説明

メッセージ転送方法及びネットワークノード

【課題】通信ネットワークにおけるメッセージの転送の信頼性及びリアルタイムを向上させるための技術を提供すること。
【解決手段】本発明は、メッセージ転送方法、システム及びネットワークノードを提供する。当該方法は、送信ノードが、転送タイプ情報及び一意識別子情報を搬送するメッセージヘッダーを有するメッセージを、送信ノードのすべての出力インターフェースから目的ノードに向けて、コピー方式で送信するステップ(101)と、目的ノードが、受信されたメッセージのメッセージヘッダーの解析を行い、転送タイプ情報に応じて前記メッセージがコピー方式で送信されたメッセージであると判定した後、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断し、前記メッセージが最初に受信されたメッセージである場合、前記メッセージの一意識別子情報を記録するステップ(102)とを含む。本発明は複数の出力インターフェースからシグナリングメッセージのコピーを送信することで、メッセージ、特にある重要なシグナリングメッセージ転送の信頼性及び迅速性を向上させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信ネットワーク技術分野に関し、特にメッセージ転送方法及びネットワークノードに関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークでは、シグナリングメッセージの確実な転送及び正確な処理は、通信ネットワークの正常作動を保証するための前提条件である。シグナリングメッセージが確実に転送できずに、メッセージパケットロスが発生すると、関連ネットワーク動作の異常を招く可能性がある。例えば、波長分割多重化(Wavelength−Division Multiplexing:WDM)システムでは、一般的に、制御シグナルチャネルとして、光学監視チャネル(Optical Supervision Channel:OSC)が用いられ、また、一般的な場合、OSC波長及びサービス波長は、共に光ファイバー内で多重化されて転送が行われる。このため、例えばファイバー破断などで光ファイバーが故障すると、サービスが中断する上に、シグナルチャネル、即ちOSCも故障してしまい、さらに、シグナリングメッセージの転送の失敗を招く可能性がある。
【0003】
現在、通信の信頼性を向上させるために、コンファメーション及びタイムアウト再送のメカニズムが用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タイムアウト再送メカニズムの1つの欠点は、パケットがロスした場合に、重要なシグナリングメッセージを目的ノードに迅速に転送することができず、これにより、時間遅延が発生する可能性があり、また、シグナルが時間内に到達することができず、通信の失敗が引き起こされる可能性もある、という点である。このため、重要なシグナリングメッセージの確実な転送及び正確な処理を保証するために、通信ネットワークにおけるメッセージ(特にシグナリングメッセージ)の転送の信頼性及び迅速性を向上させるための、迅速かつ確実なメッセージ転送方法及びネットワークノードが必要とされている。
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、通信ネットワークにおけるメッセージ(特にいくつかの重要なシグナリングメッセージ)の転送の信頼性及びリアルタイムを向上させるためのメッセージ転送方法及びネットワークノードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、メッセージ転送方法を提供する。
このメッセージ転送方法は、
送信ノードが、転送タイプ情報及び一意識別子情報を搬送するメッセージヘッダーを有するメッセージを、送信ノードのすべての出力インターフェースから目的ノードに向けて、コピー方式で送信するステップと、
目的ノードが、受信されたメッセージのメッセージヘッダーの解析を行い、転送タイプ情報に応じて前記メッセージがコピー方式で送信されたメッセージであると判定した後、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断し、前記メッセージが最初に受信されたメッセージである場合、前記メッセージの一意識別子情報を記録するステップとを含む。
【0007】
前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断するステップの後、前記方法は、
前記メッセージが最初に受信されたメッセージではない場合、最初に受信されたメッセージと同じ一意識別子情報を含むメッセージを破棄することを更に含んでいてもよい。
【0008】
前記メッセージは、シグナリングメッセージ又はデータメッセージであってもよい。
【0009】
メッセージヘッダーが追加されたメッセージを、送信ノードのすべての出力インターフェースから目的ノードに向けて、コピー方式で送信するステップの後、前記方法は、
送信ノードと目的ノードとの間の各経路における各中間ノードが、前のホップノードから受信されたメッセージを次のホップノードに転送することを更に含んでいてもよい。
【0010】
前記一意識別子情報は、
メッセージ番号、アドレス識別子及びネットワーク時間を含み、
前記一意識別子情報は、
現在のネットワーク時間で送信ノードによって送信されたメッセージを一意に識別することに用いられてもよい。
【0011】
目的ノードが受信されたメッセージのメッセージヘッダーの解析を行うステップは、
目的ノードが、前記ネットワーク時間と、目的ノードの現在のネットワーク時間との時間間隔が所定の時間間隔内にあるかどうかを判断し、前記所定時間間隔内にある場合、前記メッセージのタイプを判定し、前記所定時間間隔内にない場合、メッセージを破棄してもよい。
【0012】
最初に受信されたメッセージの一意識別子情報を記録するステップは、グローバルデータ構造を用いて前記一意識別子情報を記録し、及び
前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断するステップは、
