メッシングを伴うランダム位相マルチアクセスシステム
【課題】ランダム位相マルチアクセスネットワークを通して通信する方法を提供する。
【解決手段】擬似ノイズコードを使用して拡散され、ランダムタイミングオフセットによりオフセットされ且つペイロードデータを含む信号が装置から受け取られる。マルチアクセスネットワークの特性に基づいてペイロードデータに対する行先が選択される。その選択された行先にペイロードデータが送信される。
【解決手段】擬似ノイズコードを使用して拡散され、ランダムタイミングオフセットによりオフセットされ且つペイロードデータを含む信号が装置から受け取られる。マルチアクセスネットワークの特性に基づいてペイロードデータに対する行先が選択される。その選択された行先にペイロードデータが送信される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に係り、より詳細には、メッシュネットワークを伴うランダム位相マルチアクセス通信インターフェイスシステム及び方法に係る。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザが存在するネットワークにおいて通信を容易にするために多数の変調技術が開発されている。このような技術は、コード分割マルチアクセス(CDMA)、時分割マルチアクセス(TDMA)、及び周波数分割マルチアクセス(FDMA)を含む。CDMAは、到来するデータを変調するための擬似ランダム数シーケンス、同じ信号において送信を行う複数の送信器、及び異なる通信チャンネルを相関させる直交コード(ウォルシュコード)を使用するスプレッド(拡散)スペクトル技術である。TDMAは、同じサブスロットで送信する複数のアップリンク送信器を整合するためにタイムスロットを使用するものである。ユーザは、各々自分自身のタイムスロットを使用して、迅速に連続的に順次送信を行い、利用可能な全帯域巾の一部分しか使用せずに、複数のステーションが同じ送信媒体(例えば、高周波チャンネル)を共有できるようにする。FDMAは、異なるユーザに無線スペクトルの異なるキャリア周波数を割り当てる。
【0003】
変調技術に加えて、2つの装置がデータチャンネルを同時に使用するよう試みたときに(衝突と称する)、ネットワーク装置がどのように応答するか決定するためのプロコルが存在する。参加するステーションにおいてライン上のトラフィックを物理的に監視するために、CSMA/CD(キャリアセンスマルチアクセス/衝突検出)がイーサネットネットワークによって使用される。送信が行われていないときに、特定のステーションが送信を行うことができる。2つのステーションが同時に送信を試みる場合には、衝突を引き起こし、参加する全てのステーションによってそれが検出される。ランダムな時間インターバルの後に、衝突を生じたステーションが再び送信を試みる。別の衝突が生じた場合には、ランダムな待機時間が選択されるところの時間インターバルが段々に増加される。これは、指数関数的バックオフとして知られている。
【0004】
通信目的で装置を一緒にネットワーク化するために多数のトポロジーが存在する。最近使用されている幾つかの通常のものは、ポイント対ポイント通信、スターパターン、及びリングである。ポイント対ポイントネットワークは、単一のリンクに沿った2つのノード間の通信しか含まない最も簡単なものである。スターパターンは、多数のポイント対ポイント接続をゲートウェイノードに追加することによりこれを拡張する。いずれのノードもゲートウェイノードを通して他のノードに通信することができる。スターパターンは、ゲートウェイノードとの問題があるときにそれを克服する。リングパターンは、全てのノードを1つのリンクで各隣接ノードへ円形路において一緒にリンクする。データは、ソースノードから全ての隣接ノードを経て行先ノードへ伝送される。リングパターンは、単一の欠陥ポイントにより他の全てのノードへの通信が切断されないという効果がある。しかしながら、複数の欠陥ポイントがあると、リンクは切断される。メッシュパターンは、切断されたリンクの周りの再構成及びネットワークの動的な構成を行えるようにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存のメッシュパターンネットワークシステム及び方法は、それらを使用する通信システムの能力及び機能を制限する多数の欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
規範的な実施形態は、ランダム位相マルチアクセス通信インターフェイスを使用する。このインターフェイスは、直交コードを使用せずにスプレッドスペクトル変調方法を使用するシステム及び装置に通信接続することができる。
【0007】
規範的なランダム位相マルチアクセス通信インターフェイスは、スプレッドスペクトル変調方法を使用するシステム及び装置を通信接続する。チップ(又はタイミング)オフセットをマルチアクセススキームとしてランダムに選択することで、独特の「コード」を指定する必要なく非整合のデータ送信を行うことができる。全てのユーザは、同じPN(擬似ノイズ)コードを使用して送信を行い、アクセスポイントにおけるPNアレイデスプレッダーを使用することができる。2つの信号が、同じPNオフセットでアクセスポイントに受け取られる(又はチップ数での送信遅延を伴うPNオフセットの和が、2つ以上の送信に対して同じ値を生じる)場合には、「衝突」が生じ、これら2つ以上の信号を復調することはできない。そのたびにタイミングオフセットをランダム化することは、発生する「衝突」がそのフレーム中にしか生じないことを意味する。再送信スキーム及び新規なランダム化オフセットを使用して、次の試みを切り抜ける。
【0008】
規範的な実施形態は、タグ(アップリンク)における送信器と、タグからアクセスポイントへ信号を送信する方法とを包含する。各タグは、フレームの形態で情報を送信するそれ自身の送信器を備えている。フレームは、固定データレートのチャンネルに与えられる情報から形成することができる。データは、同じ擬似ノイズ(PN)コードを、このPNコードに対するランダムに選択されたチップオフセットと共に使用して、拡散することができる。又、送信器は、アクセスポイントの基準発振器に一致させるために、周波数ローテーション及びサンプルブロック修正も適用する。複数のタグが単一のアクセスポイントに関連されて、ネットワークを形成する。複数のタグの各々は、同じPNコードを、このPNコードに対するランダムに選択されたチップオフセットと共に使用して、情報を送信する。位相は、多数のチップ(即ち、8192)にわたりフレームごとにランダムに選択される。
【0009】
別の規範的実施形態は、アクセスポイント(ダウンリンク)における送信器と、アクセスポイントからタグへ信号を送信する方法とを包含する。アクセスポイントの送信器は、タグの送信器と同様である。しかしながら、アクセスポイントの送信器は、それが通信するタグごとに独特のPNコードを使用する。タグごとに個別のPNコードを使用することで、セキュリティが与えられると共に、各タグは、他のタグに向けられる信号を無視することができる。アクセスポイントにより送信されるフレームは、タグにおいて迅速な取得を行えるように、ほぼ9個の記号のプリアンブルも含む。
【0010】
別の規範的な実施形態は、タグにおける復調器と、タグにより受け取られた信号を復調するための方法とを包含する。タグに受け取られた信号に、自動周波数制御(AFC)デローテーター乗算が適用される。AFCデローテーター乗算は、1ビット複素数出力との1ビット複素数演算であり、ゲートカウントが改善される。タグは、1ビットデータ経路における多大な計算節約という効果のあるPNアレイデスプレッダーを使用する。
【0011】
別の規範的な実施形態は、アクセスポイントにおける復調器と、アクセスポイントに受け取られた信号を復調する方法とを包含する。アクセスポイントの復調器は、タグから受け取られた数千以上のリンクを同時に復調する容量を有する。このような多数のリンクを復調するために、アクセスポイントの復調器は、PNアレイデスプレッダーを含む。
【0012】
別の規範的な実施形態は、アクセスポイントのマスタータイミングでタグを同期させることを含む。アクセスポイントは、ブロードキャストフレームを周期的に送信することができる。「コールド(cold)」タイミング取得中に、タグは、そのPNデスプレッダーを使用して、ブロードキャストフレームを分析し、アクセスポイントのマスタータイミングを識別する。コールドタイミング取得は、タグがシステムへ最初に導入されるときに一度行うことが予想される。最初のコールド取得の後に、タグは、タグがウェイクアップするたびに「ウォーム(warm)」タイミング取得を遂行して、信号を送信又は受信することができる。ウォームタイミング取得は、コールドタイミング取得より電力を使用しない。
【0013】
少なくとも1つの規範的実施形態では、各タグは、PNコードを別々に発生する。ゴールドコードは、各ユーザがそれ自身で有するようにパラメータ化できるPNコードの例である。従って、特定のユーザに向けられたデータは、そのユーザにしか見えない。独特のPNコードを使用すると、タグは、それ自身のものでないデータを処理しない。
【0014】
マルチアクセス通信インターフェイスを通して通信するための規範的な方法は、第1のタグから第1の信号を受け取ることを含み、第1の信号は、所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、第1の信号は、第1のペイロードデータを含む。第2のタグから第2の信号が受け取られる。第2の信号は、所定のPNコードを使用して拡散され、第2の信号は、第2のペイロードデータを含む。第1の信号からの第1のペイロードデータは、PNアレイデスプレッダーで少なくとも部分的に識別される。又、第2の信号からの第2のペイロードデータも、PNアレイデスプレッダーで少なくとも部分的に識別される。
【0015】
マルチアクセス通信インターフェイスを通して通信するための規範的システムは、第1のタグと、第2のタグと、アクセスポイントとを備えている。第1のタグは、第1の信号において第1のペイロードデータを送信するように構成された第1の送信器を有し、第1の信号は、所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散される。第2のタグは、第2の信号において第2のペイロードデータを送信するように構成された第2の送信器を有し、第2の信号は、所定のPNコードを使用して拡散される。アクセスポイントは、第1のタグ及び第2のタグと通信し、受信器及びデスプレッド(逆拡散)アレイを含む。受信器は、第1の信号及び第2の信号を受信するように構成される。デスプレッドアレイは、第1の信号及び第2の信号を逆拡散するように構成される。
【0016】
マルチアクセス通信システムに使用するための規範的なアクセスポイントは、プロセッサと、プロセッサと通信する受信器と、プロセッサと通信する送信器とを備えている。受信器は、第1のタグから第1の信号を受信するように構成され、第1の信号は、第1のペイロードデータを含み、更に、第1の信号は、所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散される。又、受信器は、第2のタグから第2の信号を受信するようにも構成され、第2の信号は、第2のペイロードデータを含み、更に、第2の信号は、所定のPNコードを使用して拡散される。送信器は、第1のタグへ第3の信号を送信するように構成され、第3の信号は、第2のPNコードで拡散され、更に、第2のPNコードは、第1のタグに特有のものである。
【0017】
規範的なメッシュネットワーク実施形態は、マイクロリピーター又はアクセスポイントをルーターとして使用して、外部装置から受け取った信号を向ける。この実施形態では、信号が装置から受信され、信号は、ランダムタイミングオフセットによりオフセットされたPNコードを使用して拡散される。信号は、ペイロードデータを含む。ペイロードデータの行先は、マルチアクセス通信ネットワークの特性に基づいて選択される。一実施形態では、マルチアクセス通信ネットワークの特性は、ネットワークの初期化手順の間に選択されたシード値である。行先が選択されると、ペイロードデータが行先へ送信される。
【0018】
別の規範的実施形態は、マルチアクセス通信ネットワークを通して通信するように設計された装置にある。この装置は、3つの主たるコンポーネント、即ち受信器、送信器、及びコントローラを有する。この実施形態において、受信器は、別の装置から信号を受信するように構成される。受信した信号は、ランダムタイミングオフセットによりオフセットされたPNコードを使用して拡散される。この信号は、ペイロードデータを含む。コントローラは、受信器及び送信器に電気的に結合される。コントローラは、信号の受信を指令し、ペイロードデータの行先を、マルチアクセス通信ネットワークの特性に基づいて選択する。一実施形態では、マルチアクセス通信ネットワークの特性は、ネットワークの初期化手順の間に選択されたシード値である。送信器は、ペイロードデータを選択された行先へ送信するのに使用される。
【0019】
これら及び他の特徴、態様及び効果は、以下の説明、特許請求の範囲、及び添付図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】規範的実施形態によるアップリンク送信器を示す図である。
【図2】規範的実施形態によるダウンリンク送信器を示す図である。
【図3】規範的実施形態によるスロット構造及び指定を示す図である。
【図4】規範的実施形態におけるPN(擬似ノイズ)デスプレッドアレイを示す図である。
【図5】規範的実施形態においてコールドスタートからのブロードキャストチャンネルのタグ処理で行われるオペレーションを示すフローチャートである。
【図6】規範的実施形態においてウォームスタートからの専用チャンネルのタグ処理で行われるオペレーションを示すフローチャートである。
【図7】規範的実施形態におけるタグ受信データ路を示す図である。
【図8】規範的実施形態における時間追跡を示す図である。
【図9】規範的実施形態におけるAFC(自動周波数制御)ローテーションを示す図である。
【図10】規範的実施形態における専用通信フィンガーを示す図である。
【図11】規範的実施形態においてアクセスポイント受信処理中に行われるオペレーションを示すフローチャートである。
【図12】規範的実施形態におけるアクセスポイント受信データ路を示す図である。
【図13】規範的実施形態における非同期初期タグ送信オペレーションを示す図である。
【図14】規範的実施形態によるスロットモードにおいてアクセスポイントとタグとの間の対話を示す図である。
【図15】規範的実施形態によるアクセスポイントとタグとの間のデータ転送を示す図である。
【図16】RPMA装置で形成されたメッシュネットワークを示す図である。
【図17】RPMA装置で形成されたメッシュネットワークにマイクロリピーターを関連付けるところを示す図である。
【図18】規範的実施形態による取得プロセス中に行われるオペレーションを示すフロー図及び時間線である。
【図19】規範的実施形態によるランダム位相マルチアクセスネットワークにおいてタグを探索する図である。
【図20】規範的実施形態によりタグの位置を決定するのに使用される通信信号のタイミングを示す図である。
【図21】規範的実施形態による大容量システムにおける信号タイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して代表的な実施形態を説明する。以下の説明は、代表的な実施形態を説明するもので、特許請求の範囲に規定される本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0022】
図1は、コンボリューションエンコーダ、インターリーブモジュール、変調器、擬似ノイズスプレッダー、フィルター、タップのバンク、自動周波数制御(AFC)ローテーター、等の構造物を含むアップリンク送信器10を示す。これら構造物は、ブロック12、14、16、18、20及び22に示すオペレーションを遂行する。アップリンク送信器10の送信路は、コード化され拡散されたスペクトル波形である。規範的な実施形態において、アップリンク送信器10は、復調された通信チャンネルを使用して他のタグと共にアクセスポイントと通信するタグに含ませることができる。特定の実施形態に基づいて、アップリンク送信器10により、付加的なオペレーション、より少数のオペレーション、又は異なるオペレーションを遂行することができる。又、これらオペレーションは、ここに図示して説明するものとは異なる順序で遂行されてもよい。ここに使用する「タグ」とは、アクセスポイントから信号を受信し及び/又はアクセスポイントへ信号を送信するように構成された通信装置を指す。又、「アクセスポイント」は、複数のタグと同時に通信するように構成された通信装置を指す。1つの規範的実施形態において、タグは、バッテリ又は他の蓄電装置で動作する移動低電力装置であり、アクセスポイントは、中央位置に配置されて、壁コンセント又は発電機のような電源から電力を受電することができる。或いは又、タグをコンセントに差し込み、及び/又はアクセスポイントをバッテリ又は他の蓄電電源で動作してもよい。
【0023】
ブロック12において、データ流は、コンボリューションエンコーダ及びインターリーブモジュールによって受信される。一実施形態では、データ流は、プリアンブルを含めて128ビットである。或いは又、他のサイズのデータ流が使用されてもよい。データ流は、それが受け取られると、コンボリューションエンコーダを使用してエンコードされる。1つの規範的な実施形態では、データ流は、1/2のレートでエンコードされる。或いは又、他のレートが使用されてもよい。又、データレートは、インターリーブモジュールを使用してインターリーブすることもできる。エンコードされた記号流は、ブロック14へ出力され、差動バイナリー位相シフトキーイング(D−BPSK)変調器を使用して、そのエンコードされた記号流を変調する。別の実施形態では、他の変調スキームが使用されてもよい。ブロック16において、変調された流れがPNスプレッダーに送られる。規範的実施形態では、PNスプレッダーは、選択された拡散ファクタを使用する共通ネットワークゴールドコードチャンネルを使用することができる。拡散ファクタは、セット{64、128、256、・・・8192}のメンバーである。或いは又、他のコード及び/又は拡散ファクタが使用されてもよい。所与の拡散ファクタにおけるタグの各々は、ランダムに選択されたチップオフセットを伴う同じPNコードにより拡散される。考えられるランダムに選択されたチップオフセットの大きな範囲は、特定のフレームが別の送信器からの別のフレームと衝突する(又は換言すればアクセスポイントにおいて同じチップタイミングを有する)ことのない確率を高める。容量に近づく限界で衝突する確率は、無視できないものとなり(〜10%以下)、異なる仕方で示されたランダムオフセットにおける同じフレームの再送信を経て解消することができる。PNスプレッダーは、図4を参照して以下に詳細に述べる。1つの規範的実施形態では、ブロック18の出力は、1メガチップ/秒(Mcps)において1ビットのレートを有する。或いは又、他のレートが使用されてもよい。
【0024】
ブロック18において、データ流は、4xオーバーサンプルフィルターによってアップサンプルされ、時間追跡ロジックを使用して、全てのフレームがAPの周波数基準と一貫した同じサンプルレートで到着するように保証する。ブロック18は、サンプルスリップ/リピートインジケータを入力として受け取る。一実施形態では、ブロック18の出力は、約4メガヘルツ(MHz)の実周波数を有する。ブロック20において、周波数オフセットを含めて自動周波数制御(AFC)ローテーションが行われて、アクセスポイントのタイミングオフセットに一致させ、全てのユーザからの全てのフレームが同じ仮説周波数付近で到着するように保証する。一実施形態では、ブロック20の出力は、約4MHzの複素数周波数を有する。ブロック22において、スタートスロットから、正しいアクセススロットが生じるまで、遅延が課せられる。更に、ランダムチップ遅延が信号に課せられる。1つの規範的実施形態では、ランダムチップ遅延は、0から拡散ファクタ−1までである。或いは又、異なるランダムチップ遅延が使用されてもよい。スロットアクセスは、A(i、j)によって記述することができ、iは、2^(13−i)として拡散ファクタに関係付けられ、そしてjは、非オーバーラップスロットに対応するサブスロット番号である。選択された拡散ファクタに基づいて、所与のスロットには一般的に複数の送信機会がある。アップリンクの場合、アクセススロットは、0から拡散ファクタ−1までのチップオフセットと共にランダムに選択することができる。従って、アップリンクユーザ間の衝突の確率が最小にされる一方、衝突がある場合に再選択できるようにする。信号が遅延された後に、信号は、アクセスポイントへ送信することができる。
【0025】
図2は、コンボリューションエンコーダ、インターリーブモジュール、変調器、擬似ノイズスプレッダー、フィルター、タップのバンク、等の構造物を含むダウンリンク送信器30を示す。送信器30を使用して、アクセスポイント(AP)は、特定のタグ又はユーザに各々向けられた複数のチャンネルを送信する。これらの構造物は、ブロック32から54に示すオペレーションを遂行する。ブロック32から40及びブロック42から50は、付加的なデータ流のために複製できる個別のデータ経路を表す。規範的な実施形態では、ブロック32−38は、第1のデータ流について図1を参照して説明したオペレーションと同様のオペレーションを遂行することができる。同様に、ブロック42−48は、nを任意の値とすれば、n番目のデータ流について図1を参照して説明したオペレーションと同様のオペレーションを遂行することができる。ブロック36への入力は、第1のデータ流を受信するタグに特有のゴールドコードであり、そしてブロック46への入力は、n番目のデータ流を受信するタグに特有のゴールドコードである。或いは又、ブロードキャストゴールドコード、非ゴールドコード、等の他のコードを使用して、第1のデータ流及び/又はn番目のデータ流を拡散してもよい。ブロック38及び/又はブロック48の出力は、第1のデータ流及びn番目のデータ流に対応するデータリンクの電力が等しくない場合には、ブロック40及び50において重み付けすることができる。重み付けされると、それらの経路は、ブロック52において加算される。ブロック52では、ハード判断もなされ、全ての正の数が0へマップされ、全ての負の数が1へマップされる。或いは又、異なるハード判断がなされてもよい。一実施形態では、ブロック52の出力は、10Mcpsにおいて1ビットのレートを有する。或いは又、他のレートが使用されてもよい。ブロック52からの和の出力は、ブロック54において4xチップフィルターを使用してアップサンプルされる。一実施形態では、ブロック54の出力は、40MHzの実周波数をもつことができる。或いは又、他の周波数が使用されてもよい。2048の最大ダウンリンク拡散ファクタにおけるブロードキャストフレームの単一セットである隣接周波数での送信は図示されていない。或いは又、異なる最大ダウンリンク拡散ファクタが使用されてもよい。
【0026】
図3は、スロット構造及び指定を示す。少なくとも1つの実施形態では、データ流70は、スロット72、スロット74及びスロット76を含む。スロット72は、AP対タグ通信であり、スロット74は、タグ対AP通信であり、そしてスロット76は、AP対タグ通信である。規範的実施形態では、各スロットは、巾が2.1秒である。或いは又、他の巾が使用されてもよく、及び/又は異なるスロットが異なる巾を有してもよい。データ流70は、いかなる所与の時間にも、APが送信し且つタグが受信するか、或いはタグが送信し且つAPが受信するように、半デュープレックス通信スキームで実施することができる。別の実施形態では、他の通信スキームが使用されてもよい。図3に示すように、データチャンネル80は、スロット72におけるデータの処理利得オプションを示す。データリンクが特定の利得でクローズする場合には、タグは、対応する利得でスロットの巾の間に(AP対タグモードで)受信する準備ができるだけでよい。送信モードでは、スロットの選択がタグからアクセスポイントへの送信を支配し、タグが電力消費送信モードにおいてそのオン時間を最短にできるようにする。例えば、18dBの利得は、1.6msのスロット(A7,0)しか必要としない。データチャンネル82は、スロット74におけるデータの処理利得オプションを示す。明らかなように、タグにより使用される電力は、各データリンクが同じ電力でAPに到着するように選択することができる。
【0027】
AP側での多数の同時波形の処理とタグ側での比較的少ない波形の処理との間には対称性がある。AP側では、自動周波数制御(AFC)、時間追跡ドリフト及びフレームタイミングが知られている。というのは、APがこれらパラメータのマスターだからである。しかしながら、AFC、時間追跡ドリフト及びフレームタイミングは、タグ側での取得時に決定されてもよい。PNアレイデスプレッダーは、両方に関連したブルートフォースオペレーションを遂行し、これは、取得仮説/復調を調査するための効率的な実施である。その別の観点は、この大きな電力消費回路が(アクティブなときに)、APにおける連続動作を通して(APは壁に差し込めるのでこれが問題となってはならない)、滅多に起きないタグでの「コールド」取得中にしか動作しないことである。コールド取得及びウォーム取得については、各々、図5及び6を参照して詳細に説明する。
【0028】
図4は、タグにおける単一波形の取得と、APにおける複数波形のブルートフォース復調との両方を容易にするPN(擬似ノイズ)デスプレッドアレイを示す。規範的実施形態では、PNデスプレッドアレイは、多数のチップスペースタイミング仮説の1ビットドット積を同時に遂行することができる。
【0029】
PNデスプレッドコアエレメントは、入力が0であるか1であるかに依存するクロックのたびにインクリメントされるか又はされない単純なカウンタである。複素数データ経路であるために、1つはI(同相)のためのそして1つはQ(直角位相)のための2つのカウンタがある。複素数指数関数による乗算は、一般的に、複素数指数関数テーブルに結合された4つの若干大きなスカラー乗算器のセットである(4x1000ゲートが典型的)。対照的に、1ビットの複素数乗算器は、基本的に、簡単な真理値表、例えば、以下に示すテーブルであり、ここでは、負が反転(0→1及び1→0)を表す。
【表1】
【0030】
