説明

メタン含有ガスの均一酸化のためのプラント、およびメタン含有ガスの酸化方法

本発明はメタン含有ガスの均一酸化方法であって、430〜450℃に予熱されたメタン含有ガスを、少なくとも3つ連続して設置された酸化反応器に供給することを含み、その際、各反応器は最後の1つを除いて独立して廃熱ボイラーに接続され、該反応器はメタン含有ガスの酸化のための酸素を供給され、その際、ガス混合物の温度は540〜560℃に上昇され、次に該ガス混合物は廃熱ボイラー内で440〜450℃に急速冷却され、該廃熱ボイラーで蒸気が生成され、該蒸気は最終生成物の分離のための清留塔に供給され、最後の反応器から、反応混合物がセパレータに供給され、該セパレータから液相が精留段階に供給され、該精留段階で精留メタノール、エタノールおよびホルムアルデヒドが生成され、且つ気相はそれをSO2、COおよびCO2から清浄化するために供給され、且つ、該方法において、循環サイクルの部分的なパージを実施して不活性ガスを除去し、そして清浄化およびパージ後、該サイクルは気相/循環ガスに元のメタン含有ガスを補給し、且つ生じるガスを反応器に再供給することにより完了する、メタン含有ガスの均一酸化方法に関する。本発明は効率を高め、生成物の収率を高め、且つ環境状況を改善することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明の目的
本発明は石油化学産業、および特にメタン含有ガスの均一酸化のためのプラント、およびメタン含有ガスの均一酸化のための方法に関する。
【0002】
関連技術
天然ガスの多くの貯蔵があり、且つ、それは環境的にクリーンな燃料であるが、しかし、多くの場合、特に輸送において、ガス状のエネルギー源の直接的な使用は不便である。その問題は、天然ガスをより汎用の液体燃料、特に、いくつかの化学的な製造工程のための原料であるメタノールに変換することによって解決される。メタンをメタノールへと変換するためのいくつかの方法が公知である。産業において広く使用されているのは、メタンを合成ガス(COとH2との混合物)へと蒸気変換し、引き続き後者をメタノールへと触媒変換することであるが(Karavaev, M.M.,Leonov, V.E. et al.、

[合成メタノール製造法]、モスクワ、"Khimiya" Publishing House、1984、72〜125ページ)、しかしこの方法はいくつかの著しい欠点、装置の複雑性、ガスの清浄度への厳しい要求、合成ガスの製造および精製のための高いエネルギー消費、工程の多数の中間段階、および2000t/日を下回る生産能力を有する小規模および中規模生産設備の非収益性がある。
【0003】
現在、最も興味深いのは、合成ガス製造の段階をバイパスする、メタンからメタノールへの高温での直接気相酸化である。この方法は、管状炉内、10MPaまでの圧力且つ400〜450℃の温度で、比較的低い元の酸素濃度を用いて実施され、次にガスと液体との混合物を冷却し、液体生成物を分離し、そしてメタノールを液体生成物から精留によって抽出する(Arutyunov, V,S.およびKrylov, O.V.、

[メタンの酸化性変換]、モスクワ、"Nauka" Publishing House、1998、130〜145ページ)。しかしながら、反応器を通じたワンパスの間の低いメタン変換率(3〜5%を超えない)、ひいては低いメタノール収率により、直接メタン酸化によってメタノールを製造するための方法の事実上の実施が阻害される。メタン含有ガスとは、少なくとも50%のCH4を含有するガス、並びに油田およびガス田において燃焼されるフレアガスを意味する。石油含有層の埋蔵量に依存して、現在、ガスフレア中でのメタン濃度は30%〜86%に及ぶことがある(Arutyunov,V.S.およびKrylov,O.V.、

[メタンの酸化性変換]、Chemical Physics Institute、RAN [ロシア科学アカデミー]、モスクワ、 "Nauka" Publishing House、1998、361ページ)。
【0004】
