説明

メンテナンスフリー滑り軸受け

本発明は、金属支持体(1)、これに直接的に適用された中間層(2)および中間層(2)に適用された摺動層(3)を含むメンテナンスフリー滑り軸受けに関する。本発明による滑り軸受けは、中間層(2)が、式(I)、(II)、(III)および/または−COOR(式中、Rは、1〜20個の炭素原子を有する環状または直鎖状の有機ラジカル)の官能基を有する少なくとも1種の官能化熱可塑性ポリマーを含むことを特徴とする。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属支持体、これに直接的に適用された中間層および中間層に適用された摺動層を含むメンテナンスフリー滑り軸受けに関する。
【背景技術】
【0002】
金属製支持材料、中間層およびこれに適用された摺動層を有する層構造を含むメンテナンスフリー滑り軸受けは、長い間にわたって従来技術から多様な形態で知られており、例えば自動車工学の分野といった広く多様な技術分野において用いられている。
【0003】
欧州特許出願公開第0 394 518 A1号明細書は、金属製支持材料が、その上にパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)とテトラフルオロエチレンとのコポリマーの層が中間層として適用された冷間圧延鋼から構成されていることが好ましい多層滑り軸受け材料を記載している。PTFE化合物材料から構成される摺動層も同様に中間層に適用される。この滑り軸受け材料において、中間層は、摺動層を支持材料に対して堅固に接着する機能を有する。中間層の支持材料に対する接着を確実とするために、先ず、この公知の滑り軸受け材料における金属製支持材料の表面は、湿式化学的手段による好適な様式で前処理される必要がある。最良の結果が、ここでは金属支持体の表面のクロメート処理により達成される。しかしながら、このプロセスは環境保護の理由から問題であり、従って、中期的に置き換えられるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術を考慮して、本発明は、金属支持体、これに直接的に適用された中間層および中間層に適用された摺動層を含むメンテナンスフリー滑り軸受けを提供することを目的とし、ここで、摺動層の支持材料に対する優れた接着は長期にわたって確保され、その製造は生態学的に問題のある表面前処理のためのプロセスを使用することなく行われる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、式
【化1】


−COOHおよび/または−COOR(式中、ラジカルRは、1〜20個の炭素原子を有する環状または直鎖状の有機ラジカルである)の官能基が組み込まれた少なくとも1種の官能化熱可塑性ポリマーを含む中間層による請求項1のプリアンブルのメンテナンスフリー滑り軸受けによる本発明によって達成される。有機ラジカルRが、例えば1個の炭素原子のみを含有する場合、官能基
【化2】


