説明

モータ駆動制御装置

【課題】共有メモリに調整用データとモニタデータとをこの順に排他的に保存する場合にユーザに特別な操作を要求することなく、自動的に共有メモリへの保存データの切り替えが行えるモータ駆動制御装置を得ること。
【解決手段】データ入出力装置10を用いた制御機能の調整設定時において、スイッチ7に調整用データ取得部5aの出力端と共有メモリ8のデータ入力端とを接続させ、その後、データ入出力装置10が出力する制御機能の調整設定の完了通知に応答してスイッチ7にモニタデータ取得部6の出力端と共有メモリ8のデータ入力端とを接続させるスイッチ切替信号17を発生する手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械などの被制御装置に組み込まれたモータを駆動制御するモータ駆動制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工作機械などの被制御装置に組み込まれたモータ(サーボモータやインダクションモータなど)は、被制御装置内の各種の可動機構(テーブルなど)をボールネジやギアを介して駆動する。モータ駆動制御装置は、被制御装置に組み込まれたモータを駆動制御する基本的な構成として、制御器と電力変換回路とを備えている。
【0003】
制御器は、上位装置から入力される動作指令(モータの目標位置、目標速度、目標トルク等の指令信号)に対し、検出または算出されたモータの制御状態量(モータの位置情報、速度情報、トルク情報などの動作指令に対するフィードバック情報)を追従させる制御量を求める。電力変換回路は、制御器が求めた制御量に基づく大きさのモータ電流をモータへ出力し駆動する。これによって、被制御装置に組み込まれたモータが所望の位置、速度、トルクを実現するようにフィードバック制御される。
【0004】
ところで、モータ駆動制御装置では、保守点検時や異常発生時に異常の有無や異常発生原因を解析し修復調整するのに使用するデータ(以降「モニタデータ」と記す)として、制御器に収集されるモータへの動作指令やモータからの制御状態量を常時サンプリングしメモリに蓄えておくようにしている。
【0005】
また、モータ駆動制御装置では、被制御装置に組み込まれたモータ毎にフィードバック制御を行うので、モータ毎に、そのモータが駆動する可動機構のダイナミックス(動特性)に応じて制御器のフィードバックゲインや制御機能を調整し設定することを行う。この調整設定は、一般には、駆動制御するモータが組み込まれた被制御装置の立ち上げ時、つまり、運用開始時の1回だけでよい。
【0006】
このモータ駆動制御装置の調整設定では、被制御装置の動作状態をモータへの動作指令やモータからの制御状態量を確認しながら、被制御装置の駆動制御に最適な制御値を調整し設定するので、モータ駆動制御装置の調整設定に用いるデータ(以降「調整データ」と記す)は、モニタデータと同じく制御器に収集される動作指令や制御状態量である。この調整用データは、モータ駆動制御装置の設定時にサンプリングし、メモリに保存される。
【0007】
ここで、保守点検時や異常発生時に用いるモニタデータおよびモータ駆動制御装置の調整設定時に用いる調整用データは、それぞれ全てをメモリに保存する必要があるため、大きなメモリサイズを必要とする。このとき、調整用データはモータ駆動制御装置を調整設定するときにのみ必要で、この調整設定時ではモニタデータをサンプリング保存する必要は無い。逆にモニタデータはモータ駆動制御装置の調整設定後の通常運転状態時における保守点検時や異常発生時に必要で、この時には調整用データのサンプリング保存は必要ない。
【0008】
そのため、メモリサイズの増大化を抑制しつつ、必要なデータの記憶量を増やすことができるように、モニタデータと調整用データとを、共有メモリに排他的に保存するようにしている。
【0009】
共有メモリに排他的に保存する場合の排他性の切替制御に関しては、例えば特許文献1〜3等に開示されているように、種々の制御方法が知られているが、上記のようにモータ駆動制御装置においては、調整設定のための運転と、その後の通常の連続稼動運転とは性格が異なるので、従来提案されている排他性の切替制御方法は適用できない。
【0010】
すなわち、従来のモータ駆動制御装置は、ユーザにおいて、最初に電源を投入すると、直ちに調整設定が行える状態となるように、共有メモリを調整用データ保存に設定した状態でユーザに納入され、調整設定の完了によりユーザがモータ駆動制御装置の電源をオフにし、その後、通常の連続稼動運転へ移行するため、ユーザがモータ駆動制御装置の電源を再投入すると、共有メモリが自動的にモニタデータの保存状態に切り替わるように構成していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−38388号公報
【特許文献2】特開平7−36373号公報
【特許文献3】特開平8−314870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、そのように構成した従来のモータ駆動制御装置では、保守点検時や異常発生時に初めて電源がオフされて運転を停止し、修復調整終了後電源を再投入しても、共有メモリは、モニタデータの保存状態とはならず、調整用データの保存状態になるだけであるから、ユーザは、共有メモリをモニタデータの保存状態にするため、再度電源を入れ直す必要がある。また、モニタデータをサンプリング保存する通常の連続稼動運転も、保守点検時や異常発生時に初めて電源がオフされるとは限らず、ユーザの都合により、連続運転期間を定めて電源をオン・オフする場合がある。後者のケースにおいても、ユーザは、共有メモリをモニタデータの保存状態にするため、電源を入り切りする必要がある。
【0013】
このように、従来のモータ駆動制御装置は、使い勝手が悪い上に、ユーザが再度電源を入れ直す操作を失念すると、共有メモリにモニタデータが保存されないため、保守点検時や異常発生時に、モニタデータを参照することができず、異常発生原因を解析し修復調整することが不可能となってしまうという問題が起こる。
【0014】
そこで、上記において、モニタデータをサンプリング保存する運転期間において、ユーザがモータ駆動制御装置の電源を入り切りしないで済むようにするため、共有メモリに保存されるデータの設定が電源をオフにしても変更されず保持される設定とすることが考えられる。しかし、この構成では、調整設定後電源をオフにすると、共有メモリは、調整用データが保存される設定を保持するから、調整設定後の電源の再投入により共有メモリにモニタデータが保存できるようにするため、ユーザに対し、調整設定後電源をオフするときに共有メモリへの保存データの設定を、調整用データからモニタデータへ変更する設定変更を行って貰う必要がある。
【0015】
そうすると、ユーザが共有メモリへの保存データの設定変更操作を失念すると、上記と同様に、モニタデータが保存されないため、モータ駆動制御装置が通常運転の連続稼動状態になった後の保守点検時や異常発生時に、モニタデータを参照することができず、異常発生原因を解析し修復調整することが不可能となってしまうという問題が起こる。
