説明

モルホリノオリゴマーの合成方法



構造(I)を有するモルホリノ化合物を提供する。式中、Rは、低級アルキル、ジ(低級アルキル)アミノ及びフェニルからなる群から選択され、Rは、低級アルキル、単環式アリールメチル及び単環式(アリールオキシ)メチルからなる群から選択され、Rは、トリアリールメチル及び水素からなる群から選択され、Yは、保護又は非保護ヒドロキシル又はアミノ基、クロロホスホルアミダート基、及び更なるモルホリノ化合物又はモルホリノオリゴマーの環窒素とのホスホロジアミダート結合からなる群から選択される。かかる化合物としては、二重保護モルホリノグアニン(MoG)モノマーが挙げられる。モルホリノオリゴマー合成におけるその使用、及び各モノマーカップリングステップにおける保護されたモルホリノ環窒素の脱保護に関して、モルホリノオリゴマー合成の更なる改善された手順も記述される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、モルホリノサブユニットモノマーのカップリングによって、ホスホロジアミダートで連結されたモルホリノオリゴマーを合成する方法、特に各カップリングステップにおける保護されたモルホリノ環窒素の脱保護のための改善された手順、及びグアニン塩基のN2とO6/N1基の両方において保護されたグアニンモルホリノ(MoG)サブユニットの使用に関する。これらの改変を使用して合成されたモルホリノオリゴマーは、モノ保護グアニンサブユニット及び/又は従来の環窒素脱保護手順を使用して合成されたモルホリノオリゴマーよりも高い純度及び収率で得られる。
【0002】
【数1】

【背景技術】
【0003】
背景
ホスホロジアミダートで連結されたモルホリノオリゴマー、すなわちPMOは、相補RNAに堅固にかつ配列特異的に結合する核酸類似体であって、タンパク質合成、したがって遺伝子発現の調節に有用である核酸類似体である。これらのオリゴマーは、モルホリノ骨格系によって支持された塩基対合認識部分(複素環式塩基)で構成される。かかるオリゴマーの合成に使用されるモルホリノサブユニットは、容易に入手可能な安価な前駆体である対応するリボヌクレオシドから容易に調製することができる(例えば、Summerton and Weller,1993,1997参照)。
【0004】
従来のオリゴヌクレオチド合成同様、かかる合成中に、複素環式塩基上の官能基は、典型的には、合成変換における干渉を防止するためにマスクされる。例えば、N−トリチル化モルホリノモノマー(1a−f、図1)の活性化は、活性化サブユニット2a−fを形成する、5’−ヒドロキシルと適切なホスホルアミドジクロリダートとの反応を必要とする。大きな規模(50〜100ガロン反応器)では、粗製活性化サブユニットは、一般に、高レベルの副生物で汚染される。クロマトグラフィー精製後に、活性化サブユニットは、A、C、I、T、U及びその保護体については収率約50%で単離されるが、活性化された単一保護Gサブユニットについては収率約5%でしか単離されない。これは、非保護のO6酸素の存在のためと考えられる。
【0005】
O6非保護グアニンサブユニットは、オリゴマー段階において副反応も生じる。例えば、O6酸素は、カップリングステップ中に活性化サブユニットと反応して、O6リン酸化又は誘導体種を形成し、アンモニアを用いた塩基保護基の最終切断中に、アンモニアはC6において反応してこれらの種を置換し、ジアミノプリン誘導体を与え得る。かかる不純物は、クロマトグラフィーによって除去することが困難であり、収率を大きく低下させる。
【0006】
従来のオリゴヌクレオチド合成における非保護グアニンO6位の副反応を抑制するために種々の保護スキームが当分野では提案されてきた(例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5参照)。しかし、これらのプロトコルは、PMO合成に適用すると大部分は失敗であった。したがって、PMO合成において、特にGモルホリノサブユニットの使用において、収率及び純度を増加させる改善された方法が求められている。
【0007】
モルホリノサブユニットのモルホリノ窒素は、使用前に、典型的にはトリチル又は置換トリチル種でも保護される。オリゴマー合成中には、次のサブユニットの組み入れを可能にするために、この基を各サイクル中に除去しなければならない。保護基を完全に除去することができないと、所望のオリゴマー生成物を汚染するN−1欠失配列をもたらす。
【0008】
トリチル基は、従来、酸を用いて除去され、PMO合成に使用される脱保護試薬は、伝統的にカルボン酸である(Summerton et al.1993,1997)。しかし、ホスホロジアミダート基は、酸にも感受性であり、図1に示すように、脱トリチル化に有用であるカルボン酸は、アミダート種とのホスホロジアミダート結合の加水分解を促進する能力もあり、より大規模な骨格分解の可能性を有する。例えば、シアノ酢酸の20%アセトニトリル/DCM溶液は、有効な脱保護試薬であるが、PMO生成物中のホスホロジアミダート結合のかなりの(5〜10%)加水分解を起こすことが判明した。
【0009】
カルボン酸は、カップリング反応前に合成支持樹脂(synthesis support resin)からも完全に除去しなければならない。さもないと、3’−アシル化種を含む切断型オリゴマーからなる副生物が形成される。
【0010】
これらの理由のために、PMO合成におけるモルホリノ窒素脱保護のための改善された試薬が必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Gough et al.(1979) Nucleic acids research 7:1955−1964
【非特許文献2】Reese et al.(1981) Tetrahedron Lett.22:4755−4758
【非特許文献3】Reese et al.(1984) J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I 1263−1270
【非特許文献4】Jones et al.(1982A)Tetrahedron Lett.23:2253−2256
【非特許文献5】Jones et al.(1982B)Tetrahedron Lett.23:2257−2260
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様においては、本発明は、構造Iを含むモルホリノ化合物を提供する。
【0013】
【化1】

式中、
は、低級アルキル、ジ(低級アルキル)アミノ及びフェニルからなる群から選択され、
は、低級アルキル、単環式アリールメチル及び単環式(アリールオキシ)メチルからなる群から選択され、
は、トリアリールメチル及び水素からなる群から選択され、
Yは、保護又は非保護ヒドロキシル又はアミノ基、クロロホスホルアミダート基、及び更なるモルホリノ化合物又はモルホリノオリゴマーの前記環窒素とのホスホロジアミダート結合からなる群から選択される。
【0014】
選択された実施形態においては、Yは、保護又は非保護ヒドロキシル基及びクロロホスホルアミダート基からなる群から選択され、例えば、−O−P(=O)−N(CHClの形のクロロホスホルアミダート基である。Yが保護ヒドロキシル基であるときには、Yは、好ましくは、トリアルキルシリルで保護されたヒドロキシル基である。
【0015】
基は、好ましくは、トリチル(トリフェニルメチル)、4−メトキシトリチル、4−メチルトリチル、4,4’−ジメチルトリチル及び4,4’,4”−トリメチルトリチルから選択される。R基は、好ましくは、低級アルキル、特にC−Cアルキル、最も具体的には−C(CH(tert−ブチル)である。R基は、好ましくは、ベンジル及び−CH(CH(イソプロピル)から選択される。
【0016】
関連した一態様においては、本発明は、モルホリノオリゴマーを合成する改善された方法を提供する。この方法は、
(a)非保護環窒素を有する、固相に支持されたモルホリノサブユニットを、トリアリールメチルで保護された環窒素及び活性化ホスホルアミダート基を5’環外炭素上に有する、塩基で保護されたモルホリノサブユニットモノマーと反応させ、それによって5’環外炭素と非保護環窒素との間にホスホロジアミダート結合を形成すること、
(b)保護環窒素を脱保護して、非保護環窒素を形成すること、及び
(c)更なる塩基保護モルホリノサブユニットモノマーを用いて、ステップ(a)及び(b)を1回以上繰り返すこと
を含み、
塩基保護モルホリノサブユニットモノマーの少なくとも1種類が、構造Iを有する二重に保護されたグアニンモルホリノ化合物である。
【0017】
【化2】

