説明

ユーザが提供する情報によって拡張された呼詳細記録

【課題】回線交換通信ネットワークを介した複数のユーザ間の呼を処理するより良い方法を提供する。
【解決手段】回線交換通信ネットワークを介した複数のユーザ間の呼を処理するための方法に関する。複数のユーザの各々は、呼を確立するためにネットワークへ接続される端末を備える。複数のユーザ間の呼が確立されると、この呼についての呼詳細情報がネットワーク上に登録される。呼が確立された後で、複数のユーザの少なくとも1人がユーザ情報をネットワークへ提供する。このユーザ情報は、ユーザ情報を呼詳細情報と関連付けるための識別データを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回線交換通信ネットワークを介する、複数のユーザ間の呼を処理する方法に関し、各ユーザが呼を確立するために回線交換通信ネットワークに接続される端末を備えるとともに、ユーザ間の呼が、少なくとも1人のユーザが少なくとも1人の他のユーザの端末の端末識別データを提供することによって確立され、この呼についての呼詳細情報が回線交換通信ネットワーク上に登録されるような方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、通信システムにおいて、回線交換通信ネットワークを介する複数のユーザ間の呼を処理するために、上述した方法とともに用いるための通信端末であって、回線交換通信ネットワークへ接続する手段と、呼を確立する手段とを有する通信端末にも関する。
【背景技術】
【0003】
従前の音声型の通信ネットワークのような従来の通信ネットワークにおいては、呼(call)を検出すると呼詳細記録(CDR)が生成される。呼詳細記録は、通信キャリアが提供するサービスの利用を追跡し、呼に関する様々な詳細を記録する。典型的には、呼詳細記録は例えば、被呼番号、発呼番号、日付、時刻、通話時間および呼に関する他の情報を含む。
【0004】
この情報は通信ネットワーク内で様々な処理に用いられる。中でも、この情報はトラフィック解析および予測、容量管理および他の類似目的に用いられるが、その主要な役割はおそらく顧客に対するサービス料金の請求であろう。呼詳細記録内の情報は、所定の期間に渡る各顧客のサービスのコストを(ネットワーク利用の形態で)直接算出することを可能にし、提供された通信サービスに対する請求書を確証するために用いられる。
【0005】
この方法により請求書を発行することの問題点は、呼詳細記録が、交換機のような、回線交換通信ネットワーク内に存在する様々なネットワーク要素から取得可能な情報しか含まないことである。つまり、呼詳細記録は、発呼者および被呼者、接続番号、呼の確立に関与した交換機、通話期間、通話タイプ等の情報を含む。顧客は、例えば市内通話、長距離通話および国際通話ごとの通話の総回数及び総時間が分類された電話料金請求書を、場合によってはある期間にわたる全ての通話の一覧とともに受け取る。
【0006】
弁護士、コンサルタント、従業員などにとって、経理目的で電話の用途を正しく文章化することや、電話に費やした時間に関する個別請求書を生成することがますます重要になっている。労働時間(及び、分)を適切な顧客および適切なプロジェクトに請求したい上述の人々は、関連する呼詳細記録にユーザ情報を追加することが可能であり、その結果、詳細な通話請求書が得られ、それを自身の請求書を生成するために用いることができる。
【0007】
通信サービスの提供者から受け取る請求書からは、この情報を証明することが困難である。電話料金請求書を解析し、顧客の連絡詳細を含むリストと比較して、どの顧客がどの従業員又は弁護士から電話を受けたか、個々の通話時間がどれくらいであったかを証明することも可能かも知れない。しかし、手間が掛かる上、この情報からは依然として通話の目的を証明することが出来ないので、部分的にしか満足できないものである。さらに、個々の顧客に対して用いられた全ての電話番号を登録することは、ほとんど実行不能な労力を必要とする。加えて、顧客に対する通話のコストではあるがその顧客自身への通話でないコスト、又は同じ顧客への通話のコストであるが異なるプロジェクトに関するコストは、この方法では対処できない。
【発明の概要】
【0008】
本発明の1目的は、特に上述した従来技術に関する問題を考慮して、回線交換通信ネットワークを介した複数のユーザ間の呼を処理するよりよい方法を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、顧客の要求を個人レベルで考慮して、顧客に依存した通信サービスの請求を提供することを実現することにある。
【0010】
