説明

モノアゾ化合物およびその製造方法

式〔1〕で表されるモノアゾ化合物またはその塩を提供する。


[式中、YおよびYは、水素原子、式〔2〕、式〔3〕;


からなる群から選ばれる基(但しYおよびYのうち少なくとも一方は式〔2〕で表される基である。);
Zは下記式〔4〕、〔5〕、〔6〕


からなる群から選ばれる基]。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、黒色を呈し、着色力の強い新規モノアゾ化合物に関する。
【背景技術】
現在、黒色顔料として、無機顔料であるカーボンブラックが最も一般的に用いられている。また、アニリンブラック、ペリレンブラックなどの有機顔料も特定の用途に用いられている。これら黒色顔料の近年の重要な用途として、液晶ディスプレー(LCD)などの種々のディスプレーに使用されるブラックマトリックスが挙げられる。
液晶ディスプレーにおいては、赤、緑、青の色材膜を通過する光の混色防止と画面のコントラスト向上のために、カラーフィルター間に遮光膜であるブラックマトリックスを形成する必要がある。
また薄膜トランジスター(TFT)方式のディスプレーにおいてはTFT特性の光劣化防止のため、ブラックマトリックスを形成する必要がある。
このようなブラックマトリックスに使用される黒色顔料は、隠蔽性(高い光学密度)や低導電性を有することが要求される。
従来、ブラックマトリックスにおいては、クロム系の金属材料が多く用いられてきた。しかしながら、クロム系金属材料は、人体へ有害であり、クロムフリーの材料が求められている。またカーボンブラックは導電性が高いために、電極間での電気的な短絡による誤動作を起こしやすいという問題がある。
導電性の低い有機黒色顔料としてアニリンブラックが挙げられるが、光学密度が低いためブラックマトリックスには適さないものである。またアニリンブラックは、その製造時にクロムや銅などを触媒として使用するため、これらの有害金属の残存が避けられない。さらにインキ、塗料などに使用する場合、カーボンブラックと比較して着色力が弱い点も問題である。
また、有機顔料として広く用いられているアゾ系の色素として、本発明において使用する、ベンゾチアゾリル基等の複素環を有するナフトール誘導体をカップラー成分として用いた化合物が知られている(例えば、特開昭60−189759号、特開昭62−174768号、特開昭63−97667号および特開昭63−293551号を参照)。
これらの文献に開示されているアゾ系色素はいずれもビスアゾ化合物またはその誘導体であり、電荷発生材料として用いられるものである。
カップラー成分として、ベンゾチアゾリル基等の複素環を有するナフトール誘導体を用いて得たモノアゾ化合物自体は知られているが、本発明で用いられるジアゾニウム塩とカップリングさせて得られる化合物は知られていない。また、黒色を呈するモノアゾ化合物は未だ得られておらず、インキ、塗料、染料などの色材としての優れた特性や、ブラックマトリックスへの利用も知られてはいなかった(例えば、国際公開第01/87859号参照)。
【発明の開示】
本発明の目的は、黒色を呈し、導電性が低く、強い着色力を有する新規モノアゾ化合物を提供することである。また本発明は、該モノアゾ化合物を含む顔料、印刷インキ、塗料、染料およびレジストインキを提供することも目的とする。さらに本発明は、上記レジストインキを用いて作成されたブラックマトリックスを提供することを目的とする。
本発明は、下記式〔1〕で表されるモノアゾ化合物またはその塩を提供する。

[式中、YおよびYは、水素原子、式〔2〕および式〔3〕;

からなる群から選択される基(但しYおよびYのうち少なくとも一方は式〔2〕で表される基である);
Aは、置換基を有していてもよい芳香族基または置換基を有していてもよい共役二重結合を有する複素環基;
Eは、−O−、および−NH−から選択される基;
Xは、水素原子、炭素原子数1〜20の分岐を有してもよく置換基を有していてもよく不飽和結合を有してもよい脂肪族基、置換基を有してもよい芳香族基、および置換基を有してもよい共役二重結合を有する複素環基からなる群から選択される基;
は、分岐を有してもよい低級アルキル基および低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、およびニトロソ基からなる群から選択される基;
kは、0〜3の整数;
は、水素原子、アルカリ金属、炭素原子数が1〜20の分岐を有してもよく置換基を有していてもよいアルキル基およびアシル基、およびフェニルアルキル基からなる群から選択される基;
Zは下記式〔4〕、〔5〕、〔6〕

