説明

モノアゾ染料

本発明は、式(I)の新規アゾ染料、記録材料(特に、紙又は紙様基材、紡織繊維材料、プラスチックフィルム及びプラスチック透明材料)にインクジェットプリント法により印刷するためのかかる化合物及び/又は混合物の使用、並びにまたそれによって印刷された記録材料に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規染料及びそれらの混合物、記録材料(特に、紙又は紙様基材、紡織繊維材料、プラスチックフィルム及びプラスチック透明材料)にインクジェットプリント法により印刷するためのかかる化合物及び/又は混合物の使用、並びにまたそれによって印刷された記録材料に関する。
【0002】
インクジェットプリント法は、工業的適用についてますます重要になりつつある。
【0003】
インクジェットプリント法は公知である。以下の記載において、インクジェット印刷の原理は、非常に簡単にしか論考されない。この技術の詳細は、たとえば、「Chemistry and Technology of Printing and Imaging Systems」,Peter Gregory(編者),Blackie Academic & Professional,Chapmann & Hall,1996,第113〜138頁におけるR.W.Kenyonの「インクジェット印刷」のセクションにおいて及びそこにおいて引用された参考文献に記載されている。
【0004】
インクジェットプリント法において、インキの個々の液滴が、ノズルから基材上に制御態様にて吹き付けられる。この目的のために、連続式インクジェット法及びドロップ・オン・デマンド法が主として用いられる。連続式インクジェット法の場合において、液滴は連続的に生成され、そして印刷に必要とされなかった液滴は捕集容器中にそらされそして再循環される。対照的に、不連続式ドロップ・オン・デマンド法の場合において、液滴は所望に応じて発生されそして印刷され、すなわち、液滴はこれが印刷に必要である時のみ発生される。液滴は、たとえば、ピエゾインクジェットヘッドにより又は熱エネルギー(バブルジェット(登録商標))により発生され得る。
【0005】
追加的にイエロー、マゼンタ又はシアンインキを備えた少なくとも1個のノズルを並んで配置することにより、色再現を高品質にて得ることが可能である。この方法は、多色印刷として、又は三色成分が用いられる場合三色印刷として知られている。
【0006】
本発明の組成物は、紙又は紙様基材、紡織繊維材料、プラスチックフィルム及びプラスチック透明材料に印刷するためのあらゆる公知の適当なインクジェットプリンターと共に用いられ得る。これは単色印刷における使用に対してのみならず、多色印刷特に三色印刷に対しても当てはまる。
【0007】
インクジェットプリント法用インキの組成物は、インクジェット用インキの特定の要件を満たすために、適当な導電率、貯蔵中の無菌性、粘度及び表面張力を有さねばならない。加えて、記録材料上の印刷物は、良好な性質及び堅牢度を有さねばならない。紙に施用される場合、特に微孔質紙上に施用される場合、オゾンに対する堅牢度が主として重要である。
【0008】
有用な記録材料は、上記に挙げられたように、好ましくは、紙及び紙様基材、紡織繊維材料、プラスチックフィルム並びにプラスチック透明材料である。しかし、ガラス及び金属もまた用いられ得る。
【0009】
有用な紙又は紙様基材は、あらゆる公知のかかる材料を包含する。好ましいものは、インキ組成物に対して格別受理性である物質で少なくとも片側がコーティングされた紙又は紙様基材である。かかる紙又は紙様材料は、とりわけ、独国特許発明第3018342号明細書、独国特許発明第4446551号明細書、欧州特許第164196号明細書及び欧州特許第875393号明細書に記載されている。
【0010】
有用な紡織繊維材料は、特に、ヒドロキシル含有繊維材料である。好ましいものは、セルロース繊維材料(セルロースから成るか又は含む)である。それらの例は、木綿、リネン又は大麻のような天然繊維材料、並びにたとえばビスコース及びまた溶解細胞のような再生繊維材料である。
【0011】
有用なプラスチックフィルム又はプラスチック透明材料は、あらゆる公知のかかる材料を包含する。好ましいものは、インキ組成物に対して格別受理性である物質で少なくとも片側がコーティングされたプラスチック又はプラスチック透明材料である。かかるプラスチックフィルム又はプラスチック透明材料は、とりわけ、欧州特許第755332号明細書、米国特許第4935307号明細書、米国特許第4956230号明細書、米国特許第5134198号明細書及び米国特許第5219928号明細書に記載されている。
【0012】
分散ベンゾチアゾールアゾ染料は、ジアゾ成分として用いられる常にハロゲン置換されたベンゾチアゾール誘導体及び様々なカップリング成分を教示する独国特許発明第3433957号明細書及び特開2002−309117号公報から公知である。欧州特許第331170号明細書は、容易に揮発する染料を開示する。しかしながら、染料の性質を改善して、上記に記載されたような要件を満たす適応性質を備えた染料を提供する必要が依然としてある。
【0013】
本発明は、式(I)
【化1】

〔ここで、
1、R2、R3、R4は互いに独立して、H、Cl、Br、F、SO3H、SO2R、SO2NR′R″、COOR、COOH、OH、アルキル、アリール、アルコキシ、NCOCH3又はNR′R″を意味し、あるいは二つの隣接置換基R1、R2、R3又はR4は一緒に、ベンゾチアゾール部にアニールされる環を形成し、しかもこの環は非置換又はSO3Hにより置換され得、
【0014】
5、R6、R7、R8、R9は互いに独立して、H、Cl、Br、F、アルキル、アリール、アルコキシ、SO3H、SO2R、NR′R″を意味し、あるいは二つの隣接置換基R5、R6、R7、R8又はR9は一緒に、フェニル部にアニールされる環を形成し、しかもこの環は非置換又はSO3Hにより置換され得、
【0015】
Rは、H、アルキル又はアリール基であり、しかもこれらの基は置換されていても又は置換されていなくてもよく、あるいはR′及びR″は互いに独立して、H、アルキル又はアルコキシ又はアリール基であり、しかもこれらの基は置換されていても又は置換されていなくてもよく、
但し、置換基R5、R6、R7、R8、R9の少なくとも一つはHとは異なることを条件とする〕
による染料、並びにそれらの塩及び/又はそれらの混合物を提供する。
【0016】
本発明による好ましい染料は、式(I′)
【化2】

