モバイル通信を実施する装置及びシステム
【課題】基地局のカバレッジエリアを広げてシステムのネットワーキングにおけるコストを低減する、モバイル通信を実施する装置を提供する。
【解決手段】モバイル通信を実現するための装置は、送信器と、受信器と、送受切換器と、アンテナと、端末から基地局へ送られる受信器によって受信されるデータを処理し且つ処理されたデータを送信器へ送るアップリンクデータ処理モジュールと、基地局から端末へ送られる受信器によって受信されるデータを処理し且つ処理されたデータを送信器へ送るダウンリンクデータ処理モジュールであって、送信器および受信器をアップリンクデータ処理モジュールと時分割共有するダウンリンクデータ処理モジュールと、送信器、受信器、アップリンクデータ処理モジュール、ダウンリンクデータ処理モジュールに対する制御機能を達成するための制御プロセッサと、を含む。
【解決手段】モバイル通信を実現するための装置は、送信器と、受信器と、送受切換器と、アンテナと、端末から基地局へ送られる受信器によって受信されるデータを処理し且つ処理されたデータを送信器へ送るアップリンクデータ処理モジュールと、基地局から端末へ送られる受信器によって受信されるデータを処理し且つ処理されたデータを送信器へ送るダウンリンクデータ処理モジュールであって、送信器および受信器をアップリンクデータ処理モジュールと時分割共有するダウンリンクデータ処理モジュールと、送信器、受信器、アップリンクデータ処理モジュール、ダウンリンクデータ処理モジュールに対する制御機能を達成するための制御プロセッサと、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術に関し、特に、モバイル通信を実施する装置、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信に対する需要が増大するにつれて、広帯域無線アクセス(BWA)技術が徐々に現在の通信技術の焦点のうちの1つになってきている。直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)方式は、その固有の利点により、益々広い帯域の無線アクセス規格によって適用される。例えば、OFDMAは、IEEE802.16プロトコルに基づくマイクロ波アクセスにおける国際的相互運用性(WiMAX)システムにおける多重化アクセス方法のうちの1つとして使用される。
【0003】
WiMAXシステムのエアインタフェースはIEEE802.16規格を適用する。基地局フレームのIEEE802.16規格で規定される構造および時分割デュプレックス(TDD)モード下でOFDMAを使用する対応する端末フレームが図1および図2に示されている。図1は基地局フレームの構造であり、図2は端末フレームの構造である。基地局フレームは、ダウンリンクデータを送信するためのダウンリンクサブフレームと、アップリンクデータを受信するためのアップリンクサブフレームと、を含んでいる。TTGは、基地局が送信状態から受信状態へ移行するための時間区間であり、RTGは、基地局が受信状態から送信状態へ移行するための時間区間である。SSRTGは、端末が受信状態から送信状態へ移行するための時間区間であり、SSTTGは、端末が送信状態から受信状態へ移行するための時間区間である。論理サブチャンネル数とは論理的に順序付けられたサブチャンネル数のことであり、1つのサブチャンネルが幾つかのサブキャリアを含んでいる。トラフィックバーストは、同じエンコーディング変調を使用するトラフィックデータのことである。フレームヘッダは、プリアンブルと、時間−周波数リソース割り当て情報とを含んでいる。プリアンブルは、端末と基地局との間の時間−周波数同期化のために設定され、また、時間−周波数リソース割り当て情報は、ダウンリンクサブフレームおよびアップリンクサブフレームにおけるユーザデータの時間−周波数リソース位置を表わしており、これにより、端末は、それがどのダウンリンクトラフィックバーストからデータを受信するべきかを知ることができるとともに、どのアップリンクトラフィックバーストを介してそれ自体のデータを送信すべきかを知ることができる。アクセスサブチャンネルは、端末が無作為にネットワークにアクセスするように設定され、また、基地局は、アクセスサブチャンネルを監視することによって、端末からアクセス要求を取得する。
【0004】
しかしながら、WiMAXシステムでは、高周波送信に起因して、電磁波が厳しい損失を受けるため、システムのカバレッジエリアが小さい。また、ネットワーキングの初期段階ではユーザが少ないため、システムのカバレッジエリア内の時間−周波数リソースは、低負荷の状態下で十分に使用されない傾向がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、モバイル通信を実施する装置であって、基地局のカバレッジエリアを広げてシステムのネットワーキングにおけるコストを低減する装置を提供する。
【0006】
本発明の一実施形態の他の目的は、モバイル通信を実施する方法であって、基地局から離れた端末が端末の近傍の中継局を介してアクセスできるようにする方法を提供することである。
【0007】
本発明の一実施形態の第3の目的は、モバイル通信を実施するシステムであって、基地局と端末との間で中継局によりデータを転送するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記主目的を達成するため、本発明の一実施形態は、モバイル通信を実施する装置を提供する。装置は、送信器と、受信器と、送受切替器と、アンテナと、を含んでいる。送受切替器はアンテナと接続され、送信器および受信器は送受切替器と接続される。装置は、端末から基地局へ送信されて前記受信器によって受信されるデータを処理するとともに、処理されたデータを前記送信器へ送信するように構成されたアップリンクデータ処理モジュールと、前記基地局から前記端末へ送信されて前記受信器によって受信されたデータを処理するとともに、処理されたデータを前記送信器へ送信するように構成され、前記送信器および前記受信器を前記アップリンクデータ処理モジュールと時分割態様で共有するダウンリンクデータ処理モジュールと、前記送信器、前記受信器、前記アップリンクデータ処理モジュール、前記ダウンリンクデータ処理モジュールを制御するように構成された制御プロセッサと、を更に含む。
【0009】
前記目的を達成するため、本発明の一実施形態は、モバイル通信を実施する方法であって、基地局と端末との間に中継局を配置し、基地局フレーム構造と中継局フレーム構造とを設定する、方法を提供する。方法は、ネットワークにアクセスした後、前記中継局によって中継機能をイネーブルにし、前記中継局により、前記端末と前記基地局との間でデータを転送する。
【0010】
第3の目的を達成するため、本発明の一実施形態は、モバイル通信を実施するシステムを更に提供する。システムは、中継局を介して基地局へデータを送信するとともに、基地局から中継局を介してデータを受信するように構成された端末と、前記端末と前記基地局との間でデータを転送するように構成された中継局と、前記中継局を介して前記端末へデータを送信するとともに、前記端末から前記中継局を介してデータを受信するように構成された基地局と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来のWiMAXシステムにおける時分割デュプレックスOFDMAモード下の基地局フレームの構造図である。
【図2】従来のWiMAXシステムにおける時分割デュプレックスOFDMAモード下の端末フレームの構造図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る中継局の概略構造図である。
【図4】本発明に係る基地局によって維持されるバインディングテーブルの概略構造図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る中継局によって中継機能をイネーブルにするフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る、基地局から端末へ中継局によってデータを転送するフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る、端末から基地局へ中継局によってデータを転送するフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る基地局フレームの構造図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る中継局フレームの構造図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る基地局フレームおよび中継局フレームの構造図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る基地局フレームおよび中継局フレームの構造図である。
【図12】本発明の第6の実施形態に係る基地局フレームおよび中継局フレームの構造図である。
【図13】本発明の第7の実施形態に係る基地局フレームの構造図である。
【図14】本発明の第7の実施形態に係る中継局フレームの構造図である。
【図15】本発明の第8の実施形態に係る基地局フレームの構造図である。
【図16】本発明の第8の実施形態に係る中継局フレームの構造図である。
【図17】本発明の第9の実施形態に係る基地局フレームおよび中継局フレームの構造図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る中継局とのモバイル通信を実施するためのシステムの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図3は、実線がデータの流れを表わし、破線が制御の流れを表わす本発明の実施形態に係る中継局の概略構造図である。装置は、送信器3と、受信器4と、送受切替器2と、アンテナ1とを含んでいる。送受切替器2がアンテナ1と接続され、また、送信器3および受信器4が送受切替器2と接続される。アンテナ1および送受切替器2はいずれも従来型のものである。すなわち、従来のアンテナおよびトランシーバは、1つのアンテナを用いて送受信機能を果たすことができる。受信器4は、無線周波数信号をベースバンドデジタル信号へ変換し、送信器3は、ベースバンドデジタル信号を無線周波数信号へ変換する。
【0013】
具体的には、装置は、端末から送信され且つ受信器4によって受信されるデータを処理するとともに処理されたデータを送信器3によって基地局へ送信するように構成されたアップリンクデータ処理モジュール5と、基地局から送信され且つ受信器4によって受信されたデータを処理するとともに処理されたデータを送信器3によって端末へ送信するように構成されたダウンリンクデータ処理モジュール6と、制御プロセッサ7とを更に含んでおり、ダウンリンクデータ処理モジュールは、送信器および受信器をアップリンクデータ処理モジュール5と時分割態様で共有し、アップリンクデータ処理モジュールとダウンリンクデータ処理モジュールとの間の切り換えは制御プロセッサ7によって制御され、制御プロセッサ7は、送信器3と、受信器4と、アップリンクデータ処理モジュール5と、ダウンリンクデータ処理モジュール6との間のデータのやりとりを制御するように構成されている。
