説明

メール誤送信防止装置およびメール誤送信防止方法

【課題】メールの送信者が意図する送信先以外へメールが送信される可能性を低減する。
【解決手段】本発明のメール誤送信防止装置は、メールサーバに受信されたメールが、送信者が意図した送信先以外へ送信されることを防止するメール誤送信防止装置であって、送信者が予め登録した送信先の相手名とメールアドレスとを対応付けて保存するとともに、メール本文中で送信先の相手名を記述する位置を特定する文字列を保存する保存部と、メールに設定されている送信先のメールアドレスを抽出するとともに、メール本文中に文字列が含まれている場合、文字列により特定される位置から送信先の相手名を抽出する抽出部と、抽出された送信先のメールアドレスが、抽出された送信先の相手名に対応して保存されているメールアドレスと一致するかを判定するアドレス判定部と、判定結果が一致を示す場合に、メールの送信をメールサーバに指示する送信指示部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メールの送信者が意図した送信先以外へのメールの送信を防止するメール誤送信防止装置およびメール誤送信防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メールの送信先のメールアドレスの設定は、送信者による送信先のメールアドレスの直接入力や、メールソフトのメールアドレスの入力支援機能を用いた入力により行われる。
【0003】
なお、メールアドレスの入力支援機能には、メールに設定する送信先のメールアドレスを、送信先の相手名とメールアドレスとを対応付けたアドレス帳から選択させる機能や、メールアドレスの一部の入力から自動補完や自動選択する機能などがある。
【0004】
しかし、送信者による直接入力、あるいは入力支援機能を用いた入力により設定された送信先のメールアドレスが、必ずしも送信者が意図した送信先のメールアドレスであるとは限らない。
【0005】
ここで、一般に、メールアドレスは任意の英数字で構成されるため、メールに設定されたメールアドレスから、直接、送信先を認識することが難しい。
【0006】
そのため、メールの送信者が意図した送信先とは異なる送信先のメールアドレスが設定されていても、送信者がそれに気がつかずにメールを送信してしまい、送信者が意図した送信先以外にメールが送信されるメールの誤送信が生じる。
【0007】
そこで、特許文献1には、メールの誤送信を防止するメール誤送信防止装置が記載されている。
【0008】
特許文献1に記載のメール誤送信防止装置は、メールの送信先の相手名とメールアドレスとを対応付けたアドレス帳を予め保存し、メールの送信者が作成したメールの本文中の、「様」、「さん」などの敬称を示す文字の直前の語句を送信先の相手名として抽出し、抽出した送信先の相手名が、メールに設定されている送信先のメールアドレスに対応してアドレス帳に保存されている送信先の相手名と一致するかを判定することで、メールに設定された送信先のメールアドレスが正しいかを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−241628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載のメール誤送信防止装置は、敬称を示す文字の直前の語句を送信先の相手名として抽出するだけなので、例えば、同姓の複数の人物の相手名がアドレス帳に保存されている場合、抽出した相手名からだけでは同姓の複数の人物のうち、送信者が意図した送信先を特定することができないことがある。
【0011】
この場合、特許文献1に記載のメール誤送信防止装置は、メールから抽出した送信先の情報である相手名が、アドレス帳に保存された送信者の意図する送信先とは異なる送信先の相手名と一致するかを判定してしまい、その結果、送信者が意図する送信先以外へメールが送信されてしまう可能性がある。
【0012】
本発明の目的は、メールから抽出した送信先の情報が、送信者の意図する送信先とは異なる送信先の情報と一致するかを判定する可能性を減らし、送信者の意図する送信先以外へメールが送信される可能性を低減することができるメール誤送信防止装置、およびメール誤送信防止方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明のメール誤送信防止装置は、
メールサーバーに受信されたメールが、当該メールの送信者が意図した送信先以外へ送信されることを防止するメール誤送信防止装置であって、
前記送信者が予め登録した送信先の相手名と該送信先のメールアドレスとを対応付けて保存するとともに、前記メールの本文中で前記送信先の相手名を記述する位置を特定する文字列を保存する保存部と、
前記メールサーバーに受信されたメールに設定されている送信先のメールアドレスを抽出するとともに、前記メールの本文中に前記文字列が含まれている場合、前記文字列により特定される位置から前記送信先の相手名を抽出する抽出部と、
前記メールの本文中に前記文字列が含まれている場合、前記抽出された送信先のメールアドレスが、前記抽出された送信先の相手名に対応付けられて前記保存部に保存されているメールアドレスと一致するか否かを判定するアドレス判定部と、
前記判定結果が一致を示す場合に、前記メールの送信を前記メールサーバーに指示する送信指示部と、を有する。
【0014】
上記目的を達成するために本発明のメール誤送信防止方法は、
メールサーバーに受信されたメールが、当該メールの送信者が意図した送信先以外へ送信されることを防止するメール誤送信防止装置に適用されるメール誤送信防止方法であって、
