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ユーカリ・グロブラス由来の新規DNAおよびそれらを利用したユーカリ・グロブラスの個体識別方法
説明

ユーカリ・グロブラス由来の新規DNAおよびそれらを利用したユーカリ・グロブラスの個体識別方法

【課題】 ユーカリ・グロブラスを確実に識別する方法を提供する。
【解決手段】 以下の(a)及び(b)のDNAから選択される少なくとも1種のDNAを検出することにより、ユーカリ・グロブラスにおける個体を識別する方法:(a)特定の塩基配列の全部又は一部を含むDNA、(b)特定の塩基配列の全部又は一部からなるDNAに対し相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつユーカリ・グロブラスのゲノムDNAにおいて個体間で多型性を有するDNA。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーカリ・グロブラスにおける新規DNAおよび、それを利用したユーカリ・グロブラスの個体識別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーカリは世界的に有用な産業造林樹種であり、成長量および材質の優れた品種開発のための育種が各国で進められている。特にユーカリ・グロブラス(Eucalyptus globulus)はパルプ特性が極めて優れていることから、オーストラリアの温帯地域等で広く植林されており、この樹種を対象とした育種計画がいくつか進められている。
【0003】
近年、早成樹林業では、世界的にクローン林業が指向されている。また、DNA分子マーカーによる家系/クローン管理技術を組込んだ新育種システムが提唱されており、育種事業を効率に進めるためには、確実で簡便な個体鑑定技術が不可欠となっている。
【0004】
これまで個体の識別法としてはアイソザイム分析やRAPD(Random Amplified Polymorphic DNA)分析を利用することが多かった(特許文献1及び2参照)。アイソザイム分析はタンパク質を扱うために、個体の生育条件や分析過程におけるプロテアーゼによる分解などの不確定要因や、識別能力が高くないことなどにより、必ずしも正確な個体識別が可能とは言えない。RAPD法は手順が簡便で、少量のDNAでも分析できるという利点をもつ。しかし、再現性が悪く実験室間で結果が異なる場合があるという致命的欠点があり、必ずしも正確で確実な個体識別法とは言い難い。
【0005】
【特許文献1】特開平10−229898号公報
【特許文献2】特開2002−291475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、ユーカリ・グロブラスの個体を確実に識別する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは前記状況にかんがみ、より優れたユーカリ・グロブラスの個体識別方法を見いだすべく鋭意研究を重ねた結果、ユーカリ・グロブラスから新規DNAを取得することに成功し、さらに該新規DNAを利用することによりユーカリ・グロブラスの個体を識別できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)以下の(a)及び(b)のDNAから選択される少なくとも1種のDNAを検出することにより、ユーカリ・グロブラスにおける個体を識別する方法:
(a)配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部を含むDNA、
(b)配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部からなるDNAに対し相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつユーカリ・グロブラスのゲノムDNAにおいて個体間で多型性を有するDNA。
(2)検出しようとするDNAの全部又は一部を増幅しうるように設計されたオリゴヌクレオチドのセットをプライマーとして用いることによりDNAを検出する(1)記載の方法。
(3)配列番号42〜123のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部を含む塩基配列又は該塩基配列に対し相補的な塩基配列からなるプライマーから選択される少なくとも1種のプライマーを用い、ユーカリ・グロブラスのゲノムDNAを鋳型として増幅反応を行うことにより、ユーカリ・グロブラスにおける個体を識別する方法。
(4)以下の(a)又は(b)のDNA:
(a)配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部を含むDNA、
(b)配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部からなるDNAに対し相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつユーカリ・グロブラスのゲノムDNAにおいて個体間で多型性を有するDNA。
(5)配列番号42〜123のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部を含む塩基配列又は該塩基配列に対し相補的な塩基配列からなるプライマー。
(6)(5)記載のプライマーを含むユーカリ・グロブラス個体識別用キット。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、DNAを用いたより確実なユーカリ・グロブラスの個体識別方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0011】