【0016】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、共有メモリに調整用データとモニタデータとを排他的に保存する場合に、ユーザに特別な操作を要求することなく、自動的に共有メモリへの保存データの切り替えが行えるモータ駆動制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、被制御装置に組み込まれたモータを駆動制御する制御機能の調整設定に用いる調整用データを、上位装置からの動作指令および前記モータの制御状態量を一定間隔毎にサンプリングして取得する調整用データ取得部と、前記制御機能の調整設定の後の連続稼動運転期間における保守点検時や異常発生時に行う機能修復調整に用いるモニタデータを、前記上位装置からの動作指令および前記モータの制御状態量を一定間隔毎にサンプリングして取得するモニタデータ取得部と、前記調整用データと前記モニタデータとを排他的に保存するための共有メモリと、前記調整用データ取得部の出力端および前記モニタデータ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端との間に設けられるスイッチと、データ入出力装置を用いた前記制御機能の調整設定において前記スイッチに前記調整用データ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端とを接続させ、その後、前記データ入出力装置が出力する前記制御機能の調整設定の完了通知に応答して前記スイッチに前記モニタデータ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端とを接続させるスイッチ切替信号を発生する手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、制御機能の調整設定のための運転時では共有メモリに調整用データを保存し、その後、電源の再投入操作を要さずに通常の連続稼動運転へ移行する。そうすると、自動的に共有メモリへの保存データを調整用データからモニタデータへ切り替えることが行われる。したがって、従来のように、保守点検時や異常発生時に、モニタデータを参照することができず、異常発生原因を解析し修復調整することが不可能となってしまうという事態の発生を防ぐことができるという効果を奏する。
【0019】
また、モニタデータをサンプリング保存する通常の連続稼動運転期間において、連続運転期間を定めて電源を1回以上オン・オフする場合に、電源の再投入があっても共有メモリがモニタデータの保存を保持するように設定することができるので、ユーザは、電源を入り切りする必要が無くなり、使い勝手の向上も図れるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、モータへの動作指令および正常なモータ駆動時の制御状態量の変化特性例を示す特性図である。
【図3】図3は、モータへの動作指令および異常なモータ駆動時の制御状態量の変化特性例を示す特性図である。
【図4】図4は、図1に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の実施の形態2によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、図5に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の実施の形態3によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、図7に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施の形態4によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、図9に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の実施の形態5によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、図11に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。
【図13】図13は、本発明の実施の形態6によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、図13に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。
【図15】図15は、本発明の実施の形態7によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図16】図16は、図15に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。
【図17】図17は、本発明の実施の形態8によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図18】図18は、図17に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。
【図19】図19は、本発明の実施の形態9によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図20】図20は、本発明の実施の形態10によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明にかかるモータ駆動制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0022】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。図1において、モータ駆動制御装置1aは、モータ2を駆動制御する基本的な構成として、制御器3aと電力変換回路4とを備え、本実施の形態1に関わる構成として、制御器3aと、調整用データ選択取得部5aと、モニタデータ選択取得部6と、スイッチ7と、共有メモリ8とを備えている。制御器3aには、上位装置であるコントローラ9aが常時接続されている。また、制御器3aには、データ入出力装置10が、モータ駆動制御装置1aの調整設定時と、保守点検時と、異常発生時とにおいて接続される。
【0023】
モータ2は、工作機械などの被制御装置に組み込まれて、該被制御装置内のテーブルなどの各種の可動機構をボールネジやギアを介して駆動する。モータ2は、サーボモータやインダクションモータなどであり、制御結果であるモータ位置やモータ速度を検出する検出器が取り付けられている。
【0024】
まず、モータ2を駆動制御する基本的な構成について簡単に説明する。
制御器3aには、コントローラ9aから動作指令15が入力される。動作指令15は、モータ2の目標位置、目標速度、目標トルク等の指令信号である。並行して、制御器3aには、モータ2の検出器にて検出された位置情報や速度情報がフィードバック情報16として入力される。
【0025】
制御器3aは、動作指令15が目標トルクの指令信号であるときは、フィードバック情報16内の速度情報からトルク情報を算出する。したがって、検出器にて検出された位置情報および速度情報と算出したトルク情報とが、直前の動作指令15によるモータ2のフィードバック制御結果を示す制御状態量となる。
【0026】
すなわち、制御器3aは、動作指令15に対し、制御状態量を追従させる制御量を求める。そして、電力変換回路4は、制御器3aが求めた制御量に基づく大きさのモータ電流をモータ2へ出力し駆動する。これによって、被制御装置に組み込まれたモータ2が所望の位置、速度、トルクを実現するようにフィードバック制御される。
【0027】
次に、本実施の形態1に関わる構成について説明する。なお、“1”“0”の表記は、それぞれ論理値の1,0を意味している。
まず、スイッチ7は、図1では、その切替制御端に調整用データ選択取得部5aからスイッチ切替信号17が印加されるとしている。スイッチ7は、スイッチ切替信号17が、例えば、“1”レベルのときは調整用データ選択取得部5aの出力端を共有メモリ8のデータ入力端に接続して共有メモリ8を調整用データ保存状態に設定し、“0”レベルのときはモニタデータ選択取得部6の出力端を共有メモリ8のデータ入力端に接続して共有メモリ8をモニタデータ保存状態に設定するとする。
【0028】
制御器3aは、コントローラ9aからの動作指令15とそれに対するモータ2の制御結果を示す制御状態量とを、調整用データ選択取得部5aとモニタデータ選択取得部6とに並列に出力する。
【0029】
データ入出力装置10は、モータ駆動制御装置1aの制御機能の調整設定時において、制御器3aに対し、調整用データ選択取得部5aに与える指示を出力する。この指示は、例えば、調整用データをサンプリング取得するサンプリング周期条件の指示、制御器3aのフィードバックゲインや制御機能の設定変更に必要な調整用データとして共有メモリ8から選択取得するデータの指示、調整用データのサンプリング取得の開始時とその終了時との指示、などである。
【0030】
