説明

メディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定システム

【課題】ルータ装置がメディアアダプタ装置と自動接続でき、メディアアダプタ装置に於けるバッファあふれを、軽減する機能を提供する。
【解決手段】メディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定システムは、ルータ装置と、ルータ装置と接続されるメディアアダプタ装置とを有し、メディアアダプタ装置は、ルータ装置がメディアアダプタ装置を経由して他のネットワークに接続する際にメディアアダプタ装置からルータ装置に通知されるパケットのオプション部分に自動接続情報を付加し、ルータ装置は、自動接続情報を基にメディアアダプタ装置のバッファ制御の為の接続を確立し、メディアアダプタ装置は、メディアアダプタ装置と他のネットワークとの間の伝送速度をバッファ制御の為の接続を用いてルータ装置に通知し、ルータ装置は、通知された伝送速度に基づいてルータ装置とメディアアダプタ装置との間の通信速度を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、メディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
イーサネット(登録商標)の電気信号を無線LAN(Local Area Network)の電波に変換するアダプタや、光ファイバーの光信号をイーサネットの電気信号に変換するメディアアダプタ装置がある。メディアアダプタ装置にはイーサネットの電気信号と携帯電話回線との接続を行うものもある。
【0003】
関連する技術であるメディアアダプタ装置の接続例を図8に示す。
図8において、メディアアダプタ装置(3)は、LAN(Local Area Network)ケーブル(2)にて、ルータ装置(1)と接続されている。一方、メディアアダプタ装置(3)は、所定の接続ケーブル(4)で無線通信端末(5)と接続される。無線通信端末(5)は、携帯電話の無線回線(6)にて無線回線事業者網(7)と接続される。
【0004】
メディアアダプタ装置及びルータ装置を用いて、無線通信端末等を経由してインターネットへ接続する場合には次のような問題が生じる。即ちメディアアダプタ装置に伝送速度の著しく低い無線通信端末が接続されていた場合でも、ルータ装置からは、メディアアダプタ装置に接続されているメディアの伝送帯域を認識することはできない。そのため、ルータ装置はメディアアダプタ装置と接続しているインタフェースの規格上の速度に基づいてデータを送信し続ける。
【0005】
特許文献1には関連する技術として、複数の通信端末から構成されるネットワークシステムに適用可能な、処理の簡略化、レスポンスの向上及び帯域利用の効率化を実現させたアクセス制御方法を提供するものが記載されている。これは、アクセス制御システムにおいて、各端末局が送信データにバッファにおけるデータの溜まり具合を示す送信情報を付加して送信し、制御局がその送信情報を判断して各端末局の帯域割り当てを制御するものである。これにより、再送処理やトラフィック変動に逐次追随して帯域の割当てを行うことができる、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−526372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、図8に示す関連する技術のメディアアダプタ装置では次のような問題がありうる。メディアアダプタ装置等では上述の様に、直接接続しているインタフェースの規格上の速度(即ち、インタフェースが1Gigaイーサなら1ギガ/sとして100Mイーサなら100Mバイト/sとして)でデータを送信し続ける。メディアアダプタ装置等が接続している無線通信端末の伝送速度が著しく低い場合、接続しているインタフェースにて送信データが処理しきれず、バッファ溢れが発生することがある。特に安価なメディアアダプタ装置では、バッファサイズも速度差を見越した有効な容量はコスト的に用意できないため、バッファ溢れは放置され、通信の継続性は、上位層での遅延/再送の仕組みに頼っている。上位層のTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)では、PC(Personal Computer)等の端末間でのコネクションの制御となるため、PC等の端末のインタフェースが規格上高速な場合、経路の実質的な伝送帯域は認識しない。そのため、携帯電話回線の様な細い通信回線を経由する場合のバッファあふれを要因とする再送等が発生するため、通信帯域を有効活用できていなかった。
