吸入効果によって、洗浄媒体がミルク入口から入るステップを備える。言い換えると、通常はミルクを引き込むために生成される吸入効果の利点を、デバイスを洗浄過程ではミルクに取って代わる洗浄媒体によって洗浄するために利用する。
【0019】
より詳細には、液体吸入効果はミキシングヘッドに置かれたベンチュリ手段によって得られる。
【0020】
本発明のさらなる利点、目的および特徴は、以下の本発明の実施形態の詳細な説明を添付の図面と併せて読むことによって、当業者には明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
ここで、本発明の詳細な実施形態を説明する。図1はミルク/水混合物の製造デバイス1の外観を示す。そのようなデバイス1は図1に示すように単独式とすることができるが、コーヒーマシンまたは他の飲料製造デバイスと一体化することもできる。
【0022】
デバイス1は、使用者の方向に面する前壁17を有するケーシング16を備える。ケーシング16の前壁17には、少なくともケーシング16の前壁17に垂直な平面で移動することのできるミキシングヘッド2が設けられている。
【0023】
それの代わりに、またはそれに加えて、ミキシングヘッドをケーシングの前壁に平行な平面で移動することも想定されている。
【0024】
特にミキシングヘッド2は、少なくとも、図1に示すようにミキシングヘッドがハウジング16の前壁17から突き出た第1の動作位置をとることができる。後に説明するように、別の位置では、ミキシングヘッド2の前面26がハウジング16の前壁17と実質的に同一平面となるように、ミキシングヘッドを引き込むことができる。
【0025】
好ましくは、ミキシングヘッド2は、様々な水平移動位置だけでなく垂直移動位置もとることができる。
【0026】
ミキシングヘッド2の出口ノズル5から、製造された水/ミルク混合物を、高さ調整可能な支持部22の上に設けられた、例えばコーヒーカップ23などの容器に供給するために吐出することができる。ついに泡状となった水/ミルク混合物を導入する前にカップ23にコーヒー飲料がすでに存在する場合、カプチーノタイプの飲料を製造することができる。
【0027】
ミキシングヘッド2は制御ボタン41を有し、その起動時にデバイス1の異なる動作モードのどちらかを使用者が開始することができる。デバイス1は、制御ボタン41が作動するとその後一連の周期的な動作モードをとるようにプログラムされている。異なる動作モードは、後に図6、7および8を参照して説明する。制御ボタンあるいは代替または追加のユーザインターフェースを、デバイス1の他の部品に設けることもできる。
【0028】
図2は、そのようなデバイス1における媒体の流れの概略的なフローチャートを示す。
【0029】
従来技術のデバイスから知られているように、水供給部15(水槽および/または水導管)からの水は、ポンプ18によって加熱ブロック19に給送される。加熱ブロック19は要求に応じて水蒸気を生成し、次いで水蒸気は水蒸気入口9を通してミキシングヘッド2に給送される。
【0030】
図2に示すように、ミキシングヘッド2は、水蒸気入口9から供給された水蒸気を、例えばミルク入口3からのミルクなど第2の媒体と混合する、ミキシング領域4を備える。ミキシングヘッド4は、断面を縮小し、そこを通る水蒸気が局所的に加速するように構成された、ベンチュリ効果ゾーン55を備える。断面が縮小されたゾーンで水蒸気が加速すると、これにより水蒸気とミルク入口の間の交差部で静圧力が低下する。この静圧力の低下により、ミルクがミキシングヘッド2に吸入される。泡を製造するためには、ベンチュリ効果の結果としてミキシング領域に空気も引き込まなければならない。この点に関して、例えばミルク入口(図示)との交差部に、またはミキシング領域との交差部に直接、空気入口50が設けられる。制御スイッチ39は、空気入口50を通して吸入することのできる空気量を調節するために、バルブ56を操作する。
【0031】
加圧された水蒸気をミキシング領域4を通して流し、ミルク入口3からのミルクが吸入され、そしてミキシング領域4の乱流によって泡状水蒸気/ミルク混合物を製造することができる。次いで、このような水/ミルク混合物をミキシングヘッド2の出口ノズル5から吐出することができる。
【0032】
空気入口バルブ56に作用することによって、ミキシングヘッド内のミルク対空気の比率を調節するために、制御スイッチ39を設けることができる。スイッチ39およびバルブ56の1つの可能な位置では、ホットミルクのみを供給するために空気の供給を完全に抑制することができる。他の増分的位置では、ミルク対空気の比率を変化させて泡の量を変えることができる。
【0033】