前記送信者が予め登録した送信先の相手名と該送信先のメールアドレスとを対応付けて保存するとともに、前記メールの本文中で前記送信先の相手名を記述する位置を特定する文字列を保存する保存ステップと、
前記メールサーバーに受信されたメールに設定されている送信先のメールアドレスを抽出するとともに、前記メールの本文中に前記文字列が含まれている場合、前記文字列により特定される位置から前記送信先の相手名を抽出する抽出ステップと、
前記抽出された送信先のメールアドレスが、前記抽出された送信先の相手名に対応付けられて保存されているメールアドレスと一致するか否かを判定するアドレス判定ステップと、
前記判定結果が一致を示す場合に、前記メールの送信を前記メールサーバーに指示する送信指示ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、メール誤送信防止装置は、メールの送信者が予め登録した送信先の相手名と送信先のメールアドレスとを対応付けて保存するとともに、メールの本文中で送信先の相手名を記述する位置を特定する文字列を保存し、メールサーバーに受信されたメールに設定されている送信先のメールアドレスと、メールの本文中に含まれる文字列により特定される位置から送信先の相手名を抽出し、抽出された送信先のメールアドレスが、抽出された送信先の相手名に対応付けられて保存されているメールアドレスと一致する場合に、メールの送信をメールサーバーに指示する。
【0016】
従って、メールの本文中の上記文字列により特定される位置には、メールの送信者がメール誤送信防止装置に予め登録した送信先の相手名を意図的に記述することになるため、メールの本文中から抽出する送信先の相手名は送信者が意図したものとなる。
【0017】
よって、メールに設定されたメールアドレスが正しいか否かを、送信者が意図する送信先の情報を用いて判定できるため、送信者の意図する送信先以外へメールが送信される可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態のメール誤送信防止装置が適用されるメールシステムの構成の一例を示す図である。
【図2】図1に示すシステム対応表保存部に保存されるシステム対応表の構成の一例を示す図である。
【図3】図1に示す判定部の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図4】一般的なメールのフォーマットを示す図である。
【図5】図1に示すメール誤送信防止装置による誤送信防止処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態におけるメールの送信者が作成するメールの一例を示す図である。
【図7】図1に示す保留処理部による保留処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】図1に示す承認処理部による承認処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態のメール誤送信防止装置20が適用されるメールシステムの構成を示す図である。
【0021】
図1に示すメールシステムは、送信端末1と、受信端末2と、汎用メールサーバー10と、汎用メールサーバー10と接続されたメール誤送信防止装置20とを有する。
【0022】
送信端末1は、メールの送信元である送信者が作成したメールを汎用メールサーバー10に送信する。
【0023】
汎用メールサーバー10は、メールの送信端末1から送信されてきたメールの送信先の受信端末2へのメールの送信を行うMTA(Mail Transfer Agent)機能を有する。
【0024】
そして、汎用メールサーバー10は、MTA機能により、メールの送信者が作成したメールをメール誤送信防止装置20に転送するメール転送部11と、メール誤送信防止装置20から出力されたメールを、そのメールの送信先に送信するメール送信部12とを有する。
【0025】
なお、MTA機能は、広く一般的に知られた機能であるため、その詳細な説明は省略する。
【0026】
受信端末2は、汎用メールサーバー10から送信されてきたメールを受信する。
【0027】
メール誤送信防止装置20は、汎用メールサーバー10から転送されてきた、メールの送信者が作成した送信メールに設定されている送信先のメールアドレスが、送信者の意図する送信先の正しいメールアドレスであるかを判定する誤送信防止処理を行う。
【0028】
そして、メール誤送信防止装置20は、送信者の意図する送信先の正しいメールアドレスが設定されていると判定した送信メールを汎用メールサーバー10に出力し、その送信メールの送信先への送信を指示する。
【0029】
次に、メール誤送信防止装置20の構成について説明する。
【0030】
図1に示すメール誤送信防止装置20は、システム対応表保存部21と、判定部22と、保留処理部23と、保留メール保存部24と、承認処理部25と、キーワード削除部26と、を有する。
【0031】
なお、キーワード削除部26は、送信指示部の一例である。
【0032】
システム対応表保存部21は、メールの送信者により予め登録されたシステム対応表と、そのシステム対応表を登録したメールの送信者のメールアドレスとを対応付けて保存する。
【0033】
図2は、システム対応表保存部21に保存されるシステム対応表の構成の一例を示す図である。
【0034】
図2(a)に示すように、システム対応表保存部21は、システム対応表として、誤送信防止処理の対象となる送信先のメールアドレスのドメイン名を保存する。
