モニタ画面の表示スケール変更システム
【課題】本発明は、分析装置や産業プラント等の測定値を即時にグラフ表示して経時変化を監視したり、過去の変化履歴を表示することを目的とするモニタ画面に於いて、複数のグラフを重ね表示したとき、グラフの絡まりが視認性の低下を引き起こすことを解決することを課題とする。
【解決手段】モニタ画面内に色分けして表示する複数のグラフの内、常にどれか1つをスケール変更対象グラフとして活性状態にし、ポインティングデバイスで活性状態グラフが切り替わるようにする。ボタン甲を押しながら画面内を上下ドラッグして、縦方向の位置調整が出来るようにする。また異なるボタン乙を押しながら上下ドラッグして、グラフ高が拡大縮小するようにする。同じボタン乙を押しながら左右ドラッグして、全グラフの表示時間範囲を一斉に拡大縮小するようにする。更に同じボタン乙を押しながら斜めにドラッグして、上下左右同時に拡大縮小するようにする。
【解決手段】モニタ画面内に色分けして表示する複数のグラフの内、常にどれか1つをスケール変更対象グラフとして活性状態にし、ポインティングデバイスで活性状態グラフが切り替わるようにする。ボタン甲を押しながら画面内を上下ドラッグして、縦方向の位置調整が出来るようにする。また異なるボタン乙を押しながら上下ドラッグして、グラフ高が拡大縮小するようにする。同じボタン乙を押しながら左右ドラッグして、全グラフの表示時間範囲を一斉に拡大縮小するようにする。更に同じボタン乙を押しながら斜めにドラッグして、上下左右同時に拡大縮小するようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタ画面における表示スケールの設定及び変更に関する。更に詳しくは、本発明は、液体クロマトグラフィ等の分析装置の測定変数や産業プラントの運転状態を表すプロセス変数の測定値等をトレンドグラフ形式で複数重ね合わせて表示することにより、最新値のリアルタイム監視や過去の測定履歴を確認するためのモニタ画面において、少なくとも1つのグラフの表示スケールを変更することにより、複数のグラフの相互関係を容易に理解できるようにするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフィ分析装置の紫外線吸光度などの測定値や、産業プラントの状態を表すプロセス変数(温度・流量・圧力・液位など)の値は、成分分析や製造プロセスの進捗を知る上で極めて重要な情報である。特にこれらの変数値が想定した範囲を大きく外れている場合、何らかの原因でプロセスに異常が発生している場合が殆どであり、緊急停止などの処置をとることが必要とされる。このような状態把握を迅速に行う目的で、現在の瞬時値のみならず、過去からの経時変化をリアルタイムにグラフ表示する機能を備えたモニタ画面を搭載して、プロセスの進捗を監視することが一般的に行われている。
【0003】
従来のモニタ画面では、縦軸に測定変数の表示スケールを、横軸に時間を割り当て、複数の測定値の経時変化を表すグラフを同一画面上に重ねて表示する。モニタ画面は一定の周期で更新され、常に最新の測定値が表示される。モニタ画面の表示の基準時としては、最新時刻の測定値以外に過去の時間範囲を指定して測定履歴を表示することが可能であるし、特定の変数のみの過去の測定履歴と現在の測定値とを重ねて表示することにより経時変化の程度を過去のものと比較することも可能である。
【0004】
モニタ画面が一般的に備えている設定項目として、同時に表示する測定変数の追加または削除、測定変数ごとの縦軸の表示スケール(上限・下限)、及び横軸(時間範囲)などがある。縦軸の表示スケールと横軸の時間範囲との設定に関しては、例えば、数値入力による方法が用いられる。また、縦軸の表示スケールに対しては、ちょうど画面内に収まるような自動スケール設定機能も既に知られている。
【0005】
上記以外にも、表示スケールの設定に関する手法が、下記の特許文献1で提案されている。この手法はグラフごとの表示スケールを別々の縦軸に表示し、スケールを変更するときは該当するグラフの縦軸に対して、ポインティングデバイス(例えば、マウス)によるドラッグやホイール操作を行い、縦方向の位置調整や拡大縮小を行うというものである。
【特許文献1】特開2002−251623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
同一画面上に複数の測定値のグラフを重ねて表示する場合の欠点の一つとして、測定変数のスケール設定によっては複数のグラフが相互に絡み合った状態で表示され、かえって測定変数ごとの経時変化の把握が難しくなることが挙げられる。このような状態に陥った場合、測定変数ごとに表示スケールを設定し直して、グラフを適度に引き離して絡み合いをほどき、表示上の問題を解消する必要がある。しかし従来のモニタ画面においては、具体的な数値を個別に入力することによるスケール設定が一般的であり、グラフの重なりが解消するよう適度に引き離して表示するには、個々のオペレータの勘と試行錯誤に頼った設定の繰り返しが必要になる。複数のグラフが重なり合う状態以外に、測定変数の値が大きく変化してグラフがモニタ画面の上限か下限を外れた場合にも、画面内にグラフを表示するための試行錯誤によるスケール設定が必要になってくる。このような試行錯誤を伴う操作が不可欠であるのは、状態監視を行うオペレータにとっては大きな負担である。このため、上述のような作業を行うことなく、複数のグラフが絡み合って判別が困難である、グラフがモニタ画面内の上下端に偏って表示されており全体を把握しにくい、グラフが極端に縮小された状態で表示され細部の確認が困難である、というような状態に妥協したままで、モニタ画面監視が運用されることが多いのが現状である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
次に、特許請求の範囲の記載に対応させながら、本発明の構成の概要を説明する。各構成要素に付されている参照番号は後述の図1に示すブロック図の構成要素に対応している。発明によると、数値データをグラフ表示するモニタ画面(1)と、前記モニタ画面にグラフ表示される数値データが記憶されたデータ収集部(5)と、ポインティングデバイスを含む入力装置(2)と、前記入力装置を介して入力され前記モニタ画面に表示されるグラフの表示スケール情報が記憶されたスケール情報部(4)とを含んでおり、前記モニタ画面に表示されているグラフの表示スケールを変更するシステムが提供される。このシステムは、更に、前記入力装置を介して入力された活性化要求に応答して、前記モニタ画面に表示されているグラフの中から表示スケールを変更する対象となる1つのグラフを選択し、選択された1つのグラフを活性化状態グラフとして新たに生成し、前記モニタ画面に表示させる手段(3)と、選択された1つのグラフの表示スケールの変更要求が前記入力装置を介して入力され前記スケール情報部に記憶されたことに応答し、前記スケール情報部に記憶されている前記変更要求と前記データ収集部に記憶されている前記選択された1つのグラフの現在の表示において用いられている表示スケールとに基づく新たな表示スケールを計算する手段(3)と、計算された新たな表示スケールと前記選択された1つのグラフの現在の表示位置を決定している座標データとを用いて、前記選択された1つのグラフの前記変更要求が反映され新たに表示されるべき位置の座標データを計算する手段(3)と、前記選択された1つのグラフの表示スケールの前記変更要求が反映されるように計算された新たに表示されるべき位置の座標データを用いて、前記選択された1つのグラフの新たなグラフを生成し、前記モニタ画面に表示させる手段(3)と、を含む。このシステムは、モニタ画面に表示されている複数のグラフの中から1つのグラフを選択し、色が変更されているなどの活性化状態で表示させ、この選択された1つのグラフの表示スケールを変更する場合である。選択されない残りのグラフの表示スケールは変更されないのに対し、選択された1つのグラフの表示スケールは、オペレータがマウスなどのポインティング・デバイスを用いて入力した表示スケールの変更要求の内容を反映するように変更される。
【0008】
また、本発明によるシステムは、上述した「前記入力装置を介して入力された活性化要求に応答して、前記モニタ画面に表示されているグラフの中から表示スケールを変更する対象となる1つのグラフを選択し、選択された1つのグラフを活性化状態グラフとして新たに生成し、前記モニタ画面に表示させる手段(3)」を含まないように構成することも可能である。この場合は、特に1つのグラフを選択しないのであるから、上述した場合とは異なり、モニタ画面に表示されているグラフのすべてについて表示スケールが変更される。
【0009】
また、本発明によるシステムを、前記新たに入力される表示スケールの変更要求が現在のグラフを上下方向又は左右方向に所定の距離だけ移動させる要求を含むように構成することができる。
【0010】
また、本発明によるシステムを、前記新たに入力される表示スケールの変更要求が現在のグラフを上下方向又は左右方向に所定の比率で拡大又は縮小させる要求を含むように構成することができる。
【0011】
また、本発明によるシステムを、前記入力装置を介した所定の入力に応答して現在表示されている複数のグラフの中の少なくとも1つのグラフの上端から下端までが前記モニタ画面の範囲に収まるように表示スケールを自動的に変更する手段を更に含むように構成することができる。