メタン含有ガスの均一酸化のためのプラントは、ガス処理の効率および費用対効果を高めることを可能にする。これは、メタン含有ガスの均一酸化のために、反応器からの反応混合物の急冷を行うために製造された廃熱ボイラー、蓄積する不純物および製造工程の副生成物、特にSO2、COおよびCO2からの循環ガスの清浄化を行う吸収器、および追加的であり且つ前記廃熱ボイラーを接続するパイプライン、並びに元のメタン含有ガスの酸化段階から出てくる循環されるガスを冷却する熱交換器の1つを、均一酸化の生成物の分離(精留)段階のための装置と共に、同時に使用することによって達成される。提案された方法は、上記の革新技術を使用するが、循環されるガスを、第一の反応器に供給する前に430〜450℃に加熱し、そして冷却、凝縮および反応生成物の分離後、循環されるガスがSO2、COおよびCO2から清浄化される、という改良を伴う、同様の効果を達成することも可能にする。
【0005】
圧力2.5〜15MPaで、200〜500℃に予熱された炭化水素含有ガスと、酸素含有ガスとを、混合チャンバ内に別々に供給すること、次に酸素濃度1〜4容積%で、試薬(金属−酸化物触媒、高級ガス状炭化水素または酸素含有化合物、および低温酸化剤)を反応器の反応ゾーンに追加的に導入することを伴うメタン部分酸化段階、熱交換器内で反応混合物を冷却すること、メタノールをセパレータ内で液体の反応生成物から分離すること、および出てくるガス状反応生成物を反応器の入口に供給することを含むメタノールの製造方法が公知である(RU、2049086C1、C 07 C 31/04、1995年11月27日)。その方法の欠点は、触媒または追加的な試薬を使用する必要があること、およびメタノールの収率を低下させ、且つ、すすの形成の可能性を高める反応物質ガスの強い加熱を使用する必要があることである。炭化水素含有ガス(天然ガスまたはメタン)と、酸素含有ガス(空気または酸素)とを、ミキサー内に別々に供給すること、次に、該混合物を不活性な反応器に供給すること、炭化水素含有ガスを反応器内、圧力1〜10MPaで2〜1000秒間、300〜500℃の温度で触媒を用いずに、酸素含有率2〜20容積%で部分気相酸化すること、メタノールを凝縮器内で液体の反応生成物から分離すること、出てくる未変換メタン含有反応ガスを元の炭化水素含有ガスと混合するために、第一の反応器内または該第一の反応器と連続して接続されている第二の反応器内に戻すことを含むメタノールの製造方法が公知である(GB、2196335 A、C 07 C 31/04、1988年04月27日)。その方法の欠点は、反応時間が長いことであり、そのことが反応器のメタノール容量を制限する。
【0006】
メタノールの製造のためのプラントは、連続的に設置され且つパイプラインによって接続された、炭化水素含有ガスと空気または酸素との別々の供給源に接続された混合チャンバ、陽圧で反応器内に供給される混合物中でのメタンの部分酸化のための加熱素子を有する不活性材料製の反応器、反応生成物からメタノールを分離するための凝縮器およびセパレータ、再利用される反応生成物のための容器(それらを元の炭化水素含有ガスまたは混合チャンバに供給するためのパイプラインを有する)を含む(GB2196335A、C 07 C 31/04、1988年04月27日)。該方法およびプラントは、高いメタノール収率を提供し、且つ、反応器を通過する5〜15%のメタンが毎回反応できる。しかしながら、試薬は反応器内で長時間費やし、そのことによりプラントの高い製造速度を確実にできない。
【0007】
別々に供給すること、および炭化水素含有ガスを、酸素含有ガスを用いて370〜450℃且つ5〜20MPaの圧力で、反応器内での接触時間0.2〜0.22秒で、酸化すること、および加熱された反応混合物を330〜340℃に、反応器内にメタノールを注入することによって冷却すること(SU、1469788 A1、C 07 C 31/04、96年11月20日)、または該反応混合物を中間の凝縮および分離をしないで反応器内に設置された中段の熱交換器内で380℃〜400℃へと冷却し、その後、反応混合物を2〜3段の連続酸化段階に供給すること(SU、1336471A1、C 07 C 31/04、96年09月27日)を含むメタノールの製造方法が公知である。
【0008】
