説明

モデム装置

【課題】PPP通信におけるキャリア断復旧にかかる処理時間を短縮する。
【解決手段】通信モデム(モデム装置)11は、PPP通信の電文においてフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前にキャリア断が発生した場合に、CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持し、再送要求フレームを公衆回線12を介して相手局に送信する機能部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はPPP(Point To Point Protocol)通信に用いられるモデム装置に関する。本発明は、また、データ端末装置と前記モデム装置とを有するPPP通信システムに関する。本発明は、更に、PPP通信におけるキャリア断復旧方法及びPPP通信用キャリア断復旧プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PPP(Point To Point Protocol)通信ソフトウェアを有するデータ端末装置(DTE: Data Terminal Equipment)を例えば通信モデムであるモデム装置に接続し、データ端末装置をモデム装置を介して公衆回線に接続した通信システムにおいて、公衆回線は専用線などに比べ、ランニングコストが安い反面、品質面で劣るため、キャリア断などの一時的な回線障害などが起きやすい。
【0003】
関連技術による通信システムにおいては、モデム装置は、通信中のキャリア断を検出すると、回線障害と見なしてCD(キャリア検出)信号をオフにする。また、前記関連技術による通信システムにおいては、データ端末装置は、CD信号のオフを検出し、回線の復旧処理を行う仕組みになっている。
【0004】
特許文献1は、図4及び[0026]段落に、上位のアプリケーション(PPP)を有するクライアントとしてのDTEが、クライアント用の回線終端装置(DCE: Data Circuit Terminating Equipment)と、通信回線と、サーバ用の回線終端装置(DCE: Data Circuit Terminating Equipment)とを介して、上位のアプリケーション(PPPを有するサーバとしてのDTEに接続されたシステムを開示している。
【0005】
特許文献2は、特許請求の範囲等に、ベーシック手順通信の公衆回線接続の場合における回線復旧方式を開示している。更に、特許文献2は、図1、図2、及び[0011]段落に、キャリア断を検出した際に、DCEは、CD信号をオフにすること無しに、データ回線を保持したままでNAK(Negative Acknowledge)をデータの送信元の相手局に送信することを開示している。
【0006】
特許文献3は、図1、[0051]段落、及び[0061]段落に、データ通信モデム部のエラー訂正処理部は不正フレーム又はエラーがあった場合には、再送要求フレームを送信することを開示している。
【0007】
【特許文献1】特開2000−151749号公報
【特許文献2】特開2000−232499号公報
【特許文献3】特開平10−135935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記関連技術による通信システムのデータ端末装置(DTE)において行われる、PPPにおける回線の復旧方法は以下の通りである。
【0009】
(1) 一旦回線を切断する。
【0010】
(2) 回線再接続を行う。
【0011】
(3) 再認証を行う。
【0012】
(4) データの再送要求等を行う。
【0013】
このように前記関連技術では、上記の復旧処理は、すべてデータ端末装置(DTE)によって行われている。データ端末装置は、通常、通信制御部と中央処理演算装置を持つコンピュータ型の形態が多く、復旧処理は、モデム装置からのCD信号オフ通知によって、コンピュータ上のPPP通信ソフトウェアが回線の切断、回線の再接続、再認証、データの再送要求等を行うため、復旧に時間がかかるという欠点があった。
【0014】
また、特許文献2は、上述のようにベーシック手順通信の公衆回線接続の場合における回線復旧方式を開示しており、特許文献2はプロトコル等の異なるPPP通信の公衆回線接続の場合には適用できない。例えば通信中のキャリア断の検出方法などはPPP通信には適用できない。
【0015】
本発明の課題は、上記欠点を除去し、PPP通信におけるキャリア断復旧にかかる処理時間の短縮を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の態様によれば、
PPP(Point To Point Protocol)通信ソフトウェアを有するデータ端末装置を公衆回線に接続するのに使用されるモデム装置において、
PPP通信の電文においてフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前にキャリア断が発生した場合に、CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持し、再送要求フレームを前記公衆回線を介して相手局に送信する手段を有することを特徴とするモデム装置が得られる。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、
PPP(Point To Point Protocol)通信ソフトウェアを有するデータ端末装置と、前記データ端末装置に接続され、前記データ端末装置を公衆回線に接続するのに使用されるモデム装置とを有するPPP通信システムにおいて、
前記モデム装置は、PPP通信の電文においてフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前にキャリア断が発生した場合に、CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持し、再送要求フレームを前記公衆回線を介して相手局に送信する手段を有することを特徴とするPPP通信システムが得られる。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、
PPP(Point To Point Protocol)通信ソフトウェアを有するデータ端末装置と公衆回線との間に接続されたモデム装置において実行されるキャリア断復旧方法であって、
