説明

ユニットの着脱機構、定着ユニットの着脱機構、及び画像形成装置

【課題】装置本体からユニットを離脱させるときの離脱方向で必要とされる操作力を低減することができるユニットの着脱機構、定着ユニットの着脱機構、及び画像形成装置を得る。
【解決手段】定着ユニット100の着脱機構110は、定着ユニット100と、定着ユニットに設けられたガイドピン122と、引張バネ79の付勢力で定着ユニット100を装着方向へ押し付ける押付部材86と、押付部材86を押付状態が解除される方向に移動させる解除レバー130と、を有している。ここで、本体部12Aから定着ユニット100を離脱させるとき、解除レバー130を定着ユニット100の離脱方向とは異なる方向に操作すると、押付部材86による押付状態が解除される。この状態で定着ユニット100を離脱方向へ移動させると、離脱方向に解除レバー130の操作力が作用していないので、離脱方向で必要とされる操作力が低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニットの着脱機構、定着ユニットの着脱機構、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の定着ユニットは、記録用紙に形成されたトナー像を定着させる一対の定着部材を有し、筐体に対して着脱自在に形成されている。また、特許文献1の定着ユニットには、該定着ユニットを単一方向に移動させることのみにより筐体に対する着脱が可能となると共に、装着状態において該定着ユニットに対して装着方向に押圧力を付与する着脱ガイド手段が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−216912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、装置本体からユニットを離脱させるときの離脱方向で必要とされる操作力を低減することができるユニットの着脱機構、定着ユニットの着脱機構、及び画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るユニットの着脱機構は、装置本体に装着及び離脱自在とされたユニットと、前記装置本体及び前記ユニットのいずれか一方に設けられた係合部と、前記装置本体及び前記ユニットのいずれか他方に設けられ、前記ユニットを前記装置本体に装着したときに前記係合部と係合し、付勢部材の付勢力で前記ユニットを前記装置本体に対して該ユニットの装着方向へ押し付ける押付部材と、前記ユニットに設けられ、前記ユニットの前記装置本体からの離脱方向とは異なる方向に操作されて前記付勢部材の付勢力に抵抗し、前記押付部材を押付状態が解除される方向に移動させる解除部材と、を有する。
【0006】
本発明の請求項2に係るユニットの着脱機構は、前記装置本体に設けられた被接続部に前記装着方向に移動して接続され前記離脱方向に移動して離脱される接続部が、前記ユニットの前記装着方向と交差する長手方向の一端部に設けられ、前記解除部材は、前記長手方向の一端部に設けられている。
【0007】
本発明の請求項3に係るユニットの着脱機構は、前記押付部材は、前記装置本体に設けられており、上向きに移動して前記係合部と係合し、下向きに移動して前記係合部との係合状態を解除する。
【0008】
本発明の請求項4に係るユニットの着脱機構は、前記押付部材は、前記ユニットに設けられており、下向きに移動して前記係合部と係合し、上向きに移動して前記係合部との係合状態を解除する。
【0009】
本発明の請求項5に係る定着ユニットの着脱機構は、請求項2に記載のユニットの着脱機構であって、前記ユニットは、熱源の加熱により記録媒体上の現像剤像を溶融して記録媒体に定着する定着ユニットであり、前記接続部は、前記熱源に供給される電力を供給する給電部材を有している。
【0010】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、前記装置本体に設けられ、現像剤像を形成する現像剤像形成手段と、前記装置本体に設けられ、前記現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の前記ユニットであって、前記転写手段で転写された記録媒体上の現像剤像を溶融して記録媒体に定着する定着ユニットと、を有する。
【0011】
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、前記装置本体に設けられ、現像剤像を形成する現像剤像形成手段と、前記装置本体に設けられ、前記現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、請求項5に記載の定着ユニットの着脱機構を有する前記定着ユニットと、を有する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明は、ユニットの離脱方向に操作されてユニットの離脱禁止状態を解除する解除部材を有する構成に比べて、装置本体からユニットを離脱させるときの離脱方向で必要とされる操作力を低減することができる。
【0013】
請求項2の発明は、接続部と解除部材がユニットの長手方向で同じ側に無い構成に比べて、装着方向で接続される接続部を有する構成であっても、装置本体からユニットを離脱させるときの離脱方向で必要とされる操作力を低減することができる。
【0014】
請求項3の発明は、押付部材が装置本体に設けられ、該押付部材が下向きに移動して係合部と係合し、上向きに移動して係合部との係合状態を解除する構成に比べて、着脱するときにユニットに作用する摩擦力を低減することができる。
【0015】
請求項4の発明は、押付部材がユニットに設けられ、該押付部材が上向きに移動して係合部と係合し、下向きに移動して係合部との係合状態を解除する構成に比べて、着脱するときにユニットに作用する摩擦力を低減することができる。
