説明

メッセージ通信サービス提供方法、メッセージ通信サーバ及びメッセージ通信プログラム

【課題】実メールアドレスとは別に複数のメールアドレスにより発信するメッセージ通信サービス提供方法、メッセージ通信サーバ及びメッセージ通信プログラムを提供する。
【解決手段】メッセージ通信サービス提供方法は、メッセージ通信サーバ3が、相手端末装置から送信されるメッセージを代替して受信するための1つ以上の代替受信アドレスとサービス利用者端末装置の持つ実アドレスとの対応データをデータベース34に蓄積し、代替受信アドレスについてアクセス管理するステップと、相手端末装置から代替受信アドレスで送信されたメッセージを蓄積するステップと、データベース34に基づいて、サービス利用者端末装置からの要求に応じて、又は、定期的に、実アドレス毎に該当する代替受信メッセージの件数をサービス利用者端末装置に通知するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報ネットワークを使って通信される電子メール等のメッセージ通信サービス提供技術に関し、特にメッセージ通信サービス提供方法、メッセージ通信サーバ及びメッセージ通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下に述べる説明は、電子メール(以下、メールと称する。)を例に行う。従来から、メールサービスには次に述べる問題があった。
【0003】
まず、サービス利用者(単に、利用者とも称する)が、仕事や遊びに応じてメールを使い分けるために複数のメールアドレスを持つ場合は、メールアドレス毎にメールサーバ(ISP:Internet Services Provider)にアクセスし、メールの受信の有無を確認する必要がある。しかしながら、複数のメールアドレス毎にメールサーバヘアクセスすることは、サービスの利用が煩雑となり、使い勝手も悪く、メールサーバの利用コストを増加させることにもなる。
【0004】
また、メール転送サービスを利用する場合では、利用者が持つ実メールアドレスを相手に知らせることなくメールを受信することはできるが、返信時には実メールアドレスが送られてしまうことから、実メールアドレスが知られることになる。
【0005】
さらに、実メールアドレスが知られた結果として起こる迷惑メールヘの対策のため、実メールアドレスの変更を余儀なくされることがある。
【0006】
これらの問題に対して、利用者の実メールアドレスが不用意に知られることを防ぐために、利用者の実メールアドレスを特定のサービスサーバに予め保存しておき、電子商取引等で実メールアドレスが要求される場合は、利用者は、実メールアドレスを保存したサービスサーバのURLのみを提示する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、電子商取引業者が、本サービスサーバのURLにアクセスすると、サービスサーバは、サービスサーバが保有するメールアドレスの中から適当なメールアドレスを、利用者メールアドレス相当として払い出す。そこで、電子商取引業者は、払い出された利用者メールアドレス相当宛にメールを送信すると、サービスサーバは、利用者メールアドレス相当宛のメールを受信し、利用者メールアドレス相当を利用者の実メールアドレスに置換し、利用者に送信する。
【0007】
これにより利用者は、電子商取引業者等に実メールアドレスを知らせることがないため、実メールアドレスの漏洩等の心配を少なくすることができる。
【0008】
【特許文献1】特開2005−341177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、利用者は、利用者メールアドレス相当については知らされないため、せっかく払い出されたメールアドレスであっても有効に使うことができない場合がある。即ち、利用者が相手側にメールを送信する際には、利用者メールアドレス相当を使って送信することはできず、実メールアドレスを用いることが余儀なくされ、相手側から実メールアドレスが漏洩する心配が残る。
【0010】
ここで、メールを送った相手側から不用意に実アドレスが漏洩しないようにするために、発信者がメールを送信するときに本メールは親展メールであることを設定しておく方法が考えられる。該親展メールを受信した相手側の端末装置に対しては、暗証番号を入れない限り参照できないようにすることで、紛失、盗難等にあってもメールを見られることをなくなり、発信者の実メールアドレスが漏洩しないようにすることができる。しかしながら、この方法では、該親展メールを受信した相手側の端末装置は、該親展メールを受信する専用の端末装置とする必要があり、一般的に適用できるものではなく、より使い勝手の良い方法が望まれる。
【0011】
上述のように、従来のメールサービス提供技術では、利用者は、メールの送信時においても利用者メールアドレス相当により送信することができないため、実メールアドレスとは別に利用者メールアドレス相当が払い出されても有効に活用できず、実メールアドレスの漏洩の心配が残るという問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、上記の問題を解決することを主要の課題とし、更には利用者が実メールアドレスとは別に複数のメールアドレスを例えば目的別に用いる場合でも、複数のメールアドレス及び付随するメッセージの管理が煩雑になることなく、利用者が持つ個々のメールアドレスを用いて発信することができるメッセージ通信サービス提供方法、メッセージ通信サーバおよびメッセージ通信プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によるメッセージ通信サービス提供方法は、相手端末装置とサービス利用者端末装置との間でメッセージ通信サーバを介してメッセージ通信を行うネットワークシステムに適用されるメッセージ通信サービス提供方法であって、前記メッセージ通信サーバが、前記相手端末装置から送信されるメッセージを代替して受信するための1つ以上の代替受信アドレスと前記サービス利用者端末装置の持つ実アドレスとの対応データをデータベースに蓄積し、前記代替受信アドレスと前記実アドレスとの対応データを管理するステップ(ステップ(a))と、前記相手端末装置から代替受信アドレスで送信されたメッセージを蓄積するステップ(ステップ(b))と、前記データベースに基づいて、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、又は、定期的に、前記実アドレス毎に該当する代替受信メッセージの件数を前記サービス利用者端末装置に通知するステップ(ステップ(c))と、を含むことを特徴とする。ここで、前記データベースに蓄積される利用者の実アドレスは、複数の実アドレスを含み、複数の実アドレスの個々に、1つ以上の代替受信アドレスを対応させることができる。
【0014】
また、本発明によるメッセージ通信サービス提供方法は、前記メッセージ通信サーバが、前記1つ以上の代替受信アドレスとサービス利用者を識別するログインIDとの対応データを前記データベースに蓄積し、前記代替受信アドレスと前記ログインIDとの対応データを管理するステップ(ステップ(d))と、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記ログインIDについて認証するステップ(ステップ(e))と、前記ステップ(e)で認証が首尾よく成功した場合にのみ、前記データベースに基づいて、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じた前記ログインIDに対応する代替受信アドレスを抽出するステップ(ステップ(f))と、前記ステップ(f)で抽出した代替受信アドレスに対応する代替受信メッセージを、前記サービス利用者端末装置に送信するステップ(ステップ(g))と、を更に含むことを特徴とする。ここで、ステップ(g)において、前記サービス利用者端末装置に送信した代替受信メッセージを、利用者の要求に応じて、又は、定期的に、削除するステップを含めることができる。
【0015】
また、本発明によるメッセージ通信サービス提供方法は、前記メッセージ通信サーバが、前記相手端末装置から送信される代替受信アドレスを宛先とする代替受信メッセージを受信するステップ(ステップ(h))と、前記代替受信メッセージに示された相手アドレスと前記代替受信アドレスとの対応データを前記データベースに蓄積し、前記代替受信アドレスと前記相手アドレスとの対応データを管理するステップ(ステップ(i))と、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて前記相手端末装置への送信メッセージを受信した場合は、前記データベースに基づいて、前記送信メッセージの送信先に前記相手アドレスを指定するとともに、前記送信メッセージの送信元に前記代替受信アドレスを設定するステップ(ステップ(j))とを更に含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明によるメッセージ通信サービス提供方法は、前記ステップ(j)が、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記送信メッセージの送信先に前記相手アドレスを設定し、前記送信メッセージの送信先に前記相手アドレスを設定するステップを含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明によるメッセージ通信サービス提供方法は、前記ステップ(j)が、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記送信メッセージの送信先に前記相手アドレスを設定し、前記送信メッセージの送信先に前記相手アドレスを設定する際に、前記データベースに蓄積されているものと異なる場合には、前記サービス利用者端末装置に対してワーニングを送信するステップを更に含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明によるメッセージ通信サービス提供方法は、前記メッセージ通信サーバが、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記代替受信アドレスについて、停止、削除及び変更を含む設定を行うステップ(ステップ(k))を更に含むことを特徴とする。