〔ここで、
R′1、R′2、R′3、R′4は互いに独立して、H、SO3H、SO2R、SO2NR′R″、COOR、COOH、アルキル、アルコキシ、NCOCH3又はNR′R″を意味し、あるいは二つの隣接置換基R′1、R′2、R′3又はR′4は一緒に、ベンゾチアゾール部にアニールされる環を形成し、しかもこの環は非置換又はSO3Hにより置換され得、しかし置換基R′1、R′2、R′3又はR′4の少なくとも二つはHを意味し、
【0017】
R′5、R′6、R′7、R′8、R′9は互いに独立して、H、アルキル、アリール、メトキシ又はエトキシ、SO3H、SO2CH2CH2−OH、NR′R″を意味し、あるいは二つの隣接置換基R′5、R′6、R′7、R′8又はR′9は一緒に、フェニル部にアニールされる環を形成し、しかもこの環は非置換又はSO3Hにより置換され得、しかしR′5、R′6、R′7、R′8又はR′9の少なくとも二つはHを意味し、
R、R′及びR″は、上記に定義されたとおりであり、
但し、置換基R′5、R′6、R′7、R′8、R′9の少なくとも一つはHとは異なることを条件とする〕
を有し、並びにそれらの塩及び/又はそれらの混合物である。
【0018】
式(I)又は(I′)による更に好ましい化合物において、R9又はR′9はHを意味する。更に好ましい化合物において、Hとは異なる置換基R′5、R′6、R′7、R′8、R′9の少なくとも一つはSO3Hである。
【0019】
本発明による一層好ましい染料は、式(I″)
【化3】

〔ここで、
R″1、R″2、R″3、R″4は互いに独立して、H、SO3H、SO2CH2CH2−OH、SO2NH2、SO2N(CH32、COOH、COOCH3、COOCH2CH3、CH3、CH2CH3、OCH2CH2OH、NCOCH3、N(CH32又はNH2を意味し、あるいは二つの隣接置換基R″1、R″2、R″3又はR″4は一緒に、ベンゾチアゾール部にアニールされる6員環を形成し、しかもこの6員環は非置換又はSO3Hにより置換され得、しかし置換基R″1、R″2、R″3又はR″4の少なくとも二つはHを意味し、
【0020】
R″5、R″6、R″7、R″8、R″9は互いに独立して、H、メチル、エチル、アリール、メトキシ又はエトキシ、SO3H、SO2CH2CH2−OH、NH2を意味し、あるいは二つの隣接置換基R″5、R″6、R″7、R″8又はR″9は一緒に、フェニル部にアニールされる6員環を形成し、しかもこの6員環は非置換又はSO3Hにより置換され得、しかしR″5、R″6、R″7又はR″8の少なくとも一つはHを意味し、
但し、置換基R″5、R″6、R″7、R″8、R″9の少なくとも一つはHとは異なることを条件とする〕
を有し、並びにそれらの塩及び/又はそれらの混合物である。
【0021】
フェニルにアニールされる好ましい6員環は、式
【化4】

〔ここで、星印は、フェニルへの結合点を意味する〕
を有する。
【0022】
好ましさによれば、式(I)、(I′)又は(I″)による一層好ましい化合物は、少なくとも1個の可溶化基を担持する。式(I)、(I′)又は(I″)による最も好ましい化合物は、少なくとも2個の可溶化基を担持する。好ましさによれば、可溶化基の少なくとも一つはカップリング成分中に位置し、しかしてこれは、置換基R5、R6、R7、R8、R9又はR′5、R′6、R′7、R′8、R′9又はR″5、R″6、R″7、R″8、R″9のそれぞれ少なくとも一つが可溶化基を意味するあるいは二つの隣接置換基R5、R6、R7、R8又はR9が一緒にフェニル部にアニールされる環を形成する場合、これらのアニール環が少なくとも可溶化基により置換され、そしてこの可溶化基は元のフェニル環に位置するか又は二つの隣接置換基R5、R6、R7、R8、R9若しくはR′5、R′6、R′7、R′8、R′9若しくはR″5、R″6、R″7、R″8、R″9によりそれぞれ新たに形成された環に位置するかのどちらかであることを意味する。好ましさによれば、かかる可溶化基は、スルホ、カルボキシ及びヒドロキシエチルスルホニル(−SO2CH2CH2OH)基の群から選択される。好ましい可溶化基は、スルホ基である。
【0023】
上記に言及されたアルキル及びアルコキシ基は、好ましくは8個までの炭素原子一層好ましくは4個までの炭素原子を有する基(たとえば、ブチル)、一層好ましくは1又は2個の炭素原子を有する基である。それらに関しての置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アルコキシ、アシル、アシルオキシ又はアシルアミノであり得る。3個又はそれ以上の炭素原子を有するかかるアルキル又はアルコキシ基は、直鎖状、分枝状又は環状(たとえば、シクロヘキシル)であり得る。
【0024】
本発明は、その側面の別の側面において、式Iによる染料の製造方法であって、式II
【化5】

