説明

ユーザを訓練するための方法および装置

1つ以上の訓練タスク(t)をユーザ(2)に提示するためのユーザ出力インタフェース(3)と、各々の提示された訓練タスク(t)に対するユーザ(2)の応答を入力するためのユーザ入力インタフェース(4)と、ユーザ(2)によって入力された応答に基づきユーザ(2)の能力(p)を検出するための手段(5)と、検出されたユーザの能力(p)に対する報酬を提示するための手段(6)とを備える、1人以上のユーザを訓練するための訓練装置。報酬は、ユーザ(2)によって応答が入力された訓練日(TD)に応じて、かつ、ユーザ(2)の年齢(A)に応じて選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユーザを訓練するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
我々の社会における高齢者の割合は増大しているので、ユーザ、詳細には、加齢により知的能力の低下した年配のユーザの身体・知能の訓練は、さらに重要となる。筋肉の訓練およびスポーツによって身体の能力を向上させる一方で、精神の知的な機能を向上させるために知能の訓練および精神的な運動が用いられる。知能の運動は、新たなタスクを学習し、正常な機能を向上させて平均的な能力水準を超えるため、あるいは、以前に知っていたが脳の変質などの障害のために失われたタスクを再学習するために行われる。
【0003】
例えば、非特許文献1および2に記載のものなど、ヒトの脳の機能を向上させることを目的とした従来の知能訓練プログラムが存在する。そのような訓練によって、例えば、言語領域または視認能力において、ユーザが自身の能力水準を向上させることが補助されるので、患者は時間を通じて自分がよくなると感じる。このこと自体が知能の運動を実行する充分な動機付けであり得る。
【0004】
しかしながら、向上を達成することにユーザが関心を持たないため、すなわち、ユーザが本質的に関心を欠くために、あるいは、向上が非常に小さく、即座にユーザに気付かれないために、能力向上だけでは充分でない場合が多い。したがって、ユーザへ提示される身体・知能の訓練タスクを、提示される訓練タスクにユーザを取り組ませたままにする報酬ツールと組み合わせることが望ましい。
【0005】
大抵の既知のコンピュータゲームは、知的な機能を向上させるようには設計されておらず、主として娯楽に用いられる。大抵のコンピュータゲームは、若者および成人向けに設計されている。多くのコンピュータゲームでは、プレーヤが一定の目標に到達すると、報酬が与えられる。一部のゲームでは、プレーヤは、提示されたタスクを完了すると、得点を得ることが可能である。訓練方法において、コンピュータゲーム自体が報酬として与えられることがある。例えば、特許文献1には、子供が自身の読む能力を向上させることを補助する訓練方法が記載されている。この訓練方法では、コンピュータゲームによって子供の動機付けが行われる。
【0006】
従来の訓練方法においてユーザに与えられる報酬は、特別な関心または提示されたタスクの主題に関連することがある。
【特許文献1】米国特許第6,629,844号明細書
【非特許文献1】カーソン(Carson)ら、Nature Medicine、1998年、第4巻,p.1083
【非特許文献2】メルツェニッヒ(Merzenich)ら、Science、1996年、第271巻、p.77
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の訓練方法の欠点は、ユーザの年齢を考慮した報酬が提示されないことである。
高齢者は充分な長期記憶を有するが、最近の出来事を記憶できないことがしばしばあることはよく知られている。ムービークリップなどの報酬をユーザに提示する場合、ユーザは、その映画のシーンの取られた元の映画を自身の長期記憶に基づき認識することが可能であるとき、その報酬をさらに楽しむことになる。
【0008】
したがって、本発明の1つの目的は、ユーザの能力を増大する、ユーザを訓練するための装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、1人以上のユーザを訓練するための訓練装置を提供する。この訓練装置は、