からなる群から選択される基;
は、ハロゲン原子、ハロゲン化低級アルキル基、ニトロ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、フェノキシ基、アミノ基、ピリミジルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、スルホン酸基、水酸基、低級アルキルアミノスルホニル基、低級アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、および炭素原子数2〜6のアルケニル基からなる群から選択される基(Qが芳香族基を含む場合、該芳香族基はさらに一個以上のハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニル基およびシアノ基からなる群から選択される置換基を有していてもよい);
mは0〜4の整数;
nは0〜3の整数;
およびRは、異なっていても同じでもよく、水素原子、分岐を有してもよく置換基を有してもよい低級アルキル基、低級脂肪族アシル基、置換基を有してもよいベンゾイル基および、置換基を有してもよいフェニル基からなる群から選択される基を示す(RおよびRが芳香族基を含む場合、該芳香族基はさらに一個以上のハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニル基およびシアノ基からなる群から選択される置換基を有していてもよい)]。
本発明の式〔1〕で表されるモノアゾ化合物において、YおよびYの少なくとも一方は式〔2〕で表される基である。一方が式〔2〕で表される基である場合、他方の基は、水素原子、式〔2〕で表される基または式〔3〕で表される基である。式〔3〕で表される基の例としては、カルボキシル基、エステル化されたカルボキシル基(たとえばフェノキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基)、およびアミド化されたカルボキシル基(たとえばアルキルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基)が挙げられる。式〔2〕または式〔3〕で表される基に含まれる芳香族基、複素環基、および脂肪族基は、さらにハロゲン原子、ハロゲン化低級アルキル基、ニトロ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、およびシアノ基などの置換基を有していてもよい。
上記式〔2〕中、置換基を有していてもよい芳香族基としては、たとえばベンゼン環、ナフタレン環、アントラキノン環などが挙げられる。置換基を有していてもよい共役二重結合を有する複素環部分としては、たとえばチオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアゾール、テトラゾール、インドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、ベンゾフランなどが挙げられる。
式〔2〕で表される基の置換基としては、たとえばハロゲン原子、ハロゲン化低級アルキル基、ニトロ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基(たとえばメトキシ基)、シアノ基、フェノキシ基、アミノ基、ピリミジルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、スルホン酸基、水酸基、エステル化されたカルボキシル基(たとえばアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基)、アミド化されたカルボキシル基(たとえばフェニルアミノカルボニル基)、アルキルアミノスルホニル基、およびアリール基を有することのある炭素原子数2〜6のアルケニル基等が挙げられる。これらの置換基が芳香族基を含む場合、該芳香族基はさらに一個以上の別の置換基、たとえば、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニル基、シアノ基などを有していてもよい。
式〔1〕で表される本発明のモノアゾ化合物のナフタレン環は置換基としてQを有していてもよい。Qとしては、炭素数が1〜6の分岐を有してもよいアルキル基またはアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびニトロソ基などが例示される。置換基Qの数kは通常0であるが3個まで有していてもよい。
なお、本明細書において、「低級」とは、炭素原子数が1〜6であるものを示す。
「芳香族基」は6員の単環または縮合環であって、縮合環の環数4までの芳香族基を示す。
「共役二重結合を有する複素環基」は1以上のN、SおよびOからなる群から選択されるヘテロ原子を含み、共役二重結合を有する5員乃至6員の単環または縮合環である複素環基を示す。縮合環を形成する場合は、環数6までのものとする。
本発明は、また式〔1〕で表されるモノアゾ化合物の製造方法を提供する。該方法は、下記式〔7〕