図4は、PNデスプレッドアレイ100を示す。複素数デスプレッドオペレーションのためにカウンタの対の多数のインスタンス生成(例えば、一実施形態では、256以上)がある。PNデスプレッドアレイ100は、PNデスプレッドエレメント102、104及び106の隣接インスタンス生成が、1チップ離れたタイミング仮説上で作用するようにして、チップレートで供給することができる。1ビットの複素数データは、ブロック114からエレメント102、104及び106へ送信され、ここで、PNジェネレータ110からのPN信号と合成される。PN信号ジェネレータ110は、APがデータを拡散するのと同じ0及び1のシーケンスを出力するハードウェアである。エレメント102の場合には、デローテートされたデータが、合成器122aにおいてPN信号と合成される(より詳細には、1ビット複素数乗算される)。この合成の実数部分及び虚数部分は、カウンタ118a及び120aに個別に入力される。これらカウンタ118a及び120aは、リセット信号112を受信すると、ビット流をシフトアウトする。より詳細には、カウンタのデータは、リセット信号の直前に有効となる。リセット信号は、両カウンタを強制的に0にする。マルチプレクサ108は、その特定のクロックにおいてデスプレッドオペレーションを独特に終了したフィンガーに対する現在有効なカウンタを出力できるようにする。PNデスプレッドアレイ100の他のエレメントは、同様に動作する。エレメント104は、ブロック114からのデローテートされたデータを受け取り、そしてエレメント102における遅延ブロック116aにより遅延が課せられた後にそれをPN信号と合成する。その合成物がカウンタ118b及び120bへ入力され、遅延ブロック124aから遅延が課せられた状態でリセット信号112からの信号でカウンタがシフトアウトされる。同様に、エレメント106は、ブロック114からデローテートされたデータを受け取り、そしてエレメント104における遅延ブロック116bにより遅延が課せられた後にそれをPN信号と合成する。その合成物がカウンタ118c及び120cへ入力され、遅延ブロック124bから遅延が課せられた状態でリセット信号112からの信号でカウンタがシフトアウトされる。
【0031】
拡散ファクタに対応する数のクロックの後に、PNデスプレッドエレメント102は、マルチプレクサ108により出力するために選択された有効データを有する。その後の各クロックに、隣接するデスプレッドエレメント104又は106を使用することができ、これは、全てのデータが出力されるまでであり、そしてそれは、拡散ファクタ+PNデスプレッドインスタンス生成の数、に対応する数のクロック中に生じる。このメカニズムのオペレーションを支配するPNコードは、値によりパラメータ化されるゴールドコードである。別の実施形態では、他のPNコードが使用されてもよい。
【0032】
図5は、アクセスポイントの送信波形を復調するためにブロードキャストチャンネルのタグモデム処理中に行われるオペレーションを示す。特定の実施形態に基づいて、付加的なオペレーション、より少数のオペレーション又は異なるオペレーションが遂行される。又、これらオペレーションは、ここに図示して説明するものとは異なるシーケンスで遂行されてもよい。
【0033】
タグの初期パワーアップの際に、ブロードキャストチャンネルPNシーケンス(例えば、特定のゴールドコード又は他のコードパラメータ)を除いて波形に関して知られたパラメータはない。更に、タグは、APとタグとの間の発振器バリアンスのためにAPとタグとの間にどんな相対的周波数オフセットがあるか充分正確に知らないことがある。図5は、APとタグとの間のパーツ・パー・ミリオン(ppm)ドリフトの不確定性の範囲が調査されるスキャニングモードを示す。オペレーション150において、タグがブロードキャストチャンネルに同調できるように2つのスロットにわたって繰り返しがなされる。例えば、処理は、スロットタイミングに対して非同期で開始することができる。仮説の一方の半分の調査の間に、ブロードキャストチャンネルは、アクティブであり、そして仮説の他方の半分の調査の間に、ブロードキャストチャンネルは、インアクティブとなる。第1の繰り返しにおいて、非同期スタートポイントとの第1のスロットタイミングを使用して全ての仮説を調査することができる。第1の繰り返しにおいてエネルギーが見つからない場合には、第2の繰り返しが遂行される。第2の繰り返しでは、非同期スタートポイントは、第1の繰り返しで使用された非同期スタートポイントから1つのスロットオフセットを有することができる。従って、ブロードキャストチャンネルがアクティブである間に調査される仮説は、ブロードキャストチャンネルがアクティブである間に調査することができる。エネルギーが見つかると、タグは、ブロードキャストチャンネルに同調することができる。1つの規範的実施形態では、オペレーション150は、「コールド取得」に対するスタートポイントを表すことができる。オペレーション152では、粗い自動周波数制御(AFC)が初期化される。一実施形態では、この初期値は、−10ppmオフセットのような最も負の値にセットされる。オペレーション154では、ブロードキャストチャンネルに対する既知のゴールドコード発生PNシーケンスを使用して、所与の粗いAFC仮説に対する全てのCx4スペース仮説の非コヒレントなメトリックが計算される。例えば、拡散ファクタが2048の長さを有する場合には、8192の仮説に対する非コヒレントなメトリックを計算することができる。
【0034】
オペレーション156及び158では、粗AFC仮説がppm範囲の終わりまでインクリメントされる。各々の粗AFC仮説に対し、図7に示すハードウェアを使用して、現在仮説によって表される周波数オフセットをアンドゥする。PNデスプレッドアレイを使用して、8個の連続する記号のデスプレッド出力を発生する。或いは又、他の数の記号を使用してもよい。次いで、これら8個の記号の非コヒレントな和が計算される。N個(一実施形態では8個)のトップメトリックのセットが、それに関連したパラメータと共に、データ構造体に維持される。図5のフローチャートに示すように、チップx4の解像度において全てのタイミング仮説に沿った発振器ppm不確実性の全範囲が調査され、勝者(即ち、有効なもの)がデータ構造体に表示されることが期待される。最も有効な仮説と共に、著しいエネルギー蓄積がまだ存在する粗AFC周波数仮説、及びノイズバリアンスのために異常に大きなメトリックを発生した完全に無効の仮説の付近では、一般的に、マルチ経路反射が少なくなる傾向がある。
【0035】
各粗AFCに対する全てのチップx4タイミング仮説の非コヒレントなメトリックをデータ構造体へ通信することができる。オペレーション160では、データ構造体は、最も大きな非コヒレントメトリック(例えば、粗AFC値、チップx4タイミング仮説、非コヒレントなメトリック値)を追跡する。オペレーション162において、N個の専用フィンガーに「ファイナリスト」が指定される。各フィンガーは、チップx4タイミング値と、PNデスプレッドアレイを支配する現在の粗AFC仮説とは独立した粗AFC仮説とによって独特にパラメータ化される。最初は、フレームタイミングが未知であるから、専用フィンガーにより出力される各デスプレッド記号は、フレームにおいて最後であると仮説される。従って、オペレーション164及び166に示すように、バッファされた256個の記号は、差動的復調と、一定の複素数値による乗算に基づく付加的な1組の繰り返しとを受けて、微AFC修正を遂行する。オペレーション164の出力は、各専用フィンガーからの複素数クロス積となる。オペレーション166では、(微AFC仮説により決定される)一定の複素数ローテーションによる記号ごとの乗算を、仮定した情報フレームに繰り返し適用して、複素数ローテーション一定値のどの選択(もしあれば)が、繰り返し冗長チェック(CRC)をパスするフレームを露出させるか決定することができる。これは、仮説ごとに繰り返し冗長チェック(CRC)が遂行されるブルートフォースオペレーションである。有効なCRCに対して、信号からのペイロードをMACに送信することができ、ネットワークパラメータは、既知であると考えることができる。
【0036】
オペレーション168では、他のスロットタイミング仮説が試みられる。1つの規範的実施形態では、最も首尾良いCRCに関連した粗AFC仮説は、名目上のスタートである粗AFC仮説となる。粗AFC仮説の全範囲が調査されると、タグは、将来のトランザクションに使用される関連状態情報であるNominal_Coarse_AFCと称する変数に注目し、これは、粗AFC仮説サーチの範囲を著しく狭める。というのは、発振器ppm偏差の部分対部分変化が1分程度のコースにわたって発振器ドリフトより非常に大きなものとなるからである。
【0037】
図6は、当該状態情報が既知であるウォームスタートからの専用チャンネルのタグ処理において遂行されるオペレーションを示す。例えば、フレームタイミングが既知であり、粗AFC仮説の非常に厳格な範囲を調査することができる。モデムは、その処理を充分早期に開始し、9記号のプリアンブルが終わる前に有効なフィンガー指定がなされるようにする。或いは又、他の数の記号を使用してもよい。
【0038】
オペレーション200では、フレームタイミングが既知であるから、2スロットタイミング仮説を繰り返す必要がない。ブロードキャストチャンネルを使用するのではなく、専用チャンネルが使用される。オペレーション202では、粗AFC仮説がスキャニングされる。1つの規範的な実施形態では、最後にアクセスされて以来の僅かな周波数ドリフトを考慮するために小さな範囲にわたって粗AFC仮説をスキャニングすることができる。オペレーション204において、タグに独特の既知のゴールドコード発生PNシーケンスを使用して、全てのチップx4スペース仮説に対する非コヒレントなメトリックが計算される。オペレーション206及び208では、小さなppm範囲の終わりまで粗AFC仮説がインクリメントされる。オペレーション210では、データ構造体は、最も大きな非コヒレントメトリック(例えば、粗AFC値、チップx4タイミング仮説、非コヒレントなメトリック値、等)を追跡する。オペレーション212では、データ構造体に基づいて専用のフィンガーが指定される。オペレーション214では、現在のDBPSK及び以前のDBPSKを使用して記号クロス積が生成される。オペレーション214の出力は、各専用フィンガーからの複素数クロス積である。オペレーション216では、フレームがインターリーブされ、デコードされる。有効なCRCに対して、ペイロードを媒体アクセス制御(MAC)レイヤへ送信することができる。オペレーション218では、他のスロットタイミング仮説が試みられる。1つの規範的実施形態では、最も首尾良いCRCに関連した粗AFC仮説は、名目上のスタートである粗AFC仮説となる。
【0039】
図7は、規範的実施形態によるタグの復調処理を示すタグ受信データ経路である。図示されたように、1ビットの複素数サンプルがサンプルバッファ220にバッファされて、有効エネルギーを確実に検出するに充分なデータが提示されるようにする。サンプルバッファブロック220には規範的な値が与えられる。例えば、一実施形態では、9個の記号がバッファされる。別の実施形態では、他の値が使用されてもよい。サンプルは、Iチャンネル及びQチャンネルから、チップx2又は2MHzの同期サンプルレートでこのピンポンバッファスキームへ入力される。或いは又、他のレートが使用されてもよい。高速非同期クロックにおいて、これらのサンプルを使用して、種々の粗AFC仮説を調査する。現在の粗AFC仮説に基づき、チップx4の解像度で時間追跡が行われる。AP及びタグの両方でキャリア周波数及びサンプルクロックの両方を駆動するのに同じタイミング基準が使用されるので、既知のキャリア周波数を伴う粗AFC仮説は、既知の時間追跡レートへ独特にマップすることができる。
【0040】
サンプルバッファ220は、Iチャンネル及びQチャンネルを経て通信信号を受信する。これら信号は、時間追跡ロジック222及び専用フィンガー234へ送信される。又、時間追跡ロジック222は、粗AFC仮説も受け取り、又、ロジック222は、チップx4パリティで0にリセットされる。時間追跡ロジック222は、2つのブロックを有することができ、その一方は、偶数のチップx4パリティに対してカウンタが0に初期化されるものであり、その他方は、奇数のチップx4パリティに対してカウンタが中間レンジ(即ち、2^25)に初期化されるものである。時間追跡ロジック222の出力は、仮想チップx4位相が適用されるブロック224に与えられる。又、ブロック224は、取得状態マシンからパリティを受け取ることもできる。自動周波数制御(AFC)ローテーションロジック226がブロック224の出力に適用される。
【0041】
図8は、図7を参照して説明した時間追跡ロジック222の2つのブロックの規範的な実施形態である。ストリーム250は、偶数チップx4パリティをもつ通信流である。ストリーム252は、奇数チップx4パリティをもつ通信流である。図8は、各異なる陰影が異なるチップx4スペースシーケンスを表す時間追跡オペレーションを示す。サンプルは、どの現在AFC仮説が調査されているかに直接依存するレートに、サンプルレートとキャリア周波数との間の既知の比を乗算したもので、挿入されるか又は繰り返される。これは、ロックされたクロック仮定として使用されて、二次元スペースを単一次元へ減少することができる。示された値Nは、充分な時間追跡精度を許すためにブックキープされる断片的コンポーネントである。4つの考えられるチップx4位相の特定のパリティが所与の時間に選択される。それにより得られるチップレートシーケンスは、次いで、図9に示すように、1ビットデータ経路でデローテートされる。
【0042】
図9は、所与の時間に4仮想チップx4位相224の1つにおいて動作する図7のAFC(自動周波数制御)ローテーションロジック226の機能を示す。図9は、1ビットデローテーション(derotation)メカニズムを示す。このデローテーションメカニズムは、仮定された粗AFC仮説に対して受信器と送信器との間の相対的なキャリアドリフトによるAFCローテーションをアンドゥするように設計される。それが1ビット変換(上述した真理値表により示された)であるために、プロセスの90°の解像度は、相対的な発振器オフセットからのAFCドリフトによる位相の値の連続体に対して±45°である。
【0043】
又、AFCローテーションロジック226は、粗AFC仮説を入力として受け取ることができる。PNデスプレッドアレイ228(図7)は、チップスペース仮説に対してそのデスプレッドオペレーションを遂行する。PNデスプレッドアレイ228は、現在の粗AFC仮説、タイミングパリティ、タイミング位相、拡散ファクタ、及び/又はゴールドコード選択を入力として受け取ることができる。所与の記号に対して値が出力されるときに、優れたメトリック信頼性のために和が非コヒレントに累算され、連続和が非コヒレントな累算バッファ230に記憶される。バッファのサイズは、デスプレッドエレメントの数に基づく。規範的な実施形態では、PNデスプレッドアレイ228は、256個のデスプレッドエレメントを有し、サンプルバッファを通過することで、256個の仮説に対する非コヒレントなメトリックが完了するようにしている。或いは又、他の数のデスプレッドエレメントが使用されて、他の数の仮説に対してメトリックが完了するようにされてもよい。タグの送信電力制御及びAPへの電力制御フィードバックに信号対雑音比(SNR)メトリックが使用される。最も大きなメトリックを伴う仮説がトップNの経路データ構造体232に記憶され、これは、専用フィンガー234の指定を制御するのに使用される。トップN経路は、タイミング仮説、タイミングパリティ、粗AFC仮説、等を含むN個のレコードである。
【0044】
図10は、専用の通信フィンガーを示す。各専用フィンガーは、フィンガー指定のパラメータの一部分としてセットされたチップx4セレクタ260でチップx4サンプルの4つの位相の各々にアクセスすることができる。各フィンガーは、それ自身の専用のPNジェネレータ262と、逆拡散するのに使用されるAFCジェネレータ264とを有している。専用のフィンガーは、粗AFC仮説、そのチップx4タイミング位相、時間追跡レートの従属変数に基づいて記号アキュムレータ266へ累算を行い、次いで、複素数の変数、各拡散ファクタ、クロックの数を出力する。又、図7を参照して述べた専用のフィンガー234は、サンプルバッファ220からの入力、及びPNコード選択を受け取ることもできる。
【0045】
再び、図7を参照すると、専用のフィンガー234からの出力は、ビット巾スクイザー236を通過し、これは、性能を犠牲にすることなくフレームバッファ238に効率的に記憶するためにビット巾を減少する。ビット巾スクイザー236からの出力は、フレームバッファ238へ送られ、これは、一般的なケースについて、256記号フレームを、その現在記号がフレームの最後の記号であるかのように処理することのできる円形バッファメカニズムである。フレームタイミングが既知であるときに、このメモリ構造体は、既知の最終記号をもつフレームの特定の処理をサポートすることができる。
【0046】
フレームバッファ238は、仮説されたフレームを受信チェーンの残り部分へ出力する。クロス積乗算ブロック240は、現在記号と、D−BPSK復調のための従来のメトリックである以前の記号の複素共役との乗算を遂行する。残留周波数ドリフトは、D−BPSKコンステレーションを固定位相だけローテーションさせる。微AFC乗算ブロック242の役割は、ブルートフォース解決策を行い、考えられる異なる位相回転を試みて、少なくとも1つの微AFC仮説が、デインターリーバー及びビタビデコーダー244を通過するときに、有効なCRCを発生するようにする。又、微AFC乗算ブロック242は、微AFC仮説を入力として受け取ることができる。デインターリーバー及びビタビデコーダー244からの出力は、CRCチェッカー246に与えられる。CRCが有効である場合には、ペイロードがMACレイヤまで送られる。
【0047】
図11は、アクセスポイント受信処理中に遂行される規範的オペレーションを示す。実施形態に基づき、付加的なオペレーション、より少数のオペレーション又は異なるオペレーションを遂行することができる。これらオペレーションは、ここに述べるものとは異なる順序で遂行することもできる。APは、ブルートフォースオペレーションを遂行して、全ての考えられるチップx2タイミング仮説、拡散ファクタ、及び拡散ファクタ内のアクセススロットをチェックする。これは、タグによる不整合アクセスを許す。好都合なことに、APは、フレームタイミング及びAFCキャリア基準のマスターである(全てのタグは、APのタイミングを満足するようにそれらのキャリアドリフト及びサンプルクロックの両方を補償できる)ので、APの処理負担が劇的に減少される。というのは、APは、粗AFC仮説又は未知のフレームタイミングの次元を調査する必要がないからである。
【0048】
図11のフローチャートは、考えられる全てのチップx2タイミングオフセット、セット[8192、4096、・・・64]からの拡散ファクタ、及び最大値より小さい拡散ファクタに対するアクセススロット番号に対する繰り返しの順序の一例を示す。次いで、APは、タグが遂行する同様の微AFCサーチを遂行して、最後のトランザクション以来、タグ及びAPのタイミングソース間の少量の周波数ドリフトが発生するのを許す。全ての有効なCRCがMACレイヤまで通される。図11のフローチャートは、多次元スペースのサーチを示す。最も外側のループでは、考えられる全ての拡散ファクタがサーチされる。規範的実施形態では、8個の拡散ファクタがある[64、128、256、512、1024、2048、4096、8192]。或いは又、他の拡散ファクタ、及び/又は他の数の拡散ファクタが使用されてもよい。第2のループでは、所与の拡散ファクタに対する考えられる全てのサブスロットがサーチされる。例えば、64チップ拡散ファクタに対して128個の考えられるサブスロットがあり、又、8192チップ拡散ファクタに対して単一の縮退サブスロットがある。第3のループでは、所与のサブスロット内の考えられる全てのチップx2タイミング位相がサーチされる。以下に詳細に述べるように、図11において種々のループが矢印で示されている。
【0049】
オペレーション270では、1つの粗AFC値が使用される。規範的な実施形態では、1つの粗AFC値は0である。というのは、タグにより補償が行われるからである。オペレーション272では、最も大きな拡散ファクタ(例えば、8192)がスタートポイントとして使用される。別の実施形態では、最も大きな拡散ファクタが8192より大きくても小さくてもよい。オペレーション274では、拡散ファクタ内でアクセススロットが処理される。このプロセスは、8192個の拡散ファクタがある場合には縮退となる。オペレーション276では、現在拡散ファクタにおいて全てのチップx2スペース仮説に対して逆拡散が行われる。例えば、拡散ファクタが8192の長さを有する場合には、16384回のデスプレッドオペレーションが行われる。拡散ファクタがフレームバッファ数(例えば、256)未満でない限り全てのエレメントに対して逆拡散が行われる。オペレーション278では、拡散ファクタが半分に減少され、処理が続けられる。オペレーション280では、拡散ファクタが64に減少されたかどうかの決定がなされる。別の実施形態では、他の所定値が使用されてもよい。拡散ファクタが64(又は他の所定値)に減少されない場合には、オペレーション276において処理が続けられる。拡散ファクタが64に減少された場合には、システムは、オペレーション282において次のサンプルバッファがいっぱいになるのを待機する。オペレーション282において次のサンプルバッファがいっぱいになると、制御は、オペレーション272へ復帰する。オペレーション284において、デスプレッドエレメントのフレームバッファが得られる。規範的な実施形態では、PNデスプレッドアレイにより単一パスから256個の記号が出力された後にフレームバッファが完了となる。一実施形態では、256段のPNデスプレッドアレイに対して、256個の記号を各々有する256個のタイミング仮説がパススルーで発生される。別の実施形態では、PNデスプレッドアレイは、より多数の段を有してもよいし、より少数の段を有してもよい。現在デスプレッドDBPSK記号と以前の記号とのクロス積がオペレーション286において計算される。一実施形態では、クロス積は、256個までのフレームに対して256個の記号を含む。或いは又、他の数の記号及び/又はフレームが使用されてもよい。オペレーション288では、現在フレームがAFC仮説に基づいてデコードされ位相乗算される。オペレーション290では、CRCがチェックされ、そして有効なCRCに対して、ペイロードが物理的レイヤ(PHY)から媒体アクセス制御(MAC)まで送られる。例えば、CRCは、256デスプレッドアレイのパスごとに微AFC仮説の数に256を乗じた回数、チェックされる。所与のスロットに対するプロセスが完了すると、ブロック282からブロック272への矢印で示すようにその後のスロットに対してプロセスが遂行される。
【0050】
図12は、アクセスポイント(AP)受信データ路を示す。タグとは異なり、最も大きな拡散ファクタにおける全フレームがサンプルバッファ300にピンポンバッファスキームで記憶される。このバッファスキームは、実質的な量のメモリ(例えば、16.8Mビット)であり、少なくとも1つの実施形態では、専用のオフチップメモリ装置に記憶される。サンプルバッファブロック300は、規範的な値を含む。別の実施形態では、他の値が使用されてもよい。タグとは異なり、時間追跡ロジック及びAFCローテーションロジックは、使用されない。というのは、APがマスター時間基準だからである。サンプルバッファ300は、フレームをPNデスプレッドアレイ302へ送り、このアレイは、上述したブルートフォーステストを遂行することができる。PNデスプレッドアレイ302は、256個のデスプレッドエレメントを含む。或いは又、他の数のデスプレッドエレメントを使用してもよい。又、PNデスプレッドアレイ302は、現在タイミングパリティ(これは、解像度がチップx2だけでもよい)、仮説位相、及び/又は拡散ファクタを入力として受け取ることができる。PNデスプレッドアレイ302からの出力は、ビット巾スクイザー304へ送られる。このビット巾スクイザー304は、フレームのサイズを減少し、これは、次いで、フレームバッファ306へ送られる。フレームバッファブロック306は、規範的な値を含む。別の実施形態では、他の値を使用してもよい。実施形態に基づいて、フレームバッファ306は、専用のオフチップメモリ装置に記憶されてもよい。システムの残り部分は、タグの受信処理と同様であり、微AFC仮説が繰り返され(オペレーション310及び312)、有効CRCを伴う全てのペイロードがAPのMACまで送られる(オペレーション314及び316)。非コヒレントな累算308を使用して、タグへの送信電力制御フィードバックに使用するための信号強度のようなSNRメトリックを決定する。
【0051】
図13は、タグからAPへのデータ転送を生じる2つの形式の対話を含む非同期の初期タグ送信オペレーションを示す。例示及び説明のために、スロット320は、タグスロットを表し、スロット322は、アクセスポイントスロットを表す。「コールドスタート」は、タグが当該状態情報なしにシステムに入る場合であり、「ウォームスタート」は、タグがスロットタイミングや調査すべき微AFC仮説の減少範囲のようなシステム情報を知っている場合である。
【0052】
「コールドスタート」のシナリオでは、タグは、スロット非同期時点でシークアクセスを開始する。図13は、APがブロードキャストチャンネルを送信していないときにタグがそれを取得する試みを開始するときを示す(スロット1)。結局、タグの処理は、APがブロードキャストフレームを送信する時間中に有効な粗AFC仮説を調査する。図13は、スロット2の間にこれが生じることを示している。この点において、非コヒレントなエネルギーメトリックは、専用のフィンガーが正しいチップx4タイミング及び粗AFC仮説を調査するようにさせる。正しい仮説を伴うフィンガーは、各新たな記号をフレームの最後の記号として連続的に処理し、これらの仮説化フレームを、CRCチェックが欠陥を指示する受信チェーンを通してプッシュする。スロット4の終わりに、CRCチェックが成功を指示するときに有効なフレームタイミングが達成される。この点において、タグは、「ウォームスタート」に入るタグが有する同じ関連状態情報を有し、そして「ウォームスタート」タグが受ける同じ処理を実行し続ける。
【0053】
タグは、「コールドスタート」手順を通して遷移することにより、又は関連状態情報が適切に維持される場合にはタグのウェイクアップ時に直接的に、スロット6に示した対話に入る(ウォームスタート)。この点において、タグは、ブロードキャストフレームの受け取った強度の測定を行い、この情報を使用して、タグがその後にスロット7において送信する送信電力及び拡散ファクタを決定する。タグは、次のことに基づいてそのメッセージを送信する。1)測定された受信ブロードキャストチャンネル信号強度を使用し、そしてリンクを閉じるのに使用できる最小拡散ファクタであって、タグのオン時間を最短にし且つ電力消費を最小にするのにベストである最小拡散ファクタを選択し;2)測定された受信ブロードキャストチャンネル信号強度と、以前に選択された拡散ファクタとを使用して、タグは、ビット当たりエネルギー対スペクトルノイズ密度比(Eb/No)の非常に類似した値で全てのユーザがAPにより受信されるところのAPにおける最適な受信条件で送信を行い;3)最大拡散ファクタを除く全ての拡散ファクタに対して、スロットアクセスパラメータjをランダムに選択し;及び4)APにおける「衝突」が最小とされ且つ各送信におけるランダムな選択でその後の送信機会に「衝突」を解消できるように0から拡散ファクタ−1までチップオフセット値をランダムに選択する。