本発明のこれら目的および他の目的は、回線交換通信ネットワークを介した、複数のユーザ間の呼を処理する方法であって、複数のユーザの各々は呼を確立するためにネットワークに接続される端末を備え、複数のユーザ間の呼は、複数のユーザの少なくとも1人が複数のユーザの別の少なくとも1人の端末の端末識別データを与えることによって確立され、呼についての呼詳細情報がネットワーク上に登録され、複数のユーザの少なくとも1人がネットワーク用のユーザ情報を提供するとともに、ユーザ情報が、ユーザ情報を呼詳細情報と関連付けるための追加識別データを有することを特徴とする方法によって達成される。
【0011】
上述した本発明の方法は、顧客又は通信システムのユーザによって呼詳細記録に情報を付加するための手段を提供し、この情報は、ユーザの要求に応じた電話料金請求書の明細を初めとして様々な目的に用いることができる。この情報は、通信システムのユーザが、ユーザ自身の顧客ごとのコスト追跡をするために必要とする情報を含みうる点に特に留意されたい。従って、本発明の実施形態によるユーザ情報は、電話料金請求書上の情報が会社内の特定のアクティビティとリンクされることが可能で、通信システムのユーザ自身による請求に利用可能なように、プロジェクト会計番号、ユーザドキュメントへのハイパーリンク、ユーザのデータベース、ウェブページ、プログラム等を含みうる点に留意されたい。
【0012】
識別データの包含は、ユーザ情報と関連する呼詳細記録との関連づけを可能にすることを特に留意されたい。
【0013】
ここに記載される本願発明は、様々な手段により実施可能である。本発明の実施形態によれば、回線交換通信ネットワーク用のユーザ情報は、少なくとも1人のユーザの端末を介して提供される点に留意されたい。通話中もしくは通話後に、ユーザは自身の端末上における入力として(例えば端末のキーパッドや他の入力手段を用いて)所望のユーザ情報を提供することにより、所望のユーザ情報を追加し、この情報を呼と関連づけることが特に意図されている。この後者の部分、すなわちユーザ情報と呼との関連づけは、例えばユーザ情報をその端末を用いてなされた最後の呼と関連づけたり、ユーザ情報をその端末から(又はその端末へ)なされている継続中の呼と関連づけたりすることにより、端末が自動的に実行しても良い。これは、本発明のわかりやすく簡単な実施を提供し、少なくとも1人のユーザによる快適な利用を実現する。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、回線交換通信ネットワーク用のユーザ情報は、他の通信ネットワークを用いて提供される。従って、この実施形態によれば、パケット交換ネットワーク(例えばインターネット)のような別の通信ネットワークを通じて送信されるメッセージに、同一端末又は付加端末を介し、必要なユーザ情報をユーザが付加することが可能となるであろうことに留意されたい。
【0015】
しかし、本発明は回線交換通信ネットワークへ直接又は間接的にユーザ情報を提供することによっても実施可能であることに留意されたい。この実施に利用可能なプロトコルは、非構造付加サービスデータ(USSD)、ユーザ・ユーザ情報転送(UUS)、セッション開始プロトコル(SIP)、ショートメッセージサービス(SMS)、(写真を含める場合には)マルチメディアメッセージサービス(MMS)又は他の好適なプロトコルを含む。
【0016】
別のネットワークが用いられる場合、通話中、ユーザはインターネットに接続された自身のパーソナルコンピュータ上で、たとえば現在日時や、通話に用いている端末の回線交換通信ネットワーク上の識別番号を含むユーザ情報を入力することができる点に留意されたい。このユーザ情報は、パーソナルコンピュータで実行中のアプリケーションに必要に応じて関連する、メッセージ又は他の任意のデータ形式中に含まれていてよく、その後、そのパーソナルコンピュータから、インターネットを介してネットワークノード又はデータベースへ転送されてもよいし、あるいは回線交換通信ネットワークに関連する他の任意のネットワーク要素へ転送されてもよい。そして、ユーザ情報は関連する呼詳細記録とリンクされる。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、ユーザが呼を開始(または受信)した端末は、関連する回線交換通信ネットワークと他の通信ネットワークの両方に接続されてよい。この場合、情報は、呼に用いられた端末上でユーザに入力されてもよいが、回線交換通信ネットワーク用のユーザ情報は他の通信ネットワークを介して送信される。この実施形態において、回線交換通信ネットワーク及びパケット交換通信ネットワークの両方へ通信装置を接続可能なデュアルトランスファモード通信装置を利用することができる。
【0018】
少なくとも1人のユーザの端末は、プライベートな交換装置、電話機、コンピュータシステム、ローカルエリアネットワーク上の端末または他の端末を含むグループの少なくとも1つであってよい。端末がプライベート交換装置を含む場合、プライベート交換装置は電話機、コンピュータ又はローカルエリアネットワークを含むグループの少なくとも1つに接続されるであろう。
【0019】