目的ノードが、前記グローバルデータ構造内を検索して、前記メッセージの一意識別子情報が既に記録されているかどうかを判断し、一意識別子情報が見つからなかった場合、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであると判断し、一意識別子情報が見つかった場合、前記メッセージが最初に受信されたメッセージではないと判断することを含んでいてもよい。
【0013】
目的ノードは、前記グローバルデータ構造において記録メッセージの一意識別子情報の各項目のエイジング度を定期的に判断し、エイジングタイムが閾値を超える項目を削除してもよい。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は、さらに、シグナリングメッセージ転送を実現するためのシステムを提供する。
このシステムは、
転送タイプ情報及び一意識別子情報を搬送するメッセージヘッダーを有するメッセージを、送信ノードのすべての出力インターフェースから目的ノードに向けて、シグナリングメッセージコピー方式で送信する送信ノードと、
受信されたシグナリングメッセージのメッセージヘッダーの解析を行い、転送タイプ情報に応じてそのメッセージタイプがシグナリングメッセージコピーであると判定した後、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断し、前記メッセージが最初に受信されたメッセージである場合、最初に受信されたシグナリングメッセージコピーのメッセージヘッダーにおける一意識別子情報を記録し、最初に受信されたメッセージと同じ一意識別子情報を含む、後続のシグナリングメッセージコピーを破棄する目的ノードとを含む。
【0015】
上記課題を解決するため、本発明は、さらに、メッセージ転送を実現するためのネットワークノードを提供する。
このネットワークノードは、
前記ネットワークノードを送信ノードとする場合に、転送タイプ情報及び一意識別子情報を搬送するメッセージヘッダーを送信待ちのメッセージに追加し、メッセージヘッダーを追加したメッセージを、送信ノードのすべての出力インターフェースから目的ノードに向けて、コピー方式で送信する送信モジュールと、
前記ネットワークノードを目的ノードとする場合に、受信されたメッセージのメッセージヘッダーの解析を行い、転送タイプ情報に応じて前記メッセージがコピー方式で送信されたメッセージであると判定した後、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断し、メッセージが最初に受信されたメッセージである場合、前記メッセージの一意識別子情報を記録する受信モジュールとを含む。
【0016】
前記ネットワークノードは、さらに、
前記ネットワークノードを中間ノードとする場合に、受信された前のホップノードから受信されたシグナリングメッセージを次のホップノードに転送する転送モジュールを含んでいてもよい。
【0017】
前記受信モジュールは、さらに、
最初に受信されたメッセージではないと判断した場合、最初に受信されたメッセージと同じ一意識別子情報を含むメッセージを破棄してもよい。
【0018】
前記一意識別子情報は、
メッセージ番号、アドレス識別子及びネットワーク時間を含み、
前記一意識別子情報は、
現在のネットワーク時間で送信ノードによって送信されたメッセージを一意識別することに用いられ、及び
前記受信モジュールは、
前記ネットワーク時間と、目的ノードの現在のネットワーク時間との時間間隔が所定時間内にあるかを判断して、前記所定時間間隔内にある場合、処理を続け、前記所定時間間隔内にない場合、メッセージを破棄する方式に従って、受信されたメッセージのメッセージヘッダーの解析を行ってもよい。
【0019】
前記受信モジュールは、
グローバルデータ構造を用いて前記一意識別子情報を記録する方式に従って、最初に受信されたメッセージの一意識別子情報を記録し、及び
前記受信モジュールは、
前記グローバルデータ構造内を検索して、前記メッセージの一意識別子情報が既に記録されているかどうかを判断し、一意識別子情報が見からなかった場合、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであると判断し、一意識別子情報が見つかった場合、前記メッセージが最初に受信されたメッセージではないと判断する方式に従って、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断してもよい。
【0020】
前記受信モジュールは、
前記グローバルデータ構造において記録メッセージの一意識別子情報の各項目のエイジング度を定期的に判断し、エイジングタイムが閾値を超える項目を削除してもよい。
【0021】
本発明におけるシグナリングメッセージ転送方法及びシステムは、以下のような特徴を有する。すなわち、比較的に重要なシグナリングメッセージを転送する場合に、該シグナリングメッセージに対して、一意識別子を含むメッセージヘッダーを追加してカプセル化した後、該シグナリングメッセージのコピーを、送信ノードのすべての(可能な)シグナリングメッセージ出力インターフェースから送信する。そして、該シグナリングメッセージは、各ホップノードによって、正常な転送が継続される。このシグナリングメッセージのコピーが目的ノードに到達したとき、目的ノードは、受信されたメッセージが最初に到達したシグナリングメッセージであるか、あるいは、既に受信されたものと重複するコピーであるかを識別する必要がある。メッセージが最初に受信されたメッセージでである場合、目的ノードは、メッセージを受け入れ、最初に受信されたメッセージでない場合、メッセージを破棄する。本発明は、複数の出力インターフェースからシグナリングメッセージのコピーを送信することで、重要なシグナリングメッセージの転送の信頼性及び迅速性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のシグナル転送方法のフローチャートである。
【図2】本発明において送信待ちシグナリングメッセージのコピーをカプセル化するためのメッセージヘッダーフォーマットである。
【図3】本発明のシグナル転送を実現するためのネットワークシステム模式図である。
【図4】本発明の具体的な実施形態における、3つのノード相互接続のネットワークにおいて、シグナルチャネルが正常である場合のシグナル転送プロセス模式図である。