従来技術からも知られているように、ミキシングヘッド2のミルク入口3をミルク容器13に含まれるミルク7と流体連通させることができ、そのミルク容器をデバイス1のケーシング16内部または外部に設けることができる。以下では、例示のみを目的として、ミルク供給部7のためのミルク容器13がデバイス1のハウジング16内部に収容されている例を説明する。
【0034】
ベンチュリ効果を支援し、ミルク供給源との適切な接続を確保するために、ミルク入口3がシールコネクタ21を使用してミルク容器13と連結されている。シールコネクタ21は、シール連結を形成するためにミルク入口3の下端が貫通する開口を有する、弾性(例えば、ゴム弾性)の上側接触面を有する。
【0035】
シールコネクタ21は、実質的にすべてのミルク供給部7を吸入することができるよう確保するために、ミルク容器13のほぼ底面へと延びる導管40と緊密な流体連通にある。
【0036】
本発明によれば、ミキシングヘッド2のミルク入口3が、ミルク容器13内のミルク供給部7だけでなく、例えば、ミルク容器13と物理的に分離されている第2の容器12に含まれる水6などの第2の(洗浄)媒体とも、流体連通されることが提案される。一般に、例えば水6または他の清掃媒体および/または食物適合性の洗浄媒体などの洗浄媒体を、第2の容器12に供給することができる。
【0037】
ミルク入口3に第1の容器13および第2の容器12とそれぞれ、選択的に流体連通をもたらすように、ミルク入口3と2つの容器12、13の間の相対動作をもたらすために手動または自動の移動機構8、11が設けられている。
【0038】
また、以下の説明ではミルク入口3および実のところミキシングヘッド2全体がいくつかの様々な位置に移動する方法を説明するが、それの代わりに、またはそれに加えて、ミルク入口3の選択された流体連通をもたらすための手動または自動の移動機構によって、容器12、13の少なくとも1つの位置を変えることができることが、明らかである。
【0039】
洗浄媒体としての水を、例えばポンプ18の下流側でバルブ24から洗浄流体充填導管51を通して容器12へと送り込むことができる。
【0040】
水蒸気を生成した後、加熱ブロック19の下流側に、ある程度の超過圧力がまだ存在する。このような過剰な水蒸気を、パージバルブ53およびパージ導管54を使用して、洗浄媒体容器12に放出することができる。
【0041】
図3は本発明によるデバイス1の前面図を示し、本図ならびに以下の図4から8による図では、ハウジング16の内部の関連部品をより良く図示するために、前記ハウジング16が省略されている。
【0042】
図3から分かるように、コーヒーカップ23のための支持部22は、例えば手動操作またはモータ駆動によるスピンドル25を使用することによって高さ調整が可能である。
【0043】
特に、カップ23のサイズとは関係なく、ミキシングヘッド2の出口ノズル5と面するカップ23の上縁38が一定の位置になるように、光学的または機械的センサによってカップ23のそのような上縁38を検出することを予測することができる。言い換えると、カップ23の支持部22の高さを調整して、それにより上縁38がミキシングヘッド2の出口ノズル5の下縁までの所望の垂直距離を有するように、センサによって制御されたスピンドル25を手動または自動で操作することができる。図示された例では、蝶番された水平プレートの形態である機械的位置センサ52がカップ23の上縁38に係合するように配置されている。縁38がプレートに接触すると、制御ユニット(図9参照)に信号が送られる。センサの位置によって、制御デバイスは、カップが出口ノズル5から適切な距離にある最終的な供給位置に適切に配置されるように、カップ支持部がスピンドルに沿って所定の下向き動作をすることを、さらに制御することができる。
【0044】
同様に図3から分かるように、ミルク入口3は出口ノズル5に面して水平方向にオフセットされる。
【0045】
図4に示すように、前方カバープレート26を有するミキシングヘッド2は、実際には支持構造34によって支持される。支持構造34はミキシングヘッド2を、図4では全体的に参照番号8で示す移動機構に連結する。移動機構8は電気モータ27、ベルトドライブ28およびガイド湾曲14、14’を備えることができる。ガイド湾曲14、14’を通して、かつモータ27およびベルトドライブ28によって動作される、支持構造34、したがってミキシングヘッド2は、基本的にガイド湾曲14、14’の軌道に従う、移動動作を実行することができる。
【0046】
2つの基本的に平行なガイド湾曲14、14’を有することによって、ミキシングヘッド2がその位置を回転されずに、対応する並進動作を確実に実行するようにできる。同様に、ミキシングヘッド2の垂直前方プレート26は、ミキシングヘッド2の垂直または水平位置と関係なく、常にその垂直位置を維持する。
【0047】