【0054】
スロット8及び9に間に、APは、スロット7の間に受信した全ての信号を処理し、そしてスロット10の間に肯定確認を返送する。APは、多数のACKを、ゴールドコードにより特徴付けされる単一チャンネルへと集合させるか、又は専用のゴールドコードチャンネルを使用して専用メッセージをタグへ送信する。前者の方法は、チャンネルを指定するために何らかの登録手順(図示せず)を必要とすることに注意されたい。いずれの場合にも、タグは、メッセージのプリアンブルを使用して、そのチップx4タイミングを更新する。
【0055】
図14は、スロットモードでのアクセスポイントとタグとの間の簡単な対話を示す。規範的な実施形態では、この簡単な対話は、タグ及び比較的スタティックなチャンネルに対するデータを含まない。例示及び説明の目的上、時間線330は、スロット中のタグ処理を表し、時間線332は、スロット中のアクセスポイント処理を表す。システムの性質は、低電力状態、即ち典型的に32kHzである低電力低周波数結晶発振子を経てシステムタイミングが維持される状態において、タグが考えられる最大の時間を費やすというものである。これをサポートするために、APが対話を開始する際の最大許容待ち時間が識別される(即ち、これは、APアクションが保留であるかどうかをタグがチェックするために低電力状態へ入ったり出たりを繰り返すレートである)。図14は、APがトランザクションの開始を希望するかどうかチェックするためにタグがその低電力状態から出るという比較的簡単な対話を示す。これは、登録中にAPとタグとの間で合意したスロット位相及びレートで生じる。
【0056】
タグは、典型的に、フレームタイミング及び粗AFC仮説が厳格な範囲内で既知である「ウォームスタート」に入る。タグは、受け取ったブロードキャストチャンネル電力の測定を行う。図14は、APとの最後の対話以来電力が著しく変化しない場合のシナリオを示す。これは、APが送信した最後の送信電力/拡散ファクタがリンクを閉じるのに充分であることを意味する。スロット3では、タグは、プリアンブルにおいて取得を試み、次いで、その専用のゴールドコードを使用してフレームを復調する。典型的なシナリオは、APが送信された情報をもたず、タグが直ちにスリープに戻るというものである。
【0057】
図15は、規範的な実施形態によるアクセスポイントとタグとの間のデータの転送及び動的に変化する伝播を含む更に複雑な対話を示す。例示及び説明の目的上、時間線340は、スロット中のタグ処理を表し、又、時間線342は、スロット中のアクセスポイント(AP)処理を表す。ここで、APは、送信すべき情報を有し、そして最後のAPトランザクション以来、チャンネルの伝播が著しく変化している。現在ブロードキャストチャンネル電力測定が変化しており、タグは、前回と同じ送信電力/拡散ファクタで送信した場合に、その後の送信が適切でないことを知っている。従って、タグは、図13に示すプロトコルを使用して、再登録メッセージを送信し、現在チャンネル条件に適した新たな送信電力/拡散ファクタを使用するようAPに警告する。この新たな情報は、スロットN+5に生じるフレームの送信及び受信を支配する。タグは、首尾良い送信を指示するために図13のプロトコルにより支配される確認(ACK)メッセージを発生する。ACKが首尾良く受け取られた場合には、トランザクションが完了したとみなされる。さもなければ、タグは、再送信を試みる。
【0058】
図16は、どのようにしてタグを、メッシュネットワークであるマルチアクセス通信ネットワークへと一緒に接続するかを示す。タグ350は、マイクロリピーター351への通信リンクを有し、このマイクロリピーター自身は、他のマイクロリピーター352及び353へ接続され、その後、アクセスポイント354へ接続される。これらエレメント間の通信リンクは、上述した同じ通信プロトコルを使用する両方向性半二重リンクである。通信は、タグ350において発信し、マイクロリピーター351へ送信され、更に、マイクロリピーター352及び353を通して順次に送信され、その後、アクセスポイント354に到達する。又、通信は、アクセスポイントにおいて発信し、マイクロリピーター353へ送信され、更に、マイクロリピーター352及び351を通して送信され、その後、タグ350に到達する。これは、ネットワークシステムを使用してパケットをどのように送信できるかの1つの例示に過ぎない。このネットワークシステムでは多数の他のトポロジーが考えられる。一実施形態を設定するように具現化される正確なプロトコルは、IEEE802.11、IEEE802.16、他の工業規格プロトコル、又は別の用途のために設計された新たなメッシュプロトコルのような任意のメッシュプロトコルに基づくことができる。
【0059】
ネットワークにおける規範的な装置は、ネットワークの他の装置により使用される同じPNコードであるが、信号がランダムタイミングオフセットを有するような所定の擬似ノイズコード(PNコード)を使用して拡散される信号を受信する。信号は、別の装置に向けて拡散されたペイロードデータを含むことができる。次いで、受信器及び送信器に結合された装置のコントローラは、ネットワークの特性に基づいてペイロードデータの適当な行先を選択することができる。その特性は、以下に述べるように決定されるシード値である。選択されると、装置は、ペイロードデータをその選択された行先へ送信する。
【0060】
又、装置は、2つ以上の信号を受信した後にそれを送信する。第2の信号は、同じ装置又は別の装置から受信される。この信号は、信号がランダムなタイミングオフセットを有する所定の擬似ノイズコードを使用して拡散することもできる。信号は、別の装置に向けて拡散された付加的なペイロードデータを含むことができる。装置は、ネットワークの別の特性に基づいてペイロードデータの適当な行先を選択することができる。2つの行先が同じであるときには、装置は、2つのペイロードを一緒にその行先へ送信することができる。
【0061】
ネットワークは、次の代表的な実施形態を通して動的に形成することができる。ネットワークの各装置は、シード値を有する。例えば、アクセスポイントは、0のシード値を有する。その後の各々の装置は、それがアクセスポイントから離れた接続の数に等しいシード値を有する。例えば、図16において、マイクロリピーター353は、アクセスポイント354から1つの接続だけ離れており、従って、1に等しいシード値を有し、マイクロリピーター351は、アクセスポイント354から3つの接続だけ離れており、従って、3に等しいシード値を有する。
【0062】
各マイクロリピーター及びアクセスポイントは、ブロードキャストチャンネルにおいて送信を行うことができる。最初、アクセスポイントのみがブロードキャストチャンネルで送信している。各マイクロリピーターがネットワークに関連しているので、マイクロリピーターは、ブロードキャストチャンネルを他の装置へ送信することができる。例えば、図16では、アクセスポイント354及びマイクロリピーター353、352、351は、全て、ブロードキャストチャンネルにおいて送信することができる。というのは、それらがネットワークに関連しているからである。各装置のシード値は、ブロードキャストチャンネルを経てメッセージにおいて送信される。次いで、装置は、シード値を含む通信信号を、ブロードキャストチャンネルを経て受信する。従って、関連性のないマイクロリピーターは、受け取ったシード値に基づくシード値に対してそれ自身のシード値を選択することができる。
【0063】
図17は、特定のマイクロリピーターをどのようにネットワークに関連付けることができるかを示す。マイクロリピーター360は、ブロードキャストチャンネルを聴取することにより関連付けプロセスを開始する。このエリアには、マイクロリピーター361、362、363、364及び365もある。アクセスポイント366も近くにある。マイクロリピーター360が受信できる最も強いリンクは、リンク367である。図示された他のリンクも、マイクロリピーター360により受信することができる。マイクロリピーター360は、最初、リンク367である最も強い受信信号を取得する傾向がある。上述したようなプロセスを通して、マイクロリピーター360は、フレームタイミングと、ネットワークタイミングからの相対的基準結晶偏差とを得る。マイクロリピーター360は、それが可能な全ての他のリンクを取得するために受信モードにスイッチする。マイクロリピーター360は、あるスレッシュホールドに対して最低のシードをもつマイクロリピーターを選択することができる。マイクロリピーター360は、受信リンクの電力測定のような他のファクタを使用して、どのマイクロリピーターを選択すべきか決定する。
【0064】
マイクロリピーター360は、それが他のマイクロリピーターのどれに関連付けられるか決定すると、リンク368を経て関連付けを許すためにマイクロリピーター362へ送信を行う。次いで、マイクロリピーター362は、関連付けを承諾するように応答する。マイクロリピーター360は、ここで、新たに関連付けられたマイクロリピーター362から承認を受け取る。
【0065】
関連付けが承認されると、マイクロリピーター間で他のメッセージを送信することができる。低い数値のシード値をもつマイクロリピーターは、タイミングの保持、周波数補償、送信電力レベル、自動周波数制御(AFC)、及びネットワークを通してのサンプルタイミング補償の一貫性に必要なものを含めて、種々のメッセージを、高い数値のシード値をもつマイクロリピーターへ送信する。例えば、図17では、マイクロリピーター362は、AFC補償メッセージをマイクロリピーター360へ送信することができる。全てのマイクロリピーターは、それに関連したマイクロリピーターからの適当な電力制御送信に対して制御メッセージを送信する。マイクロリピーター362及び360は、両方とも、互いに電力制御送信を送信することができる。上流のマイクロリピーターからの1つ以上の連続メッセージを受信し損なうと、マイクロリピーターを取得モードへ戻すようにトリガーし、別のマイクロリピーターと関連付けする要求を送信し、そして関連付けすべき異なるマイクロリピーターを潜在的に見つけるようにする。マイクロリピーター360は、マイクロリピーター362からのある数の連続メッセージの受信を停止した場合に、取得モードへ戻り、潜在的に異なるマイクロリピーターと関連付けする。マイクロリピーターは、ネットワークに関連付けられると、ブロードキャストチャンネルを経て送信を行い、他のマイクロリピーター又はタグを含むネットワークに加わるよう求めている他の装置へそれ自身のシードを宣伝する。マイクロリピーターによりブロードキャストされるメッセージは、そのマイクロリピーターがネットワーク編成に利用できるかどうかをできるだけ多くの装置が決定できるようにするために設定ブロードキャスト電力にある。例えば、関連付けの後に、マイクロリピーター360は、ここで、ブロードキャストチャンネルを経て送信を行い、ネットワークに加わることを求めている他の装置にそれ自身を宣伝する。
【0066】
タグから発信する上流通信は、各マイクロリピーターから、低いシード値を有するものに関連付けられたマイクロリピーターへ通される。例えば、図16では、マイクロリピーター352は、タグ350で発生してマイクロリピーター351から受け取られたトラフィックを、アクセスポイント354への途上にあるマイクロリピーター353へ通す。最終的に、シード値1のマイクロリピーターがメッセージをアクセスポイントへ送信する。マイクロリピーター353は、タグ発生トラフィックをアクセスポイント354へ通す。タグは、高いシード値のマイクロリピーターとの通信を生じるとしても、バッテリ寿命をセーブするために最低の送信電力しか要求しないマイクロリピーターと通信する。タグ350は、マイクロリピーター352又は351のいずれかと通信することができるが、タグ350は、マイクロリピーター351と通信するのに最低の送信電力しか必要としないことに基づきマイクロリピーター351と通信することを選ぶ。通信は、方向に関わらず、行先のシード値に対応するゴールドコードを使用して送信される。
【0067】
下流通信は、各マイクロリピーターによりタグに近いマイクロリピーターへルーティングされる。マイクロリピーター353は、アクセスポイント354で発信してタグ350に向けられたトラフィックをマイクロリピーター352へ通す。この情報は、タグからアクセスポイントへの上流通信中にマイクロリピーターを以前に通過したデータ構造体に捕獲される。多くの既知のルーティング方法は、本発明のもとで実施されるシステムに使用することができる。1つのルーティング方法では、データ構造体における特定のルートのエントリーが、装置の識別と、装置に通じる次の通信リンクのシード値との両方を含む。マイクロリピーター353は、データ構造体にタグ350へのルートのエントリーを有する。又、データ構造体のエントリーは、装置がマイクロリピーターと直接通信するときに注目する。マイクロリピーター351は、それがタグ350と直接通信することに注目する。ルーティングされるメッセージをパスするのに使用されるゴールドコードは、データ構造体のエントリーに依存する。マイクロリピーターは、更に下流のマイクロリピーターに対応するゴールドコード、又は装置に直接対応するゴールドコードのいずれかを使用して送信する。従って、マイクロリピーター351は、装置に直接対応するゴールドコードを使用してタグ350と通信する。データ構造体において知らない装置について受信されたメッセージは、上流に返送する必要がある。アクセスポイントが装置のレコードをもたないときには、アクセスポイントは、タグからのメッセージを待機するか、又はタグをシークするブロードキャストチャンネルメッセージを直接発行する。
【0068】
マイクロリピーターへのタグ通信は、上述した直接的なタグ対アクセスポイントトポロジーから本質的に不変である。タグが初期化のために使用するブロードキャストメッセージは、マイクロリピーターのシードとは独立した合意したネットワーク規模のゴールドコードを使用してブロードキャストされる。従って、タグ350は、ネットワークとの関連付けを試みるときに、ネットワーク規模のゴールドコードを使用する。電力制御通信は、上述したようにタグがアクセスポイントとで行うのと同様にマイクロリピーターとで行うことができる。
【0069】
ある環境のもとではタグ自身をマイクロリピーターとして動作させることが望まれる。これを達成するために、タグは、その存在を他のタグに宣伝しそして隣接装置がピアとして通信に参加できるようにするブロードキャストチャンネルメッセージを送信する。従って、タグ350がマイクロリピーターとして働く場合には、タグ350は、それ自身を他のタグに宣伝するブロードキャストチャンネルメッセージを送信することができる。次いで、2つのタグは、マイクロリピーター及びタグが通常機能する同じ仕方で機能することができる。一実施形態では、タグは、ブロードキャストチャンネルメッセージを、時間の特定の割合のみで発行する。
【0070】
図18は、規範的実施形態による取得プロセス中に遂行されるオペレーションを示すフロー図及び時間線である。別の実施形態では、付加的なオペレーション、より少数のオペレーション、及び/又は異なるオペレーションを遂行することができる。更に、フロー図の使用は、遂行されるオペレーションの順序を限定するものではない。時間400’において、タグは、スリープ状態にある。時間405において、タグは、目覚め状態に入り、プリアンブル処理を遂行することができる。例示的実施形態では、タグは、来るべき通信事象の、少なくとも1つのワーストケース決定期間だけ前に、目覚め状態に入ることができる。例えば、ワーストケース決定期間が5秒である場合には、タグは、通信事象の少なくとも5秒前に、目覚め状態に入ることができる。一実施形態では、ワーストケース決定期間は、いつタグがウェイクアップすべきかに対するタイミングドリフトも考慮することができる。例えば、ワーストケース決定期間が3秒であり、ワーストケースタイミングドリフトが1秒である場合には、タグは、タイミング及び周波数を決定するのに充分な時間をもつよう保証するために、通信事象の少なくとも4秒前にウェイクアップする。又、ワーストケース決定期間は、ワーストケースタイミングドリフトが与えられると、プリアンブルが到着できる最も早い時間にタグがウェイクアップするように、プリアンブルの到着を考慮することもできる。別の例示的実施形態では、目覚め状態に入るのが、通信事象のスタートに充分近くし(即ち、あまり手前でないようにし)、通信事象が開始するときに識別されたタイミング及び周波数値が正確であるか又はほぼ正確であるようにする。
【0071】
プリアンブルの処理は、プリアンブル410、ブロードキャストチャンネル415及びデータチャンネル420を含むスロット型フレーム構造に関して遂行することができる。プリアンブル処理は、オペレーション425に示されたように、サンプルバッファをプリアンブル410の少なくとも一部分で埋めることを含む。一実施形態では、サンプルバッファに入れられるプリアンブル記号の数は、プリアンブルに、タイミングエラーをカバーするための付加的な記号を加えた長さである。しかしながら、高い信号対雑音比(SNR)条件では、プリアンブル処理時間は、少ないプリアンブル記号(長さ2へダウン)をサンプルバッファに収集することにより短縮することができる。高いSNRが与えられると、プリアンブル処理は、少数の記号を使用しても非常に正確である。充分な数の記号が受け取られると、サンプルバッファをロックすることができる。
【0072】
プリアンブルの少なくとも一部分を取得すると、プリアンブル処理は、フィンガー累算、差動バイナリー位相シフトキーイング(DBPSK)及び相関も含み、これらは、オペレーション430において行われる。代表的な実施形態では、DBPSKプロセスからのソフト出力を既知のシーケンスに対して相関させることができる。相関が高度な相関を生じる場合には、サーチが成功であり、そしてアクセスポイントのタイミング及び周波数を決定することができる。高度な相関は、所定の標準、先天的プリアンブルサーチ、等に対するものである。タイミング及び周波数が決定されると、タグは、スリープ状態に入り、やがて、来るべき通信事象のために目覚め状態に入らねばならなくなる。
【0073】
一実施形態では、オペレーション430で行われるサーチ/決定は、スリープ状態の間に僅かな量のドリフトが生じるという仮定のもとで狭い範囲のタイミングオフセット及び/又は周波数オフセットに基づくものである。サーチは、タイミング及び周波数が同時に決定される二次元サーチである。又、サーチは、公称タイミング値及び/又は公称周波数値を中心とすることもできる。公称値は、通信事象の直前でドリフトが発生しないという仮定に基づく。或いは又、他の公称値が使用されてもよい。
【0074】
オペレーション430からの相関結果がサーチ不成功となる場合には、タグは、スリープ状態に入らず、オペレーション435において拡張サーチが行われる。拡張サーチは、広い範囲のタイミングオフセット及び/又は周波数オフセットにわたって遂行することができる。拡張サーチが遂行されても、来るべき通信事象の前にサーチを完了させ及び/又はスリープ状態へ戻すに充分な時間が依然ある。というのは、タグは、ワーストケースシナリオをカバーするに充分なほど早く目覚め状態に入るからである。例示的実施形態では、タグは、行われるサーチの大きさに関わりなくスリープ状態に入ることができるに充分なほど早くウェイクアップすることができる。別の実施形態では、タイミング及び周波数値が決定されるまで単一の連続的サーチを行うことができる。例えば、サーチは、公称値を中心として、充分な相関が得られるまで外方に拡張することができる。どのようにサーチを行うかに関わらず、サーチは、タイミング及び周波数が首尾良く決定されると終了することができ、タグは、時間が許せば、スリープ状態に入ることができる。従って、タイミング及び周波数の初期取得に続くスリープ状態の時間長さは、タイミング及び周波数を取得するのに要する時間長さに依存する。スリープ状態により長い時間を費やすと、スリープ状態中に引き出される電力は少ないので、付加的な電力/バッテリ保存が得られる。オペレーション430及び/又はオペレーション435で行われたサーチの結果は、初期タイミング値(又はオフセット)及び初期周波数値(又はオフセット)である。
【0075】
時間440において、タグは、通信事象のために目覚め状態に入る。オペレーション445において、サンプルバッファは、プリアンブルの1つ以上の記号で埋められる。オペレーション450では、プリアンブル処理(又はサーチ)が行われる。初期タイミング値及び初期周波数値を中心とするサーチは、迅速で省略されたサーチである。というのは、初期タイミング値及び初期周波数値の決定以来、短い時間が経過するだけだからである。その結果、初期タイミング値及び初期周波数値の決定に続くスリープ状態中に発生すると予想されるドリフトは、全くないか、又は最小限である。この省略型サーチは、限定された範囲の周波数及びタイミング値にわたって行うことができる。或いは又、サーチは、初期タイミング値及び初期周波数値を中心とし、実際のタイミング及び周波数値が決定されるまで外方に拡張されてもよい。オペレーション455では、通信事象が行われる。
【0076】
図18を参照して述べたプロセス及びオペレーションの結果として、タグのバッテリ寿命を延長することができる。タグは、最小長さの時間、目覚め状態に留まり、最大長さの時間、スリープ状態に留まるので、リソースが保存される。更に、タグは、環境変化又は他のファクタにより生じるワーストケースドリフトシナリオの場合にも機能することができる。しかしながら、ほとんどのケースにおいて、ドリフトは最小であり、取得は迅速に達成できることが期待される。ここに述べるいずれの実施形態も、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されたコンピュータ読み取り可能なインストラクションとして具現化できることを理解するのが重要である。プロセッサにより実行するときには、コンピュータ読み取り可能なインストラクションは、コンピューティング装置が、ここに述べる実施形態を具現化するオペレーションを遂行するようにさせることができる。
【0077】
個々のタグの位置は、ネットワークにおける他の装置の位置を参照して決定することができる。図19を参照すれば、規範的実施形態によりランダム位相マルチアクセスネットワークにおいてタグを探索する図が示されている。タグ400は、その位置が決定される装置である。タグ400は、装置401、402、403及び404と通信する。装置401、402、403及び404は、タグ400と通信するように構成されたマイクロリピーター、アクセスポイント、又は他のタグより成る。
【0078】
代表的実施形態において、装置401、402、403及び404は、レンジング要求信号を送信するための送信器を含む。レンジング要求信号は、第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、第1のランダムタイミングオフセットを有している。装置401、402、403及び404は、レンジング応答信号を受信するための受信器も含む。
【0079】
タグ400は、レンジング要求信号を受信するための受信器と、レンジング応答信号を送信するための送信器とを備えている。レンジング応答信号は、第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、第2のランダムタイミングオフセットを有している。或いは又、装置及びタグは、それとは逆に構成することもできる。更に、第1の所定の擬似ノイズ(PN)コード及び第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードは、同じコードでもよい。
【0080】
コントローラは、探索オペレーションを制御する。コントローラは、装置401、402、403及び404、タグ400、或いはマイクロリピーター、アクセスポイント又は他のタグの一部分である。コントローラは、レンジング要求信号及びレンジング応答信号を実際に送信及び受信する送信器及び受信器と同じ物理的装置の一部分である必要はない。従って、コントローラは、装置及び/又はタグに物理的、電気的又は通信的に結合することができる。コントローラは、多数の異なる装置のレンジング要求を制御することができる。コントローラは、レンジング要求信号の送信をトリガーする。コントローラは、レンジング応答信号の受信を待機し、伝播遅延を計算する。コントローラは、タグ又はアクセスポイントにおける集積回路、或いはアクセスポイント又はサーバーにおけるソフトウェアのような種々の仕方で具現化することができる。
【0081】
図20は、規範的実施形態によりタグの位置を決定するのに使用される通信信号のタイミングを示す図である。レンジング要求510の始めに、第1の装置は、レンジング要求信号の送信をスタートする。第1の装置は、例えば、アクセスポイントである。第2装置受信時間520において、伝播時間(Pprop)の後、第2の装置がレンジング要求信号の受信を開始する。第2の装置は、例えば、タグである。或いは又、第1の装置がタグで、第2の装置がアクセスポイントでもよい。要求期間530(Tbrr)の後に、第1の装置がレンジング要求信号の送信を停止する。第2の装置におけるレンジング要求信号の受信は、第2の伝播時間540(Tprop)の後に完了となる。応答遅延550(Dn,m)の後であって、レンジング応答560の始めに、第2の装置は、第1の装置へのレンジング応答の送信を開始する。第1装置受信時間570において、伝播時間(Tprop)の後、第1の装置は、レンジング応答信号の受信を開始する。レンジング時間580(Tn,m)は、レンジング要求510の開始から第1装置受信時間570までの時間である。伝播遅延Tpropは、第1の装置から第2の装置までの距離に直接比例し、次の式で計算することができる。
【数1】
【0082】
この伝播遅延計算は、この技術で知られた三角法計算技術に使用することができる。例えば、伝播遅延は、光速(c)を乗算して距離(d)を得ることができる。異なる第1の装置からの複数の読みを使用して、第1の装置を中心とする半径dの円を描くことができる。円は、ほぼ第2の装置の位置に交差する。計算は、装置が通信できるネットワーク内のエンティティにおいて遂行することができる。例えば、計算は、タグ、マイクロリピーター、アクセスポイント、又は他のタグにおいて遂行することができる。更に、レンジング要求信号及びレンジング応答信号の種々の属性を使用して、レンジング時間を決定することができる。例えば、レンジング要求信号及びレンジング応答信号の開始及び終了の時間を平均化することができる。
