説明

ユニット着脱用台車

【課題】大型化するユニットに対し、メンテナンスのための着脱を容易に行うことができ、かつ、ユニットの落下を防止すること。
【解決手段】画像形成装置に着脱可能に保持されるユニットを着脱するために用いられる、前記画像形成装置に連結可能なユニット着脱用台車であって、前記ユニットを載置する載置台と、前記載置台上に載置された前記ユニットを固定するユニット固定手段と、前記画像形成装置に連結するための連結手段と、前記画像形成装置との連結を解除するための連結解除手段と、を有し、前記載置台上に載置された前記ユニットが前記ユニット固定手段により固定されることにより前記連結解除手段が動作され、前記連結手段による前記画像形成装置との連結の解除を可能にしたことを特徴とするユニット着脱用台車。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置にユニットを着脱するためのユニット着脱用台車に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より高画質な画像をより高速に画像形成する画像形成装置が望まれてきているが、それに伴い、画像形成装置を構成するいくつかのユニットにおいても定期的なメンテナンスや交換を要する部品が増えている。また、高画質で高速処理が可能な画像形成装置は、軽印刷装置として用いられる傾向にある。該画像形成装置が、軽印刷装置として用いられる場合、画像形成装置に対して、定期的なメンテナンスや部品交換をユーザが容易に行えるような、ダウンタイムの軽減を可能とする構成であることが要求される傾向が強まっている。
【0003】
一方、画像形成装置の高速化や高機能化、及び用紙サイズの多様化等により、ユニットが大型化して質量も大きくなってきており、質量の大きなユニットを画像形成装置に着脱する作業は労力を要するとともにユニットの落下等の危険も伴う。
【0004】
画像形成装置を構成するユニットの1つとして、例えば、加熱方式を用いた定着装置がある。定着装置をメンテナンスや修理のために画像形成装置に着脱する際に、昇降可能な載置台を備えた排紙部を兼用の台車とし、載置台に定着装置を載置して着脱を行うという技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された技術は、高温に加熱された定着装置を素早くかつ安全に着脱するための構成を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−122765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
然るに、特許文献1に記載される定着装置等のユニットが大型化して質量も大きくなるような場合には、用紙を搭載して昇降する載置台周辺機構部の強度を増加させる必要が生じ、昇降の駆動源となるモータ等の容量も大きくしなければならないという問題がある。また、排紙部として用紙を排紙する機能と、定着装置を載置して着脱する機能との2つの機能を有する構成とするために、機構が複雑になるという問題もある。更に、特許文献1に開示された技術においては、ユニット落下の危険に対する対策についての記載はない。
【0007】
本発明の目的は、上記のような問題を解決し、大型化するユニットに対し、メンテナンスのための着脱を容易に行うことができ、かつ、ユニットの落下を防止することが可能なユニット着脱用台車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的は下記の発明により達成される。
【0009】
1.画像形成装置に着脱可能に保持されるユニットを着脱するために用いられる、前記画像形成装置に連結可能なユニット着脱用台車であって、
前記ユニットを載置する載置台と、
前記載置台上に載置された前記ユニットを固定するユニット固定手段と、
前記画像形成装置に連結するための連結手段と、
前記画像形成装置との連結を解除するための連結解除手段と、を有し、
前記載置台上に載置された前記ユニットが前記ユニット固定手段により固定されることにより前記連結解除手段が動作され、前記連結手段による前記画像形成装置との連結の解除を可能にしたことを特徴とするユニット着脱用台車。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るユニット着脱用台車を用いることにより、大型化して質量も大きくなるユニットに対し、メンテナンスのための画像形成装置からの着脱が容易となるとともに、着脱時におけるユニット落下の危険を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のユニット着脱用台車10を適用しうるユニットCを備えた画像形成装置Aの実施の形態を示す全体構成図である。