【0014】
アップリンクデータ処理モジュール5は、制御プロセッサ7の制御下で、端末から基地局へ送信され且つ受信器4によって受信されたベースバンド信号をOFDM復調し、デシンボルマッピングし、デインターリービングし、および、チャンネルデコーディングすることによってエンコードされていないオリジナル情報データを取得するように構成されたアップリンクデコーディングユニット8と、端末から基地局へ送信され且つアップリンクデコーディングユニット8によって処理されるデータをバッファリングするように構成されたアップリンクデータバッファリングユニット9と、制御プロセッサ7の制御下で、アップリンクデコーディングユニット8によって処理されるユーザアップリンク信号の品質を測定するように構成されたアップリンク品質測定ユニット10であって、信号品質パラメータが、アップリンク信号の受信電力、信号対雑音比(SNR)、信号対干渉雑音比(SINR)、ビット誤り率(BER)、および、パケット誤り率(PER)であっても良く、測定されるべきパラメータが制御プロセッサ7によって制御されるアップリンク品質測定ユニット10と、制御プロセッサ7の制御下で、アップリンクデータバッファリングユニット9におけるオリジナルデータ情報をチャンネルエンコードし、インタリーブし、シンボルマッピングし、および、OFDM変調するとともに処理されたデータを送信器3へ送信するように構成されたアップリンクエンコーディングユニット11とを更に含んでいる。
【0015】
ダウンリンクデータ処理モジュール6は、制御プロセッサ7の制御下で、基地局から端末へ送信され且つ受信器4によって受信されたベースバンド信号をOFDM復調し、デシンボルマッピングし、デインターリービングし、および、チャンネルデコーディングすることによってエンコードされていないオリジナル情報データを取得するように構成されたダウンリンクデコーディングユニット12と、基地局から端末へ送信され且つダウンリンクデコーディングユニット12によって処理されるデータをバッファリングするように構成されたダウンリンクデータバッファリングユニット14と、ダウンリンクデコーディングユニット12によって処理されたデータから基地局コマンドを抽出し且つ制御プロセッサ7を介して他のユニットを制御するように構成された基地局コマンド抽出ユニット13と、制御プロセッサ7の制御下で、ダウンリンクデータバッファリングユニット14におけるオリジナルデータ情報をチャンネルエンコードし、インタリーブし、シンボルマッピングし、および、OFDM変調するとともに処理されたデータを送信器3へ送信するように構成されたダウンリンクエンコーディングユニット15とを更に含んでいる。
【0016】
オリジナル信号を増幅して転送するだけの従来の中継局とは異なり、本発明の一実施形態に係る中継局は、オリジナル信号を再デコードし且つ再エンコードすることができるとともに、基地局のカバレッジエリアの外側の端末にサービスを提供することができ、したがって、SNRが著しく向上し、これにより、正のフィードバックが回避されて、従来の中継局で起こる自己励磁現象が克服される。
【0017】
本発明の一実施形態において、基地局と中継局との間のリンクは仮想接続と見なされ、仮想接続は指向性を有する。すなわち、アップリンクにおける接続とダウンリンクにおける接続とは異なる。各接続は接続識別子(CID)によって区別されても良く、また、異なる接続は異なる接続識別子を有する。この場合、接続識別子は基地局によって集権化されて割り当てられる。基地局と端末との間の接続の確立中、基地局は、対応する接続識別子を端末に知らせる。基地局は、データフレームのフレームヘッダにおける時間−周波数リソースと接続識別子との間の対応する関係を、それ自体のカバレッジエリア内の全ての端末に対して送信する。端末は、接続識別子と時間−周波数リソースとの間の対応する関係を認識した後、それ自体のデータを基地局のダウンリンクトラフィックフレームから抽出するとともに、それ自体のデータをアップリンクトラフィックフレームで送信しても良い。
【0018】
本発明の一実施形態において、基地局は、中継局のためのバインディングテーブルと、アップリンクおよびダウンリンクのそれぞれのための接続識別子とを維持し、また、テーブルの各項目は、対応する中継局によって管理される接続を表わすように設定されている。テーブルの構造が図4に示されている。図中、CIDNは接続識別子である。1つの中継局が複数の接続を管理しても良く、また、1つの接続が複数の中継局によって管理されても良い。また、中継局は、それ自体によって管理される端末のための接続識別子テーブルを維持し、また、基地局の接続識別子バインディングテーブルおよび接続識別子テーブルの対応する項目は完全に一致している。不必要な消費を省くため、各中継局は、それ自体によって管理される端末の接続識別子を維持するが、他の中継局によって管理される端末の接続識別子を維持しない。接続を加え或いは切断するなど、基地局が特定の中継局によって管理される接続を変えることを決定すると、基地局は、中継局の確認を得た後、中継局のバインディングテーブルを修正して基地局自体のバインディングテーブルを更新することを中継局に知らせる。中継局は、バインディングテーブルを用いて、どのデータが基地局から受信されるべきかを知るとともに、どの端末からデータを受信するべきかを知る。本発明の実施形態において、接続識別子バインディングテーブルの各項目は、中継局と中継局によって管理される全ての端末の他の識別子との間の対応する関係であっても良い。この場合、他の識別子は、例えば端末のMACアドレスなど、端末を独自に識別する任意の識別子であっても良い。
【0019】
本発明の一実施形態に係る中継局を用いると、基地局は、そのカバレッジエリア内の端末にサービスを提供することに加えて、中継局を介してそのカバレッジエリアの外側の端末にサービスを提供することができる。基地局にとっては、中継局が端末に相当し、また、端末にとっては、中継局が基地局に相当する。1つのエリアには、1つの基地局と複数の中継局とが存在する。この場合、基地局および中継局は、同じ時間−周波数リソースを直交多重化しても良く、また、許容干渉範囲内である限り同じ時間−周波数リソースを非直交多重化しても良い。
【0020】
図5〜図7は、本発明の一実施形態に係る中継局とのモバイル通信を実施する方法のフローチャートである。具体的には、方法は以下のステップを実行する。
【0021】
ステップ101:電源ONの後、中継局は、端末としてネットワークにアクセスするとともに、端末のフレーム構造と同じフレーム構造を適用する。
【0022】
ステップ102:中継局は、基地局への中継機能をイネーブルにするように要求するための要求メッセージを送信する。
【0023】
ステップ103:中継局は、要求が基地局によって認められるかどうかを決定し、要求が基地局によって認められる場合には、応答を基地局へ戻して、中継機能をイネーブルにし、そうでなければ、ステップ102へ移行する。
【0024】
中継機能をイネーブルにした後、データを基地局から端末へ転送する間、中継局は以下のステップ104〜ステップ106を実行する。
【0025】
ステップ104:中継局の受信器は、ダウンリンク中継サブフレームを介して基地局からデータを受信し、また、中継局のダウンリンクデコーディングユニットは、受信されたデータをデコードして、基地局から中継局へ送信される制御コマンドと基地局から中継局を介して端末へ送信されるダウンリンクデータとを含むオリジナルデータを取得する。
【0026】
ステップ105:中継局の基地局コマンド抽出ユニットは、受信されたデータからコマンドを抽出し、また、中継局のダウンリンクデータバッファリングユニットは、ダウンリンクデータを記憶する。
【0027】
ステップ106:中継局のダウンリンクエンコーディングユニットは、ダウンリンクデータをエンコードして、エンコードされたダウンリンクデータを中継局の送信器を介して端末へ送信する。
【0028】
端末から基地局へデータを転送する間、中継局は、以下のステップ107〜ステップ109を実行する。
【0029】
ステップ107:中継局の受信器は、端末からアップリンク端末サブフレームを介してデータを受信し、また、中継局のアップリンクデコーディングユニットは、受信されたデータをデコードして、端末から基地局へ送信されるアップリンクデータを含むオリジナルデータを取得する。
【0030】
ステップ108:中継局のアップリンクデータバッファリングユニットは、アップリンクデータを記憶する。
【0031】
ステップ109:中継局のアップリンクエンコーディングユニットは、アップリンクデータをエンコードするとともに、エンコードされたアップリンクデータを送信器を介してアップリンク中継サブフレームで基地局へ送信する。
【0032】
ステップ101〜103は中継局をイネーブルにするためのステップであり、ステップ104〜106は、中継局がデータを基地局から端末へ転送するためのステップであり、ステップ107〜109は、中継局がデータを端末から基地局へ転送するためのステップである。
【0033】
前記手続き中、中継局が中継機能をイネーブルにした後、適用されるフレーム構造は、従来の端末フレーム構造から図7に示される中継局フレーム構造へ切り換えられる。その後、中継局は、ダウンリンク中継サブフレームおよびアップリンク中継サブフレームのための時間−周波数リソース割り当て情報を中継フレームヘッダから取得しても良い。次のフレームにおいて、中継局は、最終ダウンリンク中継サブフレームで基地局から受信された情報にしたがってフレームヘッダを構成して送信するとともに、アクセスサブチャンネルから端末のアクセス要求を受けることを含め、アップリンク端末サブフレームで端末からデータを受信しても良い。更に、中継局は、中継局の複雑さを減少させるためにフレームヘッダを送信しなくても良い。
【0034】
本発明の一実施形態に係る中継局に起因して、現在の基地局フレーム構造を修正する必要があるとともに、中継局フレーム構造を規定する必要がある。特定の基地局フレーム構造および中継局フレーム構造が異なる構成を成していても良く、これについては、実施形態および図面を参照して以下で詳しく説明する。
本発明の実施形態で提供される装置および方法によれば、中継局をワイヤレス通信システムに導入し、現在のプロトコルの基地局フレーム構造を変更し、中継サブフレーム構造を設計することにより、基地局のカバレッジエリア内の端末の通信速度が高められるとともに、基地局のカバレッジエリアの外側の端末にもサービスを提供することができ、これにより、基地局のカバレッジエリアが大きく拡張されるとともに、ネットワーキングの早い段階で基地局の数が減少され、スペクトル利用が向上される。また、中継局に近いが基地局から遠い端末において、中継局を介した送信は、端末の送受信電力を減少させることができ、したがって、バッテリ消費が節約され、端末のバッテリの寿命が効果的に延びる。
【0035】