【0035】
なお、システム対応表として、誤送信防止処理の対象とならない送信先のメールアドレスのドメイン名を保存することも可能である。
【0036】
また、システム対応表として、誤送信防止処理の対象となるメールアドレス、あるいは誤送信防止処理の対象とならないメールアドレスを保存することも可能である。
【0037】
また、図2(b)に示すように、システム対応表保存部21は、システム対応表として、メールの送信者により予め登録された送信先の相手名と、その送信先のメールアドレスとを対応付けたアドレス帳と、メールの本文中で送信先の相手名を記述する位置を特定する区切り文字であるデリミタ文字列とを保存する。
【0038】
なお、システム対応表に保存されるデリミタ文字列は、メールの送信者ごとに1つである。従って、システム対応表を登録したメールの送信者のメールアドレスとシステム対応表に保存されたデリミタ文字列とは、1:1の関係を有する。
【0039】
また、システム対応表に保存される、デリミタ文字列と、送信先のメールアドレスと、デリミタ文字列により特定される位置に記述される送信先の相手名とは、1:n:nの関係を有する。
【0040】
また、図2(c)に示すように、システム対応表保存部21は、システム対応表として、メールの送信先への送信が保留されたメールである保留メールの送信先への送信を承認する権限を有する承認者のメールアドレスを保存する。承認者には、メールの送信者および第三者を設定することが可能である。
【0041】
判定部22は、システム対応表保存部21に保存されたシステム対応表に基づき、送信メールに設定されている送信先のメールアドレスが、送信者の意図する正しいメールアドレスであるかを判定する。
【0042】
そして、判定部22は、送信メールに送信者の意図する正しいメールアドレスが設定されていると判定した場合、その送信メールをキーワード削除部26に出力し、送信者の意図する正しいメールアドレスが設定されていないと判定した場合には、その送信メールを保留メールとして保留処理部23に出力する。
【0043】
保留処理部23は、判定部22から出力された保留メールの送信先への送信を保留する保留処理を行う。
【0044】
具体的には、保留処理部23は、判定部22から出力された保留メールを保留メール保存部24に保存するとともに、保留メールの送信先への送信を承認する権限を有する承認者に対して、その保留メールの送信先への送信の承認あるいは否認の回答を要求する保留通知を行う。
【0045】
なお、承認者への保留通知は、図2(c)に示すシステム対応表に保存された承認者のメールアドレスが設定されたメールの送信を汎用メールサーバー10に指示することで行われる。
【0046】
また、保留処理部23は、保留通知を行った承認者を示す情報を承認処理部25に出力する。
【0047】
保留メール保存部24は、保留メールを保存する。
【0048】
承認処理部25は、承認者による承認あるいは否認の回答に基づき、保留メールを送信先へ送信するかを決定する。
【0049】
そして、承認処理部25は、保留メールを送信先へ送信すると決定した場合、その保留メールをキーワード削除部26に出力する。
【0050】
また、承認処理部25は、保留メールを送信先へ送信しないと決定した場合や、所定の時間以上、承認者から回答がない場合には、その保留メールを保留メール保存部24から削除する。
【0051】
キーワード削除部26は、判定部22および承認処理部25から出力されたメールの本文中に、デリミタ文字列と、そのデリミタ文字列で特定される位置に記述されている送信先の相手名とが含まれている場合、これらを削除して汎用メールサーバー10に出力し、そのメールの送信先への送信を指示する。
【0052】
次に、判定部22の構成について説明する。
【0053】
図3は、判定部22の構成の一例を示すブロック図である。
【0054】
判定部22は、保存情報取得部221と、抽出部222と、ドメイン判定部223と、アドレス判定部224と、を有する。
【0055】
保存情報取得部221は、送信メールの送信者のメールアドレスに対応して保存されているシステム対応表から、図2(a)に示す誤送信防止処理の対象となる送信先のメールアドレスのドメイン名と、図2(b)に示すデリミタ文字列とアドレス帳とを取得する。
【0056】
そして、保存情報取得部221は、取得したデリミタ文字列を抽出部222に出力し、誤送信防止処理の対象となるメールアドレスのドメイン名をドメイン判定部223に出力し、アドレス帳をアドレス判定部224に出力する。
【0057】
抽出部222は、送信メールのエンベロープおよびヘッダーを解析し、そのメールに設定されている送信先のメールアドレスと本文中に含まれる送信先の相手名とを抽出する。
【0058】
ここで、メールは、図4に示すように、エンベロープと、ヘッダーと、本文とからなるフォーマットを有する。
【0059】
エンベロープには、RFC2821で規定されるメール送信のためのプロトコルであるSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)によるメールの送信に用いられるメールの送信元と送信先のメールアドレスの情報が含まれる。
【0060】
なお、エンベロープは、汎用メールサーバー10のMTA機能により付加される。
【0061】
ヘッダーには、メールの送信元と送信先のメールアドレス、そのメールが作成された日時、本文のデータ形式を示す情報など種々の情報が含まれる。
【0062】
本文には、送信者が送信先に送信するメッセージや添付ファイルなどが含まれる。