式中、
は、低級アルキル、ジ(低級アルキル)アミノ及びフェニルからなる群から選択され、
は、低級アルキル、単環式アリールメチル及び単環式(アリールオキシ)メチルからなる群から選択され、
は、トリアリールメチル及び水素からなる群から選択され、
Yはクロロホスホルアミダート基である。
【0018】
上記構造中で示される変数の選択実施形態としては、上記のものが挙げられる。
【0019】
更に別の一態様においては、本発明は、モルホリノオリゴマーを合成する改善された方法を提供する。この方法は、
(a)非保護環窒素を有する、固相に支持されたモルホリノサブユニットを、トリアリールメチルで保護された環窒素及び活性化ホスホルアミダート基を5’環外炭素上に有する、塩基で保護されたモルホリノサブユニットモノマーと反応させ、それによって5’環外炭素と非保護環窒素との間にホスホロジアミダート結合を形成すること、
(b)保護環窒素を脱保護して、非保護環窒素を形成すること、及び
(c)更なる塩基保護モルホリノサブユニットモノマーを用いて、ステップ(a)及び(b)を1回以上繰り返すこと
を含み、
前記脱保護が、トリフルオロエタノール含有溶媒中の複素環式アミン塩を含む試薬溶液にトリアリールメチル保護環窒素を曝露することを含み、塩が、そのプロトン化された形で1〜4のpKaを有する複素環式アミンとスルホン酸、トリフルオロ酢酸及び塩酸から選択される酸との塩である。
【0020】
複素環式アミンは、好ましくは、電子求引性基で置換されたピリジン、チアゾール、ピリダジン、ピラゾール、トリアゾール及び電子求引性基で置換されたこれらの置換誘導体からなる群から選択される。かかる電子求引性基(EWG)としては、ハロゲン、シアノ、アルデヒド、ケト、カルボキシエステル及びカルボキサミドが挙げられる。
【0021】
好ましくは、複素環式アミンは、クロロ又はシアノで置換されたピリジンなどの電子求引性基で置換されたピリジンである。アミン塩は、好ましくは、アルキルスルホナート、(フルオロアルキル)スルホナート、p−トルエンスルホナートなどのスルホン酸塩又はトリフルオロアセタートである。選択された実施形態においては、塩は、3−クロロピリジニウムメタンスルホナート(CPM)及び4−シアノピリジニウムトリフルオロアセタート(CYTFA)から選択される。
【0022】
TFE含有溶媒は、好ましくは、約90:10から25:75の体積比のジクロロメタンとトリフルオロエタノール、より好ましくは体積比約80:20のDCM:TFEを含む。
【0023】
トリアリールメチル保護基は、トリチル(トリフェニルメチル)、4−メトキシトリチル、4−メチルトリチル、4,4’−ジメチルトリチル及び4,4’,4”−トリメチルトリチルからなる群から選択される。
【0024】
本明細書に記載の改変及び改善は、上記ステップ(a)から(c)が実施されるように組み合わせることができ、
(i)塩基保護モルホリノサブユニットモノマーの少なくとも1種類は、上記構造Iを有する二重に保護されたグアニンモルホリノ化合物であり、
(ii)保護環窒素の脱保護は、トリフルオロエタノール含有溶媒中の複素環式アミン塩を含む試薬溶液にトリアリールメチル保護環窒素を曝露することを含み、塩は、そのプロトン化された形で1〜4のpKaを有する複素環式アミンとスルホン酸、トリフルオロ酢酸及び塩酸から選択される酸との塩である。
【0025】
典型的には、合成は、標準手順に従って、固相からのモルホリノオリゴマーの切断及び塩基の脱保護を更に含む。
【0026】
本発明のこれら及び他の目的及び特徴は、本発明の以下の詳細な説明を添付図面と併せて読むとより十分に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】活性化モルホリノサブユニットの形成を示した図である。
【図2】N2位がフェニルアセチル化され、O6位が4−ニトロフェネチル(NPE)基で保護された、二重に保護されたモルホリノGサブユニット(DPG)誘導体の形成経路を示した図である。
【図3】N2位がフェニルアセチル化され、O6位が4−ニトロフェネチル(NPE)基で保護された、二重に保護されたモルホリノGサブユニット(DPG)誘導体の代替形成経路を示した図である。
【図4】N2位がフェニルアセチル化され、O6位がフェニルスルホニルエチル(PSE)又はメチルスルホニルエチル(MSE)基で保護された、DPG誘導体の形成を示した図である。
【図5】N2位がフェニルアセチル化され、O6位がトリメチルシリルエチル(TMSE)基で保護された、DPG誘導体の形成を示した図である。
【図6】N2位がフェニルアセチル化され、O6位が一連のアリール誘導体で保護された、DPG誘導体の形成を示した図である。
【図7】N2位がフェニルアセチル化され、O6位が一連のカルバモイル誘導体で保護された、DPG誘導体の形成を示した図である。
【図8】N2位がフェニルアセチル化され、O6位が4−(ピバロイルオキシ)ベンジルオキシ(POB)基で保護された、DPG誘導体の形成を示した図である。
【図9】ホスホロジアミダートで連結されたモルホリノオリゴマー(PMO)をカルボン酸で処理すると起こり得る副反応における、ホスホロジアミダート(PDA)結合からホスホルアミダート(アミダート)結合への変換を示した図である。
【図10】モルホリノオリゴマーの段階的調製に用いられる合成樹脂の改変に使用され、チオール処理によるオリゴマーの容易な放出を可能にする、ジスルフィドアンカーの調製を示した図である。
【図11】合成アンチセンスオリゴマーの水溶解度を増加させる部分(「末端部」)を含むトリエチレングリコールの調製を示した図である。
【図12】モルホリノオリゴマーの固相合成に有用である樹脂の調製を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
I.定義
本明細書では以下の用語は、別段の記載がない限り以下の意味を有する。
【0029】
「モルホリノオリゴマー」とは、典型的なポリヌクレオチドに水素結合可能な塩基を支持する骨格を有するポリマー分子を指し、ポリマーは、五炭糖の糖骨格部分、より具体的にはヌクレオチド及びヌクレオシドの典型であるリン酸ジエステル結合によって連結されたリボース骨格を欠くが、代わりに環窒素を含み、環窒素を介してカップリングする。好ましいモルホリノオリゴマーは、オリゴマー中で、好ましくは、一サブユニットのモルホリノ窒素を隣接サブユニットの5’環外炭素に連結する(チオ)ホスホロジアミダート結合によって結合された、下に示すものなどの「モルホリノサブユニット」構造で構成される。各サブユニットは、ポリヌクレオチド中の塩基に塩基特異的水素結合によって結合するのに有効であるプリン又はピリミジン塩基対合部分Piを含む。
【0030】
【化3】

モルホリノオリゴマーは、そのすべてが参照により本明細書に明確に援用される、例えば、共同所有された米国特許第5,698,685号、同5,217,866号、同5,142,047号、同5,034,506号、同5,166,315号、同5,185,444号、同5,521,063号及び同5,506,337号に詳述されている。
【0031】
「ホスホロジアミダート」基は、2個の結合酸素原子と2個の結合窒素原子とを有するリンを含み、本明細書では1個の結合酸素原子と3個の結合窒素原子とを有するリンも指し得る。本明細書に記載のオリゴマーのサブユニット間結合においては、下式IIに示すように、1個の窒素は典型的には骨格鎖に懸垂し、第2の窒素はモルホリノ環構造中の環窒素である。その代わりに、又はそれに加えて、窒素は、下式III及びIVに示すように、5’環外炭素位に存在し得る。
【0032】
【化4】

