説明

ミルク泡立て器

【課題】従来技術の重量、大きさ、複雑さ、費用価格、外観、生産の面における上記欠点を持たない、ミルク泡立て用装置を提供すること。
【解決手段】ミルク用の容器(15)を構成する本体(5)と、本体に嵌合するカバー(7,8)と、撹拌手段(3)ならびにこの撹拌手段を駆動する駆動手段(4)と、を備えており、駆動手段はカバーに少なくとも部分的に収容されている、ミルク泡立て用装置(1,2)であって、この装置(1,2)は、第1の電気接点(21)を備えたベースプレート(12)を備えており、本体は、第2の電気接点(22)を備えており、この第2の電気接点は、本体がベースプレート上に配置されるときに第1の電気接点と電気接触し、駆動手段は、第3の電気接点(14)を備えており、本体は、第4の電気接点(13)を備えており、この第4の電気接点は、カバーが本体上に配置されるときに第3の電気接点と電気接触し、本体は、第2の電気接点と第4の電気接点との間の電気接続をなす導電体を備えていることを特徴とする装置(1,2)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミルク泡立て用装置に関しており、この装置は、ミルク用の容器を構成する本体と本体に嵌合するカバーと撹拌手段ならびにこの撹拌手段を駆動する駆動手段とを備えており、この駆動手段はカバーに少なくとも部分的に収容されているものである。
【背景技術】
【0002】
ミルクを泡立てるための装置は公知である。蒸気による泡立て器に加え、ミルク内に導入される撹拌手段に基づく泡立て器も様々な態様で長年知られている。この撹拌手段は、手動、電動もしくは磁気的に「上から」あるいは「下から」駆動される。
【0003】
DE102004043579において、ミルクを泡立てるためにミルク内に導入される回転式環状渦巻バネを備える充電式ハンディタイプのミルク泡立て器を見つけた。
【0004】
GB384569において、液体用のミキサーの実施例を見つけた。このミキサーは、ベースおよびスタンドからなるフレームを有しており、筐体がこのベース上に載置されており、この筐体は、撹拌用または混合用ヘッドが搭載されたシャフトを駆動する電動モータを備えている。混合用の液体を有する容器は、ベースに配置される。
【0005】
US5912039において、ベースおよびスタンドからなるフレームを有しており、電動モータがこのスタンド上に載置されており、ミルクに入れるミキサーを更に有する、ミルク泡立て器の実施例を見つけた。泡立て用ミルクを有する容器は、回転式ミキサーがミルク内に導入されるように保持される必要がある。フレームを備える装置は、重く、嵩張り、複雑かつ高価であり、多くの場面では不適である。上述の装置においてミルクの加熱は常に別の場所で行う必要がある。
【0006】
ミルク泡立て器は、コーヒーメーカー内に組み込むこともできる(例えばEP1440648またはEP1483998を参照)。
【0007】
WO2005089572は、撹拌手段と加熱手段を備えるベースからなるフレームを備えるミルク泡立て器を記載しており、泡立て用ミルクを有する容器は加熱手段上に配置される必要がある。ミルクを所望の温度に加熱し、次にこのミルクを混合し、泡立てることは可能であるが、この機械はやはり重く、嵩張り、複雑かつ高価であって、多くの場面では更に適していない。
【0008】
US2001/0036124は、筐体(1)とベース(3)と蓋(2)を備える一体化された撹拌装置を備える飲料用容器に関する。撹拌装置(21)は、ベースに配置され、撹拌手段がこの容器の底付近に配置されており、「下から」駆動される。
【0009】
EP1656866は、容器(21)、筐体(20)、駆動系(5)および(ベースプレート(3)を備えるミルク泡立て器を記載している。加熱手段が容器内に組み込まれており、ベースプレートを介してモータと共に電力が供給される。ここでも、撹拌手段は容器の底付近に配置されており、「下から」駆動される。しかしながら、撹拌手段が容器(の底付近)内に配置されるのであれば掃除が困難となる。
【0010】
US4480926は、容器(12)を備える混合カップを記載している。モータが、カバー内に配置されており、取手(96)に取り付けられたコード(32)を介して電力が供給される。この取手は、カバーに配置されている。しかしながら、このコードは、混合カップの取扱いの間、および撹拌手段の掃除の間、邪魔なものであり、撹拌手段の掃除を可能にするためにまずコンセントを壁から外す必要がある。
【0011】
DE19645564において、混合カップの異なる実施形態が記載されており、撹拌手段が、カバーまたはベースに配置されたモータによって駆動される。ここではモータと撹拌手段の間の連結は磁気的もしくは機械的なものである。モータがカバー内に配置される場合、撹拌手段は「上から」駆動され、このためフレーム(14)が必要である。これによりまた装置が重く、嵩張り、複雑かつ高価なものになり、多くの場面では更に適しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、従来技術の重量、大きさ、複雑さ、費用価格、外観、生産の面における上記欠点を持たない、ミルク泡立て用装置が必要とされる。本発明はこの必要性を満たすためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ミルク泡立て用装置を提供するものであり、この装置は、