本発明者らは、試料となるユーカリ・グロブラスからCTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)法を用いてDNAを抽出し、次ぎに該ゲノムDNAに、例えばGGACCCAACCCAG(配列番号124)、GGACCCAACCGAC(配列番号125)、GGACCCAACCGTG(配列番号126)、GGACCCAACCTGA(配列番号127)、GAGAGCCAACCCT(配列番号128)、GAGAGCCAACGGT(配列番号129)、GAGAGCCAACTCG(配列番号130)、AACGGTGACCAGA(配列番号131)、AACGGTGACCCTC(配列番号132)、GAGGATCCCTACT(配列番号133)、GAGGATCCCTAGA(配列番号134)、GAGGATCCCTAGC(配列番号135)、GAGGATCCCTCAG(配列番号136)、GAGGATCCCTGTA(配列番号137)、GAGGATCCCTGTC(配列番号138)、GAGGATCCCTTAG(配列番号139)、GGAGGAGAGGAGT(配列番号140)、GGAGGAGAGGTCT(配列番号141)、AGTCGGGTGGAAG(配列番号142)、AGTCGGGTGGGAG(配列番号143)、AGTCGGGTGGGCT(配列番号144)、GGTCTGGTTGAGG(配列番号145)、GGTCTGGTTGAGT(配列番号146)、GGTCTGGTTGCCT(配列番号147)、GGTCTGGTTGCGT(配列番号148)、AGGCAGAGCAAAG(配列番号149)、AGGCAGAGCAAGT(配列番号150)、AGGCAGAGCATCA(配列番号151)、AGGCAGAGCATCC(配列番号152)、AGGCAGAGCATGA(配列番号153)、AGGCAGAGCATGG(配列番号154)、GGGCCAATGTACG(配列番号155)、GGGCCAATGTAGA(配列番号156)、GGGCCAATGTTGG(配列番号157)、CGACAAGCTCAGA(配列番号158)、CGACAAGCTCAGT(配列番号159)、CGACAAGCTCCAA(配列番号160)、又はCGACAAGCTCTGG(配列番号161)で表されるオリゴヌクレオチドをプライマーとして作用させて、DNAを増幅させた。DNAの増幅はRAPD(Random Amplified Polymorphic DNA)法により行った(Williams, J.G., Kubelik, A.R., Livak, K.J., Rafalski, J.A., and Tingey, S.V., (1990) DNA Polymorphisms amplified by arbitary primers are useful as genetic marker. Nucl. Asids Res. 18:6531−6535)。そして、このようにして得られた増幅DNAについて、アガロースゲル電気泳動を用い増幅DNAを分離し、その後、ユーカリ・グロブラス種内で多型性を有する増幅DNAに対してクローニングを行い、該DNAの塩基配列を決定した。
【0012】
その結果、ユーカリ・グロブラス種内で多型性を有するDNAとして、配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列を含む41種のDNAを特定した。従って、本発明は、配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部を含むDNA、ならびに配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部からなるDNAに対し相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつユーカリ・グロブラスの個体間で多型性を有するDNAから選択される少なくとも1種のDNAを検出することにより、ユーカリ・グロブラスにおける個体を識別する方法に関する。
【0013】
識別に使用するDNA種の数は識別しようとする個体数に基づいて、設定することができる。例えば5種類のDNA種を使用することにより、最大2=32個体の識別が可能となる。植林用苗木のように千本以上の個体を対象とする場合、使用する本発明のDNA種の数は、5以上、好ましくは10以上、最も好ましくは20以上である。すなわち対象とするユーカリ・グロブラスのゲノムDNAにおいて、上記の多型性を有するDNAを検出することにより、個体を識別することができる。
【0014】
本発明において個体を識別するとは、遺伝的に異なる2個体以上の植物体を区別することを意味する。
【0015】
配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部を含むDNA、及び配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部からなるDNAに対し相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつユーカリ・グロブラスの個体間で多型性を有するDNAの塩基長は、個体間の多型を識別できる長さであれば特に制限されないが、通常、50〜2000塩基、好ましくは100〜1000塩基、より好ましくは200〜700塩基である。
【0016】
本明細書において、ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいい、すなわち、各遺伝子に対し高い相同性(相同性が80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上)を有するDNAがハイブリダイズする条件をいう。より具体的には、このような条件は、0.5〜1MのNaCl存在下42〜68℃で、又は50%ホルムアミド存在下42℃で、又は水溶液中65〜68℃で、ハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC(saline sodium citrate)溶液を用いて室温〜68℃でフィルターを洗浄することにより達成できる。
【0017】
ここで、塩基配列の一部とは、各塩基配列の一部分の塩基配列であって、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズさせるのに十分な塩基配列の長さを有するものであり、例えば、少なくとも50塩基、好ましくは少なくとも100塩基、より好ましくは少なくとも200塩基の配列である。好ましくは各塩基配列において連続する少なくとも50塩基、好ましくは少なくとも100塩基、より好ましくは少なくとも200塩基の配列である。
【0018】