【0063】
ここで、メール送信の宛先の種別としてBcc(Blind Carbon Copy)が指定された場合、汎用メールサーバー10において、ヘッダーから宛先の種別にBccが指定された送信先のメールアドレスなどの情報が削除される。
【0064】
これは、ヘッダーの情報は、メールの送信には用いられず、送信元や送信先の情報などをメールの送信者や受信者に表示するために用いられるものであり、宛先の種別にBccが指定された送信先のメールアドレスなどの情報は削除される必要があるからである。
【0065】
従って、ヘッダーからメールに設定されている送信先のメールアドレスの抽出を行うと、宛先の種別にBccが指定された送信先のメールアドレスを抽出することができず、その送信先に対しては誤送信防止処理を行うことができない。
【0066】
そこで、本実施形態においては、ドメイン判定部223は、エンベロープからメールに設定されている送信先のメールアドレスを抽出する。上述したように、エンベロープは、SMTPによるメールの送信に用いられるものであり、宛先の種別にBccが指定された送信先のメールアドレスの情報なども削除されないので、宛先の種別にBccが指定された送信先のメールアドレスも抽出することができる。
【0067】
また、抽出部222は、メールの本文中に含まれる送信先の相手名を抽出する。
【0068】
具体的には、抽出部222は、メールの本文がテキスト形式のデータであることを示す「Content−Type:text/plain」が、メールのヘッダーに含まれているかに基づき、メールに本文が存在するかを判定する。
【0069】
送信メールに本文が存在する場合、抽出部222は、メールの本文のテキスト形式のデータを解析し、メールの本文中に含まれるデリミタ文字列を検索し、メールの本文中にデリミタ文字列が含まれる場合には、そのデリミタ文字列により特定される位置から送信先の相手名を抽出する。
【0070】
そして、抽出部222は、抽出した送信先の相手名とメールアドレスとをドメイン判定部223に出力する。
【0071】
ドメイン判定部223は、保存情報取得部221から出力された誤送信防止処理の対象となるメールアドレスのドメイン名に基づき、送信先の相手名とメールアドレスとが抽出された送信メールが、誤送信防止処理の対象である誤送信防止処理対象メールであるかを判定する。
【0072】
そして、ドメイン判定部223は、送信メールが誤送信防止処理対象メールである場合、その誤送信防止処理対象メールの送信先の相手名とメールアドレスとをアドレス判定部224に出力する。
【0073】
また、ドメイン判定部223は、送信メールが誤送信防止処理対象メールでない場合、その送信メールをキーワード削除部26に出力する。
【0074】
アドレス判定部224は、誤送信防止処理対象メールに設定されている送信先のメールアドレスが、送信者の意図する送信先の正しいメールアドレスであるかを判定する。
【0075】
具体的には、アドレス判定部224は、抽出された誤送信防止処理対象メールの送信先のメールアドレスが、抽出された誤送信防止処理対象メールの送信先の相手名に対応してアドレス帳に保存されている送信先のメールアドレスと完全一致するかを判定する。
【0076】
誤送信防止処理対象メールの送信先のメールアドレスが、アドレス帳に保存されている送信先のメールアドレスと完全一致する場合、アドレス判定部224は、設定されている送信先のメールアドレスが送信者の意図する送信先の正しいメールアドレスであると判定し、その誤送信防止処理対象メールをキーワード削除部26に出力する。
【0077】
また、誤送信防止処理対象メールの送信先のメールアドレスが、アドレス帳に保存されている送信先のメールアドレスと完全一致しない場合、アドレス判定部224は、設定されている送信先のメールアドレスが、送信者の意図する送信先の正しいメールアドレスではないと判定し、その誤送信防止処理対象メールを保留メールとして保留処理部23に出力する。
【0078】
なお、アドレス判定部224は、抽出した送信先の相手名とシステム対応表に保存されている送信先の相手名とが一致しない場合にも、誤送信防止処理対象メールを保留メールとして保留処理部23に出力する。
【0079】
次に、メール誤送信防止装置20による誤送信防止処理の動作について説明する。
【0080】
図5は、メール誤送信防止装置20による誤送信防止処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【0081】
また、図6は、本実施形態における送信者が作成するメールの一例を示す図である。
【0082】
本実施形態においては、送信先のメールアドレス「BBB@xxxx」と、その送信先の相手名「BBBbbb」とを対応付けたアドレス帳と、デリミタ文字列「−−delimiter.username」とがシステム対応表に保存されているものとする。
【0083】
なお、送信先の相手名「BBBbbb」およびデリミタ文字列「−−delimiter.username」は、メールの送信者により予め登録されたものである。
【0084】
そして、メールの送信者は、送信先のメールアドレスに「BBB@xxxx」を設定するとともに、メールの本文中に、点線部に示すようにデリミタ文字列「−−delimiter.username」と、そのデリミタ文字列により特定される位置に送信先のメールアドレス「BBB@xxxx」に対応する送信先の相手名「BBBbbb」とを記述したメールを作成する。
【0085】
まず、システム対応表保存部21は、メールの送信者により登録されたシステム対応表を保存する。