[式中、Y、Y、Q、k、およびRは上記と同意]
で表されるカップラーと、式〔8〕、〔9〕、および〔10〕

[式中、Q、m、n、R、およびRは上記と同意]
から選択されるアニリン類をジアゾ化して得られたジアゾニウム塩とを、カップリング反応させることを特徴とする。
本発明のモノアゾ化合物のカップラー成分である、式〔7〕で表される複素環を有する2−ナフトール誘導体は、従来公知の何れの方法によって得られた物でもよい。例えば、以下に説明するWO01/87859に記載の方法により得ることが出来る。
2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸などのヒドロキシナフタレンカルボン酸類をスルホラン中に懸濁後、塩化チオニルと反応させる。次いで過剰の塩化チオニルを留去した後、目的の複素環の形成を導く、例えば2−アミノチオフェノールなどの化合物を添加する。さらに、三塩化リン、またはオキシ塩化リンを加え50〜180℃、好ましくは50〜140℃で反応させた後に、反応液を水中に注ぎ入れ、不溶物をろ過回収することによって式〔7〕で表される複素環を有する2−ナフトール誘導体を得ることが出来る。
あるいは2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸、2−アミノチオフェノールなどの目的の複素環の形成を導く化合物およびスルホランを室温にて懸濁させ、三塩化リンまたはオキシ塩化リンを滴下する。次いで反応系を100℃で1時間保持した後、140℃で1時間加熱することによって式〔7〕で表される複素環を有する2−ナフトール誘導体を得ることができる。
また、ここで用いられる2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸などのヒドロキシナフタレンカルボン酸類は、従来公知の何れの方法で得られたものであってもよい。例えば軽油などの媒体の存在下に、脱水されたβ−ナフトールのアルカリ金属塩と二酸化炭素とを反応させ、得られた反応液からヒドロキシナフタレンカルボン酸類を酸析により分離後、必要により精製することにより製造することが出来る。
本発明のモノアゾ化合物の製造において、ジアゾ成分として用いられる式〔8〕から〔10〕で表されるアニリン類としては、4−N,N−ジメチルアミノアニリン、4−N,N−ジエチルアミノアニリン、4−アニリノアニリン、4−アミノ−4’−メトキシジフェニルアミン5−アミノフタルイミド、5−アミノベンズイミダゾロン、4−ベンゾイルアミノ−2,5−ジエトキシアニリン、4−ベンゾイルアミノ−2,5−ジメトキシアニリン、4−ベンゾイルアミノ−5−メトキシ−2−メチルアニリンなどが挙げられる。このうち、特に好ましくは4−N,N−ジメチルアミノアニリン、4−アニリノアニリン、5−アミノフタルイミド、5−アミノベンズイミダゾロンが挙げられる。
本発明のモノアゾ化合物の合成において、ジアゾ成分とカップラー成分のカップリング反応の方法は特に限定的ではなく、アゾ化合物の合成法として公知の方法を採用すれば良い。
式〔7〕で示されるカップラー成分は、水やカップリング反応に不活性な有機溶媒中で、水酸化ナトリウムなどにより塩基性の溶液とし、カップリング反応に供する。
ジアゾ成分は、式〔8〕〜〔10〕で示されるアニリン類を常法に従い酸性溶液中で亜硝酸ナトリウムなどによりジアゾ化して得ればよい。得られたジアゾニウム塩を含む反応液はそのままカップリング反応に用いればよい。または、ホウ弗化水素酸や塩化亜鉛を用いて、安定なジアゾニウム塩の結晶として回収した後に固体状でカップリング反応に供しても良い。
このようにして得られたジアゾニウム塩の溶液または結晶と、カップラー成分の溶液を混合しカップリング反応を行なうことにより本発明のモノアゾ化合物が得られる。カップリング反応は通常−5〜100℃において、1〜24時間程度行う。
カップリング反応後、冷却、加水などによりモノアゾ化合物を析出させ、吸引ろ過、フィルタープレスなどの常法により回収する。得られたモノアゾ化合物のプレスケーキは乾燥した後、あるいはそのままの状態で、各用途に応じて処理する。
また、本発明のモノアゾ化合物の別の製法として、2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸などのヒドロキシナフタレンカルボン酸誘導体と、適当なジアゾ成分とのカップリング反応の結果得られた化合物を、2−アミノチオフェノール誘導体と反応させることにより、3−位および/または6位に複素環を形成させてもよい。
上記のようにして得られたモノアゾ化合物またはその塩は、必要に応じてアルコール類および非プロトン性極性有機溶媒から選択される有機溶媒中に懸濁し、70〜150℃の加熱下で、1〜20時間、好ましくは3〜5時間程度撹拌して精製してもよい。精製は高速液体クロマトグラフィーによりカップラーの残存が確認されなくなる程度まで行えばよい。また、有機溶媒はモノアゾ化合物に対し8〜50重量倍、好ましくは8〜30重量倍程度を用いればよい。
かかる精製により、モノアゾ化合物の純度が向上し、また結晶粒子が熟成されて、結晶性が良好になる。また、未処理のモノアゾ化合物と比較して、耐光性や耐候性が優れたものとなる。
したがって、本発明は、このような本発明によるモノアゾ化合物またはその塩類の精製方法および該方法により精製された、上記モノアゾ化合物またはその塩を提供する。
上記精製方法に用いる有機溶媒としては、メタノール、2−プロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、N−メチル−2−ピロリドンなどの非プロトン性極性有機溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒の中でN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好適に用いられる。
また顔料として用いるために粒子径制御や微細化するために、モノアゾ化合物に、ニーディングやミリングなどの物理的な処理を行ってもよい。