チオホスホロジアミダート結合においては、1個の酸素原子、典型的には、本明細書に記載のオリゴマー中の骨格に懸垂した酸素は、硫黄で置換されている。
【0033】
「固相に支持されたモルホリノサブユニット」は、本明細書に記載の固相段階的合成によってモルホリノオリゴマーに組み入れられた第1又は任意のそれに続くモルホリノサブユニットモノマーであり得る。サブユニットは、その5’環外炭素を介して、固体支持体に付着し、又は固体支持体上の成長オリゴマー鎖と結合する。「塩基で保護された」とは、段階的オリゴマー合成中の反応又は塩基対合基の干渉を防止するのに適切な保護基を用いた、モルホリノサブユニット上の塩基対合基、例えば、プリン又はピリミジン塩基の保護を指す。
【0034】
「活性化ホスホルアミダート基」は、典型的には、オリゴマー中の最終的なホスホルアミダート結合において要求される窒素位の置換を有するクロロホスホルアミダート基である。一例は、(ジメチルアミノ)クロロホスホルアミダート、すなわち−O−P(=O)(NMe)Clである。
【0035】
本明細書では「荷電」、「無電荷」、「陽イオン性」及び「陰イオン性」という用語は、中性付近のpH、例えば約6から8における化学部分の支配的な状態を指す。好ましくは、この用語は、生理的pH、すなわち約7.4における化学部分の支配的な状態を指す。
【0036】
「低級アルキル」とは、メチル、エチル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、イソアミル、n−ペンチル及びイソペンチルによって例示される、1から6個の炭素原子のアルキル基を指す。選択された実施形態においては、「低級アルキル」基は、1から4個の炭素原子、又は1から2個の炭素原子(すなわち、メチル又はエチル)を有する。同様に、「低級アルケニル」とは、アリル及びブテニルによって例示される、2から6個、好ましくは3又は4個の炭素原子のアルケニル基を指す。
【0037】
「非干渉」置換基は、その意図された標的に結合する本明細書に記載のアンチセンスオリゴマーの能力に悪影響を及ぼさない置換基である。かかる置換基としては、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシ、フルオロなどの小さい、好ましくは非極性の、基が挙げられる。
【0038】
II.PMO合成における塩基保護
モルホリノケミストリー特有の難題のために、塩基保護基は、幾つかの要件を満たさなければならない。保護基は、複素環式部分上に容易に導入されるべきであり、その後、サブユニット活性化及び精製条件並びに固相合成に安定であるべきである。保護基は、成長鎖のモルホリノアミン部分と反応性であるべきではなく、活性化モルホリノサブユニットが成長オリゴマー鎖ときれいにカップリングするようにすべきである。保護基は、新しい不純物を持ち込むことなく、好ましくはアンモニアによって、切断されるべきである。最後に、保護基は、活性化前のクロマトグラフィー精製を不要にするために、結晶性サブユニット誘導体をもたらすべきである。
【0039】
以下及び比較例に示すように、核酸合成に使用され、二重に保護されたグアノシンに対して文献に報告された保護基は、これらの判定基準を十分満たさなかった。したがって、新しい保護戦略がモルホリノGサブユニットには必要であった。以下に示すように、O6位における4−(ピバロイルオキシ)ベンジルオキシ基の使用は、上記判定基準のすべてを満たすことが見いだされた。
【0040】
A.O6保護基:比較データ
A1.4−ニトロフェネチルエーテル(NPE)
この誘導体を図2(Mitsunobu 1981)又は図3(Jones et al.1982B)に示したように調製した。粗製O6保護サブユニットは妥当な収率で調製することができたが、化合物は容易に結晶性ではなく、シリカゲルクロマトグラフィーでしか十分に精製することができず、大規模生産には望ましくない。広範な再スラリー及び/又は再結晶条件を試験した後、ブトキシエタノール含有溶媒の組合せが、ある程度の困難を伴って、材料を結晶化できることが見いだされた。しかし、過剰のブトキシエタノールを最終生成物から除去することができず、化合物は溶媒和化合物として結晶化する可能性があった。過剰のアルコール溶媒の存在は、活性化反応においては許容されないであろう。
【0041】
NPE基は、強塩基を用いてβ脱離機構によって切断される。これらの条件は、反応性副生物4−ニトロスチレンを生成する傾向にあり、4−ニトロスチレンは次いでオリゴマー上の反応部位と反応し得る。オリゴマーによる副生物の捕捉を防止しようてして種々の捕捉剤(例えば、チオール及び1,3−ジカルボニル化合物)が脱保護混合物に導入されたが、この内部帰還問題を解消するのに完全に成功したものはなかった。精製後でも、このサブユニットを用いて調製されたオリゴマーは、黄色みがかった色であった。
【0042】
A2.フェニルスルホニルエチル(PSE)及びメチルスルホニルエチル(MSE)
図4に示すように、これらの基を対応する2−チオエタノール誘導体を介して導入した(Jones et al.1982A,1982B)。しかし、生成したサブユニットに対して好結果の結晶化手順を見いだすことはできなかった。
【0043】
上記NPE基同様、これらの基は、β脱離機構によって切断される。オリゴマーへの組み入れ後、これらの誘導体は、NPE基で見られた同じ問題、すなわち、脱保護中に形成された反応性アルケン副生物の内部帰環を生じた。
【0044】
A3.トリメチルシリルエチルエーテル
Jonesによって報告されたように(Jones et al.1982B)、O6−TMSE修飾モルホリノグアニンサブユニットを図5に示すように調製したが、それはオリゴマー合成中安定ではなかった。このサブユニットを用いて作製されたオリゴマーは、O6非保護Gサブユニットでできたオリゴマーに類似したある範囲の副生物を示した。
【0045】
A4.フェニルエーテル
O6フェニル置換を有するモルホリノグアニンサブユニット(図6)をReese et al.(1981,1984)の手順に従って調製した。誘導体は、非置換フェニル、2,5−ジクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル及び3−フルオロフェニルを含んだ。かかるサブユニットをPMOに組み入れることはできたが、2−ニトロベンズアルデヒドオキシム、強塩基などの通常の試薬を用いた脱保護は、オリゴマーの分解なしには終了できなかった。
【0046】
A5.カルバマート
幾つかのO6−カルバマート誘導体をHata et al.1983の手順に従って合成した(図7)。オリゴマー合成におけるこれらの誘導体の使用は、使用する誘導体に応じて結果が変わった。ジフェニルカルバモイル類似体などのより不安定な種では、成長鎖の3’窒素への保護基の移動が固相合成のカップリングステップ中に認められ、3’−ジフェニルカルバモイル部分を含む切断型オリゴマーが生成した。さらに、O6−カルバマートは、アンモニアと反応可能な2個の部位を有する。ジフェニルカルバモイル基などのより反応性の部分は、カルボニルにおける比較的選択的な攻撃を生じ、より安定なジメチル及びピロリジニルカルバマートは、C6位においてアンモニアの重要な競争反応を示し、ジアミノプリンに転化された。
【0047】
B.4−(ピバロイルオキシ)ベンジルオキシ保護基
4−(ピバロイルオキシ)ベンジルオキシアルコール(4a、図8)を効率的高収率合成によってモルホリノグアニンサブユニットに導入した。活性化前のサブユニット(図1及び8における化合物1f)は、合成することができ、クロマトグラフィー精製なしに大規模に再現性良く単離することができ、種々の溶媒(例えば、THF/水、THF/ヘプタン、アセトニトリル、種々のエステル/炭化水素混合物)から結晶化することができる。50〜200ガロン規模(バッチサイズ:化合物1c8〜27kg)で製造された10バッチのこのサブユニットは、(HPLCによる)純度97.6%から99.2%を有する生成物の平均収率が65%であった。
【0048】
このサブユニットは、モノ保護Gよりもはるかにきれいに活性化サブユニットに転化され(すなわち、5’−クロロホスホルアミダート化合物への転化)、シリカゲルクロマトグラフィーによってより容易に精製することができる。規模で、化合物1fから化合物2f(図1)への全収率は約50%である。
【0049】
POB保護基は、N2及びモルホリノ環窒素に対する保護基の別の組合せを用いて使用することができる。適切なN2保護基としては、(図8に示す)フェニルアセチル、並びにアセチル、プロピオニル、イソブチリル及びフェノキシアセチルが挙げられる。カップリングステップ間のモルホリノ環窒素保護に適切なトリチル種としては、非置換トリチル、4−メチル−、4,4’−ジメチル−及び4,4’,4”−トリメチルトリチル並びに4−メトキシトリチルが挙げられる。
【0050】
別のアシル保護基を、POB基のフェノール部分に対するピバロイルの代わりに使用することもできる。適切な代替物としては、N,N−ジメチルカルバモイル及びベンゾイルが挙げられる。
【0051】
PMO合成中に、上で考察したO6−カルバマートに共通した副反応である、完全長PMOのより小さい断片の3’末端にピバロイル基が結合した生成物は見られない。検出された唯一の注目すべき副生物は、脱保護副生物キノンメチドとの反応に起因する、フェノール残基を含むPMOであった。しかし、この副生物は、アンモニア性脱保護溶液の十分な希釈によって、微量レベルに減少させることができた。さらに、この副生物は、強力な陰イオン交換クロマトグラフィーに使用される重合体樹脂とフェノール残基との強い結合のために容易に除去される。一般に、精製PMOの全収率は、表1に見られるように大きく増加する。
【0052】
POBで保護されたグアニン基によって促進されるPMO生成の改善は、PMO固相合成に続く精製において最も明白である。ジアミノプリン及び関連副生物を除去する難しさは、強力な陰イオン交換(SAX)クロマトグラフィー中の重大な損失を招き得る。例えば、CPM及びMPG(モノ保護グアニンサブユニット、2c)を用いて調製されたAVI−4126の粗純度は、68〜73%の範囲であり、PMOの約58%粗収率に計算する。トリチルOn及びトリチルOff精製中に、純粋な生成物を得るためにかなりの材料が失われ、クロマトグラフィーからの全回収率は52%である。CYTFA及びDPG(二重保護グアニンサブユニット)を用いて製造されたAVI−4126の場合、粗純度は70〜75%であり、質量分析法によるN−1レベルが類似し(CYTFAとCPM試薬の各脱トリチル化効率がほぼ同等であることを示す。)、粗収率は約61%である。しかし、通常の精製方法を適用すると、粗製混合物からPMOの80%が回収される。
【0053】
【表1】

共同所有された米国特許出願第11/801,885号に記載の方法に従い、表に示した修飾を用いて、合成を実施した。下記実施例3〜6参照。すべてのPMOは、5’「末端部」を有し、3’末端が非置換である。
CAA=20%アセトニトリル/DCM(v/v)混合物中の11%シアノ酢酸(w/w)、CPM=20%トリフルオロエタノール/DCM(v/v)中の2%3−クロロピリジナム(Chloropyridinum)メタンスルホナート(w/v)及び0.9%エタノール(v/v)、CYTFA=20%トリフルオロエタノール/DCM(v/v)中の2%3−シアノピリジナム(Cyanopyridinum)トリフルオロアセタート(w/v)及び0.9%エタノール(v/v)。
規模は、グラム単位の出発樹脂重量である。樹脂使用量は480〜520マイクロモル/gである。
4×12gと1×8g運転の総生成量
2×12g運転の総生成量
4×12g運転の総生成量
最終Cサブユニットの付加は、モルホリノ窒素上の4−メトキシトリチル保護を有する活性化モルホリノCサブユニットを用いて実施された。
【0054】
したがって、本発明の二重に保護されたMoGモノマーの使用は、従来技術方法よりも、特にモノ保護MoGモノマー又は本発明のものではない別の保護MoGモノマーを使用したときに認められた精製収率よりも、高い精製収率でモルホリノオリゴマーを合成する方法を提供する。特に、この方法は、好ましくは、本発明のものではないMoGモノマーを使用して得られるよりも低レベルのジアミノプリン種を生成する。
【0055】
III.二重に保護されたグアニンモルホリノサブユニット
本発明の二重に保護されたグアニン(DPG)モルホリノサブユニットは、以下の構造を有する。
【0056】
【化5】