・1つ以上の訓練タスクをユーザに提示するためのユーザ出力インタフェース、
・各々の提示された訓練タスクに対するユーザの応答を入力するためのユーザ入力インタフェース、
・ユーザによって入力された応答に基づきユーザの能力を検出するための手段、
・検出されたユーザの能力に対する報酬を提示するための手段、
を備える。報酬は、ユーザによって応答が入力された訓練日に応じて、かつ、ユーザの年齢に応じて選択される。
【0010】
本発明による訓練装置の一実施形態では、報酬を提示するための手段は、表示画面、オーディオスピーカ、接眼ディスプレイ(near−eye display)および仮想現実グーグル(virtual−reality googles)を含む。
【0011】
本発明による訓練装置の一実施形態では、ユーザ出力インタフェースは、表示画面、オーディオスピーカ、接眼ディスプレイおよび仮想現実グーグルを含む。
本発明による訓練装置の一実施形態では、ユーザ入力インタフェースは、タッチ画面、キーボード、マウス、タッチパッド、スタイラス、カメラおよびマイクロホンを含む。
【0012】
本発明による訓練装置の好適な一実施形態では、訓練装置はデータネットワークに対するネットワークインタフェースを有する。
一実施形態では、データネットワークはインターネットによって形成される。
【0013】
さらに、本発明では、1人以上のユーザを訓練するための訓練システムを提供する。この訓練システムは、
・複数のコンテンツデータアイテムを格納するためのコンテンツサーバ、
・データネットワークを介してコンテンツサーバへ接続されている、ユーザを訓練するための1つ以上の訓練装置(ここで、訓練装置は1つ以上の訓練タスクをユーザに提示し、提示された訓練タスクに対するユーザの応答に基づきユーザの能力を検出する)、
・ユーザの年齢およびユーザの訓練の実行される訓練日に応じて、コンテンツサーバに格納されたコンテンツデータアイテムからコンテンツデータアイテムを選択するための選択手段、
・検出されたユーザの能力に対する報酬として、選択されたコンテンツデータアイテムを提示するための提示手段、を備える。
【0014】
本発明では、さらに、1人以上のユーザを訓練するための訓練装置を提供する。この訓練装置は、
・1つ以上の訓練タスクをユーザに提示するための手段、
・提示された訓練タスクに対するユーザの応答に基づきユーザの能力を検出するための手段、
・検出されたユーザの能力に応じて、選択された報酬をユーザに提示するための手段(ここで、各々の選択された報酬は、選択された報酬の制作日がユーザの若かったときの時間範囲内にあるように、ユーザの年齢に基づき、格納された報酬から選択される)、を備える。
【0015】
本発明による訓練装置の好適な一実施形態では、報酬を選択するための時間範囲は調節可能である。
本発明による訓練装置の一実施形態では、時間範囲はユーザの人生の15〜25年の期間を含む。
【0016】
本発明では、さらに、1人以上のユーザを訓練するための訓練方法を提供する。この方法は、
・1つ以上の訓練タスクをユーザに提示する工程、
・ユーザの入力に応じてユーザの能力を検出する工程、
・検出されたユーザの能力を得点化する工程、
・得点化された能力に応じて、選択された報酬をユーザに提示する工程、
からなる。提示される報酬は、訓練方法の実行される訓練日(TD)に応じて、かつ、ユーザ(2)の年齢(A)に応じて選択される。
【0017】
本発明による訓練方法の一実施形態では、選択される報酬の制作日は、ユーザの年齢と、訓練方法の実行される訓練日とに応じて算出される。
本発明による訓練方法の一実施形態では、提示される報酬のさらなる選択は、格納されたユーザのプリファレンスに基づき実行される。
【0018】
本発明による訓練方法の一実施形態では、選択される報酬の制作日は次のように算出される時間範囲内にある:
制作日(PD)=訓練日(TD)−ユーザの年齢(A)+定数A±定数B。
【0019】
本発明による訓練方法の一実施形態では、定数Aは20年に調整され、定数Bは5年に調整される。
本発明による訓練方法の一実施形態では、提示された訓練タスクは知能タスクを含む。
【0020】
本発明による訓練方法の代替の一実施形態では、提示された訓練タスクは身体タスクを含む。
