説明

ムスカリン性アセチルコリン受容体アンタゴニスト

ムスカリン性アセチルコリン受容体アンタゴニストおよびその使用法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なベンズアゼピン化合物、医薬組成物、その製法、およびムスカリン性アセチルコリン受容体介在疾患の治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
末梢および中枢神経系のコリン作動性ニューロンより放出されるアセチルコリンは、2つの主たるクラスのアセチルコリン受容体−ニコチン性およびムスカリン性アセチルコリン受容体との相互作用を介して多種の生物学的プロセスに影響を与える。ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)は、7回膜貫通ドメインを有するG−蛋白結合受容体のスーパーファミリーに属する。M1−M5と称される、mAChRの5種のサブタイプがあり、各々、別個の遺伝子の産物である。これら5種のサブタイプは、各々、独特な薬理学的特性を示す。ムスカリン性アセチルコリン受容体は、脊椎動物の組織に広く分布しており、これらの受容体は阻害作用および興奮作用の両方を介在しうる。例えば、気道、膀胱および胃腸管に見られる平滑筋では、MmAChRは収縮応答を介在する(1989年、The Muscarinic Receptors. The Humana Press、Inc.、Clifton、NJ)。
【0003】
ムスカリン性アセチルコリン受容体の機能不全が種々の病態生理学的状態にて注目されている。例えば、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)においては、炎症性症状が、肺平滑筋を供給し、迷走神経刺激の後のアセチルコリン放出の増加を惹起する、副交感神経における阻害性Mムスカリン性アセチルコリン自己受容体機能の喪失をもたらす。このmAChRの機能不全はMmAChRの刺激の亢進によって媒介される気道過敏性をもたらす。同様に、炎症性腸疾患(IBD)における胃腸管の炎症はMmAChR介在の過剰運動性をもたらす(Oprins,J. C. J.、HP. MeijerおよびJ. A. Groot. 2000、Tumor Necrosis Factor−{alpha} Potentiates Ion Secretion Induced by Muscarinic Receptor Activation in the Human Intestinal Epithelial Cell Line HT29cl.19A. Ann NY Acad Sci 915:102−106)。膀胱の過剰収縮による失禁もまた、MmAChRの刺激の亢進によって媒介されることが明らかにされた。かくして、サブタイプ−選択性mAChRアンタゴニストの同定は、これらのmAChR−介在疾患における治療薬として有用である。
【0004】
種々の病態の治療に抗ムスカリン性受容体治療薬を使用することを支持する多数の証拠があるにも拘わらず、臨床において相対的にはほとんど抗ムスカリン性化合物は使用されていない。かくして、MmAChRでの遮断を惹起する能力を有する新規な化合物に対する要求がなおも存在する。喘息、COPD、IBDおよび尿失禁などの、MmAChRの刺激の亢進に付随する症状が、mAChR結合の阻害剤である化合物により利益を受けるであろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)介在疾患(アセチルコリンがMmAChRに結合するところの疾患)の治療方法であって、有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
本発明はまた、哺乳動物においてアセチルコリンとその受容体との結合を阻害する方法であって、上記した哺乳動物に有効量の式(I)の化合物を投与することを含む方法に関する。
【0006】
本発明はまた、式(I):
【化1】

式(I)
【0007】
[式中:
は、そのすべてが置換されていてもよい、C1−6アルカノイル、アロイルまたはアロイルC1−6アルキルから選択される置換基からなる群より選択され;
は、水素原子およびC1−4アルキル基からなる群より選択され;
【0008】
GはC4−7アルキルおよび式(a)、(b)、(c)または(d):
【化2】

(式中:
およびRは、独立して、水素、C1−4アルキル、アリールおよびC1−2アルキルアリールからなる群より選択される)
で示される基からなる群より選択され;
【0009】
Aは置換されていてもよいC1−6アルキルおよび式(e)、(f)、(g)または(h):
【化3】