【0016】
請求項5の発明は、接続部と被接続部との接続力が強い構成において、装置本体から定着ユニットを離脱させるときの離脱方向で必要とされる操作力を低減することができる。
【0017】
請求項6の発明は、定着ユニットの離脱方向に操作されて定着ユニットを離脱させる解除部材を有する構成に比べて、定着ユニットの着脱の作業性を向上させることができる。
【0018】
請求項7の発明は、定着ユニットの離脱方向に操作されて定着ユニットを離脱させる解除部材を有する構成に比べて、定着ユニットの着脱の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。
【図2】(A)、(B)本発明の実施形態に係る本体部に対して定着ユニットを着脱した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る本体部の位置決め板及び側板を示す斜視図である。
【図4】(A)、(B)本発明の実施形態に係る解除レバーで押付部材とガイドピンとの係合を解除する状態を示す説明図である。
【図5】(A)、(B)本発明の実施形態に係る押付部材の側面図及び斜視図である。
【図6】(A)本発明の実施形態に係る定着ユニットの側面図である。(B)本発明の実施形態に係る定着ユニットの内部の構成図である。
【図7】(A)本発明の実施形態に係る定着ユニットの一端部の斜視図である。(B)本発明の実施形態に係る定着ユニットの他端部の斜視図である。
【図8】(A)、(B)本発明の実施形態に係る解除レバーの側面図及び斜視図である。
【図9】(A)、(B)、(C)本発明の実施形態に係る本体部に定着ユニットを装着する状態を示す説明図である。
【図10】(A)、(B)、(C)本発明の実施形態に係る本体部から定着ユニットを離脱させる状態を示す説明図である。
【図11】(A)、(B)、(C)本発明の実施形態に係る着脱機構の変形例において、定着ユニットを本体部から離脱させる状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態に係るユニットの着脱機構、定着ユニットの着脱機構、及び画像形成装置の一例について説明する。
【0021】
(全体構成)
図1には、本発明の実施形態の一例としての画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、筐体12を有している。筐体12は、後述する用紙収納部52から排出ロール46までの各ユニット及び各部材が収納された装置本体の一例としての本体部12Aと、本体部12Aにヒンジ部材13で連結されたカバー部12Bとを含んで構成されている。ここで、カバー部12Bを矢印B方向(図示の時計回り方向)に円弧状に移動させることで、後述する定着ユニット100が露出するようになっている。
【0022】
また、筐体12は、カバー部12Bを矢印C方向(図示の反時計回り方向)に円弧状に移動させることで、本体部12Aとカバー部12Bが箱状に一体化されるようになっている。そして、筐体12の内部には、入力される画像データに対して画像処理を行なう画像処理部14が設けられている。
【0023】
なお、以後の説明では、筐体12の奥行き方向(後述する感光体22の軸方向に沿った方向)をY方向、Y方向と直交する水平方向をX方向とし、X方向及びY方向と直交する鉛直方向をZ方向とする。また、後述する定着ユニット100の本体部12Aからの離脱方向を+X方向とし、定着ユニット100の本体部12Aへの装着方向を−X方向とする。
【0024】
画像処理部14は、入力された画像データをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の階調データに処理するようになっている。また、筐体12の内部中央には、画像処理部14で処理された階調データを受け取ってレーザ光LBによる露光を行う露光装置16が設けられている。
【0025】
露光装置16は、4つの画像形成ユニット20Y、20M、20C、20K(詳細は請後述する)に共通に構成された4つの半導体レーザ(図示省略)が設けられており、これらの半導体レーザからレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kが階調データに応じて出射されるようになっている。
【0026】
半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、シリンドリカルレンズ(図示省略)を介して回転多面鏡であるポリゴンミラー17に照射され、ポリゴンミラー17によって偏向走査されるようになっている。そして、ポリゴンミラー17によって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、結像レンズ及び複数枚のミラー(図示省略)を介して、感光体22(詳細は後述する)上の露光ポイントに、斜め下方から走査露光されるようになっている。
【0027】
また、露光装置16は、周囲が直方体状のフレーム18によって密閉されている。そして、フレーム18の上部には、4本のレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを、各画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kの感光体22上に向けて透過させる透明なガラス製の窓部19Y、19M、19C、19Kが設けられている。
【0028】
露光装置16の上方には、現像剤像形成手段の一例として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kが、水平方向に対して傾斜する方向に間隔をおいて配置されている。なお、Y、M、C、Kを区別して説明する必要が無い場合は、符号の末尾のトナー色を表す添字Y、M、C、Kを省略して記載することがある。