のジアゾ化アミンを式III
【化6】

の化合物とカップリングする方法を提供する。
【0025】
式II及びIIIの化合物は公知の出発物質であるけれども、それらはまた普通に入手できる試薬から公知合成によって容易に合成され得る。ジアゾ化及びカップリングは、通常の態様にて遂行される。好ましくは、アミンIIは、0℃から20℃の温度にて及び0から2一層好ましくは0から1のpHにてジアゾ化される。カップリング反応は、好ましくは、0℃から40℃の温度にて及び0から7一層好ましくは0から6のpHにて行われる。
【0026】
式(I)による染料は、公知方法に従って、たとえばアルカリ金属塩での塩析、濾過及び乾燥(随意に、わずかに高められた温度にて真空中で)により、反応媒質から単離され得る。
【0027】
反応及び/又は単離条件に依存して、式(I)による染料は、遊離酸、塩又は混合塩の形態(たとえば、アルカリ金属カチオン(たとえば、リチウムイオン、ナトリウムイオン)又はアンモニウムイオン又はアルキルアンモニウムカチオン(たとえば、モノ、ジ又はトリメチル又はエチルアンモニウムカチオン)又はヒドロキシアルキルアンモニウムカチオン(たとえば、モノ、ジ又はトリヒドロキシエチルアンモニウムカチオン)から選択された1個又はそれ以上のカチオンを含有する)として得られ得る。一層好ましいカチオンは、アンモニウム(NH4+)又はトリエタノールアンモニウムカチオン又はリチウム若しくはナトリウムカチオンである。染料は、慣用技法に従って、遊離酸形態から塩若しくは混合塩形態に又はその逆にあるいはある塩の形態から別の塩の形態に変換され得る。
【0028】
本化合物はまた、混合塩であり得る。更なる好ましい具体的態様において、染料は80〜100%(重量)のリチウムカチオン及び0〜20%のナトリウムカチオンの混合塩形態にあり、そして一層好ましい具体的態様において、混合塩形態は85〜95%のリチウムカチオン及び5〜15%のナトリウムカチオンを含む。更なる好ましい具体的態様において、染料は80〜100%(重量)のトリエタノールアンモニウムカチオン及び0〜20%のナトリウムカチオンの混合塩形態にあり、そして一層好ましい具体的態様において、混合塩形態は85〜95%のトリエタノールアンモニウムカチオン及び5〜15%のナトリウムカチオンを含む。
【0029】
式(I)の化合物は、染色用調製物に変換され得る。安定な液状(好ましくは水性)又は固体状(粒状又は粉末の形態)の染色用調製物への加工は、一般的に知られた態様にて行われ得る。
【0030】
本発明の更なる具体的態様は、インクジェットプリント法のための上記の化合物の使用に関する。
【0031】
本発明の更なる具体的態様は、記録材料好ましくは紙及び紙様基材、紡織繊維材料、プラスチックフィルム並びにプラスチック透明材料に印刷するためのインクジェット印刷用組成物であって、
1)上記に定められたとおりの染料の混合物、及び
2)水、又は水と有機溶媒の混合物、無水有機溶媒若しくは低融点を有する固体を含む媒質
を含むインクジェット印刷用組成物に関する。
【0032】
インクジェット印刷用組成物は、随意に、更なる添加剤を含み得る。
【0033】
本発明の更なる具体的態様は、インクジェットプリント法のための上記の組成物の使用に関する。
【0034】
インキにおいて用いられる式(I)の染料は、好ましくは、塩について低量であるべきであり、すなわち染料の重量を基準として0.5重量%未満の総塩含有率を有すべきである。より高い塩含有率を有する染料(それらの製造及び/又は体質顔料のその後の添加に因り)は、たとえば限外濾過、逆浸透又は透析のような膜分離法により、脱塩され得る。
【0035】
インキは、好ましくは、インキの総重量を基準として0.5から35重量%の範囲好ましくは1から35重量%の範囲一層好ましくは2から30重量%の範囲最も好ましくは2.5から20重量%の範囲にある総量の染料を含む。
【0036】
インキは、99.5〜65重量%好ましくは99〜65重量%一層好ましくは98〜70重量%最も好ましくは97.5〜80重量%の上記の媒質2)(水と有機溶媒の混合物、無水有機溶媒又は低融点を有する固体を含む)を含む。
【0037】
本発明のインキ組成物が紙又は紙様基材に印刷するために用いられる場合、インキは、好ましくは、次の組成物と一緒に用いられる。
媒質が水と有機溶媒の混合物である場合、水対有機溶媒の重量比は、好ましくは99:1から1:99の範囲一層好ましくは99:1から50:50の範囲特に好ましくは95:5から80:20の範囲にある。
【0038】
水との混合物中に含められる有機溶媒が、水溶性溶媒又は様々な水溶性溶媒の混合物であることが好ましい。好ましい水溶性有機溶媒は、C1〜6アルコール、好ましくはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、シクロペンタノール及びシクロヘキサノール;線状アミド、好ましくはジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド;ケトン及びケトアルコール、好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン及びジアセトンアルコール;水混和性エーテル、好ましくはテトラヒドロフラン及びジオキサン;ジオール、好ましくは2から12個の炭素原子を有するジオールたとえば1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール及びチオジグリコール並びにオリゴ及びポリアルキレングリコール、好ましくはジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール;トリオール、好ましくはグリセロール及び1,2,6−ヘキサントリオール;ジオールのモノ−C1〜4アルキルエーテル、好ましくは2から12個の炭素原子を有するジオールのモノ−C1〜4アルキルエーテル、特に好ましくは2−メトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エタノール、2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]エタノール、ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル及びポリオキシエチレンアルキルエーテル(たとえば、KAO Corp.のエマルゲン(Emulgen)66(Emulgenはthe Kao Corp.