本発明の1つの実施形態では、本発明の一実施形態に係る基本的な基地局フレーム構造が図8に示されており、中継局フレーム構造が図9に示されている。RSTTGは、中継局が送信状態から受信状態へ移行する時間を表わしており、また、RSRTGは、中継局が受信状態から送信状態へ移行する時間を表わしている。基地局フレームは、基地局アップリンクサブフレームと基地局ダウンリンクサブフレームとを含んでいる。基地局ダウンリンクサブフレームは2つのセクションに更に分けられる。1つのセクションは、基地局がそのカバレッジエリア内の端末にサービスを提供するように構成されるダウンリンク端末サブフレームとして知られており、また、他のセクションは、中継局にサービスを提供するように構成されるダウンリンク中継サブフレームとして知られている。同様に、基地局アップリンクサブフレームも2つのセクションに更に分けられる。1つのセクションは、基地局のカバレッジエリア内の端末にサービスを提供するように構成されるアップリンク端末サブフレームとして知られており、また、他のセクションは、中継局にサービスを提供するように構成されるアップリンク中継サブフレームとして知られている。フレームヘッダのコンフィギュレーション情報では、ダウンリンク中継サブフレームおよびアップリンク中継サブフレームの時間−周波数リソースが任意の端末において割り当てられないため、端末は、常に、それ自体に属するデータがこれらの2つのセクションに存在しないと見なす。すなわち、その端末に関して、ダウンリンク中継サブフレームおよびアップリンク中継サブフレームは完全にトランスペアレントである。一般に、基地局ダウンリンクサブフレームおよび基地局アップリンクサブフレームのフレーム長は相対的に固定されている。すなわち、これらの2つのパラメータが設定されると、基地局の動作中にこれらのパラメータは変更されない。本発明の実施形態において、基地局ダウンリンクサブフレームおよび基地局アップリンクサブフレームのフレーム長が変わらなかった場合には、トラフィック状態にしたがって、ダウンリンク端末サブフレームおよびダウンリンク中継サブフレームのフレーム長、アップリンク端末サブフレームおよびアップリンク中継サブフレームのフレーム長、および、アップリンク中継サブフレームおよびダウンリンク中継サブフレームによって占められるサブチャンネルリソースに対して動的な調整が行なわれても良く、それにより、時間−周波数リソースのより柔軟性のあるコンフィギュレーションおよび利用が可能になる。基地局のダウンリンクトラフィックバーストおよびアップリンクトラフィックバースト、および、中継局のダウンリンクトラフィックバーストおよびアップリンクトラフィックバーストの割り当ては、従来技術と完全に一致する。中継局のダウンリンクトラフィックバーストおよびアップリンクトラフィックバーストは、全て基地局によって割り当てられて、ダウンリンク中継バーストデータを介して中継局に知らされるが、中継局は、それ自体によってトラフィックバーストの時間−周波数リソースを割り当てることができない。
【0036】
基地局フレーム構造のダウンリンク中継サブフレームは、中継フレームヘッダとダウンリンク中継バーストデータとを含む。中継フレームヘッダはアップリンクおよびダウンリンク中継サブフレームのための時間−周波数リソース割り当て情報であり、これにしたがって、中継局は、ダウンリンク中継バーストデータを受信するとともに、アップリンク中継バーストデータを送信する。これは、従来の基地局フレームのそれと同様である。ダウンリンク中継バーストデータは、基地局から全ての中継局へ送信されるブロードキャスト情報であっても良く、また、特定の中継局へ送信されるトラフィックデータであっても良い。ブロードキャスト情報は次のフレームのフレームヘッダ情報を含んでおり、これにしたがって、中継局は、次のフレームのフレームヘッダを再構成しても良く、また、フレームヘッダが基地局のフレームヘッダと一致するようにしても良い。次のフレームのフレームヘッダ情報にしたがって、中継局は、ダウンリンク端末サブフレームおよびアップリンク端末サブリンクのトラフィックバーストのための割り当て条件を知っていても良い。それに応じて、中継局は、その接続識別子バインディングテーブルにしたがって、それがどの端末に対してデータをダウンリンク端末サブフレームで転送するべきか及びそれがどの端末からデータをアップリンク端末サブフレームで受信すべきかを知っていても良い。
【0037】
基地局フレーム構造に応じて、中継局フレーム構造のダウンリンク端末サブフレームは、基地局のカバレッジエリアの外側の端末にサービスを提供するために基地局から端末へデータを転送するように構成される。この場合、データは、中継局によってそのダウンリンクデータバッファから抽出される。端末は、当初の同期化を実行するとともに、時間−周波数リソース割り当て情報をフレームヘッダから取得するため、中継局フレームヘッダで送信される情報は、基地局フレームヘッダで送信されるものと同じであり、それにより、セル内の全ての端末を適切に同期化することができるとともに、セル内の全ての端末が同じ時間−周波数リソース割り当て情報を受けることができる。基地局フレームおよび中継局フレームのフレームヘッダが一致しない場合には、基地局のカバレッジエリア内および中継局のカバレッジエリア内の両方に位置されるセルが干渉される。更に、中継ダウンリンクサブフレームで使用される時間−周波数リソースは、基地局の対応する部分に対して直交する。端末は、フレームヘッダから取得される情報にしたがってそれ自体に属するデータを受信するとともに、中継局の存在に全く気付かない。
【0038】
中継局は、基地局から中継局へ送信される制御コマンドと基地局が端末へ転送するように中継局に命じるダウンリンクデータとを含むデータを、ダウンリンク中継サブフレームで基地局から受ける。中継局の基地局コマンド抽出ユニットは、受信されたデータからコマンドを抽出し、また、ダウンリンクデータバッファリングユニットは、端末へ転送されるべきデータをダウンリンクデータバッファ内に記憶する。中継局は、端末から受信された全てのデータをアップリンク中継サブフレームで基地局へ転送する。この場合、データは、中継局のアップリンクデータバッファから抽出される。また、中継局から基地局へ送信される何らかの制御情報は、アップリンク中継サブフレームで送信されても良い。
【0039】
送信された物理フレームにおいて、各バーストは、受信側のチャンネル推定のためのパイロットを送信しなければならない。ダウンリンク端末チャンネルにおいては、データが基地局から送信されても良く或いは中継局から送信されても良いため、パイロットの送信が各トラフィックバーストにおいて制限されなければならない。例えば、図8において、ダウンリンクトラフィックバースト1の時間−周波数リソースに対応するチャンネルを推定するためのパイロットは、中継局ではなく基地局によってのみ送信することができ、同様に、中継ダウンリンクトラフィックバースト1の時間−周波数リソースに対応するチャンネルを推定するためのパイロットは、基地局ではなく中継局によってのみ送信することができる。同様のケースが、異なる中継局によって送信されても良いアップリンク中継サブフレームに起こる。アップリンク中継バースト1が中継局1によって送信されると仮定すると、このバーストの時間−周波数リソースに対応するチャンネルを推定するためのパイロットは、他の中継局ではなく中継局1によってのみ送信することができる。
【0040】
本発明の他の実施形態では、図8において、アップリンク端末サブフレームおよびアップリンク中継サブフレームの時間順序が置き換えられても良い。置き換えた後、1フレームの期間中、中継局は、4回にわたって送信状態と受信状態との間の切り換えを行なう必要があるが、図8における方式によれば、中継局は、2回にわたって切り換えを行なうだけで済む。
【0041】
本発明の他の実施形態では、図8および図9に示される態様に加えて、アクセスサブチャンネルによって図10に示される態様が採用されても良い。この場合、(a)は基地局フレームであり、(b)は中継局フレームである。同様に、アクセスサブチャンネルが他の位置に配置されても良い。
【0042】
本発明の他の実施形態では、図8に示される基地局フレームにおいて、中継フレームヘッダは、特に中継局と基地局との間の同期化のためのトレーニングシーケンスを含み、それにより、中継局と基地局との間のより良い同期化を達成できるようになっていても良い。
【0043】
本発明の他の実施形態において、ダウンリンク中継サブフレームのフレームヘッダは、OFDMAシンボル全体を占めず、図11に示されるようにOFDMAシンボルの一部を占めても良い。この場合、(a)は基地局フレームであり、(b)は中継局フレームである。
【0044】
本発明の他の実施形態では、ダウンリンク端末サブフレームのトラフィックバーストが図12に示されるように配置されても良い。この場合、(a)は基地局フレームであり、(b)は中継局フレームである。すなわち、送信側の場合、その時間−周波数リソースが時間に関して割り当てられる。例えば、基地局は、基地局のエリア内でしか送信することができず、また、中継局1は、中継局1のエリア内でしか送信することができない。図11は中継局が1つだけ存在する場合を示しており、それは、複数の中継局が存在する場合と類似している。ここでは、ダウンリンク端末サブフレームの場合だけについて説明されており、それはアップリンク端末サブフレームの場合に類似しているため、その説明を省略する。
【0045】
本発明の他の実施形態では、図8および図9に示されるフレーム構造の方式に加えて、図13および図14に示される方式が採用されても良い。この場合、図13は基地局フレームを示しており、図14は中継局フレームを示している。この実施形態において、基地局から中継局へ送信されるダウンリンクデータは、基地局ダウンリンクサブフレームの時間−周波数リソースの一部を占めている。ここで、基地局または中継局から端末へ送信されるダウンリンクにおける時間−周波数リソースは、ダウンリンク端末サブフレームではなくダウンリンク端末領域と称され、基地局から中継局へ送信されるダウンリンクにおける時間−周波数リソースはダウンリンク中継領域と称され、端末から中継局または基地局へ送信されるアップリンクにおける時間−周波数リソースはアップリンク端末領域と称され、また、中継局から基地局へ送信されるアップリンクにおける時間−周波数リソースはアップリンク中継領域と称される。ダウンリンク端末領域には、図8におけるフレームヘッダに類似する中継フレームヘッダは存在せず、また、当該領域におけるトラフィックバーストの時間−周波数リソースの割り当て情報は、フレーム全体のフレームヘッダによって与えられる。アップリンク中継領域におけるトラフィックバーストの時間−周波数リソースの割り当て情報もフレーム全体のフレームヘッダによって与えられる。
【0046】