【0019】
本発明のメッセージ通信方法によれば、利用者が相手側にメッセージを送信する場合であっても、利用者は自分の実アドレスを知らせる必要がなくなり、或いは又、利用者は、相手側から複数の代替受信アドレスを用いてメッセージを取得した場合でも効率よく管理できるようになる。
【0020】
本発明によるメッセージ通信サーバは、相手端末装置とサービス利用者端末装置との間でメッセージ通信を行うネットワークシステムに適用されるメッセージ通信サーバであって、前記相手端末装置から送信されるメッセージを代替して受信するための1つ以上の代替受信アドレスと前記サービス利用者端末装置の持つ実アドレスとの対応データをデータベースに蓄積し、前記代替受信アドレスと前記実アドレスとの対応データを管理する代替受信アドレス対実アドレス管理手段と、前記相手端末装置から代替受信アドレスで送信されたメッセージを蓄積するメッセージ蓄積手段と、前記データベースに基づいて、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、又は、定期的に、前記実アドレス毎に該当する代替受信メッセージの件数を前記サービス利用者端末装置に通知する代替受信件数通知手段と、を備えることを特徴とする。ここで、前記データベースに蓄積される利用者の実アドレスは、複数の実アドレスを含み、複数の実アドレスの個々に、1つ以上の代替受信アドレスを対応させることができる。
【0021】
また、本発明によるメッセージ通信サーバは、前記1つ以上の代替受信アドレスとサービス利用者を識別するログインIDとの対応データを前記データベースに蓄積し、前記代替受信アドレスと前記ログインIDとの対応データを管理する代替受信アドレス対ログインID管理手段と、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記ログインIDについて認証する認証手段と、前記認証手段で認証が首尾よく成功した前記サービス利用者端末装置について、前記データベースに基づいて、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じた前記ログインIDに対応する代替受信アドレスを抽出する代替受信アドレス抽出手段と、前記代替受信アドレス抽出手段で抽出した代替受信アドレスに対応する代替受信メッセージを、前記サービス利用者端末装置に送信する代替受信メッセージ送信手段と、を更に備えることを特徴とする。ここで、代替受信メッセージ送信手段において、前記サービス利用者端末装置に送信した代替受信メッセージを、利用者の要求に応じて、又は、定期的に、削除する手段を有することができる。
【0022】
また、本発明によるメッセージ通信サーバは、前記相手端末装置から送信される代替受信アドレスを宛先とする代替受信メッセージを受信する代替受信メッセージ受信手段と、前記代替受信メッセージに示された相手アドレスと前記代替受信アドレスとの対応データを前記データベースに蓄積し、前記代替受信アドレスと前記相手アドレスとの対応データを管理する代替受信アドレス対相手アドレス管理手段と、前記データベースに基づいて、又は、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記送信メッセージの送信先に前記相手アドレスを設定するとともに、前記送信メッセージの送信元に前記代替受信アドレスを設定するアドレス設定手段と、前記アドレス設定手段により、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて設定する前記相手アドレス又は前記代替受信アドレスが、前記データベースに蓄積されているものと異なる場合に、前記サービス利用者端末装置に対してワーニングを送信するワーニング送信手段と、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記代替受信アドレスについて、停止、削除及び変更を含む設定を行う代替受信アドレス設定手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0023】
本発明のメッセージ通信サーバによれば、使い勝手の良いメッセージ通信を行うネットワークシステムを実現できるようになる。即ち、利用者が相手側にメッセージを送信する場合であっても、利用者は自分の実アドレスを知らせる必要がなくなり、或いは又、利用者は、相手側から複数の代替受信アドレスを用いてメッセージを取得した場合でも効率よく管理できるようになる。
【0024】
更に、本発明によるメッセージ通信プログラムは、相手端末装置とサービス利用者端末装置との間でメッセージ通信を行うネットワークシステムに適用されるメッセージ通信サーバとして機能するコンピュータに、上述したメッセージ通信サービス提供方法の各ステップを実行させるためのプログラムとしても特徴付けられる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、利用者に固有の真のメールアドレス(即ち、実アドレス)を相手側(即ち、送信先)に知らせる必要がなくなる。また、利用者は、目的別にメールアドレス(以下、目的別メールアドレスと称する)を用いる場合でも、一括して管理できるようになる。さらに、利用者は、本発明に係るメッセージ通信サーバ(後述する実施例では、メールサーバとして説明する)を利用することにより、メールの受信、又は発信を行なう際に、利用者の実アドレスを知られることがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明による実施例のメッセージ通信サービス提供方法について、図面を参照して説明する。
【0027】
(メッセージ通信システム構成)
図1は、本発明による実施例のメッセージ通信システムの構成例を示す図である。図1に示すメッセージ通信システムは、本発明に係るメッセージ通信サーバであるメールサーバ3、発信者又は着信者A6aが操作する相手端末装置4a、発信者又は着信者B6bが操作する相手端末装置4b(以下、代表的に説明する場合には、総括してそれぞれ発信者又は着信者6及び相手端末装置4と称する。)、サービス利用者A7aが操作するサービス利用者端末装置5a、及び、サービス利用者B7bが操作するサービス利用者端末装置5b(以下、代表的に説明する場合には、総括してそれぞれサービス利用者7及びサービス利用者端末装置5と称する。)から構成されている。メールサーバ3、相手端末装置4及びサービス利用者端末装置5は、IPネットワーク1又は移動体ネットワーク2に接続されている。ここで、一般的な通信を行なう場合には、相手端末装置4とサービス利用者端末装置5との間で相互通信することも可能であるが、後述するように、本メッセージ通信システムを利用する場合には、必ずメールサーバ3を介して通信を行なうように構成されている。尚、同図において、本発明の主題ではないISPの表示は省略している。
【0028】
メールサーバ3は、相手端末装置4から送信される代替受信メールを受信処理し、また端末装置4へ代替受信アドレス(実施例では、代替受信メールアドレスとも称する)を付けてメールを送信するサーバである。尚、代替受信メールとは、相手端末装置4から送信される代替受信アドレスを宛先とするメールを云い、代替受信アドレスとは、実アドレス(実施例では、実メールアドレスとも称する)と対比されるアドレスであり、後述するようにメールサーバ3の管理下でサービス利用者の要求に応じて実アドレスに関連付けて割り当てられるアドレスである。
【0029】
相手端末装置4は、発信者又は着信者(6a又は6b)が操作する端末装置であり、メールサーバ3へ代替受信メールを送信し、或いはメールサーバ3から送信されるサービス利用者端末装置5からのメールを受信する端末装置であり、固定電話装置、PHS(Personal Handy-phone System)、携帯電話装置、通信機能を備えたPDA(Personal Digital Assistant)やPC(Personal Computer)等であってもよい。
【0030】
サービス利用者端末装置5は、サービス利用者(7a又は7b)が操作する端末装置であり、メールサーバ3にログインID、パスワード等を登録し、代替受信メールアドレスの取得等を行う端末装置であり、固定電話装置、PHS、携帯電話装置、通信機能を備えたPDAやPC等であってもよい。尚、ログインID、パスワード、及び代替受信メールアドレスの取得等に係る処理の詳細は、後述する。
