説明

メラトニン作用剤としての複素環式アミノピロリジン誘導体

【課題】薬物及び生物作用活性を有する新規な置換複素環アミノピロリジン誘導体、およびそれらの製造、医薬製剤および用途を提供する。
【解決手段】本発明の化合物は式(I)の一連の新規な複素環アミノピロリジン化合物である。
【化1】


(式中、R,R,R,R,W,Zおよび波線は本明細書中で定義した通りである)
【効果】本発明の化合物はヒトメラトニンレセプターに結合するので、メラトニン作用剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬物及び生物作用活性を有する新規な置換複素環アミノピロリジン誘導体、およびそれらの製造、医薬製剤および用途に関する。さらに詳しくは、本発明は、置換アミノピロリジン基を担有するベンゾジオキソール、ベンゾフラン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロベンゾジオキサンおよび関連誘導体に関する。これらの化合物は、ある種の医学上の障害を治療するのに有用とするメラトニン作用特性を有している。
【背景技術】
【0002】
メラトニン(N−アセチル−5−メトキシトリプトファン)は主に松果腺で合成され、分泌されるホルモンである。メラトニンレベルは周期性サーカディアンパターンを示し、最高のレベルはサーカディアン明暗サイクルの暗期間に生じる。メラトニンは光周性情報の導入に関与し、脊椎動物での様々な神経および内分泌機能を調節しているものと考えられ、光周性哺乳動物での生殖、体重および代謝の調節、サーカディアンリズムのコントロールおよび網膜生理学モジュレーションが含まれる。
【0003】
【化1】

【0004】
最近の証拠によれば、メラトニンは特定のレセプターを通してその生物効果を発揮することが証明されている。生物活性放射能標識アゴニスト[125I]−2−ヨードメラトニンの使用により、種々の種のCNSで高親和性メラトニンレセプターの同定が達成された。二種のクローニングされたヒトのメラトニンレセプターの配列が報告されている[Reppertら、Proc,Natl.Acad.Sci.92,p.8734−8738,(1995)およびReppertら、Neuron 13 ,p.1177−1185,(1994)]。哺乳動物の脳では、オートラジオグラフィーによる研究では、メラトニンレセプターの分布が少数の特定の構造に局在していた。密接に関連した種の間でさえもメラトニンンレセプター分布に顕著な差異があるが、一般には最高の結合部位密度が視床下部の不連続核に生じる。ヒトでは、視床下部内での特異的な[125I]−2−ヨードメラトニンの結合が視交差上核に局在し、これはメラトニンレセプターがヒトの生体時計内に存在していることを示唆している。
【0005】
外因性のメラトニン投与はラットでサーカディアンリズムを同期させることが見いだされた(Cassoneら、J.Biol.Rhythms,1:219−229,1986)。ヒトでは、メラトニンの投与はサーカディアンリズムの脱同期により起こるものと考えられている時差関連睡眠障害を処置するのに使用されている(Arendtら、Br.Med.J.292:1170,1986)。さらに、ヒトでの睡眠を誘起するのにメラトニンの単回投与の使用が1994年4月14日付け公開の国際特許出願WO94/07487でWurtmanが特許請求している。
【0006】
それ故、メラトニンアゴニストは睡眠障害およびその他の時間生物学的障害の治療に特に有用なはずである。メラトニンアゴニストはメラトニンレセプターの相互作用のさらなる研究、およびメラトニンン活性に影響される病態、例えば、うつ病、時差ぼけ、交代制勤務症候群、睡眠障害、緑内障、生殖、がん、月経前症候群、免疫障害、炎症性動脈疾患および神経内分泌障害の治療にも有用である。
【0007】
メラトニンそれ自体の簡単なインドール誘導体とは別に、様々の二環式構造物が製造され、そしてそれらのメラトニンリガンドとしての用途が開示されている。一般にこれらの二環式構造物は次の通り表すことができる:
【0008】
【化2】

【0009】
(ここで、Zはアミド基に二個の炭素結合によって結合されているアリールまたはヘテロアリール系である)。
【0010】
Yousらは1993年2月17日付けで公開された欧州特許出願EP−527,687Aにおいてメラトニンリガンドとしてアリールエチルアミン(i)を開示している。
【0011】
【化3】

【0012】
(ここで、Ar’は、就中、置換または非置換ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、ベンズイミダゾール−1−イル、ベンゾ[b]フラン−3−イル、1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル、1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル、またはインダゾール−3−イルであり;Rは、就中、アルキルまたはシクロアルキル基であり;そしてRは水素または低級アルキルである)。
【0013】
Yousらは1992年9月30日付けで公開された欧州特許出願EP−506,539Aにおいてリガンド(ii)をクレームしている。
【0014】
【化4】

【0015】
(ここで、Aは酸素または硫黄であり;Xはメチレン基または単結合であり;そしてRはHまたはpが1であるときは低級アルキルであり、そしてBは基(iii)で定義される
【0016】
【化5】

【0017】
(ここで、Rは水素または低級アルキルであり、そしてRは、就中、水素、低級アルキルまたはシクロアルキルである)。あるいはまた、Rはpが0または1であるときに基(iii)で定義され、そしてBは低級アルコキシである)。
【0018】
数種のナフタレン誘導体もメラトニンンリガンドとして開示されている。
【0019】
Yousらは、1993年9月29日に公開された欧州特許出願EP−562,956Aにアミドおよび尿素ナフタレン誘導体(iv)を開示している。
【0020】
【化6】

【0021】
(ここで、Rは水素またはORであり、Rは、就中、水素、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり;Rは水素またはCOORであり、Rは水素またはアルキルであり;XはNHまたは単結合であり;そしてRは、就中、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキルである)。
【0022】
HornおよびDubocovichは1991年4月3日付け公開の欧州特許出願EP−420,064Aにメラトニンリガンドとして2−アミドテトラリン(v)を開示している:
【0023】
【化7】

【0024】
(ここで、Rは、就中、水素、低級アルキルまたは低級アルコキシであり;Rは、就中、水素、ハロゲンまたは低級アルコキシであり;Rは、就中、水素または低級アルキルであり;Rは、就中、低級アルキル、ハロアルキル、またはシクロアルキルであり;そしてRは水素、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、低級アルキルまたはアルキルアールである)。
【0025】
Lesieurらは1996年4月24日付け公開の欧州特許出願EP−708,099Aにメラトニン不均衡による疾患の治療に有用な構造(vi)の化合物を開示している:
【0026】
【化8】