本発明を用いた実施形態によれば、呼は、ユーザの端末と、回線交換通信ネットワークとの間の第1の通信チャネルを介して少なくとも1人のユーザにより確立され、回線交換通信ネットワーク用のユーザ情報は、この少なくとも1人のユーザと、回線交換通信ネットワークとの間の第2の通信チャネルを用いて提供される。
【0020】
端末と回線交換通信ネットワークとの間のコネクションを通じた通信は、異なるレベルで発生しうることに留意されたい。つまり、ユーザによって提供される、本発明に従って呼詳細記録と関連づけられるべき情報は、呼の音声信号と、同一のコネクションを介して回線交換通信ネットワークへ送信されるユーザ情報との間で干渉が生じないように、同一のコネクションを通じて回線交換通信ネットワークへ送信されるであろう。
【0021】
具体的には、これは、(統合サービスディジタルネットワーク回線(ISDN回線)のDチャネルのような)端末と回線交換通信ネットワークとの間のコネクション上のシグナリングチャネルを用いて実施することができる。本技術分野の当業者は、音声呼が利用可能なISDNチャネルの1つで行われている場合、ISDN Dチャネルを用いる代わりに、ISDN回線のもう一方であるB0チャネル又はB1チャネルを用いてよいことを理解するであろう。
【0022】
しかし、本発明は、統合サービスディジタルネットワーク(ISDN)、GSM(global system for mobile communications)ネットワーク、UMTS(universal mobile telecommunications system)ネットワーク、時分割多元アクセス(TDMA)ネットワーク及び符号分割多元アクセス(CDMA)ネットワークを含むグループの少なくとも1つの形式の回線交換通信ネットワークに適用可能である。
【0023】
本発明の実施形態によれば、呼は、少なくとも1つのネットワークノードであって、呼詳細情報とそのネットワークノードへのユーザ情報とを登録する少なくとも1つのネットワークノードを介して確立される。ここで、ユーザ情報がネットワークノードへ直接送信されなくてもよいが、別の通信ネットワークの利用を含みうるか、所望の、呼詳細情報を登録するネットワークノードへ到達するために他の中間ネットワークノードが必要となることが思い出される。また、呼詳細情報は呼の確立に関与するネットワークノード自身に登録されなくても良い。しかし、これらのことは、通信分野における当業者が理解することであろう。
【0024】
本発明の別の実施形態によれば、呼詳細情報は呼詳細データベース内に取り込まれる。このようなデータベースは、通信プロバイダによって、料金請求目的で例えば定期的に問い合わせされる。
【0025】
別の実施形態によれば、ユーザ情報はユーザ情報データベースに保存される。上述した呼詳細データベースとは別に、呼詳細情報又は呼詳細記録に関連づけられたユーザによって提供される追加ユーザ情報を別個のデータベースに保存しても良く、このデータベースは呼詳細データベースと一緒に自動的に問い合わせされる。
【0026】
本発明の別の実施形態によれば、呼詳細情報は呼詳細記録を含み、ユーザ情報は呼詳細情報と関連づけた後に、呼詳細記録に付加される。この実施形態において、ユーザ情報及び呼詳細情報は呼詳細記録内で結合される。そして、呼詳細データベースに保存されても良い。
【0027】
本発明の別の実施形態によれば、識別データは複数のユーザの1人を識別するためのデータ、国際移動電話加入者識別(IMSI)番号および呼を識別する付随(associated)カウンタを含むグループの少なくとも1つを含む。この情報により、ユーザ情報と関連する呼の呼詳細情報との関連づけを効率よく行うことができる。
【0028】
別の実施形態によれば、呼詳細記録に関連づけられたユーザ情報は電話料金請求書を特定するために用いられる。これにより、回線交換通信ネットワークのユーザが、各呼を特定の目的と直接結びつけることが可能となり、この情報に基づいて自身の請求を行うことが可能となるという利点が得られる。
【0029】
本発明の別の実施形態によれば、ユーザ情報は、プロジェクト会計番号、ユーザドキュメントへのハイパーリンク、ユーザデータベース、ウェブページ又はプログラムを含むグループの少なくとも1つを含む。
【0030】
本発明の第2の見地によれば、回線交換通信ネットワークを介した複数のユーザ間の呼を処理するために上述のいずれかの請求項に係る方法とともに用いるための通信端末装置であって、回線交換通信ネットワークへ接続する手段と、少なくとも1つの他の端末の端末識別データをネットワークに提供することによって呼を確立する手段とを有し、さらに、回線交換通信ネットワーク用のユーザ情報であって、ユーザ情報を回線交換通信ネットワークに登録される呼の呼詳細情報と関連づけるための識別データを含むユーザ情報を提供する手段を有することを特徴とする。
【0031】