【0086】
次に、保存情報取得部221は、誤送信防止処理の対象となるメールアドレスのドメイン名をシステム対応表保存部21から取得する。
【0087】
抽出部222は、汎用メールサーバー10に受信された送信メールのエンベロープを解析し、設定されている送信先のメールアドレスを抽出する(ステップA1)。
【0088】
そして、ドメイン判定部223は、抽出部222が抽出した送信先のメールアドレスのドメイン名が、保存情報取得部221が取得した誤送信防止処理の対象となるメールアドレスのドメイン名と一致するか否かにより、送信メールが誤送信防止処理対象メールであるかを判定する(ステップA2)。
【0089】
なお、ドメイン判定部223は、メールの送信者のメールアドレスに対応付けて保存されているシステム対応表がない場合には、そのメールの送信者が送信したメールを誤送信防止処理の対象ではないと判定する、あるいは、そのメールの送信者が送信したメールを全て廃棄することも可能である。
【0090】
送信メールが誤送信防止処理対象メールでない場合(ステップA2:NO)、ドメイン判定部223は、その送信メールをキーワード削除部26に出力する。
【0091】
送信メールが誤送信防止処理対象メールである場合(ステップA2:YES)、抽出部222は、その誤送信防止処理対象メールに本文が存在するかを判定する(ステップA3)。
【0092】
誤送信防止処理対象メールに本文が存在しない場合(ステップA3:NO)、判定部22は、その誤送信防止処理対象メールをキーワード削除部26に出力する。
【0093】
誤送信防止処理対象メールに本文が存在する場合(ステップA3:YES)、保存情報取得部221は、デリミタ文字列とアドレス帳とをシステム対応表から取得する(ステップA4)。
【0094】
抽出部222は、誤送信防止処理対象メールの本文中に保存情報取得部221が取得したデリミタ文字列が含まれているかを検索し、デリミタ文字列が含まれる場合、デリミタ文字列により特定される位置に記述されている送信先の相手名を抽出する(ステップA5)。
【0095】
図6の例では、抽出部222は、誤送信防止処理対象メールの本文中にデリミタ文字列「−−delimiter.username」が含まれているかを検索し、デリミタ文字列「−−delimiter.username」に続く「BBBbbb」を送信先の相手名として抽出する。
【0096】
アドレス判定部224は、誤送信防止処理対象メールに設定されている送信先のメールアドレスが、抽出部222が抽出した送信先の相手名に対応してアドレス帳に保存されているメールアドレスと完全一致するかを判定する(ステップA6)。
【0097】
図6の例では、アドレス判定部224は、抽出した送信先の相手名「BBBbbb」に対応してアドレス帳に保存されているメールアドレス「BBB@xxxx」と、設定されている送信先のメールアドレス「BBB@xxxx」とが完全一致するかを判定する。
【0098】
ここで、例えば、メールアドレスが「BBB@yyyy」、相手名が「BBBccc」である別の送信先の候補がアドレス帳に保存されているとする。
【0099】
この場合、特許文献1のように、敬称を示す「さん」の直前の「BBB」を送信先の相手名として抽出するだけでは、送信者が意図する送信先が、アドレス帳に保存された「BBBbbb」であるのか、「BBBccc」であるのかを特定することができない。そのため、抽出したメールアドレスが、送信者が意図した送信先「BBBbbb」とは異なる送信先である「BBBccc」のメールアドレス「BBB@yyyy」と一致するか判定され、その結果、設定されている送信先のメールアドレスが正しいかの判定を誤ることがある。
【0100】
しかし、本実施形態では、メールの本文中のデリミタ文字列「−−delimiter.username」により特定される位置には、メールの送信者がメール誤送信防止装置20に予め登録した送信先の相手名を意図的に記述することになるため、抽出部222がメールの本文中から抽出する送信先の相手名「BBBbbb」は送信者が意図したものとなる。
【0101】
よって、誤送信防止処理対象メールに設定されたメールアドレスが正しいか否かを、送信者が意図する送信先「BBBbbb」のメールアドレス「BBB@xxxx」を用いて判定できるため、送信者の意図する送信先以外へメールが送信される可能性を低減することができる。
【0102】
誤送信防止処理対象メールに設定されている送信先のメールアドレスが、抽出部222が抽出した送信先の相手名に対応してアドレス帳に保存されているメールアドレスと完全一致する場合(ステップA6:YES)、アドレス判定部224は、その誤送信防止処理対象メールをキーワード削除部26に出力する。
【0103】
また、誤送信防止処理対象メールに設定されている送信先のメールアドレスが、抽出部222が抽出した送信先の相手名に対応してアドレス帳に保存されているメールアドレスと完全一致しない場合(ステップA6:NO)、アドレス判定部224は、その誤送信防止処理対象メールを保留メールとして保留処理部23に出力する。
【0104】
保留処理部23は、判定部22から出力された保留メールの保留処理を行う(ステップA7)。
【0105】
次に、保留処理部23による保留処理の動作について説明する。
【0106】
図7は、保留処理部23による保留処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【0107】
