説明

モーションキャプチャ用のマーカ

【課題】対象物の動作を制約することなく、装備の大型化を必要とせず、かつ精度の高いモーションキャプチャ用のマーカを提供すること。
【解決手段】対象物の動作を検知するモーションキャプチャにおいて用いられ、対象物の複数の部位に取り付けられるモーションキャプチャ用のマーカ1。マーカ1は、マーカ1に固定されたマーカ座標系の互いに直交する3軸方向における地磁気ベクトルの各成分を検出する磁気センサ2と、3軸方向における、重力加速度ベクトルの各成分を検出する加速度センサ3と、磁気センサ2と加速度センサ3とが検出した検出信号を処理する信号処理部4と、信号処理部4に電力を供給する電源部5と、信号処理部4において処理された地磁気ベクトル及び重力加速度ベクトルのデータを外部の受信装置へ無線送信するための無線手段6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体等の対象物の動作を検知するモーションキャプチャにおいて用いられ、上記対象物の複数の部位に取り付けられるモーションキャプチャ用のマーカに関する。
【背景技術】
【0002】
モーションキャプチャは、人体等の各部位にマーカを取り付け、そのマーカの動きを検出して検出データをコンピュータに取り込んで、人体等の動きを捕捉する。
モーションキャプチャには、一般に、大きく分けて光学式と磁気式とがある。
光学式のモーションキャプチャは、マーカをカメラで撮影して、その撮影画像からマーカの動きを読み取り、人体等の動きを捕捉する(特許文献1)。
磁気式のモーションキャプチャは、人体等が動く領域に、励磁コイルによって磁界を生じさせて、その磁界の中で人体に取り付けた磁気センサ(マーカ)の動きを検知する(特許文献2)。
また、上記以外にも、人体等に取り付けるマーカとしてジャイロセンサを用いたモーションキャプチャが提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−256232号公報
【特許文献2】特開2000−146509号公報
【特許文献3】特開2005−337983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のモーションキャプチャには、以下の問題がある。
すなわち、光学式のモーションキャプチャ(特許文献1)においては、マーカをカメラで撮影するために、マーカが死角に入るとこれを読み取ることができない。また、カメラが必要であるため、システム全体が大掛かりになる。また、リアルタイムでの解析が困難であるという問題もある。
【0005】
また、磁気式のモーションキャプチャ(特許文献2)は、人体等が動く領域に磁界を生じさせるための励磁コイルが必要であるため、充分な磁界を発生させるエリアに限界がある。また、磁気センサの検出信号を解析装置に取り込む配線が必要となり、人体等の動きにも制約が生じる。
【0006】
上記のようにカメラや励磁コイル等を必要としないモーションキャプチャとして、ジャイロセンサを用いたもの(特許文献3)がある。
しかし、ジャイロセンサは、角速度を検出するものであるため、人体等の動き(姿勢)を求めるためには、検出される角速度を時間積分する必要がある。そのため、各部位の相対位置や相対姿勢の誤差は、加速度の検出誤差が累積することによって、時間を追うごとに大きくなってしまう。そのため、正確に人体等の動きを解析することができる時間が短く限られてしまう。
【0007】
また、ジャイロセンサの初期位置のみならず初期姿勢(ヨー、ロール、ピッチ)の記憶が必要となり、実際の初期位置及び初期姿勢と、記憶された初期位置及び初期姿勢との間に誤差があると、人体等の動きを正確に捉えることができない。
また、複数のジャイロセンサから直接信号を外部の解析装置に無線送信することはできず、各ジャイロセンサを発信装置に結線し、この発信装置を人体に固定する必要があるため、人体の動きに制約が生じる。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、対象物の動作を制約することなく、装備の大型化を必要とせず、かつ精度の高いモーションキャプチャ用のマーカを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、対象物の動作を検知するモーションキャプチャにおいて用いられ、上記対象物の複数の部位に取り付けられるモーションキャプチャ用のマーカであって、