本発明による訓練方法の一実施形態では、訓練セッションにおいて幾つかの訓練タスクが連続的にユーザへ提示される。
【0021】
本発明による訓練方法の一実施形態では、各々の提示された訓練タスクに対するユーザの入力が監視される。
本発明による訓練方法の一実施形態では、訓練セッションの各々の提示された訓練タスクに対するユーザの能力が検出され、ユーザの能力履歴に記憶される。
【0022】
本発明による訓練方法の一実施形態では、訓練セッションにおける次の訓練タスクは、ユーザの記憶された能力履歴に応じて選択される。
本発明による訓練方法の一実施形態では、ユーザの能力の得点化は、検出されたユーザの能力に応じてユーザに功績点を与えることによって実行される。
【0023】
本発明による訓練方法の一実施形態では、功績点は、検出されたユーザの能力、ユーザ功績パラメータおよびタスク功績パラメータに応じて与えられる。
本発明による訓練方法の一実施形態では、ユーザ功績パラメータは、ユーザの年齢、ユーザの知能、およびユーザの性別を含む。
【0024】
本発明による訓練方法の一実施形態では、タスク功績パラメータは、提示された訓練タスクの種類、訓練タスクの困難度、および訓練タスクに対するユーザの能力履歴を含む。
本発明による訓練方法の一実施形態では、報酬は収集可能なコンテンツデータアイテム
によって形成される。
【0025】
本発明による訓練方法の一実施形態では、コンテンツデータアイテムは、コンテンツ識別情報、コンテンツ制作日、およびコンテンツデータを含む。
本発明による訓練方法の一実施形態では、収集可能なコンテンツデータアイテムは、コンテンツ種類、コンテンツ属性、コンテンツ評価属性、およびコンテンツシーケンス識別情報を含む。
【0026】
本発明による訓練方法の一実施形態では、コンテンツデータは、映像データ、音声データ、および画像データを含む。
本発明による訓練方法の一実施形態では、訓練タスクは、訓練タスク識別情報、訓練タスク種類、訓練タスク属性、訓練タスク評価属性、および訓練タスクデータを含む。
【0027】
本発明による訓練方法の一実施形態では、同じコンテンツ識別情報を有する複数の収集可能なコンテンツデータアイテムは、完全なコンテンツファイルを組み立てるためにユーザによって収集される。
【0028】
本発明による訓練方法の一実施形態では、組み立てられたコンテンツファイルは、複数の収集されたコンテンツデータアイテムを、複数のコンテンツデータアイテムのそれぞれのコンテンツシーケンス識別情報の順序で含む。
【0029】
本発明による訓練方法の一実施形態では、ユーザの年齢はユーザによって入力される。
本発明による訓練方法の代替の一実施形態では、ユーザの年齢は訓練者によって入力される。
【0030】
本発明による訓練方法のさらなる代替の一実施形態では、ユーザの年齢はネットワークを介してユーザデータベースからダウンロードされる。
本発明による訓練方法の一実施形態では、ユーザの年齢は、ユーザの能力と、コンテンツ・タスク評価の履歴とのうちの一方または両方から自動的に推定される。
【0031】
本発明による訓練方法のさらなる一実施形態では、報酬は、ユーザにクッキーなどの品物を分配することによって形成される。
本発明による訓練方法の一実施形態では、訓練タスクは記憶訓練タスクによって形成される。
【0032】
本発明による訓練方法の代替の一実施形態では、訓練タスクは認知訓練タスクによって形成される。
本発明による訓練方法の代替の一実施形態では、訓練タスクは聴覚訓練タスクによって形成される。
【0033】
本発明による訓練方法の代替の一実施形態では、訓練タスクは視覚訓練タスクによって形成される。
本発明による訓練方法の代替の一実施形態では、訓練タスクは注意力訓練タスクによって形成される。
【0034】
本発明による訓練方法のさらなる一実施形態では、訓練タスクはユーザに聴覚刺激を与えることを含む。
本発明による訓練方法のさらなる一実施形態では、訓練タスクはユーザへ視覚刺激を与えることを含む。
【0035】
本発明による訓練方法のさらなる一実施形態では、コンテンツデータは映画のシーンを表示するムービークリップによって形成される。