【0083】
応答遅延550(Dn,m)は、第2の装置がレンジング要求を処理するのに要する時間を含む。第2の装置がレンジング要求を処理するのに要する時間は、知ることができるか、又はレンジング応答信号の一部分として第1の装置へ返送することができる。応答遅延550(Dn,m)は、干渉又は衝突を回避するための特別な時間を含むこともできる。例えば、応答遅延550(Dn,m)は、ランダム遅延を含むことができる。第2の装置は、ランダム遅延を使用することができ、又は衝突が生じたときにランダム遅延を選択することができる。第2の装置は、第2の装置におけるランダム遅延の値を第1の装置へ送信する。ランダム遅延の値は、レンジング応答信号に含ませることができる。又、コントローラは、第2の装置に対してランダム遅延を指定し又はシードとすることができる。
【0084】
同様に、応答遅延550(Dn,m)は、擬似ランダム遅延を含むことができる。第2の装置は、擬似ランダム遅延を使用することができ、又は衝突が生じたときに擬似ランダム遅延を選択することができる。第2の装置は、第2の装置における擬似ランダム遅延の値を第1の装置へ送信する。擬似ランダム遅延の値は、レンジング応答信号に含ませることができる。
【0085】
更に、第1の装置は、レンジング要求信号を送信する前に第1装置遅延時間だけ遅延することができる。この第1装置遅延時間は、第1の装置において生じる遅延、及び/又はコントローラから第1の装置への遅延を含む。コントローラから第1の装置への遅延は、コントローラ及び第1の装置が物理的に同じ装置の部分でない場合には顕著なものとなる。第1装置遅延時間は、伝播遅延の計算に含ませることができる。
【0086】
第1装置遅延は、所定時間を含むことができる。この所定時間は、第1の装置又は第2の装置の正しいアクセススロット又はサブスロットに対応する所定時間インターバルである。又、所定時間は、伝播遅延の計算に含ませることができる。
【0087】
第1装置遅延は、干渉又は衝突を回避するために第1の装置がレンジング要求信号の送信をスタートする前にランダム遅延を含むことができる。第1の装置は、ランダム遅延を使用することができ、又は衝突が発生したときにランダム遅延を選択することもできる。又、コントローラは、第2の装置の探索を試みる第1の装置のグループにランダム遅延を指定し又はシードとすることもできる。ランダム遅延は、伝播遅延の計算に含ませることができる。
【0088】
同様に、第1の装置は、干渉又は衝突を回避するために第1の装置がレンジング要求信号の送信をスタートする前に擬似ランダム遅延を待機することができる。第1の装置は、擬似ランダム遅延を使用することができ、又は衝突が発生したときに擬似ランダム遅延を選択することもできる。又、コントローラは、第2の装置の探索を試みる第1の装置のグループに擬似ランダム遅延を指定し又はシードとすることもできる。擬似ランダム遅延は、伝播遅延の計算に含ませることができる。
【0089】
図21は、規範的実施形態による大容量システムにおける信号タイミングを示す図である。各装置は、送信の前に異なる長さDn,mの時間だけ遅延させる。マイクロリピーター又はアクセスポイントが、レンジング要求を送信する前にある時間だけ遅延させる。或いは、通信タグが、レンジング要求に応答する前にある時間だけ遅延させる。Dn,m遅延の厳密な長さは、ランダムな時間長さであり、そして遅延された時間長さは、応答と共に含まれる。或いは又、Dn,m遅延は、前もって決定されて各タグへ配布される擬似ランダム時間長さである。この別のシステムでは、位置情報は、1つのセキュアな位置でしか計算できない。
【0090】
位置が決定されるべきタグと、レンジング要求を発行する装置との間の各リンクを減感させないことが重要である。高電力のレンジング要求送信が低電力のレンジング要求送信を圧倒する場合に減感が生じる。1つの考えられる解決策は、決定論的な設定パーティションを使用することである。決定論的な設定パーティションでは、レンジング要求を発行する各装置が多数のグループの1つへ分類される。特定グループの各装置は、そのグループの他の装置が送信を行う間しかそのレンジング要求を送信しない。その後、別のグループからの装置がそれらのレンジング要求を送信する。
【0091】
例えば、図19において、タグ400と装置403との間のリンクが、タグ400と装置404との間のリンクより弱いとする。決定論的な設定パーティションを使用すると、装置401−404の各々は、異なるグループにある。従って、装置403は、装置404とは異なる時間に送信を行い、その信号が装置404により圧倒されることはない。
【0092】
ある環境では、決定論的な設定パーティションは、1つのタグが同じグループ内の装置としか通信できない状態を招く。このような状態では、同じグループ内の装置に第2のランダム化遅延ファクタを導入することができる。このランダム化遅延ファクタは、位置の計算を遂行する装置へ送信される。或いは又、位置の計算を遂行する装置しか知らない擬似ランダム遅延ファクタを使用して、位置決定オペレーションのセキュリティを改善することができる。
【0093】
規範的実施形態の以上の説明は、本発明を例示するものに過ぎない。本発明は、ここに開示する正確な形態に限定されるものではなく、上述した技術に鑑み、又は本発明を実施することから、修正や変更が考えられる。本発明の原理及びその実際的な応用を説明し、当業者が本発明を種々の態様で利用できるようにすると共に、意図された特定の用途に適するよう種々の変更を加えて利用できるようにするために、前記実施形態が選択され説明された。更に、1つ以上のフローチャートも使用した。フローチャートの使用は、オペレーションが遂行される順序に関して限定することを意図していない。
【符号の説明】
【0094】
10:アップリンク送信器
12、14、16、18、20、22:ブロック
110:PNジェネレータ
112:リセット信号
114:デローテートされたデータ
116a、b、c:遅延
118a、b、c:カウンタ
120a、b、c:カウンタ
124a、b、c:遅延
220:サンプルバッファ
222:時間追跡ロジック
224:4仮想Cx4位相
226:AFCローテーションロジック
228:PNデスプレッドアレイ
230:非コヒレントな累積バッファ
232:トップN経路
234:専用フィンガー
236:ビット巾スクイザー
238:フレームバッファ
240:クロス積乗算
242:微AFC乗算
244:デインターリーバー/ビタビデコーダー
246:CRCチェッカー
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に係り、より詳細には、メッシュネットワークを伴うランダム位相マルチアクセス通信インターフェイスシステム及び方法に係る。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザが存在するネットワークにおいて通信を容易にするために多数の変調技術が開発されている。このような技術は、コード分割マルチアクセス(CDMA)、時分割マルチアクセス(TDMA)、及び周波数分割マルチアクセス(FDMA)を含む。CDMAは、到来するデータを変調するための擬似ランダム数シーケンス、同じ信号において送信を行う複数の送信器、及び異なる通信チャンネルを相関させる直交コード(ウォルシュコード)を使用するスプレッド(拡散)スペクトル技術である。TDMAは、同じサブスロットで送信する複数のアップリンク送信器を整合するためにタイムスロットを使用するものである。ユーザは、各々自分自身のタイムスロットを使用して、迅速に連続的に順次送信を行い、利用可能な全帯域巾の一部分しか使用せずに、複数のステーションが同じ送信媒体(例えば、高周波チャンネル)を共有できるようにする。FDMAは、異なるユーザに無線スペクトルの異なるキャリア周波数を割り当てる。
【0003】
変調技術に加えて、2つの装置がデータチャンネルを同時に使用するよう試みたときに(衝突と称する)、ネットワーク装置がどのように応答するか決定するためのプロコルが存在する。参加するステーションにおいてライン上のトラフィックを物理的に監視するために、CSMA/CD(キャリアセンスマルチアクセス/衝突検出)がイーサネットネットワークによって使用される。送信が行われていないときに、特定のステーションが送信を行うことができる。2つのステーションが同時に送信を試みる場合には、衝突を引き起こし、参加する全てのステーションによってそれが検出される。ランダムな時間インターバルの後に、衝突を生じたステーションが再び送信を試みる。別の衝突が生じた場合には、ランダムな待機時間が選択されるところの時間インターバルが段々に増加される。これは、指数関数的バックオフとして知られている。
【0004】
通信目的で装置を一緒にネットワーク化するために多数のトポロジーが存在する。最近使用されている幾つかの通常のものは、ポイント対ポイント通信、スターパターン、及びリングである。ポイント対ポイントネットワークは、単一のリンクに沿った2つのノード間の通信しか含まない最も簡単なものである。スターパターンは、多数のポイント対ポイント接続をゲートウェイノードに追加することによりこれを拡張する。いずれのノードもゲートウェイノードを通して他のノードに通信することができる。スターパターンは、ゲートウェイノードとの問題があるときにそれを克服する。リングパターンは、全てのノードを1つのリンクで各隣接ノードへ円形路において一緒にリンクする。データは、ソースノードから全ての隣接ノードを経て行先ノードへ伝送される。リングパターンは、単一の欠陥ポイントにより他の全てのノードへの通信が切断されないという効果がある。しかしながら、複数の欠陥ポイントがあると、リンクは切断される。メッシュパターンは、切断されたリンクの周りの再構成及びネットワークの動的な構成を行えるようにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存のメッシュパターンネットワークシステム及び方法は、それらを使用する通信システムの能力及び機能を制限する多数の欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
規範的な実施形態は、ランダム位相マルチアクセス通信インターフェイスを使用する。このインターフェイスは、直交コードを使用せずにスプレッドスペクトル変調方法を使用するシステム及び装置に通信接続することができる。
【0007】
規範的なランダム位相マルチアクセス通信インターフェイスは、スプレッドスペクトル変調方法を使用するシステム及び装置を通信接続する。チップ(又はタイミング)オフセットをマルチアクセススキームとしてランダムに選択することで、独特の「コード」を指定する必要なく非整合のデータ送信を行うことができる。全てのユーザは、同じPN(擬似ノイズ)コードを使用して送信を行い、アクセスポイントにおけるPNアレイデスプレッダーを使用することができる。2つの信号が、同じPNオフセットでアクセスポイントに受け取られる(又はチップ数での送信遅延を伴うPNオフセットの和が、2つ以上の送信に対して同じ値を生じる)場合には、「衝突」が生じ、これら2つ以上の信号を復調することはできない。そのたびにタイミングオフセットをランダム化することは、発生する「衝突」がそのフレーム中にしか生じないことを意味する。再送信スキーム及び新規なランダム化オフセットを使用して、次の試みを切り抜ける。
【0008】
規範的な実施形態は、タグ(アップリンク)における送信器と、タグからアクセスポイントへ信号を送信する方法とを包含する。各タグは、フレームの形態で情報を送信するそれ自身の送信器を備えている。フレームは、固定データレートのチャンネルに与えられる情報から形成することができる。データは、同じ擬似ノイズ(PN)コードを、このPNコードに対するランダムに選択されたチップオフセットと共に使用して、拡散することができる。又、送信器は、アクセスポイントの基準発振器に一致させるために、周波数ローテーション及びサンプルブロック修正も適用する。複数のタグが単一のアクセスポイントに関連されて、ネットワークを形成する。複数のタグの各々は、同じPNコードを、このPNコードに対するランダムに選択されたチップオフセットと共に使用して、情報を送信する。位相は、多数のチップ(即ち、8192)にわたりフレームごとにランダムに選択される。
【0009】
別の規範的実施形態は、アクセスポイント(ダウンリンク)における送信器と、アクセスポイントからタグへ信号を送信する方法とを包含する。アクセスポイントの送信器は、タグの送信器と同様である。しかしながら、アクセスポイントの送信器は、それが通信するタグごとに独特のPNコードを使用する。タグごとに個別のPNコードを使用することで、セキュリティが与えられると共に、各タグは、他のタグに向けられる信号を無視することができる。アクセスポイントにより送信されるフレームは、タグにおいて迅速な取得を行えるように、ほぼ9個の記号のプリアンブルも含む。
【0010】
別の規範的な実施形態は、タグにおける復調器と、タグにより受け取られた信号を復調するための方法とを包含する。タグに受け取られた信号に、自動周波数制御(AFC)デローテーター乗算が適用される。AFCデローテーター乗算は、1ビット複素数出力との1ビット複素数演算であり、ゲートカウントが改善される。タグは、1ビットデータ経路における多大な計算節約という効果のあるPNアレイデスプレッダーを使用する。
【0011】
別の規範的な実施形態は、アクセスポイントにおける復調器と、アクセスポイントに受け取られた信号を復調する方法とを包含する。アクセスポイントの復調器は、タグから受け取られた数千以上のリンクを同時に復調する容量を有する。このような多数のリンクを復調するために、アクセスポイントの復調器は、PNアレイデスプレッダーを含む。
【0012】
別の規範的な実施形態は、アクセスポイントのマスタータイミングでタグを同期させることを含む。アクセスポイントは、ブロードキャストフレームを周期的に送信することができる。「コールド(cold)」タイミング取得中に、タグは、そのPNデスプレッダーを使用して、ブロードキャストフレームを分析し、アクセスポイントのマスタータイミングを識別する。コールドタイミング取得は、タグがシステムへ最初に導入されるときに一度行うことが予想される。最初のコールド取得の後に、タグは、タグがウェイクアップするたびに「ウォーム(warm)」タイミング取得を遂行して、信号を送信又は受信することができる。ウォームタイミング取得は、コールドタイミング取得より電力を使用しない。
【0013】
少なくとも1つの規範的実施形態では、各タグは、PNコードを別々に発生する。ゴールドコードは、各ユーザがそれ自身で有するようにパラメータ化できるPNコードの例である。従って、特定のユーザに向けられたデータは、そのユーザにしか見えない。独特のPNコードを使用すると、タグは、それ自身のものでないデータを処理しない。
【0014】
マルチアクセス通信インターフェイスを通して通信するための規範的な方法は、第1のタグから第1の信号を受け取ることを含み、第1の信号は、所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、第1の信号は、第1のペイロードデータを含む。第2のタグから第2の信号が受け取られる。第2の信号は、所定のPNコードを使用して拡散され、第2の信号は、第2のペイロードデータを含む。第1の信号からの第1のペイロードデータは、PNアレイデスプレッダーで少なくとも部分的に識別される。又、第2の信号からの第2のペイロードデータも、PNアレイデスプレッダーで少なくとも部分的に識別される。
【0015】
マルチアクセス通信インターフェイスを通して通信するための規範的システムは、第1のタグと、第2のタグと、アクセスポイントとを備えている。第1のタグは、第1の信号において第1のペイロードデータを送信するように構成された第1の送信器を有し、第1の信号は、所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散される。第2のタグは、第2の信号において第2のペイロードデータを送信するように構成された第2の送信器を有し、第2の信号は、所定のPNコードを使用して拡散される。アクセスポイントは、第1のタグ及び第2のタグと通信し、受信器及びデスプレッド(逆拡散)アレイを含む。受信器は、第1の信号及び第2の信号を受信するように構成される。デスプレッドアレイは、第1の信号及び第2の信号を逆拡散するように構成される。
【0016】
マルチアクセス通信システムに使用するための規範的なアクセスポイントは、プロセッサと、プロセッサと通信する受信器と、プロセッサと通信する送信器とを備えている。受信器は、第1のタグから第1の信号を受信するように構成され、第1の信号は、第1のペイロードデータを含み、更に、第1の信号は、所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散される。又、受信器は、第2のタグから第2の信号を受信するようにも構成され、第2の信号は、第2のペイロードデータを含み、更に、第2の信号は、所定のPNコードを使用して拡散される。送信器は、第1のタグへ第3の信号を送信するように構成され、第3の信号は、第2のPNコードで拡散され、更に、第2のPNコードは、第1のタグに特有のものである。
【0017】
規範的なメッシュネットワーク実施形態は、マイクロリピーター又はアクセスポイントをルーターとして使用して、外部装置から受け取った信号を向ける。この実施形態では、信号が装置から受信され、信号は、ランダムタイミングオフセットによりオフセットされたPNコードを使用して拡散される。信号は、ペイロードデータを含む。ペイロードデータの行先は、マルチアクセス通信ネットワークの特性に基づいて選択される。一実施形態では、マルチアクセス通信ネットワークの特性は、ネットワークの初期化手順の間に選択されたシード値である。行先が選択されると、ペイロードデータが行先へ送信される。
【0018】
別の規範的実施形態は、マルチアクセス通信ネットワークを通して通信するように設計された装置にある。この装置は、3つの主たるコンポーネント、即ち受信器、送信器、及びコントローラを有する。この実施形態において、受信器は、別の装置から信号を受信するように構成される。受信した信号は、ランダムタイミングオフセットによりオフセットされたPNコードを使用して拡散される。この信号は、ペイロードデータを含む。コントローラは、受信器及び送信器に電気的に結合される。コントローラは、信号の受信を指令し、ペイロードデータの行先を、マルチアクセス通信ネットワークの特性に基づいて選択する。一実施形態では、マルチアクセス通信ネットワークの特性は、ネットワークの初期化手順の間に選択されたシード値である。送信器は、ペイロードデータを選択された行先へ送信するのに使用される。
【0019】
これら及び他の特徴、態様及び効果は、以下の説明、特許請求の範囲、及び添付図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】規範的実施形態によるアップリンク送信器を示す図である。
【図2】規範的実施形態によるダウンリンク送信器を示す図である。
【図3】規範的実施形態によるスロット構造及び指定を示す図である。
【図4】規範的実施形態におけるPN(擬似ノイズ)デスプレッドアレイを示す図である。
【図5】規範的実施形態においてコールドスタートからのブロードキャストチャンネルのタグ処理で行われるオペレーションを示すフローチャートである。
【図6】規範的実施形態においてウォームスタートからの専用チャンネルのタグ処理で行われるオペレーションを示すフローチャートである。
【図7】規範的実施形態におけるタグ受信データ路を示す図である。
【図8】規範的実施形態における時間追跡を示す図である。
【図9】規範的実施形態におけるAFC(自動周波数制御)ローテーションを示す図である。
【図10】規範的実施形態における専用通信フィンガーを示す図である。
【図11】規範的実施形態においてアクセスポイント受信処理中に行われるオペレーションを示すフローチャートである。
【図12】規範的実施形態におけるアクセスポイント受信データ路を示す図である。
【図13】規範的実施形態における非同期初期タグ送信オペレーションを示す図である。
【図14】規範的実施形態によるスロットモードにおいてアクセスポイントとタグとの間の対話を示す図である。
【図15】規範的実施形態によるアクセスポイントとタグとの間のデータ転送を示す図である。
【図16】RPMA装置で形成されたメッシュネットワークを示す図である。
【図17】RPMA装置で形成されたメッシュネットワークにマイクロリピーターを関連付けるところを示す図である。
【図18】規範的実施形態による取得プロセス中に行われるオペレーションを示すフロー図及び時間線である。
【図19】規範的実施形態によるランダム位相マルチアクセスネットワークにおいてタグを探索する図である。
【図20】規範的実施形態によりタグの位置を決定するのに使用される通信信号のタイミングを示す図である。
【図21】規範的実施形態による大容量システムにおける信号タイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して代表的な実施形態を説明する。以下の説明は、代表的な実施形態を説明するもので、特許請求の範囲に規定される本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0022】
図1は、コンボリューションエンコーダ、インターリーブモジュール、変調器、擬似ノイズスプレッダー、フィルター、タップのバンク、自動周波数制御(AFC)ローテーター、等の構造物を含むアップリンク送信器10を示す。これら構造物は、ブロック12、14、16、18、20及び22に示すオペレーションを遂行する。アップリンク送信器10の送信路は、コード化され拡散されたスペクトル波形である。規範的な実施形態において、アップリンク送信器10は、復調された通信チャンネルを使用して他のタグと共にアクセスポイントと通信するタグに含ませることができる。特定の実施形態に基づいて、アップリンク送信器10により、付加的なオペレーション、より少数のオペレーション、又は異なるオペレーションを遂行することができる。又、これらオペレーションは、ここに図示して説明するものとは異なる順序で遂行されてもよい。ここに使用する「タグ」とは、アクセスポイントから信号を受信し及び/又はアクセスポイントへ信号を送信するように構成された通信装置を指す。又、「アクセスポイント」は、複数のタグと同時に通信するように構成された通信装置を指す。1つの規範的実施形態において、タグは、バッテリ又は他の蓄電装置で動作する移動低電力装置であり、アクセスポイントは、中央位置に配置されて、壁コンセント又は発電機のような電源から電力を受電することができる。或いは又、タグをコンセントに差し込み、及び/又はアクセスポイントをバッテリ又は他の蓄電電源で動作してもよい。
【0023】
ブロック12において、データ流は、コンボリューションエンコーダ及びインターリーブモジュールによって受信される。一実施形態では、データ流は、プリアンブルを含めて128ビットである。或いは又、他のサイズのデータ流が使用されてもよい。データ流は、それが受け取られると、コンボリューションエンコーダを使用してエンコードされる。1つの規範的な実施形態では、データ流は、1/2のレートでエンコードされる。或いは又、他のレートが使用されてもよい。又、データレートは、インターリーブモジュールを使用してインターリーブすることもできる。エンコードされた記号流は、ブロック14へ出力され、差動バイナリー位相シフトキーイング(D−BPSK)変調器を使用して、そのエンコードされた記号流を変調する。別の実施形態では、他の変調スキームが使用されてもよい。ブロック16において、変調された流れがPNスプレッダーに送られる。規範的実施形態では、PNスプレッダーは、選択された拡散ファクタを使用する共通ネットワークゴールドコードチャンネルを使用することができる。拡散ファクタは、セット{64、128、256、・・・8192}のメンバーである。或いは又、他のコード及び/又は拡散ファクタが使用されてもよい。所与の拡散ファクタにおけるタグの各々は、ランダムに選択されたチップオフセットを伴う同じPNコードにより拡散される。考えられるランダムに選択されたチップオフセットの大きな範囲は、特定のフレームが別の送信器からの別のフレームと衝突する(又は換言すればアクセスポイントにおいて同じチップタイミングを有する)ことのない確率を高める。容量に近づく限界で衝突する確率は、無視できないものとなり(〜10%以下)、異なる仕方で示されたランダムオフセットにおける同じフレームの再送信を経て解消することができる。PNスプレッダーは、図4を参照して以下に詳細に述べる。1つの規範的実施形態では、ブロック18の出力は、1メガチップ/秒(Mcps)において1ビットのレートを有する。或いは又、他のレートが使用されてもよい。
【0024】
ブロック18において、データ流は、4xオーバーサンプルフィルターによってアップサンプルされ、時間追跡ロジックを使用して、全てのフレームがAPの周波数基準と一貫した同じサンプルレートで到着するように保証する。ブロック18は、サンプルスリップ/リピートインジケータを入力として受け取る。一実施形態では、ブロック18の出力は、約4メガヘルツ(MHz)の実周波数を有する。ブロック20において、周波数オフセットを含めて自動周波数制御(AFC)ローテーションが行われて、アクセスポイントのタイミングオフセットに一致させ、全てのユーザからの全てのフレームが同じ仮説周波数付近で到着するように保証する。一実施形態では、ブロック20の出力は、約4MHzの複素数周波数を有する。ブロック22において、スタートスロットから、正しいアクセススロットが生じるまで、遅延が課せられる。更に、ランダムチップ遅延が信号に課せられる。1つの規範的実施形態では、ランダムチップ遅延は、0から拡散ファクタ−1までである。或いは又、異なるランダムチップ遅延が使用されてもよい。スロットアクセスは、A(i、j)によって記述することができ、iは、2^(13−i)として拡散ファクタに関係付けられ、そしてjは、非オーバーラップスロットに対応するサブスロット番号である。選択された拡散ファクタに基づいて、所与のスロットには一般的に複数の送信機会がある。アップリンクの場合、アクセススロットは、0から拡散ファクタ−1までのチップオフセットと共にランダムに選択することができる。従って、アップリンクユーザ間の衝突の確率が最小にされる一方、衝突がある場合に再選択できるようにする。信号が遅延された後に、信号は、アクセスポイントへ送信することができる。
【0025】