このようにして得られた、本発明のモノアゾ化合物は黒色を呈する。なお、本明細書において「黒色を呈する」とは、色彩学上の「黒」のみならず、目視にて一般に黒、あるいは黒に近いと認識される色を呈する場合を包含する。本発明のモノアゾ化合物は、電子写真用トナーなどの顔料、顔料固溶体、インクジェット用インキあるいは一般印刷用の水性または油性の印刷インキ、自動車用あるいは建材用の、水性または油性の塗料、セルロース繊維用などの染料、およびディスプレー用カラーフィルターのブラックマトリックスの製造に用いるレジストインキとして好適に使用することができる。
本発明のモノアゾ化合物を含む顔料は、公知の方法に従い調製される。例えば、ロジンや各種界面活性剤などによりモノアゾ化合物粒子に表面処理し、かかる表面処理粒子にさらに分散剤、湿潤剤などを配合すればよい。ロジンとしては、ウッドロジン、ガムロジン、トール油ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、不均化ロジン、重合ロジンなどが好適に用いられる。界面活性剤としては陰イオン性、陽イオン性または非イオン性界面活性剤の何れを用いても良い。
本発明のモノアゾ化合物を含む顔料は、静電式複写機やレーザービームプリンタなどの電子写真用トナーの黒色着色剤として好適に用いることができる。かかるトナーは本発明のモノアゾ化合物を含む顔料と、定着用樹脂の混合物を常法に従い溶融混練した後、冷却して粉砕し分散することにより製造される。他の添加剤として、電荷制御剤、離型剤などを有していてもよい。
本発明のモノアゾ化合物を含む印刷インキは、公知の印刷インキと同様の製法によって製造される。本発明の印刷インキの成分としては例えば、水性、亜麻仁油などの植物油系、フェノール樹脂などの合成樹脂系のオフセットインキ用ワニス、ロジン類などの天然樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどの半合成樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステルなどの合成樹脂を用いたグラビアインキ用ワニスなどが挙げられる。
本発明のモノアゾ化合物を含む塗料は、公知の塗料と同様の製法によって製造される。本発明の塗料の成分には、樹脂成分としては、例えばアルキド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などから一種または二種以上が組み合わせて用いられる。溶剤成分としては、例えば水、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトンなどから一種または二種以上が組み合わせて用いられる。
本発明のモノアゾ化合物を含む染料は、公知の染料組成物と同様の製法によって製造される。本発明の染料組成物の成分には、分散剤、湿潤剤、脱泡剤、緩衝剤などを常法に従い用いれば良い。
本発明のモノアゾ化合物を含むレジストインキは、公知のレジストインキと同様の製法によって製造される。レジストインキはネガ型、ポジ型の何れのものでもよく、レジストインキの成分としては、例えば、光重合開始剤、付加重合可能な不飽和二重結合を有する化合物、バインダー樹脂、溶剤などが挙げられる。
本発明のレジストインキを用いてブラックマトリックスをディスプレー基盤上に形成させる方法は、公知の方法を用いれば良い。例えば、レジストインキをディスプレー基盤上に塗布した後に、加熱によりインキ中の溶剤を除去する。次いで、ディスプレー基盤にブラックマトリックスパターンを露光、現像し、洗浄後にベーキングすることによりブラックマトリックスが得られる。
本発明の新規モノアゾ化合物は、黒色を呈し、導電性が低く、強い着色力を有する。
【図面の簡単な説明】
図1 式[I]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図2 式[II]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図3 式[III]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図4 式[IV]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図5 式[V]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図6 式[VI]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図7 式[VII]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図8 式[VIII]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図9 式[IX]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図10 式[X]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図11 式[XI]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図12 式[XII]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図13 式[XIII]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図14 式[XIV]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図15 式[XV]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図16 式[XVI]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図17 式「XVII]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図18 式[XVIII]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図19 式[XIX]の化合物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【実施例1】