の商標である));アルカノールアミン、好ましくは2−ジエチルアミン−1−エタノール、3−ジメチルアミン−1−プロパノール、3−ジエチルアミン−1−プロパノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エタノール、モノ、ジ、トリエタノールアミン、モノグリコールアミン及びポリグリコールアミン(独国特許出願公開第2061760号明細書に記載されているように、適当な比率にてアンモニア、アルキル又はヒドロキシアルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、モノ、ジ及びトリエタノールアミンのような)とアルキレンオキシド(たとえば、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド又は2,3−ブチレンオキシド)との反応により得られ得る)、好ましくはジエチレングリコールアミン、トリエチレングリコールアミン、ビス−ジエチレングリコールアミン、ポリオキシエチレン−(6)−トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン−(9)−トリエタノールアミン、O−(2−アミノエチル)−ポリエチレングリコール750、O,O−ビス−(2−アミノプロピル)−ポリエチレングリコール500、800、1900、2000、O,O′−ビス−(3−アミノプロピル)−ポリエチレングリコール1500;環状アミド、好ましくは2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシ)エチル−2−ピロリドン、カプロラクタム及び1,3−ジメチルイミダゾリドン;環状エステル、好ましくはカプロラクトン;スルホキシド、好ましくはジメチルスルホキシド及びスルホランである。
【0039】
好ましい組成物において、2)による媒質は、水及び少なくとも2種又はそれ以上一層好ましくは2から8種の水溶性有機溶媒を含む。
【0040】
特に好ましい水溶性溶媒は、環状アミド特に2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン及びN−エチル−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシ)エチル−2−ピロリドン;C1〜6アルコール好ましくはn−プロパノール、シクロヘキサノール;ジオール好ましくは1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、チオジグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び1,2−プロピレングリコール;トリオール好ましくはグリセロール;並びにジオールのモノ−C1〜4アルキル及びC1〜4アルキルエーテル一層好ましくは2から12個の炭素原子を有するジオールのモノ−C1〜4アルキルエーテル特に好ましくは2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エタノール、ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル(たとえば、KAO Corp.のエマルゲン(Emulgen)66(Emulgenはthe Kao Corp.の商標である));2−ジエチルアミン−1−エタノール、3−ジメチルアミン−1−プロパノール、3−ジエチルアミン−1−プロパノール、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)−エタノール、トリエタノールアミン、ジエチレングリコールアミン、ポリグリコールアミン好ましくはポリオキシエチレン−(6)−トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン−(9)−トリエタノールアミン、O−(2−アミノエチル)−ポリエチレン750、O,O−ビス−(2−アミノプロピル)−ポリエチレン500及びO,O′−ビス−(3−アミノプロピル)−ポリエチレングリコール1500である。
【0041】
2)による好ましい媒質は、
(a)75から95重量部の水、及び
(b)25から5部の1種又はそれ以上の水溶性溶媒
を含み、しかして部数は重量により、そして(a)及び(b)のすべての部数は総計100になる。
【0042】
水及び1種又はそれ以上の有機溶媒を含む更なる有用なインキ組成物の例は、米国特許第4963189号明細書、米国特許第4703113号明細書、米国特許第4626284号明細書及び欧州特許出願公開第425150号明細書に見られる。
【0043】
2)による媒質が無水(すなわち、1重量%未満の水)有機溶媒を含む場合、この溶媒は、30〜200℃一層好ましくは40〜150℃特に好ましくは50〜125℃の沸点を有する。
【0044】
有機溶媒は、水不溶性溶媒、水溶性溶媒、又はかかる溶媒の混合物であり得る。
【0045】
好ましい水溶性有機溶媒は、上記に記載された水溶性有機溶媒のすべて及びそれらの混合物である。
【0046】
好ましい水不溶性溶媒は、とりわけ、脂肪族炭化水素;エステル好ましくはエチルアセテート;塩素化炭化水素好ましくはCH2Cl2;及びエーテル好ましくはジエチルエーテル;並びにそれらの混合物を包含する。
【0047】
2)による液体媒質が水不溶性有機溶媒を含む場合、液体媒質中における染料の溶解性を増加するために、極性溶媒を添加することが好ましい。
【0048】
かかる極性溶媒の例は、C1〜4アルコール好ましくはエタノール又はプロパノール;ケトン好ましくはメチルエチルケトンである。
【0049】
無水有機溶媒は、単一溶媒、又は2つ若しくはそれ以上の異なる溶媒の混合物から成り得る。
【0050】
それが異なる溶媒の混合物である場合、2つから5つの異なる無水溶媒を含む混合物が好ましい。これは、貯蔵中のインキ組成物の乾燥性質及び安定性の良好な制御を可能にするところの2)による媒質を提供することを可能にする。
【0051】
無水有機溶媒又はそれらの混合物を含むインキ組成物は、速い乾燥時間が要求される場合並びに特にそれらがプラスチック、金属及びガラスのような疎水性で非吸収性の基材上の印刷物のために用いられる場合、格別有益である。
【0052】
好ましい低融点媒質は、60から125℃の融点を有する。有用な低融点固体は、長鎖脂肪酸又はアルコール好ましくはC18〜24炭素鎖を有するもの、及びスルホンアミドを包含する。
【0053】
本発明のインキ組成物は、更に、助剤として、インクジェット用インキにおいて通常用いられる追加の成分、たとえば粘度改善剤、表面張力改善剤、殺生物剤、腐食防止剤、均染剤、乾燥剤、保湿剤、インキ浸透用添加剤、光安定剤、UV吸収剤、蛍光増白剤、凝固減少剤、イオン性又は非イオン性界面活性剤、導電性塩及びpH緩衝剤を含み得る。
【0054】
これらの助剤は、好ましくは、0〜5重量%の量にて添加される。
【0055】
本発明のインキ組成物における沈殿を防ぐために、用いられる染料は、清浄に精製されねばならない。これは、普通に知られた精製方法でもって行われ得る。
【0056】
紡織繊維材料に印刷する場合、溶媒のほかに、有用な添加剤は、水溶性非イオン性セルロースエーテル又はアルギン酸塩を包含する。
【0057】
好ましい材料は、紙である。紙は、無地であっても又は処理されていてもよい。
1から40mPa.s特に5から40mPa.s好ましくは10から40mPa.sの粘度を有するインキ組成物が好ましい。10から35mPa.sの粘度を有するインキ組成物が特に好ましい。