本発明では、さらに、1人以上のユーザを訓練するための訓練方法を提供する。この方法は、
・訓練セッション(TS)においてユーザの訓練が実行される訓練日(TD)に応じて、かつ、ユーザの出生日(BD)に応じて報酬を選択する工程、
・検出されたユーザの能力(p)に応じて、選択された報酬を提示する工程、からなる。
【0036】
本発明による訓練方法の好適な一実施形態では、各々の選択される報酬の制作日は次のように算出される時間範囲内にある:
制作日(PD)=ユーザの出生日(BD)+C±C
(ここで、定数C、定数Cは、調節可能な時定数を形成する)。
【0037】
本発明による訓練方法の一実施形態では、ユーザの出生日および定数C,Cは、ユーザによって入力される。
本発明による訓練方法の代替の一実施形態では、出生日および定数C,Cは、訓練者によって入力されるか、またはネットワークを介してデータベースからダウンロードされる。
【0038】
本発明による訓練方法の好適な一実施形態では、選択される報酬はネットワークを介してコンテンツサーバからダウンロードされる。
本発明による訓練方法の代替の一実施形態では、提示される報酬はデータ記憶媒体から入力される。
【0039】
本発明では、さらに、訓練タスクを実行するようにユーザの動機付けを行うための方法を提供する。この方法は、
・訓練タスク(t)をユーザに提示する工程、
・訓練タスク(t)に対するユーザによる応答を記録する工程、
・訓練タスク(t)に対するユーザの能力(p)を得点化する工程、
・得点化する工程(c)に基づき、コンテンツデータアイテムを再生するか、またはユーザから取り上げる工程(ここで、コンテンツデータアイテムは、方法の実行される訓練日(TD)に応じて、かつ、ユーザ2の年齢(A)に応じて選択される)、からなる。
【0040】
本発明による訓練方法の一実施形態では、得点化に基づき、提示されるコンテンツデータアイテムの長さが調節される。
本発明による訓練方法のさらなる一実施形態では、幾つかの異なる収集可能なコンテンツデータアイテムをユーザに提供するように、提示、記録、得点化、および報酬の提示の工程が繰り返される。このコンテンツデータアイテムは結合され、結合された形態でユーザへ提示される。
【0041】
本発明による訓練方法の一実施形態では、訓練タスクは1つ以上の質問を含み、同質問の主題およびコンテンツデータアイテムの主題は同じ歴史上の出来事、映画、歌または書籍から取られる。
【0042】
本発明による訓練方法の一実施形態では、ユーザの年齢は50歳を超える。
本発明では、さらに、ユーザの知的能力を向上させるための方法を提供する。この方法は、
・訓練タスク(t)をユーザに提示する工程、
・提示された訓練タスク(t)に対するユーザの応答を記録する工程、
・提示された訓練タスク(t)に対するユーザの能力(p)を得点化する工程、
・得点化する工程(c)に基づき、コンテンツデータアイテムを再生するか、またはユーザから取り上げる工程(ここで、コンテンツデータアイテムは、方法の実行される訓練日(TD)に応じて、かつ、ユーザの年齢(A)に応じて選択される)、からなる。
【0043】
本発明による訓練方法の一実施形態では、ユーザは知的能力が低下していると診断される。
本発明による訓練方法のさらなる一実施形態では、低下した知的能力は、アルツハイマー病、卒中、または頭部外傷による。
【0044】
本発明による訓練方法の一実施形態では、低下した知的能力は加齢によるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下では、添付の図面を参照し、本発明による訓練装置および訓練方法の実施形態について記載する。
図1には、1人以上のユーザ2を訓練するために提供される本発明による訓練装置1の一実施形態を示す。訓練装置1は、1つ以上の訓練タスクtをユーザ2に提示するためのユーザ出力インタフェース3を備える。ユーザ出力インタフェース3は、例えば、表示画面、オーディオスピーカ、接眼ディスプレイ、および仮想現実グーグルを含む。
【0046】
本発明による訓練装置1は、各々の提示された訓練タスクtに対するユーザ2の応答を入力するためのユーザ入力インタフェース4をさらに備える。ユーザ入力インタフェース4は、例えば、タッチ画面、キーボード、マウス、タッチパッド、スタイラス、カメラまたはマイクロホンを含む。
