説明

メッキ付樹脂部材の固定構造、電子機器及びメッキ付樹脂部材の固定方法

【課題】メッキ付樹脂部材を他の樹脂部材に簡単に溶着して強固に固定できるメッキ付樹脂部材の固定構造、この固定構造を備えた電子機器、及びメッキ付樹脂部材の固定方法を提供する。
【解決手段】樹脂材料で構成されて表面にメッキ層が形成されるメッキ付樹脂部材41を、樹脂材料で構成された他の樹脂部材に溶着接合させて固定するメッキ付樹脂部材41の固定構造において、メッキ付樹脂部材41は、前記メッキ層が形成される被メッキ部43と前記他の樹脂部材と溶着接合される溶着部44とを有し、被メッキ部43は、前記メッキ層を構成するメッキ材に対するメッキ性が良好な第1樹脂材料で構成されるとともに、溶着部44は、前記第1樹脂材料よりも前記メッキ性が劣る第2樹脂材料で構成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッキ層が形成されたメッキ付樹脂部材を他の樹脂部材に固定する固定構造、この固定構造を備えた電子機器、並びに、メッキ付樹脂部材を他の樹脂部材に固定する固定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話機等の電子機器は、筐体の内部に各種電子部品を搭載して構成されている。筐体は複数の部材が組み合わされて構成されており、これらの複数の部材は、金属材料よりも軽量な樹脂材料により形成されることが多い。
近年では、筐体の意匠性を向上させるために、例えば、樹脂部材の一部にメッキ層を形成したメッキ付樹脂部材を他の樹脂部材に固定することにより前記筐体を構成したものが提供されている。
【0003】
メッキ付樹脂部材を他の樹脂部材に固定する固定構造としては、メッキ付樹脂部材を他の樹脂部材と溶着接合させて固定するものや、固定部材を用いて機械的に固定するもの(特許文献1参照)等が提案されている。
【特許文献1】特開2003−90311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、メッキ付樹脂部材を他の樹脂部材に溶着接合させるためには、メッキ付樹脂部材にメッキ処理を施す際にメッキ付樹脂部材の溶着部分をマスキングしてこの溶着部分にメッキ層が形成されないようにするか、溶着部分に形成されたメッキ層を剥離して、溶着部分において樹脂材料を露呈させておく必要がある。このようにメッキ付樹脂部材を溶着接合によって固定する場合には、マスキング工程やメッキ剥離工程等が必要となって製作コストが上昇してしまうといった問題があった。また、この溶着部分にメッキ層が部分的に存在していた場合には、溶着接合が不十分となって強固に固定できないといった問題があった。
【0005】
また、固定部材を用いて機械的に固定する場合には、固定強度が不十分となる場合があるため、両面テープなどで接着して固定強度を向上させる必要があり、製造工程及び部品点数が増加してしまう。
特に、上述した携帯電話機等の電子機器においては、電子機器自体の小型化及び軽量化が要求されており、限られたスペースに固定部材を別途配置することは困難であった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、メッキ付樹脂部材を他の樹脂部材に簡単に溶着して強固に固定できるメッキ付樹脂部材の固定構造、この固定構造を備えた電子機器、及びメッキ付樹脂部材の固定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るメッキ付樹脂部材の固定構造は、樹脂材料で構成されて表面にメッキ層が形成されるメッキ付樹脂部材を、樹脂材料で構成された他の樹脂部材に溶着接合させて固定するメッキ付樹脂部材の固定構造において、前記メッキ付樹脂部材は、前記メッキ層を構成するメッキ材に対するメッキ性が良好な第1樹脂材料で構成されるとともに前記メッキ層が形成される被メッキ部と、前記第1樹脂材料よりも前記メッキ性が劣る第2樹脂材料で構成されるとともに前記他の樹脂部材と溶着接合される溶着部とを有していることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るメッキ付樹脂部材の固定構造は、前記メッキ付樹脂部材が、前記被メッキ部を構成する第1樹脂材料と前記溶着部を構成する第2樹脂材料とを用いて2色成形することにより一体成形されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るメッキ付樹脂部材の固定構造は、前記第2樹脂材料がポリカーボネイトであることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る電子機器は、上述したメッキ付樹脂部材の固定構造を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る電子機器は、前記メッキ付樹脂部材が備えられた筐体を有し、前記筐体の内部には、一表面にグランドパターンが形成された回路基板が配置されており、前記メッキ層と前記グランドパターンとが電気的に接続されていることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る電子機器は、前記メッキ付樹脂部材が、前記被メッキ部とともに前記メッキ層が形成された導電部を有し、該導電部が前記グランドパターンと電気的に接続されていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るメッキ付樹脂部材の固定方法は、樹脂材料で構成されて表面にメッキ層が形成されるメッキ付樹脂部材を、樹脂材料で構成された他の樹脂部材に溶着接合させて固定するメッキ付樹脂部材の固定方法において、前記メッキ付樹脂部材は、前記メッキ層を構成するメッキ材に対するメッキ性が良好な第1樹脂材料で構成された被メッキ部と、前記第1樹脂材料よりも前記メッキ性が劣る第2樹脂材料で構成された溶着部とを有し、 該溶着部と前記他の樹脂部材とを溶着接合して固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るメッキ付樹脂部材の固定構造によれば、メッキ付樹脂部材のうち他の樹脂部材と溶着接合される溶着部がメッキ性の劣る第2樹脂材料で構成されているため、このメッキ付樹脂部材にメッキ処理を施す際に溶着部の表面に強固にメッキ層が形成されにくくなる。よって、メッキ処理を施す前に溶着部をマスキングする必要がなく、たとえメッキ層が形成されたとしても容易に剥離することができるので、溶着部においては樹脂材料が表面に露呈されることになり他の樹脂材料との溶着接合を確実に行うことができる。
【0015】
また、本発明に係る電子機器によれば、上記メッキ付樹脂部材の固定構造を有しているので、固定部材等を使用することなくメッキ付樹脂部材を強固に、かつ、低コストで固定して筐体を構成することができる。よって、この電子機器の意匠性を向上させるとともに軽量化及び小型化を図ることができる。
【0016】
また、本発明に係るメッキ付樹脂部材の固定方法によれば、メッキ付樹脂部材にメッキを施しした際に溶着部にメッキ層が強固に形成されず、この溶着部と他の樹脂材料とを溶着接合することでメッキ付樹脂部材を強固にかつ確実に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付した図面を参照し、本発明の実施形態に係る電子機器である携帯電話機について説明する。図1は、本発明の実施形態である携帯電話機1を示す斜視図である。
この携帯電話機1は、第1筐体10と、この第1筐体10の厚さ方向に重ねあわせ可能な第2筐体20とを有している。
【0018】
第1筐体10は、第1筐体10の対向面10A側を構成する第1フロントケース11と第1筐体10の背面側を構成する第1リアケース12とを備えており、これら第1フロントケース11と第1リアケース12とが厚さ方向に接合されている。
また、第2筐体20は、第2筐体20の対向面20A側を構成する第2フロントケース21と第2筐体20の背面側を構成する第2リアケース22とを備えており、これら第2フロントケース21と第2リアケース22とが厚さ方向に接合されている。
【0019】
第1筐体10には、表面に各種情報を表示する液晶ディスプレイ(LCD)、有機EL等からなる表示部13と通話時に使用される受話スピーカ部14とが具備されており、これら表示部13及び受話スピーカ部14は、第1筐体10の対向面10A側に露呈するように配置されている。ここで、受話スピーカ部14は、この携帯電話機1を開いた状態で通話する際にユーザーの耳の近傍に配置されるように第1筐体10の一端側端部に配置されている。また、第1筐体10の他端側端部には、平面視略コ字状の切欠部15が形成されている。
【0020】
第2筐体20には、通話キー、終話キー等の複数の操作キー23を備えたキー操作部24と通話時に使用される通話マイクロフォン部25とが具備されており、これらキー操作部24及び通話マイクロフォン部25は、第2筐体20の対向面20A側に露呈するように配置されている。ここで、通話マイクロフォン部25は、この携帯電話機1を開いた状態で通話する際にユーザーの口の近傍に配置されるように第2筐体20の一端側端部に配置されている。また、第2筐体20の他端側端部には、前記対向面20Aから突出した突出部26が形成されている。