【0010】
(式中:
Xは結合手、NR、OおよびSからなる群より選択され;
Arは置換されていてもよいフェニル環、置換されていてもよい5−または6−員の芳香族複素環式環、および置換されていてもよい二環式または複素二環式環系からなる群より選択され;
ArおよびArは、独立して、置換されていてもよいフェニル環および置換されていてもよい5−または6−員の芳香族複素環式環からなる群より選択され;および
Yは結合手、−NHCO−、−CONH−、−CH−および−(CH(CH−からなる群より選択され、ここでYはO、S、SOおよびCOからなる群より選択され、mおよびnは、m+nの合計が0または1であるように、各々、0または1である;ただし、Aが式(a)で示される基である場合、Ar中に存在するカルボキサミド部分に対してオルト位にあるいずれの置換基も必然的に水素またはメトキシ基であり;
【0011】
rおよびsは、rおよびsの合計が1ないし6の整数に等しくなるように、独立して0ないし3の整数からなる群より選択され;
Vは結合手、O、S、−NHCO−、−CONH−およびCHNHCORからなる群より選択される)
で示される基からなる群より選択される]
で示される新規な化合物またはその塩、および式(I)の化合物またはその塩と医薬担体または希釈体とを含む医薬組成物を提供する。
【0012】
上記した式(I)の化合物中のアルキル基または部分は、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。使用可能なアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルおよびイソプロピル、t−ブチル、sec−ブチル等のその分岐状の異性体を包含する。
がアロイルおよびアロイルC1−4アルキルからなる群より選択される場合、アリール部分は所望により置換されていてもよいフェニル環または所望により置換されていてもよい5または6−員の複素環式環より選択されうる。R基中のアリール部分は水素、ハロゲン、アミノ、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C1−4アルキルアミド、C1−4アルカノイルまたはRNCO(ここで、RおよびRは、各々、独立して、水素原子およびC1−4アルキル基からなる群より選択される)から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0013】
所望により置換されていてもよい5−または6−員の複素環式芳香族環は、Ar、Ar、ArまたはArの基について定義されるように、O、NまたはSから選択される1ないし4個のヘテロ原子を含有しうる。該環が2ないし4個のヘテロ原子を含有する場合、1個はO、NおよびSから選択されることが好ましく、残りのヘテロ原子はNであることが好ましい。5および6−員の複素環基の例として、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、トリアゾリル、トリアジニル、ピリダジル、ピリミジニル、ピラゾリル、イソチアゾリルおよびイソキサゾリルが挙げられる。
【0014】
Arについての二環式、例えば二環式芳香族または複素芳香族の環系の例として、ナフチル、インダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、キノリニル、キノキソリニル、キナゾリニル、シンノリニル、イソキノリニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジル、ピロロ[3,2−b]ピリジル、ピロロ[3,2−c]ピリジル、チエノ[3,2−b]チオフェニル、1,2−ジヒドロ−2−オキソ−キノリニル、3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−ベンズオキサジニル、1,2−ジヒドロ−2−オキソ−3H−インドリルが挙げられる。
【0015】
Ar、ArまたはAr環は、各々、独立して、水素またはハロゲン原子、またはヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキレンジオキシ、C1−4アルカノイル、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルチオ、RSON(R)−、RNSO−、RN−、RC−、RNC(O)−またはRCON(R)−基(ここで、RおよびRの各々は独立して水素原子およびC1−4アルキル基からなる群より選択されるか、またはRは一緒になってC3−6アルキレン鎖を形成する)から選択される1個またはそれ以上の置換基により所望により置換されていてもよい。
【0016】
あるいはまた、ArおよびArは、上記したように、C1−2アルキルまたはRN−基により置換されてもよい1個またはそれ以上の5−または6−員の複素環式環で所望により置換されていてもよく、ここでRおよびRは上記と同意義である。
環中にて相互にオルト位にあるArおよびArの置換基は連結して5−または6−員環を形成してもよい。
【0017】
医薬として用いる場合の式(I)の塩は生理学上許容されなければならないということが理解されよう。適当な生理学上許容される塩は当業者に明らかであり、例えば、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸;および有機酸、例えば、コハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸で形成される酸付加塩を包含する。他の生理学上許容されない塩、例えば、シュウ酸塩は、例えば、式(I)の化合物の単離にて使用され、本発明の範囲内に含まれる。式(I)の化合物の溶媒和物および水和物も本発明の範囲内に含まれる。
【0018】
式(I)の化合物のある物は1またはそれ以上の当量の酸と酸付加塩を形成しうる。本発明はその範囲内に可能なすべての化学量論的または非化学量論的形態を包含する。
式(I)の化合物はシクロヘキシル環での配置に関してシス−およびトランス−異性体の形態にて存在しうる。Aが基(c)を示す場合、化合物はまたその二重結合の回りの幾何異性体として存在してもよい。本発明は、その範囲内に、かかる混合物を含め、すべての異性体を包含する。本発明の化合物はシクロヘキシル環に関してトランス配置にあることが好ましい。Aが基(c)である式(I)の化合物の場合、二重結合のトランス配置が好ましい。
【0019】
式(I)の化合物において、Rはハロゲン原子、メチル、シアノ、アセチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、メチルスルホニル、メチルスルホニルオキシまたはトリフルオロメトキシ基から選択される置換基であることが好ましい。また、RはArZ基(ここで、Zは結合手であり、Arは所望によりメチル基で置換されていてもよく、少なくとも1個のNおよび1個のO原子を含有する、5−または6−員環のヘテロサイクルである)であることが好ましい。Rは水素原子であることが好ましい。
【0020】
A基が式(a)の基である場合、Arの好ましい例として、所望により置換されていてもよいフェニル、インドリル、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジル、シンノリニル、キノリニル、ベンゾ[b]フラニルまたはピロロピリジルが挙げられる。
A基が式(b)の基である場合、Arの好ましい例として、所望により置換されていてもよいフェニルが挙げられ、Yは結合手であることが好ましく、Arの好ましい例として、所望により置換されていてもよいフェニル、ピリジル、ピリミジニル、イソキサゾリル、オキサゾリルまたはオキサジアゾリルが挙げられる。
A基が式(c)の基である場合、Arの好ましい例として、所望により置換されていてもよいフェニルが挙げられる。
【0021】
Ar、ArまたはAr環は、各々独立して、水素またはハロゲン原子、シアノ、メトキシ、トリフルオロメチル、メチレンジオキシ、アセチル、アセチルアミノ、メチルスルホニル、メチルスルホニルオキシ、メチルアミノスルホニル、メチルスルホニルアミノまたはメチルアミノカルボニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されてもよい。
式(I)の化合物に含まれる置換されている複素芳香族環系のある物は1種またはそれ以上の互変異性体の形態にて存在してもよい。本発明はその範囲内に混合物を含めかかるすべての互変異性体の形態を包含する。
【0022】
本明細書にて用いられる、以下の語は、次のことを意味する:
・「ハロ」は、すべてのハロゲン、すなわち、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードをいう。
「C1−10アルキル」または「アルキル」は、鎖長を限定しない限り、炭素数1ないし10の直鎖および分岐鎖部分の両方をいい、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル等を包含するが、これらに限定されるものではない。
「シクロアルキル」は、本明細書にて、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を包含する、好ましくは3ないし8個の炭素を有する環状部分をいうのに用いられる。
【0023】
「アルケニル」は、本明細書にて、いずれの場合にも、鎖長が限定されない限り、限定されるものではないが、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル等を含む、炭素数2−10の直鎖または分岐鎖部分を意味するのに用いられる。
「アリール」とはフェニルおよびナフチルをいう。
「ヘテロアリール」(それ単独で、または「ヘテロアリールオキシ」または「ヘテロアリールアルキル」のような組み合わせにおける語)は、1個またはそれ以上の環がN、OおよびSからなる群より選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する、ピロール、ピラゾール、フラン、チオフェン、キノリン、イソキノリン、キナゾリニル、ピリジン、ピリミジン、オキサゾール、テトラゾール、チアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、イミダゾールまたはベンズイミダゾールなどの5−10員の芳香族環系をいうが、これらに限定されるものではない。
【0024】
「複素環状」(それ単独で、または「複素環状アルキル」のような組み合わせにおける語)は、1個またはそれ以上の環がN、OおよびSからなる群より選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロピラン、チオモルホリンまたはイミダゾリジンなどの飽和または部分的に不飽和の4−10員の環系をいうが、これらに限定されるものではない。さらには、硫黄は所望によりスルホンまたはスルホキシドに酸化されていてもよい。
「アリールアルキル」または「ヘテロアリールアルキル」または「複素環状アルキル」は、本明細書にて、特に限定されない限り、本明細書にて定義したようなアリール、ヘテロアリールまたは複素環状部分に結合した、上記したようなC1−10アルキルを意味するのに用いられる。
【0025】
本発明に係る個々の化合物は、以下に具体的に例示かつ列挙した化合物を包含する。最も好ましくは:
2,8−ジメチル−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−5−キノリンカルボキサミド;
2,8−ジメチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
8−メトキシ−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
8−クロロ−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−5−キノキサリンカルボキサミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2,2−ジフェニルアセトアミド;
2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
1,1−ジメチルエチル 2−{[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]カルボニル}ベンゾアート;
8−クロロ−2−メチル−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−5−キノリンカルボキサミド;
【0026】
2−メチル−8−(メチルオキシ)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−5−キノリンカルボキサミド;または
8−クロロ−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−5−キノリンカルボキサミド;
である。
【0027】
好ましくは:
1,1−ジメチルエチル ((1S)−2−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−2−オキソ−1−{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル)カルバマートホルマート;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−N'−(フェニルメチル)ブタンジアミド;
N−{5−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−5−オキソペンチル}ベンズアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド;
N1−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−O−(フェニルメチル)−L−セリンアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1−イソキノリンカルボキサミドホルマート;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1,6−ナフチリジン−2−カルボキサミド;
1,1−ジメチルエチル ({3−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−3−オキソプロピル}チオ)アセタート;
2−(ジメチルアミノ)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)ベンズアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−3,3−ジフェニルプロパンアミド;
【0028】
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−(2−ナフタレニル)アセトアミドホルマート;
(2E)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−プロペンアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−6−(1H−ピロール−1−イル)−3−ピリジンカルボキサミド;
4−アミノ−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)ブタンアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−4−ピリジンカルボキサミドホルマート;
1,1−ジメチルエチル {4−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−4−オキソブチル}カルバマート;
3−[3,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)プロパンアミド;
N−{2−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−2−オキソエチル}−3−ピリジンカルボキサミドホルマート;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1−フェニルシクロペンタンカルボキサミド;
2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アセトアミド;
【0029】
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1,8−ナフチリジン−2−カルボキサミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−(4−ピリジニル)アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−4−オキソ−4−フェニル−2−ブテンアミド;
2−(5−ヒドロキシ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−ピラジンカルボキサミド;
1−メチル−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−(3−ピリジニル)−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
1,1−ジメチルエチル {(1R)−2−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−2−オキソ−1−フェニルエチル}カルバマート;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−3−ピリジンカルボキサミド−1−オキシドホルマート;
3−(ジメチルアミノ)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)ベンズアミド;
【0030】
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
3−(1H−インドール−3−イル)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)プロパンアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−キノリンカルボキサミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−(1H−ピロール−1−イル)ベンズアミド;
1,1−ジメチルエチル [(1R)−2−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−2−オキソ−1−(3−ピリジニルメチル)エチル]カルバマートホルマート;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1H−インドール−3−カルボキサミドホルマート;
5−メチル−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−フェニル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
N3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−N1−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−ベータ−アラニンアミドホルマート;
(2R)−2−アミノ−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−フェニルエタンアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−(2−ピリミジニルチオ)アセトアミドホルマート;
【0031】
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−4−(1H−ピロール−1−イル)ベンズアミド;
N1−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−3−(3−ピリジニル)−D−アラニンアミド;
(3E)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−4−フェニル−3−ブテンアミド;
2−(1H−インドール−3−イル)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−[(フェニルメチル)チオ]アセトアミド;
4−[4−(メチルオキシ)フェニル]−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)ブタンアミド;
2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−ブチル}−アミド;
2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{8−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−オクチル}−アミド;
2−メチル−キノリン−5−カルボン酸[({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバモイル)−メチル]−アミド;
(R)−1−[1−(2−メチル−キノリン−5−イル)−メタノイル)−ピロリジン−2−カルボン酸{4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−アミド2−メチル−キノリン−5−カルボン酸;
【0032】
[2−({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバモイル)−エチル]−アミド;
2,8−ジメチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
8−メトキシ−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
8−クロロ−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−4−フルオロ−ベンズアミド;
N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−ベンズアミド;
2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(4−フルオロフェニル)−アクリルアミド;
【0033】
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(3−メトキシフェニル)−アクリルアミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(2−シアノフェニル)−アクリルアミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(2−アセチルフェニル)−アクリルアミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(3−チオフェニル)−アクリルアミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(8−(1,2−ジヒドロ−2−オキソ)−キノリニル)−アクリルアミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(3−ベンゾチオフェニル)−アクリルアミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(3−ベンゾチオフェニル)−アクリルアミド;
(E)−3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン −3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アクリルアミド;
N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−2−(2−アミノベンゾチアゾール−6−イル)−アセトアミド;
4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−8−カルボン酸−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;または
N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アセトアミド
あるいはその医薬上許容される塩である。
【0034】
製法
式(I)の化合物は、そのいくつかを以下のスキームにて示す、合成操作を用いて得ることができる。これらのスキームで提供される合成は、種々の異なるR、R、R、R’およびR’’を有する式(I)の化合物を生成するのに適用できる。該スキームは式(I)の化合物だけを説明するが、これは単なる例示を目的とするにすぎない。
【0035】
スキーム1
【化4】