式中、
は、低級アルキル、ジ(低級アルキル)アミノ及びフェニルからなる群から選択され、
は、低級アルキル、単環式アリールメチル及び単環式(アリールオキシ)メチルからなる群から選択され、
は、トリアリールメチル及び水素からなる群から選択され、
Yは、保護又は非保護ヒドロキシル又はアミノ基、クロロホスホルアミダート基、及び更なるモルホリノ化合物又はモルホリノオリゴマーの環窒素とのホスホロジアミダート結合からなる群から選択される。
【0057】
選択された実施形態においては、Yは、(前もって活性化されたモノマーにおけるような)保護若しくは非保護ヒドロキシル基、又は(活性化モノマーにおけるような)クロロホスホルアミダート基である。ヒドロキシル基の好ましい保護基としては、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)などのトリアルキルシリル基が挙げられる。
【0058】
Yが更なるモルホリノ化合物の環窒素とのホスホロジアミダート結合又はモルホリノオリゴマーとのホスホロジアミダート結合である実施形態とは、塩基脱保護前のモルホリノオリゴマー合成中に形成された種を指す。
【0059】
以下に考察するように、(活性化モノマー中の)クロロホスホルアミダート基上の置換基は、所望の特定のホスホロジアミダート結合に応じて変わり得る。
【0060】
それに応じて、本発明は、モルホリノオリゴマーを合成する方法であって、
(a)非保護環窒素を有する、固相に支持されたモルホリノサブユニットを、トリアリールメチルで保護された環窒素及び活性化ホスホルアミダート基を5’環外炭素上に有する、塩基で保護されたモルホリノサブユニットモノマーと反応させ、それによって前記5’環外炭素と前記非保護環窒素の間のホスホロジアミダート結合を形成すること、
(b)前記保護環窒素を脱保護して、非保護環窒素を形成すること、及び
(c)更なる塩基保護モルホリノサブユニットモノマーを用いて、ステップ(a)及び(b)を1回以上繰り返すこと
を含み、前記塩基保護モルホリノサブユニットモノマーの少なくとも1種類が、下記構造を有する二重に保護されたグアニンモルホリノ化合物である、方法も提供する。
【0061】
【化6】

式中、
は、低級アルキル、ジ(低級アルキル)アミノ及びフェニルからなる群から選択され、
は、低級アルキル、単環式アリールメチル及び単環式(アリールオキシ)メチルからなる群から選択され、
は、トリアリールメチル及び水素からなる群から選択され、
Yはクロロホスホルアミダート基である。
【0062】
モルホリノ環窒素の好ましいトリアリールメチル保護基(R)としては、トリチル(トリフェニルメチル)、4−メトキシトリチル、4−メチルトリチル、4,4’−ジメチルトリチル及び4,4’,4”−トリメチルトリチルが挙げられる。
【0063】
O6保護基上のR置換基は、好ましくは、CからCアルキル、特に4−(ピバロイルオキシ)ベンジルオキシ(POB)基におけるような−C(CH(tert−ブチル)である。しかし、Rは、ジメチルアミノなどのジ(低級アルキル)アミノ、又はフェニルとすることもできる。
【0064】
上述したように、「活性化」モノマーにおけるクロロホスホルアミダート基Yの置換は、所望のホスホロジアミダート結合の構造に応じて変わる。(Rがメチルである上式IIに示したように)「標準」無電荷PMO結合5’−O−P(=O)(−N(CH)−3’の調製の場合、クロロホスホルアミダート基Yは5’−O−P(=O)Cl−NRである(例えば、化合物2f、図8参照)。
【0065】
参照により本明細書に援用する、2007年5月10日に出願された米国特許出願第11/801,885号の共同所有出願に記載のように、陽イオン性及び中性のサブユニット間結合を有するPMOを調製することによって、有利な諸性質を得ることができる。かかるオリゴマーにおいては、2個の連続モルホリノ環構造間の少なくとも1個のサブユニット間結合は、懸垂陽イオン性基を含む。懸垂基は、中性又はほぼ中性(例えば、生理的)pHにおいて陽電荷を有し得る末端窒素原子を有する。
【0066】
かかる結合の調製では、本発明のサブユニットモノマー中のクロロホスホルアミダート基Yは、以下の構造の1つを有し得る。
【0067】
【化7】

式中、Rは、メチル、エチルなどの低級アルキルであり、
X=−R−NHC(=O)R(式中、Rは二価のアルキル又はオリゴPEGであり、Rは完全又は部分的にフッ素化されたメチル、エチル又はイソプロピルである。)、及び
Z=上で定義したX、又は低級アルキル。Z含有基は5’−アミン含有結合をもたらすことに留意されたい。
【0068】
「オリゴPEG」という用語は、nが典型的には1から3である−(CH−CH−O)−CH−CH−などの基を指し、「二価のアルキル」は典型的にはCからCアルキルである。
【0069】
かかる活性化クロロホスホルアミダート基を有するモノマーを用いたオリゴマーの調製後に、C(=O)R保護基を末端窒素原子から除去する。それを更に改変して、例えば、共同所有された米国特許出願第11/801,885号に記載のように、末端グアニジニル基を形成することができる。
【0070】
IV.PMO合成におけるモルホリノ環窒素の脱保護のための改善された条件
上述したように、PMO合成におけるトリチルなどのトリアリールメチル基によって典型的には保護されたモルホリノ環窒素の脱保護は、N−1欠失種を最少化するために、各ステップにおいて十分完全でなければならない。しかし、本発明を支持する研究によれば、この目的のために従来技術に使用される試薬は、望ましくない量の骨格加水分解(図1参照)及び分解を起こした。したがって、かかる加水分解を同時に最小化する効率的脱保護試薬が求められた。
【0071】
簡単なアッセイを使用して、Nで保護されたモルホリノサブユニットの脱保護(典型的には脱トリチル化)における種々の試薬の効率を試験した。モデル化合物である下記トリチル化moCBz(すなわち、ベンゾイルで保護されたシトシンモルホリノ)サブユニットを、調べようとする脱トリチル化溶液に溶解させる。種々の時点(例えば、1、2、4分)で一定分量をクエンチし、モルホリノ窒素脱保護の終了をTLC又はHPLCによって分析する。一般に、固相PMO合成中の有効な脱トリチル化を予測するために、このモデル反応は室温で約2分以内に終了すべきである。
【0072】
【化8】