【図2】本発明に係るユニット着脱用台車10と画像形成装置Aとの外観斜視図である。
【図3】本発明に係るユニット着脱用台車10の第1の実施形態についての構成及び動作について説明するための概略構成図である。
【図4】本発明に係るユニット着脱用台車10の第1の実施形態におけるユニットCを移動させる手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明に係るユニット着脱用台車10の第2の実施形態についての構成及び動作について説明するための概略構成図である。
【図6】本発明に係るユニット着脱用台車10の第2の実施形態におけるユニットCを移動させる手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のユニット着脱用台車に係る実施形態の構成及び動作について説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明のユニット着脱用台車10を適用しうるユニットCを備えた画像形成装置Aの実施の形態を示す全体構成図であり、図2は、本発明に係るユニット着脱用台車10と画像形成装置Aとの外観斜視図である。
【0014】
始めに、本発明のユニット着脱用台車10を用いて、ユニットCが着脱される画像形成装置Aについて図1を用いて説明する。
【0015】
[画像形成装置A]
図1において、画像形成装置Aは、回転する像担持体1の周囲に、帯電手段2、像露光手段(書き込み手段)3、現像手段4、転写手段5A、除電手段5B、及びクリーニング手段6を配置した画像形成部を有する。像担持体1への画像形成は、帯電手段2によって像担持体1の表面に一様帯電を行った後に、像露光手段3のレーザビームによって原稿から読み取られた画像データに基づく露光走査を行うことにより潜像が形成される。その潜像を現像手段4により反転現像することにより、像担持体1の表面にトナー像が形成される。
【0016】
一方、記録紙収納手段7Aに収容された記録紙Sは、給紙手段7Bにより給紙され転写位置へと送られる。転写位置において転写手段5Aにより前記トナー像が記録紙S上に転写される。その後に、記録紙Sは除電手段5Bにより裏面の電荷が消去され、像担持体1から分離され、中間搬送手段7Cにより搬送され、引き続き本発明に係るユニットとしての定着手段Cにより加熱定着され、排紙手段7Dにより、図示しない排紙皿に排出される。
【0017】
記録紙Sの両面に画像形成を行う場合には、定着手段Cにより加熱定着された記録紙Sを、搬送路切り換え板7Eにより通常の排紙通路から分岐し、反転搬送手段7Fにおいてスイッチバックして表裏反転して裏面に画像形成し、排紙手段7Dにより排出する。定着手段Cは部品交換等のメンテナンスの際に、画像形成装置Aの前扉Tを開放することにより、正面からの着脱が可能に構成されている。
【0018】
画像形成装置Aの上部前面側には、画像形成に関するジョブ情報を入力可能な操作部9が配置されている。操作部9から入力されたジョブ情報により、画像形成装置Aにおける画像形成がなされる。また、操作部9には画像形成装置Aの各種の動作モードを選択するボタンや画像形成装置Aの状態を表す表示が備えられている。
【0019】
画像形成装置Aの上部には、原稿移動型読み取り方式の自動原稿送り装置を備えた画像読み取り装置Bが設置されている。
【0020】
[ユニット着脱用台車]
図2において、本発明に係るユニット着脱用台車10は、画像形成装置Aを構成する着脱可能な定着装置等のユニットCを画像形成装置Aから着脱する際に用いられる台車である。例えば、図2に示す画像形成装置Aの正面から着脱されるユニットCについては、画像形成装置Aの前扉Tを開放し、ユニット着脱用台車10を着脱するユニットCの直前に配置することにより、着脱が可能となる。
【0021】
ユニット着脱用台車10は、ユニットCを載置する載置台11、ガイド部材17a、17b、支柱12、底板13、キャスター14、ユニット固定手段としての固定位置決め部材25b等からなる。ユニットCを載置する載置台11の上面には、固定位置決め部材25b、ガイド部材17a、17b等が配設される。固定位置決め部材25bについては後述する(図3参照)。ユニット着脱用台車10の底部を構成する底板13には複数のキャスター14が配設されている。キャスター14により移動されるユニット着脱用台車10は、画像形成装置Aに対して、図示しないガイドピン等を用いたガイド手段により位置決めされ、後述する連結手段により連結される。ユニット着脱用台車10と画像形成装置Aとの連結により、ユニットCは、ユニット着脱用台車10に移動可能となり、ガイド部材17a、17bによりガイドされて載置台11上の後述する定位置に載置され、固定される。