【0036】
式(I)の所望の化合物はスキーム1に示されるように調製され得る。無水トリフルオロ酢酸で処理するなどの当業者に周知の標準的方法を用いて3H−3−ベンズアゼピン1を保護してトリフルオロアミド2を得た。フリーデル−クラフトアシル化反応を介して、つづいて酸性条件下でトリフルオロアセチル基を除去して対応する2よりアルカノイル−3H−3−ベンズアゼピン3が調製され得る。アミン5は、トリアセトキシホウ水素化ナトリウムなどの適当な還元剤の存在下、アミン3をアルデヒド4と反応させることにより周知の還元的アミノ化反応を用いて調製され得る。ついで、式(I)の化合物は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)などのアミドカップリング試薬の存在下、アミン5を適当なカルボン酸8とカップリングさせることで得ることができる。あるいは5を適宜保護されたアミノ酸6とカップリングさせて中間体のカルバマートを得、ついでこれを塩酸またはトリフルオロ酢酸で処理するなどの標準的条件下で脱保護し、アミン7を得る。最後にこのアミンを適当なカルボン酸8とカップリングさせ、標的とする式(I)の化合物を得る。別法として、化合物3はHadleyら(WO 00/21951)の記載に従って調製され得る。
【0037】
必要とされるN−保護のアルキルアルデヒド4が市販されていない場合、該化合物は、スキーム2に示されるように、市販されている酸9から調製され得る。このように、酸9を三フッ化ホウ素−THF複合体で対応するアルコール10に還元することができる。このアルコール10をクロロクロム酸ピリジニウム(PCC)で酸化し、所望のアルデヒド4を生成する。Rが1,4−トランス−シクロヘキシルである場合には、化合物4はStempら(J. Med. Chem. 2000、43、1878−85)に従って調製され得る。
スキーム2
【化5】

【0038】
必要とされる酸8がキノリン−5−カルボン酸型の酸である場合、スキーム3に示されるように調製することができる。3−アミノ−安息香酸11は適当なプロペナール12と縮合させることでキノリン−5−カルボン酸8に変換することができる。別に、市販されていない酸8はHadleyら(WO 00/21951)の記載にしたがって調製することができる。
スキーム3
【化6】

【0039】
合成例
実施例1
【化7】

トランス−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−ブチル}−アミド:
【0040】
1a)2,2,2−トリフルオロ−1−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エタノン:
2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン(33.5g、228ミリモル)を93mLのジクロロメタンに溶かした。トリエチルアミン(48mL、342ミリモル)を添加し、その混合物を氷浴にて冷却した。TFAA(33.5mL、239ミリモル)を滴下漏斗より30分間にわたって滴下した。反応混合物を室温にまで加温しながら、攪拌を一夜にわたって続けた。該反応混合物を水、飽和水性NaHCOおよびブラインで洗浄し、合した水層を40mLのジクロロメタンで抽出した。合した有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して52.1gの淡黄色固体を得た。LCMS: m/z 244(M+H)。
【0041】
1b)2−メチル−1−[3−(2,2,2−トリフルオロ−エタノイル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−プロパン−1−オン:
2,2,2−トリフルオロ−1−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エタノン(4.3g、17.69ミリモル)を20mLの二硫化炭素に溶かした。塩化アルミニウム(15.1g、113ミリモル)を、つづいて塩化イソブチリル(5.56mL、53.07ミリモル)を滴下した。該混合物を45℃で1.5時間、ついで室温で30分間加熱した。溶媒を蒸発させた。残渣をジクロロメタンに溶かし、氷浴中にて冷却した。余分な塩化アルミニウムを6N HClでクエンチした。該混合物を水(2x)で洗浄した。水層をCHCl(2x)で抽出し、合した有機層をブラインで洗浄して、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空下で除去した。得られた粗製物を移動相として酢酸エチル/ヘキサン(20/80、v/v)を用いるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーに付して精製し、4.74gの標記化合物(85%)を得た。LCMS m/z 314(M+H)。
【0042】
1c)2−メチル−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−プロパン−1−オン:
2−メチル−1−[3−(2,2,2−トリフルオロ−エタノイル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−プロパン−1−オン(4.74g、15.14ミリモル)を84mLの3N HClおよび50mLのn−ブタノールに溶かした。該混合物を100℃にて一夜加熱し、さらに5時間加熱した。室温に冷却した後、溶媒を真空下で除去し、その粗塩酸塩をヘキサンと一緒にブタノールを共沸除去し、ついで1N NaOHで処理し、CHCl(4x)で抽出した。合した有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空下で除去して粗製物を得、それを次の工程にてさらに精製することなく使用した。
【0043】
1d)2−メチル−キノリン−5−カルボン酸:
90℃での、3−アミノ安息香酸(10g、72.52ミリモル)、硫酸鉄(5.74g、20.66ミリモル)および3−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(9.03g、40.11ミリモル)の9N HCl(150mL)中攪拌混合物に、クロトンアルデヒド(10.0mL、121.5ミリモル)を1.5時間にわたって添加した。22時間攪拌した後、その熱混合物を濾過し、室温に冷却した。固体を沈降させ、混合物を濾過した。その固体をアセトンで洗浄し、集めて標記生成物(7.009g)を得た。LCMS: m/z 188(M+H)。
【0044】
1e)2−メチル−キノリン−5−カルボン酸(4−ヒドロキシ−ブチル)−アミド:
2−メチル−キノリン−5−カルボン酸(250mg、1.34ミリモル)、4−アミノ−1−ブタノール(120mg、1.34ミリモル)、EDC(260mg、1.34ミリモル)およびHOBT(18mg、0.13ミリモル)のCHCl(10mL)中混合物を室温で1時間攪拌した。トリエチルアミン(0.72mL、5.36ミリモル)を添加した。得られた混合物を一夜攪拌した。飽和NaHCOを添加した後、しばらくの間攪拌し、該混合物をCHClで2回抽出した。合した有機相を水およびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させた。溶媒を真空下で除去し、粗生成物(264mg)を得、それを次の工程にてさらに精製することなく使用した。
【0045】
1f)2−メチル−キノリン−5−カルボン酸(4−オキソ−ブチル)−アミド:
粗2−メチル−キノリン−5−カルボン酸(4−ヒドロキシ−ブチル)−アミド(264mg、1.02ミリモル)のCHCl(10mL)中懸濁液に、4−メチルモルホリンN−オキシド(179mg、1.53ミリモル)を、つづいてTPAP(18mg、0.051ミリモル)および4Åモレキュラーシーブ(0.5g、0.5g/ミリモル)を添加した。該混合物を室温で1.5時間攪拌した。溶媒を真空下で除去した。残渣をシリカ床を介して濾過し、100%EtOAcで、つづいてエタノールおよびジクロロメタン(1:1、v/v)で溶出し、粗製物(186mg)を得た。この物質を次の工程にてさらに精製することなく使用した。
【0046】
1g)2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−ブチル}−アミド:
粗2−メチル−キノリン−5−カルボン酸(4−オキソ−ブチル)−アミド(93mg、0.37ミリモル)および2−メチル−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−プロパン−1−オン(79mg、0.36ミリモル)のジクロロエタン(10mL)中混合物に、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(150mg、0.73ミリモル)を添加した。一夜攪拌した後、その混合物を水でクエンチした。有機層を単離し、濃縮して粗生成物を得た。アセトニトリル/水/0.1%TFA(5/95v/vないし60/40v/v、10分間)で溶出するギルソン(Gilson)HPLCに付して精製し、所望の生成物を得た。LCMS: m/z 458(M+H)。
【0047】
実施例2
【化8】