【0031】
図1において、説明の便宜のために相手端末装置4及びサービス利用者端末装置5の各々は2つずつ示しているが、それぞれ更に多く存在していてもよい。
【0032】
次に、本メッセージ通信システムの動作概要及びメッセージ通信サーバの構成概要について説明する。
【0033】
(メッセージ通信システムの動作概要及びメッセージ通信サーバの構成概要)
説明を容易にするため、以下の説明には特定のメールアドレスを用いるが、本説明に記載されるメールアドレス以外を使用することができる。
【0034】
図2は、図1におけるメッセージ通信システムの動作概要及びメッセージ通信サーバの構成概要を説明するための図である。図2について説明する前に、本発明による実施例のメッセージ通信サーバであるメールサーバ3が有する各手段について説明する。
【0035】
メールサーバ3は、代替受信アドレス対実アドレス管理手段、代替受信メッセージ受信手段、代替受信アドレス対相手アドレス管理手段、メッセージ蓄積手段、代替受信件数通知手段、代替受信アドレス対ログインID管理手段、認証手段、作業画面提示手段、代替受信アドレス抽出手段、代替受信メッセージ送信手段、アドレス設定手段、メッセージ返信送信手段、ワーニング送信手段、及び代替受信アドレス設定手段を備えている(図示しないが、後述する説明で各手段の機能は示される)。
【0036】
代替受信アドレス対実アドレス管理手段は、相手端末装置4から送信されるメッセージを代替して受信するための1つ以上の代替受信アドレスとサービス利用者端末装置5の持つ実アドレスとの対応データ(以下、代替受信アドレス対実アドレスとも称する)をアドレス管理データベース34に蓄積し、代替受信アドレスと実アドレスとの対応データを管理する。ここで、アドレス管理データベース34は、1つ以上の代替受信アドレスに対応するサービス利用者端末装置5の持つ相手アドレス(実施例において、相手メールアドレスと介してよい。)との対応データを含んでいる。即ち、代替受信アドレス対実アドレス管理手段は、他のサービス利用者端末装置5が持つ実メールアドレスの追加を行う機能を有する。
【0037】
代替受信メッセージ受信手段は、代替受信アドレスで相手端末装置4から送信されるメッセージを代替して受信する。また、アドレス管理データベース34から受信した代替受信アドレスに対応する実メールアドレスを検索するように機能する。
【0038】
代替受信アドレス対相手アドレス管理手段は、受信した代替受信メッセージに示された相手アドレスと代替受信アドレスとの対応データ(以下、代替受信アドレス対相手アドレスとも称する)をデータベースに蓄積し、代替受信アドレスと相手アドレスとの対応データを管理する。
【0039】
メッセージ蓄積手段は、相手端末装置4から代替受信アドレスで送信されたメッセージをメール本文データベース35に蓄積する。
【0040】
代替受信件数通知手段は、アドレス管理データベース34に基づいて、サービス利用者端末装置5からの要求に応じて、又は、定期的に、実アドレス毎に該当する代替受信メッセージの件数をサービス利用者端末装置5に通知する。
【0041】
代替受信アドレス対ログインID管理手段は、1つ以上の代替受信アドレスとサービス利用者を識別するログインIDとの対応データ(以下、代替受信アドレス対ログインIDとも称する)をユーザデータ管理データベース33に蓄積し、代替受信アドレスとログインIDとの対応データを管理する。
【0042】
認証手段は、サービス利用者端末装置5からの要求に応じて、ログインID/パスワードでサービス利用者について認証する。
【0043】
作業画面提示手段は、サービス利用者の利用要望を確認するための作業画面をサービス利用者端末装置5の表示画面上で表示及び動作させるために、作業画面情報をサービス利用者端末装置5の表示画面に提示する。ここで、作業画面提示手段は、サービス利用者の操作によりサービス利用者端末装置5の作業表示画面上に示されるサービス利用者の要求(例えば、受信件数が通知されていたことによる、受信メールの内容を確認するメール本文の読み出しの要求又は、該メール本文の保持/削除等)を受け付けるように機能する。尚、作業画面の情報は、一般的なWeb形式のメール表示と同様に考えてよく、作業の必要性に応じて階層的に表示させることもできるものである。
【0044】
代替受信アドレス抽出手段は、認証手段で認証が首尾よく成功したサービス利用者端末装置5(サービス利用者)について、ユーザデータ管理データベース33に基づいて、サービス利用者端末装置5からの要求に応じたログインIDに対応する代替受信アドレスを抽出する。
【0045】
代替受信メッセージ送信手段は、代替受信アドレス抽出手段で抽出した代替受信アドレスに対応する代替受信メッセージをメール本文データベース35から検索し、サービス利用者端末装置5に送信する。
【0046】
アドレス設定手段は、アドレス管理データベース34に基づいて、送信メッセージの送信先に相手アドレスを自動設定するとともに、送信メッセージの送信元に代替受信アドレスを自動設定する(後述において、アドレス帳管理機能とも称する。)。或いは又、アドレス設定手段は、サービス利用者端末装置5からの要求に応じて、送信メッセージの送信先に相手アドレスを任意に設定するとともに、送信メッセージの送信元に代替受信アドレスを任意に設定することもできる。これは、前述したサービス利用者端末装置5に表示される作業画面表示に選択肢を設けることで実現できる。
【0047】
メッセージ返信送信手段は、サービス利用者端末装置5からの要求に応じて、アドレス設定手段により設定された相手端末装置4に対応する送信メッセージを作成し、返信又は送信する。
【0048】
ワーニング送信手段は、アドレス設定手段により設定しようとするアドレスが、アドレス管理データベース34に蓄積されている代替受信アドレス対相手アドレスと異なる場合に、サービス利用者端末装置5に対してワーニングを送信する。
【0049】
代替受信アドレス設定手段は、サービス利用者端末装置5からの要求に応じて、代替受信アドレスについて、停止、削除及び変更を含む設定を行う。
【0050】
ここで、メッセージ通信サーバであるメールサーバ3として機能させるために、中央演算処理装置(CPU)を備えるコンピュータを好適に用いることができ、そのようなコンピュータは、代替受信アドレス対実アドレス管理手段、代替受信メッセージ受信手段、代替受信アドレス対相手アドレス管理手段、メッセージ蓄積手段、代替受信件数通知手段、代替受信アドレス対ログインID管理手段、認証手段、作業画面提示手段、代替受信アドレス抽出手段、代替受信メッセージ送信手段、アドレス設定手段、メッセージ返信送信手段、ワーニング送信手段及び代替受信アドレス設定手段を動作させるのに必要となる各種データ、メール本文データベース35、アドレス管理データベース34及びユーザデータ管理データベース33を記憶する記憶部(図示せず)を備えることができ、そのような記憶部は、1つ以上のメモリで構成させることができる。
【0051】
また、そのようなコンピュータに、CPUによって所定のプログラムを実行させることにより、代替受信アドレス対実アドレス管理手段、代替受信メッセージ受信手段、代替受信アドレス対相手アドレス管理手段、メッセージ蓄積手段、代替受信件数通知手段、代替受信アドレス対ログインID管理手段、認証手段、作業画面提示手段、代替受信アドレス抽出手段、代替受信メッセージ送信手段、アドレス設定手段、メッセージ返信送信手段、ワーニング送信手段、及び代替受信アドレス設定手段の有する機能を実現させることができる。更に、代替受信アドレス対実アドレス管理手段、代替受信メッセージ受信手段、代替受信アドレス対相手アドレス管理手段、メッセージ蓄積手段、代替受信件数通知手段、代替受信アドレス対ログインID管理手段、認証手段、作業画面提示手段、代替受信アドレス抽出手段、代替受信メッセージ送信手段、アドレス設定手段、メッセージ返信送信手段、ワーニング送信手段、及び代替受信アドレス設定手段の有する機能を実現させるためのプログラムを、前述の記憶部(メモリ)の所定の領域に格納させることができる。そのような記憶部は、画像復号装置内部のRAMなどで構成させることができ、或いは又、外部記憶装置(例えば、ハードディスク)で構成させることもできる。また、そのようなプログラムは、画像復号装置としてのコンピュータで利用されるOS上のソフトウェア(ROM又は外部記憶装置に格納される)の一部で構成させることができる。
【0052】
以下、図2を参照して、メッセージ通信システムの動作概要について説明する(動作の詳細については後述する。)。
【0053】
まず、メールサーバ3は、代替受信メッセージ受信手段により、例えば発信者A6aの要求に応じて相手端末装置4aから送信された、代替受信アドレスであるsinten1@shinten.co.jpを送信先とした代替受信メールを受信する(図2における図示(1))。この際の代替受信アドレスは、メールサーバ3の記憶部に格納されるアドレス管理データベース34に予め登録されているものであり、メールサーバ3の登録の処理については後述する。
【0054】
次に、メールサーバ3は、サービス利用者端末装置5aからの要求に応じて、又は定期的に、代替受信メッセージ受信手段により、アドレス管理データベース34から受信した代替受信アドレスに対応する実メールアドレスを検索し、代替受信件数通知手段により、該当するサービス利用者A7aのサービス利用者端末装置5aに、受信が1件あることのみを通知する(図2における図示(2))。
