説明

モザイク教材

【課題】絵画図案に例えば英語などの他国語の表現や絵画図案の諸説明も明記してあり、作成中に自然と知識が身に着く。四角形と三角形という極めて単純な図形の絵画図案であるため保育園児や幼稚園生、小学校低学年にも簡単に制作し易くしている。そして、布地に接着した物品は、日常生活で身に着ける事の出来る、実用性を含んだ従来にない教材で、制作と学びを両立させる事にある。
【解決手段】絵画図案の上に格子状に打抜いたシート(打抜きシート)を置く第1工程と、裏面に接着剤層を有する絵画図案と同形、同色の色彩布片を格子枠内に置く第2工程と、その上に粘着性を有するフィルム(転写シート)を置き、作成した色彩布片の図柄を剥離する第3工程と、剥離して転写シートに移行したの布片図柄を熱具を用いて布地の表面に接着する第4工程を経て作成する事にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、片面に接着層を有する色彩布片を用いて絵画の図柄を作成し、布地などに熱具を用いてモザイク状の色彩布片絵画を接着する教材に関する。
【背景技術】
【0002】
モザイクは、画用紙などの台紙に多色彩の紙片を糊で貼り合せ、絵画を作成するちぎり絵があり、また、その材料に、ビーズ、タイル等の焼物、プラスチック、金属片を使用してさまざまな基材に貼り着け、また糸で縫いつける方法がある。布地に貼り付ける物としては、布地片などを縫い合わせたキルトや、パッチワークはモザイク絵画の一種でもあり、手芸として広く普及している。裏面に接着剤層を有し、熱圧着する布地は、キャラクターや文字の形にしたワッペン状のアップリケ装飾が市販されている。
【0003】
色彩布地は裏面に予め乾燥状の接着剤が塗布してあり、強い接着強度で洗濯しても剥がれにくいカラーシートに代表される。カラーシートは、公知の化学繊維であって、ナイロン系の繊維やラバー系の素材からなる。それらを目的のチーム名や背番号などのデザインに切り抜き、野球、バスケット、バレーボール等のユニフォームやシャツ等に業務用プレス機で熱圧着する。
【0004】
粘着性を有するフイルム、すなわち転写シートは、複数個からなる上記デザインをレイアウトし、そのバランスを保持してユニフォームやシャツ等に熱圧着するために、転写シートの粘着面をその上に当て、接着し、一体化させて、業務用プレス機で熱圧着する際に使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明のモザイク教材の対象者は、保育園児から小学校低学年向けであるから、上記のパッチワークキルトなどの様に、布地を切る、縫う、貼り付ける、などの作業は難しく一部の年長の子供達に限られてしまう。
【0006】
この発明は保育園児から小学校低学年の全員が簡単に色彩布片を絵画図案と同じ様に作成でき、衣類、帽子、シューズ袋などの布地に接着し、制作過程を楽しみながら、絵画図案の説明欄からも学習でき、しかも日常生活の身の回り品として着用できる実用性を伴った、今までに無い教材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段を説明すると、この発明は、絵画図案の上に格子状に打ち抜いたシートを置く第1工程と、裏面に接着剤層を有する絵画図案と同形、同色の色彩布片を打ち抜いたシート(打抜きシート)の格子枠内に置く第2工程と、その上に粘着性を有する転写シートの粘着面を置き、作成した色彩布片の図柄を転写シートに剥離する第3工程と、それに移行した色彩布片の図柄を布地の表面に熱接着する第4工程を経て行うものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、衣類・帽子・シューズ袋・布製かばん等に、絵画となった色彩布片の集合体をアイロンなどの熱具で接着させて完成となる。それの制作の過程では、色彩布片を絵画図案の上に置いた格子状に打ち抜いたシートの枠内に絵画図案に忠実に置いて行く際に慎重に指先を使う為に集中力が着き、同時に色彩感覚も向上し、その後の油絵など絵画を習う際の感性も養える。しかも四角形と三角形という極めて単純な図形のため保育園児や幼稚園生、小学校低学年にも易しく簡単に制作できる。
【0009】
上記の様にアイロンなどの熱具で接着させるため、この作業には危険を伴うために保護者や指導者が行う事になり、園児や学童達と共に進める事で、親密感や完成時の感激から一体感も生まれる。しかも、絵画図案には(請求項3)の他国語、例えば英語など、また絵画図案の簡単な諸説明も明記してあり、作成中に自然と知識が身に着く効果もある。そして、布地に接着した物品は、日常生活で身に着ける事の出来る、実用性を含んだ従来にない教材である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
絵画図案の上に格子状に打ち抜いたシートを置き、裏面に接着剤層を有する絵画図案と同形、同色の色彩布片をその格子枠内に置く第2工程と、その上に粘着性を有するフイルムの粘着面を置き、作成した色彩布片の図柄を剥離する第3工程と、剥離したその面に移行した絵画図案の図柄になった色彩布片の図案ブロックを布地の表面に熱具を用いて接着する第4工程を経て作成する。
【実施例】
【0011】
以下、この発明について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明のモザイク教材で作成した色彩布片の作品を衣類に接着した一例を示す正面図。図2は一例として猫を表した絵画図案の正面図で、(図6)の制作工程の際の抜打ちシートと同サイズの格子状の線(2a)を設ける。絵画図案には例えば英語などの他国語の表現や絵画図案の諸説明も明記してあり、作成中に自然と知識が身に着き、そして、布地に接着した物品は、日常生活で身に着ける事の出来る実用性もあり、制作と学びを両立させる事が出来る。