トランス−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{8−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−オクチル}−アミド
【0048】
2a){8−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−オクチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
2−メチル−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−プロパン−1−オン(171mg、0.79ミリモル)のジクロロエタン(10mL)中溶液に、(8−オキソ−オクチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(192mg、0.79ミリモル)およびトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(219mg、1.18ミリモル)を添加した。該混合物を室温で一夜、つづいて60℃でさらに4時間攪拌した。該混合物を室温に冷却し、水でクエンチして濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶かし、水(3x)およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。得られた粗製物を移動相としてメタノール:ジクロロメタン(5:95、v/v)を用いるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーに付して精製し、184mg(53%)の標記化合物を得た。LCMS m/z 445(M+H)。
【0049】
2b)1−[3−(8−アミノ−オクチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−2−メチル−プロパン−1−オン塩酸塩:
{8−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−オクチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(184mg、0.42ミリモル)の酢酸エチル(30mL)中溶液に、HCl気体を5分間通気した。ついで、該混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をポンプで吸引して粗生成物を得た。この物質を次の工程にてさらに精製することなく使用した。.
【0050】
2c)2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{8−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−オクチル}−アミド:
1−[3−(8−アミノ−オクチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−2−メチル−プロパン−1−オン塩酸塩(184mg、0.42ミリモル)のクロロホルム(30mL)中溶液に、DIEA(361μL、2.1ミリモル)を、つづいて2−メチル−キノリン−5−カルボン酸(116mg、0.62ミリモル)、EDC(79mg、0.42ミリモル)およびHOBT(6mg、0.042ミリモル)を添加した。該混合物を室温で4時間攪拌した。該混合物を酢酸エチルで希釈し、水(2x)およびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させた。溶媒を真空下で除去して、粗生成物を得た。アセトニトリル/水/0.1%TFA(10/90v/vないし50/50v/v、10分間)で溶出するギルソンHPLCに付して精製し、所望の生成物(48mg)を得た。LCMS: m/z 514(M+H)。
【0051】
実施例3
【化9】

トランス−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸[({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバモイル)−メチル]−アミド
【0052】
3a){4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
実施例2aに記載の一般的操作に従って、2−メチル−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−プロパン−1−オン(294mg、1.35ミリモル)および(4−ホルミル−シクロヘキシルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(326mg、1.35ミリモル)をトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(429mg、2.03ミリモル)の存在下で反応させ、標記化合物(306mg)を得た。LCMS m/z 443(M+H)。
【0053】
3b)1−[3−(4−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−2−メチル−プロパン−1−オン:
実施例2bに記載の一般的操作に従って、{4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(306mg、0.69ミリモル)にHCl(g)を通気し、標記化合物(284mg)を得た。LCMS m/z 343(M+H)。
【0054】
3c)[({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバモイル)−メチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
実施例2cに記載の一般的操作に従って、1−[3−(4−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−2−メチル−プロパン−1−オン塩酸塩(95mg、0.24ミリモル)をtert−ブトキシカルボニルアミノ酢酸(41mg、0.24ミリモル)とカップリングさせ、粗生成物を得た。この物質を次の工程にてさらに精製することなく使用した。LCMS m/z 500(M+H)。
【0055】
3d)2−メチル−キノリン−5−カルボン酸[({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバモイル)−メチル]−アミド:
粗[({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバモイル)−メチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.24ミリモル)のクロロホルム(20mL)中溶液に、TFA(0.11mL)を添加した。該混合物を室温で一夜攪拌した。さらに1mLのTFAを該混合物に添加し、さらに6時間攪拌を続けた。溶媒を蒸発させて粗2−アミノ−N−{4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−アセトアミドを得た。この物質を2−メチル−キノリン−5−カルボン酸(48mg、0.26ミリモル)と実施例2cに記載の一般的操作に従ってカップリングさせ、標記化合物(72mg)を得た。LCMS m/z 569(M+H)。
【0056】
実施例4
【化10】

トランス−(R)−1−[1−(2−メチル−キノリン−5−イル)−メタノイル)−ピロリジン−2−カルボン酸{4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−アミド
【0057】
4a)(R)−2−({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバモイル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル:
実施例2cに記載の一般的操作に従って、1−[3−(4−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−2−メチル−プロパン−1−オン塩酸塩(95mg、0.24ミリモル)を(R)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(51mg、0.24ミリモル)とカップリングさせて粗生成物を得た。この物質を次の工程にてさらに精製することなく使用した。LCMS m/z 540(M+H)。
【0058】
4b)(R)−1−[1−(2−メチル−キノリン−5−イル)−メタノイル)−ピロリジン−2−カルボン酸{4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−アミド:
実施例3dに記載の一般的操作に従って、粗(R)−2−({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバモイル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.24ミリモル)をTFA(1.11mL)と一緒に攪拌し、Bocを除去した。ついで2−メチル−キノリン−5−カルボン酸(48mg、0.26ミリモル)とカップリングさせて標記化合物(65mg)を得た。LCMS m/z 609(M+H)。
【0059】
実施例5
【化11】

トランス−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸[2−({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバモイル)−エチル]−アミド:
【0060】
5a)[2−({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−シクロヘキシルメチル}−カルバモイル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
実施例2cに記載の一般的操作に従って、1−[3−(4−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−2−メチル−プロパン−1−オン塩酸塩(95mg、0.24ミリモル)を3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸(45mg、0.24ミリモル)とカップリングさせて粗生成物を得た。この物質を次の工程にてさらに精製することなく使用した。LCMS m/z 514(M+H)。
【0061】
5b)2−メチル−キノリン−5−カルボン酸[2−({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバモイル)−エチル]−アミド
実施例4dに記載の一般的操作に従って、粗[2−({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−シクロヘキシル−メチル}−カルバモイル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.24ミリモル)をTFA(1.11mL)と一緒に攪拌してBoc保護基を除去した。ついで得られた粗アミンを2−メチル−キノリン−5−カルボン酸(48mg、0.26ミリモル)とカップリングさせて標記化合物(68mg)を得た。LCMS m/z 583(M+H)。
【0062】
実施例6
【化12】