該マーカは、該マーカに固定されたマーカ座標系の互いに直交する3軸方向における地磁気ベクトルの各成分を検出する磁気センサと、
上記3軸方向における、重力加速度ベクトルの各成分を検出する加速度センサと、
上記磁気センサと上記加速度センサとが検出した検出信号を処理する信号処理部と、
該信号処理部に電力を供給する電源部と、
上記信号処理部において処理された上記地磁気ベクトル及び上記重力加速度ベクトルのデータを外部の受信装置へ無線送信するための無線手段とを備えることを特徴とするモーションキャプチャ用のマーカにある(請求項1)。
【発明の効果】
【0010】
上記モーションキャプチャ用のマーカは、上記磁気センサと上記加速度センサとを有する。これにより、マーカに固定された互いに直交する3軸の座標系(マーカ座標系)における地磁気ベクトルと加速度ベクトルとを検出することができ、これらに基づいて、マーカ座標系を基準とした地球座標系を求めることができる。そして、この地球座標系と上記マーカ座標系との関係に基づいて、マーカの姿勢(方位および傾き)を求めることができる。
【0011】
このように求められる対象物の各部位に配置されたマーカの姿勢データと、予め用意しておいた対象物の骨格データとに基づいて、基準位置に対する各部位の位置を求めることができる。
その結果、マーカを取り付けた対象物の各部位について、基準位置に対する位置及び姿勢を求めることができる。この各部位の位置及び姿勢のデータを、時々刻々と連続的に採取することにより、モーションキャプチャは、対象物全体の動きを正確に把握することができる。
【0012】
ここで、上記マーカは、上記磁気センサ及び上記加速度センサを用いて、自身の姿勢を検知する。すなわち、自然界に存在する地磁気と重力加速度とを利用して、マーカの姿勢を検知し、これに基づいて各部位のマーカの相対位置をも求めることができる。
そのため、対象物の運動領域全体に人工的に磁界を形成する必要がなく、励磁コイルなどの大掛かりな装置を用いる必要がなく、設備の大型化を防ぐことができる。逆の観点から言えば、対象物の運動領域を格段に広くすることができる。
【0013】
また、上記マーカは、それ自身に内蔵された磁気センサ及び加速度センサによって地磁気ベクトルと重力加速度ベクトルとを検出するものであり、光学式モーションキャプチャのようにマーカを撮像するカメラなども必要ない。かかる観点からも設備の小型化、簡略化を図ることができる。
さらに、カメラで撮像するマーカの場合のように、マーカが対象物の死角となって動きを検出することができない状態となることがない。そのため、検出できる対象物の姿勢に制約がなくなる。
【0014】
また、地磁気と重力加速度とを利用して各部位の姿勢及び相対位置を検出することができるため、検出誤差を生じ難く、精度の高い検出を可能にすることができる。
すなわち、ジャイロセンサの場合のように、検出される角速度を時間積分するなどの必要もなく、得られた地磁気ベクトルと重力加速度ベクトルとから、マーカの姿勢を正確に導き出すことができ、上記骨格データとの重ね合わせから、マーカの位置も正確に導き出すことができる。そのため、長時間にわたる正確な計測が可能となる。
また、各マーカの姿勢は、得られた地磁気ベクトルと重力加速度ベクトルとから求められるため、初期姿勢の記憶も不要である。
【0015】
また、上記マーカは、上記無線手段を有するため、各マーカからそれぞれ上記地磁気ベクトル及び上記重力加速度ベクトルのデータを、外部の受信装置へ無線送信することができる。これにより、各マーカ間を結線したり、各マーカと受信装置とを結線したりする必要がなく、対象物の運動の制約を低減することができる。
【0016】
以上のごとく、本発明によれば、対象物の動作を制約することなく、装備の大型化を必要とせず、かつ精度の高いモーションキャプチャ用のマーカを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例における、モーションキャプチャ用のマーカの斜視図。
【図2】実施例における、マーカを対象物(人体)に取り付けた状態の説明図。