該方法の欠点は、メタノールの追加的な消費および分離の繰り返しが必要とされることであり、そのことがメタノールの不可避の損失をみちびくか、または中で循環する追加的な冷却剤を用いた追加的な冷却ループの設置をみちびく。
【0009】
RU2057745号、1996年10月4日から、メタノールの製造のための方法およびプラントが公知である。該方法は、圧縮されその後加熱された炭化水素含有(天然)ガスと、圧縮された空気または酸素とを、反応器の混合ゾーン(混合ユニット)へ別々に供給すること、325〜500℃の元の温度、3〜10MPaの圧力且つ酸素含有率1.5〜8容積%で、反応器の2つの反応ゾーン内にて、混合ゾーンへの酸素または空気の追加的な供給を用いて、炭化水素含有ガスを連続段階的に酸化すること、該反応混合物を冷却すること、メタノールを冷却されたガスと液体との混合物から分離すること、および出てくるガスを元の炭化水素含有ガス(パイプライン)に、または燃焼のために送ることを含む。
【0010】
該メタノール製造プラントは、炭化水素含有ガス供給源に接続されている炭化水素含有ガスを圧縮および加熱するための、圧縮器、伝熱式熱交換器および燃焼ヒーター、該圧縮器に接続されている酸素または空気の別々の供給源、炭化水素含有ガスと空気または酸素とを混合ゾーンに別々に供給するためのパイプラインを有する2つの混合および反応ゾーンを有する反応器、および連続的に設置され且つ該反応器の反応ゾーンに接続された、該反応混合物を冷却し且つ冷たい炭化水素含有ガスを加熱するための伝熱式管状熱交換器、冷却器−凝縮器、およびメタノールを冷却されたガスと液体との反応混合物から分離するためのセパレータ、および出てきたガスを炭化水素含有ガスのパイプラインに、または該反応器に供給するためのパイプラインを含む。公知の方法およびプラントは、反応器を通じた天然ガスのワンパスの間に、充分に高いメタン変換率を提供しない。ガスの効率的な再利用のために、実際には、酸素を酸化剤として使用することが必須であり、且つ、その使用が製造コストを20〜30%だけ増加させる。さらには、比較的高い元の反応温度、および引き続く反応混合物の自己加熱は、所望の生成物の収率を下げ、且つ、集中的なすすの形成をもたらし、そのことにより製造装置の稼働が複雑になり、且つ、生じるメタノールの品質が低下する。
【0011】
特許請求される発明と最も近い類似物である方法およびプラントは、RU2162460号(2001年1月27日公開)内に記載される。天然ガスの均一酸化のための公知のプラントは、天然ガス供給源、熱交換器、反応器、セパレータ、受容器、ガスの気相酸化を行うための酸素供給源、および主パイプラインによって相互接続されている、反応混合物を冷却するための手段を含む。天然ガスの均一酸化のための公知の方法は、圧縮されその後加熱された天然ガスと酸素含有ガスとを別々に供給すること、および酸素を用いてそれを反応器内で酸化すること、後続の冷却/急冷を含み、その際、該方法は、反応混合物を酸化のそれぞれ引き続く段階の前に70〜150℃だけ冷却し、且つ、最後の反応ゾーン内で急冷し、反応ゾーン内でのその滞留時間の0.1より短い時間にわたって反応混合物の温度を少なくとも200℃だけ低下させることによって特徴付けられる。該方法を、循環して行い、循環ガスパージサイクルを実施し、そしてサイクルが完了する。
【0012】
公知のプラントの欠点は、効率が低いことであり、且つ、該方法の欠点は、生じる生成物の収率がより低いこと、および循環ガスが硫黄酸化の生成物(SO2)で汚染されることである。提案された方法およびプラントにおいては、いくつかの反応器が連続的に設置され、それらにおける反応の熱効果を、廃熱ボイラー内で蒸気を生成するために使用し、且つ、反応ガスを次の反応器への入口に最適な温度に冷却し、そのことにより、メタノール、ホルムアルデヒドおよびエタノールへのより高い割合の変換を達成することが可能になる。公知のプラントにおける、循環ガス内での増加したパーセンテージの硫黄酸化物(SO2)の存在は、反応ガスの変換割合を実質的に低下させ、なぜなら、硫黄酸化物は不活性なガスではなく、この場合、それらは抗触媒として作用するからである。
【0013】