【0012】
また、本発明によるシステムを、前記入力装置を介した所定の入力に応答して現在表示されている複数のグラフの中の少なくとも1つのグラフの横軸のスケールは変更せずに表示する範囲を左右方向に移動させる手段を更に含むように構成することができる。なお、ここで横軸のスケールとは、多くの場合は時間間隔であるが、状況に応じてそれ以外のスケールとすることも可能である。同様に、表示する範囲とは、表示する時間の範囲であるが、状況に応じてそれ以外のものであることもある。
【0013】
更に、本発明を、上述した表示スケール変更システムを制御する方法として把握し定義することもできる。
更に、本発明を、表示スケール変更システムを制御する方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読な記憶媒体として把握し定義することもできる。
【0014】
更に、本発明を、表示スケール変更システムを制御する方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラム自体として把握し定義することもできる。
【0015】
なお、先に述べた通り、本発明と類似の目的を有しており、マウスを用いてグラフ表示スケールの設定に関する困難を解決する技術が、特許文献1において提案されている。特許文献1に記載されている方法は、グラフごとの表示スケールを別々の縦軸に表示し、スケールを変更するときは該当するグラフの縦軸に対して、マウス操作を行うというものである。グラフごとに縦軸を表示すると、一度にグラフごとの数値を確認することができる長所のある反面、多くのグラフを同時に表示すると縦軸が林立し、グラフの表示領域が小さくなってしまう短所がある。特許文献1では同時に表示するグラフが3つまでであるため、これは短所となっていないが、プロセスの監視目的では3つ程度の同時表示では不足である。分析装置でさえ、例えば、環境温度、装置内部温度、液体(気体)の流量、液体の送液圧力、液位、流路での2種程度の光学分析等、5つ以上のグラフの同時表示が望ましい。本発明が提案する手法は、モニタ画面の縦軸を一本にして、その代わりスケール変更操作の作用を受ける活性化状態グラフが常に1つ存在するようにして縦軸の表示スケールを切り替える。グラフごとの表示スケールを同時に確認することは出来なくなるが、活性化状態グラフを切り替えるだけの簡単な操作でスケール表示を切り替えられるため、さほど不便は感じられない。仮に5本の縦軸を同時に表示した場合、特許文献1が提案する、縦軸に対してのマウス操作でスケール変更する方法では、隣の軸を誤って操作してしまい、別のグラフのスケールが意図せず変更されてしまうという問題が生じうる。それに対して本発明が提案する手法によれば、操作対象のグラフを活性化しさえすれば、モニタ画面上の広い領域のどこをドラッグしてもよく、別のグラフのスケールを誤って変更しまうという問題は起こりえない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1には、本発明による表示スケール変更システムの構成要素のブロック図が示されている。モニタ画面1には、データ収集部5を経由して収集されたプラント(分析装置や産業プラント)6における測定値とオペレータがマウス等のポインティングデバイス2を使用して指示したスケール情報4とを基にしてグラフ生成部3で生成されたグラフが表示される。
【0017】
モニタ画面1に表示される情報は、データ収集部5が保持している。データ収集部5には、プラント6において一定周期で収集された測定データが転送され、蓄積される。グラフ生成部3は、収集データをモニタ画面1にグラフ表示するための処理を開始する際に、画面に描画されるための収集データをデータ収集部5から読み出す。この読出しは、収集された測定データをデータ収集部5に保存している間であっても保存している間ではなくても、任意のタイミングで行うことが可能である。つまり、収集データのデータ収集部5への蓄積と、グラフ生成部3によるデータ収集部5から収集データを読み出してグラフを作成する処理とは、平行して実行される。
【0018】
マウスなどのポインティングデバイス2の操作によりモニタ画面1に表示されているグラフの表示スケールを変更する旨の要求が入力されると、そのスケール変更要求は、スケール情報部4において数値情報に変換される。その数値情報の一部は、データ収集部5のデータベース7から、モニタ画面1における表示に必要な測定データを読み出すための検索条件として用いられる。例えばマウスを用いた場合に、どのようにして特定の内容を有する要求をするかに関する詳細は後述する。具体的には、マウスの左右のボタンのクリックや、ドラッグ・アンド・ドロップなどの操作を行う。
【0019】
データ収集部5から読み出された測定データは、グラフ生成部3において、スケール情報部4から読み出された数値情報と組み合わされることにより、グラフが表示されるスケールの上限及び下限が決定される。次に、表示スケールが決定された測定データは、グラフ化されたその内容がモニタ画面1のサイズに一致するように拡大縮小された上で、モニタ画面1に表示される。
【0020】
なお、本発明による表示スケール変更システムは、オペレータがポインティングデバイス2を用いて表示スケールの変更を要求するたびに、そのようなポインティングデバイス2からの入力に応答して、以上の一連の処理を反復的に実行する。
【0021】
図2には、図1に図解された本発明によるスケール設定システムのシステム構成の詳細が示されている。
次に、図3は、図1のモニタ画面1に表示されるグラフの上下位置を調整するための一連の処理を示す流れ図である。この処理は、モニタ画面1の上でマウス2を左クリックすると開始する(ステップ301)。まず、スケールを変更する対象として選択されたグラフに対する表示の上限値(max0)及び下限値(min0)と、マウスのy座標(y0)とを取得し、一時的な作業変数として記憶する(ステップ302)。その後、マウスが上下方向に移動したら(ステップ304)、元のマウスy座標(y0)からのオフセット(dy)を計算し(ステップ305)、グラフの表示範囲を元の位置(max0,min0)から逆方向にマウスのオフセット分だけシフトさせた表示上限(max0±dy)及び表示下限(min0±dy)を有するグラフを再描画する(ステップ306及び307)。逆方向というのは、マウスが上方向に移動したら、表示上限(max0)及び表示下限(min0)を表示上限(max0−dy)及び表示下限(min0−dy)に移動させ、マウスが下方向に移動したら、表示上限(max0)及び表示下限(min0)を表示上限(max0+dy)及び表示下限(min0+dy)に移動させるという意味である。これによって、あたかもグラフがマウスによってドラッグされているような効果が得られる。このロジックはマウスの左ボタンが離されたことを検出すると(ステップ303)、変更された表示上下限値で、グラフのスケール設定用数値入力ボックスを更新して(ステップ308)、処理を終わる(ステップ309)。
【0022】
図4は、モニタ画面1に表示されるグラフの上下高を拡大縮小するための一連の処理を示す流れ図である。上下高というのは、グラフの表示上限と表示下限との間の上下方向の距離である。処理の流れは、図3に記載の内容とほぼ同一であって、処理の開始終了判定がマウス右ボタンクリック(ステップ403)であり、表示範囲の上限値に対する変更がマウスの上下移動と同じ方向に変化する(ステップ406)点だけが、図3の処理と異なる。マウスの上下移動と同じ方向とは、ステップ406に示されているように、表示上限と表示下限との移動方向が逆であるという意味である。つまり、マウスがdyだけ移動すれば、表示上限はmax0+dyに、表示下限はmin0−dyとなる。図4に図解されているこの処理によって、マウスの操作によりグラフの高さが連続的に拡大縮小する効果が得られる。
【0023】
図3及び図4は、グラフを上下方向に移動させる処理に関するものであったが、次に、図5及び図6では、グラフを左右方向に移動させる処理に関する流れ図が図解されている。まず、図5は、モニタ画面1に表示されるグラフを左右に移動させるための一連の処理を示す流れ図である。この処理は、モニタ画面1の上でマウス2を左クリックすると開始する(ステップ501)。まず、スケールを変更する対象として選択されたグラフに対する表示開始時刻(start0)と、マウスのx座標(x0)とを取得し、一時的な作業変数として記憶する(ステップ502)。その後、左ボタンが押下された状態のまま(ステップ503)マウスが左右方向に移動したら(ステップ504)、元のマウスx座標(x0)からのオフセット(dx)を計算し(ステップ505)、グラフの表示開始時刻を元の位置(start0)から逆方向にマウスのオフセット分だけシフトさせた表示開始時刻(start0±dx)を有するグラフを再描画する(ステップ506及び507)。逆方向というのは、マウスが左方向に移動したら、表示開始時刻(start0)を表示開始時刻(start0−dx)に移動させ、マウスが下方向に移動したら、表示開始時刻(start0)を表示開始時刻(start0−dx)に移動させるという意味である。これによって、あたかもグラフがマウスによってドラッグされているような効果が得られるのは上下方向の移動の処理の場合と同様である。このロジックはマウスの左ボタンが離されたことを検出すると(ステップ503)、変更されたタイムスパン設定に更新して(ステップ508)、処理を終了する(ステップ509)。