図2は、コンボリューションエンコーダ、インターリーブモジュール、変調器、擬似ノイズスプレッダー、フィルター、タップのバンク、等の構造物を含むダウンリンク送信器30を示す。送信器30を使用して、アクセスポイント(AP)は、特定のタグ又はユーザに各々向けられた複数のチャンネルを送信する。これらの構造物は、ブロック32から54に示すオペレーションを遂行する。ブロック32から40及びブロック42から50は、付加的なデータ流のために複製できる個別のデータ経路を表す。規範的な実施形態では、ブロック32−38は、第1のデータ流について図1を参照して説明したオペレーションと同様のオペレーションを遂行することができる。同様に、ブロック42−48は、nを任意の値とすれば、n番目のデータ流について図1を参照して説明したオペレーションと同様のオペレーションを遂行することができる。ブロック36への入力は、第1のデータ流を受信するタグに特有のゴールドコードであり、そしてブロック46への入力は、n番目のデータ流を受信するタグに特有のゴールドコードである。或いは又、ブロードキャストゴールドコード、非ゴールドコード、等の他のコードを使用して、第1のデータ流及び/又はn番目のデータ流を拡散してもよい。ブロック38及び/又はブロック48の出力は、第1のデータ流及びn番目のデータ流に対応するデータリンクの電力が等しくない場合には、ブロック40及び50において重み付けすることができる。重み付けされると、それらの経路は、ブロック52において加算される。ブロック52では、ハード判断もなされ、全ての正の数が0へマップされ、全ての負の数が1へマップされる。或いは又、異なるハード判断がなされてもよい。一実施形態では、ブロック52の出力は、10Mcpsにおいて1ビットのレートを有する。或いは又、他のレートが使用されてもよい。ブロック52からの和の出力は、ブロック54において4xチップフィルターを使用してアップサンプルされる。一実施形態では、ブロック54の出力は、40MHzの実周波数をもつことができる。或いは又、他の周波数が使用されてもよい。2048の最大ダウンリンク拡散ファクタにおけるブロードキャストフレームの単一セットである隣接周波数での送信は図示されていない。或いは又、異なる最大ダウンリンク拡散ファクタが使用されてもよい。
【0026】
図3は、スロット構造及び指定を示す。少なくとも1つの実施形態では、データ流70は、スロット72、スロット74及びスロット76を含む。スロット72は、AP対タグ通信であり、スロット74は、タグ対AP通信であり、そしてスロット76は、AP対タグ通信である。規範的実施形態では、各スロットは、巾が2.1秒である。或いは又、他の巾が使用されてもよく、及び/又は異なるスロットが異なる巾を有してもよい。データ流70は、いかなる所与の時間にも、APが送信し且つタグが受信するか、或いはタグが送信し且つAPが受信するように、半デュープレックス通信スキームで実施することができる。別の実施形態では、他の通信スキームが使用されてもよい。図3に示すように、データチャンネル80は、スロット72におけるデータの処理利得オプションを示す。データリンクが特定の利得でクローズする場合には、タグは、対応する利得でスロットの巾の間に(AP対タグモードで)受信する準備ができるだけでよい。送信モードでは、スロットの選択がタグからアクセスポイントへの送信を支配し、タグが電力消費送信モードにおいてそのオン時間を最短にできるようにする。例えば、18dBの利得は、1.6msのスロット(A7,0)しか必要としない。データチャンネル82は、スロット74におけるデータの処理利得オプションを示す。明らかなように、タグにより使用される電力は、各データリンクが同じ電力でAPに到着するように選択することができる。
【0027】
AP側での多数の同時波形の処理とタグ側での比較的少ない波形の処理との間には対称性がある。AP側では、自動周波数制御(AFC)、時間追跡ドリフト及びフレームタイミングが知られている。というのは、APがこれらパラメータのマスターだからである。しかしながら、AFC、時間追跡ドリフト及びフレームタイミングは、タグ側での取得時に決定されてもよい。PNアレイデスプレッダーは、両方に関連したブルートフォースオペレーションを遂行し、これは、取得仮説/復調を調査するための効率的な実施である。その別の観点は、この大きな電力消費回路が(アクティブなときに)、APにおける連続動作を通して(APは壁に差し込めるのでこれが問題となってはならない)、滅多に起きないタグでの「コールド」取得中にしか動作しないことである。コールド取得及びウォーム取得については、各々、図5及び6を参照して詳細に説明する。
【0028】
図4は、タグにおける単一波形の取得と、APにおける複数波形のブルートフォース復調との両方を容易にするPN(擬似ノイズ)デスプレッドアレイを示す。規範的実施形態では、PNデスプレッドアレイは、多数のチップスペースタイミング仮説の1ビットドット積を同時に遂行することができる。
【0029】
PNデスプレッドコアエレメントは、入力が0であるか1であるかに依存するクロックのたびにインクリメントされるか又はされない単純なカウンタである。複素数データ経路であるために、1つはI(同相)のためのそして1つはQ(直角位相)のための2つのカウンタがある。複素数指数関数による乗算は、一般的に、複素数指数関数テーブルに結合された4つの若干大きなスカラー乗算器のセットである(4x1000ゲートが典型的)。対照的に、1ビットの複素数乗算器は、基本的に、簡単な真理値表、例えば、以下に示すテーブルであり、ここでは、負が反転(0→1及び1→0)を表す。
【表1】
【0030】
図4は、PNデスプレッドアレイ100を示す。複素数デスプレッドオペレーションのためにカウンタの対の多数のインスタンス生成(例えば、一実施形態では、256以上)がある。PNデスプレッドアレイ100は、PNデスプレッドエレメント102、104及び106の隣接インスタンス生成が、1チップ離れたタイミング仮説上で作用するようにして、チップレートで供給することができる。1ビットの複素数データは、ブロック114からエレメント102、104及び106へ送信され、ここで、PNジェネレータ110からのPN信号と合成される。PN信号ジェネレータ110は、APがデータを拡散するのと同じ0及び1のシーケンスを出力するハードウェアである。エレメント102の場合には、デローテートされたデータが、合成器122aにおいてPN信号と合成される(より詳細には、1ビット複素数乗算される)。この合成の実数部分及び虚数部分は、カウンタ118a及び120aに個別に入力される。これらカウンタ118a及び120aは、リセット信号112を受信すると、ビット流をシフトアウトする。より詳細には、カウンタのデータは、リセット信号の直前に有効となる。リセット信号は、両カウンタを強制的に0にする。マルチプレクサ108は、その特定のクロックにおいてデスプレッドオペレーションを独特に終了したフィンガーに対する現在有効なカウンタを出力できるようにする。PNデスプレッドアレイ100の他のエレメントは、同様に動作する。エレメント104は、ブロック114からのデローテートされたデータを受け取り、そしてエレメント102における遅延ブロック116aにより遅延が課せられた後にそれをPN信号と合成する。その合成物がカウンタ118b及び120bへ入力され、遅延ブロック124aから遅延が課せられた状態でリセット信号112からの信号でカウンタがシフトアウトされる。同様に、エレメント106は、ブロック114からデローテートされたデータを受け取り、そしてエレメント104における遅延ブロック116bにより遅延が課せられた後にそれをPN信号と合成する。その合成物がカウンタ118c及び120cへ入力され、遅延ブロック124bから遅延が課せられた状態でリセット信号112からの信号でカウンタがシフトアウトされる。
【0031】
拡散ファクタに対応する数のクロックの後に、PNデスプレッドエレメント102は、マルチプレクサ108により出力するために選択された有効データを有する。その後の各クロックに、隣接するデスプレッドエレメント104又は106を使用することができ、これは、全てのデータが出力されるまでであり、そしてそれは、拡散ファクタ+PNデスプレッドインスタンス生成の数、に対応する数のクロック中に生じる。このメカニズムのオペレーションを支配するPNコードは、値によりパラメータ化されるゴールドコードである。別の実施形態では、他のPNコードが使用されてもよい。
【0032】
図5は、アクセスポイントの送信波形を復調するためにブロードキャストチャンネルのタグモデム処理中に行われるオペレーションを示す。特定の実施形態に基づいて、付加的なオペレーション、より少数のオペレーション又は異なるオペレーションが遂行される。又、これらオペレーションは、ここに図示して説明するものとは異なるシーケンスで遂行されてもよい。
【0033】
タグの初期パワーアップの際に、ブロードキャストチャンネルPNシーケンス(例えば、特定のゴールドコード又は他のコードパラメータ)を除いて波形に関して知られたパラメータはない。更に、タグは、APとタグとの間の発振器バリアンスのためにAPとタグとの間にどんな相対的周波数オフセットがあるか充分正確に知らないことがある。図5は、APとタグとの間のパーツ・パー・ミリオン(ppm)ドリフトの不確定性の範囲が調査されるスキャニングモードを示す。オペレーション150において、タグがブロードキャストチャンネルに同調できるように2つのスロットにわたって繰り返しがなされる。例えば、処理は、スロットタイミングに対して非同期で開始することができる。仮説の一方の半分の調査の間に、ブロードキャストチャンネルは、アクティブであり、そして仮説の他方の半分の調査の間に、ブロードキャストチャンネルは、インアクティブとなる。第1の繰り返しにおいて、非同期スタートポイントとの第1のスロットタイミングを使用して全ての仮説を調査することができる。第1の繰り返しにおいてエネルギーが見つからない場合には、第2の繰り返しが遂行される。第2の繰り返しでは、非同期スタートポイントは、第1の繰り返しで使用された非同期スタートポイントから1つのスロットオフセットを有することができる。従って、ブロードキャストチャンネルがアクティブである間に調査される仮説は、ブロードキャストチャンネルがアクティブである間に調査することができる。エネルギーが見つかると、タグは、ブロードキャストチャンネルに同調することができる。1つの規範的実施形態では、オペレーション150は、「コールド取得」に対するスタートポイントを表すことができる。オペレーション152では、粗い自動周波数制御(AFC)が初期化される。一実施形態では、この初期値は、−10ppmオフセットのような最も負の値にセットされる。オペレーション154では、ブロードキャストチャンネルに対する既知のゴールドコード発生PNシーケンスを使用して、所与の粗いAFC仮説に対する全てのCx4スペース仮説の非コヒレントなメトリックが計算される。例えば、拡散ファクタが2048の長さを有する場合には、8192の仮説に対する非コヒレントなメトリックを計算することができる。
【0034】
オペレーション156及び158では、粗AFC仮説がppm範囲の終わりまでインクリメントされる。各々の粗AFC仮説に対し、図7に示すハードウェアを使用して、現在仮説によって表される周波数オフセットをアンドゥする。PNデスプレッドアレイを使用して、8個の連続する記号のデスプレッド出力を発生する。或いは又、他の数の記号を使用してもよい。次いで、これら8個の記号の非コヒレントな和が計算される。N個(一実施形態では8個)のトップメトリックのセットが、それに関連したパラメータと共に、データ構造体に維持される。図5のフローチャートに示すように、チップx4の解像度において全てのタイミング仮説に沿った発振器ppm不確実性の全範囲が調査され、勝者(即ち、有効なもの)がデータ構造体に表示されることが期待される。最も有効な仮説と共に、著しいエネルギー蓄積がまだ存在する粗AFC周波数仮説、及びノイズバリアンスのために異常に大きなメトリックを発生した完全に無効の仮説の付近では、一般的に、マルチ経路反射が少なくなる傾向がある。
【0035】
各粗AFCに対する全てのチップx4タイミング仮説の非コヒレントなメトリックをデータ構造体へ通信することができる。オペレーション160では、データ構造体は、最も大きな非コヒレントメトリック(例えば、粗AFC値、チップx4タイミング仮説、非コヒレントなメトリック値)を追跡する。オペレーション162において、N個の専用フィンガーに「ファイナリスト」が指定される。各フィンガーは、チップx4タイミング値と、PNデスプレッドアレイを支配する現在の粗AFC仮説とは独立した粗AFC仮説とによって独特にパラメータ化される。最初は、フレームタイミングが未知であるから、専用フィンガーにより出力される各デスプレッド記号は、フレームにおいて最後であると仮説される。従って、オペレーション164及び166に示すように、バッファされた256個の記号は、差動的復調と、一定の複素数値による乗算に基づく付加的な1組の繰り返しとを受けて、微AFC修正を遂行する。オペレーション164の出力は、各専用フィンガーからの複素数クロス積となる。オペレーション166では、(微AFC仮説により決定される)一定の複素数ローテーションによる記号ごとの乗算を、仮定した情報フレームに繰り返し適用して、複素数ローテーション一定値のどの選択(もしあれば)が、繰り返し冗長チェック(CRC)をパスするフレームを露出させるか決定することができる。これは、仮説ごとに繰り返し冗長チェック(CRC)が遂行されるブルートフォースオペレーションである。有効なCRCに対して、信号からのペイロードをMACに送信することができ、ネットワークパラメータは、既知であると考えることができる。
【0036】
オペレーション168では、他のスロットタイミング仮説が試みられる。1つの規範的実施形態では、最も首尾良いCRCに関連した粗AFC仮説は、名目上のスタートである粗AFC仮説となる。粗AFC仮説の全範囲が調査されると、タグは、将来のトランザクションに使用される関連状態情報であるNominal_Coarse_AFCと称する変数に注目し、これは、粗AFC仮説サーチの範囲を著しく狭める。というのは、発振器ppm偏差の部分対部分変化が1分程度のコースにわたって発振器ドリフトより非常に大きなものとなるからである。
【0037】
図6は、当該状態情報が既知であるウォームスタートからの専用チャンネルのタグ処理において遂行されるオペレーションを示す。例えば、フレームタイミングが既知であり、粗AFC仮説の非常に厳格な範囲を調査することができる。モデムは、その処理を充分早期に開始し、9記号のプリアンブルが終わる前に有効なフィンガー指定がなされるようにする。或いは又、他の数の記号を使用してもよい。
【0038】
オペレーション200では、フレームタイミングが既知であるから、2スロットタイミング仮説を繰り返す必要がない。ブロードキャストチャンネルを使用するのではなく、専用チャンネルが使用される。オペレーション202では、粗AFC仮説がスキャニングされる。1つの規範的な実施形態では、最後にアクセスされて以来の僅かな周波数ドリフトを考慮するために小さな範囲にわたって粗AFC仮説をスキャニングすることができる。オペレーション204において、タグに独特の既知のゴールドコード発生PNシーケンスを使用して、全てのチップx4スペース仮説に対する非コヒレントなメトリックが計算される。オペレーション206及び208では、小さなppm範囲の終わりまで粗AFC仮説がインクリメントされる。オペレーション210では、データ構造体は、最も大きな非コヒレントメトリック(例えば、粗AFC値、チップx4タイミング仮説、非コヒレントなメトリック値、等)を追跡する。オペレーション212では、データ構造体に基づいて専用のフィンガーが指定される。オペレーション214では、現在のDBPSK及び以前のDBPSKを使用して記号クロス積が生成される。オペレーション214の出力は、各専用フィンガーからの複素数クロス積である。オペレーション216では、フレームがインターリーブされ、デコードされる。有効なCRCに対して、ペイロードを媒体アクセス制御(MAC)レイヤへ送信することができる。オペレーション218では、他のスロットタイミング仮説が試みられる。1つの規範的実施形態では、最も首尾良いCRCに関連した粗AFC仮説は、名目上のスタートである粗AFC仮説となる。
【0039】
図7は、規範的実施形態によるタグの復調処理を示すタグ受信データ経路である。図示されたように、1ビットの複素数サンプルがサンプルバッファ220にバッファされて、有効エネルギーを確実に検出するに充分なデータが提示されるようにする。サンプルバッファブロック220には規範的な値が与えられる。例えば、一実施形態では、9個の記号がバッファされる。別の実施形態では、他の値が使用されてもよい。サンプルは、Iチャンネル及びQチャンネルから、チップx2又は2MHzの同期サンプルレートでこのピンポンバッファスキームへ入力される。或いは又、他のレートが使用されてもよい。高速非同期クロックにおいて、これらのサンプルを使用して、種々の粗AFC仮説を調査する。現在の粗AFC仮説に基づき、チップx4の解像度で時間追跡が行われる。AP及びタグの両方でキャリア周波数及びサンプルクロックの両方を駆動するのに同じタイミング基準が使用されるので、既知のキャリア周波数を伴う粗AFC仮説は、既知の時間追跡レートへ独特にマップすることができる。
【0040】
サンプルバッファ220は、Iチャンネル及びQチャンネルを経て通信信号を受信する。これら信号は、時間追跡ロジック222及び専用フィンガー234へ送信される。又、時間追跡ロジック222は、粗AFC仮説も受け取り、又、ロジック222は、チップx4パリティで0にリセットされる。時間追跡ロジック222は、2つのブロックを有することができ、その一方は、偶数のチップx4パリティに対してカウンタが0に初期化されるものであり、その他方は、奇数のチップx4パリティに対してカウンタが中間レンジ(即ち、2^25)に初期化されるものである。時間追跡ロジック222の出力は、仮想チップx4位相が適用されるブロック224に与えられる。又、ブロック224は、取得状態マシンからパリティを受け取ることもできる。自動周波数制御(AFC)ローテーションロジック226がブロック224の出力に適用される。
【0041】
図8は、図7を参照して説明した時間追跡ロジック222の2つのブロックの規範的な実施形態である。ストリーム250は、偶数チップx4パリティをもつ通信流である。ストリーム252は、奇数チップx4パリティをもつ通信流である。図8は、各異なる陰影が異なるチップx4スペースシーケンスを表す時間追跡オペレーションを示す。サンプルは、どの現在AFC仮説が調査されているかに直接依存するレートに、サンプルレートとキャリア周波数との間の既知の比を乗算したもので、挿入されるか又は繰り返される。これは、ロックされたクロック仮定として使用されて、二次元スペースを単一次元へ減少することができる。示された値Nは、充分な時間追跡精度を許すためにブックキープされる断片的コンポーネントである。4つの考えられるチップx4位相の特定のパリティが所与の時間に選択される。それにより得られるチップレートシーケンスは、次いで、図9に示すように、1ビットデータ経路でデローテートされる。
【0042】
図9は、所与の時間に4仮想チップx4位相224の1つにおいて動作する図7のAFC(自動周波数制御)ローテーションロジック226の機能を示す。図9は、1ビットデローテーション(derotation)メカニズムを示す。このデローテーションメカニズムは、仮定された粗AFC仮説に対して受信器と送信器との間の相対的なキャリアドリフトによるAFCローテーションをアンドゥするように設計される。それが1ビット変換(上述した真理値表により示された)であるために、プロセスの90°の解像度は、相対的な発振器オフセットからのAFCドリフトによる位相の値の連続体に対して±45°である。
【0043】
又、AFCローテーションロジック226は、粗AFC仮説を入力として受け取ることができる。PNデスプレッドアレイ228(図7)は、チップスペース仮説に対してそのデスプレッドオペレーションを遂行する。PNデスプレッドアレイ228は、現在の粗AFC仮説、タイミングパリティ、タイミング位相、拡散ファクタ、及び/又はゴールドコード選択を入力として受け取ることができる。所与の記号に対して値が出力されるときに、優れたメトリック信頼性のために和が非コヒレントに累算され、連続和が非コヒレントな累算バッファ230に記憶される。バッファのサイズは、デスプレッドエレメントの数に基づく。規範的な実施形態では、PNデスプレッドアレイ228は、256個のデスプレッドエレメントを有し、サンプルバッファを通過することで、256個の仮説に対する非コヒレントなメトリックが完了するようにしている。或いは又、他の数のデスプレッドエレメントが使用されて、他の数の仮説に対してメトリックが完了するようにされてもよい。タグの送信電力制御及びAPへの電力制御フィードバックに信号対雑音比(SNR)メトリックが使用される。最も大きなメトリックを伴う仮説がトップNの経路データ構造体232に記憶され、これは、専用フィンガー234の指定を制御するのに使用される。トップN経路は、タイミング仮説、タイミングパリティ、粗AFC仮説、等を含むN個のレコードである。
【0044】
図10は、専用の通信フィンガーを示す。各専用フィンガーは、フィンガー指定のパラメータの一部分としてセットされたチップx4セレクタ260でチップx4サンプルの4つの位相の各々にアクセスすることができる。各フィンガーは、それ自身の専用のPNジェネレータ262と、逆拡散するのに使用されるAFCジェネレータ264とを有している。専用のフィンガーは、粗AFC仮説、そのチップx4タイミング位相、時間追跡レートの従属変数に基づいて記号アキュムレータ266へ累算を行い、次いで、複素数の変数、各拡散ファクタ、クロックの数を出力する。又、図7を参照して述べた専用のフィンガー234は、サンプルバッファ220からの入力、及びPNコード選択を受け取ることもできる。
【0045】
再び、図7を参照すると、専用のフィンガー234からの出力は、ビット巾スクイザー236を通過し、これは、性能を犠牲にすることなくフレームバッファ238に効率的に記憶するためにビット巾を減少する。ビット巾スクイザー236からの出力は、フレームバッファ238へ送られ、これは、一般的なケースについて、256記号フレームを、その現在記号がフレームの最後の記号であるかのように処理することのできる円形バッファメカニズムである。フレームタイミングが既知であるときに、このメモリ構造体は、既知の最終記号をもつフレームの特定の処理をサポートすることができる。
【0046】
フレームバッファ238は、仮説されたフレームを受信チェーンの残り部分へ出力する。クロス積乗算ブロック240は、現在記号と、D−BPSK復調のための従来のメトリックである以前の記号の複素共役との乗算を遂行する。残留周波数ドリフトは、D−BPSKコンステレーションを固定位相だけローテーションさせる。微AFC乗算ブロック242の役割は、ブルートフォース解決策を行い、考えられる異なる位相回転を試みて、少なくとも1つの微AFC仮説が、デインターリーバー及びビタビデコーダー244を通過するときに、有効なCRCを発生するようにする。又、微AFC乗算ブロック242は、微AFC仮説を入力として受け取ることができる。デインターリーバー及びビタビデコーダー244からの出力は、CRCチェッカー246に与えられる。CRCが有効である場合には、ペイロードがMACレイヤまで送られる。
【0047】
図11は、アクセスポイント受信処理中に遂行される規範的オペレーションを示す。実施形態に基づき、付加的なオペレーション、より少数のオペレーション又は異なるオペレーションを遂行することができる。これらオペレーションは、ここに述べるものとは異なる順序で遂行することもできる。APは、ブルートフォースオペレーションを遂行して、全ての考えられるチップx2タイミング仮説、拡散ファクタ、及び拡散ファクタ内のアクセススロットをチェックする。これは、タグによる不整合アクセスを許す。好都合なことに、APは、フレームタイミング及びAFCキャリア基準のマスターである(全てのタグは、APのタイミングを満足するようにそれらのキャリアドリフト及びサンプルクロックの両方を補償できる)ので、APの処理負担が劇的に減少される。というのは、APは、粗AFC仮説又は未知のフレームタイミングの次元を調査する必要がないからである。
【0048】
図11のフローチャートは、考えられる全てのチップx2タイミングオフセット、セット[8192、4096、・・・64]からの拡散ファクタ、及び最大値より小さい拡散ファクタに対するアクセススロット番号に対する繰り返しの順序の一例を示す。次いで、APは、タグが遂行する同様の微AFCサーチを遂行して、最後のトランザクション以来、タグ及びAPのタイミングソース間の少量の周波数ドリフトが発生するのを許す。全ての有効なCRCがMACレイヤまで通される。図11のフローチャートは、多次元スペースのサーチを示す。最も外側のループでは、考えられる全ての拡散ファクタがサーチされる。規範的実施形態では、8個の拡散ファクタがある[64、128、256、512、1024、2048、4096、8192]。或いは又、他の拡散ファクタ、及び/又は他の数の拡散ファクタが使用されてもよい。第2のループでは、所与の拡散ファクタに対する考えられる全てのサブスロットがサーチされる。例えば、64チップ拡散ファクタに対して128個の考えられるサブスロットがあり、又、8192チップ拡散ファクタに対して単一の縮退サブスロットがある。第3のループでは、所与のサブスロット内の考えられる全てのチップx2タイミング位相がサーチされる。以下に詳細に述べるように、図11において種々のループが矢印で示されている。
【0049】
オペレーション270では、1つの粗AFC値が使用される。規範的な実施形態では、1つの粗AFC値は0である。というのは、タグにより補償が行われるからである。オペレーション272では、最も大きな拡散ファクタ(例えば、8192)がスタートポイントとして使用される。別の実施形態では、最も大きな拡散ファクタが8192より大きくても小さくてもよい。オペレーション274では、拡散ファクタ内でアクセススロットが処理される。このプロセスは、8192個の拡散ファクタがある場合には縮退となる。オペレーション276では、現在拡散ファクタにおいて全てのチップx2スペース仮説に対して逆拡散が行われる。例えば、拡散ファクタが8192の長さを有する場合には、16384回のデスプレッドオペレーションが行われる。拡散ファクタがフレームバッファ数(例えば、256)未満でない限り全てのエレメントに対して逆拡散が行われる。オペレーション278では、拡散ファクタが半分に減少され、処理が続けられる。オペレーション280では、拡散ファクタが64に減少されたかどうかの決定がなされる。別の実施形態では、他の所定値が使用されてもよい。拡散ファクタが64(又は他の所定値)に減少されない場合には、オペレーション276において処理が続けられる。拡散ファクタが64に減少された場合には、システムは、オペレーション282において次のサンプルバッファがいっぱいになるのを待機する。オペレーション282において次のサンプルバッファがいっぱいになると、制御は、オペレーション272へ復帰する。オペレーション284において、デスプレッドエレメントのフレームバッファが得られる。規範的な実施形態では、PNデスプレッドアレイにより単一パスから256個の記号が出力された後にフレームバッファが完了となる。一実施形態では、256段のPNデスプレッドアレイに対して、256個の記号を各々有する256個のタイミング仮説がパススルーで発生される。別の実施形態では、PNデスプレッドアレイは、より多数の段を有してもよいし、より少数の段を有してもよい。現在デスプレッドDBPSK記号と以前の記号とのクロス積がオペレーション286において計算される。一実施形態では、クロス積は、256個までのフレームに対して256個の記号を含む。或いは又、他の数の記号及び/又はフレームが使用されてもよい。オペレーション288では、現在フレームがAFC仮説に基づいてデコードされ位相乗算される。オペレーション290では、CRCがチェックされ、そして有効なCRCに対して、ペイロードが物理的レイヤ(PHY)から媒体アクセス制御(MAC)まで送られる。例えば、CRCは、256デスプレッドアレイのパスごとに微AFC仮説の数に256を乗じた回数、チェックされる。所与のスロットに対するプロセスが完了すると、ブロック282からブロック272への矢印で示すようにその後のスロットに対してプロセスが遂行される。