【0058】
15〜73mN/m特に20〜65mN/m特に好ましくは30〜50mN/mの表面張力を有するインキ組成物が好ましい。
【0059】
0.1〜100mS/cm特に0.5〜70mS/cm特に好ましくは1.0〜60mS/cmの導電率を有するインキ組成物が好ましい。
【0060】
インキは、更に、緩衝剤物質、たとえば硼砂、ホウ酸塩又はクエン酸塩を含み得る。それらの例は、ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムである。
【0061】
それらは、たとえば5から9特に6から8のpHに設定するために、インキの総重量を基準として特に0.1から3重量%好ましくは0.1から1重量%の量にて用いられる。アルギン酸塩インキの場合において、クエン酸塩緩衝剤が好ましい。
【0062】
インキは、更に、慣用の添加剤、たとえば抑泡剤又は特にカビ及び/若しくは細菌発育阻止剤を含み得る。これらは、慣用的に、インキの総重量を基準として0.01から1重量%の量にて用いられる。
【0063】
本発明の方法により得られ得る印刷物は、良好な全般的堅牢度、良好な光堅牢度、並びにまたシャープな輪郭及び高い色強度を有する。インキは、高い光学密度の印刷物をもたらす。
【0064】
用いられる印刷インキは、良好な安定性及び良好な粘度特性について特筆すべきである。本発明の記録液は、インクジェット法に適した範囲内にある粘度値及び表面張力値を有する。印刷中に高い剪断力が発生する場合においてさえ、粘度は実質的に未変化のままである。
【0065】
貯蔵中の本発明による記録液は、不鮮明な印刷物又はノズルの閉塞に通じる沈殿物の形成の傾向がない。
【0066】
本発明の更なる側面は、三色印刷における印刷インキの使用である。三色印刷は、あらゆる記録材料に非常に多く適用されている。この印刷手法は、通常、黄、赤及び青インキ組成物でもって行われる。更に、本発明の黄色染料処方物又は組成物は、ブラック、マゼンタ及び/又はシアン記録液との組合わせにてインキセットとして用いられ得る。
【0067】
本発明による染料、染料処方物又は組成物は、他の染料、染料処方物又は組成物に色合いを与えるために用いられ得る。一方、本発明による染料、染料処方物又は組成物はそれ自体、所望の色合いを達成するために他の適合性の染料、染料処方物又は組成物と配合され得る。染料、染料処方物又は組成物を配合する代わりに、所望の色を達成するために異なる色合いのインキを混合することも可能である。
【0068】
たとえば、色合いを与える着色剤は、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、16、17、42、53、73、74、81、83、97、102、111、120、126、127、139、147、151、154、155、173、174、175、176、180、181、184、191、192、194、196、213、214、C.I.ピグメントオレンジ5、13、34、36、38、43、62、68、70、71、72、73、74、C.I.ピグメントレッド2、3、4、5、9、12、14、38、48:2、48:3、48:4、52:2、53:1、57:1、101、112、122、144、146、147、149、168、169、170、175、176、179、181、184、185、187、188、208、209、210、214、219、242、247、253、254、256、257、262、263、266、297、254、255、272、C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、28、56、61、60、75、80、C.I.ピグメントグリーン7、8、10、17、36、50から成る群(とりわけ)から選択され得る。色合いを与える着色剤は、乾燥染料混合物の総重量を基準として0.001から5重量%好ましくは0.01から1重量%の量にて存在する。
【0069】
本発明は更に、本発明による組成物で印刷された記録材料を提供する。
【0070】
更に、本発明の染料処方物又は組成物は、電子写真用のトナー及び現像剤たとえば一成分系及び二成分系粉末トナー、磁性トナー、液状トナー、重合トナー並びに他の特殊トナーにおける着色剤として有用である。
【0071】
典型的なトナーバインダーは、スチレン、スチレン−アクリレート、スチレン−ブタジエン、アクリレート、ポリエステル、フェノール及びエポキシ樹脂、ポリスルホン、ポリウレタン(個々に又は組合わせにて)のような付加重合、重付加及び重縮合樹脂、並びにまたポリエチレン及びポリプロピレンであり、しかもそれらの中に又はそれらに、電荷制御剤、ロウ又は流動剤のような更なる成分が存在し得又はその後に添加され得る。本発明による染料処方物又は組成物は更に、物品たとえば金属、木材、プラスチック、ガラス、セラミック、コンクリート、繊維材料、紙又はゴム製の物品の表面に塗布するために用いられる粉末及び粉末塗料特に摩擦電気的に又は静電気的に吹き付けられる粉末塗料における着色剤として有用である。用いられる粉末塗料用樹脂は、典型的には、慣用硬化剤と一緒に用いられるエポキシ樹脂、カルボキシル含有及びヒドロキシル含有ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂並びにアクリル樹脂である。樹脂の組合わせもまた用いられる。たとえば、エポキシ樹脂は、しばしば、カルボキシル含有及びヒドロキシル含有ポリエステル樹脂との組合わせにて用いられる。
【0072】
本発明の染料処方物又は組成物はまた、加法式及び減法式色生成のための色フィルター用の着色剤として(P.Gregory,「Topics in Applied Chemistry: High Technology Applications of Organic Colorants」,Plenum Press,ニューヨーク,1991,第15〜25頁)並びに電子新聞用の電子インキにおける着色剤として有用である。
【0073】
以下の例は、本発明を例示する。別段記載されていなければ、温度は摂氏度にてであり、部数及び百分率は重量による。
【0074】
例: 2−アミノ−ベンゾチアゾール−5−スルホン酸の合成
218gの2−アミノ−ニトロベンゼン−5−スルホン酸を1100mlの1.0モル硫酸に5℃にて添加し、そしてジアゾ化した。生じた懸濁液を180mlの水、152gのNH4SCN及び5gのCu(SCN)2の溶液に0から5℃にて添加し、そして室温にて更に3時間撹拌した。この反応混合物を1000mlの水、500gの鉄粉末及び17gの37%塩酸の熱(90から95℃)懸濁液中に注ぎ、そして生じた懸濁液を還元が完了されるまで撹拌した。この混合物を9より大のpHにもたらし、そしてこの鉄スラリーを濾別した。pHを下げることにより生成物を沈殿させ、濾別し、洗浄し、そして乾燥した。これにより、200gの生成物(2−アミノ−ベンゾチアゾール−5−スルホン酸)がプレスケーキとして得られた。
【化7】