【0024】
図6は、モニタ画面1に表示されるグラフの左右の表示範囲を拡大縮小するための一連の処理を示す流れ図である。左右の表示範囲というのは、グラフの表示開始時刻と表示終了時刻との間の左右方向の距離である。処理の流れは、図5に記載の内容とほぼ同一であって、処理の開始終了判定がマウス右ボタンクリック(ステップ603)であり、表示開始時刻に対する変更がマウスの左右移動と同じ方向に変化する(ステップ606)点だけが、図5の処理と異なる。マウスの左右移動と同じ方向とは、ステップ606に示されているように、表示上限と表示下限との移動方向が逆であるという意味である。つまり、マウスがdxだけ移動すれば、表示開始時刻はstart0+dyになる。図6に図解されているこの処理によって、マウスの操作によりグラフの左右の表示範囲が連続的に拡大縮小する効果が得られる。
【0025】
更に、図7には、スケール情報(表示上限及び表示下限)を自動的に調整することによって、表示開始時刻から表示終了時刻までのタイムスパンの中の測定データ(つまり、表示されるグラフ)の最大値及び最小値がモニタ画面1にうまく収まるように調整するための一連の処理を示す流れ図が示されている。例えばマウスの左ボタンをダブルクリックすることによって処理が開始し(ステップ701)、スケールを自動調整する対象として選択されたグラフに対する表示開始時刻(time)と、timeの測定値であるmax=minとを取得し、一時的な作業変数として記憶する(ステップ702)。次に、timeを次の測定時刻に進め(ステップ703)、time≧表示終了時刻かどうかを判断し(ステップ704)、まだステップ704の不等号が成立しない場合には、max<時刻timeの測定値かどうかを判断する(ステップ705)。ステップ705の不等号が成立する場合にはmax=時刻timeの測定値とした(ステップ706)後で、成立しない場合には直接に、min>時刻timeの測定値を判断する(ステップ707)。ここで、ステップ707の不等号が成立する場合にはmin=時刻timeの測定値とした(ステップ708)後で、成立しない場合には直接に、ステップ703に移動する。
【0026】
ステップ704の不等号が成立するときには、表示上限=max、表示下限=minとして(ステップ709)、モニタ画面1上にグラフを再度表示する(ステップ710)。更に、以上の一連の処理によって変更後の上下限設定を変更させ(ステップ711)、終了する(ステップ712)。
【0027】
以上で図3ないし図7を参照して、モニタ画面1に表示されたグラフの上下方向の移動(図3)、上下方向の拡大縮小(図4)、左右方向の移動(図5)、左右方向の拡大縮小(図6)及び上下方向の自動スケール設定(図7)について説明した。これらのグラフを移動させる処理は、特定のグラフだけを選択的に対象とするのではなく、モニタ画面1に表示されているすべてのグラフに一斉に作用する。しかし、以下で説明するように、表示されている複数のグラフの中の特定の1つだけを選択的に対象として、以上の処理を行うことが可能である。
【0028】
図8には、検出器からの「RI」及び「UV」の2つの測定値をグラフ表示しているモニタ画面が示されている。モニタ画面の縦軸(y軸)には画面上部の測定値活性化ボタンで活性化状態にしたものに対する測定値のスケールが表示される。図5では、「RI」のグラフが活性化されている状態を示す。y軸のスケール表示は、検出器選択ボタンを切り替えることにより、いつでも別の検出器によって測定されたデータのグラフ表示に変更することが可能である。
【0029】
モニタ画面1のモニタ画面上で、マウスの左ボタンを押下した状態で上下にドラッグすることにより、選択された検出器によって得られたデータをグラフを上下に移動することができる。図9は、図8に示した「RI」のグラフを上方に移動した結果を示す。モニタ画面上で、図3の流れ図を参照して上述した処理を用い、マウス左ボタンを押しながら上下にドラッグすることにより、活性化状態の測定値に対するデータ表示位置を上下に移動することができる。
【0030】
図10は、図8に示した「RI」のグラフ高を拡大表示した結果を示している。モニタ画面上で、図4の流れ図を参照して上述した処理を用い、マウス右ボタンを押しながら上下にドラッグすることにより、活性化状態の測定値に対するグラフのピーク表示を拡大縮小することができる。
【0031】
図11には、「UV」測定値の縦軸スケールを自動調整した結果を示す。モニタ画面上で、マウス左ボタンをダブルクリックすることで、活性化状態の測定値に対するグラフが、ちょうど画面内に収まるように縦軸スケールを自動調整する。図7の流れ図を参照して説明したアルゴリズムによる処理である。この操作は、スケール設定が的外れで、測定値のグラフが画面から外れてどこに存在するか分かりにくい場合や、改めてスケール設定をやり直すときに表示スケールの適切な初期値を得るのに有効である。
【0032】
図12には、表示時間範囲を拡大した結果を示す。モニタ画面上でマウス右ボタンを押しながら左右にドラッグすることで、横軸(表示時間範囲)を拡大縮小する。図6の流れ図を参照しながら上述した一連の処理である。この操作は、測定値のどれが活性化されているかにかかわらず、全ての測定値に対して効果を及ぼす。
【0033】
図13及び図14は、モニタ画面に表示している過去の測定履歴(図13)の表示時間範囲を、画面下部の時間軸と平行なスクロールバーを使用して、表示時間幅は維持したまま、現在(図14)に向かってスクロールした例である。表示時間範囲をスクロールするには、ボタンをクリックすることによる単位時間間隔での左右スクロール方法と、左右スクロールバーをドラッグする連続的なスクロール方法と、ページ単位スクロール領域をクリックして表示時間単位で左右にスクロールする方法との3つの方法がある。
【0034】
図15は、測定値(RI、UV)ごとの表示スケールを、数値入力して設定するためのダイアログボックスである。以上で説明してきたマウスの操作によるスケール設定は、図15の数値入力ダイアログボックスと連動している。即ちマウス操作によるスケール設定は、数値入力ボックスに反映して具体的な設定値として表示される。また、マウス操作と数値入力とを併用して、最初マウスを用いて大まかにスケール設定し、次いで数値入力ボックスで微調整する、といった設定も可能である。
【0035】
最後に、図16には、画面下部のスクロールバーを用いて表示範囲を左右にスクロールすることが可能である様子が示されている。表示範囲の左右スクロールは、常にグラフの全体が対象であり、個別にスクロールする機能はない。従って、同一時刻のグラフの値は、複数のグラフについて必ず同じ横軸上に表示される。
【0036】
また、スクロールバー以外にも、グラフ面上をマウスの左ボタンを用いて左右にドラッグすることにより、同様に左右のスクロールが可能である。
[発明の効果]
【0037】
本発明によるスケール設定システムを用いると、マウスを用いた直感的な操作を通じて、個々の測定値のグラフをモニタ画面上の適切な位置に適切な大きさで配置することが可能となる。操作が極めて単純であるため、数値入力しか手段がない場合と比較して、オペレータの負担がはるかに小さい。オペレータは思いたったら即座に、マウス操作でモニタ画面のグラフ表示を見やすい状態に配置しなおすことが出来る。このように本発明による最大の効果は、オペレータにかかるモニタ画面スケール変更時の負担を軽減することにある。過去に測定したグラフの波形と現在測定中の波形を同一モニタ画面上に同時に表示することもできるようになり、また、その一方又は両方のスケールを変更して最も見やすい状態にしたり、両方を重ね合わせてモニタ画面に表示することによって、両波形の類似性、又は、不純物混入等に起因する波形の変化を、容易かつより客観的に把握することができるようになる。
【0038】
分析中の測定値に入り込む微細なノイズの影響を確認しようとして、モニタ画面上で特定の測定値に対するグラフを拡大表示する状況を考えてみる。図15に図解されているようなダイアログボックスを用いた数値入力だけしかスケール変更手段がない場合には、拡大表示したグラフが程よくモニタ画面内に納まるようにスケールを設定するのには試行錯誤が不可欠であり、何度も入力をやり直すなど、非常に厄介な作業が必要となる。ノイズの確認が出来たとしても、再び元のスケールに戻すのにも、同じような試行錯誤による繰り返し設定が必要になる。このような理由からオペレータにとっては、従来技術による場合には、分析中のノイズの確認作業は著しく手間のかかる作業であった。本発明によるスケール設定システムを用いれば、オペレータは、このような困難から解放される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明によるスケール設定システムのブロック図である。
【図2】図1に示されたシステム構成の詳細が示されている。