【0008】
更に、メディアアダプタ装置の管理のためには、機器を個別に設定することが必要である。メディアアダプタ装置は、直接接続するルータ装置の付属品レベルの扱いとされることが多く、実際に通信が行われる現地に移動して初期設定、管理等を行う必要があり、その作業を行うコストが必要となっていた。
【0009】
また、特許文献1の技術では、各端末局に於けるバッファの状況を制御局から制御するに到るまでの初期設定についての記載は無い。つまり上記のような制御を行う為の初期設定を、端末局の新規開設の度に行う必要がある。従って、上記で説明した初期設定の為の作業コスト等の問題を解決するものではない。
【0010】
本発明は上記課題を解決すべく、ルータ装置がメディアアダプタ装置と自動接続でき、メディアアダプタ装置に於けるバッファあふれを、軽減する機能を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定システムは、
ルータ装置と、前記ルータ装置と接続されるメディアアダプタ装置とを有し、
前記メディアアダプタ装置は、前記ルータ装置が前記メディアアダプタ装置を経由して他のネットワークに接続する際に前記メディアアダプタ装置から前記ルータ装置に通知されるパケットのオプション部分に自動接続情報を付加し、
前記ルータ装置は、前記自動接続情報を基に前記メディアアダプタ装置のバッファ制御の為の接続を確立し、
前記メディアアダプタ装置は、前記メディアアダプタ装置と前記他のネットワークとの間の伝送速度を前記バッファ制御の為の接続を用いてルータ装置に通知し、
ルータ装置は、通知された前記伝送速度に基づいて前記ルータ装置と前記メディアアダプタ装置との間の通信速度を決定する。
【0012】
本発明のメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定方法は、
ルータ装置が前記メディアアダプタ装置を経由して他のネットワークに接続する際に前記メディアアダプタ装置から前記ルータ装置に通知されるパケットのオプション部分に自動接続情報を付加する自動接続情報付加工程と、
前記自動接続情報を基に前記メディアアダプタ装置のバッファ制御の為の接続を確立する接続確立工程と、
前記メディアアダプタ装置と前記他のネットワークとの間の伝送速度を前記バッファ制御の為の接続を用いてルータ装置に通知する伝送速度通知工程と、
通知された前記伝送速度に基づいて前記ルータ装置と前記メディアアダプタ装置との間の通信速度を決定する通信速度決定工程と
を有する。
【発明の効果】
【0013】
上記に説明したように、本発明によれば、上述の構成により、ルータ装置がメディアアダプタ装置と自動接続でき、メディアアダプタ装置に於けるバッファあふれを軽減出来るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態を説明する図である。
【図2】第1の実施形態の動作を説明する図である。
【図3】第1の実施形態のシーケンスを示す図である。
【図4】第1の実施形態のPPPoE (Point-to-point protocol over Ethernet)の応答に追加されるオプション情報の例である。
【図5】第1の実施形態のバッファ制御の動作を説明する図である。
【図6】第2の実施形態を説明する図である。
【図7】第2の実施形態を説明する図でありルータ装置として組み込んだ場合の配下の上位ルータ装置との接続例を示す。
【図8】関連する技術のメディアアダプタ装置の接続を説明する図である。
【図9】第3の実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
次に本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は第1の実施形態の構成の説明図である。1はルータ装置、2はLANケーブル、3はメディアアダプタ装置、4は接続ケーブル、5は無線通信端末である。また、6は無線回線、7は無線回線事業者網、8はインターネット網、9はメディアアダプタ装置用設定パラメータが格納されたメモリ、10はルータ装置の内部バスである。
【0017】
本実施形態では、メディアアダプタ装置(3)は無線回線事業者網(7)を経由してインターネット網(8)へ接続する。メディアアダプタ装置(3)はEthernet(1Giga、100M等)のLANケーブル(2)でルータ装置(1)と接続される。
【0018】