【図5】本発明の第1実施形態において、シグナリングメッセージのコピーがカプセル化された後の具体的なメッセージフォーマットである。
【図6】本発明の具体的な実施形態における、3つのノード相互接続のネットワークにおいて、ノードAとノードBとの間のシグナルリンクが故障した場合のシグナル転送プロセス模式図である。
【図7】本発明の第2実施形態においてシグナリングメッセージのコピーがカプセル化された後の具体的なメッセージフォームである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、技術案及び利点を更に明らかにするために、以下、図面を参照しながら、本発明を更に詳しく説明する。
【0024】
本発明のメッセージ転送方法及びネットワークノードは、以下のような特徴を有する。すなわち、メッセージを転送する場合に、該メッセージに一意識別子を含むメッセージヘッダーを追加し、メッセージヘッダーを追加したメッセージを、送信ノードのすべての(可能な)シグナリングメッセージ出力インターフェースから、目的ノードに向けて送信する。
【0025】
即ち、ステップ101: 送信ノードは、転送タイプ情報及び一意識別子情報を搬送するメッセージヘッダーを有するメッセージを、送信ノードのすべての出力インターフェースから目的ノードに向けて、コピー方式で送信する。
【0026】
また、このメッセージヘッダーを追加したメッセージが目的ノードに到達した場合に、目的ノードは、受信されたメッセージが最初に到達したメッセージであるかどうかを識別する必要がある。受信されたメッセージが最初に到達したメッセージである場合、目的ノードは、そのメッセージを受け入れ、最初に到達したメッセージではない場合、受信されたメッセージを直接破棄するか、または、その他の処理を実行する。
【0027】
即ち、ステップ102: 目的ノードは、受信されたメッセージのメッセージヘッダーの解析を行い、転送タイプ情報に応じてメッセージがコピー方式で送信されたメッセージであると判定した後、メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断し、メッセージが最初に受信されたメッセージである場合、メッセージの一意識別子情報を記録する。
【0028】
本発明は、複数の出力インターフェースから目的ノードにメッセージを送信することで、メッセージの転送の信頼性及び迅速性を向上させることができる。
【0029】
該メッセージは、重要なシグナリングメッセージでもよく、その他のデータメッセージでもよい。
【0030】
図1には、上記した考え方に基づく、本発明の実施形態に係るシグナリングメッセージの転送方法が示されている。本実施形態では、処理されるメッセージとして、シグナリングメッセージを例として挙げ、また、その他のデータメッセージの処理方式は、シグナリングメッセージの処理方式と同一であるとして説明する。この方法は、以下のステップを含む。
【0031】
ステップ1: 送信ノードは、転送タイプ情報及び一意識別子情報を搬送するメッセージヘッダーを送信待ちのシグナリングメッセージに追加する。また、送信ノードは、送信待ちのシグナリングメッセージをカプセル化し、カプセル化されたシグナリングメッセージを、すべての出力インターフェースから目的ノードに送信する。
【0032】
ステップ2:目的ノードは、受信されたシグナリングメッセージのメッセージヘッダーの解析を行い、転送タイプ情報に応じてメッセージタイプがシグナリングメッセージであると判定した後、最初に受信されたシグナリングメッセージのメッセージヘッダーにおける一意識別子情報を記録する。また、目的ノードは、メッセージヘッダーが取り除かれたシグナリングメッセージに対して処理を行い、最初に受信されたシグナリングメッセージと同じ一意識別子情報を含む、これよりも後に受信されたシグナリングメッセージのコピーを破棄する。
【0033】
ここで、前記メッセージヘッダーが取り除かれたシグナリングメッセージに対する処理は、具体的には、前記メッセージヘッダーが加えられていない状態でカプセル化された通常のシグナリングメッセージを処理するための既存の処理方式で行なわれる。ここで、種々のシグナリングメッセージ応じた種々の処理方式が存在するが、このような各種のシグナリングメッセージの処理方式は、本分野の技術者に熟知されているため、ここで詳しく説明しない。
【0034】
更に、送信ノードと目的ノードとの間の複数本の経路には、通常、複数の中間ノードが存在する。従って、前記方法は、中間ノードが、送信ノード又は前のホップノードから受信されたシグナリングメッセージコピーを、次のホップノード又は目的ノードに転送するステップを更に含む。
【0035】
更に具体的には、ステップS1において、送信待ちシグナリングメッセージのカプセル化及び送信を行うときの具体的な処理プロセスは、以下のとおりである。
【0036】
A1: シグナリングメッセージ送信ノードが重要なシグナリングメッセージを送信すると判断した場合、送信ノードは、まず、他のコピーや、他の通常メッセージから区別するために必要なメッセージヘッダーが加えられたメッセージに対して、再びカプセル化を行う。例えば、図2に示すような、送信待ちのシグナリングメッセージのコピーをカプセル化するためのメッセージヘッダーフォーマットが加えられてもよい。
【0037】
図2は、送信待ちのシグナリングメッセージのコピーをカプセル化するためのメッセージヘッダーフォーマットである。図2中、"copy send"(コピー送信)は、該メッセージがどのようなコピー方式で送信されるかを示しており、即ち、"copy send"は、該メッセージのタイプ情報を識別することに用いられる。該メッセージは、通常のシグナリングメッセージであるか、または、コピー方式で送信されるシグナリングメッセージである。"message identifier−num"(メッセージ番号)、"message identifier−snd node"(ネットワークアドレス)及び"message identifier−time stamp"(ネットワーク時間)は、組み合わされて、該シグナリングメッセージを一意に識別するグローバルユニークナンバーを示すことに用いられる。"message identifier− num"は、送信ノードが既に送信したメッセージの番号を示す(例えば、メッセージは、1、2、…などのように番号付けることができる)。"message identifier−snd node"は、該メッセージを送信したファーストノードの識別子を示しており、即ち、"message identifier−snd node"は、具体的には、送信ノードのネットワークアドレスである。"message identifier−time stamp"は、送信ノードの現在送信のネットワーク時間を示し、これは、ミリ秒を単位とする。ネットワーク時間のメンテナンスについては、後に詳述する。