【0029】
画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは、使用するトナー(現像剤)を除いて同様に構成されており、予め決められた速度で回転駆動される円柱状の感光体22と、感光体22の外周面を帯電する帯電ロール24と、帯電した感光体22の外周面に露光装置16の露光によって形成された静電潜像を予め決められた色のトナーで現像してトナー画像(現像剤像)として可視化する現像器26と、トナー画像を転写した後の感光体22の外周面を清掃する清掃ブレード28とを含んで構成されている。また、帯電ロール24の下側には、帯電ロール24と接して帯電ロール24の外周面を清掃する清掃ロール29が設けられている。
【0030】
一方、各画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kの上方には、転写手段の一例としての一次転写ユニット30が設けられている。
【0031】
一次転写ユニット30は、無端状の中間転写ベルト32と、中間転写ベルト32が巻き掛けられ回転駆動されることで中間転写ベルト32を矢印方向に周回移動させる駆動ロール36と、中間転写ベルト32が巻き掛けられ中間転写ベルト32に張力を付与する張力付与ロール40と、張力付与ロール40の上方に設けられ中間転写ベルト32と従動回転する従動ロール42と、中間転写ベルト32を挟んで感光体22Y、22M、22C、22Kの反対側に配置される一次転写ロール34Y、34M、34C、34Kと、駆動ロール36と一次転写ロール34Yとの間に設けられ中間転写ベルト32の裏面を支持する支持ロール37と、を含んで構成されている。
【0032】
そして、画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kの感光体22上に順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が、4つの一次転写ロール34Y、34M、34C、34Kによって、中間転写ベルト32上に多重に転写される構成となっている。さらに、中間転写ベルト32を挟んで駆動ロール36の反対側には、中間転写ベルト32の外周面を清掃する清掃ブレード38が設けられている。
【0033】
また、中間転写ベルト32を挟んで従動ロール42の反対側には、転写手段の一例としての二次転写ロール44が設けられている。二次転写ロール44及び従動ロール42には、電圧印加手段(図示省略)が接続されており、二次転写ロール44の電位と従動ロール42の電位との間には電位差が形成されている。そして、中間転写ベルト32上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像は、中間転写ベルト32により搬送され、従動ロール42と二次転写ロール44との電位差による電界が作用することにより、記録用紙P(記録媒体)に二次転写されるようになっている。なお、筐体12内には用紙搬送路50が設けられており、用紙搬送路50の経路上に中間転写ベルト32と二次転写ロール44との接触部である二次転写位置が設定(配置)されている。
【0034】
二次転写ロール44に対して記録用紙Pの搬送方向の下流側(以下単に下流側と言う)には、記録用紙Pに転写されたトナー画像を熱及び圧力の作用により記録用紙Pに定着するユニットの一例としての定着ユニット100が設けられている。なお、定着ユニット100の詳細については後述する。また、定着ユニット100の下流側には、トナー画像が定着された記録用紙Pを画像形成装置10の筐体12の上部に設けられた排出部48に排出する排出ロール46が設けられている。
【0035】
一方、筐体12内の下側には、記録用紙Pが収納される用紙収納部52が設けられている。用紙収納部52上には、用紙収納部52内に積載された記録用紙Pを用紙搬送路50へ送り出す給紙ロール54が設けられており、給紙ロール54の下流側には、記録用紙Pを1枚ずつ分離して搬送する分離ロール56が設けられている。また、分離ロール56の下流側には、二次転写位置への記録用紙Pの搬送タイミングを合わせるための位置合せロール58が設けられている。これにより、用紙収納部52から搬送された記録用紙Pは、予め決められたタイミングで回転する位置合せロール58によって、二次転写位置へ送り出される構成となっている。
【0036】
さらに、用紙搬送路50における分離ロール56と位置合せロール58との間、及び定着ユニット100と排出ロール46との間には、記録用紙Pの両面に画像形成及び定着を行うための両面用搬送路60が接続されている。そして、両面用搬送路60上で排出ロール46の隣には、定着ユニット100によって表面にトナー画像が定着された記録用紙Pを、排出ロール46によって排出部48上にそのまま排出せずに、両面用搬送路60に搬送する搬送ロール62が設けられている。これにより、両面用搬送路60に沿って搬送される記録用紙Pは、表裏が反転された状態で位置合せロール58へと再度搬送され、記録用紙Pの裏面にトナー画像が転写及び定着されて、排出部48上に排出されるようになっている。
【0037】
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
【0038】
先ず、画像処理部14から露光装置16に各色の階調データが順次出力され、露光装置16から階調データに応じてレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kが出射される。そして、レーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、帯電ロール24によって帯電した感光体22の外周面に走査露光され、感光体22の外周面に静電潜像が形成される。