【0075】
表1: 置換ベンゾチアゾールNo.1からNo.22
米国特許第4363913号明細書に従ってアリールチオ尿素を硫酸及び触媒量の臭素化合物と接触させることを含むアリールチオ尿素の酸化閉環により、又は米国特許第4113732号明細書に従って酸化剤として塩素を用いて且つ触媒量の臭素を存在させて酸化閉環によってN−アリール置換チオ尿素からのベンゾチアゾールにより、又は英国特許第1594002号明細書に従って3−ニトロ−4−チオシアノベンゼンスルホン酸を上記に示されたように還元することにより、次の2−アミノベンゾチアゾールを合成した。
【化8】

【0076】
【表1】

【0077】
例: 1−(3′−スルホフェニル)−3−メチル−5−アミノピラゾールの合成
173gのメタニル酸を0から5℃にてジアゾ化し、そして40gの炭酸水素ナトリウムの存在下で14から16℃にて269gの亜硫酸ナトリウムにより還元した。この工程後、75℃にて330gの硫酸(85%)を添加することにより、生成物を加水分解した。生じたヒドラジンを濾別し、そしてpH7にて82gの3−アミノクロトン酸ニトリルと反応させた。350gの塩酸を添加することにより生成物を沈殿させ、濾別し、洗浄し、そして乾燥し、しかしてこれにより270gの1−(3′−スルホフェニル)−3−メチル−5−アミノピラゾールのプレスケーキが得られた。
【化9】

【0078】
表2: 置換アミノピラゾールNo.1からNo.20
上記に記載されたのと同様な態様にて、次のアミノピラゾールが得られた。フェニル部がアミノ基により置換される場合は、これらの誘導体は対応するニトロ誘導体によって合成された。
【化10】

【0079】
【表2】

【0080】
例: 染料No.1(ジアゾ化2−アミノ−ベンゾチアゾール−5−スルホン酸と1−(3′−スルホフェニル)−3−メチル−5−アミノピラゾールのカップリング生成物)の合成
500gの硫酸(98%)に40gの亜硝酸ナトリウムを添加し、そして5℃に冷却した。温度を低く保つために625gの破砕氷を添加しながら、この冷却溶液に115gの2−アミノ−ベンゾチアゾール−5−スルホン酸を添加した。2−アミノ−ベンゾチアゾール−5−スルホン酸のジアゾ化が完了された後、この懸濁液を1000mlの水及び127gの1−(3′−スルホフェニル)−3−メチル−5−アミノピラゾールの溶液に添加した。約1330gの30%NaOH溶液を添加することにより、pHを0から1のpHから5から6のpHに上げた。この混合物を、カップリングが完了されるまで撹拌した。生じた染料を精製し、脱塩し、そして濃縮した。
【化11】

【0081】
この染料は優秀な光堅牢度、良好なオゾン堅牢度を示し、また紙に施用された場合に非常に鮮やかな黄色を示した。吸収極大は、酢酸ナトリウムを有する水(リットル当たり2g)中で測定して449.0nmであった。
【0082】
表3: 染料No.2から染料No.42(吸収極大は、酢酸ナトリウムを有する水(リットル当たり2g)中で測定された)
【0083】
英国特許第1597959号明細書の例1に開示されているのと同様な態様にて、次の例を合成した。
【表3】