このアッセイ及び更なる実験法を用いて、トリフルオロエタノール(TFE)とジクロロメタン(DCM)の混合物中の強酸の種々のピリジニウム塩が、トリアリールメチル保護基、例えばトリチル基を、固相PMO合成中にモルホリノ窒素から除去するための優れた触媒であることが判明した。
【0073】
最小量のTFE(約10%v/v以上)は、ピリジニウム塩の妥当な反応速度及び可溶化に好ましい。TFE単体は、裸のポリスチレンを膨潤させないので、DCM(ジクロロメタン)との混合物は、特にPMO合成の初期サイクルにおいて好ましい。好ましい溶媒組成物は、10から75%TFEを含む。
【0074】
TFE溶媒の使用は、PDA切断及び脱トリチル化の異なる機序を扱うことによって、上記アミダート形成(加水分解)及びホスホロジアミダート(PDA)切断よりも脱トリチル化反応の選択性を高めると考えられる。TFEは、強力な水素結合性溶媒であり、溶液中の求核剤の反応性を減少させ、したがって、P−N結合切断に必要なリン攻撃を遅延させると考えられる。TFEは、SN1型加溶媒分解反応も促進する。TFEを用いたアミン脱トリチル化反応の加溶媒分解性は、脱トリチル化反応混合物の黄色及び脱メトキシトリチル化反応混合物のオレンジがかった色によって明示される。したがって、TFE濃度の上昇は、PDA結合に対する求核攻撃を抑制し、脱トリチル化を促進すると考えられる。
【0075】
非置換ピリジニウム塩は、最適な脱保護には十分な酸性ではないが、電子求引性基(EWG)(例えば、ハロゲン、カルボニル、シアノ)を含むピリジニウム種の使用は、保護基の急速な切断を可能にする。一般に、TFE:DCM溶媒中の少なくとも2%(w/v)のかかる塩が、急速な脱トリチル化に十分である。ピリジニウム塩の好ましいレベルは2から10%(w/v)である。
【0076】
ピリジニウム塩の形成に有用である酸としては、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、及びp−トルエンスルホン酸などのスルホン酸、トリフルオロ酢酸並びに塩酸が挙げられる。カルボン酸、トリフルオロ酢酸は、カップリング反応中に成長PMO鎖(存在する場合)をキャッピングしないが、そのカルボキシラートは、アミダート形成を促進するには求核性が不十分である。特に好ましいのは、トリフルオロ酢酸、特にメタンスルホン酸である。
【0077】
ピリジニウム塩の形成に有用であるピリジンとしては、ハロゲン置換ピリジン、特により安価なクロロピリジン(中でも3−クロロピリジンが好ましい。)、及びシアノピリジン(中でも4−シアノピリジンが好ましい。)が挙げられる。3−及び4−シアノピリジンは容易に入手可能な安価なバルク化学物質である。一般に、塩の効力は、ピリジニウム種のpKaと逆の相関がある。電子求引性基を有するピリジンは、pKaが約1から4の範囲である(Fisher et al.1964、Rogne 1970)。
【0078】
ニコチン酸誘導体(すなわち、ニコチン酸エチルなどのエステル、及びニコチンアミド)、並びにそのケトン及びアルデヒド同族体も有用である。しかし、これらは、一般に、シアノピリジニウム塩より弱い試薬である。
【0079】
ピリジン以外の複素環の塩は、プロトン化体のpKaが本発明の置換ピリジンのpKaに類似しているという前提で、上記条件下で選択的脱トリチル化試薬として機能し得ることが理解されるであろう。例は、文献に記載された複素環のpKaの多数の表に見いだすことができる(例えば、Albert 1963)。例としては、チアゾール(pKa2.53)、ピリダジン(pKa2.33)、ピラゾール(pKa2.47)、トリアゾール(pKa2.30)及びその置換誘導体、特に上述したようにEWGで置換された誘導体が挙げられる。
【0080】
2種類の特に好ましい塩は、3−クロロピリジニウムメタンスルホナート(CPM)及び4−シアノピリジニウムトリフルオロアセタート(CYTFA)であり、脱トリチル化試薬の特に好ましい実施形態としては、0.9%エタノール(v/v)を含む20%トリフルオロエタノール/DCM(v/v)中の2%(w/v)CPM又はCYTFAの溶液が挙げられる。上表1に示すように、これらの試薬を使用すると、収率が従来のシアノ酢酸試薬よりもかなり増加した。
【0081】
より酸性なCYTFAは、CPMよりわずかに効率的であることがわかる。しかし、「Improved Synthesis of Morpholino Oligomers using Doubly Protected Guanine Morpholino Subunits」と題する共同所有され、同時出願された仮出願に開示されているように、表中のCPMとCYTFA試薬の間の収率の増加の多くは、O6位が4−(ピバロイルオキシ)ベンジルオキシ基で保護された二重保護グアニンモノマー(DPG)の使用に帰することができる。一般に、DPGモノマーを使用するとジアミノプリン含有副生物量が減少し、改善された脱トリチル化試薬を使用すると骨格加水分解量又は切断型副生物量が減少する。
【0082】
したがって、この修飾は、従来技術の方法と比較して、骨格中のホスホロジアミダート結合の加水分解が少ない、好ましくはN−1欠失種レベルが低い又は同等である、モルホリノオリゴマーを合成する方法を提供する。別の一態様においては、本発明は、シアノ酢酸を脱保護試薬として使用したときに認められるよりもモルホリノオリゴマー骨格中のホスホロジアミダート結合の加水分解が少ない、トリアリールメチルで保護されたモルホリノ環窒素をモルホリノオリゴマー合成中に脱保護する方法を提供する。好ましくは、この方法は、シアノ酢酸を脱保護試薬として使用したときに認められるよりも低い又は同等であるN−1欠失種レベルも与える。
【0083】
有用である更なる改変は、反応平衡を生成物の方向に移動させるチオールなどのトリチル捕捉剤の使用である。チオール捕捉剤の使用は、核酸合成に採用されてきた(Ravikumar他、米国特許第5,510,476号)。メルカプトエタノールは、この目的に有用である容易に入手可能な安価な薬剤である。ベンジルメルカプタンなどの簡単なチオールも同様に十分機能するので、ヒドロキシル基の存在は捕捉には重要でない。エタノール、及びブタノールなどのアルコール、さらには水でさえ、トリチル陽イオンの捕捉剤として役立つ。
【実施例】
【0084】
(実施例1)
N2−PhAc,O6−POB二重保護モルホリノG(DPG)サブユニットの合成(図8参照)
(1c 35kgから出発する)3の調製:100G反応器に1c(35kg、1.0当量)、イミダゾール(5.0kg、1.3当量)及びジクロロメタン(279kg)を充填する。バッチを3℃に冷却する。50G反応器を3℃に冷却し、t−ブチルクロロジメチルシラン(10.1kg、1.2当量)及びジクロロメタン(93kg)を充填する。50G反応器中の溶液を100G反応器に移し、バッチを20℃に調節する。反応終了(1〜3時間)後、メタノール(1.8kg、1.0当量)を100G反応器に充填する。30分後、100G反応器中の溶液をpH3クエン酸緩衝剤(固体NaOHでpH3に調節された1Mクエン酸376kg)を含む200G反応器に充填する。バッチを30分間撹拌し、層を分離させる。下層の有機層をpH3クエン酸緩衝剤でもう1回洗浄し、塩水溶液(2.5%NaCl/水(w:w)287kg)で1回洗浄する。バッチのカールフィッシャー分析が<0.05%水を示すまで、生成した有機溶液を<35℃で蒸留する。この溶液を100G反応器中で3℃に冷却し、化合物4の調製に直接使用する。
【0085】
4の調製:化合物3の溶液を含む100G反応器にトリエチルアミン(6.8kg、1.2当量)、4−ジメチルアミノピリジン(0.68kg、0.1当量)及び塩化トリイソプロピルベンゼンスルホニル(18.6kg、1.1当量)を充填する。バッチを20℃に加温する。反応終了(3〜9時間)後、pH4.5リン酸緩衝剤(1M KHPO 228kg)を含む200G反応器に溶液を充填する。バッチを30分間撹拌し、層を分離させる。下層の有機層を塩水(2.5%NaCl/水(w:w)212kg)で洗浄する。バッチのカールフィッシャー分析が<0.01%水を示すまで、生成した有機溶液を<35℃で蒸留する。この溶液を100G反応器中で3℃に冷却し、化合物5の調製に直接使用する。
【0086】
(4−ヒドロキシベンズアルデヒド60kgから出発する)4aの調製:750G反応器に4−ヒドロキシベンズアルデヒド(60kg、1.0当量)、トルエン(260kg)及び1−メチルイミダゾール(8.1kg、0.2当量)を充填する。この溶液に炭酸水素カリウム(100kg、2.0当量)水溶液(400kg)、続いて塩化トリメチルアセチル(83kg、1.4当量)を充填する。この2相混合物を20℃で撹拌する。反応終了(1〜5時間)後、メタノール(15.7kg、1.0当量)をバッチに充填する。バッチを20℃で1時間撹拌する。層を分離させる。上層の有機層に水(200kg)を充填する。バッチを30分間撹拌し、層を分離させる。上層の有機層にpH4.5リン酸緩衝剤(水242kg中KHPO 16.5kg)を充填する。バッチを30分間撹拌し、層を分離させる。上層の有機層に水(200kg)を充填する。バッチを30分間撹拌し、層を分離させる。上層の有機層を<30℃で減圧蒸留して、バッチ体積200Lにする。THF(70kg)をバッチに充填し、Pd/C(9.6kg、0.004当量、5%Pd/C、50%ウェットJohnson MattheyタイプA405028−5又はA570129−5)を含む500G反応器にバッチを移す。撹拌を50rpmに設定して、反応器を最初に5psi Hに加圧する。反応の進行と伴に圧力と撹拌速度の両方を徐々に増加させ、最大25psi H及び90rpmにする。反応終了(8〜48時間)後、バッチをCeliteパッド、続いて0.1ミクロンインラインフィルターに通してろ過する。Celiteをトルエン(20kg)でリンスする。バッチにpH6.5リン酸緩衝液(水200kg中KHPO 2.7kg及び二塩基性リン酸カリウム三水和物2.3kg)を充填する。バッチを30分間撹拌し、層を分離させる。上層の有機層を<30℃で減圧蒸留して、バッチ体積140Lにする。トルエン(126kg)をバッチに充填し、バッチを<30℃で減圧蒸留して、バッチ体積140Lにする。バッチを20℃に調節し、0℃で保持されたn−ヘプタン(821kg)及び化合物4aの種晶(100グラム)を含む500G反応器に移す。バッチを0℃で1〜2時間保持する。追加の種晶(100グラム)を添加し、バッチを0℃で1〜2時間保持する。化合物4aをろ過によって単離する。収率=4−ヒドロキシベンズアルデヒドから70〜80%。
【0087】
フェノール部分がピバル酸エステルの代わりにそのN,N−ジメチルカルバマートとして保護された誘導体を4aに類似の条件下で調製する。4−ヒドロキシベンズアルデヒドとジメチルカルバモイルクロリドの反応を終了させるために、還流ジクロロメタン中で塩基としてN−メチルイミダゾール及び触媒として0.2当量DMAPの存在下で反応を行う。
【0088】
5の調製:化合物4の溶液を含む100G反応器にN−メチルピロリジン(9.5kg、ジクロロメタン23kgに溶解した2.0当量)を充填する。10分後、化合物4a(14.0kg、1.2当量)を添加し、続いて1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(10.2kg、ジクロロメタン23kg中の1.2当量)を添加する。バッチを20℃に加温する。反応終了(1〜9時間)後、溶液をジクロロメタン327kgで希釈し、pH4.5リン酸緩衝剤(1M KHPO 334kg)を含む200G反応器に充填する。バッチを30分間撹拌し、層を分離させる。下層の有機層をpH4.5リン酸緩衝剤(1M KHPO 111kg)でもう1回洗浄し、次いで塩水(2.5%NaCl/水(w:w)212kg)で1回洗浄する。バッチのカールフィッシャー分析が<0.05%水を示すまで、生成した有機溶液を<35℃で蒸留する。この溶液を化合物1fの調製に直接使用する。
【0089】
1fの調製:化合物5の溶液を含む100G反応器にトリエチルアミン三フッ化水素酸塩(18.0kg、2.0当量)を充填する。バッチを20℃で撹拌する。反応終了(4〜20時間)後、バッチを200G反応器に充填する。200G反応器にNaHCO溶液(5%(w:w)溶液230kg)を充填する。バッチを30分間撹拌し、層を分離させる。下層の有機層をNaHCO溶液(5%(w:w)溶液230kg)でもう1回洗浄し、次いでpH6.5リン酸緩衝剤(水215kg中KHPO 9.3kg及びKHPO 14.0kg)で1回洗浄する。生成した有機溶液をTHFに溶媒交換する(バッチ中重量で<1%DCMにする)。溶液をTHF(124kg)で希釈し、60℃に加熱する。(60℃に予熱された)水(LOE分析に基づいて溶液中の化合物1f 1kg当たり8kg)をTHF溶液に徐々に充填する。溶液を3℃に徐々に冷却し、>4時間保持する。粗製化合物1fをろ過によって単離する。粗製材料をTHF(342kg)に再溶解させ、60℃に加熱する。(60℃に予熱された)水(315kg)をTHF溶液に徐々に充填する。溶液を3℃に冷却し、>4時間保持する。化合物1fをろ過によって単離する。必要に応じて、第2の再結晶を実施して化合物1fを更に精製することができる。収率=1cから53〜73%。
【0090】
(1f 12kgから出発する)2fの調製:50G反応器に化合物1f(12kg、1.0当量)、ジクロロメタン(159kg)、2,6−ルチジン(2.5kg、1.6当量)及び1−メチルイミダゾール(0.36kg、0.3当量)を充填する。この溶液を蒸留してバッチ体積69Lとし、5℃に冷却する。N,N−ジメチルホスホルアミドジクロリダート(3.8kg、1.6当量)をバッチに充填する。バッチを20℃に調節する。反応終了(6〜16時間)後、トルエン(78kg)をバッチに充填する。生成した混合物を25℃で蒸留してバッチ体積126Lとし(バッチのGC分析は、重量で30〜45%DCMを示さなければならない。)、pH3クエン酸緩衝剤(クエン酸一水和物15.4kg、NaOH1.4kg、水80kg)を含む100G反応器に移す。バッチを10分間撹拌し、層を分離させる。下層の水層を廃棄する。上層の有機層を、硫酸ナトリウム(8.0kg)を含む50G反応器に移す。バッチを30分間撹拌し、硫酸ナトリウム廃棄ケーキをろ過除去する。硫酸ナトリウムケーキをジクロロメタン(16kg)でリンスする。得られた生成物溶液を50G反応器中で蒸留して、バッチ体積53Lにする(バッチのGC分析は、重量で11〜15%DCMを示さなければならない。)。100G反応器にヘプタン(238kg)を充填する。50G反応器中のバッチを100G反応器に2時間かけて移す。移送の最後に、バッチを20℃で4〜16時間保持する。粗製化合物6をろ過収集する。粗製材料を100G反応器に充填する。粗製固体にトルエン(16kg)及びヘプタン(50kg)の溶液を添加する。この混合物を3時間撹拌し、ろ過する。再スラリーを1回以上繰り返す。粗製2fの収率=1fから80%。
【0091】
(粗製化合物2f約6.5kgから出発する)シリカゲルクロマトグラフィーによる化合物2fの精製:粗製材料重量をHPLC純度及び揮発性物質について補正することによって粗製化合物2fの「濃度(strength)」を計算する。この精製ステップでは、50cmクロマトグラフィーカラムへの注入1回当たり材料5.75kg(濃度補正済み)を使用する。50cmクロマトグラフィーカラムにヘプタン/シリカゲル(シリカゲル51.8kg)のスラリーを詰める。粗製材料をジクロロメタン/2,6−ルチジン(ジクロロメタン15kg、2,6−ルチジン0.16kg)溶液としてカラムに充填する。生成物を4−メチル−2−ペンタノン(MIBK)/ヘプタン/2,6−ルチジンの二段階勾配で溶出させる(第1段階は、0.06%2,6−ルチジン(w:w)を含む39:61MIBK:ヘプタン(w:w)827Lであり、第2段階は0.06%2,6−ルチジン(w:w)を含む73:27MIBK:ヘプタン(w:w)1343Lである。)。承認された画分プールを薄膜蒸発によって濃度150g/Lに濃縮する。この濃縮プールを6体積のヘプタン上に沈殿させる。精製2fをろ過によって単離する。精製2fの収率=1fから50%、粗製2fから65%。
【0092】
(実施例2)
CYTFAピリジニウム塩脱トリチル化溶液の調製
4−シアノピリジン(10.1g、1.055当量)のジクロロメタン(790mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(10.5g、1.0当量)、続いて2,2,2−トリフルオロエタノール(198mL)及びエタノール(10mL)を添加し、溶液を10〜30分間撹拌する。
【0093】
(実施例3)
ジスルフィドアンカーの調製(図10参照)
N−トリチルピペラジンコハク酸塩(NTP)の調製:ピペラジン(10当量)のトルエン/メタノール冷却溶液(5:1トルエン/メタノール(v:v)、5mL/gピペラジン)に、塩化トリフェニルメチル(トリチル)(1.0当量)のトルエン溶液(5mL/g塩化トリチル)を徐々に添加した。反応終了(1〜2時間)後、この溶液を水で4回洗浄した。生成した有機溶液にコハク酸水溶液(1.1当量、水13mL/gコハク酸)を添加した。この混合物を90分間撹拌し、固体生成物をろ過収集した。粗製NTPをアセトン中での2回の再スラリーによって精製した。収率=70%。
【0094】
対称ジスルフィド7の調製:1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)(12.402g、2.2当量)をジクロロメタン(5.25mL/g)に懸濁させ、氷浴で冷却した。ヒドロキシエチルジスルフィド6(5.36g、1当量)をジクロロメタン(10mL/g)及びテトラヒドロフラン(1mL/g)に溶解させた。混合物の温度が反応期間中4℃未満にとどまるように、ジオール溶液をCDIに徐々に添加した。反応終了後(添加終了後)、脱イオン水(93.8μL、0.15当量)を添加して、反応をクエンチした。独立に、N−トリチルピペラジンコハク酸塩(NTP)(32.59g、2.1当量)をトルエン(8mL/g NTP)、ジクロロメタン(2mL/g NTP)及びメタノール(2mL/g NTP)に溶解させた。KCO(22.09g、4.6当量)を脱イオン水に溶解させた(10mL/g)。NTP溶液に添加されたKCO溶液;混合物を撹拌し、次いで2層に分離させた。濁った有機層を蒸留して90グラムを除去した。生成した水滴を分離し、アセトン(8mL/g NTP)を有機層に添加した。CDI活性化ジスルフィドジオール溶液を遊離塩基溶液に添加し、225mLに濃縮した。アセトン(10mL/g NTP)を添加し、混合物を225mLに濃縮した。混合物を加熱還流させると、固体は溶液から晶出し始めた。終了後、反応混合物を冷却し、固体(7)をろ過によって単離した。収率:27.92g、(重量基準のアッセイに基づいて)93.1%。
【0095】
ジスルフィドアルコール8の調製:7(36.00g、32.1mmol、1当量)をアセトン(2.8mL/g 7)に懸濁させた。ヒドロキシエチルジスルフィド(78.51mL、20当量)を添加し、続いてアセトン(1.7mL/g 7)を添加した。5%NaOH/メタノール(2.85mL、0.1当量)を添加した。混合物のpHはpH紙で10であった。トリフェニルホスフィン(8.42g、1当量)を添加し、続いてアセトン(1.1mL/g 7)を添加した。全固体を溶液に入れると、生成物が晶出し始めた。16時間後、反応混合物を酢酸(2.4g、0.2当量)で中和した。粗生成物をろ過によって単離した。粗製固体8を2回の還流アセトン再スラリー(5mL/g 7)に供した。
【0096】
ろ過後、粗生成物をジクロロメタン(7.25mL/g 7)に懸濁させた。混合物を透明溶液が形成されるまで加熱した(35℃)。溶液を等体積の脱イオン水で5回抽出し、最終有機層を155mLに濃縮した。ジクロロメタン(4.3mL/g 7)を添加し、溶液を再度155mLに濃縮した。CDI(9.17g、1.1当量)を添加し、混合物を室温で撹拌した。反応終了(約20分間)後、反応混合物を等体積の脱イオン水で2回洗浄し、次いでエチルベンゼン(2.1mL/g 7)を添加した。溶液を65.2gに濃縮し、溶液中のジクロロメタンを0.17%に減少させ、氷浴上で撹拌して、生成物を結晶化させた。生成物9をろ過によって単離した。収率:44%。
【0097】
(実施例4)
トリエチレングリコール末端部(図11参照)
トリチルピペラジンフェニルカルバマート10の調製:NTPのジクロロメタン(6mL/g NTP)冷却懸濁液に炭酸カリウム(3.2当量)水(4mL/g炭酸カリウム)溶液を添加した。この2相混合物にクロロギ酸フェニル(1.03当量)のジクロロメタン(2g/gクロロギ酸フェニル)溶液を徐々に添加した。反応混合物を20℃に加温した。反応終了(1〜2時間)後、層を分離させた。有機層を水で洗浄し、無水炭酸カリウムを用いて脱水した。生成物10をアセトニトリルからの結晶化によって単離した。収率=80%
カルバマートアルコール11の調製:水素化ナトリウム(1.2当量)を1−メチル−2−ピロリジノン(32mL/g水素化ナトリウム)に懸濁させた。この懸濁液にトリエチレングリコール(10.0当量)及び化合物10(1.0当量)を添加した。生成したスラリーを95℃に加熱した。反応終了(1〜2時間)後、混合物を20℃に冷却した。この混合物に30%ジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテル(v:v)及び水を添加した。生成物を含有する有機層をNaOH水溶液、コハク酸水溶液及び塩化ナトリウム飽和水溶液で連続的に洗浄した。生成物11をジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテル/ヘプタンからの結晶化によって単離した。収率=90%。
【0098】
末端部酸12の調製:化合物11のテトラヒドロフラン(7mL/g 11)溶液に無水コハク酸(2.0当量)及びDMAP(0.5当量)を添加した。混合物を50℃に加熱した。反応終了(5時間)後、混合物を20℃に冷却し、NaHCO水溶液でpH8.5に調節した。メチルtert−ブチルエーテルを添加し、生成物を水層に抽出した。ジクロロメタンを添加し、混合物をクエン酸水溶液でpH3に調節した。生成物を含有する有機層をpH=3クエン酸緩衝剤と塩化ナトリウム飽和水溶液の混合物で洗浄した。この12のDCM溶液を単離せずに化合物13の調製に使用した。
【0099】
13の調製:化合物12の溶液にN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド(HONB)(1.02当量)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.34当量)、次いで1−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(1.1当量)を添加した。混合物を55℃に加熱した。反応終了(4〜5時間)後、混合物を20℃に冷却し、1:1 0.2Mクエン酸/塩水及び塩水で連続的に洗浄した。ジクロロメタン溶液をアセトン、次いでN,N−ジメチルホルムアミドに溶媒交換し、アセトン/N,N−ジメチルホルムアミドから塩化ナトリウム飽和水溶液中への沈殿によって生成物を単離した。粗生成物を水で数回再スラリーして、残留N,N−ジメチルホルムアミド及び塩を除去した。収率=化合物11からの13の70%。ジスルフィドアンカー樹脂上への活性化「末端部」の導入を、固相合成中のサブユニットの組み入れに使用される手順によってNMP中で実施した。
【0100】
(実施例5)
モルホリノオリゴマー合成用固体支持体の調製
実施例5a:アミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂の調製
この手順は、フリットを通したNバブリング又は減圧抽出が可能な粗大空隙率(40〜60μm)のガラスフリット、頭上式撹拌機及び3方テフロン(登録商標)コックを備え、シラン処理されたジャケット付きペプチド容器(ChemGlass,NJ,USAによる特注)において実施された。温度制御を反応器中で循環水浴によって行った。
【0101】
以下の手順における樹脂の処理/洗浄ステップは、2つの基本操作、すなわち樹脂流動化及び溶媒/溶液抽出からなる。樹脂流動化では、フリットを通したN流入が可能なようにコックを回し、指定の樹脂処理/洗浄剤を反応器に添加し、樹脂に浸透させ、樹脂を完全に湿らせた。次いで、混合を開始し、樹脂スラリーを指定時間混合した。溶媒/溶液抽出では、混合及びN流入を停止し、真空ポンプを作動させ、次いで樹脂処理/洗浄剤が廃棄物に排除されるようにコックを回した。全樹脂処理/洗浄剤体積は、別段の記載がない限り、15mL/g樹脂であった。
【0102】
シラン処理されたジャケット付きペプチド容器中のアミノメチルポリスチレン樹脂(100〜200メッシュ、約1.0mmol/g N置換、75g、1当量、Polymer Labs,UK、部品#1464−X799)に1−メチル−2−ピロリジノン(NMP、20ml/g樹脂)を添加し、1〜2時間混合しながら樹脂を膨潤させた。膨潤溶媒排除後、樹脂をジクロロメタン(2×1〜2分間)、25%イソプロパノール/ジクロロメタン中の5%ジイソプロピルエチルアミン(2×3〜4分間)、及びジクロロメタン(2×1〜2分間)で洗浄した。最終洗浄剤の排除後、樹脂をジスルフィドアンカー9の1−メチル−2−ピロリジノン溶液(0.17M、15mL/g樹脂、約2.5当量)と一緒に流動化し、樹脂/試薬混合物を45℃で60時間加熱した。反応終了後、加熱を停止し、アンカー溶液を排除し、樹脂を1−メチル−2−ピロリジノン(4×3〜4分間)及びジクロロメタン(6×1〜2分間)で洗浄した。樹脂を10%(v/v)ジエチルジカルボナートのジクロロメタン溶液(16mL/g;2×5〜6分間)で処理し、次いでジクロロメタン(6×1〜2分間)で洗浄した。樹脂14をN気流下で1〜3時間、次いで減圧下で乾燥させて、一定重量(±2%)にした。収率:初期樹脂重量の110〜150%。
【0103】
実施例5b:アミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂の使用量の決定
樹脂使用量(潜在的に利用可能な反応部位数)は、樹脂1グラム当たりのトリフェニルメチル(トリチル)基数の分光測定アッセイによって決定される。
【0104】
既知重量の乾燥樹脂(25±3mg)をシラン処理された25mlメスフラスコに移し、2%(v/v)トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液約5mLを添加する。内容物を静かに旋回させて混合し、次いで30分間静置する。追加の2%(v/v)トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液で25mLに増量し、内容物を徹底的に混合する。容積式置換ピペットを使用して、一定分量のトリチル含有溶液(500μL)を10mLメスフラスコに移し、メタンスルホン酸で10mLに増量する。
【0105】
最終溶液中のトリチル陽イオン含有量を431.7nmにおけるUV吸光度によって測定し、適切な体積、希釈度、消衰係数(ε:41μmol−1cm−1)及び樹脂重量を用いて、樹脂使用量を樹脂1グラム当たりのトリチル基(μmol/g)として計算する。アッセイを3回行い、平均使用量を計算する。
【0106】
この実施例における樹脂充填手順は、約500μmol/gの樹脂使用量となる。300〜400μmol/gの使用量は、ジスルフィドアンカー組み入れステップを室温で24時間実施する場合に得られた。
【0107】
実施例5c:末端部付加(図12参照)
アミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂の調製と同じ構成及び体積を用いて、末端部を分子に導入することができる。カップリングステップでは、4−エチルモルホリン(NEM、0.4M)を含むNMP中の13(0.2M)の溶液をジスルフィドアンカー溶液の代わりに使用した。45℃で2時間後、樹脂15を25%イソプロパノール/ジクロロメタン中の5%ジイソプロピルエチルアミンで2回、DCMで1回洗浄した。樹脂に無水安息香酸(0.4M)及びNEM(0.4M)の溶液を添加した。25分後、反応器ジャケットを室温に冷却し、樹脂を25%イソプロパノール/ジクロロメタン中の5%ジイソプロピルエチルアミンで2回、DCMで8回洗浄した。樹脂15をろ過し、高真空下で乾燥させた。樹脂15の使用量は、末端部付加に使用される最初のアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂14の使用量であると定義される。
【0108】
(実施例6)
モルホリノオリゴマーの合成
実施例6a:固相合成
保護されたオリゴマーをアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂上に固相オリゴマー合成によって手作業で10g規模(出発樹脂重量)で調製した(約500μmol/g使用量)。使用した溶液は以下のとおりであった。
【0109】
脱トリチル化溶液:CAA=20%アセトニトリル/DCM(v/v)の混合物中の11%シアノ酢酸(w/w)、
CPM=20%トリフルオロエタノール/DCM(v/v)中の2%3−クロロピリジナムメタンスルホナート(w/v)及び0.9%エタノール(v/v)、
CYTFA=20%トリフルオロエタノール/DCM(v/v)中の2%3−シアノピリジナムトリフルオロアセタート(w/v)及び0.9%エタノール(v/v)。
【0110】
中和溶液:25%イソプロパノール/ジクロロメタン中の5%ジイソプロピルエチルアミン、
カップリング溶液:1,3−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)中の(2f(DPG)、2c及び2d又は別のTサブユニットの場合)0.165M又は(2a及び2b又は別のA/Cサブユニットの場合)0.18M活性化モルホリノサブユニット及び0.4M N−エチルモルホリン。
【0111】
活性化MPG(2c)をSummerton et al.(1993)のように調製した。
【0112】
樹脂を合成反応器に移した後、合成サイクルを開始する前に、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP、20mL/g樹脂)を添加し、1〜2時間静置した。ジクロロメタン(10mL/g樹脂)で2回洗浄した後、各サイクルにおいて所望の塩基及び所望の結合タイプの活性化モルホリノサブユニットの適切なカップリング溶液を添加して以下の合成サイクルを使用して、適切な配列を与えた。
【0113】
【表2】