【0039】
続いて、感光体22上に形成された静電潜像は、現像器26Y、26M、26C、26Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像として可視化される。そして、これらのトナー画像は、周回移動する中間転写ベルト32上に、一次転写ロール34によって多重に転写される。
【0040】
続いて、周回移動する中間転写ベルト32上に多重に転写された各色のトナー画像は、位置合せロール58によって用紙搬送路50の二次転写位置に予め決められたタイミングで搬送された記録用紙Pに、二次転写ロール44により二次転写される。
【0041】
続いて、トナー画像が転写された記録用紙Pは、定着ユニット100へと搬送される。そして、記録用紙Pに転写されたトナー画像は、定着ユニット100によって記録用紙Pに定着される。なお、片面のみ画像を形成させる場合は、トナー画像定着後の記録用紙Pが、排出ロール46によって排出部48へ排出される。
【0042】
一方、記録用紙Pの両面に画像を形成させる場合は、定着ユニット100によって表面にトナー画像が定着された記録用紙Pを排出ロール46でそのまま排出せずに、搬送方向を切り替え、搬送ロール62を介して両面用搬送路60へと搬送する。ここで、両面用搬送路60に沿って記録用紙Pを搬送することで、記録用紙Pの表裏が反転され、記録用紙Pが再度、位置合せロール58へと搬送される。そして、表面のときと同様に記録用紙Pの裏面にトナー画像が転写及び定着され後、両面に画像形成された記録用紙Pが、排出ロール46によって排出部48上に排出される。
【0043】
(要部構成)
次に、ユニットの着脱機構の一例としての定着ユニット100の着脱機構110について説明する。
【0044】
図2(A)、(B)に示すように、筐体12の本体部12Aには、定着ユニット100の背面(装着方向(−X方向)の前面)と対向するように直立配置された位置決め板72と、位置決め板72のY方向両端部に直立配置され位置決め板72を支持する側板74、76と、位置決め板72の下端から+X方向に張り出され、定着ユニット100の−X方向の移動を案内すると共に定着ユニット100が載せられるガイド板78と、が設けられている。
【0045】
図2(B)及び図3に示すように、位置決め板72の長手方向(Y方向)の一端部(画像形成装置10の手前側)には、定着ユニット100の後述する位置決めピン116が挿入される位置決め孔82が形成されている。また、図2(B)に示すように、位置決め板72におけるY方向の一端部で位置決め孔に隣接する部位には、+X方向に突出した被接続部の一例としてのコネクタ84が設けられている。
【0046】
コネクタ84は、定着ユニット100内の後述するコネクタ部112(図6(A)参照)が接続されることで、定着ユニット100の後述するハロゲンランプ108(図6(B)参照)に電力を供給すると共に、定着ユニット100内の各種センサと信号の授受を行うようになっている。
【0047】
図4(A)に示すように、側板74の+X方向の端部には、Z方向の中央でX方向を長手方向として切り欠かれた切欠き部74Aが形成されている。切欠き部74AのZ方向の幅は、定着ユニット100の後述する係合部の一例としてのガイドピン122が挿入されると共に案内可能となる幅となっている。
【0048】
また、側板74には、Y方向を軸方向として外側(図示の手前側)へ突出した円柱状の軸部75と、軸部75よりも−X方向側でY方向を軸方向として外側(図示の手前側)へ突出した引掛部77と、が設けられている。引掛部77は、外側が大径で抜け止めとなる二段の円柱部で構成されている。そして、軸部75には、ガイドピン122を−X方向に押し付ける押付部材86が回転可能に取り付けられている。
【0049】
押付部材86の−X方向側の端部には、付勢部材の一例としての引張バネ79の一端が引っ掛けられており、引張バネ79の他端は、引掛部77に引っ掛けられている。さらに、側板74には、Y方向とは反対方向に突出した凸部である第1ストッパ部74B及び第2ストッパ部74Cが設けられている。
【0050】
第1ストッパ部74Bは、押付部材86が上向き(Z方向であり図示の反時計回り方向)に移動したときの移動範囲を規制するように配置されている(図10(C)参照)。また、第2ストッパ部74Cは、押付部材86が下向き(Z方向とは反対方向であり図示の時計回り方向)に移動したときの移動範囲を規制するように配置されている。
【0051】
図5(A)、(B)に示すように、押付部材86は、直交する2方向をそれぞれ長手方向とする板状の第1アーム部86A及び第2アーム部86Bが一体となった構成とされている。第1アーム部86Aと第2アーム部86Bが繋がった部位には、軸部75(図4(A)参照)が挿入される貫通孔86Cが形成されている。また、図4(A)に示すように、押付部材86は、定着ユニット100を本体部12Aに装着した状態では、第1アーム部86AがZ方向に配置され、第2アーム部86Bが+X方向に配置されている。
【0052】
図5(A)、(B)に示すように、第1アーム部86Aの端部(第2アーム部86Bとは反対側の端部)には、引張バネ79(図4(A)参照)の一端が引っ掛けられる引掛部86Dが形成されている。また、第2アーム部86Bの長手方向の中央には、第1アーム部86Aと同じ側で且つ第1アーム部86Aの長手方向に沿って突出したラッチ部86Eが形成されている。さらに、第2アーム部86Bの端部(第1アーム部86Aとは反対側の端部)には、押付部材86の押付状態を解除する後述する解除レバー130(図6(A)参照)が接触する被接触面86Fが形成されている。
【0053】