無線通信端末(5)は、無線回線(6)を使用して、無線回線事業者網(7)を経由して、インターネット網(8)に接続する。
【0019】
ルータ装置(1)は、メディアアダプタ装置(3)との自動接続に対応した機能とバッファ制御を受ける機能を有している。
【0020】
管理条件により、ルータ装置の内部バス(10)上のメモリ(9)にて、メディアアダプタ装置の設定パラメータを保有する場合もある。
【0021】
次に図2,図3を用いて動作を説明する。図2は図1の構成図に於ける信号の流れを大まかに示したものであり、図3は、接続シーケンスを詳細に図示したものである。
【0022】
図2及び図3において、メディアアダプタ装置(3)の電源ON(100)後、ルータ装置(1)はLANケーブル(2)経由でDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)クライアントやPPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)を利用して接続(51)、(300)する。メディアアダプタ装置は設定されたパラメータを代行してインターネットに転送(59)し、インターネットに接続(302)する (67)、(68)、(69)、(61)、(53) 。
【0023】
メディアアダプタ装置(3)から、ルータ装置(1)へ返信する(301)際に、その返信パケットに自動接続情報を添付する (60)。この自動接続情報は、ルータ装置(1)から、PPPoE経由にてインターネットに接続する場合は、PPPoEの応答パケット中のPPPoEペイロード部の必須情報以外の部分に、オプション情報として追加することにより実現する。具体的には図4に示すようにTLV(type-length-value) 構造となっており、200がTAG_TYPEの値が0x0105で示される追加されたVendor-Specificタグ、201がTAG_TYPEの値が0x0101で示される追加されたservice-名タグである。
【0024】
追加されたservice-名タグ(201)のTAG_Valueとしては別セッションが張られるメディアアダプタ接続用サービス名(203)が入る。また、追加されたVendor-Specificタグ(200)のTAG_Valueとしては別セッションを起動するためのキー(202)が入る。 これらはパケットのオプション部分に情報を添付しているので独自プロトコルを使用せずに、ルータ装置側にてメディアアダプタ装置の接続機器を確認出来る (52) 。
【0025】
確認後、メディアアダプタ装置(3)の管理とバッファ制御専用の通信をするため、インターネット接続とは別途の接続でPPPoEを使用して、つまりPPPoEの別セッションでルータ装置とメディアアダプタ装置間を接続する (54) 。
【0026】
ルータ装置では入手した自動接続情報(52)から、認証キーを抽出し、メディアアダプタ装置の認証を実施する (62)。認証後、メディアアダプタ装置(3)とルータ装置(1)と間の通信を行うためのIPアドレスの割当(64)を実施し、ルータ装置は、自装置内にIPアドレスを登録する。(55)
LANケーブル(2)には、PPPoEにて、インターネットと通信する通信(53)との2つのセッションが確立される。これにて、ルータ装置(1)からメディアアダプタ装置のリモート管理が可能となる。
【0027】
接続確認(59)後、ネットワーク全体として、管理するためのパラメータ(9)が用意されている場合は、パラメータ(コンフィグ)(9)を送付するため、telnetセッションが接続される。その後ルータ装置(1)のメモリに格納されたパラメータ(コンフィグ)(9)をメディアアダプタ装置に登録(65)する。
【0028】
一方、ルータ装置に於いてメディアアダプタ装置内のインターネット接続インタフェースのバッファの状態をリアルタイムで監視出来るようにするために、登録したIPアドレス(55または57)でTCP接続する (58)、(66) 。ルータ装置からメディアアダプタ装置への接続は、工場出荷設定または、別途にパラメータ登録(65)されたIPアドレスを用い、ポート番号は、工場出荷設定か別途にパラメータ登録(65)された値を用いて行う。
【0029】
次に図5において、ルータ装置からメディアアダプタ装置内のバッファ制御の動作を説明する。
【0030】
ルータ装置はメディアアダプタ装置と接続後、下記の初期データ要求(501)を実施する。
【0031】
要求するデータは、メディアアダプタ装置内の現在のバッファ状態とWAN(Wide Area Network)回線の速度即ちメディアアダプタ装置に於ける無線回線事業者網(7)との伝送速度、バッファあふれのしきい値である。メディアアダプタ装置(3)は要求されたデータをルータ装置(1)に通知(505)し、ルータ装置(1)は、通知されたデータ(507)を登録する。