各塩基配列の一部としては、例えば、配列番号1で表される塩基配列の255〜400位の配列、配列番号2で表される塩基配列の129〜327位の配列、配列番号3で表される塩基配列の134〜406位の配列、配列番号4で表される塩基配列の102〜619位の配列、配列番号5で表される塩基配列の97〜510位の配列、配列番号6で表される塩基配列の4〜234位の配列、配列番号7で表される塩基配列の185〜682位の配列、配列番号8で表される塩基配列の5〜421位の配列、配列番号9で表される塩基配列の149〜501位の配列、配列番号10で表される塩基配列の6〜186位の配列、配列番号11で表される塩基配列の94〜596位の配列、配列番号12で表される塩基配列の9〜232位の配列、配列番号13で表される塩基配列の87〜286位の配列、配列番号14で表される塩基配列の18〜536位の配列、配列番号15で表される塩基配列の27〜319位の配列、配列番号16で表される塩基配列の70〜445位の配列、配列番号17で表される塩基配列の198〜567位の配列、配列番号18で表される塩基配列の88〜499位の配列、配列番号19で表される塩基配列の550〜986位の配列、配列番号20で表される塩基配列の383〜833位の配列、配列番号21で表される塩基配列の7〜348位の配列、配列番号22で表される塩基配列の159〜430位の配列、配列番号23で表される塩基配列の275〜423位の配列、配列番号24で表される塩基配列の271〜671位の配列、配列番号25で表される塩基配列の184〜473位の配列、配列番号26で表される塩基配列の104〜327位の配列、配列番号27で表される塩基配列の85〜471位の配列、配列番号28で表される塩基配列の52〜498位の配列、配列番号29で表される塩基配列の15〜352位の配列、配列番号30で表される塩基配列の32〜480位の配列、配列番号31で表される塩基配列の6〜289位の配列、配列番号32で表される塩基配列の123〜363位の配列、配列番号33で表される塩基配列の255〜491位の配列、配列番号34で表される塩基配列の405〜599位の配列、配列番号35で表される塩基配列の529〜751位の配列、配列番号36で表される塩基配列の151〜350位の配列、配列番号37で表される塩基配列の133〜362位の配列、配列番号38で表される塩基配列の104〜428位の配列、配列番号39で表される塩基配列の86〜436位の配列、配列番号40で表される塩基配列の340〜685位の配列、配列番号41で表される塩基配列の78〜348位の配列が挙げられる。
【0019】
対象とするユーカリ・グロブラス由来の試料における本発明のDNAの検出は、当技術分野で通常用いられる方法によって実施できる。本発明においては、上記の配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部を含むDNA、ならびに配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部からなるDNAに対し相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつユーカリ・グロブラスのゲノムDNAにおいて個体間で多型性を有するDNAのうち、検出しようとするDNAの全部又は一部を増幅しうるように設計されたオリゴヌクレオチドのセットをプライマーとして用いることにより検出を行うのが好ましい。
【0020】
特定のDNAの全部又は一部を増幅しうるプライマーの設計は、当技術分野において通常用いられる方法によって実施できる。プライマーの長さは、通常10塩基以上、好ましくは11〜45塩基、より好ましくは20〜30塩基である。また、プライマーの設計の際には、プライマーの融解温度(Tm)を確認することが好ましい。Tmとは、任意の核酸鎖の50%がその相補鎖とハイブリッドを形成する温度を意味し、鋳型DNA又はRNAとプライマーとが二本鎖を形成してアニーリングするためには、アニーリングの温度を最適化する必要がある。一方、この温度を下げすぎると非特異的な反応が起こるため、温度は可能な限り高いことが望ましい。従って、設計しようとするプライマーのTmは、増幅反応を行う上で重要な因子である。Tmの確認には、公知のプライマー設計用ソフトウエアを利用することができ、本発明で利用可能なソフトウエアとしては、例えばAmplifyなどが挙げられる。またTmの確認は、ソフトウエアを使わず、自ら計算することによっても行うことができる。その場合には、最近接塩基対法(Nearest Neighbor Method)、Wallance法、GC%法等に基づく計算式を利用することができる。本発明では、平均Tmが約45〜55℃であることが好ましい。
【0021】
プライマーとして特異的なアニーリング又はハイブリダイズが可能な条件としては、その他にもGC含量などがあり、そのような条件は当業者に周知である。また、プライマーは、設計時に鋳型として使用する配列に対し相同的な場合と相補的な場合があり、一般にフォワードプライマーの場合は鋳型配列に対し相同配列となり、リバースプライマーの場合は鋳型配列に対し相補配列となることに留意してプライマーを設計する必要がある。このようなプライマーの設計は当業者には周知である。
【0022】
本発明においては、SCAR(sequence characterized amplified region)プライマーを用いるのが好ましい。SCARプライマーの設計方法は当業者に周知であり、例えば、Paran, I. and R.W.Michelmore. (1993) Development of reliable PCR−markers linked to downy mildew resistance genes in lettuce. Theor. Appl. Genet.85f:985−993に記載されている。
【0023】
本発明においては、さらに以下のプライマーセット1〜41からなる群から選択される少なくとも1種のプライマーセットを用いるのが好ましい。
【0024】
配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部を含むDNA又は配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部からなるDNAに対し相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつユーカリ・グロブラスのゲノムDNAにおいて個体間で多型性を有するDNAを増幅しうるプライマーセットとして、それぞれ、以下のプライマーセット1〜41が挙げられる。