トランス−2,8−ジメチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド:
【0063】
6a)1−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン:
2,2,2−トリフルオロ−1−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エタノン(実施例1a)(1.41g、5.80ミリモル)を二硫化炭素(7mL)に溶かした。塩化アルミニウム(4.0g、17.4ミリモル)を加え、その混合物を45℃に加熱した。塩化ブチリル(1.8mL、17.4ミリモル)を15分間にわたって滴下した。攪拌を45℃で1時間、ついで室温で1時間続けた。反応物を6N HClでクエンチし、水および酢酸エチルで希釈した。水層をEtOAc(2x100mL)で抽出し、合した有機層を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空下で除去し、粗製物をEtOAc/ヘキサンから再結晶し、オフホワイト固体(1.44g)を得た。LCMS: m/z 314(M+H)。
【0064】
6b)1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−ブタン−1−オン:
1−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエタノン(1.44g、4.60ミリモル)を3N HCl(25mL)およびn−ブタノール(15mL)に溶かした。該混合物を6時間加熱還流した。室温に冷却後、溶媒を真空下で除去し、粗塩酸塩を2N NaOHで処理し、2x100mLのEtOAcで抽出した。合した有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空下で除去し、EtOAC/ヘキサンから再結晶し、白色固体(0.85g)を得た。LCMS: m/z 218(M+H)。
【0065】
6c)1−{3−[2−(4−アミノ−シクロヘキシル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル}−ブタン−1−オン・ビストリフルオロ酢酸塩
1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−ブタン−1−オン(113mg、0.47ミリモル)および[4−(2−オキソ−エチル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(102mg、0.47ミリモル)のジクロロメタン(5.8mL)中溶液に、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(149mg、0.71ミリモル)を添加した。該混合物を室温で14時間攪拌した。その混合物をジクロロメタンで希釈し、10%水性NaCOで洗浄した。水相をジクロロメタン(40mL)で抽出した。合した有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。得られた粗製物をジクロロメタン(10mL)およびトリフルオロ酢酸(4mL)の混合液に溶かした。得られた混合物を60℃で1時間加熱し、ついで室温に冷却した。溶媒を真空下で除去し、230mg(86%)の標記化合物を得た:LCMS m/z 343(M+H)。
【0066】
6d)2,8−ジメチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド:
1−{3−[2−(4−アミノ−シクロヘキシル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル}−ブタン−1−オン・ビストリフルオロ酢酸塩(58mg、0.1ミリモル)、2,8−ジメチル−キノリン−5−カルボン酸(51mg、0.25ミリモル)、EDC(48mg、0.25ミリモル)およびDIEA(44μL、0.25ミリモル)のCHCl(1mL)中混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を真空下で除去して粗生成物を得た。アセトニトリル/水/0.5%TFA(10/90v/vないし90/10v/v、10分間)で溶出するギルソンHPLCに付して精製し、所望の生成物(6mg、9%)を得た。LCMS: m/z 526(M+H)。
【0067】
実施例7
【化13】

トランス−8−メトキシ−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド:
実施例6dに記載されている一般的操作に従って、1−{3−[2−(4−アミノ−シクロヘキシル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル}−ブタン−1−オン・ビストリフルオロ酢酸塩(58mg、0.1ミリモル)を8−メトキシ−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸(55mg、0.25ミリモル)とカップリングさせて標記化合物(17mg、25%)を得た。LCMS m/z 542(M+H)。
【0068】
実施例8
【化14】

トランス−8−クロロ−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド:
実施例6dに記載の一般的操作に従って、1−{3−[2−(4−アミノ−シクロヘキシル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル}−ブタン−1−オン・ビストリフルオロ酢酸塩(58mg、0.1ミリモル)を8−クロロ−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸(56mg、0.25ミリモル)とカップリングさせて標記化合物(6mg、9%)を得た。LCMS m/z 546(M+H)。
【0069】
実施例9
【化15】

トランス−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド:
実施例6dに記載の一般的操作に従って、1−{3−[2−(4−アミノ−シクロヘキシル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル}−ブタン−1−オン・ビストリフルオロ酢酸塩(58mg、0.1ミリモル)を2−メチル−キノリン−5−カルボン酸(48mg、0.25ミリモル)とカップリングさせて標記化合物(16mg、26%)を得た。LCMS m/z 512(M+H)。
【0070】
実施例10
【化16】

トランス−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド:
【0071】
10a)1−{3−[2−(4−アミノ−シクロヘキシル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル}−2−メチルプロパン−1−オン:
実施例6cに記載の一般的操作に従って、2−メチル−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−プロパン−1−オン(2.7g、12.4ミリモル)および[4−(2−オキソ−エチル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.0mg、12.4ミリモル)をジクロロエタン(120mL)中にてトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(3.9g、18.6ミリモル)と反応させた。粗生成物(5.0g)をジクロロメタン(75mL)に溶かし、TFA(7.5mL)を添加した。該混合物を室温で2時間攪拌し、その後で溶媒を蒸発させた。粗生成物をジクロロメタンと酢酸エチルの混合液に溶かし、10%水性炭酸ナトリウム(2x100mL)およびブラインで洗浄した。水層を酢酸エチル(2x100mL)で抽出し、合した有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過して、溶媒を真空下で蒸発させて標記化合物(2.9g、68%)を得た。LCMS m/z 343(M+H)。
【0072】
10b)トランス−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド塩酸塩:
1−{3−[2−(4−アミノ−シクロヘキシル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3H−3−ベンズアゼピン−7−イル}−2−メチルプロパン−1−オン(275mg、0.80ミリモル)および2−メチル−キノリン−5−カルボン酸(197mg、0.88ミリモル)をクロロホルム(20mL)に溶解/懸濁させた。ジイソプロピルエチルアミン(1.0mL、4.0ミリモル)、EDC塩酸塩(153mg、0.80ミリモル)およびHOBt(11mg、0.08ミリモル)を添加し、該反応混合物を室温で14時間攪拌した。ジクロロメタンを添加し、その混合物を10%水性炭酸カリウム(2x70mL)、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空下で蒸発させ、粗製物をジクロロメタンに溶かした。4N HCl/ジオキサン(0.2ml、0.8ミリモル)を添加した。ジエチルエーテルを加え、得られた沈殿物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄して320mgの標記化合物を得た。LCMS m/z 512(M+H)。
【0073】
実施例11
【化17】

トランス−7−アセチル−3−(2−(1−(4−(5−キノリニル)カルボキサミド)シクロヘキシル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン:
7−アセチル−トランス−3−(2−(1−(4−アミノ)シクロヘキシル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(0.105g、0.334ミリモル)(WO 00/21951に従って調製)、キノリン−5−カルボン酸(0.064g、0.368ミリモル)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.071g、0.368ミリモル)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.01g、0.065ミリモル)のジクロロメタン(6ml)中混合物を18時間振盪させた。炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(6ml)を添加し、振盪をさらに0.5時間続けた。有機層を分離し、ピペットを用いてシリカ(10g)のカラム上に添加した。30−100%勾配の酢酸エチル−ヘキサン、ついで1−10%勾配のメタノール−酢酸エチルで溶出して標記化合物を無色固体として得た(0.1g、64%)。質量スペクトル(API):470(MH)。
【0074】
実施例12−81
実施例12−81を実施例11の一般的操作に従って調製した:
【化18】