ラッチ部86Eは、第2アーム部86Bの被接触面86F側から貫通孔86C側へ向けて円弧状(四分の一円形状)に張り出されており、ガイドピン122(図4(A)参照)と接触する曲面である案内面86Gが形成されている。そして、案内面86Gの端部(被接触面86Fとは反対側)には、第1アーム部86Aとほぼ平行となる平面である側面86Hが形成されている。なお、側面86H、第2アーム部86Bの上面、及び第1アーム部86Aの側面で囲まれた部位を凹部87とする。
【0054】
図4(A)に示すように、押付部材86は、上向き(Z方向)に移動してガイドピン122と係合し、下向き(Z方向とは反対方向)に移動してガイドピン122との係合状態を解除するように軸部75に回転自在に取り付けられている。
【0055】
ここで、引張バネ79の付勢力で第1アーム部86Aが斜め下方に引っ張られているため、押付部材86の側面86Hとガイドピン122とが接触(係合)した状態では、ガイドピン122に−X方向の押付力が作用している。
【0056】
一方、図3に示すように、側板76の+X方向の端部には、Z方向の中央で−X方向を長手方向として切り欠かれた切欠き部76Aが形成されている。切欠き部76AのZ方向の幅は、定着ユニット100の後述するガイドピン123が挿入されると共に案内可能となる幅となっている。
【0057】
また、側板76には、ガイドピン123を−X方向に押し付ける押付部材92が回転可能に取り付けられている。ここで、押付部材92は、ほぼ押付部材86と同様の構成とされているが、被接触面86F(図5(A)参照)は設けられていない。
【0058】
これにより、側板76側では、定着ユニット100(図2(A)参照)を本体部12Aに装着したとき、ガイドピン123が押付部材92のラッチ部を乗り越えて押付部材92と係合する。そして、定着ユニット100を本体部12Aから離脱させたとき、ガイドピン123が押付部材92のラッチ部を乗り越えて押付部材92と係合する。つまり、本実施形態では、一例として、側板76側については、解除部材を用いた解除動作は行われないようになっている。なお、側板74側における定着ユニット100の着脱動作の説明は、作用で説明する(後述する)。
【0059】
次に、定着ユニット100について説明する。
【0060】
図6(A)に示すように、定着ユニット100は、直方体状のハウジング102を有している。ハウジング102において、定着ユニット100の本体部12A(図2(A)参照)への装着方向(−X方向)と交差する長手方向(Y方向)の一端部(手前側)には、接続部の一例としてのコネクタ部112が設けられている。
【0061】
コネクタ部112は、コネクタ84(図2(A)参照)と機械的及び電気的に接続可能に構成されており、後述するハロゲンランプ108(図6(B)参照)に供給される電力を供給する給電部材の一例としての給電端子114を有している。そして、コネクタ部112は、定着ユニット100を本体部12A(図2(A)参照)に装着したとき、コネクタ84に−X方向で接続され、定着ユニット100を本体部12Aから離脱させたとき、離脱方向(+X方向)で離脱されるようになっている。
【0062】
また、ハウジング102におけるコネクタ部112に隣接する部位には、位置決め孔82(図2(B)参照)に挿入可能な大きさの円柱状の位置決めピン116が、−X方向に突出して設けられている。これにより、定着ユニット100を本体部12Aに装着するとき、位置決め孔82に位置決めピン116を挿入することで、定着ユニット100の位置決めが行われる。
【0063】
図7(A)に示すように、ハウジング102のY方向手前側の側壁118には、係合部の一例としてのガイドピン122がY方向を軸方向として設けられている。また、ハウジング102のY方向手前側の端部で且つ+X方向側には、使用者が定着ユニット100を着脱するときに掴む掴み部124が設けられている。さらに、掴み部124の下部には、解除部材の一例としての解除レバー130(後述する)が設けられている。
【0064】
一方、図7(B)に示すように、ハウジング102のY方向奥側の側壁119には、円柱状のガイドピン123がY方向を軸方向として設けられている。また、ハウジング102のY方向奥側の端部で且つ+X方向側には、使用者が定着ユニット100を着脱するときに掴む掴み部125が設けられている。なお、本実施形態では一例として、Y方向奥側には解除レバー130が設けられていない。
【0065】
図8(A)、(B)に示すように、解除レバー130は、Y方向を軸方向とする円柱状の軸部132を有している。なお、図8(A)、(B)に示す解除レバー130の配置状態は、図4(B)に示すように、押付部材86の押付状態を解除レバー130で解除しているときの配置状態となっている。
【0066】
図8(A)、(B)に示すように、軸部132のY方向奥側の外周面には、Y方向に見て斜め上方へ延出されると共に端部が斜め下方へ折り曲げられた操作部134が一体で形成されている。また、軸部132のY方向手前側の外周面には、Y方向に見て操作部134側とは反対側へ−X方向(図4(B)参照)に延出されると共に端部が斜め下方へ折り曲げられた作用部136が一体で形成されている。
【0067】
図8(B)に示すように、軸部132のY方向奥側の端部132A、及び操作部134と作用部136との間の隙間部132Bは、軸部132の外周面が露出している。そして、端部132A及び隙間部132Bは、ハウジング102の掴み部124の下端部124A(図7(A)参照)に回転可能に支持されている。
【0068】
ここで、図4(A)に示すように、定着ユニット100が本体部12Aに装着された状態では、解除レバー130は、作用部136の先端側が−X方向よりもZ方向側に位置する配置状態(通常の姿勢)となっている。
【0069】