【図3】表示されたグラフの上下位置を調整するアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図4】表示されたグラフを上下方向に拡大縮小するアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図5】表示されたグラフを左右方向に移動させるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図6】表示されたグラフを左右方向に拡大縮小するアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図7】タイムスパンの範囲内の測定データの最大値及び最小値がうまくモニタ画面内に収まるようにスケール情報を自動的に決定するアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図8】2つの測定値(「RI」及び「UV」)をグラフ表示しているモニタ画面である。
【図9】一方のグラフ(RI)を上下方向に移動した結果を示している。
【図10】一方のグラフ(RI)を上下方向に拡大縮小した結果を示している。
【図11】一方のグラフ(UV)のy軸方向の表示スケールを自動設定した結果を示している。
【図12】すべてのグラフ(RI及びUV)の時間範囲を拡大縮小した結果を示している。
【図13】モニタ画面に表示している過去の測定履歴の表示時間範囲を、画面下部の時間軸と平行なスクロールバーを使用して、表示時間幅は維持したまま、現在に向かってスクロールした例である。
【図14】図13と同様に、モニタ画面に表示している過去の測定履歴の表示時間範囲を、画面下部の時間軸と平行なスクロールバーを使用して、表示時間幅は維持したまま、現在に向かってスクロールした例である。
【図15】グラフごとのスケール設定と表示時間範囲を数値入力する際に用いられるダイアログボックスである。
【図16】画面下部のスクロールバーを用いて表示範囲を左右にスクロールすることが可能である様子を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタ画面における表示スケールの設定及び変更に関する。更に詳しくは、本発明は、液体クロマトグラフィ等の分析装置の測定変数や産業プラントの運転状態を表すプロセス変数の測定値等をトレンドグラフ形式で複数重ね合わせて表示することにより、最新値のリアルタイム監視や過去の測定履歴を確認するためのモニタ画面において、少なくとも1つのグラフの表示スケールを変更することにより、複数のグラフの相互関係を容易に理解できるようにするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフィ分析装置の紫外線吸光度などの測定値や、産業プラントの状態を表すプロセス変数(温度・流量・圧力・液位など)の値は、成分分析や製造プロセスの進捗を知る上で極めて重要な情報である。特にこれらの変数値が想定した範囲を大きく外れている場合、何らかの原因でプロセスに異常が発生している場合が殆どであり、緊急停止などの処置をとることが必要とされる。このような状態把握を迅速に行う目的で、現在の瞬時値のみならず、過去からの経時変化をリアルタイムにグラフ表示する機能を備えたモニタ画面を搭載して、プロセスの進捗を監視することが一般的に行われている。
【0003】
従来のモニタ画面では、縦軸に測定変数の表示スケールを、横軸に時間を割り当て、複数の測定値の経時変化を表すグラフを同一画面上に重ねて表示する。モニタ画面は一定の周期で更新され、常に最新の測定値が表示される。モニタ画面の表示の基準時としては、最新時刻の測定値以外に過去の時間範囲を指定して測定履歴を表示することが可能であるし、特定の変数のみの過去の測定履歴と現在の測定値とを重ねて表示することにより経時変化の程度を過去のものと比較することも可能である。
【0004】
モニタ画面が一般的に備えている設定項目として、同時に表示する測定変数の追加または削除、測定変数ごとの縦軸の表示スケール(上限・下限)、及び横軸(時間範囲)などがある。縦軸の表示スケールと横軸の時間範囲との設定に関しては、例えば、数値入力による方法が用いられる。また、縦軸の表示スケールに対しては、ちょうど画面内に収まるような自動スケール設定機能も既に知られている。
【0005】
上記以外にも、表示スケールの設定に関する手法が、下記の特許文献1で提案されている。この手法はグラフごとの表示スケールを別々の縦軸に表示し、スケールを変更するときは該当するグラフの縦軸に対して、ポインティングデバイス(例えば、マウス)によるドラッグやホイール操作を行い、縦方向の位置調整や拡大縮小を行うというものである。
【特許文献1】特開2002−251623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
同一画面上に複数の測定値のグラフを重ねて表示する場合の欠点の一つとして、測定変数のスケール設定によっては複数のグラフが相互に絡み合った状態で表示され、かえって測定変数ごとの経時変化の把握が難しくなることが挙げられる。このような状態に陥った場合、測定変数ごとに表示スケールを設定し直して、グラフを適度に引き離して絡み合いをほどき、表示上の問題を解消する必要がある。しかし従来のモニタ画面においては、具体的な数値を個別に入力することによるスケール設定が一般的であり、グラフの重なりが解消するよう適度に引き離して表示するには、個々のオペレータの勘と試行錯誤に頼った設定の繰り返しが必要になる。複数のグラフが重なり合う状態以外に、測定変数の値が大きく変化してグラフがモニタ画面の上限か下限を外れた場合にも、画面内にグラフを表示するための試行錯誤によるスケール設定が必要になってくる。このような試行錯誤を伴う操作が不可欠であるのは、状態監視を行うオペレータにとっては大きな負担である。このため、上述のような作業を行うことなく、複数のグラフが絡み合って判別が困難である、グラフがモニタ画面内の上下端に偏って表示されており全体を把握しにくい、グラフが極端に縮小された状態で表示され細部の確認が困難である、というような状態に妥協したままで、モニタ画面監視が運用されることが多いのが現状である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
次に、特許請求の範囲の記載に対応させながら、本発明の構成の概要を説明する。各構成要素に付されている参照番号は後述の図1に示すブロック図の構成要素に対応している。発明によると、数値データをグラフ表示するモニタ画面(1)と、前記モニタ画面にグラフ表示される数値データが記憶されたデータ収集部(5)と、ポインティングデバイスを含む入力装置(2)と、前記入力装置を介して入力され前記モニタ画面に表示されるグラフの表示スケール情報が記憶されたスケール情報部(4)とを含んでおり、前記モニタ画面に表示されているグラフの表示スケールを変更するシステムが提供される。このシステムは、更に、前記入力装置を介して入力された活性化要求に応答して、前記モニタ画面に表示されているグラフの中から表示スケールを変更する対象となる1つのグラフを選択し、選択された1つのグラフを活性化状態グラフとして新たに生成し、前記モニタ画面に表示させる手段(3)と、選択された1つのグラフの表示スケールの変更要求が前記入力装置を介して入力され前記スケール情報部に記憶されたことに応答し、前記スケール情報部に記憶されている前記変更要求と前記データ収集部に記憶されている前記選択された1つのグラフの現在の表示において用いられている表示スケールとに基づく新たな表示スケールを計算する手段(3)と、計算された新たな表示スケールと前記選択された1つのグラフの現在の表示位置を決定している座標データとを用いて、前記選択された1つのグラフの前記変更要求が反映され新たに表示されるべき位置の座標データを計算する手段(3)と、前記選択された1つのグラフの表示スケールの前記変更要求が反映されるように計算された新たに表示されるべき位置の座標データを用いて、前記選択された1つのグラフの新たなグラフを生成し、前記モニタ画面に表示させる手段(3)と、を含む。このシステムは、モニタ画面に表示されている複数のグラフの中から1つのグラフを選択し、色が変更されているなどの活性化状態で表示させ、この選択された1つのグラフの表示スケールを変更する場合である。選択されない残りのグラフの表示スケールは変更されないのに対し、選択された1つのグラフの表示スケールは、オペレータがマウスなどのポインティング・デバイスを用いて入力した表示スケールの変更要求の内容を反映するように変更される。
【0008】
また、本発明によるシステムは、上述した「前記入力装置を介して入力された活性化要求に応答して、前記モニタ画面に表示されているグラフの中から表示スケールを変更する対象となる1つのグラフを選択し、選択された1つのグラフを活性化状態グラフとして新たに生成し、前記モニタ画面に表示させる手段(3)」を含まないように構成することも可能である。この場合は、特に1つのグラフを選択しないのであるから、上述した場合とは異なり、モニタ画面に表示されているグラフのすべてについて表示スケールが変更される。
【0009】
また、本発明によるシステムを、前記新たに入力される表示スケールの変更要求が現在のグラフを上下方向又は左右方向に所定の距離だけ移動させる要求を含むように構成することができる。