【0047】
ユーザ出力インタフェース3およびユーザ入力インタフェース4は、いずれもプロセッサ5へ接続されている。
訓練装置1は、報酬または検出されたユーザ2の能力を提示するための提示ユニット6をさらに備える。ここで、報酬は、ユーザ入力インタフェース4へユーザ2の応答が入力された訓練日TDに応じて、かつ、ユーザ2の年齢Aに応じて、プロセッサ5によって選択される。格納されたユーザのプリファレンスに応じて、追加の選択が実行されてよい。提示ユニット6は、表示画面、オーディオスピーカ、接眼ディスプレイ、および仮想現実グーグルを含む。
【0048】
訓練装置1の一実施形態では、プロセッサ5はネットワークインタフェース7へ接続されている。ネットワークインタフェース7を介して、訓練装置1は、インターネットまたはローカルエリアネットワークLANなど、データネットワーク8へ接続可能である。
【0049】
コンテンツデータアイテムを格納するためのコンテンツサーバ9は、データネットワーク8へ接続されている。提示ユニット6、ユーザ出力インタフェース3およびユーザ入力インタフェース4は、例えば、統合された画面によって形成可能である。この画面は、訓練タスクtをユーザ2に提示し、提示されたタスクtに対するユーザ2の応答を監視することと、選択された報酬をユーザ2に表示することとのいずれにも用いられる。例えば、ユーザ2は、訓練セッションTS中、画面上で自身へ示されるアイテムにタッチすることができる。
【0050】
訓練装置1は、一実施形態では、ユーザ2の能力履歴(PH)、コンテンツ評価履歴(CRH)およびタスク評価履歴(TRH)を格納するためのメモリ10を備える。メモリ10は、さらにユーザ2の功績点勘定と、年齢(A)または能力水準などのユーザパラメータとを格納する。
【0051】
本発明による訓練システムの一実施形態では、幾つかの訓練装置1が共通のデータネットワーク8へ接続される。
図2には、図1に示した本発明による訓練システムの状態図を示す。
【0052】
最初に、訓練システムのスイッチが入れられる。次いで、ユーザ2またはその訓練者は、訓練システムに対しログインを行うことができる。ユーザ2またはその訓練者は訓練セッションTSを選択することが可能である。訓練セッションTSでは、ユーザ出力インタフェース3を介してユーザ2へ連続的に訓練タスクtが提示される。ユーザ入力インタフェース4を介する各々のユーザ入力の後、次の訓練タスクtが提示される。
【0053】
訓練システムの電源投入後、訓練システムは、訓練システムの作動時間の長さ、訓練セッションTSの実行された回数、および平均的な訓練セッションの持続する長さを監視する。さらに、訓練システムは、システムを使用したユーザ2の人数を監視する。
【0054】
ユーザ2のログイン後、訓練システムはそのデータベースから、ユーザ2が既に実行した訓練セッションTSの数を読み取る。さらに、一実施形態では、ユーザ2のプリファレンスが格納される。ここで、このプリファレンスは、例えば、ユーザ2による評価の入力によって検出される。訓練システムの保持することの可能なさらなる情報は、現在のユーザ2が提示された訓練タスクtを断念した回数と、現在のユーザがある訓練セッションTSに留まった長さである。さらに、検出されたユーザ2の能力pを得点化することによって算出される功績点が記憶され、ユーザ2の獲得した報酬の数および種類が格納される。
【0055】
ユーザ2が訓練セッションTSを開始した後、訓練システムはユーザ2の能力履歴PHから、現在のユーザ2が提示されたタスクtを断念した回数、現在の訓練セッションTSにおける平均訓練時間、ユーザ2の能力水準を知り、ユーザ2の評価履歴から、提示されたタスクに対するユーザ2のプリファレンスを知る。
【0056】
図3には、本発明による訓練方法を示すフローチャートを示す。
工程S0における訓練システムの開始後、工程S1においてユーザ2のログインが実行される。
【0057】
一実施形態では、ユーザ出力インタフェース3を介してユーザ2に対し、幾つかの可能な訓練セッションTSが提示される。