調整用データ選択取得部5aは、被制御装置の立ち上げ時において、データ入出力装置10からデータ取得開始の指示を受け取ると、調整用データ取得フラグを、データ取得中を示す“1”にセットし、制御器3aから入力される動作指令および制御状態量の中から調整設定に必要なデータを選択し、指定された周期でサンプリングすることを開始する。調整用データ選択取得部5aは、データ入出力装置10からデータ取得終了の通知を受け取るまで、調整用データ取得フラグを“1”に保持する。
【0031】
調整用データ選択取得部5aは、調整用データ取得フラグを“1”にセットすると、連動してスイッチ7へのスイッチ切替信号17を例えば“1”レベルにする。これによってスイッチ7は、調整用データ選択取得部5aの出力端を共有メモリ8のデータ入力端に接続する。したがって、調整用データ選択取得部5aが取得した各調整用データがスイッチ7経由で共有メモリ8に保存される。
【0032】
なお、調整用データ選択取得部5aは、被制御装置の立ち上げ時において、スイッチ7への切替制御信号であるスイッチ切替信号17を例えば“1”レベルにしデータ入出力装置10から各種の指示が入力するのを待機するようにしてもよい。この場合も調整用データ取得フラグは同様に用いる。
【0033】
データ入出力装置10は、制御器3a内の調整設定に必要な情報(フィードバックゲインや制御機能)を選択し、制御器3a経由で調整用データ選択取得部5aに対し共有メモリ8から調整用データを取り出させる指示を出力して取得し、それをモニタ値やグラフとして表示し、そこから得られた情報に基づき制御器3aのフィードバックゲインや制御機能の設定変更を行い、その結果の良否を調整用データ選択取得部5aが共有メモリ8に保存させた調整用データを取り出して確認し、良好であれば、制御器3a経由で調整用データ選択取得部5aに終了を通知する。
【0034】
一般に、データ入出力装置10は、制御器3aの調整設定を終了すると、制御器3aとの接続を断ち別の場所へ収納される。或いは、データ入出力装置10は、制御器3aと接続した状態で電源がオフされる。
【0035】
調整用データ選択取得部5aは、終了通知を受け取ると、データ取得完了フラグを“0”にリセットする。これによって、スイッチ7へのスイッチ切替信号17が“0”レベルに切り替わる。スイッチ7は、共有メモリ8のデータ入力端の接続相手を調整用データ選択取得部5aの出力端からモニタデータ選択取得部6の出力端へ切り替えることを行う。制御器3aは、調整設定の終了通知を確認し、モータ駆動制御装置1aが、通常の連続稼動運転状態へ移行したので、モニタデータ選択取得部6をスタートさせる。
【0036】
モニタデータ選択取得部6は、モータ駆動制御装置1aの調整設定後の通常運転期間において、保守点検を実施するまでの期間内、或いは、異常が発生するまでの期間内、予め定めたサンプリング条件で制御器3aから入力される動作指令および制御状態量を一定間隔の下でサンプリングし、各取得したモニタデータをスイッチ7経由で共有メモリ8に保存させる。図4に以上説明した排他的な保存切替制御動作をまとめて示してある。
【0037】
当該モータ駆動制御装置1aは、保守点検時、或いは、異常発生時において、運転を停止し、データ入出力装置10が制御器3aに接続される。データ入出力装置10は、制御器3a経由でモニタデータ選択取得部6に対し共有メモリ8から取り出すモニタデータを指定する。モニタデータ選択取得部6は、指定されたモニタデータを選択して制御器3a経由でデータ入出力装置10に与える。データ入出力装置10は、モニタデータ選択取得部6から受け取ったモニタデータのグラフ化やデータ解析によって、モータ駆動制御装置1aの特性変化や異常発生原因を解析し修復調整の指針を得る。図2と図3にグラフ化によって異常有無を診断する一例を示す。
【0038】
図2は、モータへの動作指令および正常なモータ駆動時の制御状態量の変化特性例を示す特性図である。図3は、モータへの動作指令および異常なモータ駆動時の制御状態量の変化特性例を示す特性図である。
【0039】
図2は、モータ駆動制御装置1aに位置指令が与えられた場合の例であり、目標位置指令20に対して、モータ位置23、モータ速度24、モータトルク25が正常に追従動作を行っていることが示されている。
【0040】
これに対し、図3では、位置の動作指令は正常に与えられているが、タイミングAにおいてモータ位置23、モータ速度24、モータトルク25が異常な動きを始めている。特にモータトルク25がタイミングAにおいて突然ゼロになっており、モータトルク検出に異常が発生したことが分かる。
【0041】
次に、図4は、図1に示すモータ駆動制御装置1aにおいて実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。なお、処理手順を示すステップは、「ST」と略記する。
【0042】
図4において、データ入出力装置10から調整用データの取得開始の指示が入力すると(ST1:Yes)、調整用データ選択取得部5aが、調整用データ取得フラグを“1”にセットして調整用データの取得を開始する。同時に、スイッチ切替信号17を“1”レベルにする(ST2)。スイッチ7は、調整用データ選択取得部5aの出力端を共有メモリ8のデータ入力端に接続する。調整用データ選択取得部5aが取得した調整用データが共有メモリ8に保存される(ST3)。
【0043】
調整用データ選択取得部5aは、データ入出力装置10から調整用データの取得完了の通知が入力するまで(ST4:No)、調整用データ取得フラグを“1”に保持しているので、その間、スイッチ切替信号17は“1”レベルであり(ST2)、調整用データ選択取得部5aが取得した調整用データが共有メモリ8に保存され続ける(ST3)。
【0044】
データ入出力装置10により、上記したように、共有メモリ8に保存した調整用データを用いて制御器3aのフィードバックゲインや制御機能の調節設定や変更が希望通りに行えると、データ入出力装置10から調整用データの取得完了の通知が入力されるので(ST4:Yes)、調整用データ選択取得部5aは、調整用データ取得フラグを“0”にリセットする。
【0045】
これによって、スイッチ切替信号17は“0”レベルになり(ST5)、通常の連続稼動運転の開始と共に、スイッチ7が、共有メモリ8のデータ入力端への接続相手を、調整用データ選択取得部5aの出力端からモニタデータ選択取得部6の出力端に切り替えるので、保守点検時までの期間、或いは、異常発生時までの期間、モニタデータ選択取得部6が取得したモニタデータが共有メモリ8に保存され(ST6)、保守点検時や異常発生時に機能修復調整に供される。
【0046】
なお、図4では、データ入出力装置10からの指示でスイッチ7の切替制御が行われる形態を示しているが、モータ駆動制御装置1aの調整設定は、一般に、被制御装置の立ち上げ時に行われる。したがって、前述したように、モータ駆動制御装置1aの電源を投入すると、スイッチ7は、調整用データ選択取得部5aの出力端を共有メモリ8のデータ入力端に接続してスタンバイする形態でもよい。この形態でも、スイッチ切替信号17を“1”レベルから“0”レベルへ切り替えるタイミングは、データ入出力装置10から調整用データの取得完了の通知が入力されたとき(ST5:Yes)である。
【0047】
以上のように、本実施の形態1によれば、モータ駆動制御装置の制御機能の調整設定を行う装置であるデータ入出力装置からの調整用データの取得開始およびその終了の指示に基づき、共有メモリへの保存データの切り替えを制御するようにしたので、モータ駆動制御装置の調整設定時には共有メモリへの保存データを調整用データに設定し、調整設定を終了すると、共有メモリへの保存データをモニタデータに切り替えることができる。
【0048】
モータ駆動制御装置は、 電源の再投入という特別な操作をユーザに要求せずに、電源をオンにしたまま自動的に通常の連続稼動運転へ移行する。このように、通常の連続稼動運転時において、モニタデータを確実に共有メモリに保存することができるので、従来のように、保守点検時や異常発生時に、モニタデータを参照することができず、異常発生原因を解析し修復調整することが不可能となってしまうという事態の発生を防ぐことができる。
【0049】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図5では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一または同等である構成要素には同一の符号が付されている。図5については、本実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