まず、保留処理部23は、判定部22から保留メールが出力されると、図2(c)に示すシステム対応表に、保留メールの送信先への送信を承認する権限を有する承認者の設定が保存されているかを判定する(ステップB1)。
【0108】
なお、承認者の設定は、例えば、以下の4つのパターンを設定することが可能である。
【0109】
第1のパターンは、承認者にメールの送信者を設定する自己承認のパターンである。
【0110】
第2のパターンは、承認者にメールの送信者以外の第三者を設定する第三者承認のパターンである。
【0111】
第3のパターンは、承認者にメールの送信者と第三者とを設定する自己承認および第三者承認のパターンである。
【0112】
第4のパターンは、承認者に誰も設定しないパターンである。
【0113】
第1から第3のパターンが設定されている場合(ステップB1:YES)、保留処理部23は、判定部22から出力された保留メールを保留メール保存部24に保存し(ステップB2)、システム対応表に保存されている承認者のメールアドレスに保留通知を行う(ステップB3)。
【0114】
なお、保留通知には、保留メール保存部24に保存された保留メールを特定するための検索キーが付与される。
【0115】
また、カプセル化した保留メールを含む保留通知を承認者に送信することも可能である。
【0116】
一方、承認者が設定されていない場合(ステップB1:NO)、保留処理部23は、判定部22から出力された保留メールを廃棄し(ステップB4)、保留メールを廃棄したことを、そのメールの送信者に通知する廃棄通知を行う(ステップB5)。
【0117】
次に、承認処理部25による承認処理の動作について説明する。
【0118】
図8は、承認処理部25による承認処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【0119】
まず、承認処理部25は、承認者により行われた保留メールの送信先への送信の承認あるいは否認の回答を受信し(ステップC1)、受信した回答に基づき、保留メールを送信先に送信するかを決定する(ステップC2)。
【0120】
ここで、保留メールを送信先に送信するかの決定には、種々の基準を設けることが可能である。
【0121】
例えば、複数の承認者が設定されている場合には、全ての承認者が承認したときに保留メールを送信先へ送信すると決定する基準がある。また、複数の承認者による承認あるいは否認の回答数での多数決や、最も早く行われた承認あるいは否認の回答に従って、保留メールを送信先に送信するかを決定する基準などもある。
【0122】
なお、承認者は、保留通知に付与された検索キーに基づき、保留メールを特定することができる。そして、承認者は、例えば、承認者が汎用メールサーバー10を介してメールを送信したり、Webページにアクセスしたりすることで、特定した保留メールの送信先への送信の承認あるいは否認の回答を行うことができる。
【0123】
また、承認者が一度、保留メールの送信先への送信の承認あるいは否認の回答を行うと、その保留メールに対して、再度の承認あるいは否認の回答を行うことはできない。
【0124】
保留メールを送信先に送信すると決定した場合(ステップC2:YES)、承認処理部25は、その保留メールをキーワード削除部26に出力する(ステップC3)。
【0125】
一方、保留メールを送信先に送信しないと決定した場合(ステップC2:NO)、承認処理部25は、その保留メールを保留メール保存部24から削除する(ステップC4)。
【0126】
なお、承認処理部25は、保留通知の送信後の経過時間をカウントし、所定の時間を経過しても承認者から回答が無い場合には、保留処理部23に保留通知を再送信させる。
【0127】
そして、承認処理部25は、保留通知の再送信後、所定の時間が経過しても承認者から回答が無い場合には、保留メールを保留メール保存部24から削除する。
【0128】
このように本実施形態によれば、メール誤送信防止装置20は、メールの送信者が予め登録した送信先の相手名と送信先のメールアドレスとを対応付けて保存するとともに、メールの本文中で送信先の相手名を記述する位置を特定するデリミタ文字列とを保存し、汎用メールサーバー10に受信されたメールに設定されている送信先のメールアドレスとデリミタ文字列により特定される位置から送信先の相手名とを抽出し、抽出された送信先のメールアドレスが、抽出された送信先の相手名に対応付けられて保存されているメールアドレスと一致する場合に、メールの送信を汎用メールサーバー10に指示する。
【0129】
そのため、メールの本文中のデリミタ文字列により特定される位置には、メールの送信者がメール誤送信防止装置20に予め登録した送信先の相手名を意図的に記述することになるため、抽出部222が、メールの本文中から抽出する送信先の相手名は送信者が意図したものとなる。
【0130】
よって、メールに設定されたメールアドレスが正しいか否かを、送信者が意図する送信先の情報を用いて判定できるため、送信者の意図する送信先以外へメールが送信される可能性を低減することができる。
【0131】
また、メール誤送信防止装置20は、デリミタ文字列と、デリミタ文字列により特定される位置に記述されている送信先の相手名とをメールの本文から削除する。
【0132】
そのため、メールの宛先の種別にBccを指定した場合にも、他の送信先に知られることなく、誤送信防止処理を行うことができる。
【0133】
なお、本実施形態においては、説明の便宜上、汎用メールサーバー10は、メール誤送信防止装置20内のブロックを有さず、メール誤送信防止装置20は、汎用メールサーバー10内のブロックを有さないものとして説明したが、これに限られるものではなく、1つの装置において、汎用メールサーバー10内のブロックおよびメール誤送信防止装置20のブロックの双方を有するように構成することも可能である。