本発明の本質の簡単な説明
従って、本発明の技術的な結果は、高められた使用効率、生じる生成物の高い収率、および蓄積するSO2からの循環ガスの清浄化である。さらには、本発明は、メタン含有ガスの均一酸化のための方法およびプラントの兵力(arsenal)を拡張する。
【0014】
1つの反応器内での均一酸化の生成物への反応ガス変換割合は低い(最低2%、最大4%、ガス組成および選択された最適温度および圧力に依存)。従って、経済的な見地からは、反応器の最小数は3つであってよく、且つそれらの最大数はガスの元の組成によって決定される。
【0015】
また、方法の見地からは、最後の吸収器の出口を(SO2、CO2、およびCOからの循環ガスの精製後)、主パイプラインと接続することが最も効率的である。
【0016】
前記の技術的な結果は、提案されたプラントにおいて、該プラントが、主パイプラインによって連続的に接続された、メタン含有ガス供給源、熱交換器、および炭素鋼製の少なくとも3つの反応器を使用する事実に基づき達成され、その際、各反応器は最後の1つを除き、独立して廃熱ボイラーに接続され、且つ該反応器は酸素供給源にも接続されている。該プラントは、セパレータも含み、その際、廃熱ボイラーと接続されていない最後の反応器から該セパレータまでの経路中に、熱交換器があり、該熱交換器は循環ガスを加熱し且つ水蒸気の生成もたらし、該水蒸気は追加的なパイプラインによって廃熱ボイラーからの蒸気と合わせられて、最終生成物を分離するための精留塔に蒸気を供給する; 該プラントは、液相をセパレータから精留段階に供給するためのパイプラインも含み、該精留段階で、精留メタノール、エチルアルコールおよびホルムアルデヒドが生成され、且つ、気相が、それをSO2、CO2およびCOから清浄化するために連続して設置された吸収器に供給され、該吸収器の液相の出口は、受容器に接続されており、それによりCOおよびCO2留分が分離され且つ除去された溶液の生成が可能になり、最後の吸収器の出口は循環ガスブロワの位置の点の前で主パイプラインに接続され、それにより出てくる不活性ガスの除去のための循環サイクルの部分的なパージが可能になる。提案された方法において、技術的な結果は、430〜450℃に予熱されたメタン含有ガスが少なくとも3つ連続的に設置された炭素鋼製の酸化反応器に供給され、その際、各反応器は最後の1つを除いて独立して廃熱ボイラーに接続され、且つ、該反応器は爆発限界未満の濃度の混合物を形成するような量の酸素も供給され、それによりメタン含有ガスの均一酸化および該ガス混合物温度の540〜560℃への同時の上昇が誘導され、次にガス混合物を廃熱ボイラー内で440〜450℃へ急速冷却し、該廃熱ボイラーでは蒸気が形成され、該蒸気は最終生成物の分離のための精留塔に供給され、その後、該反応混合物は、廃熱ボイラーに接続されていない最後の反応器からセパレータへと供給され、その際、該セパレータへの経路上で、反応混合物が循環ガスを加熱し、且つ、該混合物の熱の一部が水蒸気を生成するために使用され、該水蒸気は廃熱ボイラーからの蒸気と合わせられ、該セパレータから液相を精留段階に供給し、該精留段階で精留メタノール、エチルアルコールおよびホルムアルデヒドが生成され、且つ、気相が、それをSO2、CO2およびCOから清浄化するために送られ、且つ同時に、該気相が清浄化され、循環サイクルの部分的なパージサイクルが実施されて不活性ガス、例えば窒素およびアルゴンが除去され、該パージサイクルの数はサイクル中の不活性ガスの許容量に基づいて決定され、且つ、清浄化およびパージング後、該サイクルは、気相/循環ガスに元のメタン含有ガスを補給し、新たに形成されたガスを反応器に再供給することによって完了するという事実に基づき達成される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】メタン含有ガスの均一酸化によるメタノール製造のダイアグラム。
【0018】
本発明の本質の詳細な説明