【0050】
図5に示すように、本実施の形態2によるモータ駆動制御装置1bは、図1(実施の形態1)に示した構成において、スイッチ切替選択部30と、論理積回路31とが追加されている。
【0051】
スイッチ切替選択部30は、一方の入力端が“1”レベルに接続され、他方の入力端が“0”レベルに接続され、手操作により2値レベルの何れか一方のレベル信号を切り替えて出力できるスイッチで構成されている。スイッチ切替選択部30は、例えば、モータ駆動制御装置1bの操作パネルなどに取り付けられている。
【0052】
論理積回路31は、調整用データ選択取得部5aが出力する2値のレベル信号からなるスイッチ切替信号17を一方の入力とし、スイッチ切替選択部30が出力する2値のレベル信号からなるスイッチ選択信号33を他方の入力とし、両者の論理積を取った信号35を、新たなスイッチ切替信号35としてスイッチ7の切替制御端に出力する。
【0053】
以下、図6を参照して本実施の形態2による共有メモリの保存切替制御動作について説明する。図6は、図5に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。
【0054】
図6において、被制御装置の立ち上げ時において、スイッチ切替選択部30を操作してスイッチ選択信号33を“1”レベルに設定する(ST10)。データ入出力装置10から調整用データの取得開始の指示が入力すると(ST11:Yes)、調整用データ選択取得部5aが、調整用データ取得フラグを“1”にセットし調整用データの取得を開始する。同時に、スイッチ切替信号17を“1”レベルにする。そうすると、論理積回路31が出力するスイッチ切替信号35は“1”レベルになる(ST12)。これによって、スイッチ7は、調整用データ選択取得部5aの出力端を共有メモリ8のデータ入力端に接続し、調整用データ選択取得部5aが取得した調整用データが共有メモリ8に保存される(ST13)。
【0055】
調整用データ選択取得部5aは、データ入出力装置10から調整用データの取得完了の通知が入力するまで(ST14:No)、調整用データ取得フラグを“1”に保持しているが、本実施の形態2では、スイッチ選択信号33が“0”レベルに切り替わっていない(ST15:No)ことを条件に、ST15:No〜ST12〜ST13〜ST14:No〜ST15:Noのループ処理により、その間に調整用データ選択取得部5aが取得した調整用データが共有メモリ8に保存され続ける(ST13)。
【0056】
そして、データ入出力装置10から調整用データの取得完了の通知が入力すると(ST14:Yes)、調整用データ選択取得部5aでは、調整用データ取得フラグが“0”にリセットされ、スイッチ選択信号17が“0”レベルに切り替わるので、論理積回路31が出力するスイッチ切替信号35は“0”レベルに切り替わり(ST16)、実施の形態1での図4と同様に、共有メモリ8はモニタデータの保存に切り替わる(ST17)。
【0057】
つまり、本実施の形態2では、調整用データ選択取得部5aが、調整用データ取得フラグを“1”に保持していて(ST14:No)、調整用データを取得していても、スイッチ選択信号33が“0”レベルに切り替わると(ST15:Yes)、論理積回路31が出力するスイッチ切替信号35は“0”レベルに切り替わるから(ST16)、共有メモリ8は強制的にモニタデータの保存状態に切り替わる(ST17)。
【0058】
実施の形態1では、図4に示した手順から理解できるように、何らかの理由によりデータ入出力装置10から調整用データの取得完了の通知が入力されないと、共有メモリ8にモニタデータを保存できないことが起こる。そのような事態の発生を、本実施の形態2では、操作パネルなどに取り付けたスイッチ切替選択部30でのスイッチ操作によって簡単に回避することができる。
【0059】
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図7では、図5(実施の形態2)に示した構成要素と同一または同等である構成要素には同一の符号が付されている。図7については、本実施の形態3に関わる部分を中心に説明する。
【0060】
図7に示すように、本実施の形態3によるモータ駆動制御装置1cは、図5(実施の形態2)に示した構成において、タイマ37が、調整用データ選択取得部5aが出力するスイッチ切替信号17が論理積回路31に入力される経路の途中に設けられている。
【0061】
タイマ37は、スイッチ切替信号17が“1”レベルである間、論理積回路31への出力を“1”レベルに保持し、スイッチ切替信号17が“1”レベルから“0”レベルに立ち下がると、出力を“1”レベルに保持したまま所定時間の計時動作を開始し、所定時間の計時動作の終了により出力を“1”レベルから“0”レベルに立ち下げる。そして、タイマ37は、所定時間の計時時動作中において、スイッチ切替信号17が“0”レベルから“1”レベルに立ち上がると、出力を“1”レベルに保持したまま、それまでに計時した所定時間をリセットし、スイッチ切替信号17が“1”レベルから“0”レベルに立ち下がるのを待機する。
【0062】
制御器3aのフィードバックゲインや制御機能の調整設定では、結果が思わしくない場合は、再度調整用データの取得を行って調整設定をやり直す。また、モータ2が複数ある場合は、モータ毎に、調整用データの取得を行うことを繰り返す。タイマ37は、このような場合に対処できるようにするため設けられている。以下、図8を参照して説明する。
【0063】
図8は、図7に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。なお、図8では、図6(実施の形態2)に示した動作手順と同一である動作手順には同一の符号が付されている。
【0064】
図8において、本実施の形態3では、ST20〜ST23の動作手順が追加されている。ST20では、データ入出力装置10から調整用データの取得終了が通知されたとき(ST14:Yes)、調整用データ選択取得部5aが出力するスイッチ切替信号17は“0”レベルになるからタイマ37が出力を“1”レベルに保持したまま所定時間に向かった計時動作をスタートする。スイッチ切替信号35は“1”レベルを維持するから、スイッチ7は調整用データの保存状態を継続する。
【0065】
ST22では、タイマ37が所定時間を計時するまで(ST21:No)の間にデータ入出力装置10から新たな調整用データの取得開始が通知されるか否かを監視する。その結果、データ入出力装置10から新たな調整用データの取得開始が通知されることなく(ST22:No)、タイマ37が所定時間を計時したときは(ST21:Yes)、タイマ37の出力は“1”レベルから“0”レベルに立ち下がる。スイッチ選択信号33は“1”レベルであるから、論理積回路31が出力するスイッチ切替信号35が“1”レベルから“0”レベルに切り替わり、スイッチ7はタイマ37が計時した所定時間だけ遅れたタイミングでモニタデータの保存状態になる(ST16,ST17)。
【0066】
一方、ST22において、データ入出力装置10から、新たに調整用データの取得開始が通知されると(ST22:Yes)、調整用データ選択取得部5aは、調整用データフラグを“1”にセットするので、スイッチ切替信号17が“0”レベルから“1”レベルに立ち上がり、タイマ37は出力を“1”レベルに保持したまま初期状態にリセットされる(ST23)。スイッチ切替信号35は“1”レベルを維持するから、スイッチ7は調整用データの保存状態を継続し、引き続いて新たな調整設定が行える状態を維持する。タイマ37の初期状態へのリセットは、調整設定の回数分行われる。
【0067】
以上のように、本実施の形態3によれば、実施の形態2の作用効果に加えて、複数の調整設定が必要となる場合に、中断することなく全ての調整設定をほぼ連続的に行うことができ、調整設定に要する時間の短縮化が図れる。
【0068】
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図9では、図5(実施の形態2)に示した構成要素と同一または同等である構成要素には同一の符号が付されている。図9については、本実施の形態4に関わる部分を中心に説明する。