一方、図4(B)に示すように、解除レバー130は、定着ユニット100の離脱方向(+X方向)とは異なる方向(Z方向)に操作部134が操作されると、作用部136が押付部材86の被接触面86Fと接触して被接触面86Fを下方側へ移動させる。これにより、解除レバー130は、引張バネ79の付勢力(弾性力)に抵抗しながら、押付部材86をガイドピン122への押付状態が解除される方向(Y方向に見て軸部75を中心とする時計回り方向(+R方向))に移動させるようになっている。
【0070】
なお、定着ユニット100、ガイドピン122、引張バネ79、押付部材86、及び解除レバー130を含んで、定着ユニット100の着脱機構110が構成されている。
【0071】
図6(B)に示すように、定着ユニット100は、加熱回転体の一例としての加熱ロール104と、加圧回転体の一例としての加圧ベルト106と、加熱ロール104の内側に加熱ロール104の内周面と間隔をあけて固定された熱源の一例としてのハロゲンランプ108と、を含んで構成されている。なお、定着ユニット100には、加熱ロール104に対する加圧ベルト106の加圧状態を解除するレバーが設けられているが、図示を省略している。
【0072】
加熱ロール104は、記録用紙P(図1参照)の幅方向であり且つ露光装置16(図1参照)の主走査方向となるY方向を軸方向とすると共に、Y方向の両端部が開放された円筒状の部材である。そして、加熱ロール104は、一例として、鋼材で構成された薄肉円筒状の基材の外周面にシリコンゴムからなる弾性層及びフッ素樹脂を含む離型層が重ねて形成された多層構造となっている。
【0073】
加圧ベルト106は、Y方向を軸方向とすると共にY方向の両端部が開放された無端状のベルト部材である。そして、加圧ベルト106は、一例として、ポリイミドで構成された薄肉円筒状の基材の外周面にフッ素樹脂を含む離型層が重ねて形成された多層構造となっている。
【0074】
また、加圧ベルト106の内側には、加圧ベルト106を回転自在に支持する支持ユニット140と、支持ユニット140に取り付けられ、加熱ロール104の外周面に加圧ベルト106の外周面を押し付けるパッド部材142とが設けられている。そして、加圧ベルト106は、加熱ロール104とで記録用紙P(図示省略)を挟んで加圧するようになっている。ここで、加熱ロール104の外周面と加圧ベルト106の外周面とが接触する(記録用紙Pを挟む)部位をニップ部Nとして、記録用紙P(図示省略)は、矢印PA方向に搬送されてニップ部Nに進入し、矢印PB方向に搬送(排出)される。
【0075】
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0076】
まず、本体部12Aへの定着ユニット100の装着について説明する。
【0077】
図9(A)に示すように、定着ユニット100を本体部12A内に挿入すると、ガイドピン122が側板74の切欠き部74A内に進入して、定着ユニット100が−X方向に案内される。そして、ガイドピン122が押付部材86の案内面86Gと接触する。
【0078】
続いて、図9(B)に示すように、定着ユニット100を本体部12A内に(−X方向に)押し込んでいくと、−X方向に移動するガイドピン122が案内面86Gを押し下げる。これにより、押付部材86は、軸部75を回転中心として側板74に沿って+R方向(図示の時計回り方向で且つ下方向)へ移動する。
【0079】
続いて、図9(C)に示すように、定着ユニット100を本体部12A内に(−X方向に)さらに押し込んでいくと、ガイドピン122が案内面86Gの上部を乗り越え、押付部材86が−R方向(図示の反時計回り方向で且つ上方向)へ移動する。これにより、ガイドピン122が凹部87内へ進入して側面86Hと係合する。そして、ガイドピン122に対して、引張バネ79による付勢力が作用する。このようにして、引張バネ79の付勢力により定着ユニット100が装着方向(−X方向)へ押し付けられる。
【0080】
ここで、定着ユニット100が装着方向へ押し付けられることにより、図2(B)及び図6(B)に示すように、定着ユニット100のコネクタ部112が本体部12Aのコネクタ84に接続された状態に保持され、定着ユニット100への電力供給が可能となる。
【0081】
次に、定着ユニット100の本体部12Aからの離脱について説明する。
【0082】
図4(B)に示すように、使用者が掴み部124を掴んだとき、解除レバー130の操作部134も掴まれ、操作部134がZ方向へ移動する。これにより、解除レバー130が軸部132を中心として+R方向へ回転し、作用部136が押付部材86の被接触面86Fと接触する。そして、解除レバー130は、引張バネ79の付勢力に抵抗しながら被接触面86Fを下方側へ移動させる。このようにして、ガイドピン122と側面86Hの係合状態が解除される。
【0083】
続いて、図10(A)に示すように、解除レバー130を掴んだ状態で、定着ユニット100を本体部12Aから+X方向に引き離していくと、+X方向に移動するガイドピン122は、案内面86Gの上部と接触する。そして、押付部材86は、軸部75を回転中心として側板74と平行に+R方向へ移動する。
【0084】
なお、本体部12Aにおける装着位置からガイドピン122が案内面86Gの上部と接触する位置までの定着ユニット100の移動ストロークにおいて、コネクタ部112(図6(A)参照)とコネクタ84(図2(B)参照)との強い接続力(嵌合力)が作用しているが、その間は押付部材86による係合力は解除されている。
【0085】
続いて、定着ユニット100が離脱方向(+X方向)へ引き離されることにより、図2(B)及び図6(A)に示すように、定着ユニット100のコネクタ部112と本体部12Aのコネクタ84との接続が解除される(接触しない状態となる)。
【0086】