プライマーセット1:配列番号42で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号43で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット2:配列番号44で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号45で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット3:配列番号46で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号47で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット4:配列番号48で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号49で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット5:配列番号50で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号51で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット6:配列番号52で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号53で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット7:配列番号54で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号55で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット8:配列番号56で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号57で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット9:配列番号58で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号59で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット10:配列番号60で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号61で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット11:配列番号62で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号63で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット12:配列番号64で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号65で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット13:配列番号66で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号67で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット14:配列番号68で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号69で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット15:配列番号70で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号71で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット16:配列番号72で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号73で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット17:配列番号74で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号75で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット18:配列番号76で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号77で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット19:配列番号78で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号79で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット20:配列番号80で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号81で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット21:配列番号82で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号83で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット22:配列番号84で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号85で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット23:配列番号86で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号87で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット24:配列番号88で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号89で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット25:配列番号90で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号91で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット26:配列番号92で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号93で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット27:配列番号94で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号95で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット28:配列番号96で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号97で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット29:配列番号98で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号99で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット30:配列番号100で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号101で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット31:配列番号102で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号103で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット32:配列番号104で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号105で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット33:配列番号106で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号107で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット34:配列番号108で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号109で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット35:配列番号110で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号111で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット36:配列番号112で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号113で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット37:配列番号114で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号115で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット38:配列番号116で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号117で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット39:配列番号118で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号119で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット40:配列番号120で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号121で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
プライマーセット41:配列番号122で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号123で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセット。
【0025】
上記プライマーセットにおいて、各塩基配列の全部又は一部を含む塩基配列又は該塩基配列に対し相補的な塩基配列からなるプライマーもまた上記プライマーセットに包含される。
【0026】
ここで「一部」とは、各塩基配列のうち、通常10塩基以上、好ましくは15〜45塩基、より好ましくは20〜30塩基、さらに好ましくは22〜25塩基の連続する塩基配列を意味する。上述したプライマーに付加配列が付加されたものも本発明の範囲内に包含される。各塩基配列の全部又は一部を含む塩基配列は、通常50〜2000塩基、好ましくは100〜1000塩基、より好ましくは200〜700塩基である。
【0027】
本発明はまた、本発明のプライマーを含むユーカリ・グロブラス個体識別用キットに関する。本識別用キットは、さらに、反応液を構成するバッファー、dNTP混合物、酵素類(逆転写酵素、RNaseHなど)、校正用の標準試料などを含んでもよい。
【0028】
次にユーカリ・グロブラスのゲノムDNAにおいて多型性を有するDNAを検出する方法について以下に述べる。試料は、ユーカリ・グロブラスに由来するものであれば特に限定されず、例えば、葉、茎、根、樹皮、木材などが挙げられ、新鮮な葉を使用するのが好ましい。
【0029】
通常、これらの試料から、被検核酸を調製する。被検核酸は、核酸であればDNA又はRNAのいずれでもよい。DNA又はRNAは、当技術分野で周知の方法を適宜使用して抽出することができる。例えば、DNAを抽出する場合には、フェノール抽出及びエタノール沈殿を行う方法、臭化セチルトリメチルアンモニウムを用いる方法、ガラスビーズを用いる方法などを利用することができる。またRNAを抽出する場合には、グアニジン−塩化セシウム超遠心法、ホットフェノール法、又はチオシアン酸グアジニウム−フェノール−クロロホルム(AGPC)法などを利用することができる。以上のように調製した試料又は被検核酸を用いて、以下に示す増幅反応を行う。
【0030】