【0069】
図9に示すように、本実施の形態4によるモータ駆動制御装置1dは、図5(実施の形態2)に示した構成において、自動切替無効選択部38と、論理和回路39とが追加されている。
【0070】
論理和回路39は、調整用データ選択取得部5aが出力する2値のレベル信号からなるスイッチ切替信号17を一方の入力とし、自動切替無効選択部38が出力する2値のレベル信号からなる自動切替無効信号40を他方の入力とし、両者の論理和を取った信号41を論理積回路31の一方の入力端へ出力する。論理積回路31の他方の入力は、スイッチ切替選択部30が出力する2値のレベル信号からなるスイッチ選択信号33である。
【0071】
自動切替無効選択部38は、データ入出力装置10による調整設定作業の終了後も暫くの間、共有メモリ8を調整用データの保存状態にしたい場合に、自動切替無効信号40を“0”レベルから“1”レベルに立ち上げてそれを保持する。スイッチ切替信号17は、調整設定作業の終了により“1”レベルから“0”レベルに立ち下がるが、自動切替無効信号40が“1”レベルであるから、論理和回路39の出力信号41は“1”レベルとなり、共有メモリ8がスイッチ切替信号17のレベル変化によりモニタデータ保存へ切り替わるのが無効になる。自動切替無効選択部38は、スイッチ切替選択部30と同様の構成である。無効を解除して共有メモリ8をモニタデータ保存へ切り替える場合は、スイッチ操作により、自動切替無効信号40を“0”レベルに立ち下げる。以下、図10を参照して説明する。
【0072】
図10は、図9に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。図10では、図6(実施の形態2)に示した動作手順と同一である動作手順には同一の符号が付されている。図10に示すように、本実施の形態4では、ST25,ST26〜ST28の動作手順が追加されている。
【0073】
データ入出力装置10による調整設定作業が終了するまでは、調整用データ選択取得部5aが出力するスイッチ切替信号17は“1”レベルであるから、自動切替無効信号40は、“0”レベルでも“1”レベルでもよいが、ST25では、自動切替無効選択部38は、自動切替無効信号40を例えば“0”レベルにする。論理和回路39の出力信号41は“1”レベルとなり、共有メモリ8は調整用データの保存状態になる(ST12,ST13)。
【0074】
その後、調整用データ選択取得部5aは、データ入出力装置10から調整用データ取得終了通知を受け(ST14:Yes)、スイッチ切替信号17を“0”レベルに立ち下げる場合に、ST26において、自動切替無効信号40が“0”レベルであるか否かを判定する。
【0075】
その結果、自動切替無効信号40が“0”レベルである場合は(ST26:Yes)、論理和回路39の出力信号41は“0”レベルになっているから、直ちに共有メモリ8はモニタデータの保存状態になる(ST16,ST17)。
【0076】
一方、ST26において、自動切替無効信号40が“1”レベルになっていると(ST26:No)、論理和回路39の出力信号41は依然として“1”レベルである。したがって、共有メモリ8は、調整設定作業の終了後もモニタデータ保存状態へ切り替わることなく、調整用データの保存状態を継続する(ST27,ST28)。そして、その後、自動切替無効信号40が“0”レベルに切り替えられると(ST26:Yes)、共有メモリ8はモニタデータの保存状態になる(ST16,ST17)。
【0077】
以上のように、本実施の形態4によれば、実施の形態2の作用効果に加えて、何らかの都合により、調整設定作業の終了後も暫くの間、共有メモリを調整用データの保存状態にしたい場合に、自動切替無効選択部を操作することにより、調整用データを繰り返し保存し続けることができる。
【0078】
なお、本実施の形態4では、実施の形態2への適用例を示したが、実施の形態3に示したタイマを論理和回路の出力端と論理積回路の入力端との間に設ける構成を採用してもよい。
【0079】
また、実施の形態1〜4では、調整用データ選択取得部5aがスイッチ切替信号17を出力するとして説明したが、データ入出力装置10が調整用データ選択取得部5aへ指示するデータ取得の開始と終了の通知は、制御器3aも認識できるので、スイッチ切替信号17は制御器3aが出力するようにしてもよい。つまり、実施の形態1〜4では、制御器3aまたは調整用データ選択取得部5aに、調整用データの取得開始とその終了を検知してスイッチ切替信号17を発生する手段が設けられている。
【0080】
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図11では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一または同等である構成要素には同一の符号が付されている。図11については、本実施の形態5に関わる部分を中心に説明する。
【0081】
図11に示すように、本実施の形態5によるモータ駆動制御装置1eは、図1(実施の形態1)に示した構成において、符号を変えた調整用データ選択取得部5bはスイッチ切替信号17を出力せず、専ら調整用データの取得を行うように構成される。新たに加入した接続断検出部44がスイッチ切替信号45を出力する。
【0082】
データ入出力装置10は、制御器3aの調整設定作業を終えると、制御器3aとの接続を断ち別の場所へ収納される。接続断検出部44は、制御器3aにデータ入出力装置10が接続されるコネクタ部分を監視し、データ入出力装置10がコネクタ接続されている場合は“1”レベルのスイッチ切替信号45を出力し、その後、データ入出力装置10がコネクタ接続されていない場合は“0”レベルのスイッチ切替信号45を出力する。
【0083】
次に、図12を参照して、本実施の形態5による共有メモリの保存切替制御動作について説明する。図12は、図11に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。
【0084】
図12において、接続断検出部44は、データ入出力装置10が制御器3aに接続されたのを検出すると(ST30:No)、スイッチ切替信号45を“1”レベルにする(ST31)。スイッチ7は、調整用データ選択取得部5bの出力端を共有メモリ8のデータ入力端に接続する。調整用データ選択取得部5bが取得した調整用データが共有メモリ8に保存される(ST32)。
【0085】
データ入出力装置10が制御器3aに接続されている間(ST30:No)、接続断検出部44は、“1”レベルのスイッチ切替信号45を出力するので、その間に調整用データ選択取得部5aが取得した調整用データが共有メモリ8に保存され続ける(ST31,ST32)。
【0086】
モータ駆動制御装置1eの電源はオンのままでデータ入出力装置10が制御器3aから外されると、接続断検出部44が、データ入出力装置10が制御器3aから外されたのを検出し(ST30:Yes)、スイッチ切替信号45を“0”レベルに切り替える(ST33)。スイッチ7は、共有メモリ8のデータ入力端への接続相手を、調整用データ選択取得部5bの出力端からモニタデータ選択取得部6の出力端に切り替える。以降、モニタデータ選択取得部6が取得したモニタデータが共有メモリ8に保存される(ST34)。
【0087】
以上のように、本実施の形態5によれば、モータ駆動制御装置の制御機能の調整設定を行う装置であるデータ入出力装置の接続有無に基づき共有メモリへの保存切替を制御するようにしたので、データ入出力装置がモータ駆動制御装置に接続されると、調整設定の開始とみなして共有メモリへの保存データを調整用データに設定し、データ入出力装置がモータ駆動制御装置から外されると、調整設定の終了とみなして共有メモリへの保存データをモニタデータに切り替えることができる。
【0088】
モータ駆動制御装置は、電源の再投入という特別な操作をユーザに要求せずに電源をオンにしたまま自動的に通常の連続稼動運転へ移行する。このように、通常の連続稼動運転時において、モニタデータを確実に共有メモリに保存することができるので、従来のように、保守点検時や異常発生時において、モニタデータが確認できなくなることを防ぐことができる。
【0089】
実施の形態6.