【0038】
そして、シグナリングメッセージが送信される場合、送信ノードは、底層転送モジュールに通知して、コピー式の送信メッセージヘッダーを持つシグナリングメッセージを、該送信ノードのすべての(可能な)出力インターフェースから送信する。前記通知方式は、送信ノードの送信プロセスにおいて送信オプションを設定して行ってもよく、既存技術におけるその他の通知方式で実現しもよい。更に、本発明のキーポイントは、送信ノードにおいてすべての出力インターフェースに同じシグナリングメッセージを送信することにあるため、トランスポート転送層を拡張してこの機能を実現してもよい。該シグナリングメッセージを送信するとき、このノードのすべての(可能な)出力インターフェースにこのシグナリングメッセージを送信する必要がある底層転送モジュール(例えばIP)に通知するために、送信ソケットインターフェースのオプションが追加されてもよい。
【0039】
A2: 中間ノードは、該シグナリングメッセージを受信した場合に、通常のシグナル転送フローに従って、該シグナリングメッセージを処理する。
【0040】
ステップS2における、受信されたシグナリングメッセージの解析及び処理の具体的な処理プロセスは、以下のとおりである。
【0041】
A3: 目的ノードが該シグナリングメッセージを受信した場合、目的ノードは、受信プロセスにおいて、まず、前記シグナリングメッセージのメッセージヘッダーを解析し、該メッセージがコピー方式で送信されていると認識した場合、以下のフローに従って処理を行う。
【0042】
A3.1: まず、受信プロセスでは、目的ノードは、該シグナリングメッセージのメッセージヘッダーに記録された"message identifier−time stamp"と、受信ノードに記録されている現在のネットワーク時間とを比較し、その2つの時間の時間間隔が所定の時間間隔Tmax内にある場合、処理を続け、時間間隔Tmaxを超える場合、該メッセージを破棄する。
【0043】
前記所定時間間隔Tmaxの大きさは、各ネットワーク要素のネットワーク時間の誤差や、ネットワーク内におけるルートグルーピングの最大生存時間などの要因を考慮して決定する必要がある。メッセージヘッダーにおける"message identifier−time stamp"(ネットワーク時間)は、ミリ秒を単位としており、また、おおよそ49日の期間を表示することができるので、ネットワーク要素間の時間の差があまり大きくなく、かつ、Tmaxパラメーターを合理に設定すれば、既存のネットワーク時間同期メカニズムでは十分であり、既存の時間同期手段を用いて同期を行うことができる。
【0044】
A3.2: 受信プロセスでは、目的ノードは、既に受信された、コピー方式で送信されたメッセージを記憶するために用いられるグローバルデータ構造「g_RcvdCpySndPkt」内を検索して、該メッセージのコピーを既に受信しているかどうかを判断し、メッセージのコピーが見つかった場合、現在において受信されたメッセージの該コピーを破棄する。一方、メッセージのコピーが見つからなかった場合、目的ノードは、コピー方式で送信されたデータのコピーを示すために、「g_RcvdCpySndPkt」に1つの項目を追加し、その後、このシグナリングメッセージの処理プロセスに従って、処理を行う。
【0045】
既に受信された、コピー方式で送信されたメッセージを記憶するために用いられるデータ構造「g_RcvdCpySndPkt」は、更に、定期的消去フローを含んでいてもよい。即ち、時間の経過及びメッセージの送受信にしたがい、「g_RcvdCpySndPkt」における項目は、徐々に増加するため、適当なフローを用いて、該グローバルデータ構造におけるエレメントに対してエイジング消去動作を行う必要がある。
【0046】
エイジング処理を行うために、「g_RcvdCpySndPkt」の項目構造にエイジングタイムフィールド"uiAge"が追加される。そして以下のフローに従って、エイジング処理が実行される。
【0047】
C1: 定期的に動作するエイジングタイマー"Tage"が起動される。その時間間隔は、"Ta_interv"である。
【0048】
C2; 「g_RcvdCpySndPkt」に項目が追加される場合、それとともに該項目の"uiAge"が0に初期化される。ここで、追加された項目内の内容は、コピー方式で送信されたメッセージを一意に識別するための一意識別子情報である。
【0049】
C3: エイジングタイマー"Tage"がタイムアウトした場合、「g_RcvdCpySndPkt」構造の全体に亘って、それぞれの項目のエイジングタイム"uiAge"に1が加えられる。"uiAge"の最大許可値に達した場合、該コピー方式で送信されたメッセージに対応する項目が「g_RcvdCpySndPkt」構造から削除される。
【0050】
図3には、前記方法に基づく、本発明のメッセージ転送を実現するためのシステムが示されている。
このシステムは、送信ノードと、目的ノードと、中間ノードとを含む。
【0051】
送信ノードは、送信待ちのシグナリングメッセージに対してカプセル化を行い、転送タイプ情報及び一意識別子情報を搬送するメッセージヘッダーを前記シグナリングメッセージに追加し、カプセル化されたシグナリングメッセージのコピーをすべての出力インターフェースから目的ノードに送信する。
【0052】
目的ノードは、シグナリングメッセージを受信し、受信されたシグナリングメッセージのメッセージヘッダーの解析を行い、転送タイプ情報に応じてそのメッセージタイプがシグナリングメッセージのコピーであると判定した後、最初に受信されたシグナリングメッセージのコピーのメッセージヘッダーにおける一意識別子情報を記録する。また、目的ノードは、メッセージヘッダーが取り除かれたシグナリングメッセージに対して処理を行い、そして、最初に受信されたメッセージと同じ一意識別子情報を有する、後続のシグナリングメッセージのコピーを破棄する。