【0027】
(ここで、実線と点線の二重線は単結合または二重結合であり;R=MeまたMeNH;そしてX−Y=−CH(Me)−CH−,CHCH(OH)−または(CH−。
【0028】
Northらは1995年11月2日付け公開の国際特許出願WO95/29173に構造(vii)のナフタレン誘導体を開示している:
【0029】
【化9】

【0030】
(ここで、Rは式CR(CHNRCORの基であり;Rは水素、ハロゲン、C1−6アルキル、ORまたはCOであり;そしてqが2であるときは同一または異なった置換分であってよい;R,R及びRは同一又は異なっていてよく、水素またはC1−6アルキルであり;RはC1−6アルキルまたはC3−7シクロアルキルであり;Rは水素またはC1−6アルキルであり;nは0、1または2であり;pは1、2、3または4の整数であり;qは1または2であり;そして点線は追加の結合が存在していないか又は存在していることを示す)。Northらの化合物は時間生物学的障害を治療することを示唆している。
【0031】
1995年6月29日に公開された国際特許出願WO95/17405に、Northらは構造(viii)の化合物を開示し、メラトニンシステムに関係した病状の治療におけるそれらの用途を教示している。
【0032】
【化10】

【0033】
(ここで、Rは水素、ハロゲンまたはC1−6アルキルであり;Rは式CR(CHNRCORの基であり;R,R及びRは同一又は異なっていてよく、水素またはC1−6アルキルであり;RはC1−6アルキルまたはC3−7シクロアルキルであり;nは2、3または4の整数であり;そしてpは1、2、3または4の整数である)。
【0034】
Keavyらは1998年5月19日付けで付与された米国特許第5,753,709号にメラトニン作用剤として有用な式(ix)の化合物を開示している:
【0035】
【化11】

【0036】
(式中、Xはハロゲン、水素、C1−4アルキルまたはORであり、ここで、就中、Rは水素、C1−20アルキルまたはC4−20シクロアルキルであり;Yは水素またはハロゲンであり;Zは、就中、水素、ハロゲン、シアノまたはアリールであり;Rは水素、ハロゲンンまたはC1−4アルキルであり;Rは水素、C1−4アルキルまたはベンジルであり;そしてRはC1−6アルキル、C2−6アルケニル、 C3−6シクロアルキル、C2−4アルコキシアルキル、C1−4トリフルオロメチルアルキルまたはC2−8アルキルチオアルキルである)。
【0037】
1997年11月20日に公開された国際特許出願WO97/43272に、Ellisらはメラトニン作用剤として構造(x)の化合物を開示している。
【0038】
【化12】

【0039】
(ここで、R及びRは水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキルまたはアリールであり;RおよびRは水素、ハロゲンまたはC1−6アルキルまたは置換アリールであり;R5は水素またはC1−6アルキルであり;nは0−2であり;mは1−4であり;そして点線は追加の結合を示す)。
【0040】
Cattらは1999年1月5日付けで付与された米国特許第5,856,529号にメラトニン作用剤として有用な式(xi)の化合物を開示している:
【0041】
【化13】

【0042】
(ここで、QおよびQは水素またはハロゲンであり;XはCH,CHまたは酸素であり;YはCR,CRまたは(CHであり、n=1−4;ZはCH,CHまたは酸素であり;Rは水素、ハロゲンまたはC1−4アルキルであり;mは1または2であり;Rは水素またはC1−4アルキルであり;そしてRはC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−3ハロアルキル、Cアルキルアミノ、Cアルケニル、C1−4アルコキシ(C1−4)アルキル、C1−4アルキルチオ(C1−4)アルキルまたはC1−4トリフルオロメチルアルキルである)。
【0043】
上述した開示は本発明の新規なメラトニン作用複素環アミノピロリジン誘導体を教示も示唆もしていない。本発明の新規な化合物はメラトニン作用アゴニスト活性を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0044】
本発明は式(I)を有する一連の新規なアミノピロリジンン化合物およびそれらの無毒性医薬上許容し得る塩、水和物および溶媒和物を提供する。これらはヒトのメラトニン作用レセプターに結合し、そのために睡眠障害、周期的なうつ病、サーカディアンサイクルの変換、緑内障、ストレス、食欲調節、月経前症候群および関連した病状の治療にメラトニン作用剤として有用である。
【0045】
【化14】

【0046】
式中、R、R、R、R、W、Zおよび波線は以下に定義のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0047】
本発明は、
式(I)
【0048】
【化15】