[ジアゾニウム塩の調製]
5−アミノフタルイミド15gを水105gに加え、35%塩酸39gを滴下した。系を5℃以下に保ち、16%亜硝酸ナトリウム水溶液48.7gを滴下した。滴下終了後、−2〜2℃で120分攪拌保持し、吸引ろ過を行って不溶物を除去し、5−ジアゾフタルイミドクロリドの水溶液を得た。
得られた水溶液を5℃に維持し、攪拌下、42%ホウ弗化水素酸水溶液39gを滴下した。析出物を吸引ろ過した後、イソプロピルアルコールで洗浄し、5−ジアゾフタルイミドテトラフルオロボラート22.7gを得た。
[カップラー溶液の調製]
N−メチル−2−ピロリドン48gに、2−ヒドロキシ−3,6−ビス−(1’,3’−ベンゾチアゾール−2’−イル)ナフタレン6.0g(14.6mmol)および98%の水酸化ナトリウム1.3gを添加、混合しカップラー溶液を調製した。
[ジアゾカップリング反応]
カップラー成分に対して1.2倍モル量の5−ジアゾフタルイミドテトラフルオロボラート4.6g(17.6mmol)を、系が8℃以下となるようにカップラー溶液に加え、12時間攪拌しジアゾカップリング反応を行った。得られた反応液に酢酸2.1gを添加し、120分攪拌した後、析出物を吸引ろ過により分離した。分離された析出物を、水およびメタノールで懸濁洗浄した後、乾燥し、式〔I〕に示すモノアゾ化合物の黒色粉末4.6gを得た(赤外吸収スペクトル(KBr法)を図1に示す)。
[精製]
得られたモノアゾ化合物を、10倍重量のN,N−ジメチルホルムアミドに懸濁した後、120℃まで昇温し、同温度で3時間撹拌した。室温まで冷却後にろ過してメタノールで十分に洗浄し、120℃のオーブンで乾燥した後、ブレンダーで粉砕した。
【実施例2〜11】
表1に示すジアゾニウム塩とカップラーを用いる以外は、実施例1と同様にして式〔II〕〜〔XIX〕の化合物の合成および、精製をそれぞれ行った(赤外吸収スペクトル(KBr法)をそれぞれ図2〜19に示す)。
なお、精製時の有機溶媒使用量については、実施例12、14、16〜18ではモノアゾ化合物に対して8倍重量とし、実施例15ではモノアゾ化合物に対し12倍重量とした。精製時の有機溶媒は、実施例17および18についてはN,N−ジメチルホルムアミドからN−メチル−2−ピロリドンに変更した。
また、ジアゾニウム塩として4−ジアゾ−N,N−ジメチルアニリンクロリド塩化亜鉛塩を用いる場合は、東京化成工業(株)製のものを使用した。
以下に、実施例16および17でカップラーとして使用する化合物、2−ヒドロキシ−3−[1’,3’−(1’’,2’’−ナフトチアゾール)−2’−イル]ナフタレンの合成例および実施例18および19でカップラーとして使用する化合物2−ヒドロキシ−3,6−ビス[1’,3’−(1’’,2’’−ナフトチアゾール)−2’−イル]ナフタレンの合成例を記載する。
合成例1
2−ヒドロキシ−3−[1’,3’−(1’’,2’’−ナフトチアゾール)−2’−イル]ナフタレン合成例
[1−アミノ−2−ナフタレンチオールの合成]
1−アミノ−ナフタレンチオールの合成は米国特許第4808580号記載の方法に従って行った。
塩化チオニル60mLに30〜40℃に保ちながら、1−(1−ナフチル)−2−チオ尿素14.5gを加え、塩化チオニル30mLを追加した後に、50〜55℃で1.5時間攪拌した。室温まで冷却した後に、酢酸エチル100mLを加え、析出物を吸引ろ過し、減圧下で乾燥し、ナフト[1,2−d]チアゾール−2−アミン14gを得た。
98%の水酸化ナトリウム20gの水20mLおよびエチレングリコール90mL溶液にナフト[1,2−d]チアゾール−2−アミン9.0gを加え、窒素気流下20時間還流した。水50mLを加えて希釈し、室温にまで冷却した。反応液をエーテルにより抽出し、水層を酢酸で中和した。中和後の水層をエーテルにより抽出し、得られたエーテル層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムにより水分を除去した。硫酸マグネシウムを除去した後、減圧下でエーテルを留去し、1−アミノ−2−ナフタレンチオール5.5gを得た。
[2−ヒドロキシ−3−[1’,3’−(1’’,2’’−ナフトチアゾール)−2’−イル]ナフタレンの合成]
2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸5.0g、1−アミノ−2−ナフタレンチオール5.5g及び三塩化リン4.4gをスルホラン30gに加え、140℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、析出物を吸引ろ過した。分離された析出物をメタノールで懸濁洗浄した後、乾燥し、2−ヒドロキシ−3−[1’,3’−(1’’,2’’−ナフトチアゾール)−2’−イル]ナフタレン5.7gを得た。
合成例2
[2−ヒドロキシ−3,6−ビス[1’,3’−(1’’,2’’−ナフトチアゾール)−2’−イル]ナフタレンの合成]
2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸5.0g、1−アミノ−2−ナフタレンチオール8.0g及び三塩化リン5.9gをスルホラン110gに加え、140℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、メタノールを加え、析出物を吸引ろ過した。分離された析出物をN−メチル−2−ピロリドンで懸濁洗浄し、メタノールで十分に洗浄した後、乾燥し、2−ヒドロキシ−3,6−ビス[1’,3’−(1’’,2’’−ナフトチアゾール)−2’−イル]ナフタレン4.1gを得た。