図13は、本発明の実施の形態6によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図13では、図11(実施の形態5)に示した構成要素と同一または同等である構成要素には同一の符号が付されている。図13については、本実施の形態6に関わる部分を中心に説明する。
【0090】
図13に示すように、本実施の形態6によるモータ駆動制御装置1fは、図11(実施の形態5)に示した構成において、スイッチ切替選択部30と、論理積回路31とが追加されている。スイッチ切替選択部30および論理積回路31は、実施の形態2(図5)に示したものであるから、その説明を割愛し、図14を参照して本実施の形態6による共有メモリの保存切替制御動作について説明する。
【0091】
図14は、図13に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。図14において、被制御装置の立ち上げ時において、スイッチ切替選択部30を操作してスイッチ選択信号33を“1”レベルに設定する(ST36)。
【0092】
接続断検出部44は、データ入出力装置10と制御器3aとの接続を検出すると(ST37:No)、スイッチ切替信号45を“1”レベルにする。論理積回路31が出力するスイッチ切替信号35は“1”レベルになる(ST38)。スイッチ7は、調整用データ選択取得部5aの出力端を共有メモリ8のデータ入力端に接続する。これによって、調整用データ選択取得部5aが取得した調整用データが共有メモリ8に保存される(ST39)。
【0093】
本実施の形態6では、スイッチ選択信号33が“0”レベルに切り替わっていない(ST40:No)ことを条件に、ST37:No〜ST38〜ST39〜ST40:No〜ST37:Noのループ処理により、その間に調整用データ選択取得部5bが取得した調整用データが共有メモリ8に保存され続ける(ST39)。
【0094】
そして、接続断検出部44は、データ入出力装置10が制御器3aから外されたのを検出すると(ST37:Yes)、スイッチ選択信号45を“0”レベルに切り替える。論理積回路31が出力するスイッチ切替信号35は“0”レベルに切り替わり(ST41)、実施の形態5での図12と同様に、共有メモリ8はモニタデータの保存状態に切り替わる(ST42)。
【0095】
つまり、本実施の形態6では、接続断検出部44がデータ入出力装置10と制御器3aとの接続を検出していても(ST37:No)、スイッチ選択信号33が“0”レベルに切り替わると(ST40:Yes)、論理積回路31が出力するスイッチ切替信号35は“0”レベルに切り替わるから(ST41)、共有メモリ8は強制的にモニタデータの保存に切り替わる(ST42)。
【0096】
実施の形態5では、図12に示した手順から理解できるように、データ入出力装置10と制御器3aとの接続を断たれても、何らかの原因により接続断検出部44が出力するスイッチ切替信号45が“1”レベルのままで“0”レベルに立ち下がらないと(ST37:No)、共有メモリ8にモニタデータを保存できないことが起こる。そのような事態の発生を、本実施の形態6では、操作パネルなどに取り付けたスイッチ切替選択部30でのスイッチ操作によって簡単に回避することができる。
【0097】
実施の形態7.
図15は、本発明の実施の形態7によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図15では、図13(実施の形態6)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。図15においては、本実施の形態7に関わる部分を中心に説明する。
【0098】
図15に示すように、本実施の形態7によるモータ駆動制御装置1gは、図13(実施の形態6)に示した構成において、タイマ37が、接続断検出部44が出力するスイッチ切替信号45が論理積回路31に入力される経路の途中に設けられている。タイマ37は実施の形態3(図7)に示したものであるから、その説明を割愛し、図16を参照して本実施の形態7による共有メモリの保存切替制御動作について説明する。
【0099】
図16は、図15に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。なお、図16では、図14(実施の形態6)に示した動作手順と同一である動作手順には同一の符号が付されている。
【0100】
図16において、本実施の形態7では、ST45,ST46の動作手順が追加されている。接続断検出部44がデータ入出力装置10と制御器3aとの接続が断たれたのを検出して、スイッチ切替信号45を“1”レベルから“0”レベルに立ち下げると(ST37:Yes)、ST45において、タイマ37が出力を“1”レベルに保持したまま所定時間に向かった計時動作をスタートする。スイッチ切替信号35は“1”レベルを維持するから、スイッチ7は調整用データの保存状態を継続する。
【0101】
そして、タイマ37は、所定時間を計時したとき(ST46:Yes)、出力を“0”レベルに立ち下げるから、論理積回路31が出力するスイッチ切替信号35が“1”レベルから“0”レベルに切り替わり、スイッチ7はタイマ37の計時所定時間だけ遅れたタイミングでモニタデータの保存状態になる(ST41,ST42)。
【0102】
以上のように、本実施の形態7によれば、実施の形態6による作用効果に加えて、モータ駆動制御装置の調整設定完了後、データ入出力装置を切り離すと、所定時間後、自動的にモニタデータの保存状態へ移行することができる。
【0103】
実施の形態8.
図17は、本発明の実施の形態8によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図17では、図13(実施の形態6)に示した構成要素と同一または同等である構成要素には同一の符号が付されている。図17においては、本実施の形態8に関わる部分について説明する。
【0104】
図17に示すように、本実施の形態8によるモータ駆動制御装置1gは、図13(実施の形態6)に示した構成において、自動切替無効選択部38と、論理和回路39とが追加されている。自動切替無効選択部38および論理和回路39は、実施の形態4(図9)に示したものであるので、その説明を割愛し、図18を参照して本実施の形態8による共有メモリの保存切替制御動作について説明する。
【0105】
図18は、図17に示すモータ駆動制御装置において実施される調整用データとモニタデータとを共有メモリに排他的に保存する動作手順を説明するフローチャートである。図18では、図14(実施の形態6)に示した動作手順と同一である動作手順には同一の符号が付されている。図18に示すように、本実施の形態8では、ST50,ST51〜ST53の動作手順が追加されている。
【0106】
スイッチ切替信号45の信号レベルは、データ入出力装置10を制御器3aに接続している間、“1”レベルであるから、自動切替無効信号40は、“0”レベルでも“1”レベルでもよいが、ST50では、自動切替無効選択部38は、自動切替無効信号40を例えば“0”レベルにする。論理和回路39の出力信号41は“1”レベルとなり、共有メモリ8は調整用データの保存状態になる(ST38,ST39)。
【0107】
その後、接続断検出部44が接続断を検出して(ST37:Yes)スイッチ切替信号45を“0”レベルに立ち下げた場合に、ST51において、自動切替無効信号40が“0”レベルであるか否かを判定する。
【0108】
その結果、自動切替無効信号40が“0”レベルである場合は(ST51:Yes)、論理和回路39の出力信号41は“0”レベルになっているから、直ちに共有メモリ8はモニタデータの保存状態になる(ST41,ST42)。
【0109】
一方、ST51において、自動切替無効信号40が“1”レベルになっていると(ST51:No)、論理和回路39の出力信号41は依然として“1”レベルである。したがって、共有メモリ8は、調整設定作業の終了後もモニタデータ保存状態へ切り替わることなく、調整用データの保存状態を継続する(ST52,ST53)。そして、その後、自動切替無効信号40が“0”レベルに切り替えられると(ST51:Yes)、共有メモリ8はモニタデータの保存状態になる(ST41,ST42)。
【0110】
以上のように、本実施の形態8によれば、実施の形態6による作用効果に加えて、データ入出力装置の接続断検出に基づき共有メモリの保存状態を切り替える場合に、何らかの都合により、調整設定作業の終了後も暫くの間、共有メモリを調整用データの保存状態にしたいに場合に、調整用データを繰り返し保存し続けることができる。
【0111】
なお、本実施の形態8では、実施の形態6への適用例を示したが、実施の形態7に示したタイマを論理和回路の出力端と論理積回路の入力端との間に設ける構成を採用してもよい。
【0112】
実施の形態9.