【0084】
【表4】

【0085】
【表5】

【0086】
【表6】

【0087】
【表7】

【0088】
例: インクジェット用インキの処方
少なくとも2.5wt%の染料1を含みしかも次の成分が撹拌溶液に添加されたインクジェット用インキに、染料例1の20%溶液を処方した。
【0089】
例1:
12.5wt% 染料1の20%溶液(=2.5wt%の染料1)
15.0wt% N−メチル−2−ピロリドン
72.5wt% 水
【0090】
染料1を含む例1のインキを精密濾過(0.45マイクロメートルの細孔を有する)により濾過して、インクジェット印刷のために用いるのに準備された。
【0091】
次の処方物は、上記に記載されたような材料に印刷するために用いられる。かかる組成物は、処方例1に記載されたのと同じ手順により作られた。
【0092】
例2:
12.5wt% 染料1の20%溶液(=2.5wt%の染料1)
15.0wt% ジエチレングリコール
72.5wt% 水
【0093】
例3:
12.5wt% 染料1の20%溶液(=2.5wt%の染料1)
10.0wt% N−メチル−2−ピロリドン
5.0wt% ジエチレングリコール
72.5wt% 水
【0094】
例4:
12.5wt% 染料1の20%溶液(=2.5wt%の染料1)
10.0wt% ジエチレングリコール
3.0wt% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル
74.5wt% 水
【0095】
例5:
12.5wt% 染料1の20%溶液(=2.5wt%の染料1)
10.0wt% チオジグリコール
5.0wt% N−メチル−2−ピロリドン
72.5wt% 水
【0096】
例6:
12.5wt% 染料1の20%溶液(=2.5wt%の染料1)
10.0wt% ジエチレングリコール
1.0wt% エミルゲン(Emilgen)66
76.5wt% 水
【0097】
例7:
12.5wt% 染料1の20%溶液(=2.5wt%の染料1)
5.0wt% グリセロール
5.0wt% ジエチレングリコール
2.0wt% トリエタノールアミン
75.5wt% 水
【0098】
例8:
25.0wt% 染料4の10%溶液(=2.5wt%の染料4)
20.0wt% ジエチレングリコール
55.0wt% 水
【0099】
例9:
25.0wt% 染料4の10%溶液(=2.5wt%の染料4)
20.0wt% 1,2−プロピレングリコール
55.0wt% 水
【0100】
例10:
25.0wt% 染料4の10%溶液(=2.5wt%の染料4)
8.0wt% ジエチレングリコール
5.0wt% グリセロール
1.0wt% エマルゲン(Emulgen)66
61.0wt% 水
【0101】
例11:
12.5wt% 染料4の20%溶液(=2.5wt%の染料4)
10.0wt% チオジグリコール
5.0wt% ジエチレングリコール
72.5wt% 水
【0102】
例12:
12.5wt% 染料4の20%溶液(=2.5wt%の染料4)
10.0wt% チオジグリコール
5.0wt% 1−プロパノール
72.5wt% 水
【0103】
例13:
12.5wt% 染料4の20%溶液(=2.5wt%の染料4)
15.0wt% ポリエトキシル化−(9)−トリエタノールアミン
72.5wt% 水
【0104】
例14:
25.0wt% 染料7の10%溶液(=2.5wt%の染料7)
8.0wt% ジエチレングリコール
4.0wt% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル
3.0wt% 1−プロパノール
60.0wt% 水
【0105】
例15:
25.0wt% 染料7の10%溶液(=2.5wt%の染料7)
10.0wt% ジエチレングリコール
5.0wt% N−メチル−ピロリドン
60.0wt% 水
【0106】
例16:
12.5wt% 染料11の20%溶液(=2.5wt%の染料11)
20.0wt% ジエチレングリコール
68.5wt% 水
【0107】
例17:
12.5wt% 染料11の20%溶液(=2.5wt%の染料11)
10.0wt% 1,5−ペンタンジオール
5.0wt% エチレングリコール
72.5wt% 水
【0108】
例18:
25.0wt% 染料16の10%溶液(=2.5wt%の染料16)
15.0wt% 2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−エタノール
60.0wt% 水
例19:
25.0wt% 染料16の10%溶液(=2.5wt%の染料16)
15.0wt% N−(2−ヒドロキシ)エチル−2−ピロリドン
60.0wt% 水
【0109】
例20:
25.0wt% 染料23の10%溶液(=2.5wt%の染料23)
10.0wt% 2−ジエチルアミノ−1−エタノール
5.0wt% O,O−ビス−(2−アミノプロピル)−ポリエチレングリコール500
60.0wt% 水
【0110】
例21:
25.0wt% 染料23の10%溶液(=2.5wt%の染料23)
10.0wt% O−(2−アミノエチル)−ポリエチレングリコール750
5.0wt% チオジグリコール
60.0wt% 水
【0111】
例22:
25.0wt% 染料25の10%溶液(=2.5wt%の染料25)
10.0wt% 3−ジメチルアミノ−1−プロパノール
5.0wt% グリセロール
60.0wt% 水
【0112】
例23:
25.0wt% 染料25の10%溶液(=2.5wt%の染料25)
10.0wt% ジエチレングリコール
5.0wt% シクロヘキサノール
60.0wt% 水
【0113】
例24:
25.0wt% 染料30の10%溶液(=2.5wt%の染料30)
15.0wt% ジエチレングリコール
60.0wt% 水
【0114】
例25:
25.0wt% 染料32の10%溶液(=2.5wt%の染料32)
10.0wt% ジエチレングリコール
5.0wt% O,O−ビス−(3−アミノプロピル)−ポリエチレングリコール1500
60.0wt% 水
【0115】
例26:
25.0wt% 染料36の10%溶液(=2.5wt%の染料36)
10.0wt% 3−ジメチルアミノ−1−プロパノール
5.0wt% チオジグリコール
60.0wt% 水
【0116】
例27:
25.0wt% 染料38の10%溶液(=2.5wt%の染料38)
10.0wt% 2−(2−ジエチルアミノエトキシ)−エタノール
5.0wt% グリセロール
60.0wt% 水
【0117】
例28:
25.0wt% 染料41の10%溶液(=2.5wt%の染料41)
10.0wt% ジエチレングリコール
1.0wt% エマルゲン(Emulgen)66
64.0wt% 水
【0118】
施用例
上記に指摘されたようなインキの各々をHP 880C DeskJetプリンター中に導入し、そしてA4のHP高級インクジェット用紙上に印刷した(HP及びDeskJetは、米国カリフォルニア州パロアルトのHewlett-Packardの登録商標である)。これらの印刷物の種々の性質が試験され、そしてそれらはオゾン及び光に対して良好から優秀の堅牢度を有していた。これらの印刷物は鮮やかであり、また良好な黄色の色合いを有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔ここで、
1、R2、R3、R4は互いに独立して、H、Cl、Br、F、SO3H、SO2R、SO2NR′R″、COOR、COOH、OH、アルキル、アリール、アルコキシ、NCOCH3又はNR′R″を意味し、あるいは二つの隣接置換基R1、R2、R3又はR4は一緒に、ベンゾチアゾール部にアニールされる環を形成し、しかもこの環は非置換又はSO3Hにより置換され得、
5、R6、R7、R8、R9は互いに独立して、H、Cl、Br、F、アルキル、アリール、アルコキシ、SO3H、SO2R、NR′R″を意味し、あるいは二つの隣接置換基R5、R6、R7、R8又はR9は一緒に、フェニル部にアニールされる環を形成し、しかもこの環は非置換又はSO3Hにより置換され得、
Rは、H、アルキル又はアリール基であり、しかもこれらの基は置換されていても又は置換されていなくてもよく、あるいはR′及びR″は互いに独立して、H、アルキル又はアルコキシ又はアリール基であり、しかもこれらの基は置換されていても又は置換されていなくてもよく、
但し、置換基R5、R6、R7、R8、R9の少なくとも一つはHとは異なることを条件とする〕
による染料、並びにそれらの塩及び/又はそれらの混合物。
【請求項2】
式(I′)
【化2】