【0032】
インターネット通信で伝送すべきデータが増加し、バッファあふれのしきい値を越えると情報を配下のルータ装置へ通知(506)する。通知(508)には、現在のWAN速度、前回のバッファの値、現在のバッファの状況が登録されている。
【0033】
メディアアダプタ装置からのバッファあふれ通知を受ける(502)と、ルータ装置(1)ではインターネット側の送信インタフェースを動的にシェーピングし、WANの回線速度までシェーピングする。シェーピング出来る限度まで来たらその旨の通知(509)をバッファ確認(502)へ送付する。なおシェーピングとは、特定のトラフィックに対してインタフェース上で送信できる帯域幅を制限することである。
【0034】
次にメディアアダプタ装置におけるバッファ調整(504)を実施する。送信待ちデータ量と送信済みデータ量との均衡が取れ、バッファの使用サイズに変化が無くなるまでバッファサイズを増加してゆく。逆にバッファ増加の限度まで来たらその旨の通知(510)をバッファ確認(502)へ送付する。上記処理の順番は、パラメータで指定する。
【0035】
バッファを減らす動作については、タイマ設定により、時間差処理とし、バッファ増減のばた付きを軽減する。即ち、突発的なデータの減少により直ちにバッファを削減させることなく、一定時間データの減少が確認されてからバッファを削減させる。
【0036】
この処理により、メディアアダプタ装置内であふれるパケットを減らし、再送によるデータ通信の帯域圧迫を防止する。
【0037】
以上説明した第1の実施形態では、上述の構成により、ルータ装置がメディアアダプタ装置と自動接続でき、メディアアダプタ装置に於けるバッファあふれを軽減出来るという効果が得られる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0038】
図6は本発明の第2の実施形態であるインターネット接続にルータ装置からのDHCP接続を適用する場合の説明図である。
【0039】
本発明の第2の実施形態として、その構成は第1の実施形態と同じであるが、インターネット接続に、PPPoE(PPP)以外の方式、ここではDHCP接続を想定している。
【0040】
先ず、ルータ装置(1)からインターネット接続のためのDHCPパケット(303)が送付される。
メディアアダプタ装置(3)にて、ルータ装置に対しDHCPの代理応答(304)をする。その際、代理応答(304)のDHCPパケットのオプションのエリアに、本装置と接続用のservice-名とVendor-Specific情報を添付している。
【0041】
ルータ装置(1)にて、オプションの内容から、メディアアダプタ装置(3)の存在を認識すると、再度internet接続のためのDHCPパケットと、ルータ装置とメディアアダプタ装置とをPPPoEで接続するため、PPPoE接続を行う為の開始パケットを送付する。
【0042】
メディアアダプタ装置では、受信した両パケットを認識した後、インターネットに対してはDHCPの処理代行によるインターネット接続(305)を行う。その一方ルータ装置との間でPPPoE接続(306)を実施する。
【0043】
PPPoE接続については、図3の、自動接続設定でのPPPoE接続(54)の動作と同じであり、これはメディアアダプタ装置の管理とバッファ制御専用の通信をするためのPPPoE接続である(54) 。ルータ装置では入手した自動接続情報(52)から、認証キーを抽出して、認証を実施する (62) 。認証後、メディアアダプタ装置(2)とルータ装置(1)との通信を行うためのIPアドレスの割当(64)を実施し、ルータ装置は、自装置内にメディアアダプタ装置と通信する為のIPアドレスを登録する (55) 。
【0044】
一方、LANケーブル(2)を通じて、DHCPで取得したIPアドレスにて、インターネットと通信する通信(53)PPPoEのセッションが確立される。
【0045】
インターネットとの接続確認(59)後、ネットワーク全体として、管理するためのパラメータ(9)が用意されている場合は、パラメータ(コンフィグ)(9)を送付するため、メディアアダプタ装置に対しtelnetセッションが接続される。その後ルータ装置(1)のメモリに格納されたパラメータ(コンフィグ)(9)をメディアアダプタ装置に登録(65)する。
【0046】