その代わりにまたはそれに加えて、ミキシングヘッドが回転移動を実行する他の設計も可能である。
【0048】
本発明は、少なくともミキシングヘッド2のミルク出口3と2つの物理的に分離された容器の間の相対動作を確実にすることができる限り、手動で駆動される移動機構もまた包含することに留意されたい。
【0049】
それの代わりに、またはそれに加えて、例えば電気モータなどを使用して、2つの容器12、13の少なくとも1つを選択的に移動することができることにも留意されたい。
【0050】
図4に示すように、ガイド湾曲14、14’の設計により、ミキシングヘッド2は水平および垂直の両方の成分を有する組み合わされた動作を実行する。言い換えると、ガイド湾曲14、14’によって導かれるミキシングヘッドは、垂直位置ならびに水平位置の両方が変化する。例えば、図1に示すように、ミキシングヘッドおよび特にミキシングヘッド2の前方カバー26がデバイス1のケーシング16の前壁17から突出する突出位置へと、ミキシングヘッド2を動かすことができる。
【0051】
ミキシングヘッド2には、より一層複雑な動作を含む、またはより簡単な動作、すなわち垂直または水平成分のみ、およびそれらの組み合わせを含む、様々な運動をさせることができることに留意されたい。
【0052】
図5は移動機構8をより詳細に示す。電気モータ27はベルト28を動かすために第1のプーリ32を動かし、それにより第2のプーリ33を動かす。
【0053】
図5では、スピンドルドライブの下側位置および指示部22を検出するための位置センサ57、ならびにカップ23の上縁38のための機械的検出器52が示されている。
【0054】
最後に、ミキシングヘッドの現在の状態を検出するために、カム36によってそれぞれ動作される以下の接触スイッチを、ガイド湾曲14に設ける:
−図5に示す動作モードに対応するミキシングヘッド2の位置を検出するための接触スイッチ58、
−図6に示すスタンバイモードに対応するミキシングヘッド2の位置を検出するための接触スイッチ59、
−図9に示すスタンバイモードに対応するミキシングヘッド2の位置を検出するための接触スイッチ60。
【0055】
図5に対応する状態のデバイスの反対側を示す図6から分かるように、第2の側面プーリ33が回転ベルト33’によってレバーアクチュエータ35に連結している。アクチュエータレバー35は、ガイド湾曲14内部で(ベルトドライブ8および電気モータ27によって動作されて)前後に動くことのできるカム36によって、ミキシングヘッド2の支持構造34に連結されている。
【0056】
第2のガイド湾曲14’内で第1のカム36の動作に受動的に従うように第2のカム37が設けられている。第2のカムによって、ミキシングヘッド2が並進移動中に一定の向きとなるようにする。
【0057】
図6から、ハウジング16内部には、ミルク供給容器13内のすでに述べたミルク供給部7ならびに洗浄媒体供給部6と第2の容器12が組み合わされた、容器29が設けられていることが分かる。
【0058】
組み合わされた容器29をそれぞれ、ケーシング16に挿入し、ケーシング16から取り外すことができる。ハウジング16内部でそのように組み合わされた容器29の存在を確認するために、接触スイッチ30が設けられる。
【0059】
図6は、組み合わされた容器29が簡単にハウジング16から取り外し/ハウジング16に挿入できるように、ミキシングヘッド2がガイド湾曲14、14’の中央で持ち上げられた位置にある、中間状態のデバイスを示す。次いで、容器の洗浄媒体を空けるために、および例えば食器洗浄機で容器を適切に清掃するために、使用者が容器を取り外すことができる。
【0060】
そのような位置をとるために、図示しない制御デバイスが電気モータ27を制御し、ミキシングヘッド2および支持構造34が図6に示す位置をとるようになる。
【0061】
さらに、ヘッドの各位置で、移動機構8の位置、例えば機構の固定部品に対するカムの位置を感知するためにスイッチが設けられ、適切なスイッチによって適切な位置が感知され、対応する信号が制御デバイスに送られると、モータ27が制御デバイスによって停止するようになる。
【0062】
ミキシングヘッド2のそのような位置で、使用者は、容器13内のミルク7ならびに第2の容器12内の水6などの洗浄媒体の両方を含む、組み合わされた容器29を挿入することができる。組み合わされた容器29をデバイス1のハウジング16内部に挿入した後、使用者はコーヒーカップ23を支持部22の上に配置することができる。
【0063】