上述の通信端末装置は、デュアルトランスファモード(DTM)端末装置であってよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の方法を実施するために適合された回線交換通信ネットワークを模式的に示す図である。
【図2】本発明の方法ステップを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の好適な実施形態に言及する説明及び図面により、本発明をさらに説明する。開示される実施形態は説明のみを目的としたものである。本発明は開示される実施形態に限定されず、添付の請求項によってのみ限定される。
【0034】
図1は、本発明において想定されるネットワークアーキテクチャを模式的に示す図であり、回線交換(CS)ネットワーク3、別の通信ネットワーク2(例えばパケット交換(PS)ネットワーク)及び、端末1、4および5を介して回線交換ネットワークに接続される複数のユーザを有している。CSネットワーク3は少なくとも1つ又はそれより多いネットワークノード6を備え、少なくとも1つのネットワークノードは呼詳細データベース9に呼詳細情報を登録及び保存する。ユーザ情報データベース10は、呼が確立された後にユーザから与えられた情報を保存するように構成されている。相関器11は呼詳細記録に含まれる呼詳細情報を、ユーザから与えられたデータと関連づける。これは、ユーザ情報の呼詳細記録への追加であってもよいし、或いは、情報を個別に保持しておき、後で電話料金請求書を提供する際に結合してもよい。
【0035】
本発明は通信ネットワーク3内の端末1、4、5を介した複数のユーザ間の呼を処理する、改善された方法を提供する。通信ネットワーク3は例えば回線交換通信ネットワークであってよい。
【0036】
通信ネットワークは少なくとも1つ又はそれより多いネットワークノード6を備える。呼が少なくとも2つの通信装置1,4,5の間で設定される場合、少なくとも1つのネットワークノード6は呼関連情報をデータベース9に登録及び保存する。呼が確立された後、ユーザが自身の通信装置(ここで、通信装置1がユーザ情報の追加に用いられるとする)を用いて提示した情報は、ユーザ情報を例えばユーザ情報データベース10に登録及び保存する少なくとも1つのネットワークノード6へ転送される。提示されたユーザ情報は回線交換ネットワーク3又は、回線交換ネットワーク3と少なくとも1つの相互接続7を有する付加的なパケット交換ネットワーク2上で伝送されうる。
【0037】
本発明は、呼が確立された後に、加入者が、希望するデータを、呼に関連する(又は呼と関連づけるための)呼詳細記録に入力することを可能にするように意図されている。この情報は通話中もしくは通話が終了してから(例えば、最近確立された呼のメモリを備える端末が用いられる場合)ユーザによって与えられうる。呼は通信ネットワーク3の加入者の入来呼であっても出力呼であってもよい。情報は、加入者が使用中の通信端末1、例えばユーザ情報をCSネットワーク3又はPSネットワーク2上で送信することをサポートするアプリケーションを実行するDTM端末で入力されることができる。ユーザ情報はプロジェクトを特定する会計番号、又はドキュメントやウェブページへのリンクであってよい。
【0038】
通信端末1は通信ネットワークのCS部分に接続されていても良い。呼が確立された後、通信端末上で入力されたさらなるユーザ情報が、ユーザ情報を登録及び保存する少なくとも1つのネットワークノード6へ転送される。その確立された呼に関連する呼詳細情報は、ユーザ情報を呼詳細情報と関連づけするための識別データに基づいて、入力されたユーザ情報と関連づけされる。
【0039】
通信端末1はCS3とPS通信ネットワーク2に接続されていても良い。CS通信ネットワーク3において呼が確立された後、通信端末1上で入力されたさらなるユーザ情報が、ユーザ情報を登録及び保存する少なくとも1つのネットワークノード6へ、PS通信ネットワーク2上で転送される。その確立された呼に関連する呼詳細情報は、ユーザ情報を呼詳細情報と関連づけするための識別データに基づいて、入力されたユーザ情報と関連づけされる
【0040】
通信端末はまた、例えば電話機12をCSネットワーク3へ、パーソナルコンピュータ13をPSネットワーク2へ接続するプライベート交換装置1を備えうる。パーソナルコンピュータ13は、ユーザ情報をPSネットワークへ送信することをサポートするアプリケーションを実行していてもよい。
【0041】
図2は、本発明の方法において起こりうるイベントのシーケンスを模式的に示しており、ここで、ユーザ情報は呼が確立された後で、呼詳細記録に追加されるか呼詳細記録と関連づけされる。
【0042】