【0075】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【0076】
生物学的実施例
本発明の化合物のmAChRでの阻害活性を以下に示すインビトロおよびインビボ機能アッセイで測定する:
【0077】
カルシウム動員による受容体の活性化の阻害の分析
CHO細胞上で発現されるmAChRの刺激を、以前に記載されるように(Sarau,H. M.、R. S. Ames、J. Chambers、C. Ellis、N. Elshourbagy、J. J. Foley、D. B. Schmidt,R. M. Muccitelli、O. Jenkins、P. R. Murdock、N. C. Herrity、W. Halsey、G. Sathe、A. I. Muir、P. Nuthulaganti、G. M. Dytko、P. T. Buckley、S. Wilson、D. J. Bergsma、およびD. W. Hay. 1999 Identification, molecular cloning, expression, and characterization of a cysteinyl leukotriene receptor. Mol Pharmacol 56:657−663)、受容体活性化カルシウム動員をモニター観察することで分析した。MmAChRを安定的に発現するCHO細胞を96ウェルの黒壁/透明底のプレートに置いた。18時間ないし24時間後に、培地を吸引し、100μlの負荷培地(アール塩(Earl's salt)、0.1%RIA等級のBSA(Sigma, St. Louis MO)および4μMのフルオ−3−アセトキシメチルエステルの蛍光性指示染料(Fluo−3 AM、Molecular Probes、Eugene、OR)を含むEMEM)と置き換え、37℃で1時間インキュベートした。ついで、この染料含有の培地を吸引し、新たな培地(Fluo−3 AM不含)と置き換え、細胞を37℃で10分間インキュベートした。ついで、細胞を3回洗浄し、100μlのアッセイバッファー(0.1%ゼラチン(Sigma)、120mM NaCl、4.6mM KCl、1mM KHPO、25mM NaHCO、1.0mM CaCl、1.1mM MgCl、11mM グルコース、20mM HEPES(pH7.4))中、37℃で10分間インキュベートした。50μlの化合物(1x10−11−1x10−5M アッセイの終わり)を加え、該プレートを37℃で10分間インキュベートした。プレートを、ついで、染色負荷細胞が6ワットのアルゴンレーザーからの励起光(488nm)に暴露されるところの、蛍光強度プレートリーダー(FLIPR、Molecular Probes)中に置いた。0.1%BSA含有のバッファー中に調製された、50μlのアセチルコリン(0.1−10nM最終)を、50μl/秒の速度で添加して細胞を活性化させた。細胞質のカルシウム濃度の変化としてモニターされるカルシウム動員を566nmでの発光強度の変化として測定した。発光強度の変化は細胞質のカルシウムレベルと直接関連付けられる(Sullivan, E.、E. M. TuckerおよびI. L. Dale. 1999 Measurement of [Ca2+] using the Fluorometric Imaging Plate Reader(FLIPR). Methods Mol Biol 114: 125-133)。96個すべてのウェルより発光された蛍光を冷却式CCDカメラを用いて同時に測定する。データポイントを刻々と合わせる。ついで、このデータをプロットし、GraphPad PRISMソフトウェアを用いて解析した。
【0078】
メタコリン誘発の気管支収縮
メタコリンに対する気道応答を覚醒状態の非拘束BalbCマウス(一群6匹)にて測定した。気圧プレチスモグラフィーを用い、メタコリンでの気管支攻撃の間に生じる気道抵抗の変化と相関することが分かっている単位のない尺度のポウズの強化(Penh)を測定した(Hamelmann, E.、J. SCHWARZE、K. TAKEDA、A. OSHIBA、G. a. LARSEN、C. a. IRVINおよびE. a. GELFAND. 1997. Noninvasive Measurement of Airway Responsiveness in Allergic Mice Using Barometric Plethysmography. Am. J. Respir. Crit. Care Med. 156:766-775)。マウスを50μlのビヒクル(10%DMSO)中の50μlの化合物(0.003−10μg/マウス)で、鼻腔内、静脈内、腹腔内または経口的に前処理し、ついでプレチスモグラフィーチャンバーに入れた。チャンバーに入れて、マウスを10分間平衡状態にし、ついで5分間のベースラインのPenh測定に付した。マウスをメタコリンのエアロゾル(10mg/ml)で2分間攻撃した。Penhをメタコリンエアロゾルの攻撃から開始し、その後5分間続けて、7分間連続して記録した。各マウスのデータを解析し、GraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。
【0079】
該化合物は、限定されるものではないが、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性呼吸閉塞、肺線維症、肺気腫およびアレルギー性鼻炎などの呼吸器障害;過敏性腸症候群、突発性結腸炎、胃十二指腸潰瘍、胃腸痙攣または運動機能亢進、憩室炎、胃腸平滑筋の痙攣と関連する痛みなどの胃腸消化管の障害;神経性頻尿、神経因性膀胱、夜尿、心因性膀胱、膀胱痙攣または慢性膀胱炎に伴う失禁、尿意逼迫または頻尿を含む排尿障害と関連する尿道障害、および動揺病を包含する、種々の適応症を治療するのに有用である。
【0080】
該化合物の投与方法は当業者にとって明らかであろう。吸入による肺への局所デリバリー用の乾燥粉末組成物は、インヘイラーまたは吸入器にて用いるための、例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジにて、あるいは例えば積層アルミニウムホイルのブリスターにて提供されてもよい。処方は、一般に、本発明の化合物の吸入用の粉末ミックスおよび適当な粉末基剤(キャリア物質)、例えばラクトースまたは澱粉を含有する。ラクトースの使用が好ましい。カプセルまたはカートリッジは、各々、一般に、所望により別の治療用有効成分と組み合わせて、20μg−10mgの式(I)の化合物を含有してもよい。別に、本発明の化合物は賦形剤なしに提供されてもよい。
適当には、医薬ディスペンサーは、リザバー乾燥粉末インヘイラー(RDPI)、複数回投与用乾燥粉末インヘイラー(MDPI)および計量投与用インヘイラー(MDI)からなる群より選択される型のものである。
【0081】
リザバー乾燥粉末インヘイラー(RDPI)とは、複数回分(計量されていない用量)の医薬を乾燥粉末形態にて含むのに適するリザバー形態のパックを有し、そのリザバーからデリバリーの位置に一定量の医薬を計量するための手段を含む、インヘイラーを意味する。その計量手段は、例えば、計量カップを含んでいてもよく、それは該カップがリザバーからの医薬で一杯であってもよい第一の位置から、吸入のために計量された用量の医薬を患者が利用することのできる第二の位置まで移動可能である。
複数回投与用乾燥粉末インヘイラー(MDPI)とは、乾燥粉末形態の医薬をディスペンスするのに適するインヘイラーであって、複数回の所定量(またはその一部)の医薬を含有する(あるいは担持する)複数回用量のパック内に薬物が含まれているものを意味する。好ましい態様において、キャリアはブリスターパックの形態を有し、例えば、カプセルをベースとするパックの形態または医薬がその上にプリント、パイントおよび真空密封を含む適当な方法によって塗布されているキャリアを含むこともできる。
【0082】
処方は(例えば、Diskusにあるように、GB2242134を参照のこと、またはDiskhalerにあるように、GB2178965、2129691および2169265を参照のこと)予め計量されていても、あるいは(例えば、Tubuhalerにあるように、EP69715を参照のこと)使用の際に計量することもできる。単位用量の装置の一例がRotahaler(GB2064336を参照のこと)である。そのDiskus吸入装置は、ベースシートから形成される、その長さに沿って一定間隔にて複数の凹部を有する細長いストリップと、複数の容器を規定するための密閉式であるが、剥離可能であるリッドシートとを含み、その各々の容器は、その中に、式(I)の化合物を、好ましくはラクトースを組み合わせて含有する吸入可能な処方を有する。好ましくは、そのストリップはロールに巻き付くのに十分に可撓性である。そのリッドシートおよびベースシートは、好ましくは、互いに密閉されていない先端部を有し、少なくともその先端部の一方は巻き取り手段に付着するように構築される。また、ベースとリッドシートの間の密封はその全幅にわたって伸長していることが好ましい。リッドシートは、好ましくは、そのベースシートの第一の端部より長さ方向にて剥がすことができる。