【0022】
その後、ユニット着脱用台車10は画像形成装置Aから引き離され、ユニット着脱用台車10上で部品交換等のメンテナンス作業が行われる。
【0023】
図3は、本発明に係るユニット着脱用台車10の第1の実施形態についての構成及び動作について説明するための概略構成図である。
【0024】
図3において、ユニット着脱用台車10は画像形成装置Aに連結され、ユニットCが画像形成装置Aからユニット着脱用台車10内に移動されて載置された状態を示している。
【0025】
前述の固定位置決め部材25bが取り付けられているユニット着脱用台車10の載置台11の前面には、溝カム11aが形成されており、溝カム11aにはカムピン23が係合し、カムピン23は溝に沿って移動可能に保持されている。また、載置台11には、連結レバー21、軸21a、連結レバー用ばね22、カムピン23、及びカムピン用ばね24等が取り付けられている。符号のA1は、画像形成装置Aに固設される連結ピンである。
【0026】
本実施の形態においては、連結手段は、連結レバー21、連結ピンA1、及び連結レバー用ばね22等からなり、連結解除手段は、カムピン23、及びカムピン用ばね24等からなる。連結レバー21は、軸21aにより回転自在に保持され、連結レバー用ばね22により付勢されている。連結レバー用ばね22の一方の端部は連結レバー21の先端近傍に固設されるピン21bに取り付けられ、もう一方の端部は載置台11に固設されるピン22aに取り付けられている。連結レバー21が図3(a)に示す実線の位置に位置するときは、ピン21bとピン22aとを結ぶ線が軸21aより下方にあるため、連結レバー21は反時計方向に回転するように付勢される。然るに、連結レバー21が時計方向に回転されて図3に示す二点鎖線の位置に位置するときは、ピン21bとピン22aとを結ぶ線が軸21aより上方に位置するため、連結レバー21は実線とは逆方向の時計方向に回転するように付勢されることになる。また、ピン21bには図示しないつまみ21cが固設されており、オペレータはつまみ21cにより連結レバー21を実線の位置と二点鎖線とのいずれかに移動させることができる構成となっている。
【0027】
一方、溝カム11aは上下方向と左右方向との2方向に延びるL字型に形成されており、溝部のそれぞれの端部には、上下方向での端部11a1、及び左右方向での端部11a2、の2つの端部が形成されている。溝カム11aに挿入されるカムピン23は、溝カム11aに沿って端部11a1と端部11a2との2つの端部の間を移動可能に配設されている。また、カムピン23は、カムピン用ばね24により図3の斜め右下方向に付勢されている。この付勢によりカムピン23は溝カム11aの溝部に沿って端部11a1、又は端部11a2のいずれかの位置に突き当たるまで移動される。
【0028】
カムピン23が図3に示す端部11a1の位置にあるとき、カムピン23は連結レバー21の一部に当接しており、オペレータによる連結レバー21の時計方向(二点鎖線で示す位置)への移動を阻止している。即ち、カムピン23が端部11a1の位置にあると、連結レバー21が画像形成装置Aの連結ピンA1に係合する連結状態を解除することはできないため、ユニット着脱用台車10を画像形成装置Aから引き離すことはできない。
【0029】
また、カムピン23には可動位置決め部材25aが固設されており、カムピン23を端部11a1から端部11a2へと移動させるときには、可動位置決め部材25aが破線で示す位置から時計方向に回転してユニットCを固定する二点鎖線の位置へと移動される。可動位置決め部材25aは、図示しないガイド手段によりガイドされており、カムピン23が移動しても上下方向の向きは変わらないように構成されている。
【0030】
本実施の形態においては、ユニット固定手段は、カムピン23に固設された可動位置決め部材25a、及び前述の固定位置決め部材25b、等からなる。可動位置決め部材25a及び固定位置決め部材25bは、載置台11上に載置されるユニットCを定位置に固定する。ここでいう定位置とは、ユニットCがユニット着脱用台車10の載置台11上に載置されるときの正規の載置位置であり、ユニットCの位置決め溝部C1及びC2が可動位置決め部材25a及び固定位置決め部材25bに当接して固定される位置である。
【0031】
カムピン23には、図示しないつまみ23aが固設されており、オペレータがつまみ23aを操作できるように配設されている。カムピン用ばね24のばね圧は連結レバー用ばね22のばね圧より十分に強く設定されており、カムピン23を溝カム11aの上下方向の溝部に移動させると、カムピン23は下方へ付勢され、連結レバー21を反時計方向に回転させて実線で示す位置に移動させる。従って、オペレータがつまみ23aを操作し、可動位置決め部材25aによるユニットCの固定を解除すると、連結レバー21が反時計方向に回転して連結ピンA1に係合し、ユニット着脱用台車10と画像形成装置Aとが連結されて引き離せない状態となる。
