説明

モノクローナル抗CXCL13抗体

本発明は、CXCL13に対する結合要素、特に抗体分子に関する。該結合要素は、関節リウマチなどの関節障害を含むCXCL13に関連する障害の処置に有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
CXCL13に対する単離された結合要素であって、CXCL13とCXCR5との結合を阻害し、CXCL13との結合に関して、配列番号11のアミノ酸配列を有する抗体scFv分子と競合する結合要素。
【請求項2】
配列番号5のHCDR3アミノ酸配列を含む、請求項1に記載の結合要素。
【請求項3】
抗体1のCDRセット:HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2およびLCDR3(ここで、
HCDR1は配列番号3のアミノ酸配列を有し;
HCDR2は配列番号4のアミノ酸配列を有し;
HCDR3は配列番号5のアミノ酸配列を有し;
LCDR1は配列番号8のアミノ酸配列を有し;
LCDR2は配列番号9のアミノ酸配列を有し;そして
LCDR3は配列番号10のアミノ酸配列を有すると定義される)
を含むか、または1以上のアミノ酸置換、欠失または挿入を有する抗体1のCDRセットを含む、請求項1または請求項2に記載の単離された結合要素。
【請求項4】
CXCL13に対する単離された結合要素であって、CXCL13とCXCR5との結合を阻害し、抗体1のCDRセット:HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2およびLCDR3(ここで、
HCDR1は配列番号3のアミノ酸配列を有し;
HCDR2は配列番号4のアミノ酸配列を有し;
HCDR3は配列番号5のアミノ酸配列を有し;
LCDR1は配列番号8のアミノ酸配列を有し;
LCDR2は配列番号9のアミノ酸配列を有し;そして
LCDR3は配列番号10のアミノ酸配列を有すると定義される)
を含むか、または1以上のアミノ酸置換、欠失または挿入を有する抗体1のCDRセットを含む、結合要素。
【請求項5】
抗体1のCDRセットを含むか、または1または2個の置換を有する抗体1のCDRセットを含む、請求項3または請求項4に記載の結合要素。
【請求項6】
抗体1のCDRセットを含む、請求項3または4に記載の結合要素。
【請求項7】
抗体VHドメインと抗体VLドメインを含む抗体分子を含み、該抗体分子がCDRセット:HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2およびLCDR3を含み、該VHドメインがHCDR1、HCDR2、HCDR3およびフレームワークを含み、該VLドメインがLCDR1、LCDR2、LCDR3およびフレームワークを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項8】
前記抗体分子がscFvである、請求項7に記載の結合要素。
【請求項9】
前記抗体分子が抗体定常領域を含む、請求項7に記載の結合要素。
【請求項10】
前記抗体分子がIgG1である、請求項9に記載の結合要素。
【請求項11】
前記抗体分子がヒト生殖細胞系遺伝子セグメント配列のフレームワーク領域を含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項12】
前記抗体VHドメインがヒト生殖細胞系フレームワークVH3−23を含む、請求項7〜11のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項13】
前記抗体VHドメインが、配列番号2と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する請求項7〜12のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項14】
前記抗体VHドメインアミノ酸配列が配列番号2である、請求項7〜11のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項15】
前記抗体VLドメインがヒト生殖細胞系フレームワークVK1 L12を含む、請求項11〜14のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項16】
前記抗体分子が、配列番号7と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するVLドメインを含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項17】
前記VLドメインアミノ酸配列が配列番号7である、請求項11〜14のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項18】
前記抗体VHドメインアミノ酸配列が配列番号2であり、抗体VLドメインアミノ酸配列が配列番号7である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項19】
結合要素の、ヒトCXCL13とCXCR5との結合を中和する効力が、結合要素の、カニクイザルCXCL13とCXCR5との結合を中和する効力と10倍までで異なり、
結合要素の、ヒトCXCL13とCXCR5との結合を中和する効力が、cAMPアッセイにおいて2nM以下のヒトCXCL13濃度で測定されるIC50により表され、
結合要素の、カニクイザルCXCL13とCXCR5との結合を中和する効力が、cAMPアッセイにおいて終濃度2nMのカニクイザルCXCL13で測定されるIC50により表される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項20】
ヒトCXCL13とCXCR5との結合を中和する効力が、カニクイザルCXCL13とCXCR5との結合を中和する効力と5倍までで異なる、請求項19に記載の結合要素。
【請求項21】
ヒトCXCL13 cAMPアッセイにおいて終濃度2nMのCXCL13で測定した際に12nM以下のIC50を有する、請求項1〜20のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項22】