PPP通信の電文においてフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前にキャリア断が発生した場合に、CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持し、再送要求フレームを前記公衆回線を介して相手局に送信するステップを有することを特徴とするPPP通信におけるキャリア断復旧方法が得られる。
【0019】
本発明の第4の態様によれば、
コンピュータに所定の処理を実行させ、前記コンピュータを、PPP(Point To Point Protocol)通信ソフトウェアを有するデータ端末装置と公衆回線との間に接続されるモデム装置として機能させるためのキャリア断復旧プログラムであって、
前記所定の処理は、
PPP通信の電文においてフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前にキャリア断が発生した場合に、CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持し、再送要求フレームを前記公衆回線を介して相手局に送信するステップを有することを特徴とするPPP通信用キャリア断復旧プログラムが得られる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、「モデム装置が、PPP通信の電文においてフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前にキャリア断が発生した場合に、CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持し、再送要求フレームを前記公衆回線を介して相手局に送信する」ことにより、PPP通信におけるキャリア断復旧にかかる処理時間の短縮を実現することができる。
【0021】
このように、「モデム装置が、PPP通信の電文においてフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前にキャリア断が発生した場合に、CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持し、再送要求フレームを前記公衆回線を介して相手局に送信する」ことは、前記特許文献1、前記特許文献2、及び前記特許文献3のいずれにも開示がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるPPP通信システムは、PPP(Point To Point Protocol)通信ソフトウェアを有するデータ端末装置(DTE: Data Terminal Equipment)10と、このDTE10に接続され、DTE10を公衆回線12に接続するために使用されるモデム装置としての通信モデム11とを有する。
【0024】
DTE10は、中央処理演算装置(CPU)14とメモリ13と通信制御部15とを持つコンピュータである。メモリ13には前記PPP通信ソフトウェアが格納されている。通信制御部15は通信モデム11に接続されている。中央処理演算装置(CPU)14は、メモリ13に格納されたPPP通信ソフトウェアに基づいて通信制御部15、通信モデム11、及び公衆回線12を介して相手局(図示せず)とPPP通信する。
【0025】
通信モデム11は、データ受信中(フラグ同期ビット[01111110]以外のキャラクタを受信してから、再びフラグ同期ビット[01111110]を受信する前)に、キャリア断を検出すると、回線障害と見なすが、CD(キャリア検出)信号をオフにせず、通信モデム11自身がキャリア断復旧処理、即ち回線復旧処理を行う。
【0026】
このように、本実施形態では、PPP通信の電文において、フラグ同期ビット[01111110]以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビット[01111110]を受信する前にキャリア断が発生した場合は、DTE10ではなく、通信モデム11にて回線の復旧処理を行うことにより、処理時間の短縮を実現するものである。
【0027】
通信モデム11によるキャリア断復旧機能部(即ち回線復旧機能部)として、データ受信中にキャリア断が発生しても、CD(キャリア検出)信号をオフにせず、回線を保持したまま、再送要求フレームを相手局に送信して、データの再送を促進する処理を行う。これにより、DTE10側は回線接続状態のまま、再送データの受信待ちとなり、再度、相手局より再送データを受信することで、通信を継続することができる。すなわち、通信モデム11による復旧処理によって、DTE10は、CD信号オフの検出、回線の再接続、再認証、再送要求等の復旧処理を行う必要が無くなる。これにより、復旧時間の短縮が可能となる。
【0028】
図2を参照すると、通信モデム(モデム装置)11は、受信データを退避用RAM(Random Access Memory)102に一時的に格納する手段101、最後に受信したキャラクタがフラグ同期ビットかどうかを判別する手段103、CD信号をオン状態に保つ手段104、相手局に再送要求フレームを送信する手段105、および退避用RAM102を有する。
【0029】
これらの手段は、それぞれ次のような機能を有する。
【0030】
手段101は、まずフラグ同期ビット[01111110]以外のキャラクタを受信した時点で受信開始と判断し、回線からの受信データを通信モデム11内の退避用RAM102に一時的に格納する。
【0031】
手段103は、退避用RAM102に一時的に格納された受信データの最後のキャラクタが、フラグ同期ビット[01111110]であるかどうかを判別する。
【0032】
手段104は、キャリア断が発生しても、CD信号をオフにせず、オン状態を維持する。
【0033】
手段105は、相手局に対して、再送要求フレームを送信して、データの再送を促進する。
【0034】
次に、図3を参照して、通信モデム(モデム装置)11の動作について詳細に説明する。
【0035】
まず、ステップS1の処理開始より通信モデム11は動作を行う。
【0036】
次に、ステップS2で、回線からデータが送信されて来る合図となる相手局からのキャリアオン信号を受信する。
【0037】
そして、次に実データが送信されてくるが、ここで、ステップS3によって、フラグ同期ビット[01111110]以外のキャラクタが現れた地点で受信したデータを一時的に、通信モデム11内の退避用RAM102に格納しておく。
【0038】
次に、ステップS4で、キャリアオフ(キャリア断)を確認する。正常な場合は、データをすべて受信し終わった後でキャリアオフになるため、通信モデム11では、キャリアオフが正常にデータ受信完了したものか、データ受信中に回線の異常によってオフになったものかを判別する必要がある。