【図3】実施例における、マーカと受信装置とパソコンとの間のデータ送受信のイメージ図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明(請求項1)において、上記対象物としては、例えば人体、その他の動物等が挙げられる。
また、上記無線手段が上記受信装置へ無線送信するデータは、上記地磁気ベクトル及び上記重力加速度ベクトルのデータそのものの他、これらを基にして算出された上記マーカの姿勢データなどであってもよい。
また、上記モーションキャプチャによって捕捉した対象物の運動データは、例えば、医学、スポーツ、アニメーション、広告など、種々の目的に用いることができる。
【0019】
また、上記磁気センサは、上記3軸方向の地磁気成分をそれぞれ検出する3基のマグネト・インピーダンス・センサ素子からなることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記磁気センサの検出精度の向上及び小型化を容易に図ることができ、検出精度に優れた小型のモーションキャプチャ用のマーカを得ることができる。これにより、対象物の細かな微妙な動きも円滑に捉えることができる。さらには、例えば指の動きなど、対象物における細部の動きも正確に捉えることが可能となる。
【実施例】
【0020】
本発明の実施例にかかるモーションキャプチャ用のマーカにつき、図1〜図3を用いて説明する。
本例のモーションキャプチャ用のマーカ1は、図2に示すごとく、対象物(人体)の動作を検知するモーションキャプチャにおいて用いられ、対象物(人体)の複数の部位に取り付けられるものである。
【0021】
図1に示すごとく、マーカ1は、下記の磁気センサ2と、加速度センサ3と、信号処理部4と、電源部5と、無線手段6とを備える。
磁気センサ2は、マーカ1に固定されたマーカ座標系の互いに直交する3軸方向における地磁気ベクトルの各成分を検出する。
加速度センサ3は、上記3軸方向における、重力加速度ベクトルの各成分を検出する。
信号処理部4は、磁気センサ2と加速度センサ3とが検出した検出信号を処理する。
電源部5は、信号処理部4に電力を供給する。
無線手段6は、信号処理部4において処理された地磁気ベクトル及び重力加速度ベクトルのデータを外部の受信装置81(図2、図3参照)へ無線送信する。
【0022】
図1に示すごとく、マーカ1は、円盤状のコイン型電池からなる電源部5の一方の面(部品搭載面51)に、磁気センサ2と、加速度センサ3と、信号処理部4と、電源部5と、無線手段6とを搭載してなる。
磁気センサ2は、上記3軸方向の地磁気成分をそれぞれ検出する3基のマグネト・インピーダンス・センサ素子21x、21y、21zからなる。マグネト・インピーダンス・センサ素子21x、21y、21zは、MI(Magneto−impedance)現象を利用して磁気センシングを行うものであり、例えば、特開2007−113993号公報に開示されているものである。
また、加速度センサ3としては、静電容量型加速度センサを用いることができる。
【0023】
信号処理部4は、CPUとROMとRAMとI/Oとこれらを接続する接続ラインとを備えるマイコンからなり、磁気センサ2、加速度センサ3、及び無線手段6が接続されている。そして、磁気センサ2と加速度センサ3とから、地磁気ベクトルと重力加速度ベクトルとの検出信号が信号処理部4に入力される。
また、無線手段6は、無線IC61とアンテナ62とからなる。アンテナ62は、電源部5における部品搭載面51の全周に形成されている。
【0024】
本例のマーカ1(1a〜1p)は、図2に示すごとく、頭部、左右の肩、左右の肘、左右の手首、左右の手、腰部、左右の膝、左右の踵、左右の爪先など、被測定者の人体7における各部位に取り付けられる。マーカ1の取付部位については、モーションキャプチャの目的や用途に応じて適宜変更される。
また、マーカ1の取り付けられる人体7の骨格データを用意しておく。この骨格データは、マーカ1とは別体であって人体7には取り付けられないパソコン82内に格納されている。また、人体7におけるマーカ1の取り付け位置のデータを、骨格データに対応させて、パソコン82に記憶させておく。
【0025】
そして、人体7の運動開始前において、基本姿勢(例えば直立姿勢)を保つ。この初期状態におけるマーカ1を取り付けた各部位の位置(初期位置)は、骨格データを基に予め設定されている。すなわち、運動開始前においては、各部位を初期位置に合わせるべく、基本姿勢をとる。