【0134】
また、本実施形態においては、メールの本文がテキスト形式のデータである場合を例に説明したが、これに限られるものではない。
【0135】
例えば、メールの本文のデータ形式を示すContent−typeが、メールの本文がhtml形式のデータであることを示すtext/htmlである場合には、htmlの構文を解析し、デリミタ文字列の検索を行う。なお、htmlの構文解析はW3C(World Wide Web Consortium)で規定される規格に準ずるものとする。
【0136】
また、Content−typeが、メールの本文が複数のデータ形式を含むことを示すmultipart/である場合には、多目的インターネットメール拡張(MIME:Multipurpose Internet Mail Extension)規格に規定されるboundaryからContent−type:text/plainまたはhtmlのパートを検索した後、デリミタ文字列の検索を行う。なお、MIMEの構文解析はRFC2045に従うものとする。
【0137】
また、Content−typeが、メールの本文が複数のパートに断片化されていることを示すmessage/partialであった場合には、断片化されたパートを全て連結した後に、デリミタ文字列の検索を行う。なお、断片化されたパートの連結方法はRFC2046に従うものとする。
【0138】
また、本実施形態においては、ドメイン判定部223は、システム対応表の保存された誤送信防止処理の対象となるメールアドレスのドメイン名とに基づき、誤送信防止処理の対象であるかを判定したが、これに限られるものではない。
【0139】
例えば、メールの受信者が、送信されたメールを誤送信防止処理の対象となるドメイン名のメールアドレスに自動転送する設定をしている場合、メール誤送信防止装置20による処理が無限ループに陥る可能性がある。そのため、ドメイン判定部223は、メールのヘッダーに自動転送が行われることを示すauto−forwarded:などが存在する場合には、そのメールを誤送信防止処理の対象でないと判定する。
【0140】
また、受信したメールを開封する際に、そのメールの送信者に開封通知を行うことを要求する開封通知要求(MDN:Message Disposition Notification)に応答して、開封通知のメールが送信された場合にも、メール誤送信防止装置20による処理が無限ループに陥る可能性がある。
【0141】
そのため、ドメイン判定部223は、メールのヘッダーに開封通知要求に対する応答であることを示す「Content−type:multipart/report; report−type=disposition−notification;」などが存在する場合には、そのメールを誤送信防止処理の対象でないと判定する。なお、開封通知については、RFC3798に規定される処理に従うものとする。
【0142】
また、保留メールに添付ファイルが添付されている場合に、承認処理部25による承認処理を必要とすることも可能である。
【0143】
また、保留メールが暗号化されている場合には、メールの本文中のデリミタ文字列や送信先の相手名を抽出することができないので、必ず第三者による承認を必須とすることも可能である。
【0144】
また、メールの送信者による承認が行われた後に、第三者による承認を要求するなど、段階的に承認を要求することも可能である。
【0145】
また、システム対応表に保存される承認者のメールアドレスは1つに限られるものではなく、1人の承認者に複数のメールアドレスを保存することも可能である。また、携帯電話などのモバイル機器に、添付ファイルを含む保留メールをカプセル化して保留通知を送信する場合には、保留メールの添付ファイルを削除して保留通知を送信することも可能である。
【符号の説明】
【0146】
1 送信端末
2 受信端末
10 汎用メールサーバー
11 メール転送部
12 メール送信部
20 メール誤送信防止装置
21 システム対応表保存部
22 判定部
221 保存情報取得部
222 抽出部
223 ドメイン判定部
224 アドレス判定部
23 保留処理部
24 保留メール保存部
25 承認処理部
26 キーワード削除部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メールサーバーに受信されたメールが、当該メールの送信者が意図した送信先以外へ送信されることを防止するメール誤送信防止装置であって、
前記送信者が予め登録した送信先の相手名と該送信先のメールアドレスとを対応付けて保存するとともに、前記メールの本文中で前記送信先の相手名を記述する位置を特定する文字列を保存する保存部と、
前記メールサーバーに受信されたメールに設定されている送信先のメールアドレスを抽出するとともに、前記メールの本文中に前記文字列が含まれている場合、前記文字列により特定される位置から前記送信先の相手名を抽出する抽出部と、
前記メールの本文中に前記文字列が含まれている場合、前記抽出された送信先のメールアドレスが、前記抽出された送信先の相手名に対応付けられて前記保存部に保存されているメールアドレスと一致するか否かを判定するアドレス判定部と、
前記判定結果が一致を示す場合に、前記メールの送信を前記メールサーバーに指示する送信指示部と、を有するメール誤送信防止装置。
【請求項2】