自動的にまたは使用者入力によって開始されるデバイス1の制御によって、図6に示す位置(中間位置)にある支持部34およびミキシングヘッド2が、図7に示す動作位置へと移動する。図7に示す位置では、ミキシングヘッド2は再び低下してガイド湾曲14、14’に面する第1端部位置をとる。このような位置は、最大突出および低下位置と呼ぶことができる。図7によるこの位置は、図1に示す図と対応する。また、完全自動式の制御では、各位置、すなわち突出位置および低下位置は、対応するスイッチ(図示せず)およびモータ27を停止するために制御デバイスに送られる、対応する信号によって感知される。
【0064】
図7に示す位置では、ミルク入口3はミルク容器13内に設けられたミルク供給部7とシール連結(連結21)される。
【0065】
このような状態で、水蒸気をミキシングヘッド2のミキシング領域4(図1参照)に送り込むことができ、ミルク容器13からのミルクがベンチュリ効果によって吸入され、ついに泡状となった水/ミルク混合物が、最終的にミキシングヘッド2の出口ノズル5から吐出されるようになる。ミキシングヘッド2のこのような動作では、ミルク入口3の連結端部からミキシング領域へ至るミルクヘッドおよびミキシングヘッド2の出口ノズル5は、ミルクで汚染され、最終的には使用後に乾燥し、望まない微生物の成長媒体となる。
【0066】
したがって、本発明によれば、ミキシングヘッドは混合物の製造が完了するとすぐに、自動または手動で図7に示す位置から図8に示す位置へと移動される。図8に示す位置では、ミキシングヘッド2の支持構造34はガイド湾曲14、14’の後方端位置にある。
【0067】
このような位置では、図8に概略的に示されているように、前方プレート26がハウジング16の前壁17と同一平面になる。
【0068】
そのような位置で、ミキシングヘッド2のミルク入口3は、第2の容器12に含まれる洗浄媒体6と流体連通する。接触スイッチ(図8には図示せず)によってそのような位置が検出されるとすぐに、デバイス1の制御は、加熱ブロック19を通してミキシングヘッド2のミキシング領域4内へと再び水を給送する。しかし、ここではミルク入口3が第2の容器12に含まれる洗浄媒体6と流体連通しているので、ミルクではなく洗浄媒体がミルク入口3内へ、したがってミキシング領域4へと吸入される。ここでミルク流路を通って流れる洗浄媒体が、前記ミルク流路を洗浄および清掃し、汚染された洗浄媒体/水混合物がミキシングヘッド2の出口ノズル5から吐出される。
【0069】
第2の容器12の洗浄媒体が水である場合、ソレノイドバルブなどの選択的に動作可能なバルブ24を使用して、この水をポンプ18の下流側から選択的に供給することができる。好ましくは、ポンプの後および加熱ブロックの前に洗浄流体ライン51が主水ラインと流体連通して設けられ、加熱されていない水を洗浄流体容器12に供給することができる。したがって、水を加熱ブロックに、または洗浄流体容器12を充填するように選択的に供給するために、バルブ24を主水ラインと洗浄流体ライン51の間に設置する。言い換えると、このようなシナリオではポンプ18によって供給される水の一部を、第2の容器12に供給して洗浄媒体として使用することができる。
【0070】
ミキシングヘッド2の出口ノズル5から出る汚染された洗浄媒体は、組み合わされた容器29内に蓄積される。図8による位置で制御された洗浄ステップが完了した後、ミキシングヘッド2は再び図6に示す中間位置に移動することができ、そこで使用者は組み合わされた容器29を取り外して汚染された洗浄媒体を廃棄し、容器をさらに清掃し、次いでミルク容器13にミルクを再充填し、最終的に第2の容器12内に洗浄媒体6を再充填することができる。
【0071】
図9は、例えばASICまたはマイクロプロセッサとして実装することのできる、制御ユニットを示す。制御ユニット41は、例えばすでに述べたボタン42など使用者の入力コマンドによって開始される、あらかじめプログラムされた処理を実行することができる。例えば、そのような制御ボタン42を操作すると、制御ユニット41はその後の以下の状態のそれぞれ1つを周期的に制御することができる。
−図6によるスタンバイ状態、
−図7による動作状態、および
−図8による洗浄状態。
【0072】
この趣旨で、制御ユニット41には、例えば以下のようなデバイスの現在の状態を反映する入力信号が供給される:
−(接触スイッチ30によって検出される)容器29の存在、
−(カムによって作動されるガイド湾曲14、14’での接触スイッチ58、59、60による)ミキシングヘッド2の現在の位置、
−(例えば接触スイッチ57を使用する)カップ支持部の位置、
−(例えば光学センサによって検出される)カップ23の上縁38の位置、および
−水蒸気温度および/または圧力。
【0073】
使用者の入力および上記入力信号の現在の値によって、制御ユニットは例えば以下の出力信号を計算し生成することができる:
−スピンドル25のためのアクチュエータの作動、
−ベルトドライブ28のためのアクチュエータ(電気モータ)27の制御、
−加熱ブロック19の制御、
−ポンプ18の制御、