本発明の本質を、プラントのダイアグラムを模式的に示す図1で説明する。図1に示されるメタン含有ガスの均一酸化のためのプラントは、主パイプライン1によって接続された、メタン含有ガス供給源2、熱交換器3、4、5および6、連続して設置された反応器7、8および9、セパレータ10、受容器11、30および31、ガスの非触媒性気相酸化を行うための酸素供給源13、および反応混合物を冷却するための手段を含む。該プラントは、廃熱ボイラー14および15、吸収器16および17、プロセス中で形成される蒸気を均一酸化反応の生成物の精留段階で使用するために、廃熱ボイラー14および15の出口と熱交換器4の出口とをつなぐ追加的なパイプライン18も含み、その際、均一酸化の生成物の部分的な分解を除去するために、酸素供給源13に接続されている反応器7、8および9は炭素鋼製である。
【0019】
熱交換器3は、循環ガスの加熱を可能にし、その入口は熱交換器5の出口に接続され、且つ、後者の出口は循環ガスブロワ21に接続され、その際、熱交換器3の出口は反応器7の入口に接続され、それによりメタン含有ガスの均一酸化の一次生成物の形成が可能になり、反応器7、8および9は互いに連続して主パイプライン1によって接続され、それによりガスの均一酸化の二次生成物の形成が可能になる。冷却水パイプライン20からの冷却水によって受けとられた熱が熱交換器6を通過する場合、それは、酸化生成物をその成分へと分離するためのユニット12の第一の精留塔(図示されない)に酸化生成物が供給されるときに、該酸化生成物を加熱するために使用される。
【0020】
最後の反応器9の出口は、熱交換器3の第二の入口に接続され、メタン含有ガスの供給源2からそこに供給されるガスを430℃〜450℃にさらに加熱する。
【0021】
熱交換器3、4、5および6は、互いに連続して接続され、最後の熱交換器6は酸化生成物の最終の冷却および凝縮を可能にし、その入口は冷却水パイプライン20に接続され、且つその出口はセパレータ10の入口に接続され、セパレータ10の出口の1つ(液体凝縮物の出口)は、受容器11の1つに接続され、引き続き、凝縮生成物を受容器からブロワ22を用いて精留段階にポンピングし、該精留段階で精留メタノール、エチルアルコールおよびホルムアルデヒドが製造され、セパレータ10の第二の出口(凝縮されていないガスの出口)は第一の吸収器16の入口に接続され、それにより循環ガスをSO2から清浄化することが可能になり、次に、吸収器16からのガスは第二の吸収器17の入口に供給され、それにより、その中で循環ガスをCOおよびCO2留分から清浄化することが可能になる。
【0022】
吸収器16および17の液相の出口は、受容器30および31にそれぞれ接続され、それにより、脱着器26からのCOおよびCO2留分が分離され且つ除去された吸収溶液の再生が可能になり、受容器30および31の出口は吸収器16および17の入口に接続されてそこに形成された溶液を供給して循環ガスをSO2、COおよびCO2から清浄化し、第二の吸収器17の出口はパイプライン1に、循環ガスブロワの位置の点の前で接続され、それにより、出てくる不活性ガスを除去するための循環ガスの部分的なパージが可能になる。
【0023】
反応混合物を冷却するための手段は、熱交換器3、4、5および6および廃熱ボイラー14および15である。
【0024】
供給水の供給源19は、廃熱ボイラー14および15に接続され、且つ、蒸気の生成のために、それは熱交換器4にも接続される。
【0025】
項目23はメタノール留分供給を示し、項目24は出発ガス供給を示し、項目25は、利用のためのCOおよびCO2留分の出口を示し、項目30および31は溶液の吸収のための容器を示し、項目22はブロワを示し、項目27は熱交換器−冷却器を示し、項目28は再生熱交換器を示し、且つ項目29は熱交換器−ヒーターを示す。
【0026】
メタン含有ガスの均一酸化のためのプラントおよび均一酸化のための方法を以下の通りに作業する。
【0027】
再利用を用いたメタン含有ガスの圧縮のための電力消費を低減する条件に基づき、メタノール製造をもたらすメタン含有ガスの均一酸化方法を以下の通りに行う: 熱交換器3内で450℃まで加熱された循環ガスを反応器7に供給し、そこでそれを酸素と爆発限界未満の比で混合する。酸素はメタンと、ガス中に含有される他の炭化水素とを部分的に酸化する; 工程中で、ガス混合物の温度は540〜560℃に上昇し、且つ、メタノール、エタノールおよびホルムアルデヒドが形成される。均一酸化生成物の形成反応は可逆性であり、結果として、反応混合物の540〜560℃から440〜450℃への急速冷却を行う必要がある。これは、廃熱ボイラー14および15および熱交換器3内で行われる。