【0053】
中間ノードは、送信ノードと目的ノードとの間の複数本の経路において、送信ノード又は前のホップノードから受信したシグナリングメッセージのコピーを次のホップノード又は目的ノードに転送する。
【0054】
対応して、本発明は、メッセージ転送を実現するためのネットワークノードを更に提供する。ネットワークノードは、送信モジュールと、受信モジュールとを含む。
【0055】
送信モジュールは、ネットワークノードを送信ノードとする場合に、転送タイプ情報及び一意識別子情報を搬送するメッセージヘッダーを送信待ちメッセージに追加し、メッセージヘッダーを追加したメッセージを、送信ノードのすべての出力インターフェースから目的ノードに向けて、コピー方式で送信する。
【0056】
受信モジュールは、ネットワークノードを目的ノードとする場合に、受信されたメッセージのメッセージヘッダーの解析を行い、転送タイプ情報に応じて前記メッセージがコピー方式で送信されたメッセージであると判定した後、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断し、最初に受信されたメッセージである場合、前記メッセージの一意識別子情報を記録する。
【0057】
ネットワークノードは転送モジュールを更に含む。
転送モジュールは、ネットワークノードを中間ノードとする場合に、前のホップノードから受信されたシグナリングメッセージを次のホップノードに転送する。
【0058】
受信モジュールは、さらに、最初に受信されたメッセージではないと判断した場合、同じ一意識別子情報を含むメッセージを破棄する。
【0059】
一意識別子情報は、メッセージ番号、アドレス識別子及びネットワーク時間を含み、一意識別子情報は、現在のネットワーク時間で送信ノードによって送信されたメッセージを一意に識別することに用いられる。
また、受信モジュールは、ネットワーク時間と目的ノードの現在のネットワーク時間との時間間隔が所定時間内にあるかを判断し、所定時間間隔内にある場合、処理を続け、所定時間間隔内にない場合、メッセージを破棄する方式に従って、受信されたメッセージのメッセージヘッダーの解析を行う。
【0060】
受信モジュールは、グローバルデータ構造を用いて一意識別子情報を記録する方式に従って、最初に受信されたメッセージの一意識別子情報を記録するように設定される。また、 受信モジュールは、グローバルデータ構造内を検索して、メッセージの一意識別子が既に記録されているかどうかを判断し、一意識別子が見つからなかった場合、メッセージは最初に受信されたメッセージであること判断し、一意識別子情報が見つかった場合、メッセージは最初に受信されたメッセージではないと判断する方式に従って、メッセージは最初に受信されたであるかどうかを判断する。
【0061】
受信モジュールは、グローバルデータ構造において記録メッセージの一意識別子情報の各項目のエイジング度を定期的に判断し、エイジングタイムが閾値を超える項目を削除する。
【0062】
以下、第1実施形態及び第2実施形態を合わせて、前記シグナリングメッセージ転送の方法及びシステムの具体的な応用例を詳しく説明する。
【0063】
第1実施形態
図4に示すように、ネットワークシステムは、A、B、C3つのノードを有し、それら3つのノード相互間のシグナルチャネルには、帯域内シグナル方式が用いられている。例えば、ある特定の時刻に、ノードAがノードBに重要なシグナリングメッセージMSGを送信する必要がある場合、ノードAは本発明のシグナル転送方法を用いて以下のようなステップでメッセージの送信を行う。
【0064】
ステップ11: ノードAのシグナル送信プロセスでは、まず該シグナリングメッセージMSGを、図5に示すようなシグナリングメッセージMSGのメッセージフォーマットとなるように、カプセル化する。
【0065】
メッセージタイプを表示する"copy send"が1である場合、本発明に示すシグナルコピー式の転送方式でメッセージが送信されること、即ち、メッセージが複数のコピー方式で送信されることを示す。一方、"copy send"が0である場合、メッセージがコピー方式で送信されないことを示す。"0x1234"は、ノードAによって生成されるメッセージの番号を示し、送信ノードは、シグナリングメッセージを送信するたびに番号に1を加える。"1.1.1.1"は、ネットワークにおけるノードAのアドレス識別子、即ちノードAのネットワークアドレスである。"0x34567890"は、ミリ秒の単位で表される同期ネットワーク時間である。本ステップ11では、{メッセージ番号 0x1234、アドレス識別子 1.1.1.1、ネットワーク時間 0x34567890}の3つの要素の組み合わせにより、ノードAがこの時刻に送信したメッセージを一意に定義する。
【0066】
ステップ12: 送信ノードAのシグナル送信プロセスでは、送信オプションを設定して、底層の転送層に通知し、該メッセージをノードAのすべての(可能な)シグナル出力インターフェースから送信する。図4に示すように、コピー1は、ノードAからノードBまでのシグナルチャネルに入れられ、コピー2は、ノードAからノードCまでのシグナルチャネルに入れられて転送が行われる。ここで、ノードCは中間ノードである。そして、シグナリングメッセージの各コピーが通過する各中間ノードは、通常の転送フローに従って、そのコピーを転送する。コピー1はシグナリングメッセージの目的ノードBに直接到達する。コピー2はノードCの転送によりノードBに到達する。中間ノードCは、コピー2を受信した場合、通常の転送フローに従って、コピー2を転送する。最終的に、コピー1及びコピー2は順番にノードBに到達する。
【0067】
コピー1がコピー2より先に目的ノードBに到達し、そしてノードBの底層転送プロトコルが受信されたメッセージをノードBのシグナル受信プロセスに転送した場合、この受信プロセスでは、まず、シグナルのメッセージヘッダーを解析し、"copy send"(コピー送信)フィールドが1であるかどうかを判断する。1である場合、以下のステップで処理を行い、1ではない場合、メッセージからメッセージヘッダーを取り除いた後、シグナル処理プロセスに移行されてシグナリングメッセージMSGに対する処理を行う。