本発明の他の実施形態では、本発明の一実施形態における中継局の場合、前記フレーム構造方式に加えて、図15および図16に示されるフレーム構造方式が採用されても良い。この場合、図15は基地局フレームを示しており、図16は中継局フレームを示している。この方式では、基地局が高出力でフレームヘッダおよびブロードキャスト情報を送信し、中継局は送信しない。ダウンリンクデータが端末へ転送される場合、基地局は、最初に、ダウンリンクデータをダウンリンク中継サブフレームで中継局へ送信し、ダウンリンク中継サブフレームのフレームヘッダは、時間−周波数リソースが端末のためにダウンリンク端末サブフレームで割り当てられることを端末に知らせるために使用される。中継局は、その後のダウンリンク端末サブフレームの対応する時間−周波数リソースでデータを端末へ転送する。それはアップリンク信号の転送に関して類似している。このフレーム構造の第1の利点は、基地局が次のフレームのブロードキャスト情報を各フレームで中継局へ送信することが避けられ、それにより、エアインタフェースの消費が省かれるという点である。第2の利点は、基地局が、前のフレームでリソースを割り当てる必要がなく、より新しいチャンネル情報を有するリソースを割り当てることができ、したがって、急速に変化するチャンネルに適合するという点である。
【0047】
本発明の他の実施形態において、それは、図17に示されるように一般化されたフレーム構造を示している。この場合、(a)は基地局フレームであり、(b)はタイプI中継局フレームであり、(c)はタイプII中継局フレームである。
【0048】
基地局ダウンリンクサブフレームは、2つのタイプの中継局をサポートするため、2つのセクション(区間1および区間2)へ時間的に分けられる。タイプI中継局はフレームヘッダを送信せず、タイプII中継局はフレームヘッダを送信する。区間1と区間2との間の境界は、固定されていても良く、あるいは、時間に伴って動的に変化できても良い。しかしながら、各変化前に、基地局は、変化が起こることをタイプII中継局に知らせる必要がある。さもなければ、タイプII中継局は、それに対して送信される中継フレームヘッダをどこから受けるのかを知ることができない。
【0049】
基地局によってタイプI中継局に対して与えられるデータおよび中継フレームヘッダ(図17の中継フレームヘッダ1)は、ダウンリンクサブフレームの区間1で送信され、また、基地局によってタイプII中継局に対して与えられるデータおよび中継フレームヘッダ(図17の中継フレームヘッダ2)は、ダウンリンクサブフレームの区間2で送信される。中継フレームヘッダ1は、タイプI中継局のために基地局によって割り当てられる時間−周波数リソースを規定し、また、中継フレームヘッダ2は、タイプII中継局のために基地局によって割り当てられる時間−周波数リソース情報を規定する。タイプI中継局は、それによって管理される端末に対して区間2でダウンリンクデータを送信し、また、タイプII中継局は、それによって管理される端末に対して区間1でダウンリンクデータを送信する。
【0050】
図17には、基地局のダウンリンクトラフィックバーストと中継局のダウンリンクトラフィックバーストとの間の時間−周波数リソース割り当ての関係が示されていない。しかしながら、タイプI中継局またはタイプII中継局にかかわらず、それらがダウンリンクトラフィックバーストを端末へ送信する場合には、時間−周波数リソースの直交性を確保する必要がある。時間−周波数リソースが直交性を有していない場合には、基地局から送信されるデータと中継局から送信されるデータとの間の干渉が許容範囲内に入るようにしなければならない。
【0051】
図18は、本発明の一実施形態に係る中継局とのモバイル通信を実施するためのシステムの構造図である。当該システムにおいて、中継局は、基地局と端末との間に配置されており、基地局と端末との間でデータを転送するために使用される。システムは、中継局を介して基地局へデータを送信し且つ基地局から中継局を介してデータを受信するように構成された端末と、端末と基地局との間でデータを転送するように構成された中継局と、中継局を介して端末へデータを送信し且つ端末から中継局を介してデータを受信するように構成された基地局とを含んでいる。
【0052】
このシステムの中継局は、オリジナル信号を増幅して転送するだけの従来の中継局の機能を拡張する。また、このシステムの中継局は、オリジナル信号を再デコードし且つ再エンコードすることができ、したがって、基地局のカバレッジエリアの外側の端末にデータ転送サービスを提供することができる。送信器、受信器、送受切替器、および、アンテナに加えて、中継局は、端末から基地局へ送信されて受信局によって受信されたデータを処理するとともに処理されたデータを送信器へ送信するように構成されたアップリンクデータ処理モジュールと、端末から基地局へ送信されて受信器によって受信されたデータを処理するとともに処理されたデータを送信器へ送信するように構成されたダウンリンクデータ処理モジュールと、送信器、受信器、アップリンクデータ処理モジュール、および、ダウンリンクデータ処理モジュールを制御するように構成された制御プロセッサと、を更に含んでいる。
【0053】
このシステムでは、基地局と端末との間に中継局が加えられているため、データ転送のための従来のフレーム構造を変える必要があり、また、基地局フレーム構造および中継局フレーム構造が適用される。基地局フレームは、基地局ダウンリンクサブフレームと基地局アップリンクサブフレームとを含んでいる。基地局ダウンリンクサブフレームは、ダウンリンク端末サブフレームとダウンリンク中継サブフレームとを含んでいる。基地局アップリンクサブフレームは、アップリンク端末サブフレームとアップリンク中継サブフレームとを含んでいる。中継局フレームは、ダウンリンク端末サブフレームと、ダウンリンク中継サブフレームと、アップリンク端末サブフレームと、アップリンク中継サブフレームとを含んでいる。特定のフレーム構造および機能は先の説明と同様である。
【0054】
また、中継局および基地局は、同じ時間−周波数リソースを直交多重化する。各中継局は基地局との1つ以上の接続を管理し、各接続は接続識別子によって区別される。接続識別子は基地局によって集権化されて割り当てられ、また、接続識別子とそれらの占められた時間−周波数リソースとの間の対応する関係は、基地局のカバレッジエリア内の端末へ送信される。端末は、対応する時間−周波数リソースからデータを抽出する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術に関し、特に、モバイル通信を実施する装置、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信に対する需要が増大するにつれて、広帯域無線アクセス(BWA)技術が徐々に現在の通信技術の焦点のうちの1つになってきている。直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)方式は、その固有の利点により、益々広い帯域の無線アクセス規格によって適用される。例えば、OFDMAは、IEEE802.16プロトコルに基づくマイクロ波アクセスにおける国際的相互運用性(WiMAX)システムにおける多重化アクセス方法のうちの1つとして使用される。
【0003】
WiMAXシステムのエアインタフェースはIEEE802.16規格を適用する。基地局フレームのIEEE802.16規格で規定される構造および時分割デュプレックス(TDD)モード下でOFDMAを使用する対応する端末フレームが図1および図2に示されている。図1は基地局フレームの構造であり、図2は端末フレームの構造である。基地局フレームは、ダウンリンクデータを送信するためのダウンリンクサブフレームと、アップリンクデータを受信するためのアップリンクサブフレームと、を含んでいる。TTGは、基地局が送信状態から受信状態へ移行するための時間区間であり、RTGは、基地局が受信状態から送信状態へ移行するための時間区間である。SSRTGは、端末が受信状態から送信状態へ移行するための時間区間であり、SSTTGは、端末が送信状態から受信状態へ移行するための時間区間である。論理サブチャンネル数とは論理的に順序付けられたサブチャンネル数のことであり、1つのサブチャンネルが幾つかのサブキャリアを含んでいる。トラフィックバーストは、同じエンコーディング変調を使用するトラフィックデータのことである。フレームヘッダは、プリアンブルと、時間−周波数リソース割り当て情報とを含んでいる。プリアンブルは、端末と基地局との間の時間−周波数同期化のために設定され、また、時間−周波数リソース割り当て情報は、ダウンリンクサブフレームおよびアップリンクサブフレームにおけるユーザデータの時間−周波数リソース位置を表わしており、これにより、端末は、それがどのダウンリンクトラフィックバーストからデータを受信するべきかを知ることができるとともに、どのアップリンクトラフィックバーストを介してそれ自体のデータを送信すべきかを知ることができる。アクセスサブチャンネルは、端末が無作為にネットワークにアクセスするように設定され、また、基地局は、アクセスサブチャンネルを監視することによって、端末からアクセス要求を取得する。
【0004】
しかしながら、WiMAXシステムでは、高周波送信に起因して、電磁波が厳しい損失を受けるため、システムのカバレッジエリアが小さい。また、ネットワーキングの初期段階ではユーザが少ないため、システムのカバレッジエリア内の時間−周波数リソースは、低負荷の状態下で十分に使用されない傾向がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、モバイル通信を実施する装置であって、基地局のカバレッジエリアを広げてシステムのネットワーキングにおけるコストを低減する装置を提供する。
【0006】
本発明の一実施形態の他の目的は、モバイル通信を実施する方法であって、基地局から離れた端末が端末の近傍の中継局を介してアクセスできるようにする方法を提供することである。
【0007】
本発明の一実施形態の第3の目的は、モバイル通信を実施するシステムであって、基地局と端末との間で中継局によりデータを転送するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記主目的を達成するため、本発明の一実施形態は、モバイル通信を実施する装置を提供する。装置は、送信器と、受信器と、送受切替器と、アンテナと、を含んでいる。送受切替器はアンテナと接続され、送信器および受信器は送受切替器と接続される。装置は、端末から基地局へ送信されて前記受信器によって受信されるデータを処理するとともに、処理されたデータを前記送信器へ送信するように構成されたアップリンクデータ処理モジュールと、前記基地局から前記端末へ送信されて前記受信器によって受信されたデータを処理するとともに、処理されたデータを前記送信器へ送信するように構成され、前記送信器および前記受信器を前記アップリンクデータ処理モジュールと時分割態様で共有するダウンリンクデータ処理モジュールと、前記送信器、前記受信器、前記アップリンクデータ処理モジュール、前記ダウンリンクデータ処理モジュールを制御するように構成された制御プロセッサと、を更に含む。
【0009】
前記目的を達成するため、本発明の一実施形態は、モバイル通信を実施する方法であって、基地局と端末との間に中継局を配置し、基地局フレーム構造と中継局フレーム構造とを設定する、方法を提供する。方法は、ネットワークにアクセスした後、前記中継局によって中継機能をイネーブルにし、前記中継局により、前記端末と前記基地局との間でデータを転送する。
【0010】