【0021】
第2筐体20に形成された突出部26が第1筐体10に形成された切欠部15に嵌入されて軸線Lを中心に回動可能なヒンジ部40を構成しており、第1筐体10と第2筐体20とを折り畳み可能に連結されている。本実施形態における携帯電話機1は、これら第1筐体10と第2筐体20とが開閉可能に連結された折り畳み式携帯電話機1である。
【0022】
そして、本実施形態においては、第2筐体20に形成された突出部26の対向面20A側部分をカバーするヒンジカバー41の外表面にメッキ層が形成されており、このヒンジカバー41がメッキ付樹脂部材とされている。また、ヒンジカバー41に形成されるメッキ層を構成するメッキ材として6価クロムなどのクロムメッキを採用している。
【0023】
図2は、ヒンジカバー41が装着された突出部26を有する第2筐体20の分解斜視図である。第2筐体20の内部には、複数の電子部品(図示なし)を搭載した回路基板30が収容されており、この回路基板30にはグランドパターン(図示なし)が形成されている。この回路基板30を覆うように、導電性を有するアルミニウムやステンレス等の金属板によって構成されたシールドケース31が配置されている。ここで、シールドケース31は回路基板30に金属製の取付ネジ(図示なし)で取り付けられており、シールドケース31と前記グランドパターンとは電気的に接続されている。
【0024】
このシールドケース31には、前記突出部26の内部に収容される接続部32が形成され、この接続部32には、導電スポンジ33が配置されている。
シールドケース31の前記回路基板30とは反対側には、キー用基板34、ラバーキー35及び第2フロントケース21とが積層されるように配置されている。そして、ラバーキー35の一表面に形成されたキー部36が第2フロントケース21の開口部から露呈されて操作キー23を構成している。
【0025】
図3及び図4は、ヒンジカバー41を示す図である。このヒンジカバー41は、その表面にメッキ層が形成される被メッキ部43と、前記突出部26に溶着接合される溶着部44とを備えている。前記被メッキ部43は、メッキ層を構成するメッキ材とのメッキ性に優れた樹脂材料であるABS(アクリルニトリルブタジエンスチレン)樹脂によって構成され、溶着部44は、前記ABS樹脂よりもメッキ性に劣る樹脂材料であるポリカーボネイトによって構成されている。そして、この溶着部44には、複数(本実施形態では6つ)の溶着ボス45が形成されている。
【0026】
このヒンジカバー41は、前記ABS樹脂と前記ポリカーボネイトとを用いて2色成形することで一体に成形されている。すなわち、1次成形においてポリカーボネイトで構成された溶着ボス45部を形成したのちに、2次成形においてABS樹脂で構成された被メッキ部43を形成して、両者が溶着結合することでヒンジカバー41を一体成形している。
また、このヒンジカバー41には、前記被メッキ部43と同じくABS樹脂で構成され、前記溶着ボス45と平行に延びる導電ボス46が形成されている。
そして、ヒンジカバー41は、2色成形法を用いて一体成形された後に、メッキ処理が施されることにより被メッキ部43の表面にメッキ層が形成される。
【0027】
図5は、ヒンジカバー41を突出部26に取り付ける前の状態を示す図である。このヒンジカバー41が装着される突出部26は、ポリカーボネイト等の樹脂材料で構成されており、ヒンジカバー41の溶着ボス45を嵌入するためのボス孔27が複数(本実施形態では6つ)形成されるとともに、前記導電ボス46が嵌入される貫通孔28が形成されている。
【0028】
この突出部26に形成されたボス孔27にヒンジカバー41内面に形成された溶着ボス45が嵌入され、かつ、突出部26に形成された貫通孔28にヒンジカバー41の導電ボス46が嵌入するようにしてヒンジカバー41を突出部26に取り付ける。この状態で、溶着ボス45とボス孔27とに熱を加えて溶着接合することによりヒンジカバー41を突出部26に固定する。この際、導電ボス46の先端は、貫通孔28から突出するように配置される。
【0029】
図6は、ヒンジカバー41を突出部26に固定した状態を示す図である。突出部26の貫通孔28から突出された導電ボス46の一端が、シールドケース31の接続部32に配置された導電スポンジ33に当接されている。導電ボス46の表面にはヒンジカバー41の被メッキ部43と一体にメッキ層が形成されており、導電ボス46及び導電スポンジ33を介してシールドケース31とヒンジカバー41のメッキ層とが電気的に接続されることになる。