ヒトCXCL13カルシウム放出アッセイにおいて測定した際に終濃度100nMのCXCL13で40nM以下のIC50を有する、請求項1〜21のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項23】
ヒトCXCL13 B細胞走化性アッセイにおいて、およそED80の応答を与える終濃度のヒトCXCL13と非一次B細胞系統を用いた際に12nM以下のIC50を有する、請求項1〜22のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項24】
表面プラズモン共鳴を用いて測定した際に400pM未満の親和性でヒトCXCL13と結合する、請求項1〜23のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項25】
表面プラズモン共鳴を用いて測定した際に400pM未満の親和性でカニクイザルCXCL13と結合する請求項1〜24のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項26】
ヒトCXCL−13のエピトープと結合し、該エピトープが成熟ヒトIL−17Aの31〜42番の配列Ile−Leu−Pro−Arg−Gly−Asn−Gly−Cys−Pro−Arg−Lys−Glu(配列番号20)の少なくとも1つの残基を含む、請求項1〜25のいずれか一項に記載の結合要素。
【請求項27】
請求項7〜26のいずれか一項に記載の、抗体分子の単離されたVHドメイン。
【請求項28】
請求項7〜26のいずれか一項に記載の、抗体分子の単離されたVLドメイン。
【請求項29】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の単離された結合要素と薬学上許容される賦形剤を含む組成物。
【請求項30】
手術または療法によるヒトまたは動物の身体の処置方法に用いるための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の単離された結合要素を含む組成物。
【請求項31】
CXCL13とCXCR5との結合の阻害に用いるための、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
CXCL13とCXCR5との結合の阻害を目的とする薬剤の製造のための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の単離された結合要素の使用。
【請求項33】
リンパ濾胞の異常な形成および/または発達の阻害に用いるための、請求項31に記載の組成物または請求項32に記載の使用。
【請求項34】
骨および/または軟骨の破壊および/またはリモデリングの阻害に用いるための、請求項31に記載の組成物または請求項32に記載の使用。
【請求項35】
リンパ球の走化性および/またはリンパ腫の増殖の阻害に用いるための、請求項31に記載の組成物または請求項32に記載の使用。
【請求項36】
関節リウマチ、変形性関節症、シェーグレン症候群、多発性硬化症、重症筋無力症、全身性紅斑性狼瘡(systemic lupus erythmatosis)、自己免疫性甲状腺疾患、ライム神経ボレリア症、HIV感染および/または白血病の処置に用いるための、請求項31に記載の組成物または請求項32に記載の使用。
【請求項37】
関節リウマチの処置に用いるための、請求項31に記載の組成物または請求項32に記載の使用。
【請求項38】
個体において異常なCXCL13発現および/またはCXCL13活性に関連する疾患を処置する方法であって、その個体に請求項1〜26のいずれか一項に記載の結合要素を投与することを含む、方法。
【請求項39】
CXCL13活性がCXCR5と結合することである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
個体においてリンパ濾胞の異常な形成および/または発達を阻害することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
個体において骨および/または軟骨の破壊および/またはリモデリングを阻害することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
個体においてリンパ球の走化性および/またはリンパ腫の増殖を阻害することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
疾患が関節リウマチ、変形性関節症、シェーグレン症候群、多発性硬化症、重症筋無力症、全身性紅斑性狼瘡(systemic lupus erythmatosis)、自己免疫性甲状腺疾患、ライム神経ボレリア症、HIV感染および/または白血病である、請求項38〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
障害が関節リウマチである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
請求項1〜28のいずれか一項に記載の、結合要素、または結合要素の単離されたVHもしくはVLドメインをコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項46】
in vitroにおいて請求項45に記載の核酸で形質転換された宿主細胞。
【請求項47】
結合要素または抗体VHもしくはVLドメインを生産する方法であって、請求項46に記載の宿主細胞を、結合要素または抗体VHもしくはVLドメインの生産のための条件下で培養することを含む、方法。
【請求項48】
結合要素、VHドメインまたはVLドメインを単離および/または精製することをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記結合要素、VHドメインまたはVLドメインを、少なくとも1つの付加的成分を含む組成物へと処方することをさらに含む、請求項47または請求項48に記載の方法。
【請求項50】
CXCL13に対する抗体抗原結合ドメインを生産する方法であって、
HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む親VHドメイン(該親VHドメインのHCDR1、HCDR2およびHCDR3は、抗体1のHCDRセットである)のアミノ酸配列における1以上のアミノ酸の付加、欠失、置換または挿入によって、親VHドメインのアミノ酸配列変異体であるVHドメインを提供し、所望によりさらにこのようにした提供されたVHドメインと1以上のVLドメインを組み合わせて1以上のVH/VL組合せを提供すること;および
CXCL13に対する抗体抗原結合ドメインを同定するために、親VHドメインのアミノ酸配列変異体であるVHドメインまたはVH/VL組合せを試験すること
を含む、方法。
【請求項51】
親VHドメインが請求項27に記載のVHドメインである、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記の1以上のVLドメインが、LCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む親VLドメイン(該親VLドメインのLCDR1、LCDR2およびLCDR3は抗体1 CDRのVLセットである)のアミノ酸配列における1以上のアミノ酸の付加、欠失、置換または挿入により提供され、それぞれが親VLドメインのアミノ酸配列変異体である1以上のVLドメインを生産する、請求項50または請求項51に記載の方法。
【請求項53】
親VLドメインが請求項28に記載のVLドメインである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
親VHドメインのアミノ酸配列変異体である前記VHドメインがCDR突然変異誘発により提供される、請求項50〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
IgG、scFvまたはFab抗体分子の成分としての抗体抗原結合ドメインを生産することをさらに含む、請求項50〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
CXCL13と結合する結合要素を生産する方法であって、
VHドメインをコードする出発核酸またはそれぞれVHドメインをコードする核酸の出発レパートリーを提供すること(該VHドメインは被置換HCDR1、HCDR2および/またはHCDR3を含むか、あるいはHCDR1、HCDR2および/またはHCDR3をコードする領域を欠くかのいずれかである);
該出発核酸または出発レパートリーと、抗体1のHCDR1、HCDR2および/またはHCDR3のアミノ酸配列をコードするか、または抗体1のHCDR1、HCDR2および/またはHCDR3のアミノ酸配列の突然変異より作出されるドナー核酸(単数または複数)とを合わせ、その結果、該ドナー核酸(単数または複数)が、VHドメインをコードする核酸の生成物レパートリーを提供するように出発核酸または出発レパートリーのCDR1、CDR2および/またはCDR3領域に挿入されること;
該生成物レパートリーの核酸を発現させて、生成物VHドメインを生産すること;
所望により、該生成物VHドメインと1以上のVLドメインを合わせること;
生成物VHドメインおよび所望によりVLドメインを含む、CXCL13に対する結合要素を選択すること;および
該結合要素またはそれをコードする核酸を回収すること
を含む、方法。
【請求項57】
前記ドナー核酸が前記HCDR1および/またはHCDR2の突然変異により作出される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記ドナー核酸がHCDR3の突然変異により作出される、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
核酸のランダム突然変異によりドナー核酸を提供することを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
回収された結合要素内に含まれる生成物VHドメインを抗体定常領域に結合させることをさらに含む、請求項56〜59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
生成物VHドメインおよびVLドメインを含むIgG、scFvまたはFab抗体分子を提供することを含む、請求項56〜60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
CXCL13と結合する抗体抗原結合ドメインまたは結合要素をCXCL13中和能に関して試験することをさらに含む、請求項50〜61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
CXCL13と結合してそれを中和する抗体分子を含む結合要素が得られる、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記抗体分子がscFvである、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記抗体分子がIgGである、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
請求項50〜65のいずれか一項に記載の方法を用いて抗体分子を得ること、およびその抗体分子を少なくとも1つの付加的成分を含む組成物へと処方することを含む、抗体分子組成物の生産方法。

【公表番号】特表2010−519280(P2010−519280A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550751(P2009−550751)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000567
【国際公開番号】WO2008/102123
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【出願人】(508098350)メドイミューン・リミテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】MedImmune Limited
【Fターム(参考)】