メディアアダプタ装置内のインターネット接続インタフェースのバッファの状態をルータ装置側からリアルタイム監視することが出来るように、登録したIPアドレス(55)でTCP接続する (58)、(66)。接続先は、工場出荷設定または、別途にパラメータ登録(65)されたIPアドレスでポート番号は、工場出荷設定か別途にパラメータ登録(65)された値となる。
【0047】
本図においては、インターネット接続のプロトコル動作のPPPoE部分がDHCPクライアントとなっている。
【0048】
以上より、本実施の形態においては、ルータ装置がメディアアダプタ装置と自動接続でき、メディアアダプタ装置に於けるバッファあふれを軽減出来るという効果が得られる。
【0049】
またメディアアダプタ装置とルータ装置とが独立して設置される場合ではなく、ルータ装置の中にメディアアダプタ装置が組み込まれた構成としてもよい。その場合は、バッファ制御システムのみの利用が可能である。図7は、ルータ装置の中にメディアアダプタ装置が組み込まれた構成(メディアアダプタルータ(703))の場合の、上位のルータ装置との接続例を示す。
【0050】
この場合は、PPPoE接続する為の設定を上位のルータ装置(1)自身が保有し、ルータ装置(1)からメディアアダプタルータ(703)に対しPPPoE接続(307)、(308)を行う。
【0051】
その後は、図5の様に、メディアアダプタルータ(703)内のインターネット接続インタフェースのバッファの状態をルータ装置(1)にてリアルタイム監視するために、設定されたIPアドレス(55)or(57)でTCP接続する (58)、(66) 。接続先は、工場出荷設定または、別途にパラメータ登録(65)されたIPアドレスでポート番号は、工場出荷設定か別途にパラメータ登録(65)された値となる。またバッファの制御の為の動作は第1の実施の形態と同様となる。
【0052】
以上より、本実施の形態においては、ルータ装置がメディアアダプタルータと自動接続でき、メディアアダプタルータに於けるバッファあふれを軽減出来るという効果が得られる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を実施するための第3の実施形態について説明する。
【0053】
図9は本発明の第3の実施形態のメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定システムである。
【0054】
第3の実施形態のメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定システムは
ルータ装置901と、前記ルータ装置と接続されるメディアアダプタ装置902とを有する。
【0055】
前記メディアアダプタ装置は、前記ルータ装置が前記メディアアダプタ装置を経由して他のネットワークに接続する際に前記メディアアダプタ装置から前記ルータ装置に通知されるパケットのオプション部分に自動接続情報を付加する。
【0056】
前記ルータ装置は、前記自動接続情報を基に前記メディアアダプタ装置のバッファ制御の為の接続を確立する。
【0057】
前記メディアアダプタ装置は、前記メディアアダプタ装置と前記他のネットワークとの間の伝送速度を前記バッファ制御の為の接続を用いてルータ装置に通知する。
【0058】
ルータ装置は、通知された前記伝送速度に基づいて前記ルータ装置と前記メディアアダプタ装置との間の通信速度を決定する。
【0059】
以上説明した第3の実施形態では、上述の構成により、ルータ装置がメディアアダプタ装置と自動接続でき、メディアアダプタ装置に於けるバッファあふれを軽減出来るという効果が得られる。
【0060】
なお、ここまで説明した各実施の形態では、専用の装置を想定したが、次のようなものでもよい。即ち例えば各種データ処理を行うパーソナルコンピュータ装置に、本例に相当する処理を行うボードやカードなどを装着し、各処理を、コンピュータ装置側で実行させる。このようにして、その処理を実行するソフトウェアをパーソナルコンピュータ装置に実装させて実行する構成としても良い。
【0061】
そのパーソナルコンピュータ装置などのデータ処理装置に実装されるプログラムについては、光ディスク,メモリカードなどの各種記録(記憶)媒体を介して配付しても良く、或いはインターネットなどの通信手段を介して配付しても良い。
【符号の説明】
【0062】
1 ルータ装置
2 LANケーブル
3 メディアアダプタ装置
4 接続ケーブル
5 無線通信端末
6 無線回線
7 無線回線事業者網
8 インターネット網
9 メディアアダプタ装置用設定パラメータが格納されたメモリ