−バルブ24および53の制御。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明によるデバイスの第1の斜視図である。
【図2】本発明によるデバイスにおける媒体の流れを示す概略的なブロック図である。
【図3】デバイスのハウジングが示されていない前面図である。
【図4】ハウジングが示されていない斜視図である。
【図5】ハウジングが示されていない側面図である。
【図6】ミルク容器をデバイスに挿入し、またはデバイスから取り外すことができる、中間位置にあるデバイスを示す図である。
【図7】製造された混合物をミキシングヘッドから吐出することのできる動作位置にあるデバイスを示す図である。
【図8】引き込まれた洗浄位置にあるデバイスを示す図である。
【図9】本発明による制御ユニットを概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1…水/水蒸気/ミルク混合物を製造するためのデバイス
2…ミキシングヘッド
3…ミルク入口
4…ミキシングヘッド(2)のミキシング領域
5…出口ノズル
6…洗浄媒体供給部
7…ミルク供給部
8…選択機構
9…水/水蒸気送入部
10…水入口
11…移動機構
12…洗浄媒体供給容器
13…ミルク供給容器
14,14’…ガイド湾曲
15…水槽
16…ハウジング
17…ハウジングの前壁
18…ポンプ
19…加熱ブロック
20…ポンプと加熱ユニットに連結する回路
21…シール
22…カップ支持部
23…カップ
24…バルブ
25…スピンドル
26…ミキシングヘッドのカバープレート
27…アクチュエータ(電気モータ)
28…ベルトドライブのベルト
29…組み合わされた容器
30…29の存在を検出するための接触スイッチ
32…ベルトドライブの第1のプーリ
33…ベルトドライブの第2のプーリ
33’…第2のプーリ後面
34…ミキシングヘッドの支持構造
35…アクチュエータレバー
36…第1のカム
37…第2のカム
38…カップの上縁
39…スイッチ
40…導管
41…制御ユニット
42…制御ボタン
50…空気入口
51…洗浄流体充填ライン
52…カップの縁部38用のセンサ
53…パージバルブ
54…圧力解放導管
55…ベンチュリゾーンの制限
56…空気入口バルブ
57…下側スピンドルドライブ位置用のセンサ
58…動作位置のための接触スイッチ
59…スタンバイ位置のための接触スイッチ
60…洗浄位置のための接触スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水蒸気供給部(9)と、
前記水蒸気供給部(9)とミキシングヘッド(2)のミキシング領域(4)で連結するミルク入口(3)であり、前記ミキシング領域(4)が供給された水蒸気とミルクを混合するようになっている、前記ミルク入口(3)と、
前記ミキシングヘッド(2)から混合物を吐出するための出口ノズル(5)と、
洗浄媒体供給部(6)と、
ミルク供給部(7)と
を有するミキシングヘッド(2)を備える、ミルクの泡および/またはホットミルクを製造するためのデバイス(1)において、
ミルクまたは洗浄媒体が選択的に前記ミルク入口(3)で前記ミキシングヘッド(2)に入ることができるように、前記ミルク入口(3)を前記洗浄媒体供給部(6)および前記ミルク供給部(7)と選択的に流体連通させるための機構(8)を特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記機構が、前記ミルク入口(3)と前記洗浄媒体供給部(6)および前記ミルク供給部(7)の少なくとも1つとの間の相対動作のために、移動手段(8、11)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ミキシングヘッド(2)が、前記ミルク入口(3)が前記洗浄媒体供給部(6)と流体連通するとき、前記出口ノズル(5)を出る流体がミルク供給容器(13)内へと移動するように設計されている、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
水蒸気供給部(9)と、
ミルク入口(3)であり、前記水蒸気供給部(9)と該ミルク入口(3)がそれぞれ水蒸気およびミルクをミキシング領域(4)に供給し、供給された水蒸気およびミルクを混合し最終的に乳化するようになっている、前記ミルク入口(3)と、
前記ミキシングヘッド(2)から混合物を吐出するための出口ノズル(5)と、
ミルク供給容器(13)と
を有するミキシングヘッド(2)を備える、ミルクの泡および/またはホットミルクを製造するためのデバイス(1)において、
前記出口ノズル(5)を選択的に、前記出口ノズル(5)を出る流体が能動的または受動的に前記ミルク供給容器(13)へと移動する位置にするための手段(8、11)を特徴とするデバイス。