【0032】
図3に示すように、ユニット着脱用台車10が画像形成装置Aに連結され、連結レバー21が連結ピンA1に係合するとき、可動位置決め部材25aは載置台11の載置面11bより下方の位置にあり、ユニットCのユニット着脱用台車10への移動を妨げない。
【0033】
ユニットCが画像形成装置Aからユニット着脱用台車10へと移動され、ユニットCに形成される一方の位置決め溝部C2が固定位置決め部材25bに係合するとき、ユニットCは定位置(図3に示す二点鎖線の位置)に位置することになる。このとき、オペレータがつまみ23aを上方へ操作することにより、カムピン23は上下方向の溝から左右方向の溝へと移動して端部11a2の位置に達する。この移動に伴い、カムピン23に固設される可動位置決め部材25aも、載置面11bの下方の位置から上方の位置へと移動し、ユニットCの位置決め溝部C1に係合してユニットCの位置決めを行う。また、カムピン23が左右方向の端部11a2へ移動されると、規制を外された連結レバー21は時計方向への回転移動が可能となり、連結の解除が可能となる。このとき、オペレータはつまみ21cの操作により、連結レバー21を時計方向に移動させて、連結レバー21と連結ピンA1との連結を解除することができる。連結レバー21と連結ピンA1との連結を解除することにより、ユニット着脱用台車10を画像形成装置Aから引き離すことが可能となる。
【0034】
即ち、ユニットCが可動位置決め部材25aに固定されることによりカムピン23、及び連結レバー21を動作することができ、ユニット着脱用台車10と画像形成装置Aとの連結の解除が可能となる。
【0035】
また、引き離されたユニット着脱用台車10を再び画像形成装置Aに連結する際には、オペレータはつまみ21cの位置を確認し、連結レバー21と連結ピンA1との連結が解除されていることを確認する必要がある。
【0036】
第1の実施形態によれば、つまみ23aを備えた連結解除手段としてのカムピン23を上方に移動し、ユニット固定手段としての可動位置決め部材25aによりユニットCを固定すると、連結レバー21は移動可能となり、連結状態を解除させることができる。
【0037】
即ち、本実施の形態により、ユニットCが固定されることにより、画像形成装置Aとユニット着脱用台車10との連結が解除できる状態となる。ユニットCが固定されていないときには、連結レバー21を連結ピンA1と係合する位置から移動させることはできない。従って、ユニットC未固定でのユニット着脱用台車10の引き離しによる、ユニットCの落下の危険を未然に防止することができる。
【0038】
図4は、本発明に係るユニット着脱用台車10の第1の実施形態におけるユニットCを移動させる手順を説明するためのフローチャートである。
【0039】
図4において、始めにオペレータはユニット着脱用台車10を画像形成装置Aに連結させる。この後、つまみ23aを左方向へ操作することによりカムピン23は左右方向の溝から上下方向の溝へと移動され、端部11a1の位置に達し、連結レバー21は図3に示す連結ロックの状態となる(ステップS11)。なお、つまみ23aを左方向へ操作しないと、カムピン23に固設される可動位置決め部材25aが載置台11の載置面11bより上方に位置しているため、ユニットCのユニット着脱用台車10への移動が阻止される。
【0040】
次に、ユニットCを画像形成装置Aからユニット着脱用台車10へと移動し、載置台11上の定位置(図3の二点鎖線で示す位置)に載置する。更にオペレータは、つまみ23aを上方へ操作し、カムピン23を上下方向の溝から左右方向の溝へと移動させ、可動位置決め部材25aをユニットCの位置決め溝部C1に係合させてユニットCを位置決めし、固定する(ステップS12)。次いでオペレータは、ユニットCが正しく定位置に位置決めされ、固定されているかどうかを確認する(ステップS13)。ユニットCが定位置に固定されていないとき(ステップS13否定)にはステップS12に戻り、定位置に固定されているとき(ステップS13肯定)にはステップS14に進む。ステップS14において、オペレータは、カムピン23の端部11a2への移動により移動可能な状態となった連結レバー21に対し、つまみ21cを時計方向に回転させて図3の二点鎖線で示す位置に移動させる。これにより、連結ピンA1との連結が解除され(ステップS14)、ユニット着脱用台車10を画像形成装置Aから引き離す(ステップS15)ことができる。