[黒色塗料作成例]
表2の組成物を50ccマヨネーズ瓶に入れ、振とう分散機(LAU社製DAS200)で2時間処理し顔料分散体を調製した。この顔料分散体にさらに表2に記載のアルキド樹脂ワニス7.93gおよびメラミン樹脂ワニス(大日本インキ(株)製SUPER BECKAMINE G−821−60)3.87gを加えて混合し、塗料を得た。
黒色を呈する化合物としては、以下のものを使用した。
・実施例2,3,4,6,7で得られた顔料
・比較例1:アニリンブラック(BASF製、PALIOGEN BLACK L 0080)
・比較例2:カーボンブラック(東海カーボン(株)製、トーカブラック#8500)

[塗料隠蔽性評価]
上記で得られた塗料を、OHPシート((株)内田洋行製、A4 0.1mm厚)にバーコーター Rod No.44を用いて塗布し、10分間室温で静置し乾燥した後120℃で25分間焼付けを行った。
得られた塗膜を隠蔽率測定紙(太佑機材(株)製、JIS K 5400)の上に置き、下地が黒の部分と白の部分との色差を測色計(サカタインクス(株)製Macbeth color−eye 7000、視野角2°)で測定し、隠蔽性を調べた。
隠蔽性の評価結果を表3に示す。


本発明の黒色を呈するモノアゾ化合物を含む塗料は、隠蔽性が高いものであった。
[塗膜耐候性評価]
表4の組成物を500ccアルミ缶に入れ、ホモディスパー(特殊機化工業(株)製TK−2.5)で2時間混合し顔料分散体を調製した。この顔料分散体にさらに表4記載のアルキド樹脂ワニスを26.6g、およびメラミン樹脂ワニス(大日本インキ(株)製SUPER BECKAMINE G−821−60)を15.8gそれぞれ加えて混合し、白色塗料を得た。