【0068】
ステップ21: まず、受信プロセスでは、メッセージヘッダーに記録されたタイムスタンプと、本ノードの現在のネットワーク時間とを比較し、時間差が、所定の最大時間範囲Tmax(一般的には、この時間は、ネットワークにおけるシグナリングメッセージ最長転送時間のn(1、2、3、…)倍であり、例えば30分である)を超えている場合、該メッセージがネットワークでロストしたメッセージであることを意味しており、この場合、該メッセージを直接破棄する。一方で、時間差が、所定の最大時間範囲Tmax以下である場合、以下のステップ22により処理を続ける。ここで時間差はTmax範囲内にあると仮定する。
【0069】
ステップ22: まず、受信プロセスでは、{メッセージ番号 0x1234、アドレス識別子 1.1.1.1、ネットワーク時間 0x34567890}をインデックスとして用いて、既に受信された、コピー方式で送信されたメッセージを記憶するためのデータ構造「g_RcvdCpySndPkt」内を検索して、該シグナリングメッセージのコピーを既に受信しているかどうかを判断する。メッセージのコピーが見つかった場合、現在において受信された該メッセージを直接破棄する。メッセージのコピーが見つからなかった場合、以下のステップ23により処理を行う。明らかなように、コピー1がノードBに最初に到達したとき、コピー1の一意識別子情報{メッセージ番号 0x1234、アドレス識別子 1.1.1.1、ネットワーク時間 0x34567890}は、「g_RcvdCpySndPkt」構造内に存在しない。従って、以下のステップ23に従って、処理が続けられる。
【0070】
ステップ23: まず、「g_RcvdCpySndPkt」構造内に1つの項目を追加して、一意識別子情報が{メッセージ番号 0x1234、アドレス識別子 1.1.1.1、ネットワーク時間 0x34567890}であるシグナリングメッセージが既に受信されていることを識別する。そしてメッセージヘッダーを取り除き、該シグナリングメッセージの処理プロセスに移行してシグナリングメッセージMSGに対して処理を行う。
【0071】
中間ノードCから転送されたコピー2がノードBに到達した場合、まず、コピー2は、ステップ21に応じて処理が行われ、その後、ステップ22に応じて処理が行われる。受信プロセスでは、「g_RcvdCpySndPkt」において、{メッセージ番号 0x1234、アドレス識別子 1.1.1.1、ネットワーク時間 0x34567890}をインデックスとして該シグナリングメッセージのコピーを検索し、シグナリングメッセージのコピーが既に受信されているかどうかを判断する。結果的には、「g_RcvdCpySndPkt」内にこのメッセージの一意識別子情報が既に存在し、これは、目的ノードBが該シグナリングメッセージの他のコピーを既に受信していることを意味する。このため、該コピー2は直接破棄される。
【0072】
第2実施形態
図6に示すように、該ネットワークシステムは、A、B、Cの3つのノードを有しており、それら3つのノード相互間のシグナルチャネルには、帯域内シグナル方式が用いられている。例えば、ある特定の時刻に、ノードAがノードBに重要なシグナリングメッセージMSGを送信する必要があり、かつ、このとき、ノードAとノードB間のシグナルチャネルが故障している場合において、ノードAが本発明のシグナル転送方法を用いて、シグナルを送信する場合を想定する。
【0073】
ステップ31: ノードAのシグナル送信プロセスでは、まず、該シグナリングメッセージMSGを、図7に示すようなシグナリングメッセージMSGのメッセージフォーマットとなるように、カプセル化する。
【0074】
"copy send"(コピー送信)が1である場合、本発明に示す複数のコピー方式でメッセージが送信されることを示し、"copy send"が0である場合、メッセージがコピー方式で送信されないことを示す。"0x1235"は、ノードAによって生成される該メッセージの番号を示し、送信ノードは、シグナリングメッセージを送信するたびに番号に1を加える。"1.1.1.1"は、ネットワークにおけるノードAのアドレス識別子、即ちノードAのネットワークアドレスである。"0x34567890"は、ミリ秒の単位で表される同期ネットワーク時間である。従って、{メッセージ番号 0x1235、アドレス識別子 1.1.1.1、ネットワーク時間0x14567890}の3つの要素の組み合わせにより、ノードAがこの時刻に送信したメッセージを一意に定義する。
【0075】
ステップ32: ノードAシグナル送信プロセスでは、送信オプションを設定して、底層の転送層に通知し、該メッセージをノードAのすべての(可能な)シグナル出力インターフェースから送信する。図6に示すように、コピー1は、ノードAからノードBまでのシグナルチャネルに入れられ、コピー2は、ノードAからCまでのシグナルチャネルに入れられて転送される。そして、シグナリングメッセージの各コピーが通過する各中間ノードは、通常の転送フローに従って、コピーの転送を行う。コピー1は、ノードAとノードB間のシグナルチャネルの故障により、メッセージの目的ノードBに到達することができず、一方、コピー2はノードCの転送によりノードBに到達する。従って、コピー2のみが目的ノードBに到達する。
【0076】
そして、ノードBの底層転送プロトコルは、受信されたメッセージをノードBのシグナル受信プロセスに転送する。受信プロセスでは、まず、シグナルのメッセージヘッダーを解析し、"copy send"(コピー送信)フィールドが1である場合、以下のステップで処理を行う。
【0077】
ステップ41: まず、メッセージヘッダーに記録されたタイムスタンプ(ノードAによってメッセージが送信されたときのネットワーク時間)と、本ノードBの現在のネットワーク時間とを比較し、両者の時間差が所定の最大時間範囲Tmaxを超えている場合、該メッセージがネットワークにおいてロストしたメッセージであることを意味しており、この場合、該メッセージを直接破棄する。一方で、時間差が、所定の最大時間範囲Tmax以下である場合、以下のステップ42により処理を続ける。ここで時間差はTmax範囲内にあると仮定する。
【0078】