本発明の識別方法は、上記プライマーを用いて被検核酸を鋳型とした増幅反応を行い、その個体間で特異的な増幅反応を検出することにより実施できる。
【0031】
増幅手法としては、特に限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法の原理を利用した公知の方法を挙げることができる。例えば、PCR法、LAMP(Loop−mediated isothermal AMPlification)法、ICAN(Isothermal and Chimeric primer−initiated Amplification of Nucleic acids)法、RCA(Rolling Circle Amplification)法、LCR(Ligase Chain Reaction)法、SDA(Strand Displacement Amplification)法等を挙げることができる。増幅は、増幅産物が検出可能なレベルになるまで行う。
【0032】
例えば、PCR法は、被検核酸であるDNAを鋳型として、DNAポリメラーゼにより、一対のプライマー間の塩基配列を合成するものである。PCR法によれば、変性、アニーリング及び合成からなるサイクルを繰り返すことによって、増幅断片を指数関数的に増幅させることができる。PCRの最適条件は、当業者であれば容易に決定することができる。
【0033】
またRT−PCR法では、まず、被検核酸であるRNAを鋳型として、逆転写酵素反応によりcDNAを作製し、その後、作製したcDNAを鋳型として一対のプライマーを用いてPCR法を行うものである。
【0034】
なお、増幅手法として競合PCR法やリアルタイムPCR法等の定量的PCR法などを採用することにより、定量的な検出が可能となる。例えば競合PCR法は、同じプライマーを用いて、定量の内部標準となる競合的鋳型から得られる増幅産物と被検核酸から得られる増幅産物との量を比較することにより、被検核酸に含まれる検出対象を定量することができる。また、検出の特異性を高めるために、2組以上のプライマーを用いて2回以上増幅反応を行ってもよく、そのような増幅手法はnested PCR法として当技術分野で公知である。
【0035】
本発明の識別方法においては、上記プライマーを用いて特異的な増幅反応が起こる条件下で増幅反応を行う限り、その増幅手法は特に限定されない。また、特異的な増幅反応が起こるような条件は、当業者であれば適宜設定することができる。
【0036】
上記増幅反応後に特異的な増幅反応が起こったか否かを検出するには、増幅反応により得られる増幅産物を特異的に認識することができる公知の手段を用いることができる。例えば、アガロースゲル電気泳動法等を利用して、特定のサイズの増幅断片が増幅されているか否かを確認することにより、特異的な増幅反応を検出することができる。
【0037】
増幅産物のサイズは設計したプライマー間の塩基配列に基づいて推測することが可能である。あるいは、増幅反応の過程で取り込まれるdNTPに、放射性同位体、蛍光物質、発光物質などの標識体を作用させ、この標識体を検出することができる。放射性同位体としては、32P、125I、35Sなどを用いることができる。また蛍光物質としては、例えば、フルオレセン(FITC)、スルホローダミン(TR)、テトラメチルローダミン(TRITC)などを用いることができる。また発光物質としてはルシフェリンなどを用いることができる。
【0038】
これら標識体の種類や標識体の導入方法等に関しては、特に制限されることはなく、従来公知の各種手段を用いることができる。例えば標識体の導入方法としては、放射性同位体を用いるランダムプライム法が挙げられる。
【0039】
標識したdNTPを取り込んだ増幅産物を観察する方法としては、上述した標識体を検出するための当技術分野で公知の方法であればいずれの方法でもよい。例えば、標識体として放射性同位体を用いた場合には、放射活性を、例えば液体シンチレーションカウンター、γ−カウンターなどにより計測することができる。また標識体として蛍光を用いた場合には、その蛍光を蛍光顕微鏡、蛍光プレートリーダーなどを用いて検出することができる。
【実施例】
【0040】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によってなんら制限されるものではない。
【0041】
<材料>
ユーカリ・グロブラス48個体を使用した。
<ユーカリ・グロブラスの全DNAの単離>
全DNAは白石らの方法(白石 進・渡辺敦史(1995)rbc L遺伝子多型を利用したアカマツとクロマツの葉緑体ゲノム識別.日林誌 77:429−436)に従って抽出を行った。得られたDNAはTE緩衝液に溶解した。
<ユーカリ・グロブラス多型的DNAの取得>
得られたユーカリ・グロブラスのゲノムDNAを鋳型としてRAPD分析を行った。RAPD分析はゲノムDNA10ng、プライマー5’−GGACCCAACCCAG−3’(配列番号124)終濃度1μM、Taq DNAポリメラーゼ(Roche社製)0.1ユニット、dATP、dTTP、dGTP、dCTP各200μMを加えた増幅用緩衝液20μl中で行った。PCRサイクルはサーマルサイクラー(MP、宝酒造社製)中で、鋳型DNAを95℃で5分間変性させ、変性:95℃で1分間、アニーリング:37℃で90秒間、伸長反応:72℃で2分間を1サイクルとして45回繰り返した後、さらに72℃で5分間伸長反応を行った。
【0042】
次に、該PCR反応液からPCR産物を分離させるために、1.5%アガロースゲルによる電気泳動を行った。PCR反応液9μlとローディングバッファー1μlを混合した後、1.5%アガロースゲルで、100Vにて1時間電気泳動を行った。泳動終了後、該アガロースゲルを0.5μg/mlのエチジウムブロマイドを含むTAEバッファー溶液に約30分浸積し、アガロースゲル内のDNAを染色した。その後、暗所で紫外線を照射し、ゲル中のDNAバンドを検出した。
【0043】
複数増幅されるDNAバンドの内、ユーカリ・グロブラス種内で多型的なバンドが608bpに観察された。このバンドをゲルごとカッターで切りだし、市販の精製キット(QIAGEN社製)を用いて、使用法に従い、DNAを回収、精製した。次にTOPO TAクローニングキット(Invitrogen社製)を用いて、使用法に従い、該PCR産物をクローニングし、LI−COR社製のシーケンサーを用いて目的のDNA配列を決定し、配列番号1で表されるDNAを得た。
【0044】