第3の目的を達成するため、本発明の一実施形態は、モバイル通信を実施するシステムを更に提供する。システムは、中継局を介して基地局へデータを送信するとともに、基地局から中継局を介してデータを受信するように構成された端末と、前記端末と前記基地局との間でデータを転送するように構成された中継局と、前記中継局を介して前記端末へデータを送信するとともに、前記端末から前記中継局を介してデータを受信するように構成された基地局と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来のWiMAXシステムにおける時分割デュプレックスOFDMAモード下の基地局フレームの構造図である。
【図2】従来のWiMAXシステムにおける時分割デュプレックスOFDMAモード下の端末フレームの構造図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る中継局の概略構造図である。
【図4】本発明に係る基地局によって維持されるバインディングテーブルの概略構造図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る中継局によって中継機能をイネーブルにするフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る、基地局から端末へ中継局によってデータを転送するフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る、端末から基地局へ中継局によってデータを転送するフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る基地局フレームの構造図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る中継局フレームの構造図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る基地局フレームおよび中継局フレームの構造図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る基地局フレームおよび中継局フレームの構造図である。
【図12】本発明の第6の実施形態に係る基地局フレームおよび中継局フレームの構造図である。
【図13】本発明の第7の実施形態に係る基地局フレームの構造図である。
【図14】本発明の第7の実施形態に係る中継局フレームの構造図である。
【図15】本発明の第8の実施形態に係る基地局フレームの構造図である。
【図16】本発明の第8の実施形態に係る中継局フレームの構造図である。
【図17】本発明の第9の実施形態に係る基地局フレームおよび中継局フレームの構造図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る中継局とのモバイル通信を実施するためのシステムの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図3は、実線がデータの流れを表わし、破線が制御の流れを表わす本発明の実施形態に係る中継局の概略構造図である。装置は、送信器3と、受信器4と、送受切替器2と、アンテナ1とを含んでいる。送受切替器2がアンテナ1と接続され、また、送信器3および受信器4が送受切替器2と接続される。アンテナ1および送受切替器2はいずれも従来型のものである。すなわち、従来のアンテナおよびトランシーバは、1つのアンテナを用いて送受信機能を果たすことができる。受信器4は、無線周波数信号をベースバンドデジタル信号へ変換し、送信器3は、ベースバンドデジタル信号を無線周波数信号へ変換する。
【0013】
具体的には、装置は、端末から送信され且つ受信器4によって受信されるデータを処理するとともに処理されたデータを送信器3によって基地局へ送信するように構成されたアップリンクデータ処理モジュール5と、基地局から送信され且つ受信器4によって受信されたデータを処理するとともに処理されたデータを送信器3によって端末へ送信するように構成されたダウンリンクデータ処理モジュール6と、制御プロセッサ7とを更に含んでおり、ダウンリンクデータ処理モジュールは、送信器および受信器をアップリンクデータ処理モジュール5と時分割態様で共有し、アップリンクデータ処理モジュールとダウンリンクデータ処理モジュールとの間の切り換えは制御プロセッサ7によって制御され、制御プロセッサ7は、送信器3と、受信器4と、アップリンクデータ処理モジュール5と、ダウンリンクデータ処理モジュール6との間のデータのやりとりを制御するように構成されている。
【0014】
アップリンクデータ処理モジュール5は、制御プロセッサ7の制御下で、端末から基地局へ送信され且つ受信器4によって受信されたベースバンド信号をOFDM復調し、デシンボルマッピングし、デインターリービングし、および、チャンネルデコーディングすることによってエンコードされていないオリジナル情報データを取得するように構成されたアップリンクデコーディングユニット8と、端末から基地局へ送信され且つアップリンクデコーディングユニット8によって処理されるデータをバッファリングするように構成されたアップリンクデータバッファリングユニット9と、制御プロセッサ7の制御下で、アップリンクデコーディングユニット8によって処理されるユーザアップリンク信号の品質を測定するように構成されたアップリンク品質測定ユニット10であって、信号品質パラメータが、アップリンク信号の受信電力、信号対雑音比(SNR)、信号対干渉雑音比(SINR)、ビット誤り率(BER)、および、パケット誤り率(PER)であっても良く、測定されるべきパラメータが制御プロセッサ7によって制御されるアップリンク品質測定ユニット10と、制御プロセッサ7の制御下で、アップリンクデータバッファリングユニット9におけるオリジナルデータ情報をチャンネルエンコードし、インタリーブし、シンボルマッピングし、および、OFDM変調するとともに処理されたデータを送信器3へ送信するように構成されたアップリンクエンコーディングユニット11とを更に含んでいる。
【0015】
ダウンリンクデータ処理モジュール6は、制御プロセッサ7の制御下で、基地局から端末へ送信され且つ受信器4によって受信されたベースバンド信号をOFDM復調し、デシンボルマッピングし、デインターリービングし、および、チャンネルデコーディングすることによってエンコードされていないオリジナル情報データを取得するように構成されたダウンリンクデコーディングユニット12と、基地局から端末へ送信され且つダウンリンクデコーディングユニット12によって処理されるデータをバッファリングするように構成されたダウンリンクデータバッファリングユニット14と、ダウンリンクデコーディングユニット12によって処理されたデータから基地局コマンドを抽出し且つ制御プロセッサ7を介して他のユニットを制御するように構成された基地局コマンド抽出ユニット13と、制御プロセッサ7の制御下で、ダウンリンクデータバッファリングユニット14におけるオリジナルデータ情報をチャンネルエンコードし、インタリーブし、シンボルマッピングし、および、OFDM変調するとともに処理されたデータを送信器3へ送信するように構成されたダウンリンクエンコーディングユニット15とを更に含んでいる。
【0016】
オリジナル信号を増幅して転送するだけの従来の中継局とは異なり、本発明の一実施形態に係る中継局は、オリジナル信号を再デコードし且つ再エンコードすることができるとともに、基地局のカバレッジエリアの外側の端末にサービスを提供することができ、したがって、SNRが著しく向上し、これにより、正のフィードバックが回避されて、従来の中継局で起こる自己励磁現象が克服される。
【0017】
本発明の一実施形態において、基地局と中継局との間のリンクは仮想接続と見なされ、仮想接続は指向性を有する。すなわち、アップリンクにおける接続とダウンリンクにおける接続とは異なる。各接続は接続識別子(CID)によって区別されても良く、また、異なる接続は異なる接続識別子を有する。この場合、接続識別子は基地局によって集権化されて割り当てられる。基地局と端末との間の接続の確立中、基地局は、対応する接続識別子を端末に知らせる。基地局は、データフレームのフレームヘッダにおける時間−周波数リソースと接続識別子との間の対応する関係を、それ自体のカバレッジエリア内の全ての端末に対して送信する。端末は、接続識別子と時間−周波数リソースとの間の対応する関係を認識した後、それ自体のデータを基地局のダウンリンクトラフィックフレームから抽出するとともに、それ自体のデータをアップリンクトラフィックフレームで送信しても良い。
【0018】
本発明の一実施形態において、基地局は、中継局のためのバインディングテーブルと、アップリンクおよびダウンリンクのそれぞれのための接続識別子とを維持し、また、テーブルの各項目は、対応する中継局によって管理される接続を表わすように設定されている。テーブルの構造が図4に示されている。図中、CIDNは接続識別子である。1つの中継局が複数の接続を管理しても良く、また、1つの接続が複数の中継局によって管理されても良い。また、中継局は、それ自体によって管理される端末のための接続識別子テーブルを維持し、また、基地局の接続識別子バインディングテーブルおよび接続識別子テーブルの対応する項目は完全に一致している。不必要な消費を省くため、各中継局は、それ自体によって管理される端末の接続識別子を維持するが、他の中継局によって管理される端末の接続識別子を維持しない。接続を加え或いは切断するなど、基地局が特定の中継局によって管理される接続を変えることを決定すると、基地局は、中継局の確認を得た後、中継局のバインディングテーブルを修正して基地局自体のバインディングテーブルを更新することを中継局に知らせる。中継局は、バインディングテーブルを用いて、どのデータが基地局から受信されるべきかを知るとともに、どの端末からデータを受信するべきかを知る。本発明の実施形態において、接続識別子バインディングテーブルの各項目は、中継局と中継局によって管理される全ての端末の他の識別子との間の対応する関係であっても良い。この場合、他の識別子は、例えば端末のMACアドレスなど、端末を独自に識別する任意の識別子であっても良い。
【0019】
本発明の一実施形態に係る中継局を用いると、基地局は、そのカバレッジエリア内の端末にサービスを提供することに加えて、中継局を介してそのカバレッジエリアの外側の端末にサービスを提供することができる。基地局にとっては、中継局が端末に相当し、また、端末にとっては、中継局が基地局に相当する。1つのエリアには、1つの基地局と複数の中継局とが存在する。この場合、基地局および中継局は、同じ時間−周波数リソースを直交多重化しても良く、また、許容干渉範囲内である限り同じ時間−周波数リソースを非直交多重化しても良い。
【0020】
図5〜図7は、本発明の一実施形態に係る中継局とのモバイル通信を実施する方法のフローチャートである。具体的には、方法は以下のステップを実行する。
【0021】
ステップ101:電源ONの後、中継局は、端末としてネットワークにアクセスするとともに、端末のフレーム構造と同じフレーム構造を適用する。
【0022】
ステップ102:中継局は、基地局への中継機能をイネーブルにするように要求するための要求メッセージを送信する。
【0023】