図19は、本発明の実施の形態9によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図19では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一または同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、本実施の形態9に関わる部分を中心に説明する。
【0113】
図19に示すように、本実施の形態9によるモータ駆動制御装置1iは、図1(実施の形態1)に示した構成において、符号を変えた制御器3bは、符号を変えたコントローラ9bを介してデータ入出力装置10とデータの遣り取りをするように構成される。
【0114】
コントローラ9bは、制御器3bに対し、生成したモータ2の駆動制御に関する動作指令と、データ入出力装置10から受け取った指示データとを所定のフォーマットに挿入して出力する。また、コントローラ9bは、データ入出力装置10に対し、生成したモータ2の駆動制御に関する動作指令と、制御器3bから受け取ったモータ2の制御状態量とを所定のフォーマットに挿入して出力する。
【0115】
制御器3bは、コントローラ9bとの通信ポートのみを有するため、制御器3aの動作に加えて、コントローラ9bから受け取ったデータ(動作指令とデータ入出力装置10からの指示データ)をその宛先に応じて、調整用データ選択取得部5aとモニタデータ選択取得部6とに振り分ける動作が追加されている。
【0116】
調整用データ選択取得部5aは、制御器3bからデータ入出力装置10の指示データが入力され、それに基づきスイッチ切替信号17を出力する。
【0117】
したがって、実施の形態9によれば、モータ駆動制御装置1iにコントローラ9bを介してデータ入出力装置10が接続される場合でも、共有メモリ8に調整用データとモニタデータとを排他的に保存させる切替制御を、実施の形態1と同様に図4に示した手順で、実施することができる。
【0118】
実施の形態9では、実施の形態1への適用例を示したが、実施の形態2〜4にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0119】
なお、データ入出力装置10が調整用データ選択取得部5aへ指示するデータ取得の開始と終了の通知は、制御器3bも認識できるので、スイッチ切替信号17は制御器3bが出力するようにしてもよい。つまり、本実施の形態9では、実施の形態1〜4と同様に、制御器3bまたは調整用データ選択取得部5aに、調整用データの取得開始とその終了を検知してスイッチ切替信号17を発生する手段が設けられている。
【0120】
実施の形態10.
図20は、本発明の実施の形態10によるモータ駆動制御装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図20では、図19(実施の形態9)に示した構成要素と同一または同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、本実施の形態10に関わる部分を中心に説明する。
【0121】
図20に示すように、本実施の形態10によるモータ駆動制御装置1jは、図19(実施の形態9)に示した構成において、符号を変えた調整用データ選択取得部5bはスイッチ切替信号17を出力せず、専ら調整用データの取得を行うように構成される。新たに加入した通信断検出部47がスイッチ切替信号48を出力する。
【0122】
データ入出力装置10は、制御器3bの調整設定作業を終えると、コントローラ9bとの接続を断ち別の場所へ収納される、或いは、コントローラ9bと接続したまま電源がオフされる。そうすると、コントローラ9bから制御器3bへの伝送フォーマットでは、データ入出力装置10からの指示データの挿入箇所は無信号の状態になる。
【0123】
通信断検出部47は、コントローラ9bから制御器3bへの伝送フォーマットにおけるデータ入出力装置10からの指示データ挿入箇所部分を監視し、無信号の状態でなければ“1”レベルのスイッチ切替信号48を出力し、その後、無信号の状態になれば“0”レベルのスイッチ切替信号48を出力する。
【0124】
したがって、実施の形態10によれば、モータ駆動制御装置1jにコントローラ9bを介してデータ入出力装置10が接続される場合に、データ入出力装置10からの信号有無を監視し、信号有りを調整設定時とみなし信号断を調整設定の完了とみなすことにより、共有メモリ8に調整用データとモニタデータとを排他的に保存させる切替制御を実施することができる。実施の形態10は、実施の形態5において、接続断を通信断と置き換えた場合を示したが、実施の形態6〜8にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0125】
なお、実施の形態1〜8では、被制御装置の立ち上げ時における調整設定の完了後、電源をオフすることなく、モニタデータをサンプリング保存する通常の連続稼動運転へ移行し、そのまま保守点検時や異常発生時に至る場合を示したが、通常の連続稼動運転の期間において、一旦電源をオフにして運転を停止し、その後電源をオンにして運転を再開することが1回以上行われる場合には、スイッチ切替選択部30を設ける実施の形態2〜4,6〜8において、スイッチ切替選択部30の設定を、運転を再開するとき“0”レベルのスイッチ選択信号33を出力するように切り替えておくことで、共有メモリをモニタデータ保存に設定できるから、簡単に対応することができる。
【0126】
例えば図5において、スイッチ選択信号33が“0”レベルであれば、スイッチ選択信号17が“1”レベルであっても、“0”レベルであっても、論理積回路31が出力するスイッチ選択信号35のレベルは必ず“0”レベルになるから、共有メモリ8は、電源の再投入の度に、必ずモニタデータの保存状態に設定される。
【産業上の利用可能性】
【0127】
以上のように、本発明にかかるモータ駆動制御装置は、共有メモリに調整用データとモニタデータとをこの順に排他的に保存する場合に、ユーザに特別な操作を要求することなく、自動的に共有メモリへの保存データの切り替えが行えるモータ駆動制御装置として有用である。
【符号の説明】
【0128】
1a〜1j モータ駆動制御装置
2 モータ
3a,3b 制御器
4 電力変換回路
5a,5b 調整用データ選択取得部
6 モニタデータ選択取得部
7 スイッチ
8 共有メモリ
9a,9b コントローラ
10 データ入出力装置
30 スイッチ切替選択部
31 論理積回路
33 スイッチ選択信号
35 スイッチ切替信号
37 タイマ
38 自動切替無効選択部
39 論理和回路
44 接続断検出部
47 通信断検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被制御装置に組み込まれたモータを駆動制御する制御機能の調整設定に用いる調整用データを、上位装置からの動作指令および前記モータの制御状態量を一定間隔毎にサンプリングして取得する調整用データ取得部と、
前記制御機能の調整設定の後の連続稼動運転期間における保守点検時や異常発生時に行う機能修復調整に用いるモニタデータを、前記上位装置からの動作指令および前記モータの制御状態量を一定間隔毎にサンプリングして取得するモニタデータ取得部と、
前記調整用データと前記モニタデータとを排他的に保存するための共有メモリと、
前記調整用データ取得部の出力端および前記モニタデータ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端との間に設けられるスイッチと、
データ入出力装置を用いた前記制御機能の調整設定時において前記スイッチに前記調整用データ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端とを接続させ、その後、前記データ入出力装置が出力する前記制御機能の調整設定の完了通知に応答して前記スイッチに前記モニタデータ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端とを接続させるスイッチ切替信号を発生する手段と