は、以下の式:
【化3】


を有することが好ましい。
【0006】
官能基は、少なくとも1種の変性剤(B)の添加により熱可塑性ポリマー(A)に組み込まれることが可能である。好適な変性剤は、例えば、マレイン酸およびその誘導体、特にその無水物、イタコン酸およびその誘導体、特にその無水物、および/またはシトラコン酸およびその誘導体、特にその無水物である。ここで、ポリマー(A)対変性剤(B)の比は、99.9mol%の(A):0.1mol%の(B)〜80mol%の(A):20mol%の(B)であることが好ましい。メルトボリュームフローレート(融点としての50℃>および7kg負荷下でのMVR)は、0.1〜1000mm/秒程度である。MVRはポリマーのメルトフローの指数であり、それ故、分子量のおおよその推定として用いることが可能である。理想的には、MVRは、5〜500mm/秒程度、特に好ましくは10〜200mm/秒の範囲である。
【0007】
本発明の滑り軸受けは、上述のタイプの官能基を有する官能化熱可塑性ポリマーとして本発明により構成された中間層によりもたらされる摺動層の支持材料に対する優れた接着を特徴とする。金属支持体、特に冷間圧延鋼、冷間圧延後に電解亜鉛めっきされた鋼、アルミニウムまたはステンレス鋼の未処理表面に対しても優れている接着のために、生態学的に問題のある、廃棄集約型湿式化学前処理プロセス、特にクロメート処理を省くことが可能である。本出願人らによって実施された研究が示すとおり、官能化熱可塑性フルオロポリマーが積層体の構成要素として同様に記載されている例えば欧州特許第0 848 031B1号明細書に記載されている表面前処理のための物理的プロセス(例えば、コロナ放電によるプラズマ前処理)はもはや必要ない。本発明の滑り軸受けのこの製造方法は、従って、従来技術と比して著しく経済的に実施することが可能である。
【0008】
本発明の第1の実施形態は、中間層の少なくとも1種の官能化熱可塑性ポリマーとして、官能化熱可塑性フルオロポリマー、特に、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロアルコキシ−エチレン(PFA)またはテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(メチルビニルエーテル)コポリマー(MFA)を提供し、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)が特に好ましい。
【0009】
中間層は、少なくとも1種の官能化熱可塑性ポリマーだけではなく、式:
CF=CF−O−R
(式中、Rが、パーフルオロエチル、パーフルオロ−n−プロピルまたはパーフルオロ−n−ブチルラジカル、およびテトラフルオロエチレンである)のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)のコポリマーをも含むことが好ましい。
【0010】
中間層の厚さは、金属支持体の表面の粗度プロファイルの最大プロファイルピーク高さと最大プロファイル谷深さとの距離Rmaxとして定義される金属支持体の粗度に基本的に対応する。このように、先ず、摺動層と金属支持体との間の全領域の接着性ボンドが確実とされるよう、十分に厚い接着性層が金属支持体に確実に適用される。第2に、この接着性層はまた過度に厚くするべきでもない。この場合、層を結合する際に、接着性層の一部が接着性ボンドから押出されてしまうか、または、滑り軸受けがせん断応力を受けるときに、金属支持体表面の粗度プロファイルより上に突出している接着性層の一部内に粘着性破壊が生じてしまうというリスクが存在することとなる。
【0011】
本発明の特に有利な教示によれば、中間層が、式
【化4】