ステップ42: まず、{メッセージ番号 0x1235、アドレス識別子 1.1.1.1、ネットワーク時間 0x14567890}をインデックスとして、「g_RcvdCpySndPkt」内を検索し、該シグナリングメッセージのコピーが既に受信しされているかどうかを判断する。メッセージのコピーが見つかった場合、該メッセージを直接に破棄する。メッセージのコピーが見つからなかった場合、ステップ43により処理を続ける。明らかなように、このとき、コピー2のみがノードBに到達するため、コピー2の識別子{メッセージ番号 0x1235、アドレス識別子 1.1.1.1、ネットワーク時間 0x14567890}は、「g_RcvdCpySndPkt」内に存在しない。従って、以下のステップ43に従って、コピー2の処理が続けられる。
【0079】
ステップ43、まず、「g_RcvdCpySndPkt」に1つの項目を追加して、一意識別子情報が{メッセージ番号0x1235、アドレス識別子1.1.1.1、ネットワーク時間0x14567890}であるシグナリングメッセージが既に受信されたことを識別する。そしてメッセージヘッダーを取り除き、該シグナリングメッセージの処理プロセスに移行してシグナリングメッセージMSGの処理を行う。
【0080】
第2実施形態では、ノードAとノードB間の通常のシグナルチャネルが故障しているが、シグナリングメッセージを、他のシグナルチャネルA−C−Bにより、可能な限り迅速に目的ノードBに送信することができる。
【0081】
第3実施形態
目的ノードのシグナル受信プロセスが開始される場合、1秒間隔で定期的に動作するエイジングタイマーTageを起動し、そして、該タイマーTageがタイムアウトした場合、以下のステップにより処理を行う。
【0082】
ステップ51: 既に受信された、コピー方式で送信されたメッセージを記憶するためのグローバルデータ構造「g_RcvdCpySndPkt」が空であるかどうかを判断し、空ではない場合、以下のステップ52が実行され、空きである場合、如何なる処理も実行されない。
【0083】
ステップ52: 「g_RcvdCpySndPkt」のそれぞれの項目をトラバースし、そして、項目内の"uiAge"フィールドに対して1を加える。エイジングタイム"uiAge"がMAXAGE(例えば1時間、即ち3600秒、その計数単位は1秒である)である場合、該項目を「g_RcvdCpySndPkt」から消去して、該項目があまりに多くのメモリーを占有してしまうことを防止する。
【0084】
ある特定の時刻に、「g_RcvdCpySndPkt」に1つの項目が追加され、識別子情報が{メッセージ番号 0x1235、アドレス識別子 1.1.1.1、ネットワーク時間 0x14567890}であるシグナリングメッセージが既に受信されたことが示される。また、項目においてエイジングタイム"uiAge"を0に初期化する。
【0085】
そして、タイマーがタイムアウトするたびに、{メッセージ番号 0x1235、アドレス識別子 1.1.1.1、ネットワーク時間 0x14567890}に対応する項目の"uiAge"に1を加え、"uiAge"が3600に達した場合、項目{メッセージ番号 0x1235、アドレス識別子 1.1.1.1、ネットワーク時間 0x14567890}を削除する。
【0086】
以上は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明を限定するものではない。本分野の当業者は、本発明に基づき種々の変更と変形が可能である。本発明の主旨精神と原則の範囲内においてされた、いかなる修正、均等な置換、改良等も、本発明の保護範囲以内に含まれるべきである。
【0087】
産業上利用可能性
本発明は複数の出力インターフェースからシグナリングメッセージコピーを送信することで、メッセージ、特にある重要なシグナリングメッセージ転送の信頼性及び迅速性を向上させた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージ転送方法であって、
送信ノードが、転送タイプ情報及び一意識別子情報を搬送するメッセージヘッダーを有するメッセージを、送信ノードのすべての出力インターフェースから目的ノードに向けて、コピー方式で送信するステップと、
目的ノードが、受信されたメッセージのメッセージヘッダーの解析を行い、転送タイプ情報に応じて前記メッセージがコピー方式で送信されたメッセージであると判定した後、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断し、前記メッセージが最初に受信されたメッセージである場合、前記メッセージの一意識別子情報を記録するステップと
を含むメッセージ転送方法。
【請求項2】
前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断するステップの後、前記方法は、
前記メッセージが最初に受信されたメッセージではない場合、最初に受信されたメッセージと同じ一意識別子情報を含むメッセージを破棄することを更に含む
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メッセージは、
シグナリングメッセージ又はデータメッセージである
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
メッセージヘッダーが追加されたメッセージを、送信ノードのすべての出力インターフェースから目的ノードに向けて、コピー方式で送信するステップの後、前記方法は、
送信ノードと目的ノードとの間の各経路における各中間ノードが、前のホップノードから受信されたメッセージを次のホップノードに転送することを更に含む
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記一意識別子情報は、
メッセージ番号、アドレス識別子及びネットワーク時間を含み、
前記一意識別子情報は、
現在のネットワーク時間で送信ノードによって送信されたメッセージを一意に識別することに用いられる
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
目的ノードが受信されたメッセージのメッセージヘッダーの解析を行うステップは、