実施例2および実施例7で得られたモノアゾ化合物を用いて、前記黒色塗料作成例の処方により作成した塗料と、上記白色塗料を重量比で5:95となるようにそれぞれ混合し、淡色塗料を得た。
得られた淡色塗料を、クロメート処理アルミ板(太佑機材(株)製、A5052P 0.5mm厚)にバーコーター Rod No.44を用いて塗布し、10分間風乾後120℃で25分間焼付けを行い、淡色塗膜を形成した。
形成された淡色塗膜をスーパーキセノンウェザーオメーター(スガ試験機(株)製SX−75)を用い、下記試験条件にてキセノン光に曝露し、耐候性試験を実施した。100時間曝露後の色座標を測色計(サカタインクス(株)製Macbeth color−eye 7000、視野角2°)を用いて測定し、試験前との色差ΔEabを求めた。
同様に比較例1としてアニリンブラック(BASF製、PALIOGEN BLACK L 0080)を用いた淡色塗膜を作成し、耐候性評価を行った。淡色塗膜での耐候性評価結果を表5に示す。
暴露条件
曝露条件は以下の通りであった。
照射エネルギー 180W/m
照射1時間42分(ブラックパネル温度63℃、湿度50%RH)
降雨18分(乾球温度28℃、湿度95%RH)

本発明の黒色を呈するモノアゾ化合物を用いた淡色塗膜は、暴露後の色相変化が少なく耐候性の優れたものであった。
[インキ作成例]
表6の組成物をそれぞれ50ccマヨネーズ瓶に入れ、振とう分散機(LAU社製DAS200)で3時間処理し顔料分散体を調製した。OHPシート((株)内田洋行製、A4 0.1mm厚)にバーコーターRod No.10で塗布したのち風乾しインキ塗膜を形成した。

黒色を呈する化合物として、実施例1、2、6、および7で得られたモノアゾ化合物、比較例1(アニリンブラック(BASF製、PALIOGEN BLACK L 0080))、および比較例2(カーボンブラック(東海カーボン(株)製、トーカブラック#8500))を用いた。
上記インキ塗膜をキセノン光(ATLAS社製、SUNTEST CPS+)を用い、ブラックスタンダード温度45℃、照射エネルギー756W/mの条件下で曝露した。100時間後の色相の変化を変褪色用グレースケール(JIS L 0804)を参照し目視で評価した。結果を表7に示す。

本発明の黒色を呈するモノアゾ化合物を用いたインキ塗膜は、キセノン光暴露後の色相変化が少なく耐光性の優れたものであった。
[耐熱性評価]

黒色を呈する化合物として、実施例1、2、6、および7で得られたモノアゾ化合物、および比較例1(アニリンブラック(BASF製、PALIOGEN BLACK L 0080))を用いた。
各黒色を呈する化合物を含む、上記表8の組成物をそれぞれ1リットルのポリ瓶に入れシェーカー(太佑機材(株)製、ターブラーミキサー)で12分間振とう分散した。得られたポリプロピレン組成物を射出成型機(ソディックプラスティック(株)製、TUPARL TR−80S)を使用し200℃にて成形試験片を得た。また、同射出成型機内にて260℃5分間滞留させた後、成形試験片を得た。200℃成型品と260℃成型品の色座標を測色計(サカタインクス(株)製Macbeth color−eye 7000、視野角2°)を用いて測定し、両者の色差ΔEabを求めた。結果を表9に示す。


本発明の黒色を呈するモノアゾ化合物を用いて着色した成形試験片は、射出成形機内で260℃で滞留させても、200℃での成形試験片との色相変化が少なく、耐熱性に優れたものであった。
[ブラックマトリックス作成例]
黒色を呈する化合物として、実施例2,6,7で得られたモノアゾ化合物、および比較例1としてアニリンブラック(BASF製、PALIOGEN BLACK L 0080)を用いた。表10に示す組成で、50ccマヨネーズ瓶に仕込み、振とう分散機(LAU社製DAS200)で6時間処理し、顔料分散体を得た。得られた顔料分散体に、表11に示す材料を加えた後、上記の振とう分散機にて30分処理し、フォトリソグラフィー法用の黒色インキ組成物を調製した。


得られた黒色インキ組成物を、バーコーターRod No.10を用いスライドグラスに塗布した後、80℃のオーブンで5分乾燥しインク塗膜を得た。得られた塗膜の一部をマスキングした後、高圧水銀ランプを用い200mJ/cmの条件で露光した。その後、0.5%炭酸水素ナトリウム水溶液を用い25℃で現像を行ない、さらに220℃のオーブンで20分間乾燥してブラックマトリックスを得た。
得られたブラックマトリックスを隠蔽率測定紙(太佑機材(株)製、JIS K 5400)の上に置き、下地が黒の部分と白の部分との色差を測色計(サカタインクス(株)製Macbeth color−eye 7000、視野角2°)で測定し、隠蔽性を調べた。
隠蔽性の評価結果を表12に示す。