−COOHおよび/または−COORの官能基を有する官能化熱可塑性ポリマーの2つの層を含み、金属中間層がこれらの2つの層の間に埋設されている。材料の向上した較正可能性がこのように達成される。金属中間層は、ここで、エキスパンドメタルとして構成されることが可能である。これは、ステンレス鋼、アルミニウムまたは青銅を含むことが好ましい。
【0012】
滑り軸受けの機械的および一般的な物理特性を向上させるために、中間層は、熱伝導性を高めるおよび/または摩耗特性を改善するための充填材を含有することが好ましい。充填材としては、特にガラスファイバー、炭素繊維あるいはアラミドといった繊維;特にセラミック材料、炭素、ガラス、グラファイト、酸化アルミニウム、硫化モリブデン、青銅あるいは炭化ケイ素といった無機材料であって、すべての無機材料は織布、粉末、球体あるいは繊維の形態であり;特にポリイミド(PI)、ポリアミジミド(PAI)、ポリ−フェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)あるいは芳香族ポリエステル(Ekonol)といった熱可塑性材料;または特に珪灰石あるいは硫酸バリウムといった鉱物材料;またはこれらの混合物を用いることが好ましい。中間層における充填材の好ましい割合は、1〜40体積%、特に5〜30体積%である。中間層の厚さは、0.01〜0.1mm、特に0.01〜0.5mmの範囲であることが好ましい。
【0013】
本発明の滑り軸受けにおいて用いられる金属支持体は、様々な性質の表面を有することが可能である。官能化熱可塑性ポリマーを含む中間層の優れた接着特性により、金属支持体は、平滑な面または粗面あるいは構造化表面(例えば、構造のブラッシング、サンドブラスト、エンボス加工により達成される)のいずれかを有することが可能である。表面粗度に関係なく、表面はまた、表面を表面改質(surface−upgraded)、特に電解亜鉛めっきすることが可能である。
【0014】
用いられる材料に関して、金属支持体は、鋼、特に冷間圧延鋼、好ましくは、材料番号1.0338あるいは1.0347またはマット亜鉛めっき鋼、ステンレス鋼、好ましくは材料番号1.4512あるいは1.4720、またはアルミニウムまたはこれらの合金から構成することが可能である。
【0015】
中間層に適用される摺動層は、同様に、フルオロポリマー、特にポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはこれらの混合物を含むことが好ましい。PTFE化合物層として構成された摺動層が特に好ましい。ここで、摺動層は、伝導性を高めるために有孔プラスチックフィルムとして構成されることが可能である。
【0016】
本発明のメンテナンスフリー滑り軸受けは、摺動層の厚さが0.01〜1.5mm、特に0.1〜0.35mmであるときに優れた滑り特性および長寿命を有する。中間層に適用される摺動層は同様に、熱伝導性を高めるおよび/または摩耗特性を改善するための充填材を含有することが可能である。これらは、特にガラスファイバー、炭素繊維あるいはアラミドといった繊維;特にセラミック材料、炭素、ガラス、グラファイト、酸化アルミニウム、硫化モリブデン、青銅あるいは炭化ケイ素といった無機材料であって、すべての無機材料は織布、粉末、球体あるいは繊維の形態であり;特にポリイミド(PI)、ポリアミジミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)あるいは芳香族ポリエステル(Ekonol)といった熱可塑性材料;または特に珪灰石あるいは硫酸バリウムといった鉱物材料;またはこれらの混合物であることが好ましい。摺動層における充填材の割合は、1〜40体積%、特に5〜30体積%であることが特に好ましい。
【0017】
本方法の観点において、最初に記載の目的は、中間層および摺動層がその全面にわたって加圧下に加熱されながら支持体に結合されることによる、請求項1〜22のいずれか一項に記載のメンテナンスフリー滑り軸受けの製造方法によって達成される。
【0018】
この方法においては、金属支持体、またならびに中間層および摺動層の両方は、各事例において、連続材料としてロールに巻かれ、加圧下に高温で、積層ローラ装置において互いに結合される。中間層の金属支持体に対するさらに向上した接着を、金属支持体の向上した耐腐食特性と一緒に達成するために、本発明の方法の好ましい実施形態は、中間層の適用の前に、金属支持体の表面を粗面化および/または表面改質(例えば電解亜鉛めっきにより)させる。さらに、金属支持体の表面は、噛み合いが結果的に結合力に好ましい効果を有する可能性により、例えば構造のブラッシング、サンドブラスト、エンボス加工といった機械的構造化により高めることが可能である。
【0019】
以下に、本発明が、例を示す図面により例示されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明による滑り軸受けを概略的に示す断面図である。
【図2】図2は、本発明による滑り軸受けのDIN1895に準拠した接着強度テストの実験の結果のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明によるメンテナンスフリー滑り軸受けの構造が図1に示されている。ここで、金属支持体が1により示されており、一方で、2が中間層を示し、および3がこれに適用された摺動層を示す。
【0022】
本発明によれば、中間層2は、式
【化5】