【0050】
図12は、アクセスポイント(AP)受信データ路を示す。タグとは異なり、最も大きな拡散ファクタにおける全フレームがサンプルバッファ300にピンポンバッファスキームで記憶される。このバッファスキームは、実質的な量のメモリ(例えば、16.8Mビット)であり、少なくとも1つの実施形態では、専用のオフチップメモリ装置に記憶される。サンプルバッファブロック300は、規範的な値を含む。別の実施形態では、他の値が使用されてもよい。タグとは異なり、時間追跡ロジック及びAFCローテーションロジックは、使用されない。というのは、APがマスター時間基準だからである。サンプルバッファ300は、フレームをPNデスプレッドアレイ302へ送り、このアレイは、上述したブルートフォーステストを遂行することができる。PNデスプレッドアレイ302は、256個のデスプレッドエレメントを含む。或いは又、他の数のデスプレッドエレメントを使用してもよい。又、PNデスプレッドアレイ302は、現在タイミングパリティ(これは、解像度がチップx2だけでもよい)、仮説位相、及び/又は拡散ファクタを入力として受け取ることができる。PNデスプレッドアレイ302からの出力は、ビット巾スクイザー304へ送られる。このビット巾スクイザー304は、フレームのサイズを減少し、これは、次いで、フレームバッファ306へ送られる。フレームバッファブロック306は、規範的な値を含む。別の実施形態では、他の値を使用してもよい。実施形態に基づいて、フレームバッファ306は、専用のオフチップメモリ装置に記憶されてもよい。システムの残り部分は、タグの受信処理と同様であり、微AFC仮説が繰り返され(オペレーション310及び312)、有効CRCを伴う全てのペイロードがAPのMACまで送られる(オペレーション314及び316)。非コヒレントな累算308を使用して、タグへの送信電力制御フィードバックに使用するための信号強度のようなSNRメトリックを決定する。
【0051】
図13は、タグからAPへのデータ転送を生じる2つの形式の対話を含む非同期の初期タグ送信オペレーションを示す。例示及び説明のために、スロット320は、タグスロットを表し、スロット322は、アクセスポイントスロットを表す。「コールドスタート」は、タグが当該状態情報なしにシステムに入る場合であり、「ウォームスタート」は、タグがスロットタイミングや調査すべき微AFC仮説の減少範囲のようなシステム情報を知っている場合である。
【0052】
「コールドスタート」のシナリオでは、タグは、スロット非同期時点でシークアクセスを開始する。図13は、APがブロードキャストチャンネルを送信していないときにタグがそれを取得する試みを開始するときを示す(スロット1)。結局、タグの処理は、APがブロードキャストフレームを送信する時間中に有効な粗AFC仮説を調査する。図13は、スロット2の間にこれが生じることを示している。この点において、非コヒレントなエネルギーメトリックは、専用のフィンガーが正しいチップx4タイミング及び粗AFC仮説を調査するようにさせる。正しい仮説を伴うフィンガーは、各新たな記号をフレームの最後の記号として連続的に処理し、これらの仮説化フレームを、CRCチェックが欠陥を指示する受信チェーンを通してプッシュする。スロット4の終わりに、CRCチェックが成功を指示するときに有効なフレームタイミングが達成される。この点において、タグは、「ウォームスタート」に入るタグが有する同じ関連状態情報を有し、そして「ウォームスタート」タグが受ける同じ処理を実行し続ける。
【0053】
タグは、「コールドスタート」手順を通して遷移することにより、又は関連状態情報が適切に維持される場合にはタグのウェイクアップ時に直接的に、スロット6に示した対話に入る(ウォームスタート)。この点において、タグは、ブロードキャストフレームの受け取った強度の測定を行い、この情報を使用して、タグがその後にスロット7において送信する送信電力及び拡散ファクタを決定する。タグは、次のことに基づいてそのメッセージを送信する。1)測定された受信ブロードキャストチャンネル信号強度を使用し、そしてリンクを閉じるのに使用できる最小拡散ファクタであって、タグのオン時間を最短にし且つ電力消費を最小にするのにベストである最小拡散ファクタを選択し;2)測定された受信ブロードキャストチャンネル信号強度と、以前に選択された拡散ファクタとを使用して、タグは、ビット当たりエネルギー対スペクトルノイズ密度比(Eb/No)の非常に類似した値で全てのユーザがAPにより受信されるところのAPにおける最適な受信条件で送信を行い;3)最大拡散ファクタを除く全ての拡散ファクタに対して、スロットアクセスパラメータjをランダムに選択し;及び4)APにおける「衝突」が最小とされ且つ各送信におけるランダムな選択でその後の送信機会に「衝突」を解消できるように0から拡散ファクタ−1までチップオフセット値をランダムに選択する。
【0054】
スロット8及び9に間に、APは、スロット7の間に受信した全ての信号を処理し、そしてスロット10の間に肯定確認を返送する。APは、多数のACKを、ゴールドコードにより特徴付けされる単一チャンネルへと集合させるか、又は専用のゴールドコードチャンネルを使用して専用メッセージをタグへ送信する。前者の方法は、チャンネルを指定するために何らかの登録手順(図示せず)を必要とすることに注意されたい。いずれの場合にも、タグは、メッセージのプリアンブルを使用して、そのチップx4タイミングを更新する。
【0055】
図14は、スロットモードでのアクセスポイントとタグとの間の簡単な対話を示す。規範的な実施形態では、この簡単な対話は、タグ及び比較的スタティックなチャンネルに対するデータを含まない。例示及び説明の目的上、時間線330は、スロット中のタグ処理を表し、時間線332は、スロット中のアクセスポイント処理を表す。システムの性質は、低電力状態、即ち典型的に32kHzである低電力低周波数結晶発振子を経てシステムタイミングが維持される状態において、タグが考えられる最大の時間を費やすというものである。これをサポートするために、APが対話を開始する際の最大許容待ち時間が識別される(即ち、これは、APアクションが保留であるかどうかをタグがチェックするために低電力状態へ入ったり出たりを繰り返すレートである)。図14は、APがトランザクションの開始を希望するかどうかチェックするためにタグがその低電力状態から出るという比較的簡単な対話を示す。これは、登録中にAPとタグとの間で合意したスロット位相及びレートで生じる。
【0056】
タグは、典型的に、フレームタイミング及び粗AFC仮説が厳格な範囲内で既知である「ウォームスタート」に入る。タグは、受け取ったブロードキャストチャンネル電力の測定を行う。図14は、APとの最後の対話以来電力が著しく変化しない場合のシナリオを示す。これは、APが送信した最後の送信電力/拡散ファクタがリンクを閉じるのに充分であることを意味する。スロット3では、タグは、プリアンブルにおいて取得を試み、次いで、その専用のゴールドコードを使用してフレームを復調する。典型的なシナリオは、APが送信された情報をもたず、タグが直ちにスリープに戻るというものである。
【0057】
図15は、規範的な実施形態によるアクセスポイントとタグとの間のデータの転送及び動的に変化する伝播を含む更に複雑な対話を示す。例示及び説明の目的上、時間線340は、スロット中のタグ処理を表し、又、時間線342は、スロット中のアクセスポイント(AP)処理を表す。ここで、APは、送信すべき情報を有し、そして最後のAPトランザクション以来、チャンネルの伝播が著しく変化している。現在ブロードキャストチャンネル電力測定が変化しており、タグは、前回と同じ送信電力/拡散ファクタで送信した場合に、その後の送信が適切でないことを知っている。従って、タグは、図13に示すプロトコルを使用して、再登録メッセージを送信し、現在チャンネル条件に適した新たな送信電力/拡散ファクタを使用するようAPに警告する。この新たな情報は、スロットN+5に生じるフレームの送信及び受信を支配する。タグは、首尾良い送信を指示するために図13のプロトコルにより支配される確認(ACK)メッセージを発生する。ACKが首尾良く受け取られた場合には、トランザクションが完了したとみなされる。さもなければ、タグは、再送信を試みる。
【0058】
図16は、どのようにしてタグを、メッシュネットワークであるマルチアクセス通信ネットワークへと一緒に接続するかを示す。タグ350は、マイクロリピーター351への通信リンクを有し、このマイクロリピーター自身は、他のマイクロリピーター352及び353へ接続され、その後、アクセスポイント354へ接続される。これらエレメント間の通信リンクは、上述した同じ通信プロトコルを使用する両方向性半二重リンクである。通信は、タグ350において発信し、マイクロリピーター351へ送信され、更に、マイクロリピーター352及び353を通して順次に送信され、その後、アクセスポイント354に到達する。又、通信は、アクセスポイントにおいて発信し、マイクロリピーター353へ送信され、更に、マイクロリピーター352及び351を通して送信され、その後、タグ350に到達する。これは、ネットワークシステムを使用してパケットをどのように送信できるかの1つの例示に過ぎない。このネットワークシステムでは多数の他のトポロジーが考えられる。一実施形態を設定するように具現化される正確なプロトコルは、IEEE802.11、IEEE802.16、他の工業規格プロトコル、又は別の用途のために設計された新たなメッシュプロトコルのような任意のメッシュプロトコルに基づくことができる。
【0059】
ネットワークにおける規範的な装置は、ネットワークの他の装置により使用される同じPNコードであるが、信号がランダムタイミングオフセットを有するような所定の擬似ノイズコード(PNコード)を使用して拡散される信号を受信する。信号は、別の装置に向けて拡散されたペイロードデータを含むことができる。次いで、受信器及び送信器に結合された装置のコントローラは、ネットワークの特性に基づいてペイロードデータの適当な行先を選択することができる。その特性は、以下に述べるように決定されるシード値である。選択されると、装置は、ペイロードデータをその選択された行先へ送信する。
【0060】
又、装置は、2つ以上の信号を受信した後にそれを送信する。第2の信号は、同じ装置又は別の装置から受信される。この信号は、信号がランダムなタイミングオフセットを有する所定の擬似ノイズコードを使用して拡散することもできる。信号は、別の装置に向けて拡散された付加的なペイロードデータを含むことができる。装置は、ネットワークの別の特性に基づいてペイロードデータの適当な行先を選択することができる。2つの行先が同じであるときには、装置は、2つのペイロードを一緒にその行先へ送信することができる。
【0061】
ネットワークは、次の代表的な実施形態を通して動的に形成することができる。ネットワークの各装置は、シード値を有する。例えば、アクセスポイントは、0のシード値を有する。その後の各々の装置は、それがアクセスポイントから離れた接続の数に等しいシード値を有する。例えば、図16において、マイクロリピーター353は、アクセスポイント354から1つの接続だけ離れており、従って、1に等しいシード値を有し、マイクロリピーター351は、アクセスポイント354から3つの接続だけ離れており、従って、3に等しいシード値を有する。
【0062】
各マイクロリピーター及びアクセスポイントは、ブロードキャストチャンネルにおいて送信を行うことができる。最初、アクセスポイントのみがブロードキャストチャンネルで送信している。各マイクロリピーターがネットワークに関連しているので、マイクロリピーターは、ブロードキャストチャンネルを他の装置へ送信することができる。例えば、図16では、アクセスポイント354及びマイクロリピーター353、352、351は、全て、ブロードキャストチャンネルにおいて送信することができる。というのは、それらがネットワークに関連しているからである。各装置のシード値は、ブロードキャストチャンネルを経てメッセージにおいて送信される。次いで、装置は、シード値を含む通信信号を、ブロードキャストチャンネルを経て受信する。従って、関連性のないマイクロリピーターは、受け取ったシード値に基づくシード値に対してそれ自身のシード値を選択することができる。
【0063】
図17は、特定のマイクロリピーターをどのようにネットワークに関連付けることができるかを示す。マイクロリピーター360は、ブロードキャストチャンネルを聴取することにより関連付けプロセスを開始する。このエリアには、マイクロリピーター361、362、363、364及び365もある。アクセスポイント366も近くにある。マイクロリピーター360が受信できる最も強いリンクは、リンク367である。図示された他のリンクも、マイクロリピーター360により受信することができる。マイクロリピーター360は、最初、リンク367である最も強い受信信号を取得する傾向がある。上述したようなプロセスを通して、マイクロリピーター360は、フレームタイミングと、ネットワークタイミングからの相対的基準結晶偏差とを得る。マイクロリピーター360は、それが可能な全ての他のリンクを取得するために受信モードにスイッチする。マイクロリピーター360は、あるスレッシュホールドに対して最低のシードをもつマイクロリピーターを選択することができる。マイクロリピーター360は、受信リンクの電力測定のような他のファクタを使用して、どのマイクロリピーターを選択すべきか決定する。
【0064】
マイクロリピーター360は、それが他のマイクロリピーターのどれに関連付けられるか決定すると、リンク368を経て関連付けを許すためにマイクロリピーター362へ送信を行う。次いで、マイクロリピーター362は、関連付けを承諾するように応答する。マイクロリピーター360は、ここで、新たに関連付けられたマイクロリピーター362から承認を受け取る。
【0065】
関連付けが承認されると、マイクロリピーター間で他のメッセージを送信することができる。低い数値のシード値をもつマイクロリピーターは、タイミングの保持、周波数補償、送信電力レベル、自動周波数制御(AFC)、及びネットワークを通してのサンプルタイミング補償の一貫性に必要なものを含めて、種々のメッセージを、高い数値のシード値をもつマイクロリピーターへ送信する。例えば、図17では、マイクロリピーター362は、AFC補償メッセージをマイクロリピーター360へ送信することができる。全てのマイクロリピーターは、それに関連したマイクロリピーターからの適当な電力制御送信に対して制御メッセージを送信する。マイクロリピーター362及び360は、両方とも、互いに電力制御送信を送信することができる。上流のマイクロリピーターからの1つ以上の連続メッセージを受信し損なうと、マイクロリピーターを取得モードへ戻すようにトリガーし、別のマイクロリピーターと関連付けする要求を送信し、そして関連付けすべき異なるマイクロリピーターを潜在的に見つけるようにする。マイクロリピーター360は、マイクロリピーター362からのある数の連続メッセージの受信を停止した場合に、取得モードへ戻り、潜在的に異なるマイクロリピーターと関連付けする。マイクロリピーターは、ネットワークに関連付けられると、ブロードキャストチャンネルを経て送信を行い、他のマイクロリピーター又はタグを含むネットワークに加わるよう求めている他の装置へそれ自身のシードを宣伝する。マイクロリピーターによりブロードキャストされるメッセージは、そのマイクロリピーターがネットワーク編成に利用できるかどうかをできるだけ多くの装置が決定できるようにするために設定ブロードキャスト電力にある。例えば、関連付けの後に、マイクロリピーター360は、ここで、ブロードキャストチャンネルを経て送信を行い、ネットワークに加わることを求めている他の装置にそれ自身を宣伝する。
【0066】
タグから発信する上流通信は、各マイクロリピーターから、低いシード値を有するものに関連付けられたマイクロリピーターへ通される。例えば、図16では、マイクロリピーター352は、タグ350で発生してマイクロリピーター351から受け取られたトラフィックを、アクセスポイント354への途上にあるマイクロリピーター353へ通す。最終的に、シード値1のマイクロリピーターがメッセージをアクセスポイントへ送信する。マイクロリピーター353は、タグ発生トラフィックをアクセスポイント354へ通す。タグは、高いシード値のマイクロリピーターとの通信を生じるとしても、バッテリ寿命をセーブするために最低の送信電力しか要求しないマイクロリピーターと通信する。タグ350は、マイクロリピーター352又は351のいずれかと通信することができるが、タグ350は、マイクロリピーター351と通信するのに最低の送信電力しか必要としないことに基づきマイクロリピーター351と通信することを選ぶ。通信は、方向に関わらず、行先のシード値に対応するゴールドコードを使用して送信される。
【0067】
下流通信は、各マイクロリピーターによりタグに近いマイクロリピーターへルーティングされる。マイクロリピーター353は、アクセスポイント354で発信してタグ350に向けられたトラフィックをマイクロリピーター352へ通す。この情報は、タグからアクセスポイントへの上流通信中にマイクロリピーターを以前に通過したデータ構造体に捕獲される。多くの既知のルーティング方法は、本発明のもとで実施されるシステムに使用することができる。1つのルーティング方法では、データ構造体における特定のルートのエントリーが、装置の識別と、装置に通じる次の通信リンクのシード値との両方を含む。マイクロリピーター353は、データ構造体にタグ350へのルートのエントリーを有する。又、データ構造体のエントリーは、装置がマイクロリピーターと直接通信するときに注目する。マイクロリピーター351は、それがタグ350と直接通信することに注目する。ルーティングされるメッセージをパスするのに使用されるゴールドコードは、データ構造体のエントリーに依存する。マイクロリピーターは、更に下流のマイクロリピーターに対応するゴールドコード、又は装置に直接対応するゴールドコードのいずれかを使用して送信する。従って、マイクロリピーター351は、装置に直接対応するゴールドコードを使用してタグ350と通信する。データ構造体において知らない装置について受信されたメッセージは、上流に返送する必要がある。アクセスポイントが装置のレコードをもたないときには、アクセスポイントは、タグからのメッセージを待機するか、又はタグをシークするブロードキャストチャンネルメッセージを直接発行する。
【0068】
マイクロリピーターへのタグ通信は、上述した直接的なタグ対アクセスポイントトポロジーから本質的に不変である。タグが初期化のために使用するブロードキャストメッセージは、マイクロリピーターのシードとは独立した合意したネットワーク規模のゴールドコードを使用してブロードキャストされる。従って、タグ350は、ネットワークとの関連付けを試みるときに、ネットワーク規模のゴールドコードを使用する。電力制御通信は、上述したようにタグがアクセスポイントとで行うのと同様にマイクロリピーターとで行うことができる。
【0069】
ある環境のもとではタグ自身をマイクロリピーターとして動作させることが望まれる。これを達成するために、タグは、その存在を他のタグに宣伝しそして隣接装置がピアとして通信に参加できるようにするブロードキャストチャンネルメッセージを送信する。従って、タグ350がマイクロリピーターとして働く場合には、タグ350は、それ自身を他のタグに宣伝するブロードキャストチャンネルメッセージを送信することができる。次いで、2つのタグは、マイクロリピーター及びタグが通常機能する同じ仕方で機能することができる。一実施形態では、タグは、ブロードキャストチャンネルメッセージを、時間の特定の割合のみで発行する。
【0070】
図18は、規範的実施形態による取得プロセス中に遂行されるオペレーションを示すフロー図及び時間線である。別の実施形態では、付加的なオペレーション、より少数のオペレーション、及び/又は異なるオペレーションを遂行することができる。更に、フロー図の使用は、遂行されるオペレーションの順序を限定するものではない。時間400’において、タグは、スリープ状態にある。時間405において、タグは、目覚め状態に入り、プリアンブル処理を遂行することができる。例示的実施形態では、タグは、来るべき通信事象の、少なくとも1つのワーストケース決定期間だけ前に、目覚め状態に入ることができる。例えば、ワーストケース決定期間が5秒である場合には、タグは、通信事象の少なくとも5秒前に、目覚め状態に入ることができる。一実施形態では、ワーストケース決定期間は、いつタグがウェイクアップすべきかに対するタイミングドリフトも考慮することができる。例えば、ワーストケース決定期間が3秒であり、ワーストケースタイミングドリフトが1秒である場合には、タグは、タイミング及び周波数を決定するのに充分な時間をもつよう保証するために、通信事象の少なくとも4秒前にウェイクアップする。又、ワーストケース決定期間は、ワーストケースタイミングドリフトが与えられると、プリアンブルが到着できる最も早い時間にタグがウェイクアップするように、プリアンブルの到着を考慮することもできる。別の例示的実施形態では、目覚め状態に入るのが、通信事象のスタートに充分近くし(即ち、あまり手前でないようにし)、通信事象が開始するときに識別されたタイミング及び周波数値が正確であるか又はほぼ正確であるようにする。
【0071】
プリアンブルの処理は、プリアンブル410、ブロードキャストチャンネル415及びデータチャンネル420を含むスロット型フレーム構造に関して遂行することができる。プリアンブル処理は、オペレーション425に示されたように、サンプルバッファをプリアンブル410の少なくとも一部分で埋めることを含む。一実施形態では、サンプルバッファに入れられるプリアンブル記号の数は、プリアンブルに、タイミングエラーをカバーするための付加的な記号を加えた長さである。しかしながら、高い信号対雑音比(SNR)条件では、プリアンブル処理時間は、少ないプリアンブル記号(長さ2へダウン)をサンプルバッファに収集することにより短縮することができる。高いSNRが与えられると、プリアンブル処理は、少数の記号を使用しても非常に正確である。充分な数の記号が受け取られると、サンプルバッファをロックすることができる。
【0072】
プリアンブルの少なくとも一部分を取得すると、プリアンブル処理は、フィンガー累算、差動バイナリー位相シフトキーイング(DBPSK)及び相関も含み、これらは、オペレーション430において行われる。代表的な実施形態では、DBPSKプロセスからのソフト出力を既知のシーケンスに対して相関させることができる。相関が高度な相関を生じる場合には、サーチが成功であり、そしてアクセスポイントのタイミング及び周波数を決定することができる。高度な相関は、所定の標準、先天的プリアンブルサーチ、等に対するものである。タイミング及び周波数が決定されると、タグは、スリープ状態に入り、やがて、来るべき通信事象のために目覚め状態に入らねばならなくなる。
【0073】
一実施形態では、オペレーション430で行われるサーチ/決定は、スリープ状態の間に僅かな量のドリフトが生じるという仮定のもとで狭い範囲のタイミングオフセット及び/又は周波数オフセットに基づくものである。サーチは、タイミング及び周波数が同時に決定される二次元サーチである。又、サーチは、公称タイミング値及び/又は公称周波数値を中心とすることもできる。公称値は、通信事象の直前でドリフトが発生しないという仮定に基づく。或いは又、他の公称値が使用されてもよい。
【0074】
オペレーション430からの相関結果がサーチ不成功となる場合には、タグは、スリープ状態に入らず、オペレーション435において拡張サーチが行われる。拡張サーチは、広い範囲のタイミングオフセット及び/又は周波数オフセットにわたって遂行することができる。拡張サーチが遂行されても、来るべき通信事象の前にサーチを完了させ及び/又はスリープ状態へ戻すに充分な時間が依然ある。というのは、タグは、ワーストケースシナリオをカバーするに充分なほど早く目覚め状態に入るからである。例示的実施形態では、タグは、行われるサーチの大きさに関わりなくスリープ状態に入ることができるに充分なほど早くウェイクアップすることができる。別の実施形態では、タイミング及び周波数値が決定されるまで単一の連続的サーチを行うことができる。例えば、サーチは、公称値を中心として、充分な相関が得られるまで外方に拡張することができる。どのようにサーチを行うかに関わらず、サーチは、タイミング及び周波数が首尾良く決定されると終了することができ、タグは、時間が許せば、スリープ状態に入ることができる。従って、タイミング及び周波数の初期取得に続くスリープ状態の時間長さは、タイミング及び周波数を取得するのに要する時間長さに依存する。スリープ状態により長い時間を費やすと、スリープ状態中に引き出される電力は少ないので、付加的な電力/バッテリ保存が得られる。オペレーション430及び/又はオペレーション435で行われたサーチの結果は、初期タイミング値(又はオフセット)及び初期周波数値(又はオフセット)である。
【0075】
時間440において、タグは、通信事象のために目覚め状態に入る。オペレーション445において、サンプルバッファは、プリアンブルの1つ以上の記号で埋められる。オペレーション450では、プリアンブル処理(又はサーチ)が行われる。初期タイミング値及び初期周波数値を中心とするサーチは、迅速で省略されたサーチである。というのは、初期タイミング値及び初期周波数値の決定以来、短い時間が経過するだけだからである。その結果、初期タイミング値及び初期周波数値の決定に続くスリープ状態中に発生すると予想されるドリフトは、全くないか、又は最小限である。この省略型サーチは、限定された範囲の周波数及びタイミング値にわたって行うことができる。或いは又、サーチは、初期タイミング値及び初期周波数値を中心とし、実際のタイミング及び周波数値が決定されるまで外方に拡張されてもよい。オペレーション455では、通信事象が行われる。