【0049】
(式中、波線はラセミ化合物、(R)エナンチオマーまたは(S)エナンチオマーを表し;
およびRはそれぞれ独立して水素またはハロゲンであり;
WはCR、CRまたは(CH(n=1−2)であり;
ZはCH,CHまたは酸素であり;
は水素またはC1−4アルキルであり;
はC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−3ハロアルキル、C2−6アルケニル、C1−6アルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C1−4アルコキシ(C1−4)アルキル、C1−4アルキルチオ(C1−4)アルキルまたはC1−4トリフルオロメチル(C1−2)アルキルであり;そして
およびRはそれぞれ独立して水素またはC1−4アルキルである)
を有する一連の新規な化合物;またはその無毒性医薬上許容し得る塩、水和物または溶媒和物を提供する。
【0050】
本発明はまた睡眠障害および関連病状の治療方法も提供し、この方法は式(I)の化合物またはその無毒性医薬上許容し得る塩、水和物または溶媒和物の治療上有効な量を投与することからなる。
【0051】
およびRは水素およびハロゲン(即ち、臭素、塩素、ヨウ素またはフッ素)から選択される。RおよびRがHまたは塩素であるのが最も好ましい。
【0052】
WはCR(二重結合が存在するとき)、CRまたは(CHであり、そしてnは好ましくは1または2)である。
【0053】
ZはCH,CH(二重結合が存在するとき)または酸素である。
【0054】
WおよびZがCHであるときは化合物はジヒドロベンゾフランである。WおよびZがCHであるときは化合物はベンゾフランである。Wが酸素であり、そしてZがCHであるときは化合物はベンゾジオキソール(benzodioxole)である。Wが酸素であり、そしてZが(CHであるときは化合物はベンゾジオキサンである。WおよびZがCHである化合物が好ましい。
【0055】
は幾つかのタイプの基の一つである。RはC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−3ハロアルキル、C2−6アルケニル、C1−6アルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C1−4アルコキシ(C1−4)アルキル、C1−4トリフルオロメチル(C1−2)アルキルおよびC1−4アルキルチオ(C1−4)アルキルから選択される。Rは好ましくはC1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、C3−6シクロアルキルまたはC3−6シクロアルキルアミノである。
【0056】
は水素またはC1−4アルキルである。Rは好ましくは水素である。
【0057】
およびRは水素またはC1−4アルキルである。RおよびRが共に水素であるのが好ましい。Rが水素であり、そしてRはメチルであるのも好ましい。Rが水素であり、そしてRはメチルである場合、エナンチオマーおよびラセミ体共に好ましい。
【0058】
本文および特許請求の範囲で使用される「C1−4アルキル」、「C1−6アルキル」および「C1−4アルコキシ」なる用語は直鎖または分枝鎖のアルキル又はアルコキシ基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、アミル、ヘキシル等を意味する。
【0059】
「C2−6アルケニル」なる用語は直鎖または分枝鎖のアルキレン基、例えば、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、ペンチレン等を意味する。
【0060】
「W−Z」は置換分WおよびZで定義される場合単結合または二重結合連結を示す。
【0061】
「C3−6シクロアルキル」基なる用語は少なくとも3個の炭素原子を含有し、そして式C(2x−1)に一致する一価環式部分であり、xは存在する炭素原子の数である。シクロプロピル基が好ましいシクロアルキル部分である。
【0062】
「ハロアルキル」なる用語は1−3個のハロゲンン部分を担持する直鎖または分枝鎖の炭化水素残基を包含する。「ハロゲン」はF,Cl,BrおよびIを意味する。R1,R2およびR4のハロアルキル部分の好ましいハロゲンはFおよびClである。
【0063】
本文で化学構造でまた特許請求の範囲で使用されるピロリジンン基に連結されている「波線」なる用語はラセミ混合物および本文で(R)−エナンチオマーおよび(S)−エナンチオマーと称される二種の個々の立体異性体を包含することを企図している。
【0064】
本文および特許請求の範囲で使用される「無毒性医薬上許容し得る塩」なる用語は無毒性の無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、および無毒性の有機酸、例えば酢酸、安息香酸、フマル酸、ケイ皮酸、マンデル酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸等を包含することが企図されている。
【0065】
本文および特許請求の範囲で使用される「その水和物または溶媒和物」なる用語は水和形態例えば一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物等および溶媒和形態を包含することが企図されている。生成物は真の水和物であってよいが、その他の場合、生成物は外来性の水を単に保持しているだけであってもよいしまた水プラス何らかの外来性の溶媒の混合物であってもよい。水和および/または溶媒和形態が非溶媒和形態と均等であり、また本発明の範囲内に包含されることが企図されていることは当業者に理解されることである。
【0066】
さらに、式(I)の化合物はその全ての医薬上許容し得る溶媒和物、特に水和物を包含している。本発明はまたジアステレオマーおよび光学異性体、例えばラセミ混合物を包含するエナンチオマーの混合物、および個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーをも包含し、これらは式(I)のある種の化合物での構造不斉の結果として生じるものである。個々の異性体の分離または個々の異性体の選択合成は、当分野の実務者のとって周知の様々な方法を適用して達成される。
【0067】
本発明の化合物はピロリジン環の3−位に不斉炭素原子を有しているので、本発明は本文および特許請求の範囲に記載された通りの式(I)の化合物のラセミ体および個々のエナンチオマーの形態を包含している。単独の表示たとえば(R)または(S)の使用はたいていの場合一つの立体異性体を包含することを企図している。異性体の混合物はそれ自体既知の方法、例えば分別結晶、吸着クロマトグラフィーまたはその他の適当な分離方法によって個々の異性体に分離することができる。得られたラセミ体は適当な塩形成性基を導入した常法により、例えば光学活性塩形成剤でジアステレオマーの混合物を形成させ、混合物をジアステレオマー塩に分離し、そして分離された塩を遊離の化合物に変換することにより対掌体に分離することができる。エナンチオマー形態はキラル高圧液体クロマトグラフィーカラムを通す分別によって分離することができるが、式(I)の化合物の光学活性エナンチオマーは好ましくは本文に記載の立体選択的合成手順により製造される。
【0068】
本発明はまたメラトニンン作用レセプターに関連する障害、殊にサーカディアンリズム関連障害に罹っているヒトを包含する哺乳動物を治療する方法を提供し、この方法は式(I)の化合物またはその無毒性の医薬上許容し得る塩、水和物または溶媒和物の治療上有効な量を投与することからなる。
【0069】
本発明の方法において、「治療上有効な量」なる用語は有意義な患者の利益を示すのに十分である、即ちメラトニンン作用レセプターに関連する障害を軽減または改善する方法での各活性成分の総量を意味する。個々の活性成分に適用するときは、単独投与して、この用語はその成分単独を指すものである。組み合わせて投与するときは、この用語は、組み合わせて、順次、または同時に投与しても、治療効果を生じる活性成分の合した量を言う。本文および特許請求の範囲で使用される「治療、治療する、治療」なる用語は、ストレス、睡眠障害、周期的なうつ病、食欲調節、サーカディアンサイクルの変換、うつ病、月経前症候群、炎症性動脈疾患、緑内障、頭痛、およびメラトニン活性に関連する関係した病態を軽減または改善することを意味している。
【0070】
好ましい一群の化合物には、基W−Zが−CH−CH−,−CH=CH−,−C(CH−CH−,−CH(CH)−CH−,−C(CH)=CH−および−(CH−CH−からなる式(I)のベンゾフラン、ジヒドロベンゾフランおよびベンゾピランが包含される。
【0071】
この群の好ましい化合物の幾つかには次のものが包含される:
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]アセトアミド;
(R)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]アセトアミド;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]プロパンアミド;
(R)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]プロパンアミド;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]ブチルアミド;
(R)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]ブチルアミド;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]イソブチルアミド;
(R)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]イソブチルアミド;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]シクロプロパンカルボキサミド;
(R)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]シクロプロパンカルボキサミド;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]メトキシアセトアミド;
(S)−N−[N−(2H−2,3−ジヒドロベンゾピラン−5−イル)−ピロリジン−3−イル]プロパンアミド;
(R)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−メチル尿素;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−メチル尿素;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−エチル尿素;
(R)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−エチル尿素;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−n−プロピル尿素;
(R)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−n−プロピル尿素;
(S)−N−[N−(2H−2,3−ジヒドロベンゾピラン−5−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−エチル尿素;
(R)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−シクロプロピル尿素;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−シクロプロピル尿素;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’,N’−ジメチル尿素;
(R)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’,N’−ジメチル尿素;
(S)−N−[N−(5−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]アセトアミド;
(S)−N−[N−(5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]アセトアミド;
(S)−N−[N−(5−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]ブチルアミド;
(S)−N−[N−(5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]ブチルアミド;
(S)−N−[N−(5−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]シクロプロパンカルボキサミド;
(S)−N−[N−(5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]シクロプロパンカルボキサミド;
(S)−N−[N−(5−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−エチル尿素;
(R)−N−[N−(5−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−エチル尿素;
(S)−N−[N−(5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−エチル尿素;および
(R)−N−[N−(5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−エチル尿素。
【0072】
別の群の好ましい化合物には、基W−Zがそれぞれ−CH−O−および−(CH−O−からなる式(I)のベンゾジオキソールおよびベンゾジオキサンが包含される:
(R)−N−[N−(2,3−メチレンジオキシフェン−1−イル)−ピロリジン−3−イル]プロパンアミド;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピロリジン−3−イル]アセトアミド;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピロリジン−3−イル]プロパンアミド;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピロリジン−3−イル]ブチルアミド;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピロリジン−3−イル]シクロプロパンカルボキサミド;
(R)−N−[N−(2,3−メチレンジオキシフェン−1−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−メチル尿素;
(R)−N−[N−(2,3−メチレンジオキシフェン−1−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−エチル尿素;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−メチル尿素;
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−エチル尿素;および
(S)−N−[N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−n−プロピル尿素。
【0073】
式(I)の化合物は様々な手順、例えば本明細書中の実施例、反応スキームおよび当業者に明らかなそれらの変法に例示されているような手順で製造することができる。
式(I)の様々なアミノピロリジン誘導体は有利には反応スキームに例示されているようにして製造することができる。
【0074】
【化16】