【0026】
この状態で、各マーカ1において、地磁気ベクトル及び重力加速度ベクトルの検出を開始したうえで、人体7の運動を開始する。そして、各マーカ1(1a〜1p)が時々刻々と地磁気ベクトル及び重力加速度ベクトルを検知すると共に、図3に示すごとく、地磁気ベクトル及び重力加速度ベクトルのデータを、各マーカ1から受信装置81へ、逐次無線送信する。受信装置81が受け取った地磁気ベクトル及び重力加速度ベクトルのデータを、パソコン82によって解析して人体7の動きを求める。これにより、人体7の動きを捕捉する。
【0027】
パソコン82による地磁気ベクトル及び重力加速度ベクトルのデータ解析に当たっては、地磁気ベクトルと重力加速度ベクトルとのデータから、各マーカ1における、マーカ1に固定されたマーカ座標系に対する地球に固定された地球座標系を求め、これらの関係からマーカ1の方位及び姿勢を求める。すなわち、人体7の各部位が向く方位や姿勢(ヨー、ロール、ピッチ)を求める。
【0028】
たとえば、各マーカ1の姿勢を、水平方向真北に対するヨー角η、マーカ1に固定されたマーカ座標系のY軸を中心としたロール角φ、同じくマーカ座標系のX軸を中心としたピッチ角θとして求める。ヨー角η、ロール角φ、ピッチ角θは、地磁気ベクトルM及び重力加速度ベクトルGの成分(数1)を用いて、以下の計算式(数2)によって導くことができる。この姿勢算出方法は、例えば、「ロボット・マニピュレータ〈数学的基礎、プログラミング、および制御〉」(コロナ社、R.P.ポール著、吉川恒夫訳、P.46)等に開示されているように周知の方法である。
なお、〔数1〕、〔数2〕におけるMx、My、Mzは、マーカ座標系におけるそれぞれ互いに直交する3軸方向であるX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の地磁気ベクトルの各成分であり、Gx、Gy、Gzは、マーカ座標系におけるそれぞれ互いに直交する3軸方向であるX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の重力加速度ベクトルの各成分である。
【0029】
【数1】

【0030】
【数2】

【0031】
更に、求められた各部位の姿勢のデータと、上記骨格データとから、各部位の相対位置を求める。すなわち、例えば腰部に対する頭部や手、足などの位置を求める。
これにより、人体7の各部位の姿勢及び位置が求まり、人体7の動きが求まる。そして、求めた人体7の動きを、パソコン82に接続した画像表示装置においてリアルタイムに画像表示し、あるいは記録する。
【0032】
なお、加速度センサ3による重力加速度の検出に当たっては、重力加速度以外の加速度をノイズとして除去する必要がある。すなわち、人体7の各部位の動きには加速度がつきものであるため、マーカ1には重力加速度以外の加速度も重ねて作用することとなる。そこで、各マーカ1における信号処理部4においては、得られた加速度成分から重力加速度成分以外の加速度成分を除去するためのフィルタを設けてあり、このフィルタを通過した加速度データ、すなわち重力加速度ベクトルのデータのみが残る。これを実現するためのフィルタとして、例えばIIRフィルタ等のデジタルフィルタを用いることができる。
【0033】
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記モーションキャプチャ用のマーカ1は、磁気センサ2と加速度センサ3とを有する。これにより、マーカ1に固定された互いに直交する3軸の座標系(マーカ座標系)における地磁気ベクトルと加速度ベクトルとを検出することができ、これらに基づいて、マーカ座標系を基準とした地球座標系を求めることができる。そして、この地球座標系と上記マーカ座標系との関係に基づいて、マーカ1の姿勢(方位および傾き)を求めることができる。
【0034】
このように求められる人体7の各部位に配置されたマーカ1の姿勢データと、予め用意しておいた人体7の骨格データとに基づいて、基準位置に対する各部位の位置を求めることができる。
その結果、マーカ1を取り付けた人体7の各部位について、基準位置に対する位置及び姿勢を求めることができる。この各部位の位置及び姿勢のデータを、時々刻々と連続的に採取することにより、モーションキャプチャは、人体7全体の動きを正確に把握することができる。