最終サブユニットの組み入れ後、DMI中の0.32M 4−メトキシトリフェニルメチルクロリド及び0.4M N−エチルモルホリンを用いて最終サイクル(メトキシトリチル化)を実施した。メトキシトリチル化後、樹脂をNMPで8回洗浄し、次いでNMP中の0.1M 1,4−ジチオトレイトール(DTT)及び0.73Mトリエチルアミンからなる切断溶液(27mL/g出発樹脂)で30分間処理した。保護オリゴマー溶液を収集後、(体積がかなり減少した)樹脂を、2回の追加の切断溶液で洗浄し(各13mL/g出発樹脂で15分間)、洗浄液をバルク溶液と混合した。テフロン(登録商標)栓の付いた適切なサイズの耐圧瓶(Ace Glass,NJ,USA)中の保護オリゴマー溶液に、(−20℃に前もって冷却した)濃アンモニア水(106mL/g出発樹脂)を添加し、瓶を密閉し、内容物を旋回させて混合した。瓶を45℃乾燥器中に16〜20時間置いて、塩基及び骨格保護基を除去した。
【0114】
アンモノリシス後、粗製オリゴマー溶液を室温に冷却し、次いでイオン交換クロマトグラフィー前にPLBC3kd再生セルロース膜(Millipore)を使用して0.28%アンモニア水に対して透析ろ過して、溶媒及び小分子を除去する。
【0115】
実施例6b:陰イオン交換クロマトグラフィーによるモルホリノオリゴマーの精製
透析ろ過から得られた粗製オリゴマー溶液をpH11〜11.5に調節し、ToyoPearl Super−Q650S陰イオン交換樹脂(Tosoh Bioscience)のカラムに充填する。メトキシトリチル化オリゴマーを5〜35%B勾配で17カラム体積(緩衝剤A:10mM水酸化ナトリウム、緩衝剤B:10mM水酸化ナトリウム中の1M塩化ナトリウム)で溶出させ、許容純度(陰イオン交換HPLC及び質量分析)の画分をプールする。
【0116】
実施例6c:モルホリノオリゴマーの脱メトキシトリチル化
陰イオン交換クロマトグラフィーからのプール画分にアセトニトリル(10体積%)、続いて2M HPOを添加して、pHを3に調節する。溶液を45分間混合し、次いで濃アンモニア水でpH7に中和する。陽イオン交換クロマトグラフィー前にPLBC3kd再生セルロース膜(Millipore)を使用して20mM酢酸ナトリウムに対してオリゴマー溶液を透析ろ過して、緩衝剤を交換する。
【0117】
実施例6d:陽イオン交換クロマトグラフィーによるモルホリノオリゴマーの精製
オリゴマー溶液を酢酸でpH4.5に調節し、Source 30S陽イオン交換樹脂(GE Healthcare)カラムに充填する。オリゴマーを0〜35%B勾配で17カラム体積(緩衝剤A:20mM酢酸ナトリウム、25%アセトニトリル、pH4.5;緩衝剤B:0.5M塩化ナトリウム、20mM酢酸ナトリウム、25%アセトニトリル、pH4.5)で溶出させ、許容純度(陽イオン交換HPLC及び質量分析)の画分をプールする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造を含むモルホリノ化合物。
【化9】