【0075】
式(II)の出発トリフレートは相当するフェノールから当業者に周知の方法によって製造することができる。式(III)への変換は、不活性溶媒、例えばトルエン、ベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、またはジメチルホルムアミドの中で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、パラジウム(II)アセテート、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)等のようなPd触媒を2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)又はトリ−o−トリルホスフィンのような助触媒および炭酸セシウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等のような塩基の存在下に使用して(RまたはS)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジンにパラジウム媒介カップリングさせるこよによって達成される。当業者に周知の標準的方法を使用して保護基の加水分解により、式(IV)の最後から二番目のアミンが得られる。式(IV)のアミンをさらにアシル化剤と反応させると式(Ia)の化合物が得られる。適当なアシル化剤には、カルボン酸ハライド、無水物、アシルイミダゾール、アルキルイソシアネート、アルキルイソチオシアネートおよび例えばアルボニルイミダゾール、カルボジイミド等の縮合剤の存在下のカルボン酸等が包含される。式(Ia)の化合物をN−クロロスクシンイミドのような塩素化剤で処理すると式(Ib)および(Ic)の化合物が得られる。
【0076】
化合物の生物活性
本発明の化合物はメラトニン作用剤である。これらの化合物は良好な親和性でもって安定な細胞系で発現されるヒトメラトニン作用レセプターを結合することが見いだされた。さらに、これらの化合物は、それらのメラトニン様のある種の細胞でcAMPのフォルスコリン刺激による蓄積を阻害する能力で定められるようにアゴニストである。これらの特性により、本発明の化合物および組成物は鎮静剤、時間生物学的剤、不安寛解剤、抗精神病剤、鎮痛剤等として有用であるはずである。具体的には、これらの剤はストレス、睡眠障害、周期的なうつ病、食欲調節、サーカディアンサイクルの変換、うつ病、良性前立腺肥大、炎症性動脈疾患、頭痛、および関係した病態の治療に使用できるはずである。
【0077】
メラトニン作用レセプター結合活性
1.試薬
(a)TME=濃HClで37℃でpH7.4の12.5mM MgClおよび2mM EDTAを含む50mM Tris緩衝液。
(b)洗浄緩衝液:室温でpH7.4の2mM MgClを含む2mM Trisベース。
(c)10−4M メラトニン(10−5M最終濃度)。
(d)2−[125I]−ヨードメラトニン、0.1M最終濃度。
【0078】
2.膜ホモジネート
メラトニンML1aレセプターcDNAをpcDNA3にサブクローニングし、そしてLipofectamineを使用してNIH−3T3細胞に導入した。ジェネティシンに対して抵抗性を持つ形質転換されたNIH−3T3細胞(G−418)を単離しそして高いレベルの2−[125I]−ヨードメラトニン結合を発現している単独コロニーを単離した。10%子ウシ血清およびG−418(0.5g/liter)を補充したDMEMに保持した。細胞をT−175フラスコでコンフルエンシーまで成長させ、ハンクス平衡塩類溶液を使用してけずりとり、そして−80℃で凍結した。膜ホモジネートを調製するために、ペレットを氷で解凍し、そして10μ/mlアプロチニンおよびロイペプチンおよび100μMフェニルメチルスルホニルフルオリドの存在下にTME緩衝液に再懸濁した。次に、細胞をダンス型ホモジナイザーを使用してホモジナイズし、そして遠心分離した。得られたペレットをTME(上記のプロテアーゼ阻害剤を補充した)にダンス型ホモジナイザーで再懸濁し、そして凍結した。アッセイの日に、少量のアリコートを氷で解凍し、そして氷冷したTME(1:50−1:100v/v)に再懸濁し、そしてアッセイまで氷の上に保持した。
【0079】
3.インキュベーション:1時間37℃。反応を濾過によって停止する。フィルターを3回洗浄する。
4.参考文献:Reppertら、Neuron,13,p.1177−1185(1994)。
【0080】
表1
実施例番号 メラトニン結合親和性
(IC50
4 +
10 ++
11 ++
13 ++
14 +
20 ++
21 ++
28 +
30 +
32 +
35 ++
35 ++
a = ML1aヒトメラトニンレセプター結合についてのIC50
++ = <10nM
+ = 10−200nM
【0081】
本発明の化合物はML1a(ヒト)レセプターについて表1で上述したレセプター結合アッセイで測定したように、外来性の松果腺ホルモン、メラトニン、のレセプターに対して親和性を有している。メラトニンは様々の生物学的リズムの調節に関与し、そして特定のレセプターとの相互作用を介してその生物学的効果を発揮する。メラトニンアゴニストの投与はメラトニン活性により制御される種々の病態の治療において臨床上有用であるとする証拠が存在している。このような病態には、うつ病、時差ぼけ、交代制勤務症候群、睡眠障害、緑内障、生殖に関する若干の障害、がん、良性前立腺肥大、免疫障害、および神経内分泌障害が包含される。
【0082】
治療上の用途のために、式(I)の薬理学的に活性な化合物は通常必須活性成分としてこのような化合物の少なくとも一種を固体又は液体の医薬上許容し得る担体と組合わさって、また、場合によっては、医薬上許容し得る佐剤および賦形剤と共に、標準的で通常の技術を使用して、包含する医薬組成物として投与する。
【0083】