【0041】
本実施の形態によれば、ユニットCをユニット着脱用台車10の載置台11上に固定したことを確認(ステップS13)してから、連結レバー21による連結を解除する(ステップS14)ため、連結時にユニットCが載置台11から落下することがない。
【0042】
図5は、本発明に係るユニット着脱用台車10の第2の実施形態についての構成及び動作について説明するための概略構成図である。
【0043】
図5における第2の実施形態についての構成及び動作は第1の実施形態と類似しており、同一の機能を有する部材には同一の符番を付しているため説明は省略し、異なる構成及び動作についてのみ説明する。
【0044】
図5において、第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態はリンク機構とばねとを利用して動作される構成であるが、第2の実施形態では、駆動をモータにより電気的に行わせる構成である。また、第2の実施形態では、センサを用いている点も異なっている。
【0045】
即ち、第2の実施形態においては、連結レバー21が連結ピンA1に係合する構成は第1の実施形態と同じであるが、軸21aが連結レバー21に固設され、載置台11に回転可能に保持されている。また、軸21aは連結解除手段としての駆動モータM1に連結されており、連結レバー21が実線と二点鎖線との間を揺動しうる構成となっている。更に、可動位置決め部材25aが、載置面11bの下方の位置から上方の位置へ移動してユニットCの位置決め溝部C1に係合してユニットCの位置決めを行うという構成は第1の実施形態と同一であるが、その駆動は揺動するアーム25によって行われる。このアーム25の一端に可動位置決め部材25aが固設され、アーム25の揺動回転はアーム25の他端に固設された回転軸251の回転により行われる。回転軸251は載置台11に回転可能に保持され、かつ駆動モータM2に連結されて回転される。アーム25は、図5に示す破線の位置と二点鎖線の位置との間を揺動回転する。
【0046】
センサS1、S2は、連結レバー21の移動を検知するセンサである。センサS1は、連結レバー21が画像形成装置Aの連結ピンA1に係合する位置にあることを検知し、センサS2は、連結レバー21が連結ピンA1に係合しない位置にあることを検知する。また、センサS3、S4は、可動位置決め部材25aの位置を検知するセンサである。センサS3は、可動位置決め部材25aがユニットCを位置決めしない位置にあることを検知し、センサS4は、可動位置決め部材25aがユニットCを位置決めする位置にあることを検知する。センサS5は、ユニットCが定位置に達したことを検知するセンサである。
【0047】
本実施の形態においては、連結手段は、連結レバー21、連結ピンA1、及び正逆回転可能な駆動モータM1、等からなり、連結解除手段は、連結手段を兼ねる駆動モータM1等からなる。また、ユニット固定手段は、可動位置決め部材25a、固定位置決め部材25b、アーム25、及び正逆回転可能な駆動モータM2等からなる。
【0048】
ユニット着脱用台車10が画像形成装置Aに連結された後、可動位置決め部材25aがセンサS3で検知される位置にある状態において、オペレータによりユニットCが画像形成装置Aからユニット着脱用台車10の載置台11上の定位置に移動される。このとき、センサS5がユニットCの定位置への到達を検知する。この検知により駆動モータM2が駆動され、アーム25を回転させて可動位置決め部材25aをユニットC位置決めの位置に移動する。センサS4は、可動位置決め部材25aが位置決めの位置に達したことを検知する。この検知により、ユニット着脱用台車10の図示しない表示部にユニットCの固定動作の完了が表示され、連結の解除が可能な状態となる。同時に、駆動モータM1が駆動され、連結レバー21が画像形成装置Aの連結ピンA1に係合する位置から係合しない位置に移動される。センサS3は、連結レバー21の連結ピンA1に係合しない位置への移動を検知し、その検知によりユニット着脱用台車10の表示部に連結解除完了の表示がされる。この状態において、ユニット着脱用台車10は画像形成装置Aからの引き離しが可能となる。
【0049】
即ち、ユニットCが可動位置決め部材25aに固定されることにより駆動モータM2、及び駆動モータM1が動作され、連結レバー21と連結ピンとの連結が解除されてユニット着脱用台車10と画像形成装置Aとの連結の解除が可能となる。
【0050】
図6は、本発明に係るユニット着脱用台車10の第2の実施形態におけるユニットCを移動させる手順を説明するためのフローチャートである。
【0051】