【0010】
また、本発明によるシステムを、前記新たに入力される表示スケールの変更要求が現在のグラフを上下方向又は左右方向に所定の比率で拡大又は縮小させる要求を含むように構成することができる。
【0011】
また、本発明によるシステムを、前記入力装置を介した所定の入力に応答して現在表示されている複数のグラフの中の少なくとも1つのグラフの上端から下端までが前記モニタ画面の範囲に収まるように表示スケールを自動的に変更する手段を更に含むように構成することができる。
【0012】
また、本発明によるシステムを、前記入力装置を介した所定の入力に応答して現在表示されている複数のグラフの中の少なくとも1つのグラフの横軸のスケールは変更せずに表示する範囲を左右方向に移動させる手段を更に含むように構成することができる。なお、ここで横軸のスケールとは、多くの場合は時間間隔であるが、状況に応じてそれ以外のスケールとすることも可能である。同様に、表示する範囲とは、表示する時間の範囲であるが、状況に応じてそれ以外のものであることもある。
【0013】
更に、本発明を、上述した表示スケール変更システムを制御する方法として把握し定義することもできる。
更に、本発明を、表示スケール変更システムを制御する方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読な記憶媒体として把握し定義することもできる。
【0014】
更に、本発明を、表示スケール変更システムを制御する方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラム自体として把握し定義することもできる。
【0015】
なお、先に述べた通り、本発明と類似の目的を有しており、マウスを用いてグラフ表示スケールの設定に関する困難を解決する技術が、特許文献1において提案されている。特許文献1に記載されている方法は、グラフごとの表示スケールを別々の縦軸に表示し、スケールを変更するときは該当するグラフの縦軸に対して、マウス操作を行うというものである。グラフごとに縦軸を表示すると、一度にグラフごとの数値を確認することができる長所のある反面、多くのグラフを同時に表示すると縦軸が林立し、グラフの表示領域が小さくなってしまう短所がある。特許文献1では同時に表示するグラフが3つまでであるため、これは短所となっていないが、プロセスの監視目的では3つ程度の同時表示では不足である。分析装置でさえ、例えば、環境温度、装置内部温度、液体(気体)の流量、液体の送液圧力、液位、流路での2種程度の光学分析等、5つ以上のグラフの同時表示が望ましい。本発明が提案する手法は、モニタ画面の縦軸を一本にして、その代わりスケール変更操作の作用を受ける活性化状態グラフが常に1つ存在するようにして縦軸の表示スケールを切り替える。グラフごとの表示スケールを同時に確認することは出来なくなるが、活性化状態グラフを切り替えるだけの簡単な操作でスケール表示を切り替えられるため、さほど不便は感じられない。仮に5本の縦軸を同時に表示した場合、特許文献1が提案する、縦軸に対してのマウス操作でスケール変更する方法では、隣の軸を誤って操作してしまい、別のグラフのスケールが意図せず変更されてしまうという問題が生じうる。それに対して本発明が提案する手法によれば、操作対象のグラフを活性化しさえすれば、モニタ画面上の広い領域のどこをドラッグしてもよく、別のグラフのスケールを誤って変更しまうという問題は起こりえない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1には、本発明による表示スケール変更システムの構成要素のブロック図が示されている。モニタ画面1には、データ収集部5を経由して収集されたプラント(分析装置や産業プラント)6における測定値とオペレータがマウス等のポインティングデバイス2を使用して指示したスケール情報4とを基にしてグラフ生成部3で生成されたグラフが表示される。
【0017】
モニタ画面1に表示される情報は、データ収集部5が保持している。データ収集部5には、プラント6において一定周期で収集された測定データが転送され、蓄積される。グラフ生成部3は、収集データをモニタ画面1にグラフ表示するための処理を開始する際に、画面に描画されるための収集データをデータ収集部5から読み出す。この読出しは、収集された測定データをデータ収集部5に保存している間であっても保存している間ではなくても、任意のタイミングで行うことが可能である。つまり、収集データのデータ収集部5への蓄積と、グラフ生成部3によるデータ収集部5から収集データを読み出してグラフを作成する処理とは、平行して実行される。
【0018】
マウスなどのポインティングデバイス2の操作によりモニタ画面1に表示されているグラフの表示スケールを変更する旨の要求が入力されると、そのスケール変更要求は、スケール情報部4において数値情報に変換される。その数値情報の一部は、データ収集部5のデータベース7から、モニタ画面1における表示に必要な測定データを読み出すための検索条件として用いられる。例えばマウスを用いた場合に、どのようにして特定の内容を有する要求をするかに関する詳細は後述する。具体的には、マウスの左右のボタンのクリックや、ドラッグ・アンド・ドロップなどの操作を行う。
【0019】
データ収集部5から読み出された測定データは、グラフ生成部3において、スケール情報部4から読み出された数値情報と組み合わされることにより、グラフが表示されるスケールの上限及び下限が決定される。次に、表示スケールが決定された測定データは、グラフ化されたその内容がモニタ画面1のサイズに一致するように拡大縮小された上で、モニタ画面1に表示される。
【0020】
なお、本発明による表示スケール変更システムは、オペレータがポインティングデバイス2を用いて表示スケールの変更を要求するたびに、そのようなポインティングデバイス2からの入力に応答して、以上の一連の処理を反復的に実行する。
【0021】
図2には、図1に図解された本発明によるスケール設定システムのシステム構成の詳細が示されている。
次に、図3は、図1のモニタ画面1に表示されるグラフの上下位置を調整するための一連の処理を示す流れ図である。この処理は、モニタ画面1の上でマウス2を左クリックすると開始する(ステップ301)。まず、スケールを変更する対象として選択されたグラフに対する表示の上限値(max0)及び下限値(min0)と、マウスのy座標(y0)とを取得し、一時的な作業変数として記憶する(ステップ302)。その後、マウスが上下方向に移動したら(ステップ304)、元のマウスy座標(y0)からのオフセット(dy)を計算し(ステップ305)、グラフの表示範囲を元の位置(max0,min0)から逆方向にマウスのオフセット分だけシフトさせた表示上限(max0±dy)及び表示下限(min0±dy)を有するグラフを再描画する(ステップ306及び307)。逆方向というのは、マウスが上方向に移動したら、表示上限(max0)及び表示下限(min0)を表示上限(max0−dy)及び表示下限(min0−dy)に移動させ、マウスが下方向に移動したら、表示上限(max0)及び表示下限(min0)を表示上限(max0+dy)及び表示下限(min0+dy)に移動させるという意味である。これによって、あたかもグラフがマウスによってドラッグされているような効果が得られる。このロジックはマウスの左ボタンが離されたことを検出すると(ステップ303)、変更された表示上下限値で、グラフのスケール設定用数値入力ボックスを更新して(ステップ308)、処理を終わる(ステップ309)。
【0022】
図4は、モニタ画面1に表示されるグラフの上下高を拡大縮小するための一連の処理を示す流れ図である。上下高というのは、グラフの表示上限と表示下限との間の上下方向の距離である。処理の流れは、図3に記載の内容とほぼ同一であって、処理の開始終了判定がマウス右ボタンクリック(ステップ403)であり、表示範囲の上限値に対する変更がマウスの上下移動と同じ方向に変化する(ステップ406)点だけが、図3の処理と異なる。マウスの上下移動と同じ方向とは、ステップ406に示されているように、表示上限と表示下限との移動方向が逆であるという意味である。つまり、マウスがdyだけ移動すれば、表示上限はmax0+dyに、表示下限はmin0−dyとなる。図4に図解されているこの処理によって、マウスの操作によりグラフの高さが連続的に拡大縮小する効果が得られる。
【0023】
図3及び図4は、グラフを上下方向に移動させる処理に関するものであったが、次に、図5及び図6では、グラフを左右方向に移動させる処理に関する流れ図が図解されている。まず、図5は、モニタ画面1に表示されるグラフを左右に移動させるための一連の処理を示す流れ図である。この処理は、モニタ画面1の上でマウス2を左クリックすると開始する(ステップ501)。まず、スケールを変更する対象として選択されたグラフに対する表示開始時刻(start0)と、マウスのx座標(x0)とを取得し、一時的な作業変数として記憶する(ステップ502)。その後、左ボタンが押下された状態のまま(ステップ503)マウスが左右方向に移動したら(ステップ504)、元のマウスx座標(x0)からのオフセット(dx)を計算し(ステップ505)、グラフの表示開始時刻を元の位置(start0)から逆方向にマウスのオフセット分だけシフトさせた表示開始時刻(start0±dx)を有するグラフを再描画する(ステップ506及び507)。逆方向というのは、マウスが左方向に移動したら、表示開始時刻(start0)を表示開始時刻(start0−dx)に移動させ、マウスが下方向に移動したら、表示開始時刻(start0)を表示開始時刻(start0−dx)に移動させるという意味である。これによって、あたかもグラフがマウスによってドラッグされているような効果が得られるのは上下方向の移動の処理の場合と同様である。このロジックはマウスの左ボタンが離されたことを検出すると(ステップ503)、変更されたタイムスパン設定に更新して(ステップ508)、処理を終了する(ステップ509)。