ここで、最初の列は第1のユーザ端末20を、4番目の列は第2のユーザ端末22をそれぞれ示している。図2の2番目と3番目の列はそれぞれ、(例えば図1のノード6である)ネットワークノードおよび(例えば図1のデータベース9のような)CDRデータベースによって実行される方法のステップを示している。CS呼設定の間(ステップ100)、CSネットワークノードは、サービス’add-user-info-to-CDR’を有するパーティ(A-partyおよび/又はB-party)に対するCDR出力を生成する(ステップ101)。これは、このパーティがその呼について支払いをしない場合であっても、ユーザに対してCDR出力が生成されるようにするために行われる。このCDR出力は、A番号(A-nr)、B番号(B-nr)、開始時刻/日付、終了時刻/日付、料金(tariff)など、CS呼について通常入手可能な情報を含む。
【0043】
呼が確立され(ステップ103)、Aパーティ(及び/又はBパーティ)がCDRへユーザ情報を追加したい場合、そのパーティはセッション開始プロトコル(SIP)インバイトメッセージ(SIP-INVITE)をサービス’add-user-info-to-CDR’へ送信する(ステップ106)。INVITEメッセージは、このINVITE(PS)メッセージを継続中のCS呼と関連付けるために十分な(A及び/又はBパーティに関する)情報を含んでいる。INVITEメッセージは、CDRへ追加すべきユーザ情報(’user-information’)を含んでいる。この、’user-information’は、CSネットワーク又はPSネットワークを介して、情報が保存されているネットワークノードへ送信される(ステップ108)。この情報ストレージは(図1のデータベース10のような)ユーザ情報データベースであってよい。通信ネットワーク上で多くの呼が確立され、また終了するであろうことは想像に難くないであろう。そのため、入力されたユーザ情報を、関連する呼と関連付けることが必要となる。この関連付けは、例えば国際移動電話加入者識別(IMSI)番号および、呼を識別する付随カウンタとに基づくことができる。
【0044】
呼詳細情報およびユーザ情報とが相互に関連している場合、それらの情報は別の呼詳細記録へ保存される。ユーザ情報と呼詳細情報とを含む呼詳細記録は、いわゆる電話料金請求書へ定期的に出力される。電話料金請求書が加入者へ送信される際、’user information’は呼の明細に追加される。
【0045】
(図示しない)実施形態において、この情報はオンライン電話料金請求書上のハイパーリンクとして配置される。受信者(又は他の誰か)がそのハイパーリンクをマウスボタンを用いてクリックすると、例えば、ユーザ情報に関連付けられたユーザのウェブページが開くかもしれない。電話料金請求書上のユーザ情報として、写真を配置することもまた考えられる。
【0046】
関連が見つからない場合や、呼が確立された後にユーザ情報が入力されなかった場合、いわゆる電話料金請求書に出力される呼詳細情報が含まれる呼詳細記録のみが生成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回線交換通信ネットワークを介した、複数のユーザ間の呼を処理する方法であって、前記複数のユーザの各々は前記呼を確立するために前記ネットワークに接続される端末を備え、前記複数のユーザ間の前記呼は、前記複数のユーザの少なくとも1人が前記複数のユーザの別の少なくとも1人の端末の端末識別データを与えることによって確立され、前記呼についての呼詳細情報が前記ネットワーク上に登録され、前記複数のユーザの少なくとも1人が前記ネットワーク用のユーザ情報を提供するとともに、前記ユーザ情報が、前記ユーザ情報を前記呼詳細情報と関連付けるための追加識別データを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ネットワーク用の前記ユーザ情報が、前記少なくとも1人のユーザの前記端末を介して提供されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ情報が前記回線交換通信ネットワークへ提供されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記回線交換通信ネットワーク用の前記ユーザ情報が、別の通信ネットワークを用いて提供されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記別の通信ネットワークが、パケット交換通信ネットワーク(3)であることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1人のユーザの前記端末が、前記別の通信ネットワークにも接続されることを特徴とする、請求項2を引用する請求項4又は請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記端末がデュアルトランスファモード(DTM)通信装置であることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1人のユーザの前記端末が、プライベート交換装置、電話機、コンピュータシステムおよび、ローカルエリアネットワークに接続される通