【0055】
サービス利用者端末装置5aへの通知後に、メールサーバ3は、送受信部31を経てサービス利用者A7aが操作するサービス利用者端末装置5aからのアクセスを受け付ける(図2における図示(3))。
【0056】
次に、メールサーバ3は、認証手段により、サービス利用者A7aについて認証し、認証が首尾よく完了した場合には、サービス利用者A7aの利用要望を確認するための作業画面をサービス利用者端末装置の表示画面上で表示及び動作させるために、作業画面提示手段により、作業画面情報をサービス利用者端末装置5aに提示する(図2における図示(4))。
【0057】
次に、サービスサーバ3は、作業画面提示手段により、サービス利用者A7aの操作によりサービス利用者端末装置の作業表示画面上に示されるサービス利用者の要求(例えば、受信件数が通知されていたことにより、受信メールの内容を確認するメール本文の読み出しを要求)を受け付ける(図2における図示(5))。
【0058】
次に、サービスサーバ3は、代替受信アドレス抽出手段により、ユーザデータ管理データベース33に基づいて、サービス利用者端末装置からの要求に応じたログインIDに対応する代替受信アドレスを抽出し、代替受信メッセージ送信手段により、代替受信アドレス抽出手段で抽出した代替受信アドレスに対応する代替受信メッセージ(即ち、相手端末装置4aからのメール本文)をメール本文データベース35から選出してサービス利用者端末装置5aに送信する。ここで、前述した作業表示画面の一部として、代替受信メッセージをサービス利用者端末装置の表示画面に表示させることができる(図2における図示(6))。
【0059】
更に、サービスサーバ3は、発信者A6aが操作する相手端末装置からの該代替受信メッセージに対する返信又は送信(即ち、送信メッセージ)の要望に応じるために(図2における図示(7)又は(8))、メッセージ返信送信手段でサービス利用者端末装置からの送信メッセージにについて、返信メール又は送信メールの作成を行なう際に、アドレス設定手段により、その送信先を相手端末装置の持つメールアドレス(例えば、発信者A6aの相手メールアドレス)とし、その送信元を発信者毎に予め定められている代替受信アドレスとし(発信者A6aへの返信又は送信であれば、送信元のアドレスをsinten1@shinten.co.jpにする。)、メッセージ返信送信手段により送信する。
【0060】
次に、図2に示す動作概要の(1)〜(2)について、図3を参照しながら更に説明する。
【0061】
例えば、メールサーバ3は、発信者A6aの操作による相手端末装置4aから、sinten1@shinten.co.jpを送信先とするメールを受信する(図3における図示(1))。
【0062】
また、メールサーバ3は、発信者B6bの操作による相手端末装置4bから、sinten2@shinten.co.jpを送信先とするメールを受信する(図3における図示(2))。
【0063】
次に、メールサーバ3は、相手端末装置4a及び4bから受信したメールについて、サービス利用者端末装置5aからの要求に応じて、又は定期的に、代替受信メッセージ受信手段により、該当する宛先をアドレス管理データベース34から検索する(図3における図示(3))。
【0064】
次に、メールサーバ3は、代替受信件数通知手段により、サービス利用者A7a宛のメール件数を計数する(図3における図示(4))。
【0065】
続いて、メールサーバ3は、代替受信件数通知手段により、サービス利用者A7aの実アドレスtanaka@ntt.co.jpを持つサービス利用者端末装置に対して受信件数を通知する通知メールを送信する(図3における図示(5))。この通知メールのメール本文は受信メールの件数のみである。これにより、サービス利用者A7aが利用するサービス利用者端末装置は、ISP/携帯電話会社等(図3における図示(6))を経て、受信メールの件数を示す該通知メールを受信することができるようになる(図3における図示(7))。また、サービス利用者A7aは、メールサーバ3に2件のメールが受信されたことを知ることができるようになる。
【0066】
次に、図2に示す動作概要の(3)〜(6)について、図4を参照しながら更に説明する。
【0067】
まず、サービス利用者A7aの操作によるサービス利用者端末装置5aは、メールサーバ3にアクセスする(図4における図示(1))。
【0068】
続いて、サービス利用者A7aの操作によるサービス利用者端末装置5aは、ログインID/パスワード(PW)をメールサーバ3に送信する(図4における図示(2))。これは、本発明に係るメッセージ通信システムを利用する際に、メールサーバ3に対して認証させるためであるが、ログインID/パスワード(PW)自体は、特別なものではなく一般的な認証方法と同一と考えてよい。
【0069】
次に、認証成功すれば、メールサーバ3は、Webメールの形式で、Subject、発信者等の情報を、サービス利用者端末装置5aの表示画面に作業操作画面を一覧表示させる(図4における図示(3))。これにより、サービス利用者A7aは、読みたいメールを選択し、メールサーバ3に対して読み出しを要求することができるようになる(図4における図示(4))。
【0070】
次に、読み出し要求が為されると、メールサーバ3は、サービス利用者A7aにより選択されたメール本文をサービス利用者A7aのサービス利用者端末装置5aの表示画面に表示させる(図4における図示(5))。
【0071】
ここで、メールサーバ3は、作業画面提示手段の1つの機能により、サービス利用者端末装置5aの表示画面に表示させたメール本文について、サービス利用者A7aの要求に応じて削除することもできる(図4における図示(6))。それとは別に、メールサーバ3は、サービス利用者A7aの要求に応じて(或いは、削除する旨が示されない場合)、その表示させたメール本文を削除することなく、メール本文データベース35に保存しておくこともできる。また、サービス利用者端末装置5aの表示画面に表示させたメール本文について、サービス利用者端末装置5aは、メール本文を保存するための図示しない記憶部を有する場合には、サービス利用者A7aの要求に応じて、サービス利用者端末装置5aの記憶部に格納する機能を設けても良い。
【0072】
サービス利用者A7aの要求に応じて、サービス利用者端末装置5aは、メールサーバ3からログアウトすることができる(図4における図示(7))。
【0073】
次に、図2に示す動作概要の(3)〜(7)について、図4及び図5を参照しながら更に説明する。
【0074】
まず、サービス利用者A7aの操作によるサービス利用者端末装置5aは、メールサーバ3にアクセスする(図5における図示(1))。
【0075】
続いて、サービス利用者A7aは、前述と同様に、サービス利用者端末装置を操作して、メールサーバ3に対する認証のためにログインID/パスワード(PW)を入力する(図4における図示(2))。
【0076】
次に、認証成功すれば、メールサーバ3は、Webメールの形式で、Subject、発信者等の情報を、サービス利用者端末装置の表示画面に作業操作画面として一覧表示させる(図4における図示(3))。これにより、サービス利用者A7aは、読みたいメールを選択し、メールサーバ3に対して読み出しを要求することができるようになる(図4における図示(4))。
【0077】
次に、メールサーバ3は、サービス利用者A7aにより選択されたメール本文をサービス利用者A7aのサービス利用者端末装置5aの表示画面に表示させる(図4における図示(5))。これにより、サービス利用者A7aは、読みたいメールの内容を確認でき、そのメールに対して返信文を準備できるようになる(図5における図示(6))。ここで、サービス利用者A7aは、その作業画面表示の一部又は操作上の次画面で、返信文を記述することができる。
【0078】
次に、メールサーバ3は、メッセージ返信送信手段により、返信者に返すべき返信メールを作成し、送信元は、受信していた代替受信メールアドレス(図示FROM)として、メールを送信する(図5における図示(7))。例えば、発信者A6aの相手端末装置4aに対しては、送信元をsinten1@shinten.co.jpのアドレス(図示FROM)でメールを送信する。このように、発信者A6aは、sinten1@shinten.co.jpを送信先にしてメールを送ると、メールサーバ3を介してメールの送受信を行うことができるようになり、サービス利用者A7a(例えば実メールアドレスtanaka@ntt.co.jp)は、発信者A6aにサービス利用者A7aの実メールアドレスを知られることはない。
【0079】
次に、図2に示す動作概要の(3)、(4)及び(8)について、図6を参照しながら更に説明する。
【0080】
まず、サービス利用者A7aの操作によるサービス利用者端末装置は、メールサーバ3にアクセスする(図6における図示(1))。
【0081】
続いて、サービス利用者A7aは、前述と同様に、サービス利用者端末装置5aを操作して、メールサーバ3に対する認証のためにログインID/パスワード(PW)を入力する(図6における図示(2))。
【0082】