【0024】
図6は、モニタ画面1に表示されるグラフの左右の表示範囲を拡大縮小するための一連の処理を示す流れ図である。左右の表示範囲というのは、グラフの表示開始時刻と表示終了時刻との間の左右方向の距離である。処理の流れは、図5に記載の内容とほぼ同一であって、処理の開始終了判定がマウス右ボタンクリック(ステップ603)であり、表示開始時刻に対する変更がマウスの左右移動と同じ方向に変化する(ステップ606)点だけが、図5の処理と異なる。マウスの左右移動と同じ方向とは、ステップ606に示されているように、表示上限と表示下限との移動方向が逆であるという意味である。つまり、マウスがdxだけ移動すれば、表示開始時刻はstart0+dyになる。図6に図解されているこの処理によって、マウスの操作によりグラフの左右の表示範囲が連続的に拡大縮小する効果が得られる。
【0025】
更に、図7には、スケール情報(表示上限及び表示下限)を自動的に調整することによって、表示開始時刻から表示終了時刻までのタイムスパンの中の測定データ(つまり、表示されるグラフ)の最大値及び最小値がモニタ画面1にうまく収まるように調整するための一連の処理を示す流れ図が示されている。例えばマウスの左ボタンをダブルクリックすることによって処理が開始し(ステップ701)、スケールを自動調整する対象として選択されたグラフに対する表示開始時刻(time)と、timeの測定値であるmax=minとを取得し、一時的な作業変数として記憶する(ステップ702)。次に、timeを次の測定時刻に進め(ステップ703)、time≧表示終了時刻かどうかを判断し(ステップ704)、まだステップ704の不等号が成立しない場合には、max<時刻timeの測定値かどうかを判断する(ステップ705)。ステップ705の不等号が成立する場合にはmax=時刻timeの測定値とした(ステップ706)後で、成立しない場合には直接に、min>時刻timeの測定値を判断する(ステップ707)。ここで、ステップ707の不等号が成立する場合にはmin=時刻timeの測定値とした(ステップ708)後で、成立しない場合には直接に、ステップ703に移動する。
【0026】
ステップ704の不等号が成立するときには、表示上限=max、表示下限=minとして(ステップ709)、モニタ画面1上にグラフを再度表示する(ステップ710)。更に、以上の一連の処理によって変更後の上下限設定を変更させ(ステップ711)、終了する(ステップ712)。
【0027】
以上で図3ないし図7を参照して、モニタ画面1に表示されたグラフの上下方向の移動(図3)、上下方向の拡大縮小(図4)、左右方向の移動(図5)、左右方向の拡大縮小(図6)及び上下方向の自動スケール設定(図7)について説明した。これらのグラフを移動させる処理は、特定のグラフだけを選択的に対象とするのではなく、モニタ画面1に表示されているすべてのグラフに一斉に作用する。しかし、以下で説明するように、表示されている複数のグラフの中の特定の1つだけを選択的に対象として、以上の処理を行うことが可能である。
【0028】
図8には、検出器からの「RI」及び「UV」の2つの測定値をグラフ表示しているモニタ画面が示されている。モニタ画面の縦軸(y軸)には画面上部の測定値活性化ボタンで活性化状態にしたものに対する測定値のスケールが表示される。図5では、「RI」のグラフが活性化されている状態を示す。y軸のスケール表示は、検出器選択ボタンを切り替えることにより、いつでも別の検出器によって測定されたデータのグラフ表示に変更することが可能である。
【0029】
モニタ画面1のモニタ画面上で、マウスの左ボタンを押下した状態で上下にドラッグすることにより、選択された検出器によって得られたデータをグラフを上下に移動することができる。図9は、図8に示した「RI」のグラフを上方に移動した結果を示す。モニタ画面上で、図3の流れ図を参照して上述した処理を用い、マウス左ボタンを押しながら上下にドラッグすることにより、活性化状態の測定値に対するデータ表示位置を上下に移動することができる。
【0030】
図10は、図8に示した「RI」のグラフ高を拡大表示した結果を示している。モニタ画面上で、図4の流れ図を参照して上述した処理を用い、マウス右ボタンを押しながら上下にドラッグすることにより、活性化状態の測定値に対するグラフのピーク表示を拡大縮小することができる。
【0031】
図11には、「UV」測定値の縦軸スケールを自動調整した結果を示す。モニタ画面上で、マウス左ボタンをダブルクリックすることで、活性化状態の測定値に対するグラフが、ちょうど画面内に収まるように縦軸スケールを自動調整する。図7の流れ図を参照して説明したアルゴリズムによる処理である。この操作は、スケール設定が的外れで、測定値のグラフが画面から外れてどこに存在するか分かりにくい場合や、改めてスケール設定をやり直すときに表示スケールの適切な初期値を得るのに有効である。
【0032】
図12には、表示時間範囲を拡大した結果を示す。モニタ画面上でマウス右ボタンを押しながら左右にドラッグすることで、横軸(表示時間範囲)を拡大縮小する。図6の流れ図を参照しながら上述した一連の処理である。この操作は、測定値のどれが活性化されているかにかかわらず、全ての測定値に対して効果を及ぼす。
【0033】
図13及び図14は、モニタ画面に表示している過去の測定履歴(図13)の表示時間範囲を、画面下部の時間軸と平行なスクロールバーを使用して、表示時間幅は維持したまま、現在(図14)に向かってスクロールした例である。表示時間範囲をスクロールするには、ボタンをクリックすることによる単位時間間隔での左右スクロール方法と、左右スクロールバーをドラッグする連続的なスクロール方法と、ページ単位スクロール領域をクリックして表示時間単位で左右にスクロールする方法との3つの方法がある。
【0034】
図15は、測定値(RI、UV)ごとの表示スケールを、数値入力して設定するためのダイアログボックスである。以上で説明してきたマウスの操作によるスケール設定は、図15の数値入力ダイアログボックスと連動している。即ちマウス操作によるスケール設定は、数値入力ボックスに反映して具体的な設定値として表示される。また、マウス操作と数値入力とを併用して、最初マウスを用いて大まかにスケール設定し、次いで数値入力ボックスで微調整する、といった設定も可能である。
【0035】
最後に、図16には、画面下部のスクロールバーを用いて表示範囲を左右にスクロールすることが可能である様子が示されている。表示範囲の左右スクロールは、常にグラフの全体が対象であり、個別にスクロールする機能はない。従って、同一時刻のグラフの値は、複数のグラフについて必ず同じ横軸上に表示される。
【0036】
また、スクロールバー以外にも、グラフ面上をマウスの左ボタンを用いて左右にドラッグすることにより、同様に左右のスクロールが可能である。
[発明の効果]
【0037】
本発明によるスケール設定システムを用いると、マウスを用いた直感的な操作を通じて、個々の測定値のグラフをモニタ画面上の適切な位置に適切な大きさで配置することが可能となる。操作が極めて単純であるため、数値入力しか手段がない場合と比較して、オペレータの負担がはるかに小さい。オペレータは思いたったら即座に、マウス操作でモニタ画面のグラフ表示を見やすい状態に配置しなおすことが出来る。このように本発明による最大の効果は、オペレータにかかるモニタ画面スケール変更時の負担を軽減することにある。過去に測定したグラフの波形と現在測定中の波形を同一モニタ画面上に同時に表示することもできるようになり、また、その一方又は両方のスケールを変更して最も見やすい状態にしたり、両方を重ね合わせてモニタ画面に表示することによって、両波形の類似性、又は、不純物混入等に起因する波形の変化を、容易かつより客観的に把握することができるようになる。
【0038】
分析中の測定値に入り込む微細なノイズの影響を確認しようとして、モニタ画面上で特定の測定値に対するグラフを拡大表示する状況を考えてみる。図15に図解されているようなダイアログボックスを用いた数値入力だけしかスケール変更手段がない場合には、拡大表示したグラフが程よくモニタ画面内に納まるようにスケールを設定するのには試行錯誤が不可欠であり、何度も入力をやり直すなど、非常に厄介な作業が必要となる。ノイズの確認が出来たとしても、再び元のスケールに戻すのにも、同じような試行錯誤による繰り返し設定が必要になる。このような理由からオペレータにとっては、従来技術による場合には、分析中のノイズの確認作業は著しく手間のかかる作業であった。本発明によるスケール設定システムを用いれば、オペレータは、このような困難から解放される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明によるスケール設定システムのブロック図である。