信装置を含むグループの1つであることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記端末がプライベート交換装置であり、前記プライベート交換装置が、電話機、コンピュータシステムおよびローカルエリアネットワークを含むグループの少なくとも1つとさらに接続されることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記呼が、前記少なくとも1人のユーザの前記端末と前記回線交換通信ネットワークとの間の第1の通信チャネルを介して前記少なくとも1人のユーザと確立され、前記回線交換通信ネットワーク用の前記ユーザ情報が、前記少なくとも1人のユーザと前記回線交換通信ネットワークとの間の第2の通信チャネルを用いて提供されることを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の通信チャネルおよび前記第2の通信チャネルが、前記端末と前記回線交換通信ネットワークとの間の同一のコネクション上で提供されることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザは、統合サービスディジタルネットワーク(ISDN)、GSM(global system for mobile communications)ネットワーク、UMTS(universal mobile telecommunications system)ネットワーク、時分割多元アクセス(TDMA)ネットワークおよび、符号分割多元アクセス(CDMA)ネットワークを含むグループの少なくとも1つを介して前記回線交換通信ネットワークへ接続されることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記呼が、前記呼詳細情報を登録する少なくとも1つのネットワークノードを介して確立され、前記ユーザ情報が前記ネットワークノードへ提供されることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記呼詳細情報が、呼詳細データベースに保存されることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ユーザ情報が、ユーザ情報データベースに保存されることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記呼詳細情報が呼詳細記録に含まれ、前記ユーザ情報が前記呼詳細情報と関連付けられた後で前記呼詳細記録に追加されることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記識別データが、前記複数のユーザの少なくとも1人を識別するためのデータ、国際移動電話加入者識別(IMSI)番号および、前記呼を識別する付随カウンタを含むグループの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記呼詳細記録に関連付けされる前記ユーザ情報が、電話料金請求書を特定するために用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記ユーザ情報が、プロジェクト会計番号、ユーザドキュメントへのハイパーリンク、ユーザのデータベース、ウェブページ、プログラム、写真を含むグループの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
回線交換通信ネットワークを介する複数のユーザ間の呼を処理するために、通信システムにおいて請求項1乃至請求項19のいずれか1項に記載の方法とともに用いるための通信端末装置であって、前記回線交換通信ネットワークへ接続する手段と、少なくとも1つの別の端末の端末識別データを前記ネットワークへ提供して前記呼を確立する手段と、前記回線交換通信ネットワーク用のユーザ情報であって、前記ユーザ情報を前記回線交換通信ネットワーク上に登録されている前記呼の呼詳細情報と関連付けるための識別情報を含むユーザ情報を提供する手段とを有することを特徴とする通信端末装置。
【請求項21】
デュアルトランスファモード(DTM)通信装置であることを特徴とする請求項20記載の通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−199970(P2012−199970A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−117928(P2012−117928)
【出願日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【分割の表示】特願2008−513936(P2008−513936)の分割
【原出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】