【0012】
図3は色彩布片の断面図で裏面に予め乾燥状の接着剤(3a)が塗布してあり、強い接着強度で洗濯しても剥がれにくいカラーシート[0013]を裁断したもので、図4の(4)の打抜きシート枠内(4b)に隙間無くはめ込む寸法に裁断する。寸法は一辺が打抜きシートの枠内(4b)よりやや小さめの約9.5ミリメートルの正四角、直角二等辺三角形で、その裁断はレーザーで行う事で、繰り返し洗濯をしてもほつれる事はない。
【0013】
図4は打抜きシートの平面図で、厚み約0.5〜0.8ミリメートル、打抜きシートの枠(4b)の寸法は約10ミリメートルの正四角形で、桟の幅(4a)は約1ミリメートル。材質は厚手の剥離紙又は剥離剤を加味したプラスチック等で作成する。剥離性を施す目的は(図6)の打抜きシートの枠内に絵画図案に合わせて置いた後の制作の色彩布片の図柄を転写シート(図8)に移行する際に、特に厚紙は剥がれ易く、色彩布片と共に転写シートに付着する事もあり、その後の熱具で色彩布片の絵画ブロックを布地に接着する際に支障となる。プラスチック製の場合では転写シートがこびり付いて剥離し難く色彩布片の図柄が動き、形が乱れる。図5は打抜きシートの拡大断面図。
【0014】
上記シートの形状は卵パックの様に底のある形状でも良い。この形状の場合のシート厚は約1ミリメートル、底の厚みは0.5ミリメートル位が適す。シートの製造方法は真空成形や射出成形が一般的であるが、成型後のソリが発生し易く後処理を施す必要が生じる。しかも、金型費用等が高価となる欠点がある。
【0015】
図6は絵画図案の上に格子状に打抜いたシート(打抜きシート)を置いた平面図で、絵画図案の桟(2a)と打抜きシートの桟(4a)を正確に合わせて接着テープ(7)で留める。打抜きシートと絵画図案とを重ね合わせる事で格子状の枠内に絵画図案通りに色彩布片を容易に置くことができる。仮に打抜きシートを使わない場合には、前述の様な制作対象者でもあり、制作には指先、またはピンセットの様な道具を使って絵画図案の上に置いても、色彩布片は動き、歪み、ずれて絵画原図通りに置く事は難しい。また、次の作業の転写シートをその上に置く際にも、更に色彩布片の動きは大きくなる。図7は図6中A−A線に沿う断面図。
【0016】
図8は転写シートの断面図。図6の格子状の枠内(4b)に絵画図案通りに色彩布片を置いた後、転写シートの粘着面(5a)をその上に置き上から軽く押さえ、剥離すれば、その粘着面(5a)に絵画となった色彩布片の図柄が崩れる事なく移行する。
【0017】
上記の転写シートの粘着面に移行したモザイク絵画の図柄となった色彩布片面を布地に置きアイロン等の熱具で押さえ接着させる。次に転写シートを剥離する。色彩布片の接着力は転写シートより強力なため、図柄は布地に残り、モザイク教材による作品が完成する。
【0018】
図9は、絵画図案、打抜きシートの枠内に色彩布片を置き、その上に転写シートを置いた状態を示す断面図。
【産業上の利用可能性】
【0019】
保育園児から小学校低学年向けには、塗り絵、貼り絵、粘度細工、積木など等、多種多様の教材が存在する。この発明のモザイク教材は制作過程を楽しみ、絵画図案の諸説明学び事もでき、しかも日常生活で身に着ける事の出来る実用性を含んだ従来にない教材である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明に係わるモザイク絵画を衣類に実施した平面図である。
【図2】絵画図案の平面図である。
【図3】色彩布片の断面図である。
【図4】打抜きシートの平面図である。
【図5】打抜きシートの拡大断面図である。
【図6】絵画図案に打抜きシートを重ね、その枠内に色彩布片を置いた平面図である。
【図7】図6中A−A線に沿う断面図である。
【図8】転写シートの拡大断面図である。
【図9】絵画図案、打抜きシート内の色彩布片、転写シートを置いた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 色彩絵画布片を接着した衣類
2 絵画図案
2a 絵画図案の桟
3 色彩布片
3a 色彩布片の接着剤面
4 打抜きシート
4a 打抜きシートの桟
4b 打抜きシートの枠
5 転写シート
5a 転写シートの粘着面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絵画図案の上に格子状に打ち抜いたシート(打抜きシート)を置く第1工程と、裏面に接着剤層を有する、絵画図案と同形同色の色彩布片を格子枠内に置く第2工程と、その上に粘着性を有するフイルム(転写シート)を置き、作成した色彩布片の図柄を剥離する第3工程と、剥離して転写シートに移行した図柄を熱具を用いて布地の表面に接着する第4工程を経て作成する事を特長とするモザイク教材。
【請求項2】
絵画図案は正四角、直角二等辺三角形からなり、色彩布片も正四角、直角二等辺三角形に裁断した布片を用いて作成する事を特長とする請求項1記載のモザイク教材。
【請求項3】
絵画図案の名称には他国語や関連の説明なども明記し、同時に学習をしながら制作できる事を特長とするモザイク教材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−122615(P2009−122615A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317686(P2007−317686)
【出願日】平成19年11月10日(2007.11.10)
【出願人】(595149195)
【出願人】(594055549)
【Fターム(参考)】