ステップ103:中継局は、要求が基地局によって認められるかどうかを決定し、要求が基地局によって認められる場合には、応答を基地局へ戻して、中継機能をイネーブルにし、そうでなければ、ステップ102へ移行する。
【0024】
中継機能をイネーブルにした後、データを基地局から端末へ転送する間、中継局は以下のステップ104〜ステップ106を実行する。
【0025】
ステップ104:中継局の受信器は、ダウンリンク中継サブフレームを介して基地局からデータを受信し、また、中継局のダウンリンクデコーディングユニットは、受信されたデータをデコードして、基地局から中継局へ送信される制御コマンドと基地局から中継局を介して端末へ送信されるダウンリンクデータとを含むオリジナルデータを取得する。
【0026】
ステップ105:中継局の基地局コマンド抽出ユニットは、受信されたデータからコマンドを抽出し、また、中継局のダウンリンクデータバッファリングユニットは、ダウンリンクデータを記憶する。
【0027】
ステップ106:中継局のダウンリンクエンコーディングユニットは、ダウンリンクデータをエンコードして、エンコードされたダウンリンクデータを中継局の送信器を介して端末へ送信する。
【0028】
端末から基地局へデータを転送する間、中継局は、以下のステップ107〜ステップ109を実行する。
【0029】
ステップ107:中継局の受信器は、端末からアップリンク端末サブフレームを介してデータを受信し、また、中継局のアップリンクデコーディングユニットは、受信されたデータをデコードして、端末から基地局へ送信されるアップリンクデータを含むオリジナルデータを取得する。
【0030】
ステップ108:中継局のアップリンクデータバッファリングユニットは、アップリンクデータを記憶する。
【0031】
ステップ109:中継局のアップリンクエンコーディングユニットは、アップリンクデータをエンコードするとともに、エンコードされたアップリンクデータを送信器を介してアップリンク中継サブフレームで基地局へ送信する。
【0032】
ステップ101〜103は中継局をイネーブルにするためのステップであり、ステップ104〜106は、中継局がデータを基地局から端末へ転送するためのステップであり、ステップ107〜109は、中継局がデータを端末から基地局へ転送するためのステップである。
【0033】
前記手続き中、中継局が中継機能をイネーブルにした後、適用されるフレーム構造は、従来の端末フレーム構造から図7に示される中継局フレーム構造へ切り換えられる。その後、中継局は、ダウンリンク中継サブフレームおよびアップリンク中継サブフレームのための時間−周波数リソース割り当て情報を中継フレームヘッダから取得しても良い。次のフレームにおいて、中継局は、最終ダウンリンク中継サブフレームで基地局から受信された情報にしたがってフレームヘッダを構成して送信するとともに、アクセスサブチャンネルから端末のアクセス要求を受けることを含め、アップリンク端末サブフレームで端末からデータを受信しても良い。更に、中継局は、中継局の複雑さを減少させるためにフレームヘッダを送信しなくても良い。
【0034】
本発明の一実施形態に係る中継局に起因して、現在の基地局フレーム構造を修正する必要があるとともに、中継局フレーム構造を規定する必要がある。特定の基地局フレーム構造および中継局フレーム構造が異なる構成を成していても良く、これについては、実施形態および図面を参照して以下で詳しく説明する。
本発明の実施形態で提供される装置および方法によれば、中継局をワイヤレス通信システムに導入し、現在のプロトコルの基地局フレーム構造を変更し、中継サブフレーム構造を設計することにより、基地局のカバレッジエリア内の端末の通信速度が高められるとともに、基地局のカバレッジエリアの外側の端末にもサービスを提供することができ、これにより、基地局のカバレッジエリアが大きく拡張されるとともに、ネットワーキングの早い段階で基地局の数が減少され、スペクトル利用が向上される。また、中継局に近いが基地局から遠い端末において、中継局を介した送信は、端末の送受信電力を減少させることができ、したがって、バッテリ消費が節約され、端末のバッテリの寿命が効果的に延びる。
【0035】
本発明の1つの実施形態では、本発明の一実施形態に係る基本的な基地局フレーム構造が図8に示されており、中継局フレーム構造が図9に示されている。RSTTGは、中継局が送信状態から受信状態へ移行する時間を表わしており、また、RSRTGは、中継局が受信状態から送信状態へ移行する時間を表わしている。基地局フレームは、基地局アップリンクサブフレームと基地局ダウンリンクサブフレームとを含んでいる。基地局ダウンリンクサブフレームは2つのセクションに更に分けられる。1つのセクションは、基地局がそのカバレッジエリア内の端末にサービスを提供するように構成されるダウンリンク端末サブフレームとして知られており、また、他のセクションは、中継局にサービスを提供するように構成されるダウンリンク中継サブフレームとして知られている。同様に、基地局アップリンクサブフレームも2つのセクションに更に分けられる。1つのセクションは、基地局のカバレッジエリア内の端末にサービスを提供するように構成されるアップリンク端末サブフレームとして知られており、また、他のセクションは、中継局にサービスを提供するように構成されるアップリンク中継サブフレームとして知られている。フレームヘッダのコンフィギュレーション情報では、ダウンリンク中継サブフレームおよびアップリンク中継サブフレームの時間−周波数リソースが任意の端末において割り当てられないため、端末は、常に、それ自体に属するデータがこれらの2つのセクションに存在しないと見なす。すなわち、その端末に関して、ダウンリンク中継サブフレームおよびアップリンク中継サブフレームは完全にトランスペアレントである。一般に、基地局ダウンリンクサブフレームおよび基地局アップリンクサブフレームのフレーム長は相対的に固定されている。すなわち、これらの2つのパラメータが設定されると、基地局の動作中にこれらのパラメータは変更されない。本発明の実施形態において、基地局ダウンリンクサブフレームおよび基地局アップリンクサブフレームのフレーム長が変わらなかった場合には、トラフィック状態にしたがって、ダウンリンク端末サブフレームおよびダウンリンク中継サブフレームのフレーム長、アップリンク端末サブフレームおよびアップリンク中継サブフレームのフレーム長、および、アップリンク中継サブフレームおよびダウンリンク中継サブフレームによって占められるサブチャンネルリソースに対して動的な調整が行なわれても良く、それにより、時間−周波数リソースのより柔軟性のあるコンフィギュレーションおよび利用が可能になる。基地局のダウンリンクトラフィックバーストおよびアップリンクトラフィックバースト、および、中継局のダウンリンクトラフィックバーストおよびアップリンクトラフィックバーストの割り当ては、従来技術と完全に一致する。中継局のダウンリンクトラフィックバーストおよびアップリンクトラフィックバーストは、全て基地局によって割り当てられて、ダウンリンク中継バーストデータを介して中継局に知らされるが、中継局は、それ自体によってトラフィックバーストの時間−周波数リソースを割り当てることができない。
【0036】
基地局フレーム構造のダウンリンク中継サブフレームは、中継フレームヘッダとダウンリンク中継バーストデータとを含む。中継フレームヘッダはアップリンクおよびダウンリンク中継サブフレームのための時間−周波数リソース割り当て情報であり、これにしたがって、中継局は、ダウンリンク中継バーストデータを受信するとともに、アップリンク中継バーストデータを送信する。これは、従来の基地局フレームのそれと同様である。ダウンリンク中継バーストデータは、基地局から全ての中継局へ送信されるブロードキャスト情報であっても良く、また、特定の中継局へ送信されるトラフィックデータであっても良い。ブロードキャスト情報は次のフレームのフレームヘッダ情報を含んでおり、これにしたがって、中継局は、次のフレームのフレームヘッダを再構成しても良く、また、フレームヘッダが基地局のフレームヘッダと一致するようにしても良い。次のフレームのフレームヘッダ情報にしたがって、中継局は、ダウンリンク端末サブフレームおよびアップリンク端末サブリンクのトラフィックバーストのための割り当て条件を知っていても良い。それに応じて、中継局は、その接続識別子バインディングテーブルにしたがって、それがどの端末に対してデータをダウンリンク端末サブフレームで転送するべきか及びそれがどの端末からデータをアップリンク端末サブフレームで受信すべきかを知っていても良い。
【0037】
基地局フレーム構造に応じて、中継局フレーム構造のダウンリンク端末サブフレームは、基地局のカバレッジエリアの外側の端末にサービスを提供するために基地局から端末へデータを転送するように構成される。この場合、データは、中継局によってそのダウンリンクデータバッファから抽出される。端末は、当初の同期化を実行するとともに、時間−周波数リソース割り当て情報をフレームヘッダから取得するため、中継局フレームヘッダで送信される情報は、基地局フレームヘッダで送信されるものと同じであり、それにより、セル内の全ての端末を適切に同期化することができるとともに、セル内の全ての端末が同じ時間−周波数リソース割り当て情報を受けることができる。基地局フレームおよび中継局フレームのフレームヘッダが一致しない場合には、基地局のカバレッジエリア内および中継局のカバレッジエリア内の両方に位置されるセルが干渉される。更に、中継ダウンリンクサブフレームで使用される時間−周波数リソースは、基地局の対応する部分に対して直交する。端末は、フレームヘッダから取得される情報にしたがってそれ自体に属するデータを受信するとともに、中継局の存在に全く気付かない。
【0038】
中継局は、基地局から中継局へ送信される制御コマンドと基地局が端末へ転送するように中継局に命じるダウンリンクデータとを含むデータを、ダウンリンク中継サブフレームで基地局から受ける。中継局の基地局コマンド抽出ユニットは、受信されたデータからコマンドを抽出し、また、ダウンリンクデータバッファリングユニットは、端末へ転送されるべきデータをダウンリンクデータバッファ内に記憶する。中継局は、端末から受信された全てのデータをアップリンク中継サブフレームで基地局へ転送する。この場合、データは、中継局のアップリンクデータバッファから抽出される。また、中継局から基地局へ送信される何らかの制御情報は、アップリンク中継サブフレームで送信されても良い。
【0039】
送信された物理フレームにおいて、各バーストは、受信側のチャンネル推定のためのパイロットを送信しなければならない。ダウンリンク端末チャンネルにおいては、データが基地局から送信されても良く或いは中継局から送信されても良いため、パイロットの送信が各トラフィックバーストにおいて制限されなければならない。例えば、図8において、ダウンリンクトラフィックバースト1の時間−周波数リソースに対応するチャンネルを推定するためのパイロットは、中継局ではなく基地局によってのみ送信することができ、同様に、中継ダウンリンクトラフィックバースト1の時間−周波数リソースに対応するチャンネルを推定するためのパイロットは、基地局ではなく中継局によってのみ送信することができる。同様のケースが、異なる中継局によって送信されても良いアップリンク中継サブフレームに起こる。アップリンク中継バースト1が中継局1によって送信されると仮定すると、このバーストの時間−周波数リソースに対応するチャンネルを推定するためのパイロットは、他の中継局ではなく中継局1によってのみ送信することができる。