【0039】
この判別は、次のステップS5で行われる。
【0040】
ステップS5では、キャリアオフを確認時に、ステップS3によって一時的に退避用RAM102に格納されている受信データの最後のキャラクタがフラグ同期ビット[01111110]かどうかを判別し、フラグ同期ビット[01111110]である場合は、正常と見なし、ステップS1の処理開始に戻る。もしフラグ同期ビット[01111110]以外のキャラクタの場合は、データ受信中に回線異常でキャリア断が発生したと見なし、次のステップS6の処理に進む。
【0041】
ステップS6では、ステップS5でキャリア断が発生したと判断した場合でも、CD信号をオフにせず、回線状態を維持することによって、DTE10のデータ受信待ち状態を継続させ、次のステップS7に進む。
【0042】
ステップS7では、キャリア断によって正常に受信できなかったデータを、再度、相手局より送信してもらうために、再送要求フレームを送信し、S1の処理開始に戻る。
【0043】
本実施形態による効果は、キャリア断の復旧処理時間を短縮できることにある。その理由は、DTE10による回線再接続を伴う復旧処理を行わずに、通信モデム11よる再送要求フレーム送信で相手局にデータ再送を促進するのみという単純な処理によって瞬時に回線の復旧が可能なためである。
【0044】
図4を参照すると、本発明の別の実施形態によるPPP通信システムは、図1と同様の参照符号により示された同様の部分を含む。
【0045】
本実施形態においては、通信モデム(モデム装置)11は、PPP通信用キャリア断復旧プログラムを記録した記録媒体RMを備えるコンピュータ部を含む。PPP通信用キャリア断復旧プログラムは、コンピュータ部を、PPP通信ソフトウェアを有するDTE10と公衆回線12との間に接続されるモデム装置11のキャリア断復旧機能部として機能させるためのプログラムである。
【0046】
PPP通信用キャリア断復旧プログラムは、記録媒体RMからコンピュータ部に読み込まれ、通信モデム(モデム装置)11の動作を制御する。通信モデム(モデム装置)11はPPP通信用キャリア断復旧プログラムの制御により図3を参照して説明した処理を実行する。
【0047】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明はコンピュータを公衆回線を介して種々のネットワークに接続するシステムでの利用が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態によるPPP通信システムを説明するための図である。
【図2】図1に示されたPPP通信システムの通信モデム(モデム装置)のブロック図である。
【図3】図2に示された通信モデム(モデム装置)の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の別の実施形態によるPPP通信システムを説明するための図である。
【符号の説明】
【0050】
10 データ端末装置(DTE)
11 通信モデム(モデム装置)
12 公衆回線
13 メモリ(PPP通信ソフトウェア)
14 中央処理演算装置(CPU)
15 通信制御部
RM 記録媒体(PPP通信用キャリア断復旧プログラム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PPP(Point To Point Protocol)通信ソフトウェアを有するデータ端末装置を公衆回線に接続するのに使用されるモデム装置において、
PPP通信の電文においてフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前にキャリア断が発生した場合に、CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持し、再送要求フレームを前記公衆回線を介して相手局に送信する手段を有することを特徴とするモデム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のモデム装置において、
前記キャリア断の発生を検出する検出手段と、
前記キャリア断の発生時期が、フラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が、前記キャリア断の発生時期がフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前であると判定した場合に、前記CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持する手段と、
前記再送要求フレームを前記公衆回線を介して前記相手局に送信して、該相手局にデータの再送を促す手段とを有することを特徴とするモデム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のモデム装置において、
前記判定手段は、
受信中のキャラクタを一時的に格納する退避用メモリと、
前記検出手段においてキャリア断の発生が検出された時に、一時的に退避用メモリに格納されている受信キャラクタの最後のキャラクタがフラグ同期ビットであるかフラグ同期ビット以外のキャラクタであるかを判別する判別手段と、
前記判別手段が、前記最後のキャラクタがフラグ同期ビット以外のキャラクタであると判別した場合に、前記キャリア断の発生時期が、フラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前であると判定する手段とを有することを特徴とするモデム装置。
【請求項4】
PPP(Point To Point Protocol)通信ソフトウェアを有するデータ端末装置と、前記データ端末装置に接続され、前記データ端末装置を公衆回線に接続するのに使用されるモデム装置とを有するPPP通信システムにおいて、
前記モデム装置は、PPP通信の電文においてフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前にキャリア断が発生した場合に、CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持し、再送要求フレームを前記公衆回線を介して相手局に送信する手段を有することを特徴とするPPP通信システム。
【請求項5】
請求項4に記載のPPP通信システムにおいて、
前記モデム装置は、
前記キャリア断の発生を検出する検出手段と、