【0083】
一の態様において、複数回用量のブリスターパックは、乾燥粉末形態の医薬を収容するための複数のブリスターを含むブリスターパックである。該ブリスターは、典型的には、そこから医薬を容易に取り出すことができるように標準的な方式にて配置されている。
一の態様において、該複数回用量のブリスターパックは、円盤型のブリスターパック上に略円形の方式にて配置された複数のブリスターを含む。もう一つ別の態様において、複数回用量のブリスターパックは、例えば、ストリップとテープを含む、細長い形態である。
【0084】
好ましくは、複数回用量のブリスターパックは、互いに剥離可能に固定された2つの部材の間で規定される。米国特許第5860419号、第5873360号および第5590645号はこの一般的な型の医薬パックを記載する。この態様において、該装置は、通常、部材を剥離し、各用量の医薬を利用するための剥離手段を含む開口ステーションを備えている。適当には、該装置は、剥離部材がその長さに沿って一定間隔にある複数の医薬用容器を規定する、細長いシートである場合の使用に適しており、各容器に、順次、指標を付すためのインデックス手段が設けられていてもよい。該装置はそのシートの一方がそこに複数のポケットを有するベースシートであり、他方がリッドシートである場合の使用に適しており、各ポケットとリッドシートの隣接する部分が各容器を規定し、該装置がリッドシートおよびベースシートを開口ステーションから引き離すための駆動手段を含むことがより好ましい。
【0085】
計量投与用インヘイラー(MDI)とは、エアロゾル形態の医薬を分配するのに適する医薬用ディスペンサーをいい、該医薬は噴射剤を基剤とするエアロゾルの医薬処方を含有するのに適するエアロゾル容器に含まれる。エアロゾル容器は、典型的には、エアロゾル形態の処方処方を患者に放出するための、計量バルブ、例えば滑りバルブを備えている。エアロゾル容器は、一般に、容器を固定しながらバルブを押圧するか、バルブを固定しながら容器を押圧するかのいずれかにより開口することのできる、バルブを用いて、各作動の際に所定量の医薬をデリバリーするように設計される。
【0086】
医薬容器がエアロゾル容器である場合、バルブは、典型的には、そこを介して医薬エアロゾル処方がバルブ本体に入ることができる入口、およびそこを介してエアロゾルが出ることのできる出口、およびその出口を介する流量を制御することのできる手段による開閉機構を有するバルブ本体を含む。
バルブは、開閉機構がシーリングリング、およびそのシーリングリングにより受入可能な分配経路を有するバルブステムを含み、そのバルブステムがそのリング内でバルブ閉からバルブ開の位置まで摺動的に動くことができ、そのバルブ本体の内部が分配経路を介してバルブ本体の外部と連絡しているところの、滑りバルブであってもよい。
【0087】
典型的には、バルブは計量バルブである。その計量容量は、典型的には、10ないし100μl、例えば、25μl、50μlまたは63μlである。適当には、バルブ本体は、医薬処方の量を計量する計量チャンバー、および開閉機構を規定し、その手段によって入口を介して計量チャンバーに入る流量を制御しうる。バルブ本体は第二の入口を介して計量チャンバーと連絡しているサンプリングチャンバーを有することが好ましい。その入口は開閉機構により制御可能であり、それによって医薬処方の計量チャンバーへの流量が制御される。
【0088】
該バルブはまた、チャンバーと、そのチャンバー内にまで伸び、分配時位置と非分配時位置の間で該チャンバーに対して移動可能であるバルブステムとを有する「フリーフローエアロゾルバルブ」を含んでいてもよい。そのバルブステムは一の形状を有し、チャンバーは一の内部形状を有し、その結果、計量される容量はその間で規定され、非分配時位置と分配時位置の間を動く間に、バルブステムは、逐次:(i)エアロゾル処方のチャンバーへのフリーフローを可能とし、(ii)バルブステムの外面とチャンバーの内面の間の加圧エアロゾル処方の密閉して計量された容量を規定し、および(iii)そのチャンバー内で密閉して計量された処方の容量を減少させることなく、その密閉して計量された容量が外部経路と連絡するまで密閉して計量された容量のままで移動し、それにより計量された容量の加圧エアロゾル処方の分配が可能となる。この型のバルブは米国特許第5772085号に記載されている。加えて、本発明の化合物の鼻腔内デリバリーも効果的である。
【0089】
有効な経鼻用医薬組成物を処方するために、医薬は、その薬理機能を発揮する、鼻腔のすべての部分(標的組織)に容易にデリバリーされなければならない。加えて、医薬は相対的に長期間にわたって標的組織との接触を維持しなければならない。医薬が標的組織との接触を長く維持すればするほど、医薬は鼻から粒子を除去するように機能する鼻腔内の応力に対して抵抗する能力を有しなければならない。「粘膜毛様体クリアランス」と称される、かかる応力は、迅速に、例えば、粒子が鼻に入った時から、10−30分以内に、鼻から粒子を除去するのに極めて効果的であると考えられる。
【0090】
鼻腔用組成物の他の望ましい特徴は、該組成物は使用者の不快を惹起する成分を含む必要がなく、満足のいく安定性および保管期間の特性を有し、環境に対して有害な、例えばオゾンを激減させると考えられる成分を含まない、ということである。
鼻腔内に投与する場合の本発明の処方の適当な投与方法は、患者がその後息を深く吸い込み、鼻腔をきれいにすることである。吸入の間、処方を一方の鼻腔に塗布し、他方は手で押さえられる。次に、この操作を別の鼻腔で繰り返す。
【0091】
本発明の処方を鼻腔に塗布する好ましい手段は、プレコンプレッションポンプを用いることによるものである。最も好ましくは、Volois SAが市販しているVP7モデルである。かかるポンプは十分な応力が加えられるまで処方が解放されないことを保証し、その他にはより少量が塗布されうるという利点がある。プレコンプレッションポンプのもう一つ別の利点は、スプレーを効果的に霧化する閾値圧が得られるまで、処方を解放しないように該スプレーの霧化が保証されることである。典型的には、10−50mlの処方の保持能を有するボトムのVP7が使用される。各スプレーは、典型的には、50−100μlの処方をデリバリーするであろう。したがって、VP7モデルは少なくとも100回の計量を供給することができる。
【0092】
鼻腔用処方例
実施例1:活性成分含有の鼻腔用処方
鼻腔内デリバリー用処方を以下の成分:
100%まで
活性成分 0.1%w/w
ポリソルベート 0.025%w/w
アビセルRC591 1.5%w/w
デキストロース 5.0%w/w
BKC 0.015%w/w
EDTA 0.015%w/w
水 100%まで適量
を用い、120回の使用に適する合計量にて調製し、該処方を50または100μl/使用を分配するのに適する計量バルブを備えたボトルに充填した。
【0093】
実施例2:活性成分含有の鼻腔用処方
鼻腔内デリバリー用処方を以下の成分:
活性成分 0.005%w/w
チロキサポール 2%w/w
デキストロース 5%w/w
BKC 0.015%w/w
EDTA 0.015%w/w
水 100%まで適量
を用い、120回の使用に適する合計量にて調製し、該処方を50または100μl/使用を分配するのに適する計量バルブを備えたボトル(プラスチックまたはガラス)に充填した。
該装置を鼻腔アクチュエーター(Valois、例えばVP3、VP7またはVP7D)に装着した。
【0094】
実施例3:活性成分含有の鼻腔用処方
鼻腔内デリバリー用処方を以下の成分:
活性成分 0.05%w/w
トリトンX−100 5%w/w
デキストロース 4%w/w
BKC 0.015%w/w
EDTA 0.015%w/w
水 100%まで適量
を用い、120回の使用に適する合計量にて調製し、該処方を50または100μl/使用を分配するのに適する計量バルブを備えたボトルに充填した。
【0095】
実施例4:活性成分含有の鼻腔用処方
鼻腔内デリバリー用処方を以下の成分:
活性成分 0.05%w/w
チロキサポール 5%w/w
デキストロース 5%w/w
BKC 0.015%w/w
EDTA 0.015%w/w
水 100%まで適量
を用い、120回の使用に適する合計量にて調製し、該処方を50または100μl/使用を分配するのに適する計量バルブを備えたボトルに充填した。
該装置を鼻腔アクチュエーター(Valois)に装着した。
【0096】
明細書および添付した特許請求の範囲を通して、特に必要としない限り、「含む」およびその変形なる語は、暗に、所定の整数または工程あるいは一群の整数を含むものであるが、他の整数または工程あるいは一群の整数または工程を排除するものでないことが分かるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式I:
【化1】