【請求項5】
前記ミキシングヘッド(2)の前記ミルク入口(3)が、前記ミルク供給部(7)を含むためのミルク供給容器(13)と選択的にシール係合(21)するようになっている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ミキシングヘッド(2)と洗浄媒体供給容器(12)の相対動作のための移動手段(11)を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ミキシングヘッド(2)とミルク供給容器(13)の相対動作のための移動手段(11)を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
水蒸気供給部(9)と、
ミルク入口(3)であり、前記水蒸気供給部(9)と該ミルク入口(3)がそれぞれ水蒸気およびミルクをミキシング領域(4)に供給し、供給された水蒸気およびミルクを混合し最終的に乳化するようになっている、前記ミルク入口(3)と、
前記ミキシングヘッド(2)から混合物を吐出するための出口ノズル(5)と
を有するハウジング(16)およびミキシングヘッド(2)を備える、ミルクの泡および/またはホットミルクを製造するためのデバイス(1)において、
前記出口ノズル(5)を、前記ミキシングヘッド(2)および出口ノズル(5)が清掃されおよび/または洗浄されるように構成された引き込み位置と、前記ハウジング(16)の前壁(17)から突出している製品供給位置との間で、選択的に動かすための移動機構(11)を特徴とするデバイス。
【請求項9】
前記引き込み位置で前記ミキシングヘッドが前記ハウジング(16)の前記前壁(17)と同一平面となることを特徴とする、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ミキシングヘッド(2)が少なくとも1つのガイド湾曲(14、14’)に沿って回転運動で移動可能である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ミキシングヘッド(2)の水入口(10)に供給される水/水蒸気を製造するための、水槽(15)、ポンプ(18)および加熱ユニット(19)をさらに備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記洗浄媒体供給容器を、前記ポンプ(18)の第2の面と前記加熱ユニット(19)を連結する回路(20)と選択的に流体連通させることができる、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のデバイスを備える、飲料製造機。
【請求項14】
ミキシングデバイスが、
水蒸気供給部(9)と、
ミルク入口(3)であり、前記水蒸気供給部(9)と該ミルク入口(3)がそれぞれ水蒸気およびミルクをミキシング領域(4)に供給し、供給された水蒸気およびミルクを混合し最終的に乳化するようになっている、前記ミルク入口(3)と、
前記ミキシングヘッド(2)から混合物を吐出するための出口ノズル(5)と
を有する、水蒸気を使用してミルクの泡および/またはホットミルクを製造するためのデバイスのミキシングヘッドを、清掃および/または洗浄を行うための方法において、
前記ミキシングヘッドのミルク入口を洗浄媒体供給部と流体的に接触させるステップと、
前記洗浄媒体を前記ミルク入口に入れ、前記ミキシングヘッドを通過させ、前記出口ノズルで前記ミキシングヘッドから出すステップと
を備える方法。
【請求項15】
水蒸気が前記ミキシングヘッドを通過する結果として生成される液体吸入効果によって、前記洗浄媒体が前記ミルク入口から入るステップを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ミルク入口が機械的移動手段によって前記洗浄媒体供給部と連結するように動かされる、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記機械的移動手段の動作が前記デバイスの制御ユニットによって駆動され制御される、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−519587(P2008−519587A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540551(P2007−540551)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011866
【国際公開番号】WO2006/050881
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】