【図2】図1に示されたシステム構成の詳細が示されている。
【図3】表示されたグラフの上下位置を調整するアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図4】表示されたグラフを上下方向に拡大縮小するアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図5】表示されたグラフを左右方向に移動させるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図6】表示されたグラフを左右方向に拡大縮小するアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図7】タイムスパンの範囲内の測定データの最大値及び最小値がうまくモニタ画面内に収まるようにスケール情報を自動的に決定するアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図8】2つの測定値(「RI」及び「UV」)をグラフ表示しているモニタ画面である。
【図9】一方のグラフ(RI)を上下方向に移動した結果を示している。
【図10】一方のグラフ(RI)を上下方向に拡大縮小した結果を示している。
【図11】一方のグラフ(UV)のy軸方向の表示スケールを自動設定した結果を示している。
【図12】すべてのグラフ(RI及びUV)の時間範囲を拡大縮小した結果を示している。
【図13】モニタ画面に表示している過去の測定履歴の表示時間範囲を、画面下部の時間軸と平行なスクロールバーを使用して、表示時間幅は維持したまま、現在に向かってスクロールした例である。
【図14】図13と同様に、モニタ画面に表示している過去の測定履歴の表示時間範囲を、画面下部の時間軸と平行なスクロールバーを使用して、表示時間幅は維持したまま、現在に向かってスクロールした例である。
【図15】グラフごとのスケール設定と表示時間範囲を数値入力する際に用いられるダイアログボックスである。
【図16】画面下部のスクロールバーを用いて表示範囲を左右にスクロールすることが可能である様子を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
数値データをグラフ表示するモニタ画面(1)と、前記モニタ画面にグラフ表示される数値データが記憶されたデータ収集部(5)と、ポインティングデバイスを含む入力装置(2)と、前記入力装置を介して入力され前記モニタ画面に表示されるグラフの表示スケール情報が記憶されたスケール情報部(4)とを含んでおり、前記モニタ画面に表示されているグラフの表示スケールを変更するシステムであって、
前記入力装置を介して入力された活性化要求に応答して、前記モニタ画面に表示されているグラフの中から表示スケールを変更する対象となる1つのグラフを選択し、選択された1つのグラフを活性化状態グラフとして新たに生成し、前記モニタ画面に表示させる手段(3)と、
選択された1つのグラフの表示スケールの変更要求が前記入力装置を介して入力され前記スケール情報部に記憶されたことに応答し、前記スケール情報部に記憶されている前記変更要求と前記データ収集部に記憶されている前記選択された1つのグラフの現在の表示において用いられている表示スケールとに基づく新たな表示スケールを計算する手段(3)と、
計算された新たな表示スケールと前記選択された1つのグラフの現在の表示位置を決定している座標データとを用いて、前記選択された1つのグラフの前記変更要求が反映され新たに表示されるべき位置の座標データを計算する手段(3)と、
前記選択された1つのグラフの表示スケールの前記変更要求が反映されるように計算された新たに表示されるべき位置の座標データを用いて、前記選択された1つのグラフの新たなグラフを生成し、前記モニタ画面に表示させる手段(3)と、
を含むことを特徴とする表示スケール変更システム。
【請求項2】
数値データをグラフ表示するモニタ画面(1)と、前記モニタ画面にグラフ表示される数値データが記憶されたデータ収集部(5)と、ポインティングデバイスを含む入力装置(2)と、前記入力装置を介して入力され前記モニタ画面に表示されるグラフの表示スケール情報が記憶されたスケール情報部(4)とを含んでおり、前記モニタ画面に表示されているグラフの表示スケールを変更するシステムであって、
前記グラフの表示スケールの変更要求が前記入力装置を介して入力され前記スケール情報部に記憶されたことに応答し、前記スケール情報部に記憶されている前記変更要求と前記データ収集部に記憶されている前記グラフの現在の表示において用いられている表示スケールとに基づく新たな表示スケールを計算する手段(3)と、
計算された新たな表示スケールと前記グラフの現在の表示位置を決定している座標データとを用いて、前記グラフの前記変更要求が反映され新たに表示されるべき位置の座標データを計算する手段(3)と、
前記グラフの表示スケールの前記変更要求が反映されるように計算された新たに表示されるべき位置の座標データを用いて、前記グラフの新たなグラフを生成し、前記モニタ画面に表示させる手段(3)と、
を含むことを特徴とする表示スケール変更システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のシステムにおいて、前記新たに入力される表示スケールの変更要求は、現在のグラフを上下方向又は左右方向に所定の距離だけ移動させる要求を含むものであることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載のシステムにおいて、前記新たに入力される表示スケールの変更要求は、現在のグラフを上下方向又は左右方向に所定の比率で拡大又は縮小させる要求を含むものであることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載のシステムにおいて、前記入力装置を介した所定の入力に応答して現在表示されている複数のグラフの中の少なくとも1つのグラフの上端から下端までが前記モニタ画面の範囲に収まるように表示スケールを自動的に変更する手段を更に含むことを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1又は請求項2記載のシステムにおいて、前記入力装置を介した所定の入力に応答して現在表示されている複数のグラフの中の少なくとも1つのグラフの横軸のスケールは変更せずに表示する範囲を左右方向に移動させる手段を更に含むことを特徴とするシステム。
【請求項7】
数値データをグラフ表示するモニタ画面(1)と、前記モニタ画面にグラフ表示される数値データが記憶されたデータ収集部(5)と、ポインティングデバイスを含む入力装置(2)と、前記入力装置を介して入力され前記モニタ画面に表示されるグラフの表示スケール情報が記憶されたスケール情報部(4)とを含んでおり、前記モニタ画面に表示されているグラフの表示スケールを変更するシステムを制御する方法であって、
前記入力装置を介して入力された活性化要求に応答して、前記モニタ画面に表示されているグラフの中から表示スケールを変更する対象となる1つのグラフを選択し、選択された1つのグラフを活性化状態グラフとして新たに生成し、前記モニタ画面に表示させるステップと、
選択された1つのグラフの表示スケールの変更要求が前記入力装置を介して入力され前記スケール情報部に記憶されたことに応答し、前記スケール情報部に記憶されている前記変更要求と前記データ収集部に記憶されている前記選択された1つのグラフの現在の表示において用いられている表示スケールとに基づく新たな表示スケールを計算するステップと、
計算された新たな表示スケールと前記選択された1つのグラフの現在の表示位置を決定している座標データとを用いて、前記選択された1つのグラフの前記変更要求が反映され新たに表示されるべき位置の座標データを計算するステップと、
前記選択された1つのグラフの表示スケールの前記変更要求が反映されるように計算された新たに表示されるべき位置の座標データを用いて、前記選択された1つのグラフの新たなグラフを生成し、前記モニタ画面に表示させるステップと、
を含むことを特徴とする表示スケール変更システムの制御方法。
【請求項8】
数値データをグラフ表示するモニタ画面(1)と、前記モニタ画面にグラフ表示される数値データが記憶されたデータ収集部(5)と、ポインティングデバイスを含む入力装置(2)と、前記入力装置を介して入力され前記モニタ画面に表示されるグラフの表示スケール情報が記憶されたスケール情報部(4)とを含んでおり、前記モニタ画面に表示されているグラフの表示スケールを変更するシステムを制御する方法であって、
前記グラフの表示スケールの変更要求が前記入力装置を介して入力され前記スケール情報部に記憶されたことに応答し、前記スケール情報部に記憶されている前記変更要求と前記データ収集部に記憶されている前記グラフの現在の表示において用いられている表示スケールとに基づく新たな表示スケールを計算するステップと、