本発明の黒色を呈するモノアゾ化合物を含むレジストインキにより得られたブラックマトリックスは、隠蔽性が高いものであった。また高圧水銀ランプの照射後、変褪色等の光劣化も見られなかった。
産業上の利用の可能性
本発明のモノアゾ化合物は、電子写真用トナーなどの顔料、顔料固溶体、インクジェット用インキあるいは一般印刷用の水性または油性の印刷インキ、自動車用あるいは建材用の、水性または油性の塗料、セルロース繊維用などの染料、およびディスプレー用カラーフィルターのブラックマトリックスの製造に用いるレジストインキとして好適に使用することができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式〔1〕で表されるモノアゾ化合物またはその塩;

[式中、YおよびYは、水素原子、式〔2〕および式〔3〕;

からなる群から選択される基(但しYおよびYのうち少なくとも一方は式〔2〕で表される基である);
Aは、置換基を有していてもよい芳香族基または置換基を有していてもよい共役二重結合を有する複素環基;
Eは、−O−、および−NH−から選択される基;
Xは、水素原子、炭素原子数1〜20の分岐を有してもよく置換基を有していてもよく不飽和結合を有してもよい脂肪族基、置換基を有してもよい芳香族基、および置換基を有してもよい共役二重結合を有する複素環基からなる群から選択される基;
は、分岐を有してもよい低級アルキル基および低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、およびニトロソ基からなる群から選択される基;
kは、0〜3の整数;
は、水素原子、アルカリ金属、炭素原子数が1〜20の分岐を有してもよく置換基を有していてもよいアルキル基およびアシル基、およびフェニルアルキル基からなる群から選択される基;
Zは下記式〔4〕、〔5〕、〔6〕

からなる群から選択される基;
は、ハロゲン原子、ハロゲン化低級アルキル基、ニトロ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、フェノキシ基、アミノ基、ピリミジルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、スルホン酸基、水酸基、低級アルキルアミノスルホニル基、低級アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、および炭素原子数2〜6のアルケニル基からなる群から選択される基(Qが芳香族基を含む場合、該芳香族基はさらに一個以上のハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニル基およびシアノ基からなる群から選択される置換基を有していてもよい);
mは0〜4の整数;
nは0〜3の整数;
およびRは、異なっていても同じでもよく、水素原子、分岐を有してもよく置換基を有してもよい低級アルキル基、低級脂肪族アシル基、置換基を有してもよいベンゾイル基および、置換基を有してもよいフェニル基からなる群から選択される基を示す(RおよびRが芳香族基を含む場合、該芳香族基はさらに一個以上のハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニル基およびシアノ基からなる群から選択される置換基を有していてもよい)]。
【請求項2】
下記式〔7〕

[式中、Y、Y、Q、k、およびRは請求項1と同意]
で表されるカップラーと、式〔8〕、〔9〕、および〔10〕

[式中、Q、m、n、R、およびRは請求項1と同意]
から選択されるアニリン類をジアゾ化して得られたジアゾニウム塩とを、カップリング反応させることを特徴とする、請求項1記載のモノアゾ化合物の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載のモノアゾ化合物またはその塩を、アルコール類および非プロトン性極性有機溶媒から選択される有機溶媒中に懸濁し、70〜150℃の加熱下で撹拌する工程を含む、請求項1記載のモノアゾ化合物またはその塩の精製方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法で精製された、請求項1記載のモノアゾ化合物またはその塩。
【請求項5】
請求項1記載のモノアゾ化合物を含む顔料。
【請求項6】
請求項1記載のモノアゾ化合物を含む印刷インキ。
【請求項7】
請求項1記載のモノアゾ化合物を含む塗料。
【請求項8】
請求項1記載のモノアゾ化合物を含む染料。
【請求項9】
請求項1記載のモノアゾ化合物を含むレジストインキ。
【請求項10】
請求項9記載のレジストインキで作成された、ディスプレー用ブラックマトリックス。

【国際公開番号】WO2004/108833
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【発行日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506817(P2005−506817)
【国際出願番号】PCT/JP2004/007994
【国際出願日】平成16年6月2日(2004.6.2)
【出願人】(000146423)株式会社上野製薬応用研究所 (30)
【Fターム(参考)】