医薬組成物には、経口、非経口(皮下、筋肉内、皮内および静脈内を包含する)、経皮、経気管支、経鼻投与のための適当な剤形が包含される。それで、固体担体を使用するときは、製剤を打錠し、粉末またはペレット形態で硬ゼラチンカプセルに入れるかまたはトローチまたは口中錠の形態であってもよい。固体担体は通常の賦形剤、例えば結合剤、増量剤、錠剤滑沢剤、崩壊剤、湿潤剤等を含有していてよい。錠剤は所望により通常の技術によりフィルムコーティングされていてもよい。液体担体を使用するときは、製剤はシロップ剤、乳剤、軟ゼラチンカプセル剤、注射用滅菌ビヒクル、水性または非水性液体懸濁剤のけいたいであってよく、又は使用前に水またはその他の適当なビヒクルで再構成するための乾燥生成物であってもよい。液体製剤は通常の添加剤、例えば懸濁剤、乳化剤、湿潤剤、非水性ビヒクル(食用油を包含する)、保存剤、および着香料及び/又は着色料を含有していてよい。非経口投与には、ビヒクルは普通、少なくとも大部分は、滅菌水からなるが、生理食塩水、グルコース溶液等を使用することもできる。注射用懸濁剤も使用することができ、この場合、通常の懸濁剤を使用してもよい。通常の保存剤、緩衝剤等も非経口製剤に加えてよい。経口剤形処方物で式(I)の化合物の投与が特に有用である。医薬組成物は活性成分、即ち、本発明による式(I)の化合物の適切な量を含む所望の製剤に適した通常の技術により調製する。例えば、Remington’s Pharmaceutical Science,Mack Publishing Company,Easton,PA,17th edition,1985を参照。
【0084】
本発明の化合物を含む医薬組成物を製造するに当たり、活性成分を通常担体と混合するか、または担体で希釈するか、または担体に封入し、これはカプセル、サシェ、紙またはその他の容器の形態であってよい。担体が希釈剤として作用するときは、このものは活性成分にとってビヒクル、賦形剤または媒質として働く固体、半固体または液体の材料であってよい。それで、この組成物は錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ、サシェ剤、エリキシール剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアゾール剤(固体としてまたは液体媒質中で)、例えば活性化合物10重量%までを含有する軟膏剤、軟および硬ゼラチンカプセル剤、座剤、滅菌注射液、および滅菌包装散剤の形態である。
【0085】
適当な担体および希釈剤の幾つかの例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチル−及びプロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油が包含される。処方物はさらに滑沢剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、保存剤、甘味剤または着香剤を包含することができる。本発明の組成物は、患者に投与後に、活性成分の速放、徐放又は遅効性放出を提供するように処方することができる。
【0086】
治療効果を達成するための式(I)の化合物の用量は患者の年齢、体重および性別および投与様式のような要素だけではなく、所望のメラトニンン作用活性の程度および関係する特別の障害または病態に対して用いられる特別の化合物の効力にも左右される。特別な化合物の治療および用量は単位投与量形態で投与し得ること、また単位投与量形態は対応して当業者が調整して相対レベルの活性を生じるようにすることも意図されている。使用すべき特別な用量(および一日当たりの投与回数)の決定は医師の裁量範囲内にあり、そして所望の治療効果を生じるために本発明の特別な状況に対して用量を定めることにより変えることができる。
【0087】
組成物は好ましくは単位投与量形態に処方することができ、各用量は活性成分約0.1−100mg、さらに通常には、1−10mgを含有する。「単位投与量形態」なる用語は、ヒト対象者およびその他の哺乳類のための単位用量として適当である物理的に別個の単位を言うものであり、各単位は、所要の医薬担体と組み合わせて、所望の治療効果を生じるよう計算された所定の量の活性物質を含有している。
【0088】
これらの活性化合物は広い範囲の用量範囲にわたって有効である。例えば、一日当たりの用量は普通約0.1−500mgの範囲内にある。ヒト成人の治療では、一回量または分割量で約0.1−10mg/日の範囲が好ましい。一般に、本発明の化合物はメラトニンにしようするのと同じような方法で睡眠および関連障害の治療に使用することができる。
【0089】
しかしながら、実際に投与される化合物の量は、治療すべき病態、投与すべき化合物の選択、選択された投与経路、年齢、体重および個々の患者の反応また患者の徴候の程度を包含する関連した状態に照らして、医師が決定することは明らかである。
【0090】
本発明を構成する化合物、それらの製法、およびそれらの生物作用は以下の実施例を考慮することからさらに詳しく説明され、これらの実施例は例示のためにのみ提示されるものであり、本発明を周囲または範囲で限定するものと解すべきではない。
【0091】
〔実施例〕
特別な態様の開示
前述した合成方法を例示するのに使用される以下の実施例において、温度は全て℃で表し、また融点は未補正である。プロトン磁気共鳴(H NMR)および炭素磁気共鳴
13C NMR)は指示された溶媒で測定し、また化学シフトは内部標準テトラメチルシラン(TMS)から下の場でのδ単位で記載し、またインタープロトンカップリング定数はヘルツ(Hz)で記載する。分裂パターンは以下のとおり指定する:s、一重項;d、二重項;t、三重項;q、四重項;m、多重項;br、ブロードピーク;dd、二重項二重項;bd、ブロード二重項;dt、三重項二重項;bs,ブロード一重項;dq、四重項二重項。赤外(IR)スペクトルの記載は官能基同定値を有する吸収波数(cm−1)のみを含んでいる。IR測定は化合物そのままをフィルムとしてまたは臭化カリウム(KBr)を希釈剤として使用することにより使用した。旋光[α]25は指示した溶媒および濃度で測定した。低分解能マススペクトル(MS)は見かけの分子量(M+N)として記載する。元素分析値は重量%で記載する。
【0092】
式(II)の中間体の製造
(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)トリフルオロメタンスルホネート
工程1:2−ブロモレゾルシノール
【0093】
【化17】