【0040】
本発明の他の実施形態では、図8において、アップリンク端末サブフレームおよびアップリンク中継サブフレームの時間順序が置き換えられても良い。置き換えた後、1フレームの期間中、中継局は、4回にわたって送信状態と受信状態との間の切り換えを行なう必要があるが、図8における方式によれば、中継局は、2回にわたって切り換えを行なうだけで済む。
【0041】
本発明の他の実施形態では、図8および図9に示される態様に加えて、アクセスサブチャンネルによって図10に示される態様が採用されても良い。この場合、(a)は基地局フレームであり、(b)は中継局フレームである。同様に、アクセスサブチャンネルが他の位置に配置されても良い。
【0042】
本発明の他の実施形態では、図8に示される基地局フレームにおいて、中継フレームヘッダは、特に中継局と基地局との間の同期化のためのトレーニングシーケンスを含み、それにより、中継局と基地局との間のより良い同期化を達成できるようになっていても良い。
【0043】
本発明の他の実施形態において、ダウンリンク中継サブフレームのフレームヘッダは、OFDMAシンボル全体を占めず、図11に示されるようにOFDMAシンボルの一部を占めても良い。この場合、(a)は基地局フレームであり、(b)は中継局フレームである。
【0044】
本発明の他の実施形態では、ダウンリンク端末サブフレームのトラフィックバーストが図12に示されるように配置されても良い。この場合、(a)は基地局フレームであり、(b)は中継局フレームである。すなわち、送信側の場合、その時間−周波数リソースが時間に関して割り当てられる。例えば、基地局は、基地局のエリア内でしか送信することができず、また、中継局1は、中継局1のエリア内でしか送信することができない。図11は中継局が1つだけ存在する場合を示しており、それは、複数の中継局が存在する場合と類似している。ここでは、ダウンリンク端末サブフレームの場合だけについて説明されており、それはアップリンク端末サブフレームの場合に類似しているため、その説明を省略する。
【0045】
本発明の他の実施形態では、図8および図9に示されるフレーム構造の方式に加えて、図13および図14に示される方式が採用されても良い。この場合、図13は基地局フレームを示しており、図14は中継局フレームを示している。この実施形態において、基地局から中継局へ送信されるダウンリンクデータは、基地局ダウンリンクサブフレームの時間−周波数リソースの一部を占めている。ここで、基地局または中継局から端末へ送信されるダウンリンクにおける時間−周波数リソースは、ダウンリンク端末サブフレームではなくダウンリンク端末領域と称され、基地局から中継局へ送信されるダウンリンクにおける時間−周波数リソースはダウンリンク中継領域と称され、端末から中継局または基地局へ送信されるアップリンクにおける時間−周波数リソースはアップリンク端末領域と称され、また、中継局から基地局へ送信されるアップリンクにおける時間−周波数リソースはアップリンク中継領域と称される。ダウンリンク端末領域には、図8におけるフレームヘッダに類似する中継フレームヘッダは存在せず、また、当該領域におけるトラフィックバーストの時間−周波数リソースの割り当て情報は、フレーム全体のフレームヘッダによって与えられる。アップリンク中継領域におけるトラフィックバーストの時間−周波数リソースの割り当て情報もフレーム全体のフレームヘッダによって与えられる。
【0046】
本発明の他の実施形態では、本発明の一実施形態における中継局の場合、前記フレーム構造方式に加えて、図15および図16に示されるフレーム構造方式が採用されても良い。この場合、図15は基地局フレームを示しており、図16は中継局フレームを示している。この方式では、基地局が高出力でフレームヘッダおよびブロードキャスト情報を送信し、中継局は送信しない。ダウンリンクデータが端末へ転送される場合、基地局は、最初に、ダウンリンクデータをダウンリンク中継サブフレームで中継局へ送信し、ダウンリンク中継サブフレームのフレームヘッダは、時間−周波数リソースが端末のためにダウンリンク端末サブフレームで割り当てられることを端末に知らせるために使用される。中継局は、その後のダウンリンク端末サブフレームの対応する時間−周波数リソースでデータを端末へ転送する。それはアップリンク信号の転送に関して類似している。このフレーム構造の第1の利点は、基地局が次のフレームのブロードキャスト情報を各フレームで中継局へ送信することが避けられ、それにより、エアインタフェースの消費が省かれるという点である。第2の利点は、基地局が、前のフレームでリソースを割り当てる必要がなく、より新しいチャンネル情報を有するリソースを割り当てることができ、したがって、急速に変化するチャンネルに適合するという点である。
【0047】
本発明の他の実施形態において、それは、図17に示されるように一般化されたフレーム構造を示している。この場合、(a)は基地局フレームであり、(b)はタイプI中継局フレームであり、(c)はタイプII中継局フレームである。
【0048】
基地局ダウンリンクサブフレームは、2つのタイプの中継局をサポートするため、2つのセクション(区間1および区間2)へ時間的に分けられる。タイプI中継局はフレームヘッダを送信せず、タイプII中継局はフレームヘッダを送信する。区間1と区間2との間の境界は、固定されていても良く、あるいは、時間に伴って動的に変化できても良い。しかしながら、各変化前に、基地局は、変化が起こることをタイプII中継局に知らせる必要がある。さもなければ、タイプII中継局は、それに対して送信される中継フレームヘッダをどこから受けるのかを知ることができない。
【0049】
基地局によってタイプI中継局に対して与えられるデータおよび中継フレームヘッダ(図17の中継フレームヘッダ1)は、ダウンリンクサブフレームの区間1で送信され、また、基地局によってタイプII中継局に対して与えられるデータおよび中継フレームヘッダ(図17の中継フレームヘッダ2)は、ダウンリンクサブフレームの区間2で送信される。中継フレームヘッダ1は、タイプI中継局のために基地局によって割り当てられる時間−周波数リソースを規定し、また、中継フレームヘッダ2は、タイプII中継局のために基地局によって割り当てられる時間−周波数リソース情報を規定する。タイプI中継局は、それによって管理される端末に対して区間2でダウンリンクデータを送信し、また、タイプII中継局は、それによって管理される端末に対して区間1でダウンリンクデータを送信する。
【0050】
図17には、基地局のダウンリンクトラフィックバーストと中継局のダウンリンクトラフィックバーストとの間の時間−周波数リソース割り当ての関係が示されていない。しかしながら、タイプI中継局またはタイプII中継局にかかわらず、それらがダウンリンクトラフィックバーストを端末へ送信する場合には、時間−周波数リソースの直交性を確保する必要がある。時間−周波数リソースが直交性を有していない場合には、基地局から送信されるデータと中継局から送信されるデータとの間の干渉が許容範囲内に入るようにしなければならない。
【0051】
図18は、本発明の一実施形態に係る中継局とのモバイル通信を実施するためのシステムの構造図である。当該システムにおいて、中継局は、基地局と端末との間に配置されており、基地局と端末との間でデータを転送するために使用される。システムは、中継局を介して基地局へデータを送信し且つ基地局から中継局を介してデータを受信するように構成された端末と、端末と基地局との間でデータを転送するように構成された中継局と、中継局を介して端末へデータを送信し且つ端末から中継局を介してデータを受信するように構成された基地局とを含んでいる。
【0052】
このシステムの中継局は、オリジナル信号を増幅して転送するだけの従来の中継局の機能を拡張する。また、このシステムの中継局は、オリジナル信号を再デコードし且つ再エンコードすることができ、したがって、基地局のカバレッジエリアの外側の端末にデータ転送サービスを提供することができる。送信器、受信器、送受切替器、および、アンテナに加えて、中継局は、端末から基地局へ送信されて受信局によって受信されたデータを処理するとともに処理されたデータを送信器へ送信するように構成されたアップリンクデータ処理モジュールと、端末から基地局へ送信されて受信器によって受信されたデータを処理するとともに処理されたデータを送信器へ送信するように構成されたダウンリンクデータ処理モジュールと、送信器、受信器、アップリンクデータ処理モジュール、および、ダウンリンクデータ処理モジュールを制御するように構成された制御プロセッサと、を更に含んでいる。
【0053】
このシステムでは、基地局と端末との間に中継局が加えられているため、データ転送のための従来のフレーム構造を変える必要があり、また、基地局フレーム構造および中継局フレーム構造が適用される。基地局フレームは、基地局ダウンリンクサブフレームと基地局アップリンクサブフレームとを含んでいる。基地局ダウンリンクサブフレームは、ダウンリンク端末サブフレームとダウンリンク中継サブフレームとを含んでいる。基地局アップリンクサブフレームは、アップリンク端末サブフレームとアップリンク中継サブフレームとを含んでいる。中継局フレームは、ダウンリンク端末サブフレームと、ダウンリンク中継サブフレームと、アップリンク端末サブフレームと、アップリンク中継サブフレームとを含んでいる。特定のフレーム構造および機能は先の説明と同様である。
【0054】
また、中継局および基地局は、同じ時間−周波数リソースを直交多重化する。各中継局は基地局との1つ以上の接続を管理し、各接続は接続識別子によって区別される。接続識別子は基地局によって集権化されて割り当てられ、また、接続識別子とそれらの占められた時間−周波数リソースとの間の対応する関係は、基地局のカバレッジエリア内の端末へ送信される。端末は、対応する時間−周波数リソースからデータを抽出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル通信を実施する装置であって、
基地局フレーム構造に従って基地局からデータを受信し、中継局フレーム構造に従って端末からデータを受信する受信器であって、前記基地局フレーム構造は、基地局ダウンリンクサブフレームと基地局アップリンクサブフレームとを含み、前記基地局ダウンリンクサブフレームが、前記基地局ダウンリンクサブフレームの先頭に設けられたフレームヘッダと、ダウンリンク端末サブフレームと、ダウンリンク中継サブフレームとを備え、前記基地局アップリンクサブフレームがアップリンク端末サブフレームとアップリンク中継サブフレームとを備え、前記中継局フレーム構造は、ダウンリンク端末サブフレームと、ダウンリンク中継サブフレームと、アップリンク端末サブフレームと、アップリンク中継サブフレームと、前記中継局フレーム構造の先頭に設けられフレームヘッダを受信するための部分と、を備える、受信器と、