前記送信指示部は、前記アドレス判定部による判定結果が一致を示す場合、前記メールの本文中から、前記文字列と、前記文字列により特定される位置に記述されている前記送信先の相手名とを削除し、当該メールの送信を前記メールサーバーに指示する、請求項1に記載のメール誤送信防止装置。
【請求項3】
前記保存部は、前記メールの送信者に対応付けて、当該送信者が送信したメールの送信先への送信を承認する権限を有する承認者のメールアドレスを保存し、
前記アドレス判定部による判定結果が不一致を示す場合、前記メールの前記送信先への送信を保留するとともに、該保留された保留メールの送信者に対応付けられた承認者のメールアドレスが設定され、当該保留メールの送信先への送信の承認あるいは否認の回答を要求するメールの送信を、前記メールサーバーに指示する保留処理部をさらに有する、請求項2に記載のメール誤送信防止装置。
【請求項4】
前記承認者による承認あるいは否認の回答に基づき、前記保留メールを前記送信先に送信するか否かを決定する承認処理部をさらに有し、
前記送信指示部は、前記承認処理部により前記送信先に送信すると決定された前記保留メールの本文中から、前記文字列と、前記文字列により特定される位置に記述されている前記送信先の相手名とを削除して、当該保留メールの送信を前記メールサーバーに指示する請求項3に記載のメール誤送信防止装置。
【請求項5】
前記保存部は、前記アドレス判定部による判定の対象となるメールアドレスのドメイン名をさらに保存し、
前記抽出部により抽出された前記送信先のメールアドレスのドメイン名が、前記保存部に保存されているドメイン名のいずれかと一致するか否かを判定するドメイン判定部をさらに有し、
前記アドレス判定部は、前記ドメイン判定部による判定結果が一致を示す場合にのみ、前記抽出された送信先のメールアドレスの一致の判定を行う、請求項1から4のいずれか1項に記載のメール誤送信防止装置。
【請求項6】
前記文字列は、デリミタ文字列である、請求項1から5のいずれか1項に記載のメール誤送信防止装置。
【請求項7】
メールサーバーに受信されたメールが、当該メールの送信者が意図した送信先以外へ送信されることを防止するメール誤送信防止装置に適用されるメール誤送信防止方法であって、
前記送信者が予め登録した送信先の相手名と該送信先のメールアドレスとを対応付けて保存するとともに、前記メールの本文中で前記送信先の相手名を記述する位置を特定する文字列を保存する保存ステップと、
前記メールサーバーに受信されたメールに設定されている送信先のメールアドレスを抽出するとともに、前記メールの本文中に前記文字列が含まれている場合、前記文字列により特定される位置から前記送信先の相手名を抽出する抽出ステップと、
前記抽出された送信先のメールアドレスが、前記抽出された送信先の相手名に対応付けられて保存されているメールアドレスと一致するか否かを判定するアドレス判定ステップと、
前記判定結果が一致を示す場合に、前記メールの送信を前記メールサーバーに指示する送信指示ステップと、を有するメール誤送信防止方法。
【請求項8】
前記送信指示ステップでは、前記アドレス判定ステップによる判定結果が一致を示す場合、前記メールの本文中から、前記文字列と、前記文字列により特定される位置に記述されている前記送信先の相手名とを削除し、当該メールの送信を前記メールサーバーに指示する、請求項7に記載のメール誤送信防止方法。
【請求項9】
前記保存ステップでは、前記メールの送信者に対応付けて、当該送信者が送信したメールの送信先への送信を承認する権限を有する承認者のメールアドレスを保存し、
前記アドレス判定ステップによる判定結果が不一致を示す場合、前記メールの前記送信先への送信を保留する保留ステップと、
前記保留された保留メールの送信者に対応付けられた承認者のメールアドレスが設定され、当該保留メールの送信先への送信の承認あるいは否認の回答を要求するメールの送信を、前記メールサーバーに指示する保留通知ステップと、をさらに有する、請求項8に記載のメール誤送信防止方法。
【請求項10】
前記承認者による承認あるいは否認の回答に基づき、前記保留メールを前記送信先に送信するか否かを決定する承認処理ステップをさらに有し、
前記送信指示ステップでは、前記承認処理ステップにより前記送信先に送信すると決定された前記保留メールの本文中から、前記文字列と、前記文字列により特定される位置に記述されている前記送信先の相手名とを削除して、当該保留メールの送信を前記メールサーバーに指示する請求項9に記載のメール誤送信防止方法。
【請求項11】
前記保存ステップでは、前記アドレス判定ステップによる判定の対象となるメールアドレスのドメイン名をさらに保存し、
前記抽出ステップにより抽出された前記送信先のメールアドレスのドメイン名が、前記保存されているドメイン名のいずれかと一致するか否かを判定するドメイン判定ステップをさらに有し、
前記アドレス判定ステップは、前記ドメイン判定ステップによる判定結果が一致を示す場合にのみ、前記抽出された送信先のメールアドレスの一致の判定を行う、請求項7から10のいずれか1項に記載のメール誤送信防止方法。
【請求項12】
前記文字列は、デリミタ文字列である、請求項7から11のいずれか1項に記載のメール誤送信防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−8411(P2011−8411A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149948(P2009−149948)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】