(式中、
は、低級アルキル、ジ(低級アルキル)アミノ及びフェニルからなる群から選択され、
は、低級アルキル、単環式アリールメチル及び単環式(アリールオキシ)メチルからなる群から選択され、
は、トリアリールメチル及び水素からなる群から選択され、
Yは、保護又は非保護ヒドロキシル基又はアミノ基、クロロホスホルアミダート基、及び更なるモルホリノ化合物又はモルホリノオリゴマーの環窒素とのホスホロジアミダート結合からなる群から選択される。)
【請求項2】
Yが、保護又は非保護ヒドロキシル基及びクロロホスホルアミダート基からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Yが、トリアルキルシリルで保護されたヒドロキシル基又は非保護ヒドロキシル基である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Yが、−O−P(=O)−N(CHClの形のクロロホスホルアミダート基である、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
が、トリチル(トリフェニルメチル)、4−メトキシトリチル、4−メチルトリチル、4,4’−ジメチルトリチル及び4,4’,4”−トリメチルトリチルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が低級アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が−C(CH(tert−ブチル)である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
がベンジル又は−CH(CHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
モルホリノオリゴマーを合成する方法であって、該方法は、
(a)非保護環窒素を有する、固相に支持されたモルホリノサブユニットを、トリアリールメチルで保護された環窒素及び活性化ホスホルアミダート基を5’環外炭素上に有する、塩基で保護されたモルホリノサブユニットモノマーと反応させ、それによって該5’環外炭素と該非保護環窒素との間にホスホロジアミダート結合を形成すること、
(b)該保護環窒素を脱保護して、非保護環窒素を形成すること、及び
(c)更なる塩基保護モルホリノサブユニットモノマーを用いて、ステップ(a)及び(b)を1回以上繰り返すこと
を含み、
該塩基保護モルホリノサブユニットモノマーの少なくとも1種類が、下記構造を有する二重に保護されたグアニンモルホリノ化合物である、方法。
【化10】