ここで、図10(A)に示すように、解除レバー130の作用部136は、押付部材86の被接触面86Fから離れるが、既にガイドピン122が案内面86G上にある。そして、定着ユニット100には、コネクタ部112(図6(A)参照)とコネクタ84(図2(B)参照)との接続力が作用していない。これらの理由により、定着ユニット100の離脱方向において要する操作力は、引張バネ79の付勢力に抵抗しながら案内面86G上をガイドピン122が乗り越えるための力のみとなる。
【0087】
続いて、図10(B)に示すように、定着ユニット100を本体部12Aからさらに+X方向へ引き離していくと、ガイドピン122が案内面86Gの上部を乗り越え、押付部材86が−R方向へ移動する。
【0088】
続いて、図10(C)に示すように、定着ユニット100(図10(B)参照)全体が引抜かれると、押付部材86は、案内面86Gが第1ストッパ部74Bと接触して、移動が規制される。
【0089】
以上説明したように、本実施形態の定着ユニット100の着脱機構110では、定着ユニット100を本体部12Aから離脱させるとき、離脱方向(+X方向)とは異なる方向(Z方向)に操作力が作用する。これにより、離脱方向で必要とされる操作力は、離脱方向に操作されて定着ユニット100を離脱させる解除部材を有する構成に比べて、低減される。
【0090】
また、定着ユニット100の着脱機構110では、コネクタ部112と解除レバー130が、定着ユニット100の長手方向(Y方向)の一端部(同じ側)に設けられている。ここで、押付部材86を有しているが解除レバー130は有していない比較例(図示省略)では、コネクタ部112とコネクタ84との接続状態の解除において離脱方向で必要とされる操作力と、ガイドピン122の押付部材86からの離脱(係合解除)において離脱方向で必要とされる操作力とを合計した操作力が必要となる。
【0091】
一方、本実施形態の定着ユニット100の着脱機構110では、ガイドピン122の押付部材86からの離脱(係合解除)において離脱方向で必要とされる操作力が無いので、コネクタ部112とコネクタ84との接続状態の解除において離脱方向で必要とされる操作力を作用させればよい。これにより、離脱方向で必要とされる操作力が比較例に比べて低減される。
【0092】
さらに、定着ユニット100の着脱機構110では、押付部材86が上向きに移動してガイドピン122と係合し、下向きに移動してガイドピン122との係合状態を解除する。このため、定着ユニット100を本体部12Aに対して装着するとき、定着ユニット100には、上向き(重力方向とは反対方向)の力が作用するので、定着ユニット100に作用する重力の一部がキャンセルされる。これにより、本体部12Aに装着するときに定着ユニット100に作用する摩擦力(重力×摩擦係数)が低減される。
【0093】
加えて、定着ユニット100の着脱機構110では、コネクタ部112が給電端子114を有する電気的な接続部となっており、導通不良を防ぐために強い接続力が必要とされる。そして、本体部12Aからの定着ユニット100の離脱には、この強い接続力に抵抗する操作力が必要となる。ここで、着脱機構110では、ガイドピン122の押付部材86からの離脱(係合解除)において離脱方向で必要とされる操作力が無いので、コネクタ部112とコネクタ84との接続状態の解除において離脱方向で必要とされる操作力を作用させればよい。これにより、離脱方向で必要とされる操作力が低減される。
【0094】
また、定着ユニット100の着脱機構110では、離脱方向で必要とされる操作力が低減されることから、定着ユニット100の着脱の作業性が向上する。
【0095】
さらに、解除レバー130は、ラッチ部86Eの形状が四分の一円形状となっており、側面86Hが直立した壁となっている。これにより、側面86Hにおけるガイドピン122への押付力が低減されることなく作用する。また、側面86Hがあることにより、ガイドピン122が凹部87から外れにくい。
【0096】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0097】
押付部材を本体部12A(図2(A)参照)側ではなく、定着ユニット側に設けてもよい。図11(A)には、押付部材170を定着ユニット150側に設けた一例として、定着ユニット150の着脱機構160が示されている。なお、定着ユニット100の着脱機構110と同じ材料、構成の部材には、同じ符号を付与して説明を省略する。
【0098】
着脱機構160では、本体部12A側にガイドピン122が設けられている。また、定着ユニット150は、ガイドピン122と係合して装着方向(−X方向)へ定着ユニット150を押し付ける押付部材152と、押付部材152に付勢力を付与する引張バネ79と、押付部材152による押付状態を解除する解除レバー130とを含んで構成されている。
【0099】
押付部材152は、−X方向を長手方向とする板状の第1アーム部152Aと、+X方向を長手方向とする板状の第2アーム部152Bとが一体となった構成とされている。第1アーム部152Aと第2アーム部152Bが繋がった部位には、定着ユニット150に設けられた軸部154が挿入される貫通孔152Cが形成されている。
【0100】
第2アーム部152Bの中央部には、引張バネ79の一端が引っ掛けられている。また、第1アーム部152Aの長手方向の端部には、下向きに突出したラッチ部152Dが形成されている。そして、第2アーム部152Bの端部に解除レバー130が接触するようになっている。
【0101】
ラッチ部152Dは、第1アーム部152Aの端部から下方側へ円弧状(四分の一円形状)に張り出されており、ガイドピン122を案内する曲面である案内面152Eと、側面152Fが形成されている。
【0102】