【0035】
ここで、マーカ1は、磁気センサ2及び加速度センサ3を用いて、自身の姿勢を検知する。すなわち、自然界に存在する地磁気と重力加速度とを利用して、マーカ1の姿勢を検知し、これに基づいて各部位のマーカ1の相対位置をも求めることができる。
そのため、人体7の運動領域全体に人工的に磁界を形成する必要がなく、励磁コイルなどの大掛かりな装置を用いる必要がなく、設備の大型化を防ぐことができる。逆の観点から言えば、人体7の運動領域を格段に広くすることができる。
【0036】
また、マーカ1は、それ自身に内蔵された磁気センサ2及び加速度センサ3によって地磁気ベクトルと重力加速度ベクトルとを検出するものであり、光学式モーションキャプチャのようにマーカを撮像するカメラなども必要ない。かかる観点からも設備の小型化、簡略化を図ることができる。
さらに、カメラで撮像するマーカの場合のように、マーカ1が人体7の死角となって動きを検出することができない状態となることがない。そのため、検出できる人体7の姿勢に制約がなくなる。
【0037】
また、地磁気と重力加速度とを利用して各部位の姿勢及び相対位置を検出することができるため、検出誤差を生じ難く、精度の高い検出を可能にすることができる。
すなわち、ジャイロセンサの場合のように、検出される角速度を時間積分するなどの必要もなく、得られた地磁気ベクトルと重力加速度ベクトルとから、マーカ1の姿勢を正確に導き出すことができ、上記骨格データとの重ね合わせから、マーカ1の位置も正確に導き出すことができる。そのため、長時間にわたる正確な計測が可能となる。
また、各マーカ1の姿勢は、得られた地磁気ベクトルと重力加速度ベクトルとから求められるため、初期姿勢の記憶も不要である。
【0038】
また、マーカ1は、無線手段6を有するため、各マーカ1からそれぞれ地磁気ベクトル及び重力加速度ベクトルのデータを、外部の受信装置81へ無線送信することができる。これにより、各マーカ1間を結線したり、各マーカ1と受信装置81とを結線したりする必要がなく、人体7の運動の制約を低減することができる。
【0039】
また、磁気センサ2は3基のマグネト・インピーダンス・センサ素子21x、21y、21zからなる。そのため、磁気センサ2の検出精度の向上及び小型化を容易に図ることができ、検出精度に優れた小型のモーションキャプチャ用のマーカ1を得ることができる。これにより、人体7の細かな微妙な動きも円滑に捉えることができる。さらには、例えば指の動きなど、人体7における細部の動きも正確に捉えることが可能となる。
【0040】
以上のごとく、本例によれば、人体の動作を制約することなく、装備の大型化を必要とせず、かつ精度の高いモーションキャプチャ用のマーカを提供することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 マーカ
2 磁気センサ
3 加速度センサ
4 信号処理部
5 電源部
6 無線手段
81 受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の動作を検知するモーションキャプチャにおいて用いられ、上記対象物の複数の部位に取り付けられるモーションキャプチャ用のマーカであって、
該マーカは、該マーカに固定されたマーカ座標系の互いに直交する3軸方向における地磁気ベクトルの各成分を検出する磁気センサと、
上記3軸方向における、重力加速度ベクトルの各成分を検出する加速度センサと、
上記磁気センサと上記加速度センサとが検出した検出信号を処理する信号処理部と、
該信号処理部に電力を供給する電源部と、
上記信号処理部において処理された上記地磁気ベクトル及び上記重力加速度ベクトルのデータを外部の受信装置へ無線送信するための無線手段とを備えることを特徴とするモーションキャプチャ用のマーカ。
【請求項2】
請求項1において、上記磁気センサは、上記3軸方向の地磁気成分をそれぞれ検出する3基のマグネト・インピーダンス・センサ素子からなることを特徴とするモーションキャプチャ用のマーカ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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