次に、認証成功すれば、メールサーバ3は、作業画面提示手段により、Webメールの形式で、Subject、発信者等の情報を、サービス利用者端末装置の表示画面に作業操作画面として一覧表示させる(図6における図示(3))。これにより、サービス利用者A7aは、読みたいメールを選択し、メールサーバ3に対して発信メールを記述することを要求することができるようになる(図6における図示(4))。
【0083】
続いて、発信メールの記述要求があれば、メールサーバ3は、予め定められたメール送信用テンプレートを、サービス利用者A7aのサービス利用者端末装置5aの表示画面に表示させる(図6における図示(5))。そのようなテンプレートには、宛先記載欄、送信元記載欄、題名記載欄及び内容記載欄(To、Subject、from、本文)が設けられている。これにより、サービス利用者A7aは、送信メールのSubject、本文を作成することができるようになる(図6における図示(6))。
【0084】
次に、メールサーバ3は、ユーザデータ管理データベース33から、アドレス設定手段によるアドレス帳管理機能を利用して、サービス利用者A7aの送信メールの送信先を選択する(図6における図示(7))。ここで、アドレス設定手段のアドレス帳管理機能は、相手メールアドレスをToに書き込みするだけではなく、代替受信メールアドレスによるfromのメールアドレスの書き込みも行う。これにより、サービス利用者A7aは、発信者Bに知らされている代替受信メールアドレスにて確実に発信者Bに返信することができるようになる。
【0085】
次に、上記に述べた各手段の機能を実現する本メッセージ通信システムの構成装置の構成について説明する。
【0086】
(メールサーバ構成)
図7は、図1のメッセージ通信システムにおけるメールサーバ3の構成例を示す図である。同図は、メールサーバ3の機能のうち本発明に関る要素のみを代表的に示している。
【0087】
メールサーバ3は、送受信部31と、制御部32と、記憶部(ユーザデータ管理データベース33、アドレス管理データベース34及びメール本文データベース35が格納される)とを有して構成されることを示している。送受信部31は、送信部311及び受信部312を有している。
【0088】
送信部311は、IPネットワーク1及び移動体ネットワーク2ヘメール等を送信するインタフェース機能を有する。受信部312は、IPネットワーク1及び移動体ネットワーク2からメール等を受信するインタフェース機能を有する。つまり、送受信部31は、少なくとも代替受信メッセージ受信手段、代替受信件数通知手段、作業画面提示手段、代替受信メッセージ送信手段、メッセージ返信送信手段及びワーニング送信手段を機能させる。
【0089】
制御部32は、サービス受付部3201と、実メールアドレス検索部3202と、件数計数部3203と、通知メール作成部3204と、認証部3205と、作業画面表示部3206と、メール本文表示部3207と、返信文記述部3208と、返信メール作成部3209と、発信文記述部3210と、発信メール作成部3211とを有している。
【0090】
サービス受付部3201は、サービス利用者端末装置5からのサービス要求を受け付け、各機能部に振り分ける機能を有する。具体的には、ログインID/パスワードをユーザデータ管理データベース33に蓄積、管理し、又は、実アドレス/代替受信アドレスをユーザデータ管理データベース34に蓄積、管理する機能を有する。つまり、サービス受付部3201は、代替受信アドレスログインID管理手段又は代替受信アドレス対実アドレス管理手段を機能させる。
【0091】
実メールアドレス検索部3202は、アドレス管理データベース34に蓄積され管理される代替受信アドレス対実アドレスに基づき、受信した代替受信メールの実メールアドレスを検索する機能を有する。つまり、実メールアドレス検索部3202は、代替受信メッセージ受信手段を機能させる。
【0092】
件数計数部3203は、代替受信メールアドレス毎に受信件数を計数する機能を有する。つまり、件数計数部3203は、代替受信件数通知手段を機能させる。
【0093】
通知メール作成部3204は、件数計数部3203が計数した代替受信メールアドレス毎の件数を実メールアドレス毎に集計し、前回通知した以降の件数を実メールアドレス宛に通知する通知メールを作成する機能を有する。また、通知メール作成部3204は、実メールアドレス検索部3202及び件数計数部3203とともに代替受信アドレス対実アドレス管理に基づき、実アドレス毎に該当する代替受信メールの件数を通知する機能を有する。つまり、通知メール作成部3204は、代替受信件数通知手段を機能させる。
【0094】
認証部3205は、ユーザデータ管理データベース33に蓄積し管理するログインID/PWをもとにアクセスしてきたサービス利用者7を認証する機能を有する。つまり、認証部3205は、認証用データを蓄積管理する代替受信アドレス対ログインID管理手段及びその認証を行なう認証手段を機能させる。
【0095】
作業画面表示部3206は、Webメールの形式で、Subject、発信者等の情報を一覧表示する機能を有する。受信メールの一覧表示はメール本文表示部3207から情報を受ける。つまり、作業画面表示部3206は、作業画面提示手段を機能させる。
【0096】
メール本文表示部3207は、ユーザデータ管理データベース33が蓄積し管理する代替受信アドレス対ログインIDに基づき該当する代替受付メールをメール本文データベース35から検索し表示させるように機能する。また、該当する代替受付メールをメール本文データベース35から検索し一覧表示情報を作業画面表示部3206に伝える機能を有する。つまり、メール本文表示部3207は、代替受信メッセージ送信手段を機能させる。
【0097】
返信文記述部3208は、返信文の記述を受ける機能を有する。つまり、返信文記述部3208は、メッセージ返信送信手段を機能させる。
【0098】
返信メール作成部3209は、返信メールの送信先を代替受信アドレスに設定する機能を有する。つまり、返信メール作成部3209は、アドレス設定手段を機能させる。
【0099】
発信文記述部3210は、テンプレートを表示し(To、Subject、from、本文)、発信文の記述を受ける機能を有する。つまり、発信文記述部3210は、メッセージ返信送信手段を機能させる。
【0100】
発信メール作成部3211は、アドレス管理データベース34の代替受信アドレス対相手アドレス管理に基づき、送信メールの送信先に相手端末装置4のアドレスを指定することにより送信元に代替受信アドレスを自動設定する送信元設定の機能を有する。つまり、発信メール作成部3211は、アドレス設定手段を機能させる。
【0101】
ユーザデータ管理データベース33は、相手端末装置4から送信されるメールを代替して受信するための1つ以上の代替受信メールアドレスとサービス利用者7を識別するログインIDとの対応を蓄積し管理するためのものである。また、代替受信メールアドレスと代替受信メールに示された相手端末装置4の相手メールアドレスとの対応データを蓄積し管理するためのものである。
【0102】
アドレス管理データベース34は、相手端末装置4から送信されるメールを代替して受信するための1つ以上の代替受信メールアドレスとサービス利用者端末装置5の持つ実メールアドレスとの対応を蓄積し管理するためのものである。
【0103】
メール本文データベース35は、代替受信メールアドレスにより送信されてきた代替受信メールを蓄積し管理するためのものである。
【0104】
また、メール本文表示部3207にあっては、表示した代替受信メッセージを削除することを含むものである。つまり、メール本文表示部3207は、代替受信アドレス設定手段を機能させる。
【0105】
また、ユーザデータ管理データベース33にあっては、アドレス設定手段により、相手端末装置4のメールアドレスをサービス利用者端末装置5から設定することを含むものである。
【0106】
また、アドレス設定手段によって、送信メッセージの送信元をサービス利用者端末装置5から設定した際に、制御部32の制御で機能する代替受信アドレス対相手アドレス管理手段により、代替受信アドレス対相手アドレスの蓄積内容と異なる場合は、ワーニング送信手段により、ワーニングを発生させることを含む。
【0107】
また、代替受信アドレス対実アドレス管理手段によって、1つ以上の代替受信メールアドレスとサービス利用者端末装置5の持つ実メールアドレスとの対応を蓄積し管理する場合に、代替受信アドレス対実アドレス管理手段は、ユーザデータ管理データベース33及びアドレス管理データベース34に、他のサービス利用者端末装置5が持つ実メールアドレスの追加を行うことを含む。
【0108】
また、代替受信アドレス設定手段は、ユーザデータ管理データベース33において、代替受信メールアドレスをサービス利用者端末装置5から停止、削除および変更を含む設定を行うことが可能である。
【0109】
次に、本メッセージ通信システムの各種処理について説明する。
【0110】
(メールサーバ処理)
図8は、図7におけるメールサーバ3のアドレス管理データベース34における代替受信アドレス対実アドレス管理処理例を説明するための図である。
【0111】