【0076】
図18を参照して述べたプロセス及びオペレーションの結果として、タグのバッテリ寿命を延長することができる。タグは、最小長さの時間、目覚め状態に留まり、最大長さの時間、スリープ状態に留まるので、リソースが保存される。更に、タグは、環境変化又は他のファクタにより生じるワーストケースドリフトシナリオの場合にも機能することができる。しかしながら、ほとんどのケースにおいて、ドリフトは最小であり、取得は迅速に達成できることが期待される。ここに述べるいずれの実施形態も、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されたコンピュータ読み取り可能なインストラクションとして具現化できることを理解するのが重要である。プロセッサにより実行するときには、コンピュータ読み取り可能なインストラクションは、コンピューティング装置が、ここに述べる実施形態を具現化するオペレーションを遂行するようにさせることができる。
【0077】
個々のタグの位置は、ネットワークにおける他の装置の位置を参照して決定することができる。図19を参照すれば、規範的実施形態によりランダム位相マルチアクセスネットワークにおいてタグを探索する図が示されている。タグ400は、その位置が決定される装置である。タグ400は、装置401、402、403及び404と通信する。装置401、402、403及び404は、タグ400と通信するように構成されたマイクロリピーター、アクセスポイント、又は他のタグより成る。
【0078】
代表的実施形態において、装置401、402、403及び404は、レンジング要求信号を送信するための送信器を含む。レンジング要求信号は、第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、第1のランダムタイミングオフセットを有している。装置401、402、403及び404は、レンジング応答信号を受信するための受信器も含む。
【0079】
タグ400は、レンジング要求信号を受信するための受信器と、レンジング応答信号を送信するための送信器とを備えている。レンジング応答信号は、第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、第2のランダムタイミングオフセットを有している。或いは又、装置及びタグは、それとは逆に構成することもできる。更に、第1の所定の擬似ノイズ(PN)コード及び第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードは、同じコードでもよい。
【0080】
コントローラは、探索オペレーションを制御する。コントローラは、装置401、402、403及び404、タグ400、或いはマイクロリピーター、アクセスポイント又は他のタグの一部分である。コントローラは、レンジング要求信号及びレンジング応答信号を実際に送信及び受信する送信器及び受信器と同じ物理的装置の一部分である必要はない。従って、コントローラは、装置及び/又はタグに物理的、電気的又は通信的に結合することができる。コントローラは、多数の異なる装置のレンジング要求を制御することができる。コントローラは、レンジング要求信号の送信をトリガーする。コントローラは、レンジング応答信号の受信を待機し、伝播遅延を計算する。コントローラは、タグ又はアクセスポイントにおける集積回路、或いはアクセスポイント又はサーバーにおけるソフトウェアのような種々の仕方で具現化することができる。
【0081】
図20は、規範的実施形態によりタグの位置を決定するのに使用される通信信号のタイミングを示す図である。レンジング要求510の始めに、第1の装置は、レンジング要求信号の送信をスタートする。第1の装置は、例えば、アクセスポイントである。第2装置受信時間520において、伝播時間(Pprop)の後、第2の装置がレンジング要求信号の受信を開始する。第2の装置は、例えば、タグである。或いは又、第1の装置がタグで、第2の装置がアクセスポイントでもよい。要求期間530(Tbrr)の後に、第1の装置がレンジング要求信号の送信を停止する。第2の装置におけるレンジング要求信号の受信は、第2の伝播時間540(Tprop)の後に完了となる。応答遅延550(Dn,m)の後であって、レンジング応答560の始めに、第2の装置は、第1の装置へのレンジング応答の送信を開始する。第1装置受信時間570において、伝播時間(Tprop)の後、第1の装置は、レンジング応答信号の受信を開始する。レンジング時間580(Tn,m)は、レンジング要求510の開始から第1装置受信時間570までの時間である。伝播遅延Tpropは、第1の装置から第2の装置までの距離に直接比例し、次の式で計算することができる。
【数1】
【0082】
この伝播遅延計算は、この技術で知られた三角法計算技術に使用することができる。例えば、伝播遅延は、光速(c)を乗算して距離(d)を得ることができる。異なる第1の装置からの複数の読みを使用して、第1の装置を中心とする半径dの円を描くことができる。円は、ほぼ第2の装置の位置に交差する。計算は、装置が通信できるネットワーク内のエンティティにおいて遂行することができる。例えば、計算は、タグ、マイクロリピーター、アクセスポイント、又は他のタグにおいて遂行することができる。更に、レンジング要求信号及びレンジング応答信号の種々の属性を使用して、レンジング時間を決定することができる。例えば、レンジング要求信号及びレンジング応答信号の開始及び終了の時間を平均化することができる。
【0083】
応答遅延550(Dn,m)は、第2の装置がレンジング要求を処理するのに要する時間を含む。第2の装置がレンジング要求を処理するのに要する時間は、知ることができるか、又はレンジング応答信号の一部分として第1の装置へ返送することができる。応答遅延550(Dn,m)は、干渉又は衝突を回避するための特別な時間を含むこともできる。例えば、応答遅延550(Dn,m)は、ランダム遅延を含むことができる。第2の装置は、ランダム遅延を使用することができ、又は衝突が生じたときにランダム遅延を選択することができる。第2の装置は、第2の装置におけるランダム遅延の値を第1の装置へ送信する。ランダム遅延の値は、レンジング応答信号に含ませることができる。又、コントローラは、第2の装置に対してランダム遅延を指定し又はシードとすることができる。
【0084】
同様に、応答遅延550(Dn,m)は、擬似ランダム遅延を含むことができる。第2の装置は、擬似ランダム遅延を使用することができ、又は衝突が生じたときに擬似ランダム遅延を選択することができる。第2の装置は、第2の装置における擬似ランダム遅延の値を第1の装置へ送信する。擬似ランダム遅延の値は、レンジング応答信号に含ませることができる。
【0085】
更に、第1の装置は、レンジング要求信号を送信する前に第1装置遅延時間だけ遅延することができる。この第1装置遅延時間は、第1の装置において生じる遅延、及び/又はコントローラから第1の装置への遅延を含む。コントローラから第1の装置への遅延は、コントローラ及び第1の装置が物理的に同じ装置の部分でない場合には顕著なものとなる。第1装置遅延時間は、伝播遅延の計算に含ませることができる。
【0086】
第1装置遅延は、所定時間を含むことができる。この所定時間は、第1の装置又は第2の装置の正しいアクセススロット又はサブスロットに対応する所定時間インターバルである。又、所定時間は、伝播遅延の計算に含ませることができる。
【0087】
第1装置遅延は、干渉又は衝突を回避するために第1の装置がレンジング要求信号の送信をスタートする前にランダム遅延を含むことができる。第1の装置は、ランダム遅延を使用することができ、又は衝突が発生したときにランダム遅延を選択することもできる。又、コントローラは、第2の装置の探索を試みる第1の装置のグループにランダム遅延を指定し又はシードとすることもできる。ランダム遅延は、伝播遅延の計算に含ませることができる。
【0088】
同様に、第1の装置は、干渉又は衝突を回避するために第1の装置がレンジング要求信号の送信をスタートする前に擬似ランダム遅延を待機することができる。第1の装置は、擬似ランダム遅延を使用することができ、又は衝突が発生したときに擬似ランダム遅延を選択することもできる。又、コントローラは、第2の装置の探索を試みる第1の装置のグループに擬似ランダム遅延を指定し又はシードとすることもできる。擬似ランダム遅延は、伝播遅延の計算に含ませることができる。
【0089】
図21は、規範的実施形態による大容量システムにおける信号タイミングを示す図である。各装置は、送信の前に異なる長さDn,mの時間だけ遅延させる。マイクロリピーター又はアクセスポイントが、レンジング要求を送信する前にある時間だけ遅延させる。或いは、通信タグが、レンジング要求に応答する前にある時間だけ遅延させる。Dn,m遅延の厳密な長さは、ランダムな時間長さであり、そして遅延された時間長さは、応答と共に含まれる。或いは又、Dn,m遅延は、前もって決定されて各タグへ配布される擬似ランダム時間長さである。この別のシステムでは、位置情報は、1つのセキュアな位置でしか計算できない。
【0090】
位置が決定されるべきタグと、レンジング要求を発行する装置との間の各リンクを減感させないことが重要である。高電力のレンジング要求送信が低電力のレンジング要求送信を圧倒する場合に減感が生じる。1つの考えられる解決策は、決定論的な設定パーティションを使用することである。決定論的な設定パーティションでは、レンジング要求を発行する各装置が多数のグループの1つへ分類される。特定グループの各装置は、そのグループの他の装置が送信を行う間しかそのレンジング要求を送信しない。その後、別のグループからの装置がそれらのレンジング要求を送信する。
【0091】
例えば、図19において、タグ400と装置403との間のリンクが、タグ400と装置404との間のリンクより弱いとする。決定論的な設定パーティションを使用すると、装置401−404の各々は、異なるグループにある。従って、装置403は、装置404とは異なる時間に送信を行い、その信号が装置404により圧倒されることはない。
【0092】
ある環境では、決定論的な設定パーティションは、1つのタグが同じグループ内の装置としか通信できない状態を招く。このような状態では、同じグループ内の装置に第2のランダム化遅延ファクタを導入することができる。このランダム化遅延ファクタは、位置の計算を遂行する装置へ送信される。或いは又、位置の計算を遂行する装置しか知らない擬似ランダム遅延ファクタを使用して、位置決定オペレーションのセキュリティを改善することができる。
【0093】
規範的実施形態の以上の説明は、本発明を例示するものに過ぎない。本発明は、ここに開示する正確な形態に限定されるものではなく、上述した技術に鑑み、又は本発明を実施することから、修正や変更が考えられる。本発明の原理及びその実際的な応用を説明し、当業者が本発明を種々の態様で利用できるようにすると共に、意図された特定の用途に適するよう種々の変更を加えて利用できるようにするために、前記実施形態が選択され説明された。更に、1つ以上のフローチャートも使用した。フローチャートの使用は、オペレーションが遂行される順序に関して限定することを意図していない。
【符号の説明】
【0094】
10:アップリンク送信器
12、14、16、18、20、22:ブロック
110:PNジェネレータ
112:リセット信号
114:デローテートされたデータ
116a、b、c:遅延
118a、b、c:カウンタ
120a、b、c:カウンタ
124a、b、c:遅延
220:サンプルバッファ
222:時間追跡ロジック
224:4仮想Cx4位相
226:AFCローテーションロジック
228:PNデスプレッドアレイ
230:非コヒレントな累積バッファ
232:トップN経路
234:専用フィンガー
236:ビット巾スクイザー
238:フレームバッファ
240:クロス積乗算
242:微AFC乗算
244:デインターリーバー/ビタビデコーダー
246:CRCチェッカー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチアクセス通信ネットワークを通して通信するための方法において、
第1の装置から第1の信号を受信するステップであって、前記第1の信号は、第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、前記第1の信号は、第1のランダムタイミングオフセットを有し、更に、前記第1の信号は、第1のペイロードデータを含むものであるステップと、
前記マルチアクセス通信ネットワークの第1の特性に基づいて前記第1のペイロードデータのための第1の行先を選択するステップと、
前記第1のペイロードデータを前記選択された第1の行先へ送信するステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
第2の装置から第2の信号を受信するステップであって、前記第2の信号は、第2の所定のPNコードを使用して拡散され、前記第2の信号は、第2のランダムタイミングオフセットを有し、更に、前記第2の信号は、第2のペイロードデータを含むものであるステップと、
前記マルチアクセス通信ネットワークの第2の特性に基づいて前記第2のペイロードデータのための第2の行先を選択するステップと、
を更に備えた請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の行先及び第2の行先が同じであるかどうか決定するステップと、
前記第1の行先及び第2の行先が同じである場合には前記第2のペイロードデータを前記第1のペイロードデータと共に前記選択された第1の行先へ送信するステップと、
を更に備えた請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記マルチアクセス通信ネットワークの第1の特性は、装置に指定されたシード値である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1のシード値を含むブロードキャストチャンネルを経て第1の通信信号を受信するステップと、
前記受信された第1の通信信号に基づき第2のシード値を選択するステップと、
を更に備えた請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のシード値に基づき装置に関連付ける要求を通信するステップを更に備えた、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記受信した第1の通信信号の電力測定に基づき装置に関連付ける要求を通信するステップを更に備えた、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
関連付けられた装置からの送信を受信するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記受信した送信に基づいてタイミングを決定するステップを更に備えた、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記受信した送信に基づいて送信電力レベルを決定するステップを更に備えた、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
1つ以上の逸したメッセージに基づいて第2の装置に関連付ける要求を通信するステップを更に備えた、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
選択された第2のシード値をもつブロードキャストチャンネルを経て第2の通信信号を送信するステップを更に備えた、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
隣接する装置がピアとして通信に参加することを許すブロードキャストチャンネルメッセージを送信するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の所定のPNコードは、前記第1の所定のPNコードと同じである、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記受信した通信信号からフレームタイミング又は周波数ドリフトを決定するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記マルチアクセス通信ネットワークは、メッシュネットワークを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記メッシュネットワークは、IEEE802.11規格セットに基づく、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
マルチアクセス通信ネットワークを通して通信するための装置において、
第1の装置から第1の信号を受信するように構成された受信器であって、前記第1の信号は、第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、前記第1の信号は、第1のランダムタイミングオフセットを有し、更に、前記第1の信号は、第1のペイロードデータを含むものである受信器と、
送信器と、
前記受信器及び送信器に電気的に結合されて、前記受信器での第1の信号の受信を指令し、前記マルチアクセス通信ネットワークの特性に基づいて1つ以上の装置から前記第1のペイロードデータのための第1の行先を選択し、且つ前記送信器での前記第1の行先への前記第1のペイロードデータの送信を指令するように動作できるコントローラと、
を備えた装置。
【請求項19】
前記マルチアクセス通信ネットワークの特性は、装置に指定されたシード値である、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記コントローラは、更に、第1のシード値を含む通信ネットワークのブロードキャストチャンネルを経て第1の通信信号の受信を指令し、その受信された第1の通信信号に基づいて第2のシード値を選択し、且つその選択された第2のシード値をもつ通信ネットワークのブロードキャストチャンネルを経て第2の通信信号の送信を指令するように動作できる、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
通信システムのリソースを保存するための方法において、
第1の時間にスリープ状態から目覚め状態に入るステップであって、前記第1の時間は、通信事象より所定の期間だけ前に生じ、更に、前記所定の期間は、アクセスポイントに対するタイミングオフセットを決定するためのワーストケース決定期間以上のものであるステップと、
前記所定の期間中に前記アクセスポイントに対する初期タイミングオフセットを決定するステップと、
前記初期タイミングオフセットが決定されると、前記所定の期間の残り部分中にスリープ状態に入るステップと、
通信事象に対して目覚め状態に入るステップと、
前記初期タイミングオフセットに少なくとも一部分基づいて前記アクセスポイントに対するタイミングオフセットを決定するステップと、
を備えた方法。
【請求項22】
前記所定の期間は、前記アクセスポイントに対する周波数オフセットを決定するための第2のワーストケース決定時間以上でもある、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記所定の期間中に前記アクセスポイントに対する初期周波数オフセットを決定するステップを更に備え、前記初期周波数オフセット及び初期タイミングオフセットが決定されると、前記所定の期間の残り部分に対しスリープ状態に入る、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記初期周波数オフセットに少なくとも一部分基づいて前記アクセスポイントに対する周波数オフセットを決定するステップを更に備えた、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記初期タイミングオフセットは、公称タイミング値に少なくとも一部分基づいて決定される、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記公称タイミング値は、以前の通信事象の間に決定された以前のタイミングオフセットに基づく、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記初期タイミングオフセットは、受信したプリアンブルの少なくとも一部分に基づいて決定される、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
通信システムで通信するためのタグにおいて、
受信器と、
前記受信器に作動的に結合されたプロセッサであって、
前記タグが第1の時間にスリープ状態から目覚め状態に入るようにさせ、前記第1の時間は、通信事象より所定の期間だけ前に発生し、更に、その所定の期間は、アクセスポイントのタイミングを決定するためのワーストケース決定期間以上であり、
前記所定の期間中に前記アクセスポイントの初期タイミングを決定し、
前記初期タイミングが決定されると、前記タグが前記所定の期間の残り部分に対してスリープ状態に入るようにさせ、
通信事象に対して前記タグが目覚め状態に入るようにさせ、
通信事象の間に使用するために前記アクセスポイントのタイミングを、前記初期タイミングに少なくとも一部分基づいて決定する、
ように構成されたプロセッサと、
を備えたタグ。
【請求項29】
前記受信器は、前記初期タイミングの決定に使用するために前記アクセスポイントからプリアンブルを受け取るように構成される、請求項28に記載のタグ。
【請求項30】
前記通信事象は、受信事象を含む、請求項28に記載のタグ。
【請求項31】
スロットの始めに通信事象に対して前記目覚め状態に入る、請求項28に記載のタグ。
【請求項32】
前記プロセッサは、更に、
前記初期タイミングを決定するための初期サーチを行い、
前記初期サーチが前記初期タイミングを識別しない場合に、前記初期タイミングを識別するための拡張サーチを行う、
ように構成された請求項28に記載のタグ。
【請求項33】
前記初期サーチは、公称タイミング値を中心とする、請求項32に記載のタグ。
【請求項34】
前記公称タイミング値は、以前の通信事象からのタイミング情報に少なくとも一部分基づく、請求項33に記載のタグ。
【請求項35】
プロセッサにより実行されたときに、タグが、
第1の時間にスリープ状態から目覚め状態に入り、前記第1の時間は、通信事象より所定の期間だけ前に生じ、更に、前記所定の期間は、アクセスポイントに対するタイミングオフセットを決定するためのワーストケース決定期間以上のものであり、
前記所定の期間中にアクセスポイントに対する初期タイミングオフセットを決定し、
前記初期タイミングオフセットが決定されると、前記所定の期間の残り部分中にスリープ状態に入り、
通信事象に対して目覚め状態に入り、
前記通信事象の間に使用するための前記アクセスポイントに対するタイミングオフセットを前記初期タイミングオフセットに少なくとも一部分基づいて決定する、
ようにさせるコンピュータ読み取り可能なインストラクションが記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項36】
前記ワーストケース決定期間は、前記タグのワーストケースドリフトに少なくとも一部分基づく、請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項37】
前記所定の期間は、アクセスポイントに対する周波数オフセットを決定するために第2のワーストケース決定時間以上でもある、請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項38】
前記コンピュータ読み取り可能なインストラクションは、更に、前記タグが、前記所定の期間中にアクセスポイントに対する初期周波数オフセットを決定するようにさせ、前記初期周波数オフセット及び初期タイミングオフセットが決定されると、前記所定の期間の残り部分に対してスリープ状態に入る、請求項37に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項39】
前記コンピュータ読み取り可能なインストラクションは、更に、前記タグが、前記初期周波数オフセットに少なくとも一部分基づいてアクセスポイントに対する周波数オフセットを決定するようにさせる、請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項40】
前記コンピュータ読み取り可能なインストラクションは、更に、前記タグが、
初期タイミングオフセットを決定するために初期サーチを行い、
前記初期サーチが初期タイミングオフセットを識別しない場合には、初期タイミングオフセットを識別するために拡張サーチを行う、
ようにさせる請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項41】
通信ネットワーク内の通信装置の位置を決定する方法において、
第1の時間にレンジング要求信号を送信するステップであって、前記レンジング要求信号は、第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、前記レンジング要求信号は、第1のランダムタイミングオフセットを有するものであるステップと、
第2の時間にレンジング応答信号を受信するステップであって、前記レンジング応答信号は、第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、前記レンジング応答信号は、第2のランダムタイミングオフセットを有するものであるステップと、
前記第1の時間及び第2の時間に基づいて伝播遅延を計算するステップと、
を備えた方法。
【請求項42】