【0094】
ジクロロメタン(3.5L)中のレゾルシノール(250g)の溶液に2時間かけて臭素(0.363L)を滴加した。溶液を室温で18時間撹拌し、この時点でジクロロメタン約1Lを溜去した。MeOHを加え、ジクロロメタンの全量が除去され、溶液が約1.5LのMeOHを含有するまでこのようにして蒸留を続けた。これにHO(7.5L)中のNaOH(181,5g)およびNaSO(573g)の溶液を加えた。得られた混合物を周囲の温度で1時間撹拌した。次に、溶液を濃HCl(75mL)でpH=2に酸性化し、そしてt−ブチルメチルエーテル(TBME)(2x1L)で抽出した。合した有機層を活性炭(20g)で処理し、セライトをとおして濾過し、セライトを追加の500mLのTMBEで洗滌した。溶剤を真空除去した。得られた粗製2−ブロモレゾルシノールを最小量の酢酸エチルに溶解し、シリカゲルをとおして濾過し、ヘキサン中の20%−40%酢酸エチルの勾配で溶離すると2−ブロモレゾルシノール(122g)が得られた。融点86−88℃。
【0095】
工程2:2,6−ジ(2−クロロエトキシ)ブロモベンゼン
【0096】
【化18】

【0097】
ジクロロメタン(1.53L)およびDMF(0.4L)に炭酸カリウム(536g)、ヨウ化ナトリウム(9.76g)およびメタ亜硫酸ナトリウム(12.2g)を懸濁させ、そして80℃に加熱した。MF(0.4L)中の2−ブロモレゾルシノール(122.3g)の溶液を2時間かけて滴加した。反応物を20時間80℃で撹拌し、周囲の温度に冷却し、そして中程度の多孔度のフリット漏斗で濾過した。固体残留物をDMF(2x0.28L)で洗滌し、そして有機フラクションを合わせた。有機層を1N HCl(1x1.84Lおよび1x0.92L)、半飽和NaHCO溶液(0.92L)、半飽和ブライン(0.92L)で洗滌し、NaSOで乾燥しそして真空濃縮した。
【0098】
粗製生成物をEtOH(142mL)およびTBME(76mL)に溶解し、そして0.25時間70℃で活性炭(14g)で処理した。懸濁液をセライトを通して濾過した。溶液を48時間0℃に冷却し、そして結晶を採取した(44,88g)。母液を濃縮し、ヘキサン中20%酢酸エチルで溶離するシリカゲルプラグ上を通すと純粋な生成物の追加の39,25gが得られた。標記化合物の総収量は84,13g(41,4%)であった。
【0099】
工程3:2,3−ジヒドロ−4−ヒドロキシベンゾフラン
【0100】
【化19】

【0101】
工程2の生成物(39,25g)をTHf(0.5L)に溶解し、そして−78℃に冷却した。次に、nBuLi(ヘキサン中2.5M)を30分かけて滴加し、反応をさらに45分−70℃で撹拌した。次に、溶液を10分かけて0℃に加温し、そして1時間この温度で撹拌した。氷酢酸(16mL)次いで1N NaOH(160mL)を加え、層を分離させた。有機層を1N NaOH(2x80mL)で抽出し、水性フラクションを合わせ、TBME(160mL)で洗滌した。次に、TBME(240mL)を加え、水層を6N HClで酸性化した。水性層をTBME(240mL)で再抽出し、そして合わせた有機層を15分間活性炭(5g)上で撹拌し、セライトを通して濾過し、そして真空濃縮した。粗製生成物をトルエンおよびヘプタンから結晶化させると標記化合物(16.8g、99%)が得られた。
【0102】
工程4:2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート
【0103】
【化20】

【0104】
工程3の生成物(1.0g)を無水ジクロロメタン(5mL)に溶解し、そして0℃に冷却した。ピリジン(0.87mL)を加え、次いで無水トリフルオロメタンスルホン酸(2.28g)を30分かけて滴加した。1時間0℃乃至周囲の温度で撹拌した。塩化メチレン溶液を水(2x4.6mL)、10%リン酸(4.6mL)、飽和NaHCO溶液(4.6mL)およびブライン(2.3mL)で洗滌した。次に、溶液を5分間活性炭(170mg)で処理し、セライトを通して濾過し、NaSOで乾燥し、そして真空濃縮すると標記化合物(1.74g、88%)が得られた。
【0105】
2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート
【0106】
【化21】

【0107】
CHCl(20mL)に溶解した5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキサン(Munkら、J.Med.Chem.,40(1),p.18−23(1997)の手順に従って製造した)(1.81g、11.91mmol)の混合物を0℃に冷却した。ピリジン(1.44ml、17.9mmol)を加え、そして反応を5分間撹拌した。無水トリフルオロメタンンスルホン酸(2.15ml、13.1mmol)を加え、そして反応を室温に加温し、次に室温で合計6時間撹拌した。有機溶液を10%リン酸(2x15ml)、重炭酸ナトリウム溶液(1x15ml)およびブライン(1x15ml)で洗滌した。次に、これを硫酸ナトリウムで乾燥し、真空濃縮するとトリフレート(2.71g、80%)が得られ、これをさらに精製することなく使用した。
【0108】
【数1】