まず、サービス利用者7がメールサーバ3から代替受信メールアドレスを取得するために、サービス利用者端末装置5を操作して、メールサーバ3にアクセスする。次に、メールサーバ3は、代替受信アドレス対ログインID管理手段の機能として、ログインID及びパスワードと関連付けた利用者登録を行うことができ、実メールアドレス、ログインID及びパスワードと関連付けた利用者登録のための表示画面をサービス利用者端末装置に表示させる(例えば、作業画面提示手段の1つの機能として実現させることができる)。また、メールサーバ3は、サービス利用者の要望に応じてサービス利用者7がメールサーバ3から代替受信メールアドレスを付与する際に、代替受信アドレス対実アドレス管理手段により、アドレス管理データベース34を参照して使用されていないメールアドレスであるか否かを判断する。ここで、メールサーバ3は、サービス利用者の要望に応じた代替受信アドレスが使用されていない代替受信アドレスであれば、実メールアドレス、ログインID及びパスワードと関連付けて登録するとともに、サービス利用者端末装置5に通知する。サービス利用者の要望に応じた代替受信アドレスが既に使用されている代替受信アドレスであれば、別の代替受信アドレスを指定するようにサービス利用者端末装置5に通知する。代替受信アドレスは、サービス利用者の要望に応じて任意に決定でき、特にサービス利用者又は代替受信アドレスを利用する者の記憶に残りやすいものが好ましい。これにより、サービス利用者7はメールサーバ3から代替受信メールアドレスを取得することができる。
【0112】
尚、サービス利用者7は、代替受信メールアドレスについて複数個取得できる。図8は、サービス利用者7(実メールアドレスA.Tanaka@ntt.co.jpを持つ)が5個の代替受信メールアドレスを取得した場合を示している。
【0113】
また、メールサーバ3は、代替受信アドレス対実アドレス管理手段により、代替受信メールアドレスと実メールアドレスの関連付けを行う。図8は、5個の代替受信メールアドレスと実メールアドレスA.Tanaka@ntt.co.jpとの関連付けを示したものである。
【0114】
更に、図8は5個の代替受信メールアドレスと実メールアドレスA.Tanaka@ntt.co.jpとの関連付けを行った後に、サービス利用者7の要求に応じて実メールアドレスB.Tanaka@ntt.co.jpを追加した場合について示している。メールサーバ3は、代替受信アドレス対実アドレス管理手段により、実メールアドレスの追加を許容する。例えば、サービス利用者7は、子供に着信したメールを親が見ることができるようにすることに利用でき、別な形態としては、複数の実メールアドレスを追加し、複数の営業マンが見られるように営業活動への利用も可能になる。
【0115】
尚、代替受信メールアドレスについての登録又は削除は、サービス利用者7の要求に応じて自由に行うことができるものである。
【0116】
図9は、図7におけるメールサーバ3のユーザデータ管理データベース33における代替受信アドレス対ログインID管理処理例を説明するための図である。
【0117】
サービスサーバ3は、代替受信アドレス対ログインID管理手段により、サービス利用者7のログインID/パスワードを管理するとともに、ログインIDと代替受信メールアドレスとの関連づけを管理する。ここで、実メールアドレスと代替受信メールアドレスとの関連づけは、代替受信アドレス対実アドレス管理手段により為される。
【0118】
図7及び図8に示すように、ログインID/パスワード、実メールアドレス及び代替受信メールアドレスは、関連付けが為されるので、サービスサーバ3は、認証手段を経てサービス利用者7に対して認証されている場合は、サービス利用者7の操作するサービス利用者端末装置5の要求に応じて、代替受信メッセージ送信手段によりログインID毎にメール本文データベース35から読出しを行い、サービス利用者端末装置5の表示画面に代替受信メッセージを表示させることができる。
【0119】
次に、代替受信アドレス対相手アドレスを管理するアドレス帳の管理処理例を説明する。
【0120】
(題名(Subject)、日時、発信者)
図10は、図7におけるメールサーバ3のユーザデータ管理データベース33における代替受信アドレス対相手アドレスを管理するためのアドレス帳の管理処理例を説明するための図である。
【0121】
サービスサーバ3は、代替受信アドレス対実アドレス管理手段により、アドレス管理データベース34に格納されているサービス利用者7の要求に応じて登録又は作成したアドレス帳の情報を元に、送信元及び宛先を管理する。そして、サービスサーバ3は、サービス利用者7の操作するサービス利用者端末装置5の要求に応じて、例えば、sinten1@shinten.co.jpにて送られてきたメールに対して返信する場合は、アドレス設定手段により、fromに記載されるメールアドレスがsinten1@shinten.co.jpとなるようにチェック(照合)を行う。
【0122】
ここで、アドレス設定手段は、サービス利用者7の発信メール(サービス利用者7が新規に作成するメール)のfromに記載されるアドレスについて、送信先(To)としてアドレス帳に登録がある場合には、自動で照合を行う。記載されるアドレスについて、送信先(To)としてアドレス帳に登録がない場合には、ワーニング送信手段によりワーニングをサービス利用者端末装置5の表示画面に表示させる。
【0123】
ここで、サービス利用者7は、メールを発信又は返信する場合、自分が登録した代替受信メールアドレスのいずれでも、送信元(from)にすることができる。即ち、図10のアドレス選択機能に例示したように、サービス利用者7に対してfromに記載したい代替受信アドレスの選択番号を選択可能とさせるために、サービスサーバ3は、作業画面提示手段によりサービス利用者端末装置5の表示画面に表示させることもできる。
【0124】
また、アドレス設定手段は、サービス利用者7の操作するサービス利用者端末装置5から送信メッセージの送信先に相手アドレスを設定するとともに、送信メッセージの送信元に代替受信アドレスを設定することも可能にする。
【0125】
ここで、代替受信アドレス対実アドレス管理手段は、メールサーバ3を利用したサービス利用者端末装置5からの送信又は返信メールを、自動的にサービス利用者7のアドレス帳に登録する機能を設けてもよい。
【0126】
また、メールサーバ3の代替受信アドレス対実アドレス管理手段は、サービス利用者端末装置5からの要求に応じて、サービス利用者7のアドレス帳の編集を可能とする機能を設けてもよい。
【0127】
次に、本メッセージ通信システムの構成装置の動作について説明する。
【0128】
(メールサーバ動作)
図11は、図7におけるメールサーバの動作例を示すフローチャートである。
【0129】
ステップA1において、サービス受付部3201は、サービス利用者端末装置5からログインID、パスワード(PW)及び実メールアドレスの登録を受け付ける。
【0130】
ステップA2において、サービス受付部3201は、サービス利用者端末装置5から代替受信メールアドレスの取得要求を受け付ける。
【0131】
ステップA3において、認証部3205は、代替受信アドレス対ログインIDをユーザデータ管理データベース33に蓄積する。
【0132】
ステップA4において、サービス受付部3201は、代替受信アドレス対実アドレスをアドレス管理データベース34に蓄積する。
【0133】
ステップA5において、受信部312は、相手端末装置から代替受信アドレス宛の代替受信メールを受信し、メール本文データベース35に該代替受信メールを蓄積する(ステップA6)。
【0134】
ステップA7において、サービス受付部3201は、相手端末装置4のメールアドレスをユーザデータ管理データベース33に蓄積する。
【0135】
ステップA8において、実メールアドレス検索部3202は、アドレス管理データベース34から実メールアドレスを検索する。
【0136】
ステップA9において、件数計数部3203は、実メールアドレス毎に受信した1つ以上の代替受信アドレスのメール数を計数する。
【0137】
ステップA10において、通知メール作成部3204は、実メールアドレスを持つサービス利用者端末装置5への通知メール(受信件数の通知)を作成する。
【0138】
ステップA11において、送信部311は、実メールアドレスを持つサービス利用者端末装置5へ通知メール(受信件数の通知)を送出する。
【0139】
ステップA12において、受信部312を通してサービス受付部3201がサービス利用者端末装置5からのアクセスを受ける。
【0140】
ステップA13において、認証部3205は、サービス利用者7について認証する。
【0141】
ステップA14において、メール本文表示部3207は、ログインIDに対応したメール一覧情報を作成し(図9参照)、作業画面表示部3206は、サービス利用者端末装置5の表示画面に表示する作業画面を構成し表示させる。以後のステップで、サービス利用者端末装置5を利用するサービス利用者7は、その作業画面表示に基づいてサービス利用者端末装置5を操作するものとする。
【0142】
ステップA15において、サービス利用者7が操作するサービス利用者端末装置5から、特定の代替受信メールが選択され、選択したメール本文の読み出しが要求された場合は、メール本文表示部3207は、該当するメール本文をサービス利用者端末装置5の表示画面に表示させる。
【0143】
ステップA16において、サービス利用者7が操作するサービス利用者端末装置5から、読み出し要求に該当するメール本文に対する返信が要求されると、返信文記述部3208は、返信文の記述を受け(ステップA17)、返信メール作成部3209は代替受信メールアドレスを送信元とする返信メールを作成する(ステップA18)。
【0144】