〔ここで、
R′1、R′2、R′3、R′4は互いに独立して、H、SO3H、SO2R、SO2NR′R″、COOR、COOH、アルキル、アルコキシ、NCOCH3又はNR′R″を意味し、あるいは二つの隣接置換基R′1、R′2、R′3又はR′4は一緒に、ベンゾチアゾール部にアニールされる環を形成し、しかもこの環は非置換又はSO3Hにより置換され得、しかし置換基R′1、R′2、R′3又はR′4の少なくとも二つはHを意味し、
R′5、R′6、R′7、R′8、R′9は互いに独立して、H、アルキル、アリール、メトキシ又はエトキシ、SO3H、SO2CH2CH2−OH、NR′R″を意味し、あるいは二つの隣接置換基R′5、R′6、R′7、R′8又はR′9は一緒に、フェニル部にアニールされる環を形成し、しかもこの環は非置換又はSO3Hにより置換され得、しかしR′5、R′6、R′7、R′8又はR′9の少なくとも二つはHを意味し、
R、R′及びR″は、上記に定義されたとおりであり、
但し、置換基R′5、R′6、R′7、R′8又はR′9の少なくとも一つはHとは異なることを条件とする〕
を有することを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項3】
9又はR′9がHを意味することを特徴とする、請求項1又は2に記載の染料。
【請求項4】
式(I″)
【化3】

〔ここで、
R″1、R″2、R″3、R″4は互いに独立して、H、SO3H、SO2CH2CH2−OH、SO2NH2、SO2N(CH32、COOH、COOCH3、COOCH2CH3、CH3、CH2CH3、OCH2CH2OH、NCOCH3、N(CH32又はNH2を意味し、あるいは二つの隣接置換基R″1、R″2、R″3又はR″4は一緒に、ベンゾチアゾール部にアニールされる6員環を形成し、しかもこの6員環は非置換又はSO3Hにより置換され得、しかし置換基R″1、R″2、R″3又はR″4の少なくとも二つはHを意味し、
R″5、R″6、R″7、R″8、R″9は互いに独立して、H、メチル、エチル、アリール、メトキシ又はエトキシ、SO3H、SO2CH2CH2−OH、NH2を意味し、あるいは二つの隣接置換基R″5、R″6、R″7、R″8又はR″9は一緒に、フェニル部にアニールされる6員環を形成し、しかもこの6員環は非置換又はSO3Hにより置換され得、しかしR″5、R″6、R″7又はR″8の少なくとも一つはHを意味し、
但し、置換基R″5、R″6、R″7、R″8又はR″9の少なくとも一つはHとは異なることを条件とする〕
を有することを特徴とする、請求項3に記載の染料。
【請求項5】
フェニルにアニールされる6員環が、式
【化4】

〔ここで、星印は、フェニルへの結合点を意味する〕
の一つを有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の染料。
【請求項6】
請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の染料の少なくとも一つを含むインクジェット印刷用インキ又は印刷用ペースト又は液状染色用調製物。
【請求項7】
有機基材を染色する又は印刷する又はインクジェット印刷するための、請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の染料の少なくとも一つの使用。
【請求項8】
有機基材が、紙又は紙様基材であることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の染料の少なくとも一つでもって染色又は印刷された有機基材。
【請求項10】
有機基材が、紙又は紙様基材であることを特徴とする、請求項9に記載の染色又は印刷された基材。

【公表番号】特表2006−506482(P2006−506482A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551101(P2004−551101)
【出願日】平成15年11月11日(2003.11.11)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005096
【国際公開番号】WO2004/044057
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(596033657)クラリアント インターナショナル リミティド (48)
【Fターム(参考)】