【0109】
5−ブロモ−2H−2,3−ジヒドロベンゾピラン
【0110】
工程1.3−アリルオキシブロモベンゼン
【0111】
【化22】

【0112】
DMF(100ml)およびTHF(100ml)中で3−ブロモフェノール(36.3g、0.2mol),アリルブロミド(20.7ml、0.24mol),KCO(41.3g、0.3mol)を一夜還流下に撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、濾過しそして減圧下に濃縮すると黄色の油が得られた。生成物をEtOAcとブラインとの間で分配し、次にブライン(3x100ml)で洗滌し、MgSOで乾燥し、そして減圧下に濃縮すると黄色の油として生成物が得られた。37.8g、収率89%。
【0113】
【数2】

【0114】
工程2:2−アリル−3−ブロモフェノール
【0115】
【化23】

【0116】
3−アリルオキシブロモベンゼン(37.85g,0.178mol)をそのままで、NMRで指示されるように出発物質が全て消費されるまで220℃で撹拌した。粗製反応混合物をシリカゲル(CHCl)で精製すると所望の生成物6.0gが得られた。
【0117】
【数3】

【0118】
工程3:2−(3−ヒドロキシプロピル)−3−ブロモフェノール
【0119】
【化24】

【0120】
THF(100ml)に溶解した2−アリル−3−ブロモフェノール(6.0g,0.028mol)を0℃でBH3.THFの溶液(30ml,0.03mol)に滴加した。反応混合物を室温に加温し、そして1時間撹拌した。反応を飽和NaHCO(50ml)溶液でクエンチングし、次にH(3ml)を加えた。有機層を分離し、水相をEtOAc(3x100ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1x200ml)で洗滌し、MgSO4で乾燥し、そして減圧で濃縮すると黄色の油として所望の生成物7.2gが得られた(定量的収率)。
【0121】
【数4】

【0122】
工程4:5−ブロモ−2H−2,3−ジヒドロベンゾピラン
【0123】
【化25】

【0124】
THF(25ml)中の2−(3−ヒドロキシプロピル)−3−ブロモフェノール(7.2g,0.031mol)の溶液を0℃でTHF(75ml)中のトリフェニルホスフィン(7.2g,0.031mol)およびアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)(6.2ml,0.031mol)の混合物に滴加した。得られた混合物を室温に加温させ、一夜撹拌し、そして減圧下に濃縮すると橙色固体が得られた。シリカゲル(50%EtOAc/ヘキサン)によるカラムクロマトグラフィーで精製すると、橙色油として所望の生成物6.0gが得られた(収率90%)。
【0125】
【数5】

【0126】
2,3−メチレンジオキシフェニルトリフルオロメタン スルホネート
工程1:2,3−メチレンジオキシフェノール
【0127】
【化26】

【0128】
CHCl(200ml)中の2,3−(メチレンジオキシ)ベンズアルデヒド(10.0g、0.066mol)の溶液にメタークロロペルオキシ安息香酸(12.5g,0.0726mol)を加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をNaHCO(1x200ml)で洗滌した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、そして減圧下に濃縮して黄色の油とした。油をMeOH(100ml)に溶解し、濃HCl一滴を加え、そして混合物を室温で1時間撹拌した。固体NaHCO(5g)を加え、そして混合物を1時間室温で撹拌し、次に濾過し、減圧で濃縮して褐色の油とした。シリカゲル(20%EtOAc/ヘキサン)を通すカラムカラムクロマトグラフィーにより、白色固体として所望の生成物が得られた(0.6g,20%収率)。
【0129】
【数6】

【0130】
工程2:
2,3−メチレンジオキシフェニルトリフルオロメタン スルホネート
【0131】
【化27】

【0132】
ピリジン(0.69ml,0.0086mol)を0℃でCHCl(100ml)中の2,3−メチレンジオキシフェノール(0.6g,0.0043mol)の溶液に加え、そして得られた混合物を0℃で15分間撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(triflic anhydride)(0.86ml,0.0043mol)を0℃で加え、そして溶液を室温に加温させ、そして一夜撹拌した。粗製反応混合物をCHCl/飽和Naで分配し、そして有機層を水(2x250ml)で洗滌し、MgSO4で乾燥し、そして減圧下に濃縮すると黄色の油として所望の生成物が得られた(0.9g,82%収率)。
【0133】
【数7】

【0134】
式(III)の中間体の製造
(RまたはS)−N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン
トルエンを20分間アルゴンで脱気した。酢酸パラジウム(2.16g,9.60mmol)および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)(9.00g,14.45mmol)をトルエンに加え、そして15分間撹拌した。炭酸セシウム(52.16g,160.00mmol)および(RまたはS)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン(17.86g,96.02mmol)を懸濁液に加え、色が濃い赤色に変化した。3−トリフルオロメタンスルホキシ−2,3−ジヒドロベンゾフラン(21.44g,80.60mmol)を加え、そして懸濁液を16時間加熱還流した。懸濁液を冷却し、セライトで濾過し、そして塩化メチレンで洗滌した。溶媒を回転蒸発で除去し、粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると黄色の固体として標記化合物21.1g得られた(69.51mmol,86%収率)。LCMS(純度=100%,MH=305);
【0135】
【数8】

【0136】
(RまたはS)−N−(2H−2,3−ジヒドロベンゾピラン−5−イル)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン
5−ブロモ−2H−2,3−ジヒドロベンゾピランを上述したカップリング手順に使用して所望の標記化合物を得た。
【0137】
【数9】

【0138】
(RまたはS)−N−(2H−2,3−メチレンジオキシフェニル)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン
2,3−メチレンジオキシフェニルトリフルオロメタンスルホネートを上述したカップリング手順に使用して所望の標記化合物0.7gを白色固体として得た(70%収率)mp71−72℃;
【0139】
【数10】