前記基地局フレーム構造に従って前記基地局にデータを送信し、前記中継局フレーム構造に従って前記端末にデータを送信する送信器と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記受信器が前記端末から受信したデータを処理するとともに、前記処理したデータを前記送信器に送信するよう構成されたアップリンクデータ処理モジュールと、
前記受信器が前記基地局から受信したデータを処理するとともに、前記処理したデータを前記送信器に送信するよう構成され、前記送信器および前記受信器を前記アップリンクデータ処理モジュールと時分割態様で共有するダウンリンクデータ処理モジュールと、
前記送信器と、前記受信器と、前記アップリンクデータ処理モジュールと、前記ダウンリンクデータ処理モジュールとを制御するように構成された制御プロセッサと、
を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アップリンクデータ処理モジュールは、
前記端末から前記基地局へ送信されたベースバンド信号を復調し、デシンボルマッピングし、デインターリービングし、および、チャンネルデコーディングすることによって、エンコードされていないオリジナル情報データを取得するように構成されたアップリンクデコーディングユニットと、
前記端末から送信され且つ前記アップリンクデコーディングユニットによって処理されたオリジナル情報データをバッファリングするように構成されたアップリンクデータバッファリングユニットと、
前記端末から送信され且つ前記アップリンクデコーディングユニットによって処理されたオリジナル情報データの信号品質を測定するように構成されたアップリンク品質測定ユニットと、
前記アップリンクデータバッファリングユニットにおけるオリジナル情報データをチャンネルエンコードし、インタリーブし、シンボルマッピングし、および、変調するように構成されたアップリンクエンコーディングユニットと
を更に備える請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ダウンリンクデータ処理モジュールは、
前記基地局から前記端末へ送信されたベースバンド信号を復調し、デシンボルマッピングし、デインターリービングし、および、チャンネルデコーディングすることによって、エンコードされていないオリジナル情報データを取得するように構成されたダウンリンクデコーディングユニットと、
前記ダウンリンクデコーディングユニットによって処理されたオリジナル情報データをバッファリングするように構成されたダウンリンクデータバッファリングユニットと、
前記ダウンリンクデコーディングユニットによって処理されたオリジナル情報データから基地局コマンドを抽出するとともに、当該コマンドを前記制御プロセッサへ送信するように構成された基地局コマンド抽出ユニットと、
前記ダウンリンクデータバッファリングユニットにおけるオリジナルデータ情報をチャンネルエンコードし、インタリーブし、シンボルマッピングし、および、変調するように構成されたダウンリンクエンコーディングユニットと、
を更に備える請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記基地局アップリンクサブフレームにおける前記アップリンク端末サブフレームは、一時的に、前記アップリンク中継サブフレームの前又は後に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記基地局ダウンリンクサブフレームにおける前記ダウンリンク中継サブフレームのフレームヘッダは、前記装置と前記基地局との間の同期のためのプリアンブルシーケンスを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記基地局ダウンリンクサブフレームにおける前記ダウンリンク中継サブフレームが、周波数帯の全部又は一部を占有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置を備える、モバイル通信を実施するシステム。
【請求項9】
前記中継局および前記基地局が同じ時間−周波数リソースを直交多重化し、
1つの中継局が1つ以上の接続を管理し、各接続が接続識別子によって区別される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項1】
モバイル通信を実施する装置であって、
基地局フレーム構造に従って基地局からデータを受信し、中継局フレーム構造に従って端末からデータを受信する受信器であって、前記基地局フレーム構造は、基地局ダウンリンクサブフレームと基地局アップリンクサブフレームとを含み、前記基地局ダウンリンクサブフレームが、前記基地局ダウンリンクサブフレームの先頭に設けられたフレームヘッダと、ダウンリンク端末サブフレームと、ダウンリンク中継サブフレームとを備え、前記基地局アップリンクサブフレームがアップリンク端末サブフレームとアップリンク中継サブフレームとを備え、前記中継局フレーム構造は、ダウンリンク端末サブフレームと、ダウンリンク中継サブフレームと、アップリンク端末サブフレームと、アップリンク中継サブフレームと、前記中継局フレーム構造の先頭に設けられフレームヘッダを受信するための部分と、を備える、受信器と、
前記基地局フレーム構造に従って前記基地局にデータを送信し、前記中継局フレーム構造に従って前記端末にデータを送信する送信器と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記受信器が前記端末から受信したデータを処理するとともに、前記処理したデータを前記送信器に送信するよう構成されたアップリンクデータ処理モジュールと、
前記受信器が前記基地局から受信したデータを処理するとともに、前記処理したデータを前記送信器に送信するよう構成され、前記送信器および前記受信器を前記アップリンクデータ処理モジュールと時分割態様で共有するダウンリンクデータ処理モジュールと、
前記送信器と、前記受信器と、前記アップリンクデータ処理モジュールと、前記ダウンリンクデータ処理モジュールとを制御するように構成された制御プロセッサと、
を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アップリンクデータ処理モジュールは、
前記端末から前記基地局へ送信されたベースバンド信号を復調し、デシンボルマッピングし、デインターリービングし、および、チャンネルデコーディングすることによって、エンコードされていないオリジナル情報データを取得するように構成されたアップリンクデコーディングユニットと、
前記端末から送信され且つ前記アップリンクデコーディングユニットによって処理されたオリジナル情報データをバッファリングするように構成されたアップリンクデータバッファリングユニットと、
前記端末から送信され且つ前記アップリンクデコーディングユニットによって処理されたオリジナル情報データの信号品質を測定するように構成されたアップリンク品質測定ユニットと、
前記アップリンクデータバッファリングユニットにおけるオリジナル情報データをチャンネルエンコードし、インタリーブし、シンボルマッピングし、および、変調するように構成されたアップリンクエンコーディングユニットと
を更に備える請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ダウンリンクデータ処理モジュールは、
前記基地局から前記端末へ送信されたベースバンド信号を復調し、デシンボルマッピングし、デインターリービングし、および、チャンネルデコーディングすることによって、エンコードされていないオリジナル情報データを取得するように構成されたダウンリンクデコーディングユニットと、
前記ダウンリンクデコーディングユニットによって処理されたオリジナル情報データをバッファリングするように構成されたダウンリンクデータバッファリングユニットと、
前記ダウンリンクデコーディングユニットによって処理されたオリジナル情報データから基地局コマンドを抽出するとともに、当該コマンドを前記制御プロセッサへ送信するように構成された基地局コマンド抽出ユニットと、
前記ダウンリンクデータバッファリングユニットにおけるオリジナルデータ情報をチャンネルエンコードし、インタリーブし、シンボルマッピングし、および、変調するように構成されたダウンリンクエンコーディングユニットと、
を更に備える請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記基地局アップリンクサブフレームにおける前記アップリンク端末サブフレームは、一時的に、前記アップリンク中継サブフレームの前又は後に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記基地局ダウンリンクサブフレームにおける前記ダウンリンク中継サブフレームのフレームヘッダは、前記装置と前記基地局との間の同期のためのプリアンブルシーケンスを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記基地局ダウンリンクサブフレームにおける前記ダウンリンク中継サブフレームが、周波数帯の全部又は一部を占有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置を備える、モバイル通信を実施するシステム。
【請求項9】
前記中継局および前記基地局が同じ時間−周波数リソースを直交多重化し、
1つの中継局が1つ以上の接続を管理し、各接続が接続識別子によって区別される、
請求項8に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−80546(P2012−80546A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229373(P2011−229373)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【分割の表示】特願2009−506900(P2009−506900)の分割
【原出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(503433420)華為技術有限公司 (107)
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian Longgang District, Shenzhen 518129 P.R. China
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【分割の表示】特願2009−506900(P2009−506900)の分割
【原出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(503433420)華為技術有限公司 (107)
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian Longgang District, Shenzhen 518129 P.R. China
【Fターム(参考)】
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