工程S2では、ユーザ2が特定の訓練セッションTSの開始を望むか否かが監視される。ユーザ2が1つ以上の訓練タスクtを含む訓練セッションTSを選択すると、工程S3において訓練セッションが実行される。
【0058】
ユーザ2が訓練セッションTSを選択しない場合、工程S4において、ユーザ2が報酬を受け取ることを望むか否か、例えば、ムービークリップを見ることを望むか否かが判定される。
【0059】
ユーザ2が報酬を選択した場合、工程S5において、提示ユニット6を介してユーザ2へムービークリップが提示される。
本発明による訓練方法の代替の一実施形態では、ユーザ2の動機付けのため、工程S3における訓練セッション中にも何らかの報酬が表示される。
【0060】
図4には、工程S3において実行される訓練セッションTSのフローチャートを示す。工程S30における訓練セッションTSの開始後、工程S31において、ユーザ出力インタフェース3を介してユーザ2へ第1の訓練タスクtが提示される。
【0061】
工程S32において、プロセッサ5は入力インタフェース4へのユーザの入力を監視する。ユーザ2が提示されたタスクt,tに対する応答を入力すると、工程S33において、対応する能力pがプロセッサ5によって算出される。ユーザ2の能力pは、提示された訓練タスクtへのユーザ2の誤った反応に対する、提示されたタスクtへのユーザ2の正しい反応の割合に応じて決定される。
【0062】
さらなる工程S34では、提示されたタスクtに対する検出されたユーザ2の能力pが、プロセッサ5によって得点化される。一実施形態では、プロセッサ5は、検出された能力pに対する功績点CPを算出する。功績点CPは、検出されたユーザ2の能力pと、ユーザ功績パラメータおよびタスク功績パラメータなどのさらなるパラメータとに応じて、プロセッサ5によって算出される。
【0063】
ユーザ功績パラメータは、ユーザ2の年齢Aと、記憶されたユーザ2の知能水準と、ユーザ2の性別など他のユーザパラメータとを含む。高齢で、知能水準の低いユーザ2には、より多くの功績点CPが与えられる。
【0064】
タスク功績パラメータは、提示された訓練タスクtの種類、その訓練タスクtの困難度、および訓練タスクtに対するユーザ2の能力履歴PHを含む。
訓練タスクtの困難度が高いとき、また、訓練タスクtまたは同様の訓練タスクに対する能力履歴PHによってこのユーザの過去の能力pは悪かったことが示されるとき、ユーザ2には、より多くの功績点CPが与えられる。過去に完了できなかった訓練タスクtを完了させるユーザ2には、より多くの功績点CPが与えられる。
【0065】
本発明による訓練方法の一実施形態では、次の提示される訓練タスクti+1は、最後の訓練タスクtに対するユーザ2の能力Pに応じて訓練システムによって自動的に選択される。このように、本発明による訓練システムはユーザ2の実際の能力pに応じて訓練タスクtの困難度を適応させることが可能であり、訓練セッションTSはユーザ2にとって退屈なものとならない。一方、提示されるタスクtがユーザ2にとって困難すぎることを訓練セッションTSにおけるユーザ2の能力履歴PHが示す場合、訓練システムは訓練タスクtの困難度を低下させることが可能である。
【0066】
工程S35では、訓練セッションTSが完了したか否か、あるいは、ユーザ2が訓練セッションTSを終了したか否かが検査される。
訓練セッションTSの完了後、各々の提示された訓練タスクtに対する検出されたユーザの能力pに基づき、訓練セッションTS全体のユーザの能力PTSが算出される。一実施形態では、訓練セッション能力PTSは、検出された能力pを加算することによって算出される。
【0067】
一実施形態では、工程S31においてユーザへ提示される訓練タスクtは、知能訓練タスクtである。
代替の一実施形態では、提示される訓練タスクtは、一定の重量の物体を持ち上げることなど、身体訓練タスクtである。物体の持ち上げは、ユーザ入力インタフェース4を形成するカメラを介してプロセッサ5によって監視され得る。
【0068】
一実施形態では、ユーザ出力インタフェース3は機械的な装置によって形成されてよく、ユーザ2は、機械的な装置3に対し物理的な力Fを働かせる必要がある。これは、プロセッサ5によって測定される。したがって、本発明による訓練装置1によって検出される能力pは、ユーザ2の知能の能力Pであることも、ユーザ2の身体の能力Pであることも可能である。