10 ルータ装置の内部バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルータ装置と、前記ルータ装置と接続されるメディアアダプタ装置とを有し、
前記メディアアダプタ装置は、前記ルータ装置が前記メディアアダプタ装置を経由して他のネットワークに接続する際に前記メディアアダプタ装置から前記ルータ装置に通知されるパケットのオプション部分に自動接続情報を付加し、
前記ルータ装置は、前記自動接続情報を基に前記メディアアダプタ装置のバッファ制御の為の接続を確立し、
前記メディアアダプタ装置は、前記メディアアダプタ装置と前記他のネットワークとの間の伝送速度を前記バッファ制御の為の接続を用いてルータ装置に通知し、
ルータ装置は、通知された前記伝送速度に基づいて前記ルータ装置と前記メディアアダプタ装置との間の通信速度を決定する、
ことを特徴とするメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定システム。
【請求項2】
前記バッファ制御の為の接続は前記他のネットワークとの接続とは別の接続をPPPoEのセッションにて確立する
ことを特徴とする請求項1記載のメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定システム。
【請求項3】
前記メディアアダプタ装置のバッファあふれ状態を、
前記別の接続を通じて更に通知し、
前記ルータ装置は受信した前記バッファあふれ状態に基づき、前記メディアアダプタ装置との通信速度を増減する、
ことを特徴とする請求項2記載のメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定システム。
【請求項4】
前記他のネットワークへの接続はPPPoE接続である
ことを特徴とする請求項3記載のメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定システム。
【請求項5】
前記他のネットワークへの接続はDHCP接続である
ことを特徴とする請求項3記載のメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定システム。
【請求項6】
ルータ装置が前記メディアアダプタ装置を経由して他のネットワークに接続する際に前記メディアアダプタ装置から前記ルータ装置に通知されるパケットのオプション部分に自動接続情報を付加する自動接続情報付加工程と、
前記自動接続情報を基に前記メディアアダプタ装置のバッファ制御の為の接続を確立する接続確立工程と、
前記メディアアダプタ装置と前記他のネットワークとの間の伝送速度を前記バッファ制御の為の接続を用いてルータ装置に通知する伝送速度通知工程と、
通知された前記伝送速度に基づいて前記ルータ装置と前記メディアアダプタ装置との間の通信速度を決定する通信速度決定工程と
を有することを特徴とするメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定方法。
【請求項7】
前記バッファ制御の為の接続は、前記他のネットワークとの接続とは別の接続をPPPoEの別セッションにて確立する
ことを特徴とする請求項6記載のメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定方法。
【請求項8】
前記メディアアダプタ装置のバッファあふれ状態を、
前記別の接続を通じて更に通知し、
前記ルータ装置に於いて受信した前記バッファあふれ状態に基づき、前記メディアアダプタ装置との通信速度を増減する、
ことを特徴とする請求項7記載のメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定方法。
【請求項9】
前記他のネットワークへの接続はPPPoE接続である
ことを特徴とする請求項8記載のメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定方法。
【請求項10】
前記他のネットワークへの接続はDHCP接続である
ことを特徴とする請求項8記載のメディアアダプタ装置とルータ装置の自動設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−90148(P2012−90148A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236271(P2010−236271)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】