− ミルク用の容器を構成する本体と、
− 本体に嵌合するカバーと、
− 撹拌手段ならびにこの撹拌手段を駆動する駆動手段と、
を備えており、この駆動手段はカバーに少なくとも部分的に収容されており、
その特徴として、
− この装置は、第1の電気接点を備えたベースプレートを備えており、
− 本体は、第2の電気接点を備えており、この第2の電気接点は、本体がベースプレート上に配置されるときに第1の電気接点と電気接触し、
− 駆動手段は、第3の電気接点を備えており、
− 本体は、第4の電気接点を備えており、この第4の電気接点は、カバーが前記本体上に配置されるときに第3の電気接点と電気接触し、
− 本体は、第2の電気接点と第4の電気接点との間の電気接続をなす導電体を備えている。
【0014】
ベースプレートは家庭用の電源に接続することができ、例えば車の電気系統に接続することもできる。このカバーは、本体上に固定されない状態で配置することがき、また、この本体にヒンジで連結させることもできる。導電体によってベースプレートから駆動手段に電力を供給することによって、別個のコードもしくは別個のフレームが電力供給のために必要となることなく、駆動手段をカバー内に全てもしくは部分的に組み込むことができ、これにより、装置の重量、大きさ、複雑さ、費用価格、外観、生産、使用の面において非常に有益となる。
【0015】
この駆動手段は、カバーに物理的に固定されて接続されていてもよく、また、カバーに物理的に着脱可能に連結されていてもよい。本体内には例えばその取手内にこの駆動手段を少なくとも部分的に収容するための凹部が設けられており、駆動手段をこの凹部に少なくとも部分的に収容することができる。本体、カバーおよび駆動手段が互いに着脱可能であることにより、この装置の掃除を容易なものにする。本体内の凹部に駆動手段を少なくとも部分的に収納するこによって、駆動手段をより容易に正しい位置に配置することができ、それを支持することができる。これについて、以下に本発明による装置の例示的な実施形態を詳細に記載する。
【発明の効果】
【0016】
好適には撹拌手段は駆動手段に物理的に着脱可能に連結される。これにより掃除が更に容易なものとなり、ユーザは所望ならば撹拌手段を別のタイプのものに容易に交換することができる。好適には撹拌手段は実質的に環状の渦巻バネを備えている。係る渦巻バネは実際に使ってみて十分うまくいくことが分っている。撹拌手段は、容器の中心から外れて配置することができる。これによりミルクの混合および泡立てがよりよい結果となることが分かっている。
【0017】
更に、この装置は、本体に少なくとも一部収容される加熱手段を備えている。よって、別個の加熱プレート等を必要とせず、この加熱手段もベースプレートを介して電力が供給される。ベースプレートから本体を取り外した後には、本体と、駆動手段と、カバーと、加熱手段は、もはや電気配線もしくは電気系統に接続されておらず、ベースプレートから自由に動かすことができる。このことは、安全性および利便性において有益である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明を、二つの例示的な実施形態に基づき以下に記載する。
【図1a】図1aは、本発明による装置の第1の実施形態の斜視図である。
【図1b】図1bは、本発明による装置の分解斜視図である。
【図2a】図2aは、本発明による装置の第2の実施形態の斜視図である。
【図2b】図2bは、本発明による装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図に示される装置(1,2)は、ミルク用の容器(15)を構成し、かつ導電体(図示せず)を内部に配置する本体(5)に加えて、撹拌手段(3)と、この撹拌手段を駆動するための駆動手段(4)とを備えている。本体(5)は、その取扱いを容易にするための取手(6)を備えている。各々の装置(1,2)は、本体(5)上に嵌合するカバー(7,8)を備えており、このカバー(7,8)は、図では本体(5)上に固定されていないが、例えばこの本体にヒンジで連結させることもできる。駆動手段(4)は、導電体によって電力を供給される。このため、電気接続が、ベースプレート(12)上の第1の電気接点(21)と本体(5)上の第2の電気接点(22(図示せず))との間になされ、更に、駆動手段(4)上の第3の電気接点(14(図示せず))と本体(5)上の第4の電気接点(13)との間にもなされ、導電体は第2の電気接点(22)と第4の電気接点(13)とを接続している。
【0020】
図示された第1の実施形態(1)において、図1aおよび1bを参照すると、本体内にはその取手(6)内に前記駆動手段を少なくとも部分的に収容するための凹部(10)が設けられており、駆動手段(4)はこの凹部(10)に少なくとも部分的に収容されている。本体(5)、カバー(7)および駆動手段(4)は、互いに着脱可能であって(1bを参照)、装置(1)の掃除を容易なものにする。再組立時には、駆動装置(4)は自動的に正しい位置に配置される。再組立後、この駆動装置(4)は、カバー(7)ならびに、本体(5)の取手(6)内によって支持される。よって、駆動手段(4)を支持するためにおよび/または電力供給のためには他の別個のフレームまたは別個のコードも必要としない。第2の実施形態(2)において(図2aおよび2bを参照)、駆動手段(4(図示せず))がカバー(8)に全て収容され、このカバーに固定されている。