ステップA19において、送信部311は、読み出し要求に該当するメール本文を作成した相手端末装置4に、返信メールを送信する。
【0145】
尚、ステップA14にて発信が要求された場合、発信文記述部3210は、発信文の記述を受け付ける。
【0146】
ステップA21において、発信メール作成部3211は、発信メールを作成する。
【0147】
ステップA22において、送信部311は、発信メールを送信する。
【0148】
次に、本メッセージ通信システムの動作及び本発明による実施例のメッセージ通信サービス提供方法について説明する。
【0149】
(メッセージ通信システム動作)
図12は、図1におけるメッセージ通信システムの動作例を示すシーケンスチャートである。同図は、相手端末装置4、メールサーバ3及びサービス利用者端末装置5間のシーケンスの一例を示している。
【0150】
ステップB1において、サービス利用者端末装置5は、サービスを受けることに先立ちメールサーバ3にアクセスし、ログインID、パスワード(PW)及び実メールアドレスを登録する。
【0151】
ステップB2において、サービス利用者端末装置5は、メールサーバ3から代替受信メールアドレスを取得する。取得した代替受信メールアドレスは、サービス利用者へのメッセージ通信で相手利用者端末装置に利用させるためのものである。
【0152】
ステップB3において、メールサーバ3は、登録された代替受信アドレス対ログインIDをユーザデータ管理データベース33に蓄積する。
【0153】
ステップB4において、メールサーバ3は、登録された代替受信アドレス対実アドレスをアドレス管理データベース34に蓄積する。
【0154】
ステップB5において、相手端末装置4は代替受信メールアドレスを送信先にした代替受信メールをメールサーバ3に送信すると、メールサーバ3は代替受信し、受信した代替受信メールをメール本文データベース35に蓄積する(ステップB6)。
【0155】
ステップB7において、メールサーバ3は、受信した代替受信アドレス対相手アドレスを登録されているものと対応させてアドレス管理データベース34に蓄積する。
【0156】
ステップB8において、サービス利用者端末装置5の実メールアドレスを送信先にした通知メール(受信件数の通知)を作成し、サービス利用者端末装置5からの要求に応じて、又は、定期的に、サービス利用者端末装置5に送信する(ステップB9)。
【0157】
ステップB10において、サービス利用者端末装置5は、通知メール(受信件数の通知)を受信し、受信したメールの件数を知り、メールサーバ3にアクセスすると(ステップB10)、メールサーバ3は、サービス利用者端末装置5に対してログインID/パスワードを要求し(ステップB11)、入力されたログインID/パスワードについて認証する(ステップB12)。
【0158】
ステップB13において、メールサーバ3は、ログインIDに対応したメールの一覧を含む作業指示を問うサービス利用者端末装置5の表示画面に作業画面表示させる。
【0159】
ステップB14において、作業画面表示に従ってサービス利用者7が操作するサービス利用者端末装置5は、例えば特定のメールを選択し本文メールの読み出し要求をすると、メールサーバ3は、該当する本文メールをサービス利用者端末装置5の作業画面上にて表示させる(ステップB15)。
【0160】
ステップB16において、作業画面表示に従ってサービス利用者7が操作するサービス利用者端末装置5は、表示されたメールに返信することを要求すると、メールサーバ3は、返信文を記述する画面(テンプレート)をサービス利用者端末装置5の作業画面上で表示させる。これにより、サービス利用者7は、返信文を記述できる。
【0161】
ステップB17において、サービス利用者7の返信文が作成完了すると、メールサーバ3は、送信元を代替受信メールアドレスとする返信メールを作成し(ステップB18)、該当する相手端末装置5に送信する(ステップB19)。
【0162】
ステップB13において、サービス利用者7の要求に応じてサービス利用者端末装置5によりメールの発信の要求が為される場合(ステップB20)、メールサーバ3は、発信文を記述する画面(テンプレート)をサービス利用者端末装置5の作業画面上で表示させる。これにより、サービス利用者7は、発信文を記述できる。
【0163】
ステップB21において、サービス利用者7の発信文が作成完了すると、メールサーバ3は、送信先に対応した代替受信メールアドレス設定した発信メールを作成し(ステップB22)、該当する相手端末装置5に送信する(ステップB23)。
【0164】
また、ステップB4にあっては、代替受信メールアドレスと実メールアドレスとの関連付けを行った後に、実メールアドレスの追加を行うことを含むものである。
【0165】
また、ステップB7にあっては、相手端末装置4のメールアドレスをサービス利用者端末装置5から設定することを含むものである。
【0166】
また、ステップB15にあっては、表示した代替受信メールを削除することを含むものである。
【0167】
また、ステップB22にあっては、サービス利用者7の要求に応じてサービス利用者端末装置5が設定した発信メールの送信元が、アドレス管理データベース34における代替受信アドレス対相手アドレスについての蓄積内容と異なる場合、メールサーバ3はワーニングを発生することを含むものである。
【0168】
また、図12のシーケンスにあっては、ステップB2と同様に、代替受信メールアドレスをサービス利用者端末装置5から停止、削除及び変更を含む設定を行う代替受信アドレス設定ステップを含むものである。
【0169】
本発明の実施例によれば、上記に述べたとおり、利用者が自分の実メールアドレスを知らせる必要がなく、複数の代替受信メールアドレスを取得しても効率よく管理できるようになる。
【0170】
また、目的別メールアドレスは、利用上の空きがあれば(同一メールアドレスがない場合)、利用者の要望により決定できる。また、利用者の要望により目的別メールアドレスは何度でも変更できる。目的別メールアドレスの利用停止、変更、削除することにより、迷惑メールを受信しなくて済むようになる。
【0171】
更に、目的別メールアドレスに送られてきたメールに対し返事をする場合には、差出人(from)を目的別メールアドレスに書換えて送信することができるようになる。これは、真のメールアドレスを隠蔽できるという効果を生じる。また、目的別メールアドレスを複数持つユーザは、目的別メールアドレス毎にメールサーバが差出人(from)のアドレスを書換えることもできるようになる。
【0172】
更に、メールサーバの差出人(from)チェック機能により、相手端末装置を利用する者に教えた目的別メールアドレス以外で、発信、返信する心配がなくなる。そして、迷惑メール対策のために、実メールアドレスを変更する必要がなくなる。更に、通信方式を変更しないため、汎用に用いられる端末装置の利用が可能である。
【0173】
上述した実施例において、sinten1@sinten.co.jp、tanaka@ntt.co.jp、hatu.B@docomo.co.jp等のメールアドレス例を示したが、実施例の説明の便宜に用いたものにすぎず、如何なる態様のメールアドレスでもよいことは云うまでもない。なお、上述の実施例において、説明の便宜のためにメール本文データベース、アドレス管理データベース及びユーザデータ管理データベースをそれぞれ個別のデータベースとして説明したが、単一又はいずれかの組み合わせのデータベースとすることもできる。また、相手端末装置は、本発明に係るサービス利用者端末装置であってもよい。従って、本発明は、図1〜図12を用いて説明した実施例に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0174】
上記に説明したとおり、エンドユーザにとっては、自分の実メールアドレスを知らせる必要がなく、複数の代替受信メールアドレスを取得しても効率よく管理できるようになり、サービス提供者にとっては、そのサービスの便宜性からサービスの利用が普及し、メッセージ通信システム及び関連装置の需要が一層高まることが期待でき、そのような通信システム及び関連装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】本発明による実施例のメッセージ通信システムの構成例を示す接続図である。
【図2】本発明による実施例のメッセージ通信システムの動作概要および構成装置概要を説明するための図である。
【図3】本発明による実施例のメールサーバからのメール着信通知を説明するための図である。
【図4】本発明による実施例のメールサーバヘのアクセス(メールの読み出し)を説明するための図である。
【図5】本発明による実施例のメールサーバヘのアクセス(メールの返信)を説明するための図である。
【図6】本発明による実施例のメールサーバヘのアクセス(メールの発信)を説明するための図である。
【図7】本発明による実施例のメッセージ通信システムにおけるメールサーバの構成例を示す図である。
【図8】本発明による実施例のメッセージ通信システムにおけるメールサーバのアドレス管理処理を説明するための図である。
【図9】本発明による実施例のメッセージ通信システムにおけるメールサーバのユーザデータ管理処理を説明するための図である。
【図10】本発明による実施例のメッセージ通信システムにおけるメールサーバのアドレス帳管理処理を説明するための図である。