図6において、始めに、画像形成装置Aとの連結の準備として、ユニット着脱用台車10の図示しない連結開始ボタンの操作により、駆動モータM1、M2を動作させ、連結レバー21及びアーム25を図5の二点鎖線の位置に移動させる(ステップS21)。次にオペレータは、ユニット着脱用台車10を画像形成装置Aに連結する。連結が完了すると、連結完了を検知する図示しないセンサの検知により駆動モータM1、M2が逆方向に回転駆動され、連結レバー21は連結ピンA1に係合する位置に移動され、可動位置決め部材25aはユニットCから離間する(ステップS22)。次いでステップS23において、ユニット着脱用台車10と画像形成装置Aとが正しく連結されたかどうかを、ユニット着脱用台車10の図示しない表示部に表示される表示により確認する。この確認はセンサS1により行われ、連結レバー21が連結ピンA1に係合する位置に正しく移動されているかどうかにより判定される(ステップS23)。正しく連結されていないとき(ステップS23否定)にはステップS22に戻り、正しく連結されているとき(ステップS23肯定)にはステップS24に進む。
【0052】
ステップS24において、オペレータは、ユニットCを画像形成装置Aからユニット着脱用台車10の載置台11上の定位置に移動する。この移動をセンサS5が検知し、駆動モータM2が駆動され、アーム25を介して可動位置決め部材25aを時計方向に回転移動させ、ユニットCを固定する(ステップS24)。次にオペレータは、ユニットCが定位置に正しく固定されているかどうかを表示部の表示により確認する。この表示は、センサS4が可動位置決め部材25aの移動を検知することにより、ユニットCが定位置に固定されたかどうかを判定して表示される(ステップS25)。ユニットCが定位置に固定されていないとき(ステップS25否定)にはステップS24に戻り、定位置に固定されているとき(ステップS25肯定)にはステップS26に進む。ステップS26において、センサS4の検知により駆動モータM1が駆動され、連結レバー21が連結ピンA1に係合しない位置へと移動されて、操作部9に連結解除完了の表示がされる(ステップS26)。オペレータは、操作部9に連結解除完了の表示がされているかどうかを確認し、ユニット着脱用台車10を画像形成装置Aから引き離す(ステップS27)。
【0053】
本実施の形態によれば、ユニットCをユニット着脱用台車10の載置台11上に固定したことを確認(ステップS25)してから、連結レバーによる連結を解除する(ステップS26)ため、連結時にユニットCが載置台11から落下することがない。
【0054】
なお、本実施の形態では、連結開始ボタン、ユニット着脱用台車10と画像形成装置Aとの連結完了の表示、及びユニットCの固定完了の表示の機能をユニット着脱用台車10に持たせる構成としたが、これらの機能を画像形成装置Aの操作部9に持たせても良い。
【符号の説明】
【0055】
10 ユニット着脱用台車
11 載置台
11a 溝カム
11b 載置面
11a1、11a2 端部
21 連結レバー(連結手段)
21a 軸
21b、22a ピン
21c、23a つまみ
22 連結レバー用ばね(連結手段)
23 カムピン(連結解除手段)
24 カムピン用ばね(連結解除手段)
25 アーム(ユニット固定手段)
25a 可動位置決め部材(ユニット固定手段)
25b 固定位置決め部材(ユニット固定手段)
A 画像形成装置
A1 連結ピン(連結手段)
C ユニット
C1、C2 位置決め溝部
M1 駆動モータ(連結手段、連結解除手段)
M2 駆動モータ(ユニット固定手段)
S1、S2、S3、S4、S5 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に着脱可能に保持されるユニットを着脱するために用いられる、前記画像形成装置に連結可能なユニット着脱用台車であって、
前記ユニットを載置する載置台と、
前記載置台上に載置された前記ユニットを固定するユニット固定手段と、
前記画像形成装置に連結するための連結手段と、
前記画像形成装置との連結を解除するための連結解除手段と、を有し、
前記載置台上に載置された前記ユニットが前記ユニット固定手段により固定されることにより前記連結解除手段が動作され、前記連結手段による前記画像形成装置との連結の解除を可能にしたことを特徴とするユニット着脱用台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−175138(P2011−175138A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39804(P2010−39804)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】