(式中、
は、低級アルキル、ジ(低級アルキル)アミノ及びフェニルからなる群から選択され、
は、低級アルキル、単環式アリールメチル及び単環式(アリールオキシ)メチルからなる群から選択され、
は、トリアリールメチル及び水素からなる群から選択され、
Yはクロロホスホルアミダート基である。)
【請求項10】
Yが、−O−P(=O)−N(CHClの形のクロロホスホルアミダート基である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
が、トリチル(トリフェニルメチル)、4−メトキシトリチル、4−メチルトリチル、4,4’−ジメチルトリチル及び4,4’,4”−トリメチルトリチルから選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
が低級アルキルである、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
が−C(CH(tert−ブチル)である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
がベンジル又は−CH(CHである、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(b)の前記脱保護が、トリフルオロエタノール含有溶媒中の複素環式アミン塩を含む試薬溶液に前記トリアリールメチルで保護された環窒素を曝露することを含み、該塩が、そのプロトン化された形で1〜4の範囲のpKaを有する複素環式アミンと、スルホン酸、トリフルオロ酢酸及び塩酸から選択される酸との塩である、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記塩が、3−クロロピリジニウムメタンスルホナート(CPM)及び4−シアノピリジニウムトリフルオロアセタート(CYTFA)から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記溶媒が、約90:10から25:75の範囲の体積比のジクロロメタンとトリフルオロエタノールを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記体積比が約80:20である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
モルホリノオリゴマーを合成する方法であって、該方法は、
(a)非保護環窒素を有する、固相に支持されたモルホリノサブユニットを、トリアリールメチルで保護された環窒素及び活性化ホスホルアミダート基を5’環外炭素上に有する、塩基で保護されたモルホリノサブユニットモノマーと反応させ、それによって該5’環外炭素と該非保護環窒素との間にホスホロジアミダート結合を形成すること、
(b)該保護環窒素を脱保護して、非保護環窒素を形成すること、及び
(c)更なる塩基保護モルホリノサブユニットモノマーを用いて、ステップ(a)及び(b)を1回以上繰り返すこと
を含み、
該脱保護が、トリフルオロエタノール含有溶媒中の複素環式アミン塩を含む試薬溶液に該トリアリールメチルで保護された環窒素を曝露することを含み、該塩が、そのプロトン化された形で1〜4の範囲のpKaを有する複素環式アミンと、スルホン酸、トリフルオロ酢酸及び塩酸から選択される酸との塩である、方法。
【請求項20】
前記複素環式アミンが、電子求引性基で置換されたピリジン、チアゾール、ピリダジン、ピラゾール、トリアゾール及び電子求引性基で置換されたその置換誘導体からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記複素環式アミンが、電子求引性基で置換されたピリジンである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記電子求引性基が、ハロゲン、シアノ、アルデヒド、ケト、カルボキシエステル及びカルボキサミドからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記複素環式アミンが、クロロ又はシアノで置換されたピリジンである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記塩が、アルキルスルホナート、(フルオロアルキル)スルホナート及びp−トルエンスルホナートから選択されるスルホン酸塩、又はトリフルオロアセタートである、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記塩が、3−クロロピリジニウムメタンスルホナート(CPM)及び4−シアノピリジニウムトリフルオロアセタート(CYTFA)から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記溶媒が、約90:10から25:75の体積比のジクロロメタンとトリフルオロエタノールを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記体積比が約80:20である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記トリアリールメチルが、トリチル(トリフェニルメチル)、4−メトキシトリチル、4−メチルトリチル、4,4’−ジメチルトリチル及び4,4’,4”−トリメチルトリチルからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−503184(P2011−503184A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534042(P2010−534042)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/012804
【国際公開番号】WO2009/064471
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(501237039)エイブイアイ バイオファーマ, インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】