ここで、図11(A)、(B)に示すように、定着ユニット150の本体部12Aへの装着では、定着ユニット150を−X方向へ押し込むと、ガイドピン122と案内面152Eとの接触により押付部材152の第1アーム部152A側が上方へ回転し、ガイドピン122がラッチ部152Dを乗り越える。そして、ガイドピン122と側面152Fとの接触により、定着ユニット150が装着される。
【0103】
一方、図11(C)に示すように、定着ユニット150の本体部12Aからの離脱では、解除レバー130を上方(Z方向)へ操作すると、作用部136が第2アーム部152Bを押し下げ、第1アーム部152A側が上方へ回転し、ガイドピン122と側面152Fとの接触状態が解除される。この状態で定着ユニット150を+X方向へ移動させると、ラッチ部152Dがガイドピン122上を移動して、定着ユニット150の離脱が完了する。
【0104】
このように、押付部材152を定着ユニット150側に設けた場合でも、離脱方向とは異なる方向に解除レバー130を操作することで、定着ユニット150の離脱方向で必要とされる操作力が低減される。
【0105】
一方、転写手段は、中間転写ベルト32を用いる構成に限らず、感光体22から記録用紙P上へ直接、トナー画像を転写する構成であってもよい。また、定着ユニット100では、加圧ベルト106に換えて加圧ロールを設けてもよく、ハロゲンランプ108に換えて電磁誘導方式の熱源を用いてもよい。
【0106】
さらに、着脱機構110、160は、定着ユニット100、150の長手方向両端部に設けてもよい。
【0107】
また、ユニットは、定着ユニット100、150に限らず、本体部12Aに対して着脱するユニットであれば、本実施形態の着脱機構が適用可能である。他の一例として、画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kが挙げられる。また、トナーカートリッジなどにも適用可能である。
【符号の説明】
【0108】
10 画像形成装置
12A 本体部(装置本体の一例)
20C 画像形成ユニット(現像剤像形成手段の一例)
20K 画像形成ユニット(現像剤像形成手段の一例)
20M 画像形成ユニット(現像剤像形成手段の一例)
20Y 画像形成ユニット(現像剤像形成手段の一例)
30 一次転写ユニット(転写手段の一例)
44 二次転写ロール(転写手段の一例)
79 引張バネ(付勢部材の一例)
84 コネクタ(被接続部の一例)
86 押付部材
100 定着ユニット(ユニットの一例)
108 ハロゲンランプ(熱源の一例)
110 着脱機構(ユニットの着脱機構、定着ユニットの着脱機構の一例)
112 コネクタ部(接続部の一例)
114 給電端子(給電部材の一例)
122 ガイドピン(係合部の一例)
130 解除レバー(解除部材の一例)
150 定着ユニット(ユニットの一例)
160 着脱機構(ユニットの着脱機構、定着ユニットの着脱機構の一例)
170 押付部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に装着及び離脱自在とされたユニットと、
前記装置本体及び前記ユニットのいずれか一方に設けられた係合部と、
前記装置本体及び前記ユニットのいずれか他方に設けられ、前記ユニットを前記装置本体に装着したときに前記係合部と係合し、付勢部材の付勢力で前記ユニットを前記装置本体に対して該ユニットの装着方向へ押し付ける押付部材と、
前記ユニットに設けられ、前記ユニットの前記装置本体からの離脱方向とは異なる方向に操作されて前記付勢部材の付勢力に抵抗し、前記押付部材を押付状態が解除される方向に移動させる解除部材と、
を有するユニットの着脱機構。
【請求項2】
前記装置本体に設けられた被接続部に前記装着方向に移動して接続され前記離脱方向に移動して離脱される接続部が、前記ユニットの前記装着方向と交差する長手方向の一端部に設けられ、
前記解除部材は、前記長手方向の一端部に設けられている請求項1に記載のユニットの着脱機構。
【請求項3】
前記押付部材は、前記装置本体に設けられており、上向きに移動して前記係合部と係合し、下向きに移動して前記係合部との係合状態を解除する請求項1又は請求項2に記載のユニットの着脱機構。
【請求項4】
前記押付部材は、前記ユニットに設けられており、下向きに移動して前記係合部と係合し、上向きに移動して前記係合部との係合状態を解除する請求項1又は請求項2に記載のユニットの着脱機構。
【請求項5】
請求項2に記載のユニットの着脱機構であって、
前記ユニットは、熱源の加熱により記録媒体上の現像剤像を溶融して記録媒体に定着する定着ユニットであり、
前記接続部は、前記熱源に供給される電力を供給する給電部材を有している定着ユニットの着脱機構。
【請求項6】
前記装置本体に設けられ、現像剤像を形成する現像剤像形成手段と、
前記装置本体に設けられ、前記現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の前記ユニットであって、前記転写手段で転写された記録媒体上の現像剤像を溶融して記録媒体に定着する定着ユニットと、
を有する画像形成装置。
【請求項7】
前記装置本体に設けられ、現像剤像を形成する現像剤像形成手段と、
前記装置本体に設けられ、前記現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、
請求項5に記載の定着ユニットの着脱機構を有する前記定着ユニットと、
を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−72987(P2013−72987A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211567(P2011−211567)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】