前記キャリア断の発生時期が、フラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が、前記キャリア断の発生時期がフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前であると判定した場合に、前記CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持する手段と、
前記再送要求フレームを前記公衆回線を介して前記相手局に送信して、該相手局にデータの再送を促す手段とを有することを特徴とするPPP通信システム。
【請求項6】
請求項5に記載のPPP通信システムにおいて、
前記モデム装置の前記判定手段は、
受信中のキャラクタを一時的に格納する退避用メモリと、
前記検出手段においてキャリア断の発生が検出された時に、一時的に退避用メモリに格納されている受信キャラクタの最後のキャラクタがフラグ同期ビットであるかフラグ同期ビット以外のキャラクタであるかを判別する判別手段と、
前記判別手段が、前記最後のキャラクタがフラグ同期ビット以外のキャラクタであると判別した場合に、前記キャリア断の発生時期が、フラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前であると判定する手段とを有することを特徴とするPPP通信システム。
【請求項7】
PPP(Point To Point Protocol)通信ソフトウェアを有するデータ端末装置と公衆回線との間に接続されたモデム装置において実行されるキャリア断復旧方法であって、
PPP通信の電文においてフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前にキャリア断が発生した場合に、CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持し、再送要求フレームを前記公衆回線を介して相手局に送信するステップを有することを特徴とするPPP通信におけるキャリア断復旧方法。
【請求項8】
請求項7に記載のPPP通信におけるキャリア断復旧方法において、
前記キャリア断の発生を検出する検出ステップと、
前記キャリア断の発生時期が、フラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップが、前記キャリア断の発生時期がフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前であると判定した場合に、前記CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持するステップと、
前記再送要求フレームを前記公衆回線を介して前記相手局に送信して、該相手局にデータの再送を促すステップとを有することを特徴とするPPP通信におけるキャリア断復旧方法。
【請求項9】
請求項8に記載のPPP通信におけるキャリア断復旧方法において、
前記判定ステップは、
受信中のキャラクタを一時的に退避用メモリに格納するステップと、
前記検出ステップにおいてキャリア断の発生が検出された時に、一時的に退避用メモリに格納されている受信キャラクタの最後のキャラクタがフラグ同期ビットであるかフラグ同期ビット以外のキャラクタであるかを判別する判別ステップと、
前記判別ステップが、前記最後のキャラクタがフラグ同期ビット以外のキャラクタであると判別した場合に、前記キャリア断の発生時期が、フラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前であると判定するステップとを有することを特徴とするPPP通信におけるキャリア断復旧方法。
【請求項10】
コンピュータに所定の処理を実行させ、前記コンピュータを、PPP(Point To Point Protocol)通信ソフトウェアを有するデータ端末装置と公衆回線との間に接続されるモデム装置のキャリア断復旧機能部として機能させるためのキャリア断復旧プログラムであって、
前記所定の処理は、
PPP通信の電文においてフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前にキャリア断が発生した場合に、CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持し、再送要求フレームを前記公衆回線を介して相手局に送信するステップを有することを特徴とするPPP通信用キャリア断復旧プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のPPP通信用キャリア断復旧プログラムにおいて、
前記所定の処理は、
前記キャリア断の発生を検出する検出ステップと、
前記キャリア断の発生時期が、フラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップが、前記キャリア断の発生時期がフラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前であると判定した場合に、前記CD(キャリア検出)信号をオフにせずにオン状態に維持するステップと、
前記再送要求フレームを前記公衆回線を介して前記相手局に送信して、該相手局にデータの再送を促すステップとを有することを特徴とするPPP通信用キャリア断復旧プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のPPP通信用キャリア断復旧プログラムにおいて、
前記判定ステップは、
受信中のキャラクタを一時的に退避用メモリに格納するステップと、
前記検出ステップにおいてキャリア断の発生が検出された時に、一時的に退避用メモリに格納されている受信キャラクタの最後のキャラクタがフラグ同期ビットであるかフラグ同期ビット以外のキャラクタであるかを判別する判別ステップと、
前記判別ステップが、前記最後のキャラクタがフラグ同期ビット以外のキャラクタであると判別した場合に、前記キャリア断の発生時期が、フラグ同期ビット以外のキャラクタを受信してから再度フラグ同期ビットを受信する前であると判定するステップとを有することを特徴とするPPP通信用キャリア断復旧プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−246922(P2009−246922A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94560(P2008−94560)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】