目的ノードが、前記ネットワーク時間と、目的ノードの現在のネットワーク時間との時間間隔が所定の時間間隔内にあるかどうかを判断し、前記所定時間間隔内にある場合、前記メッセージのタイプを判定し、前記所定時間間隔内にない場合、メッセージを破棄する
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
最初に受信されたメッセージの一意識別子情報を記録するステップは、グローバルデータ構造を用いて前記一意識別子情報を記録し、
前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断するステップは、
目的ノードが、前記グローバルデータ構造内を検索して、前記メッセージの一意識別子情報が既に記録されているかどうかを判断し、一意識別子情報が見つからなかった場合、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであると判断し、一意識別子情報が見つかった場合、前記メッセージが最初に受信されたメッセージではないと判断することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
目的ノードは、前記グローバルデータ構造において記録メッセージの一意識別子情報の各項目のエイジング度を定期的に判断し、エイジングタイムが閾値を超える項目を削除する
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
シグナリングメッセージ転送を実現するためのシステムであって、
転送タイプ情報及び一意識別子情報を搬送するメッセージヘッダーを有するメッセージを、送信ノードのすべての出力インターフェースから目的ノードに向けて、シグナリングメッセージコピー方式で送信する送信ノードと、
受信されたシグナリングメッセージのメッセージヘッダーの解析を行い、転送タイプ情報に応じてそのメッセージタイプがシグナリングメッセージコピーであると判定した後、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断し、前記メッセージが最初に受信されたメッセージである場合、最初に受信されたシグナリングメッセージコピーのメッセージヘッダーにおける一意識別子情報を記録し、最初に受信されたメッセージと同じ一意識別子情報を含む、後続のシグナリングメッセージコピーを破棄する目的ノードと
を含むシグナリングメッセージ転送を実現するためのシステム。
【請求項10】
メッセージ転送を実現するためのネットワークノードであって、
前記ネットワークノードを送信ノードとする場合に、転送タイプ情報及び一意識別子情報を搬送するメッセージヘッダーを送信待ちのメッセージに追加し、メッセージヘッダーを追加したメッセージを、送信ノードのすべての出力インターフェースから目的ノードに向けて、コピー方式で送信する送信モジュールと、
前記ネットワークノードを目的ノードとする場合に、受信されたメッセージのメッセージヘッダーの解析を行い、転送タイプ情報に応じて前記メッセージがコピー方式で送信されたメッセージであると判定した後、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断し、メッセージが最初に受信されたメッセージである場合、前記メッセージの一意識別子情報を記録する受信モジュールと
を含むメッセージ転送を実現するためのネットワークノード。
【請求項11】
前記ネットワークノードは、さらに、
前記ネットワークノードを中間ノードとする場合に、前のホップノードから受信されたシグナリングメッセージを次のホップノードに転送する転送モジュールを含む
請求項10に記載のネットワークノード。
【請求項12】
前記受信モジュールは、さらに、
最初に受信されたメッセージではないと判断した場合、最初に受信されたメッセージと同じ一意識別子情報を含むメッセージを破棄する
請求項10又は11に記載のネットワークノード。
【請求項13】
前記一意識別子情報は、
メッセージ番号、アドレス識別子及びネットワーク時間を含み、
前記一意識別子情報は、
現在のネットワーク時間で送信ノードによって送信されたメッセージを一意識別することに用いられ、
前記受信モジュールは、
前記ネットワーク時間と、目的ノードの現在のネットワーク時間との時間間隔が所定時間内にあるかを判断して、前記所定時間間隔内にある場合、処理を続け、前記所定時間間隔内にない場合、メッセージを破棄する方式に従って、受信されたメッセージのメッセージヘッダーの解析を行う
請求項12に記載のネットワークノード。
【請求項14】
前記受信モジュールは、
グローバルデータ構造を用いて前記一意識別子情報を記録する方式に従って、最初に受信されたメッセージの一意識別子情報を記録し、
前記受信モジュールは、
前記グローバルデータ構造内を検索して、前記メッセージの一意識別子情報が既に記録されているかどうかを判断し、一意識別子情報が見からなかった場合、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであると判断し、一意識別子情報が見つかった場合、前記メッセージが最初に受信されたメッセージではないと判断する方式に従って、前記メッセージが最初に受信されたメッセージであるかどうかを判断する
請求項10又は11に記載のネットワークノード。
【請求項15】
前記受信モジュールは、
前記グローバルデータ構造において記録メッセージの一意識別子情報の各項目のエイジング度を定期的に判断し、エイジングタイムが閾値を超える項目を削除する
請求項14に記載のネットワークノード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−503517(P2013−503517A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525860(P2012−525860)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【国際出願番号】PCT/CN2010/072679
【国際公開番号】WO2011/022993
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(511207729)ゼットティーイー コーポレイション (78)
【Fターム(参考)】