【0030】
本発明の実施形態である電子機器によれば、メッキ付樹脂部品としてのヒンジカバー41にメッキ層が形成される被メッキ部43と突出部26に溶着接合される溶着部44とが備えられ、この被メッキ部43がメッキ性の良好なABS樹脂で構成され、溶着部44がABS樹脂よりもメッキ性の劣るポリカーボネイトで構成されているので、このヒンジカバー41にメッキ処理を施した際に、被メッキ部43に強固なメッキ層が形成されるとともに、溶着部44にはメッキが形成されず溶着ボス45の表面にはポリカーボネイトが露呈されることになる。
【0031】
よって、他の樹脂部材である突出部26と溶着結合される溶着部44(溶着ボス45)の表面にメッキ層が形成されることが抑制されるので、メッキ処理を施す際に溶着ボス45にマスキングを行ったり、溶着ボス45に形成されたメッキを剥離したりする必要がなく、ヒンジカバー41を他の樹脂部材である突出部26に簡単に、かつ、確実に溶着接合させて固定することができる。また、溶着接合によって固定できるので、別途固定部材等を使用する必要がなく、ヒンジカバー41を強固に、かつ、低コストで固定することができる。たとえ、溶着ボス45にメッキ層が形成されたとしても容易にメッキを剥離させることができ、容易に溶着接合することができる。
【0032】
また、ヒンジカバー41が、被メッキ部43を構成するABS樹脂と溶着部44を構成するポリカーボネイトとを用いて2色成形することによって一体成形されているので、被メッキ部43と溶着部44とが分離することがなく、溶着部44に形成された溶着ボス45を突出部26に溶着接合することにより、ヒンジカバー41を確実に固定することができる。
【0033】
また、メッキ処理が施された導電ボス46及びこの導電ボス46と当接された導電スポンジ33を介してヒンジカバー41のメッキ層と金属製のシールドケース31とが電気的に接続され、このシールドケース31と回路基板30のグランドパターンとが電気的に接続されているので、ヒンジカバー41に形成されたメッキ層が、アンテナ等の電子部品へ悪影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0034】
また、グランドパターンとメッキ層とを電気的に接続するために導電ボス46を設け、この導電ボス46をメッキ性の良好なABS樹脂で構成することにより、ヒンジカバー41にメッキ処理を施した際にこの導電ボス46の表面にも被メッキ部43と一体にメッキ層が形成されるので、メッキ層とグランドパターンとの接続を簡単に、かつ確実に行うことができる。また、導電ボス46を、弾力性を有する導電スポンジ33に当接させて電気的に接続させているので、導電ボス46を導電スポンジ33が変形するように強く押し付けることで、確実に接続させることができる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、メッキ付樹脂部材としてヒンジカバーを用いて説明したが、これに限定されることはなく、例えば第1筐体の背面を構成する第1リアケースや第2筐体の背面を構成する第2リアケースにメッキ層を形成したものを固定する場合であってもよく、更にはあらゆる技術分野でのメッキ付樹脂部材を他の樹脂部材に溶着接合して固定するものであればよい。
【0036】
また、メッキ性の良好な樹脂材料としてABS樹脂を用いたもので説明したが、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール等の他の樹脂材料であってもよい。また、メッキ性の劣る樹脂材料としてポリカーボネイトを用いたもので説明したが、ポリアミド等の他の樹脂材料であってもよい。メッキ層を構成するメッキ材に対するメッキ性を考慮して、これら樹脂材料を適宜選択することが好ましい。
そして、溶着部は、被メッキ部を構成する樹脂部材よりも当該メッキ材に対するメッキ性が劣る樹脂部材で構成されていればよい。
【0037】
また、溶着部に溶着ボスを形成し、この溶着ボスを他の樹脂部材に形成されたボス孔に嵌入して溶着するものとして説明したが、メッキ付樹脂部材と他の樹脂部材との溶着部分の形状に限定はなく、これらが溶着接合される構成であればよい。
また、被メッキ部と溶着部とを2色成形法により一体成形する構成としたが、2色成形に限定することなく、この被メッキ部と溶着部とが一体的に構成されるものであればよい。
【0038】