【0021】
撹拌手段(3)は、環状の渦巻バネ(11)を備えており、実際に使ってみて十分うまくいくことが分っている。撹拌手段(3)は、駆動手段(4)に物理的に着脱可能に連結され、これにより、掃除が容易なものになり、ユーザは所望ならば撹拌手段(3)(ここでは環状の渦巻バネ(11))を異なるタイプのものに容易に交換することができる。撹拌手段(3)は、容器(15)の中心から外れて配置され、これによりミルクの混合および泡立てがよりよい結果となることが分かっている。
【0022】
更に、装置(1,2)は、泡立て用のミルクを容器(15)内において所望の温度に加熱することができるように加熱手段(図示せず)を有する。この加熱手段は本体(5)に収容されており、別個の加熱プレート等を必要としない。更に、この加熱手段は、ベースプレート(12)内の第1の電気接点(21)を介して電力を供給される。ベースプレート(12)から本体(5)を取り外した後には、本体(5)と、駆動手段(4)と、カバー(8)と、加熱手段は、もはや電気配線に接続されておらず、ベースプレート(12)から自由に動かすことができる。このことは、安全性および利便性において有益である。
【0023】
本発明は、例示された実施形態に限定されるものではなく、様々な変更を加えたものも本発明の範囲となり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミルク用の容器(15)を構成する本体(5)と、
前記本体に嵌合するカバー(7,8)と、
撹拌手段(3)ならびにこの撹拌手段を駆動する駆動手段(4)と、
を備えており、前記駆動手段は前記カバーに少なくとも部分的に収容されている、ミルク泡立て用装置(1,2)であって、
この装置(1,2)は、第1の電気接点(21)を備えたベースプレート(12)を備えており、
前記本体は、第2の電気接点(22)を備えており、この第2の電気接点は、前記本体が前記ベースプレート上に配置されるときに前記第1の電気接点と電気接触し、
前記駆動手段は、第3の電気接点(14)を備えており、
前記本体は、第4の電気接点(13)を備えており、この第4の電気接点は、前記カバーが前記本体上に配置されるときに前記第3の電気接点と電気接触し、
前記本体は、前記第2の電気接点と前記第4の電気接点との間の電気接続をなす導電体を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、前記カバー(8)に物理的に固定して接続されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、前記カバー(8)に物理的に着脱可能に連結されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記本体内には前記駆動手段を少なくとも部分的に収容するための凹部(10)が設けられており、前記駆動手段はこの凹部(10)に少なくとも部分的に収容されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記本体は取手(6)を備えており、前記凹部(10)は前記取手内に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記撹拌手段は、前記駆動手段に物理的に着脱可能に連結されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記撹拌手段は、実質的に環状の渦巻バネ(11)を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記撹拌手段は、前記容器内の中心から外れて配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記本体に少なくとも部分的に収容される加熱手段を更に備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の手段。
【請求項10】
前記加熱手段は、前記本体が前記ベースプレート上に配置されるときに前記第1の電気接点と電気接触することを特徴とする請求項9に記載の装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【公表番号】特表2010−535577(P2010−535577A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519879(P2010−519879)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/NL2008/000186
【国際公開番号】WO2009/020384
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(510026312)フォアモウスト ビー.ブイ. (1)
【Fターム(参考)】