計算された新たな表示スケールと前記グラフの現在の表示位置を決定している座標データとを用いて、前記グラフの前記変更要求が反映され新たに表示されるべき位置の座標データを計算するステップと、
前記グラフの表示スケールの前記変更要求が反映されるように計算された新たに表示されるべき位置の座標データを用いて、前記グラフの新たなグラフを生成し、前記モニタ画面に表示させるステップと、
を含むことを特徴とする表示スケール変更システムの制御方法。
【請求項9】
請求項7又は8記載の方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読な記憶媒体。
【請求項10】
請求項7又は8記載の方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項1】
数値データをグラフ表示するモニタ画面(1)と、前記モニタ画面にグラフ表示される数値データが記憶されたデータ収集部(5)と、ポインティングデバイスを含む入力装置(2)と、前記入力装置を介して入力され前記モニタ画面に表示されるグラフの表示スケール情報が記憶されたスケール情報部(4)とを含んでおり、前記モニタ画面に表示されているグラフの表示スケールを変更するシステムであって、
前記入力装置を介して入力された活性化要求に応答して、前記モニタ画面に表示されているグラフの中から表示スケールを変更する対象となる1つのグラフを選択し、選択された1つのグラフを活性化状態グラフとして新たに生成し、前記モニタ画面に表示させる手段(3)と、
選択された1つのグラフの表示スケールの変更要求が前記入力装置を介して入力され前記スケール情報部に記憶されたことに応答し、前記スケール情報部に記憶されている前記変更要求と前記データ収集部に記憶されている前記選択された1つのグラフの現在の表示において用いられている表示スケールとに基づく新たな表示スケールを計算する手段(3)と、
計算された新たな表示スケールと前記選択された1つのグラフの現在の表示位置を決定している座標データとを用いて、前記選択された1つのグラフの前記変更要求が反映され新たに表示されるべき位置の座標データを計算する手段(3)と、
前記選択された1つのグラフの表示スケールの前記変更要求が反映されるように計算された新たに表示されるべき位置の座標データを用いて、前記選択された1つのグラフの新たなグラフを生成し、前記モニタ画面に表示させる手段(3)と、
を含むことを特徴とする表示スケール変更システム。
【請求項2】
数値データをグラフ表示するモニタ画面(1)と、前記モニタ画面にグラフ表示される数値データが記憶されたデータ収集部(5)と、ポインティングデバイスを含む入力装置(2)と、前記入力装置を介して入力され前記モニタ画面に表示されるグラフの表示スケール情報が記憶されたスケール情報部(4)とを含んでおり、前記モニタ画面に表示されているグラフの表示スケールを変更するシステムであって、
前記グラフの表示スケールの変更要求が前記入力装置を介して入力され前記スケール情報部に記憶されたことに応答し、前記スケール情報部に記憶されている前記変更要求と前記データ収集部に記憶されている前記グラフの現在の表示において用いられている表示スケールとに基づく新たな表示スケールを計算する手段(3)と、
計算された新たな表示スケールと前記グラフの現在の表示位置を決定している座標データとを用いて、前記グラフの前記変更要求が反映され新たに表示されるべき位置の座標データを計算する手段(3)と、
前記グラフの表示スケールの前記変更要求が反映されるように計算された新たに表示されるべき位置の座標データを用いて、前記グラフの新たなグラフを生成し、前記モニタ画面に表示させる手段(3)と、
を含むことを特徴とする表示スケール変更システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のシステムにおいて、前記新たに入力される表示スケールの変更要求は、現在のグラフを上下方向又は左右方向に所定の距離だけ移動させる要求を含むものであることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載のシステムにおいて、前記新たに入力される表示スケールの変更要求は、現在のグラフを上下方向又は左右方向に所定の比率で拡大又は縮小させる要求を含むものであることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載のシステムにおいて、前記入力装置を介した所定の入力に応答して現在表示されている複数のグラフの中の少なくとも1つのグラフの上端から下端までが前記モニタ画面の範囲に収まるように表示スケールを自動的に変更する手段を更に含むことを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1又は請求項2記載のシステムにおいて、前記入力装置を介した所定の入力に応答して現在表示されている複数のグラフの中の少なくとも1つのグラフの横軸のスケールは変更せずに表示する範囲を左右方向に移動させる手段を更に含むことを特徴とするシステム。
【請求項7】
数値データをグラフ表示するモニタ画面(1)と、前記モニタ画面にグラフ表示される数値データが記憶されたデータ収集部(5)と、ポインティングデバイスを含む入力装置(2)と、前記入力装置を介して入力され前記モニタ画面に表示されるグラフの表示スケール情報が記憶されたスケール情報部(4)とを含んでおり、前記モニタ画面に表示されているグラフの表示スケールを変更するシステムを制御する方法であって、
前記入力装置を介して入力された活性化要求に応答して、前記モニタ画面に表示されているグラフの中から表示スケールを変更する対象となる1つのグラフを選択し、選択された1つのグラフを活性化状態グラフとして新たに生成し、前記モニタ画面に表示させるステップと、
選択された1つのグラフの表示スケールの変更要求が前記入力装置を介して入力され前記スケール情報部に記憶されたことに応答し、前記スケール情報部に記憶されている前記変更要求と前記データ収集部に記憶されている前記選択された1つのグラフの現在の表示において用いられている表示スケールとに基づく新たな表示スケールを計算するステップと、
計算された新たな表示スケールと前記選択された1つのグラフの現在の表示位置を決定している座標データとを用いて、前記選択された1つのグラフの前記変更要求が反映され新たに表示されるべき位置の座標データを計算するステップと、
前記選択された1つのグラフの表示スケールの前記変更要求が反映されるように計算された新たに表示されるべき位置の座標データを用いて、前記選択された1つのグラフの新たなグラフを生成し、前記モニタ画面に表示させるステップと、
を含むことを特徴とする表示スケール変更システムの制御方法。
【請求項8】
数値データをグラフ表示するモニタ画面(1)と、前記モニタ画面にグラフ表示される数値データが記憶されたデータ収集部(5)と、ポインティングデバイスを含む入力装置(2)と、前記入力装置を介して入力され前記モニタ画面に表示されるグラフの表示スケール情報が記憶されたスケール情報部(4)とを含んでおり、前記モニタ画面に表示されているグラフの表示スケールを変更するシステムを制御する方法であって、
前記グラフの表示スケールの変更要求が前記入力装置を介して入力され前記スケール情報部に記憶されたことに応答し、前記スケール情報部に記憶されている前記変更要求と前記データ収集部に記憶されている前記グラフの現在の表示において用いられている表示スケールとに基づく新たな表示スケールを計算するステップと、
計算された新たな表示スケールと前記グラフの現在の表示位置を決定している座標データとを用いて、前記グラフの前記変更要求が反映され新たに表示されるべき位置の座標データを計算するステップと、
前記グラフの表示スケールの前記変更要求が反映されるように計算された新たに表示されるべき位置の座標データを用いて、前記グラフの新たなグラフを生成し、前記モニタ画面に表示させるステップと、
を含むことを特徴とする表示スケール変更システムの制御方法。
【請求項9】
請求項7又は8記載の方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読な記憶媒体。
【請求項10】
請求項7又は8記載の方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図13】
【図14】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図14】
【図8】
【図9】
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【図11】
【図12】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−209511(P2008−209511A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−44344(P2007−44344)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】
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