また、アルミ及びステンレス等の金属板で構成されたシールドケースを介してグランドパターンとメッキ層とを接続したものとして説明したが、これに限定されることはなく、メッキ付樹脂部材に形成されたメッキ層とグランドパターンとが電気的に接続されていれば、上述したメッキ層による悪影響を防止できるため好ましい。
また、電子機器としては、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ等が挙げられ、メッキ付樹脂部材を有するものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る電子機器である携帯電話機の斜視図である。
【図2】図1に示す携帯電話機において、第2筐体を分解した分解斜視図である。
【図3】図1に示す携帯電話機において、メッキ付樹脂部材であるヒンジカバーを内面側から見た状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示す携帯電話機において、ヒンジカバーを分解した分解斜視図である。
【図5】図1に示す携帯電話機において、ヒンジカバーを第2フロントケースに取り付ける前の状態を示す分解斜視図である。
【図6】図1に示す携帯電話機において、第2筐体の突出部にヒンジカバーを固定した状態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 携帯電話機(電子機器)
26 突出部(他の樹脂部材)
30 回路基板
41 ヒンジカバー(メッキ付樹脂部材)
43 被メッキ部
44 溶着部
46 導電ボス(導電部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂材料で構成されて表面にメッキ層が形成されるメッキ付樹脂部材を、樹脂材料で構成された他の樹脂部材に溶着接合させて固定するメッキ付樹脂部材の固定構造において、
前記メッキ付樹脂部材は、前記メッキ層を構成するメッキ材に対するメッキ性が良好な第1樹脂材料で構成されるとともに前記メッキ層が形成される被メッキ部と、前記第1樹脂材料よりも前記メッキ性が劣る第2樹脂材料で構成されるとともに前記他の樹脂部材と溶着接合される溶着部とを有していることを特徴とするメッキ付樹脂部材の固定構造。
【請求項2】
前記メッキ付樹脂部材は、前記被メッキ部を構成する第1樹脂材料と前記溶着部を構成する第2樹脂材料とを用いて2色成形することにより一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載のメッキ付樹脂部材の固定構造。
【請求項3】
前記第2樹脂材料がポリカーボネイトであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメッキ付樹脂部材の固定構造。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のメッキ付樹脂部材の固定構造を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
前記メッキ付樹脂部材が備えられた筐体を有し、
前記筐体の内部には、一表面にグランドパターンが形成された回路基板が配置されており、
前記メッキ層と前記グランドパターンとが電気的に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記メッキ付樹脂部材は、前記被メッキ部とともに前記メッキ層が形成された導電部を有し、該導電部が前記グランドパターンと電気的に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
樹脂材料で構成されて表面にメッキ層が形成されるメッキ付樹脂部材を、樹脂材料で構成された他の樹脂部材に溶着接合させて固定するメッキ付樹脂部材の固定方法において、
前記メッキ付樹脂部材は、前記メッキ層を構成するメッキ材に対するメッキ性が良好な第1樹脂材料で構成されるとともに前記メッキ層が形成される被メッキ部と、前記第1樹脂材料よりも前記メッキ性が劣る第2樹脂材料で構成されるとともに前記他の樹脂部材と溶着接合される溶着部とを有し、
該溶着部と前記他の樹脂部材とを溶着接合して固定することを特徴とするメッキ付樹脂部材の固定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−198483(P2007−198483A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−17174(P2006−17174)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】