【0028】
一般に、反応ゾーン内でのニッケルおよびその化合物(ステンレス鋼)の存在は、均一酸化生成物の部分的な分解をもたらし、この現象を防ぐために、反応器7、8および9は炭素鋼製である。
【0029】
反応器7の後、循環ガスを反応器8に供給し、そこでメタンの均一酸化のプロセスが反応器7内でのプロセスと同様に繰り返される。同様のプロセスを反応器9内で実施し、その際、該循環ガスは熱交換器3内で反応器7に供給されるガスを加熱している。
【0030】
循環ガスの残留熱ポテンシャルを熱交換器4内で除去して蒸気を生成し、該蒸気を、廃熱ボイラー14および15からの蒸気と共に、均一酸化生成物の精留段階で使用する。
【0031】
熱交換器4の後、熱交換器5内の循環ガスが、熱交換器3を通じて反応器7に供給されるガスを加熱する。酸化生成物の最終の冷却および凝縮を、熱交換器6内で冷却水を使用して実施する。
【0032】
均一酸化の凝縮生成物を、セパレータ10内で分離し、そして受容器11に移し、そしてそこからそれらを精留段階へと供給し、そこでそれらを蒸留し、そして精留メタノール、エチルアルコールおよびホルムアルデヒドが生成される。
【0033】
セパレータ10からの循環ガスを吸収器16および17へ供給し、そこでそれを洗浄し、第一の吸収器内でSO2から、且つ第二の吸収器内でCOおよびCO2から清浄化し、第二の吸収器の吸収溶液を脱着器26内で再生し、COおよびCO2をその中で分離し、そして熱交換器27内で冷却された溶液を、再度、循環ガスを清浄化するために供給する。
【0034】
再利用ガスからのCOおよびCO2の分離は、COからCO2への再酸化のために使用される酸素の消費を15%だけ低減し、且つサイクル中の不活性ガスSO2およびCO2の量を低減する条件に基づいて必要である。
【0035】
その後、メタン含有ガスおよび酸素と共にサイクルに入る不活性ガス(窒素、アルゴン、クリプトン等)を除去するために、循環サイクルの部分的なパージが提供される。パージサイクルの数は、サイクル中での不活性ガスの許容される量に基づくバランスから決定される。循環ガス中の不活性ガスの量は70%ほどの多さであってよい。不活性ガスの量のさらなる増加は、反応ガスの変換率の低下をもたらすことがある。
【0036】
サイクルがパージされた後、それはメタン含有ガスで再度満たされ、その後、ブロワ21が、循環ガスを熱交換器5、4および3に、および反応器7の入口に供給する。このように、本発明の稼働サイクル全体が記載される。
【0037】
比較表1
反応ガス 変換率、%
公知の方法およびプラント 6.0
提案された方法およびプラント 9.0
【0038】
表1は、1つの反応器において生成された実験データに基づき、3つの連続して設置された反応器を用いたプロセス設計における1サイクルの間の変換率についてのデータを示している。
【0039】
このように、本発明は稼働効率および製造された生成物の収率を高める。
【0040】
産業適用性
メタノール、ホルムアルデヒドおよび他の生成物の製造においてフレアガスを使用するために、本発明を石油化学産業において使用することができる。
【0041】
図の凡例:
1−循環ガスライン;
2−補給ガス;
3、4、5−熱交換器;
6−熱交換器−凝縮器;
7、8、9−均一酸化反応器;
10−酸化生成物分離器;
11−酸化生成物受容器;
12−酸化生成物精留ユニット;
13−酸素供給;
14、15−廃熱ボイラー;
16、17−ボルテックスパッキンを有する吸収器;
18−蒸気の形態での再生熱のためのパイプライン;
19−供給水;
20−冷却水;
21−循環ガスブロワ;
22−吸収器および脱着器の酸化生成物ポンプ;
23−メタノール留分供給;
24−出発ガス;
25−COおよびCO2留分;
26−脱着器;
27−熱交換器−吸収剤冷却器;
28−再生熱交換器;
29−熱交換器−ボイラー;