前記レンジング応答信号は、更に、前記第2の時間の前になされる送信にランダム遅延の通知を含み、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間、及び受け取られたランダム遅延に基づいて計算される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記レンジング応答信号は、更に、前記第2の時間の前になされる送信に擬似ランダム遅延の通知を含み、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間、及び受け取られた擬似ランダム遅延に基づいて計算される、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記レンジング要求信号は、前記第1の時間に送信され、その送信は、所定値だけ遅延され、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間及び所定値に基づいて計算される、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記レンジング要求信号は、前記第1の時間に送信され、その送信は、ランダム値だけ遅延され、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間及びランダム値に基づいて計算される、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記レンジング要求信号は、受信装置のスロットに対応する所定の時間インターバルでのみ送信される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記伝播遅延の計算は、リモート装置で行われる、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記レンジング要求信号は、受信装置のスロットに対応する所定の時間インターバルでのみ送信される、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードは、前記第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードと同じである、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
通信ネットワーク内の通信装置の位置を決定する方法において、
第1の時間にレンジング要求信号を受信するステップであって、前記レンジング要求信号は、所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、前記レンジング要求信号は、ランダムタイミングオフセットを有するものであるステップと、
第2の時間にレンジング応答信号を送信するステップであって、前記レンジング応答信号は、第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、前記レンジング応答信号は、第2のランダムタイミングオフセットを有するものであるステップと、
を備えた方法。
【請求項51】
前記レンジング応答信号の送信は、ランダム遅延だけ遅延され、その送信は、ランダム遅延の通知を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードは、前記第1の所定の擬似ノイズ(PN)ノードと同じである、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
通信装置の位置を決定する装置において、
第1の時間にレンジング要求信号を送信するように構成された送信器であって、前記レンジング要求信号は、第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、前記レンジング要求信号は、第1のランダムタイミングオフセットを有するものである送信器と、
第2の時間にレンジング応答信号を受信するように構成された受信器であって、前記レンジング応答信号は、第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、前記レンジング応答信号は、第2のランダムタイミングオフセットを有するものである受信器と、
前記送信器及び受信器に結合され、前記レンジング要求信号の送信をトリガーし、前記レンジング応答信号の受信を待機し、且つ前記第1の時間及び第2の時間に基づいて伝播遅延を計算するように動作できるコントローラと、
を備えた装置。
【請求項54】
前記レンジング応答信号は、更に、前記第2の時間になされる送信にランダム遅延の通知を含み、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間、及びランダム遅延に基づいて計算される、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記レンジング応答信号は、更に、前記第2の時間になされる送信に擬似ランダム遅延の通知を含み、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間、及び擬似ランダム遅延に基づいて計算される、請求項53に記載の装置。
【請求項56】
前記レンジング要求信号は、前記第1の時間に送信され、その送信は、所定値だけ遅延され、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間及び所定値に基づいて計算される、請求項53に記載の装置。
【請求項57】
前記レンジング要求信号は、前記第1の時間に送信され、その送信は、ランダム値だけ遅延され、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間及びランダム値に基づいて計算される、請求項53に記載の装置。
【請求項58】
前記伝播遅延の計算は、リモート装置で行われる、請求項53に記載の装置。
【請求項59】
前記レンジング要求信号は、受信装置のスロットに対応する所定の時間インターバルでのみ送信される、請求項53に記載の装置。
【請求項60】
前記第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードは、前記第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードと同じである、請求項53に記載の装置。
【請求項1】
マルチアクセス通信ネットワークを通して通信するための方法において、
第1の装置から第1の信号を受信するステップであって、前記第1の信号は、第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、前記第1の信号は、第1のランダムタイミングオフセットを有し、更に、前記第1の信号は、第1のペイロードデータを含むものであるステップと、
前記マルチアクセス通信ネットワークの第1の特性に基づいて前記第1のペイロードデータのための第1の行先を選択するステップと、
前記第1のペイロードデータを前記選択された第1の行先へ送信するステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
第2の装置から第2の信号を受信するステップであって、前記第2の信号は、第2の所定のPNコードを使用して拡散され、前記第2の信号は、第2のランダムタイミングオフセットを有し、更に、前記第2の信号は、第2のペイロードデータを含むものであるステップと、
前記マルチアクセス通信ネットワークの第2の特性に基づいて前記第2のペイロードデータのための第2の行先を選択するステップと、
を更に備えた請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の行先及び第2の行先が同じであるかどうか決定するステップと、
前記第1の行先及び第2の行先が同じである場合には前記第2のペイロードデータを前記第1のペイロードデータと共に前記選択された第1の行先へ送信するステップと、
を更に備えた請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記マルチアクセス通信ネットワークの第1の特性は、装置に指定されたシード値である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1のシード値を含むブロードキャストチャンネルを経て第1の通信信号を受信するステップと、
前記受信された第1の通信信号に基づき第2のシード値を選択するステップと、
を更に備えた請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のシード値に基づき装置に関連付ける要求を通信するステップを更に備えた、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記受信した第1の通信信号の電力測定に基づき装置に関連付ける要求を通信するステップを更に備えた、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
関連付けられた装置からの送信を受信するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記受信した送信に基づいてタイミングを決定するステップを更に備えた、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記受信した送信に基づいて送信電力レベルを決定するステップを更に備えた、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
1つ以上の逸したメッセージに基づいて第2の装置に関連付ける要求を通信するステップを更に備えた、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
選択された第2のシード値をもつブロードキャストチャンネルを経て第2の通信信号を送信するステップを更に備えた、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
隣接する装置がピアとして通信に参加することを許すブロードキャストチャンネルメッセージを送信するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の所定のPNコードは、前記第1の所定のPNコードと同じである、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記受信した通信信号からフレームタイミング又は周波数ドリフトを決定するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記マルチアクセス通信ネットワークは、メッシュネットワークを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記メッシュネットワークは、IEEE802.11規格セットに基づく、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
マルチアクセス通信ネットワークを通して通信するための装置において、
第1の装置から第1の信号を受信するように構成された受信器であって、前記第1の信号は、第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、前記第1の信号は、第1のランダムタイミングオフセットを有し、更に、前記第1の信号は、第1のペイロードデータを含むものである受信器と、
送信器と、
前記受信器及び送信器に電気的に結合されて、前記受信器での第1の信号の受信を指令し、前記マルチアクセス通信ネットワークの特性に基づいて1つ以上の装置から前記第1のペイロードデータのための第1の行先を選択し、且つ前記送信器での前記第1の行先への前記第1のペイロードデータの送信を指令するように動作できるコントローラと、
を備えた装置。
【請求項19】
前記マルチアクセス通信ネットワークの特性は、装置に指定されたシード値である、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記コントローラは、更に、第1のシード値を含む通信ネットワークのブロードキャストチャンネルを経て第1の通信信号の受信を指令し、その受信された第1の通信信号に基づいて第2のシード値を選択し、且つその選択された第2のシード値をもつ通信ネットワークのブロードキャストチャンネルを経て第2の通信信号の送信を指令するように動作できる、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
通信システムのリソースを保存するための方法において、
第1の時間にスリープ状態から目覚め状態に入るステップであって、前記第1の時間は、通信事象より所定の期間だけ前に生じ、更に、前記所定の期間は、アクセスポイントに対するタイミングオフセットを決定するためのワーストケース決定期間以上のものであるステップと、
前記所定の期間中に前記アクセスポイントに対する初期タイミングオフセットを決定するステップと、
前記初期タイミングオフセットが決定されると、前記所定の期間の残り部分中にスリープ状態に入るステップと、
通信事象に対して目覚め状態に入るステップと、
前記初期タイミングオフセットに少なくとも一部分基づいて前記アクセスポイントに対するタイミングオフセットを決定するステップと、
を備えた方法。
【請求項22】
前記所定の期間は、前記アクセスポイントに対する周波数オフセットを決定するための第2のワーストケース決定時間以上でもある、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記所定の期間中に前記アクセスポイントに対する初期周波数オフセットを決定するステップを更に備え、前記初期周波数オフセット及び初期タイミングオフセットが決定されると、前記所定の期間の残り部分に対しスリープ状態に入る、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記初期周波数オフセットに少なくとも一部分基づいて前記アクセスポイントに対する周波数オフセットを決定するステップを更に備えた、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記初期タイミングオフセットは、公称タイミング値に少なくとも一部分基づいて決定される、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記公称タイミング値は、以前の通信事象の間に決定された以前のタイミングオフセットに基づく、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記初期タイミングオフセットは、受信したプリアンブルの少なくとも一部分に基づいて決定される、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
通信システムで通信するためのタグにおいて、
受信器と、
前記受信器に作動的に結合されたプロセッサであって、
前記タグが第1の時間にスリープ状態から目覚め状態に入るようにさせ、前記第1の時間は、通信事象より所定の期間だけ前に発生し、更に、その所定の期間は、アクセスポイントのタイミングを決定するためのワーストケース決定期間以上であり、
前記所定の期間中に前記アクセスポイントの初期タイミングを決定し、
前記初期タイミングが決定されると、前記タグが前記所定の期間の残り部分に対してスリープ状態に入るようにさせ、
通信事象に対して前記タグが目覚め状態に入るようにさせ、
通信事象の間に使用するために前記アクセスポイントのタイミングを、前記初期タイミングに少なくとも一部分基づいて決定する、
ように構成されたプロセッサと、
を備えたタグ。
【請求項29】
前記受信器は、前記初期タイミングの決定に使用するために前記アクセスポイントからプリアンブルを受け取るように構成される、請求項28に記載のタグ。
【請求項30】
前記通信事象は、受信事象を含む、請求項28に記載のタグ。
【請求項31】
スロットの始めに通信事象に対して前記目覚め状態に入る、請求項28に記載のタグ。
【請求項32】
前記プロセッサは、更に、
前記初期タイミングを決定するための初期サーチを行い、
前記初期サーチが前記初期タイミングを識別しない場合に、前記初期タイミングを識別するための拡張サーチを行う、
ように構成された請求項28に記載のタグ。
【請求項33】
前記初期サーチは、公称タイミング値を中心とする、請求項32に記載のタグ。
【請求項34】
前記公称タイミング値は、以前の通信事象からのタイミング情報に少なくとも一部分基づく、請求項33に記載のタグ。
【請求項35】
プロセッサにより実行されたときに、タグが、
第1の時間にスリープ状態から目覚め状態に入り、前記第1の時間は、通信事象より所定の期間だけ前に生じ、更に、前記所定の期間は、アクセスポイントに対するタイミングオフセットを決定するためのワーストケース決定期間以上のものであり、
前記所定の期間中にアクセスポイントに対する初期タイミングオフセットを決定し、
前記初期タイミングオフセットが決定されると、前記所定の期間の残り部分中にスリープ状態に入り、
通信事象に対して目覚め状態に入り、
前記通信事象の間に使用するための前記アクセスポイントに対するタイミングオフセットを前記初期タイミングオフセットに少なくとも一部分基づいて決定する、
ようにさせるコンピュータ読み取り可能なインストラクションが記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項36】
前記ワーストケース決定期間は、前記タグのワーストケースドリフトに少なくとも一部分基づく、請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項37】
前記所定の期間は、アクセスポイントに対する周波数オフセットを決定するために第2のワーストケース決定時間以上でもある、請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項38】
前記コンピュータ読み取り可能なインストラクションは、更に、前記タグが、前記所定の期間中にアクセスポイントに対する初期周波数オフセットを決定するようにさせ、前記初期周波数オフセット及び初期タイミングオフセットが決定されると、前記所定の期間の残り部分に対してスリープ状態に入る、請求項37に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項39】
前記コンピュータ読み取り可能なインストラクションは、更に、前記タグが、前記初期周波数オフセットに少なくとも一部分基づいてアクセスポイントに対する周波数オフセットを決定するようにさせる、請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項40】
前記コンピュータ読み取り可能なインストラクションは、更に、前記タグが、
初期タイミングオフセットを決定するために初期サーチを行い、
前記初期サーチが初期タイミングオフセットを識別しない場合には、初期タイミングオフセットを識別するために拡張サーチを行う、
ようにさせる請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項41】
通信ネットワーク内の通信装置の位置を決定する方法において、
第1の時間にレンジング要求信号を送信するステップであって、前記レンジング要求信号は、第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、前記レンジング要求信号は、第1のランダムタイミングオフセットを有するものであるステップと、
第2の時間にレンジング応答信号を受信するステップであって、前記レンジング応答信号は、第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、前記レンジング応答信号は、第2のランダムタイミングオフセットを有するものであるステップと、
前記第1の時間及び第2の時間に基づいて伝播遅延を計算するステップと、
を備えた方法。
【請求項42】
前記レンジング応答信号は、更に、前記第2の時間の前になされる送信にランダム遅延の通知を含み、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間、及び受け取られたランダム遅延に基づいて計算される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記レンジング応答信号は、更に、前記第2の時間の前になされる送信に擬似ランダム遅延の通知を含み、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間、及び受け取られた擬似ランダム遅延に基づいて計算される、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記レンジング要求信号は、前記第1の時間に送信され、その送信は、所定値だけ遅延され、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間及び所定値に基づいて計算される、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記レンジング要求信号は、前記第1の時間に送信され、その送信は、ランダム値だけ遅延され、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間及びランダム値に基づいて計算される、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記レンジング要求信号は、受信装置のスロットに対応する所定の時間インターバルでのみ送信される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記伝播遅延の計算は、リモート装置で行われる、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記レンジング要求信号は、受信装置のスロットに対応する所定の時間インターバルでのみ送信される、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードは、前記第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードと同じである、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
通信ネットワーク内の通信装置の位置を決定する方法において、
第1の時間にレンジング要求信号を受信するステップであって、前記レンジング要求信号は、所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、前記レンジング要求信号は、ランダムタイミングオフセットを有するものであるステップと、
第2の時間にレンジング応答信号を送信するステップであって、前記レンジング応答信号は、第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、前記レンジング応答信号は、第2のランダムタイミングオフセットを有するものであるステップと、
を備えた方法。
【請求項51】
前記レンジング応答信号の送信は、ランダム遅延だけ遅延され、その送信は、ランダム遅延の通知を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードは、前記第1の所定の擬似ノイズ(PN)ノードと同じである、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
通信装置の位置を決定する装置において、
第1の時間にレンジング要求信号を送信するように構成された送信器であって、前記レンジング要求信号は、第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、前記レンジング要求信号は、第1のランダムタイミングオフセットを有するものである送信器と、
第2の時間にレンジング応答信号を受信するように構成された受信器であって、前記レンジング応答信号は、第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードを使用して拡散され、更に、前記レンジング応答信号は、第2のランダムタイミングオフセットを有するものである受信器と、
前記送信器及び受信器に結合され、前記レンジング要求信号の送信をトリガーし、前記レンジング応答信号の受信を待機し、且つ前記第1の時間及び第2の時間に基づいて伝播遅延を計算するように動作できるコントローラと、
を備えた装置。
【請求項54】
前記レンジング応答信号は、更に、前記第2の時間になされる送信にランダム遅延の通知を含み、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間、及びランダム遅延に基づいて計算される、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記レンジング応答信号は、更に、前記第2の時間になされる送信に擬似ランダム遅延の通知を含み、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間、及び擬似ランダム遅延に基づいて計算される、請求項53に記載の装置。
【請求項56】
前記レンジング要求信号は、前記第1の時間に送信され、その送信は、所定値だけ遅延され、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間及び所定値に基づいて計算される、請求項53に記載の装置。
【請求項57】
前記レンジング要求信号は、前記第1の時間に送信され、その送信は、ランダム値だけ遅延され、
前記伝播遅延は、前記第1の時間、第2の時間及びランダム値に基づいて計算される、請求項53に記載の装置。
【請求項58】
前記伝播遅延の計算は、リモート装置で行われる、請求項53に記載の装置。
【請求項59】
前記レンジング要求信号は、受信装置のスロットに対応する所定の時間インターバルでのみ送信される、請求項53に記載の装置。
【請求項60】
前記第2の所定の擬似ノイズ(PN)コードは、前記第1の所定の擬似ノイズ(PN)コードと同じである、請求項53に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2011−519501(P2011−519501A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500871(P2011−500871)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/036766
【国際公開番号】WO2009/117290
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(510248578)オン−ランプ ワイアレス インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/036766
【国際公開番号】WO2009/117290
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(510248578)オン−ランプ ワイアレス インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】
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