−COOHおよび/または−COOR(式中、ラジカルRは、1〜20個の炭素原子を有する環状または直鎖状の有機ラジカルである)の官能基を有する少なくとも1種の官能化熱可塑性ポリマーを含む。官能基は、少なくとも1種の変性剤(B)の添加により熱可塑性ポリマー(A)に組み込まれることが可能である。好適な変性剤は、例えば、マレイン酸およびその誘導体、特にその無水物、イタコン酸およびその誘導体、特にその無水物、および/またはシトラコン酸およびその誘導体、特にその無水物である。ここで、ポリマー(A)対変性剤(B)の比は、99.9mol%の(A):0.1mol%の(B)〜80mol%の(A):20mol%の(B)であることが好ましい。
【0023】
中間層2に適用された摺動層3は、本事例においては、PTFE化合物テープとして、特に表面前処理済の、好ましくはエッチされたPTFE化合物テープとして構成される。用いられるPTFE化合物層3は、機械特性を向上させるために、例えば特にガラスファイバー、炭素繊維あるいはアラミドといった繊維;特にセラミック材料、炭素、ガラス、グラファイト、酸化アルミニウム、硫化モリブデン、青銅あるいは炭化ケイ素といった無機材料であって、すべての無機材料は織布、粉末、球体あるいは繊維の形態であり;特にポリイミド(PI)、ポリアミジミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)あるいは芳香族ポリエステル(Ekonol)といった熱可塑性材料;または特に珪灰石あるいは硫酸バリウムといった鉱物材料;またはこれらの混合物といった種々の充填材を含有することが可能である。
【0024】
本発明による滑り軸受けの場合において達成された向上した接着強度は、サンドイッチ積層体を用いる180°剥離テストにより測定した。この目的のために、中心層が1層の金属支持体により形成されており、中間層2が金属支持体1の両面に適用されており、かつ、外側摺動層3が中間層2の各々に適用されている5層構造を有する試料を製造した。具体的には、官能化ETFEを中間層2のための材料として選択肢、グレード1.0338の冷間圧延鋼を金属支持体1として選択し、および25%の充填材含有量を有するPTFE化合物テープを摺動層3として選択した。
【0025】
サンドイッチを製造した後、試料を25mmの幅を有する帯に切断し、その後、DIN1895に準拠する180°剥離テストに供して引張強度を測定した。
【0026】
図2に表されている実験結果が示すとおり、官能化ETFEが用いられる場合に、特に室温で、標準的なETFEと比して接着強度における顕著な改良を達成することが可能であり、この改良は、高温でも存在していた。本出願人らにより実施されたさらなる研究が示したとおり、フルオロポリマー層の官能化により、材料組成に応じて、約800%以下の接着強度の増加を達成することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属支持体(1)、これに直接的に適用された中間層(2)および前記中間層(2)に適用された摺動層(3)を含むメンテナンスフリー滑り軸受けであって、中間層(2)が、式
【化1】


−COOHおよび/または−COOR(式中、ラジカルRは、1〜20個の炭素原子を有する環状または直鎖状の有機ラジカルである)の官能基を有する少なくとも1種の官能化熱可塑性ポリマーを含むことを特徴とするメンテナンスフリー滑り軸受け。
【請求項2】
前記中間層(2)の前記少なくとも1種の官能化熱可塑性ポリマーが、官能化熱可塑性フルオロポリマー、特に、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)またはテトラフルオロ−エチレン−パーフルオロ(メチルビニルエーテル)コポリマー(MFA)であって、特に好ましくはエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)であることを特徴とする、請求項1に記載の滑り軸受け。
【請求項3】
少なくとも1種の官能化熱可塑性ポリマーを含む前記中間層(2)が、式:
CF=CF−O−R
(式中、Rが、パーフルオロエチル、パーフルオロ−n−プロピルまたはパーフルオロ−n−ブチルラジカルである)のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)とテトラフルオロ−エチレンとのコポリマーをさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の滑り軸受け。
【請求項4】
前記中間層(2)の厚さが、前記金属支持体(1)の表面の粗度プロファイルの最大プロファイルピーク高さと最大プロファイル谷深さとの距離として定義される前記金属支持体(1)の粗度に基本的に対応することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の滑り軸受け。
【請求項5】
前記中間層(2)が、式
【化2】