【0140】
(RまたはS)−N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン
2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イルトリフルオロメタンンスルホネートを上述したカップリング手順に使用して所望の標記化合物を90%収率で得た;
【0141】
【数11】

【0142】
式(IV)の中間体の製造
(RまたはS)−N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−3−(アミノ)ピロリジン
塩化水素を30分間ジオキサン(250ml)に泡立たせた。この溶液を固体(RまたはS)−N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン(11.92g,39.21mmol)に加え、そして1時間撹拌し、この時点でTLC分析で反応が完了したことを指示した。溶媒を回転蒸発で除去し、残留物を塩化メチレンに取り、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗滌した。有機溶媒を回転蒸発で除去すると所望の粗製アミンが定量的に得られた。
【0143】
【数12】

【0144】
(RまたはS)−N−(2H−2,3−ジヒドロベンゾピラン−5−イル)−3−(アミノ)ピロリジン
(RまたはS)−N−(2H−2,3−ジヒドロベンゾピラン−5−イル)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジンを上述した脱保護基手順に使用して所望の標記化合物を得た。
【0145】
【数13】

【0146】
(RまたはS)−N−(2,3−メチレンジオキシフェニル)−3−(アミノ)ピロリジン
(RまたはS)−N−(2,3−メチレンジオキシフェニル)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジンを上述した脱保護基手順に使用して所望の標記化合物0.3gを黄色の油として得た(67%収率)。
【0147】
【数14】

【0148】
(RまたはS)−N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5イル)−3−(アミノ)ピロリジン
(RまたはS)−N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジンを上述した脱保護基手順に使用して所望の標記化合物を95%粗収率で得た。
【0149】
【数15】

【0150】
式(I)の化合物製造のための一般的手順
実施例1
(S)−N−[2,3−(ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]アセトアミド
(S)−N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−3−(アミノ)ピロリジン(0.1mmol)およびトリエチルアミン(0.15mmol)をCHClに溶解した。アセチルクロリド(0.12mmol)を加え、そして反応を16時間室温で撹拌した。有機層を1NHCl,NaHCOおよびブラインで洗滌した。有機溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空濃縮しそしてCHCl中の4%メタノールで溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると標記化合物が得られた。
【0151】
【数16】

【0152】
以下の実施例2−17は実施例1に記載の一般手順に従って適切なアミノピリジンおよび酸塩化物を使用して調製した。
【0153】
【数17】

【0154】
【数18】

【0155】
【数19】

【0156】
【数20】

【0157】
実施例18
(R)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−メチル尿素
(R)−N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−3−(アミノ)ピロリジン(0.1mmol)をCHClに溶解し、そしてメチルイソシアネート(0.12mmol)を加えた。反応を1時間室温で撹拌した。溶媒を真空除去し、そして化合物を酢酸エチル中の10%メタノールで溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製すると固体として所望の精製物130mg(98%)が得られた。
【0158】
【数21】

【0159】
以下の実施例19−29は実施例18に記載の一般手順に従って適切なアミノピロリジンおよびイソシアネートを使用して調製した。
【0160】
【数22】

【0161】
【数23】

【0162】
【数24】

【0163】
実施例30
(R)−N−[N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]−N’−シクロプロピル尿素
ホスゲン(1mL,トルエン中20%)を0℃でTHF(5.6mL)中の(R)−N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−3−(アミノ)ピロリジン(102mg)およびピリジン(79mg)の溶液に加えた。20分撹拌した後、シクロプロピルアミン(228mg)を反応に加え、そして反応混合物を室温に加温した。2時間撹拌した後、反応を水でクエンチングし、そしてTHFを除去した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル中の5%メタノールで溶離)で精製すると固体として所望の精製物110mg(77%)が得られた。
【0164】
【数25】

【0165】
以下の実施例31−33は実施例30に記載の一般手順に従って適切な酸塩化物を使用して調製した。
【0166】
【数26】

【0167】
実施例34
(S)−N−[N−(5−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]アセトアミド
(S)−N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−3−(アミノ)ピロリジン(0.1mmol)およびN−クロロスクシンイミド(0.11mmol)をアセトニトリル(5ml)に溶解し、そして16時間加熱還流した。反応を冷却し、溶媒を真空除去した。粗製生成物を調製用HPLCで精製し、反応の主要生成物として所望の化合物が得られた。
【0168】
【数27】

【0169】
実施例35
(S)−N−[N−(5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−ピロリジン−3−イル]アセトアミド
(S)−N−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル)−3−(アミノ)ピロリジン(0.1mmol)とN−クロロスクシンイミド(0.11mmol)との反応から得られた実施例34で単離された粗製生成物を調製用HPLCで精製し、反応のマイナー生成物を単離して所望の化合物が得られた。
【0170】
【数28】

【0171】
以下の実施例36−43は実施例34および35に記載の一般手順に従って適切なアミノピロリジンを使用して調製した。
【0172】
【数29】

【0173】
【数30】

【0174】
【数31】


【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

(式中、波線はラセミ化合物、(R)エナンチオマーまたは(S)エナンチオマーを表し;
およびRはそれぞれ独立して水素またはハロゲンであり;
WとZとの結合は単結合または二重結合であり;
Wは、WとZとの結合が単結合である場合CRまたは(CH(n=1−2)であり、WとZとの結合が二重結合である場合CRであり;
Zは、WとZとの結合が単結合である場合CHまたは酸素であり、WとZとの結合が二重結合である場合CHであり;
は水素またはC1−4アルキルであり;
はC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−3ハロアルキル、C2−6アルケニル、C1−6アルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C1−4アルコキシ(C1−4)アルキル、C1−4アルキルチオ(C1−4)アルキルまたはC1−4トリフルオロメチル(C1−2)アルキルであり;
そしてRおよびRはそれぞれ独立して水素またはC1−4アルキルである)で表されるメラトニンレセプターに対する結合親和性を有する化合物;またはその医薬上許容し得る塩、水和物または溶媒和物を含有する医薬組成物。
【請求項2】
メラトニンが関連する睡眠障害の治療薬である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
メラトニンが関連するサーカディアンリズムの調節剤である請求項1に記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2011−137043(P2011−137043A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85583(P2011−85583)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【分割の表示】特願2001−507829(P2001−507829)の分割
【原出願日】平成12年6月6日(2000.6.6)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】