30、31−吸収溶液受容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタン含有ガスの均一酸化方法であって、430〜450℃に予熱されたメタン含有ガスを少なくとも3つ連続的に設置された炭素鋼製の酸化反応器に供給し、その際、各反応器は最後の1つを除いて独立して廃熱ボイラーに接続されており、且つ、該反応器は爆発限界未満の濃度の混合物を形成するような量の酸素も供給され、それによりメタン含有ガスの均一酸化が、該ガス混合物温度の540〜560℃への同時の上昇と共に誘導され、次に廃熱ボイラー内でガス混合物が440〜450℃へ急速冷却され、該廃熱ボイラーでは蒸気が形成され、その蒸気が最終生成物の分離のための精留塔に供給され、その後、該反応混合物は、廃熱ボイラーに接続されていない最後の反応器からセパレータへと供給され、その際、該セパレータへの経路上で、該反応混合物が循環ガスを加熱し、且つ、その熱のいくらかは水蒸気を生成するためにも使用され、該水蒸気は廃熱ボイラーからの蒸気と合わせられ、該セパレータから液相が精留段階に供給され、該精留段階で精留メタノール、エチルアルコールおよびホルムアルデヒドが生成され、且つ、気相が、それをSO2、CO2およびCOから清浄化するために供給され、同時に、該気相が清浄化され、循環サイクルが部分的にパージされて不活性ガス、例えば窒素およびアルゴンが除去され、該パージサイクルの数はサイクル中の不活性ガスの許容量に基づいて決定され、且つ、洗浄およびパージング後、該サイクルが、気相/循環ガスに元のメタン含有ガスを補給し、且つ新たに形成されたガスを反応器に供給することによって完了されることを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法を実現するためのプラントであって、メタン含有ガスの供給源、熱交換器、および主パイプラインによって互いに連続して接続された炭素鋼製の少なくとも3つの反応器を含み、その際、各反応器は最後の1つを除いて独立して廃熱ボイラーに接続され、該反応器は酸素供給源にも接続され、且つ該プラントはセパレータも含み、その際、廃熱ボイラーに接続されていない最後の反応器から該セパレータへの経路上に、熱交換器があり、該熱交換器が循環ガスを加熱し且つ水蒸気の生成も提供し、該水蒸気は、追加的なパイプラインによって廃熱ボイラーからの蒸気と合わせられ、該追加的なパイプラインは、最終生成物の分離のための精留塔に蒸気を供給し、該プラントは液相を該セパレータから精留段階に供給するためのパイプラインも含み、該精留段階で精留メタノール、エチルアルコールおよびホルムアルデヒドが生成され、且つ、気相が、それをSO2、COおよびCO2から清浄化するために連続して設置された吸収器に供給され、該吸収器の液相の出口は受容器に接続されて、それによりCOおよびCO2留分を分離且つ除去された溶液の再生が可能になり、且つ、最後の吸収器の出口は、循環ガスブロワの位置の点の前で主パイプラインに接続され、それにより出てくる不活性ガスを除去するための循環サイクルの部分的なパージが可能になる、前記プラント。

【図1】
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【公表番号】特表2013−502413(P2013−502413A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525506(P2012−525506)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【国際出願番号】PCT/RU2009/000625
【国際公開番号】WO2011/021955
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(512042639)
【氏名又は名称原語表記】OTKRYTOE AKCIONERNOE OBWESTVO  GTL
【住所又は居所原語表記】ul. Nametkina, 9−1, office 318, Moscow 117420, Russian Federation
【Fターム(参考)】