−COOHおよび/または−COORの官能基を有する前記官能化熱可塑性ポリマーの2つの層を含み、金属中間層がこれら2つの層の間に埋設されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の滑り軸受け。
【請求項6】
前記金属中間層がエキスパンドメタルとして構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の滑り軸受け。
【請求項7】
前記金属中間層が、ステンレス鋼、アルミニウムまたは青銅を含むことを特徴とする、請求項5または6に記載の滑り軸受け。
【請求項8】
前記中間層(2)が、熱伝導性を高めるおよび/または摩耗特性を改善するための充填材を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の滑り軸受け。
【請求項9】
前記中間層(2)が、特にガラスファイバー、炭素繊維あるいはアラミドといった繊維;特にセラミック材料、炭素、ガラス、グラファイト、酸化アルミニウム、硫化モリブデン、青銅あるいは炭化ケイ素といった無機材料であって、すべての無機材料は織布、粉末、球体あるいは繊維の形態であり;特にポリイミド(PI)、ポリアミジミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)あるいは芳香族ポリエステル(Ekonol)といった熱可塑性材料;または特に珪灰石あるいは硫酸バリウムといった鉱物材料;またはこれらの混合物を充填材として含有することを特徴とする、請求項8に記載の滑り軸受け。
【請求項10】
前記充填材の割合は1〜40体積%、特に5〜30体積%であることを特徴とする、請求項8または9に記載の滑り軸受け。
【請求項11】
前記中間層(2)が、0.01〜0.1mm、特に0.01〜0.05mmの厚さを有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の滑り軸受け。
【請求項12】
前記金属支持体(1)が平滑な表面を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の滑り軸受け。
【請求項13】
前記金属支持体(1)が粗面を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の滑り軸受け。
【請求項14】
前記金属支持体(1)が、表面改質された、特に電解亜鉛めっきされた表面を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の滑り軸受け。
【請求項15】
前記金属支持体(1)が、鋼、特に冷間圧延鋼、特に材料番号1.0338あるいは1.0347、またはマット亜鉛めっき鋼、ステンレス鋼、好ましくは材料番号1.4512あるいは1.4720のもの、またはアルミニウムまたはこれらの合金を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の滑り軸受け。
【請求項16】
前記中間層(2)に適用された前記摺動層(3)がポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトンまたはこれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の滑り軸受け。
【請求項17】
前記摺動層(3)がPTFE化合物層として構成されていることを特徴とする、請求項16に記載の滑り軸受け。
【請求項18】
前記摺動層(3)が、有孔および/または通気性プラスチックフィルムとして構成されていることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の滑り軸受け。
【請求項19】
前記摺動層(3)が、0.01〜1.5mm、特に0.1〜0.35mmの厚さを有することを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の滑り軸受け。
【請求項20】
前記摺動層(3)が、熱伝導性を高めるおよび/または摩耗特性を改善するための充填材を含有していることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の滑り軸受け。
【請求項21】
前記充填材が、特にガラスファイバー、炭素繊維あるいはアラミドといった繊維;特にセラミック材料、炭素、ガラス、グラファイト、酸化アルミニウム、硫化モリブデン、青銅あるいは炭化ケイ素といった無機材料であって、すべての無機材料は織布、粉末、球体あるいは繊維の形態であり;特にポリイミド(PI)、ポリアミジミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)あるいは芳香族ポリエステル(Ekonol)といった熱可塑性材料;または特に珪灰石あるいは硫酸バリウムといった鉱物材料;またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項20に記載の滑り軸受け。
【請求項22】
前記充填材の割合が1〜40体積%、特に5〜30体積%であることを特徴とする、請求項20または21に記載の滑り軸受け。
【請求項23】
中間層(2)および摺動層(3)が、その全面にわたって加圧下に加熱されながら金属支持体(1)に結合されることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項に記載のメンテナンスフリー滑り軸受けの製造方法。
【請求項24】
前記中間層(2)の適用の前に、前記金属支持体(1)の表面が粗面化および/または表面改質(例えば電解亜鉛めっきにより)されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−525245(P2010−525245A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503364(P2010−503364)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/060736
【国際公開番号】WO2008/128579
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(508298237)サン−ゴバン パフォーマンス プラスチックス パンプス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (7)
【Fターム(参考)】