【図11】本発明による実施例のメッセージ通信システムにおけるメールサーバの動作例を示すフローチャートである。
【図12】本発明による実施例のメッセージ通信システムにおける動作例を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0176】
1 IPネットワーク
2 移動体ネットワーク
3 メールサーバ
31 送受信部
311 送信部
312 受信部
32 制御部
3201 サービス受付部
3202 実メールアドレス検索部
3203 件数計数部
3204 通知メール作成部
3205 認証部
3206 作業画面表示部
3207 メール本文表示部
3208 返信文記述部
3209 返信メール作成部
3210 発信文記述部
3211 発信メール作成部
33 ユーザデータ管理データベース
34 アドレス管理データベース
35 メール本文データベース
4,4a,4b 相手端末装置
5,5a,5b サービス利用者端末装置
6,6a,6b 発信者又は着信者
7,7a,7b サービス利用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手端末装置とサービス利用者端末装置との間でメッセージ通信サーバを介してメッセージ通信を行うネットワークシステムに適用されるメッセージ通信サービス提供方法であって、
前記メッセージ通信サーバが、
(a) 前記相手端末装置から送信されるメッセージを代替して受信するための1つ以上の代替受信アドレスと前記サービス利用者端末装置の持つ実アドレスとの対応データをデータベースに蓄積し、前記代替受信アドレスと前記実アドレスとの対応データを管理するステップと、
(b) 前記相手端末装置から代替受信アドレスで送信されたメッセージを蓄積するステップと、
(c) 前記データベースに基づいて、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、又は、定期的に、前記実アドレス毎に該当する代替受信メッセージの件数を前記サービス利用者端末装置に通知するステップと、
を含むことを特徴とするメッセージ通信サービス提供方法。
【請求項2】
前記メッセージ通信サーバが、
(d) 前記1つ以上の代替受信アドレスとサービス利用者を識別するログインIDとの対応データを前記データベースに蓄積し、前記代替受信アドレスと前記ログインIDとの対応データを管理するステップと、
(e) 前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記ログインIDについて認証するステップと、
(f) 前記ステップ(e)で認証が首尾よく成功した場合にのみ、前記データベースに基づいて、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じた前記ログインIDに対応する代替受信アドレスを抽出するステップと、
(g) 前記ステップ(f)で抽出した代替受信アドレスに対応する代替受信メッセージを、前記サービス利用者端末装置に送信するステップと、
を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のメッセージ通信サービス提供方法。
【請求項3】
前記メッセージ通信サーバが、
(h) 前記相手端末装置から送信される代替受信アドレスを宛先とする代替受信メッセージを受信するステップと、
(i) 前記代替受信メッセージに示された相手アドレスと前記代替受信アドレスとの対応データを前記データベースに蓄積し、前記代替受信アドレスと前記相手アドレスとの対応データを管理するステップと、
(j) 前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて前記相手端末装置への送信メッセージを受信した場合は、前記データベースに基づいて、前記送信メッセージの送信先に前記相手アドレスを指定するとともに、前記送信メッセージの送信元に前記代替受信アドレスを設定するステップとを更に含むことを特徴とする、請求項2に記載のメッセージ通信サービス提供方法。
【請求項4】
前記ステップ(j)は、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記送信メッセージの送信先に前記相手アドレスを設定し、前記送信メッセージの送信先に前記相手アドレスを設定するステップを含むことを特徴とする、請求項3に記載のメッセージ通信サービス提供方法。
【請求項5】
前記ステップ(j)は、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記送信メッセージの送信先に前記相手アドレスを設定し、前記送信メッセージの送信先に前記相手アドレスを設定する際に、前記データベースに蓄積されているものと異なる場合には、前記サービス利用者端末装置に対してワーニングを送信するステップを更に含むことを特徴とする、請求項4に記載のメッセージ通信サービス提供方法。
【請求項6】
前記メッセージ通信サーバが、
(k) 前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記代替受信アドレスについて、停止、削除及び変更を含む設定を行うステップを更に含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のメッセージ通信サービス提供方法。
【請求項7】
相手端末装置とサービス利用者端末装置との間でメッセージ通信を行うネットワークシステムに適用されるメッセージ通信サーバであって、
前記相手端末装置から送信されるメッセージを代替して受信するための1つ以上の代替受信アドレスと前記サービス利用者端末装置の持つ実アドレスとの対応データをデータベースに蓄積し、前記代替受信アドレスと前記実アドレスとの対応データを管理する代替受信アドレス対実アドレス管理手段と、
前記相手端末装置から代替受信アドレスで送信されたメッセージを蓄積するメッセージ蓄積手段と、
前記データベースに基づいて、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、又は、定期的に、前記実アドレス毎に該当する代替受信メッセージの件数を前記サービス利用者端末装置に通知する代替受信件数通知手段とを備えることを特徴とするメッセージ通信サーバ。
【請求項8】
前記1つ以上の代替受信アドレスとサービス利用者を識別するログインIDとの対応データを前記データベースに蓄積し、前記代替受信アドレスと前記ログインIDとの対応データを管理する代替受信アドレス対ログインID管理手段と、
前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記ログインIDについて認証する認証手段と、
前記認証手段で認証が首尾よく成功した前記サービス利用者端末装置について、前記データベースに基づいて、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じた前記ログインIDに対応する代替受信アドレスを抽出する代替受信アドレス抽出手段と、
前記代替受信アドレス抽出手段で抽出した代替受信アドレスに対応する代替受信メッセージを、前記サービス利用者端末装置に送信する代替受信メッセージ送信手段と、
を更に備えることを特徴とする、請求項7に記載のメッセージ通信サーバ。
【請求項9】
前記相手端末装置から送信される代替受信アドレスを宛先とする代替受信メッセージを受信する代替受信メッセージ受信手段と、
前記代替受信メッセージに示された相手アドレスと前記代替受信アドレスとの対応データを前記データベースに蓄積し、前記代替受信アドレスと前記相手アドレスとの対応データを管理する代替受信アドレス対相手アドレス管理手段と、
前記データベースに基づいて、又は、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記送信メッセージの送信先に前記相手アドレスを設定するとともに、前記送信メッセージの送信元に前記代替受信アドレスを設定するアドレス設定手段と、
前記アドレス設定手段により、前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて設定する前記相手アドレス又は前記代替受信アドレスが、前記データベースに蓄積されているものと異なる場合に、前記サービス利用者端末装置に対してワーニングを送信するワーニング送信手段と、
前記サービス利用者端末装置からの要求に応じて、前記代替受信アドレスについて、停止、削除及び変更を含む設定を行う代替受信アドレス設定手段と、
を更に備えることを特徴とする、請求項8に記載のメッセージ通信サーバ。
【請求項10】
相手端末装置とサービス利用者端末装置との間でメッセージ通信を行うネットワークシステムに適用されるメッセージ通信サーバとして機能するコンピュータに、
請求項1〜5のいずれかに記載のメッセージ通信サービス提供方法の各ステップを実行させるためのメッセージ通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−288890(P2008−288890A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131999(P2007−131999)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】