式(I)
[式中:
は、そのすべてが置換されていてもよい、C1−6アルカノイル、アロイルまたはアロイルC1−6アルキルから選択される置換基からなる群より選択され;
は、水素原子およびC1−4アルキル基からなる群より選択され;
GはC4−7アルキルおよび式(a)、(b)、(c)または(d):
【化2】

(式中:
およびRは、独立して、水素、C1−4アルキル、アリールおよびC1−2アルキルアリールからなる群より選択される)
で示される基からなる群より選択され;
Aは置換されていてもよいC1−6アルキルおよび式(e)、(f)、(g)または(h):
【化3】

(式中:
Xは結合手、NR、OおよびSからなる群より選択され;
Arは置換されていてもよいフェニル環、置換されていてもよい5−または6−員の芳香族複素環式環、および置換されていてもよい二環式または複素二環式環系からなる群より選択され;
ArおよびArは、独立して、置換されていてもよいフェニル環および置換されていてもよい5−または6−員の芳香族複素環式環からなる群より選択され;および
Yは結合手、−NHCO−、−CONH−、−CH−および−(CH(CH−からなる群より選択され、ここでYはO、S、SOおよびCOからなる群より選択され、mおよびnは、m+nの合計が0または1であるように、各々、0または1である;ただし、Aが式(a)で示される基である場合、Ar中に存在するカルボキサミド部分に対してオルト位にあるいずれの置換基も必然的に水素またはメトキシ基であり;
rおよびsは、rおよびsの合計が1ないし6の整数に等しくなるように、独立して0ないし3の整数からなる群より選択され;
Vは結合手、O、S、−NHCO−、−CONH−およびCHNHCORからなる群より選択される)
で示される基からなる群より選択される]
で示される化合物またはその塩。
【請求項2】
2,8−ジメチル−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−5−キノリンカルボキサミド;
2,8−ジメチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
8−メトキシ−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
8−クロロ−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−5−キノキサリンカルボキサミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2,2−ジフェニルアセトアミド;
2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
1,1−ジメチルエチル 2−{[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]カルボニル}ベンゾアート;
8−クロロ−2−メチル−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−5−キノリンカルボキサミド;
2−メチル−8−(メチルオキシ)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−5−キノリンカルボキサミド;および
8−クロロ−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−5−キノリンカルボキサミド
からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1,1−ジメチルエチル ((1S)−2−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−2−オキソ−1−{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル)カルバマートホルマート;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−N'−(フェニルメチル)ブタンジアミド;
N−{5−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−5−オキソペンチル}ベンズアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド;
N1−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−O−(フェニルメチル)−L−セリンアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1−イソキノリンカルボキサミドホルマート;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1,6−ナフチリジン−2−カルボキサミド;
1,1−ジメチルエチル ({3−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−3−オキソプロピル}チオ)アセタート;
2−(ジメチルアミノ)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)ベンズアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−3,3−ジフェニルプロパンアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−(2−ナフタレニル)アセトアミドホルマート;
(2E)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−プロペンアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−6−(1H−ピロール−1−イル)−3−ピリジンカルボキサミド;
4−アミノ−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)ブタンアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−4−ピリジンカルボキサミドホルマート;
1,1−ジメチルエチル {4−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−4−オキソブチル}カルバマート;
3−[3,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)プロパンアミド;
N−{2−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−2−オキソエチル}−3−ピリジンカルボキサミドホルマート;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1−フェニルシクロペンタンカルボキサミド;
2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1,8−ナフチリジン−2−カルボキサミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−(4−ピリジニル)アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−4−オキソ−4−フェニル−2−ブテンアミド;
2−(5−ヒドロキシ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−ピラジンカルボキサミド;
1−メチル−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−(3−ピリジニル)−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
1,1−ジメチルエチル {(1R)−2−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−2−オキソ−1−フェニルエチル}カルバマート;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−3−ピリジンカルボキサミド−1−オキシドホルマート;
3−(ジメチルアミノ)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)ベンズアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
3−(1H−インドール−3−イル)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)プロパンアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−キノリンカルボキサミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−(1H−ピロール−1−イル)ベンズアミド;
1,1−ジメチルエチル [(1R)−2−[(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アミノ]−2−オキソ−1−(3−ピリジニルメチル)エチル]カルバマートホルマート;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−1H−インドール−3−カルボキサミドホルマート;
5−メチル−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−フェニル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
N3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−N1−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−ベータ−アラニンアミドホルマート;
(2R)−2−アミノ−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−フェニルエタンアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−(2−ピリミジニルチオ)アセトアミドホルマート;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−4−(1H−ピロール−1−イル)ベンズアミド;
N1−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−3−(3−ピリジニル)−D−アラニンアミド;
(3E)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−4−フェニル−3−ブテンアミド;
2−(1H−インドール−3−イル)−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)−2−[(フェニルメチル)チオ]アセトアミド;
4−[4−(メチルオキシ)フェニル]−N−(トランス−4−{2−[7−(2−メチルプロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]エチル}シクロヘキシル)ブタンアミド;
2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−ブチル}−アミド;
2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{8−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−オクチル}−アミド;
2−メチル−キノリン−5−カルボン酸[({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバモイル)−メチル]−アミド;
(R)−1−[1−(2−メチル−キノリン−5−イル)−メタノイル)−ピロリジン−2−カルボン酸{4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−アミド2−メチル−キノリン−5−カルボン酸;
[2−({4−[7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イルメチル]−シクロヘキシルメチル}−カルバモイル)−エチル]−アミド;
2,8−ジメチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
8−メトキシ−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
8−クロロ−2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−ブチリル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−4−フルオロ−ベンズアミド;
N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(5−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)−ベンズアミド;
2−メチル−キノリン−5−カルボン酸{4−[2−(7−(2−メチル−プロパノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(4−フルオロフェニル)−アクリルアミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(3−メトキシフェニル)−アクリルアミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(2−シアノフェニル)−アクリルアミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(2−アセチルフェニル)−アクリルアミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(3−チオフェニル)−アクリルアミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(8−(1,2−ジヒドロ−2−オキソ)−キノリニル)−アクリルアミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(3−ベンゾチオフェニル)−アクリルアミド;
(E)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−3−(3−ベンゾチオフェニル)−アクリルアミド;
(E)−3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン −3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アクリルアミド;
N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−2−(2−アミノベンゾチアゾール−6−イル)−アセトアミド;
4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−8−カルボン酸{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミド;および
N−{4−[2−(7−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アセトアミド
からなる群より選択される請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物および医薬上許容される担体を含む、ムスカリン性アセチルコリン受容体介在疾患の治療用医薬組成物。
【請求項5】
哺乳動物におけるアセチルコリンとその受容体との結合を阻害する方法であって、安全かつ有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項6】
アセチルコリンがムスカリン性アセチルコリン受容体に結合するところのムスカリン性アセチルコリン受容体介在疾患を治療する方法であって、安全かつ有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項7】
疾患が、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性呼吸閉塞、肺線維症、肺気腫およびアレルギー性鼻炎からなる群より選択されるところの、請求項6記載の方法。
【請求項8】
投与が口または鼻を介する吸入によるところの、請求項7記載の方法。
【請求項9】
投与がリザバー乾燥粉末吸入器、複数回投与用乾燥粉末吸入器または計量吸入器から選択される薬物分配器によるところの、請求項8記載の方法。
【請求項10】
化合物がヒトに投与され、1mgの用量に付き、12時間またはそれ以上の作用の持続時間を有するところの、請求項9記載の方法。
【請求項11】
化合物が24時間またはそれ以上の作用の持続時間を有するところの、請求項10記載の方法。
【請求項12】
化合物が36時間またはそれ以上の作用の持続時間を有するところの、請求項11記載の方法。

【公表番号】特表2007−529512(P2007−529512A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503876(P2007−503876)
【出願日】平成16年3月17日(2004.3.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/008026
【国際公開番号】WO2005/094834
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】