同様にRAPD分析において配列番号125〜161のプライマーを用いることによって、40本の多型的なDNAバンドを検出した。さらに同様に該DNAバンドの塩基配列を決定し、配列番号2〜41で表されるDNAを得た。
【0045】
得られたDNA(配列番号1〜41)を基に、該DNAの一部をPCR増幅可能なプライマーを設計し、配列番号42〜123で表されるオリゴヌクレオチドプライマーを得た。
【0046】
<配列番号1で表されるDNAを利用したユーカリ・グロブラスの個体識別>
配列番号1で表される塩基配列からなるDNAの一部を増幅するようなオリゴヌクレオチドACCAAGAGCAAGAGCAGGAACC(配列番号42)とGCAATACCAACTACACTGCGCC(配列番号43)(プライマーセット1)をプライマーとして用いるPCR法により、ユーカリ・グロブラス48個体の個体識別を行った。
【0047】
<DNA増幅>
PCR反応は全DNA10ng、dATP、dTTP、dGTP、dCTP各200μM(最終濃度)、dATP、dTTP、dGTP、dCTP各200μM、Taq DNA ポリメラーゼ(Roche社製)0.5ユニットおよび添付の増幅反応用緩衝液20μl中で行った。PCRサイクルは95℃で2分間変性させた後、変性:95℃で30秒間、アニーリング:65℃で30秒間、伸長反応:72℃で90秒間のサイクルを30回行った後、72℃で5分間伸長反応を行った。
【0048】
次に該PCR反応液からPCR産物を分離させるために、1.5%アガロースゲルによる電気泳動を行った。PCR反応液9μlとローディングバッファー1μlを混合した後、1.5%アガロースゲルで、100Vにて1時間電気泳動を行った。泳動終了後、該アガロースゲルを0.5μg/mlのエチジウムブロマイドを含むTAEバッファー溶液に約30分浸積し、アガロースゲル内のDNAを染色した。その後、暗所で紫外線を照射し、ゲル中のDNAバンドを検出した。結果を図1に示す。
【0049】
図1に示すように、DNAバンドが検出される個体と検出されない個体を識別することができた。
【0050】
図1はオリゴヌクレオチドセット番号1をプライマーとしてPCRを行った後のアガロース電気泳動パターンの一部である。図中、Mは電気泳動マーカーを示す。各段に32個体(左右各16個体)ずつを4段で泳動した。
【0051】
同様に配列番号2〜41で表される塩基配列からなるDNAの一部を増幅するようなオリゴヌクレオチド(配列番号44〜123、プライマーセット2〜41)をプライマーとして用いるPCR法により、ユーカリ・グロブラス48個体の個体識別を行った。
【0052】
以下の表1に、供試した48個体についてプライマーセット1〜41で表されるオリゴヌクレオチドのセット(配列番号42〜123)をプライマーとして用いるPCRにおけるDNA増幅の有無を記した。供試した48個体はそれぞれ異なるDNA増幅のパターンを示した。
【0053】
【表1】


【0054】
これらの結果より、配列番号1〜41で表される塩基配列からなるDNAの一部を増幅するようなオリゴヌクレオチド(配列番号42〜123、プライマーセット1〜41)をプライマーとして用いたPCRによる分析結果を複数比較して用いることによって、ユーカリ・グロブラスの個体識別が可能であることが示された。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】プライマーセット1をプライマーとして用い、PCRを行った後のアガロース電気泳動のパターンの一部である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)及び(b)のDNAから選択される少なくとも1種のDNAを検出することにより、ユーカリ・グロブラスにおける個体を識別する方法:
(a)配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部を含むDNA、
(b)配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部からなるDNAに対し相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつユーカリ・グロブラスのゲノムDNAにおいて個体間で多型性を有するDNA。
【請求項2】
検出しようとするDNAの全部又は一部を増幅しうるように設計されたオリゴヌクレオチドのセットをプライマーとして用いることによりDNAを検出する請求項1記載の方法。
【請求項3】
配列番号42〜123のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部を含む塩基配列又は該塩基配列に対し相補的な塩基配列からなるプライマーから選択される少なくとも1種のプライマーを用い、ユーカリ・グロブラスのゲノムDNAを鋳型として増幅反応を行うことにより、ユーカリ・グロブラスにおける個体を識別する方法。
【請求項4】
以下の(a)又は(b)のDNA:
(a)配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部を含むDNA、
(b)配列番号1〜41のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部からなるDNAに対し相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつユーカリ・グロブラスのゲノムDNAにおいて個体間で多型性を有するDNA。
【請求項5】
配列番号42〜123のいずれかで表される塩基配列の全部又は一部を含む塩基配列又は該塩基配列に対し相補的な塩基配列からなるプライマー。
【請求項6】
請求項5記載のプライマーを含むユーカリ・グロブラス個体識別用キット。

【図1】
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【公開番号】特開2006−50912(P2006−50912A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233556(P2004−233556)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 第115回日本林学会大会にて発表 発表年月日:平成16年4月2日 発表場所:東京大学農学部1号館A会場 学術講演集発行日:平成16年3月20日
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【Fターム(参考)】