を備えたことを特徴とするモータ駆動制御装置。
【請求項2】
被制御装置に組み込まれたモータを駆動制御する制御機能の調整設定に用いる調整用データを、上位装置からの動作指令および前記モータの制御状態量を一定間隔毎にサンプリングして取得する調整用データ取得部と、
前記制御機能設定の後の連続稼動運転期間における保守点検時や異常発生時に行う機能修復調整に用いるモニタデータを、前記上位装置からの動作指令および前記モータの制御状態量を一定間隔毎にサンプリングして取得するモニタデータ取得部と、
前記調整用データと前記モニタデータとを排他的に保存するための共有メモリと、
前記調整用データ取得部の出力端および前記モニタデータ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端との間に設けられるスイッチと、
前記制御機能の調整設定に用いるデータ入出力装置が接続されているのを検出している間前記スイッチに前記調整用データ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端とを接続させ、その後、前記データ入出力装置との接続が断たれたことを検出したとき前記スイッチに前記モニタデータ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端とを接続させるスイッチ切替信号を発生する手段と
を備えたことを特徴とするモータ駆動制御装置。
【請求項3】
被制御装置に組み込まれたモータを駆動制御する制御機能の調整設定に用いる調整用データを、上位装置からの動作指令および前記モータの制御状態量を一定間隔毎にサンプリングして取得する調整用データ取得部と、
前記制御機能設定の後の連続稼動運転期間における保守点検時や異常発生時に行う機能修復調整に用いるモニタデータを、前記上位装置からの動作指令および前記モータの制御状態量を一定間隔毎にサンプリングして取得するモニタデータ取得部と、
前記調整用データと前記モニタデータとを排他的に保存するための共有メモリと、
前記調整用データ取得部の出力端および前記モニタデータ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端との間に設けられるスイッチと、
前記制御機能の調整設定に用いるデータ入出力装置との通信信号を検出している間前記スイッチに前記調整用データ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端とを接続させ、その後、前記データ入出力装置との通信信号が消失したことを検出したとき前記スイッチに前記モニタデータ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端とを接続させるスイッチ切替信号を発生する手段と
を備えたことを特徴とするモータ駆動制御装置。
【請求項4】
前記スイッチ切替信号が前記スイッチに前記調整用データ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端とを接続させている場合に、前記スイッチに前記共有メモリのデータ入力端の接続相手を、強制的に前記モニタデータ取得部の出力端へ切り替えさせる第1のスイッチ選択信号を出力できるスイッチ切替選択部
を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のモータ駆動制御装置。
【請求項5】
前記スイッチ切替信号が前記スイッチの切替制御端に入力する経路に設けられ、前記スイッチ切替信号が前記スイッチに前記共有メモリのデータ入力端への接続相手を前記調整用データ取得部の出力端から前記モニタデータ取得部の出力端に切り替えさせるタイミングで所定時間の計時動作を開始し、該所定時間内に新たに前記タイミングが発生すると再度前記所定時間の計時動作を開始することを行い、該所定時間内に前記タイミングが発生せず該所定時間の計時を終了したとき、前記スイッチに前記共有メモリのデータ入力端と前記モニタデータ取得部の出力端とを接続させる信号を出力するタイマ
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
【請求項6】
前記スイッチ切替信号が前記スイッチの切替制御端に入力する経路に設けられ、前記スイッチ切替信号が前記スイッチに前記共有メモリのデータ入力端への接続相手を前記調整用データ取得部の出力端から前記モニタデータ取得部の出力端に切り替えさせるタイミングで所定時間の計時動作を開始し、該所定時間の計時を終了したとき、前記スイッチに前記共有メモリのデータ入力端と前記モニタデータ取得部の出力端とを接続させる信号を出力するタイマ
を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載のモータ駆動制御装置。
【請求項7】
前記タイマが前記スイッチに出力する前記共有メモリのデータ入力端への接続相手を前記調整用データ取得部の出力端から前記モニタデータ取得部の出力端へ切り替えさせる指示を無効にし前記スイッチに前記共有メモリのデータ入力端と前記調整用データ取得部の出力端との接続を維持させる自動切替無効信号を出力する自動切替無効選択部
を備えていることを特徴とする請求項5または6に記載のモータ駆動制御装置。
【請求項8】
前記スイッチ切替信号が前記スイッチに前記共有メモリのデータ入力端への接続相手を前記調整用データ取得部の出力端から前記モニタデータ取得部の出力端へ切り替えさせる指示を無効にし、前記スイッチに前記共有メモリのデータ入力端と前記調整用データ取得部の出力端との接続を維持させる自動切替無効信号を出力する自動切替無効選択部
を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のモータ駆動制御装置。
【請求項9】
前記モニタデータを前記共有メモリに保存させる前記連続稼動運転期間において、電源をオフにして運転を停止し電源をオンにして運転を再開することが1回以上行われる場合に、前記スイッチ切替選択部は、運転を再開するとき前記スイッチに対し前記共有メモリのデータ入力端の接続相手を前記モニタデータ取得部の出力端へ設定する第2のスイッチ選択信号を出力できる
ことを特徴とする請求項4に記載のモータ駆動制御装置。
【請求項10】
前記スイッチ切替信号が前記スイッチに前記調整用データ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端とを接続させている場合に、前記スイッチに前記共有メモリのデータ入力端の接続相手を、強制的に前記モニタデータ取得部の出力端へ切り替えさせる第1のスイッチ選択信号を出力できるスイッチ切替選択部
を備えていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載のモータ駆動制御装置。
【請求項11】
前記スイッチ切替信号が前記スイッチに前記調整用データ取得部の出力端と前記共有メモリのデータ入力端とを接続させている場合に、前記スイッチに前記共有メモリのデータ入力端の接続相手を、強制的に前記モニタデータ取得部の出力端へ切り替えさせる第1のスイッチ選択信号を出力できるスイッチ切替選択部
を備えていることを特徴とする請求項8に記載のモータ駆動制御装置。
【請求項12】
前記モニタデータを前記共有メモリに保存させる前記連続稼動運転期間において、電源をオフにして運転を停止し電源をオンにして運転を再開することが1回以上行われる場合に、前記スイッチ切替選択部は、運転を再開するとき前記スイッチに対し前記共有メモリのデータ入力端の接続相手を前記モニタデータ取得部の出力端へ設定する第2のスイッチ選択信号を出力できる
ことを特徴とする請求項10または11に記載のモータ駆動制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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