【0069】
知能訓練タスクtは、例えば、意味記憶、エピソード記憶、短期記憶のうちの1つ以上などの記憶訓練を含む、ユーザ2に応答を要求する任意のプロンプトである。知能訓練タスクは、認知訓練、聴覚訓練、視覚訓練、および注意力訓練を含む。訓練タスクtは、ユーザの必要にしたがって、システムによって選択可能である。
【0070】
記憶訓練は、ユーザが情報を想起する能力を試験するタスクである。
認知訓練は、ユーザの認知能力を試験するタスクを含む。認知訓練タスクは、例えば、米国特許第6,632,174号明細書に記載されているようなものである。
【0071】
聴覚訓練タスクでは、ユーザ2に聴覚的な刺激を提示することによって、ユーザ2の聴覚が試験される。聴覚訓練タスクは、例えば、米国特許第6,146,147号明細書に記載されているようなものである。
【0072】
視覚訓練タスクは、ユーザ2に視覚的な刺激を提示することによって、ユーザの視覚を試験する訓練タスクである。視覚訓練タスクは、例えば、米国特許第6,464,356号明細書に記載されているようなものである。
【0073】
注意力訓練タスクは、ユーザ2の注意する能力を試験するタスクである。注意力訓練タスクは、例えば、米国特許第5,377,100号明細書に記載されているようなものである。
【0074】
ユーザ2に訓練タスクtを提示することによって、ユーザ2の意味記憶、エピソード記憶、および短期記憶など、異なる種類の記憶を訓練することが可能である。
意味記憶は、語彙、名前、歴史的な出来事など、所定の事実、客観的な情報または公共情報の記憶である。
【0075】
エピソード記憶は、ユーザが自身の経験から想起し得る、独特の経験、主観的印象および個人の感情についてのユーザ2の記憶である。エピソード記憶は、経験的記憶としても知られることがある。
【0076】
短期記憶は、例えば、数秒〜数時間などの短期間に、ユーザ2によって得られる情報の想起を指す。短期記憶は、作業記憶としても知られている。
本発明による訓練方法の一実施形態では、ユーザ2は所与の訓練タスクtを評価することが可能である。例えば、ユーザ2は、提示された訓練タスクtを楽しんだか否かを入力することが可能である。システムは、与えられたユーザ2の評価に応じて、提示された訓練タスクtの種類および困難度を適応させる。この評価はユーザ2のタスク評価履歴TRHとしてメモリ10に記憶される。
【0077】
ユーザ2は、訓練セッションTSを完了した後、功績点CPを対応する報酬に交換することによって、自身の能力pに対する報酬を受け取ることを望み得る。本発明による訓練方法の一実施形態では、報酬は収集可能なコンテンツデータアイテムCDIによって形成される。
【0078】
図5には、本発明の訓練方法の一実施形態による、ユーザ2による報酬の鑑賞を示すフローチャートを示す。
工程S5−1では、ユーザ2が現在所有している全ての報酬が表示される。
【0079】
工程S5−2では、ユーザ2は、マウスをクリックすることによって、自身の所有する任意の報酬を選択することができる。
工程S5−3では、ユーザ2が1回以上その報酬を鑑賞したことがあるか否かが判定さ
れる。ユーザ2が既に報酬に至っている場合、工程S5−4において、ユーザ2がその報酬に対する充分な功績点CPを有するか否かが判定される。蓄積されたユーザ2の功績点CPが選択された報酬に充分でない場合、工程S5−5において、ユーザ2が充分な功績点CPを有しないことと、報酬を得るためにより多くのタスクtを完了させる必要があることとが検出される。
【0080】
ユーザ2が充分な功績点CPを有する場合、工程S5−6において、選択された報酬がユーザ2へ提示され、報酬を鑑賞するために対応する数の功績点CPが減じられる。
工程S5−3において、選択した報酬をユーザ2がまだ見ても聞いてもいないことが検出される場合、工程S5−7において、選択した報酬がユーザ2へ送信され、ユーザ2は現在の報酬を評価するように求められる。評価された現在の報酬は、ユーザ2の報酬評価履歴PRHに記憶される。報酬は、最初に表示される場合、ユーザ2によって評価される。このようにして、本発明による訓練システムにおいてフィードバックループが形成される。ユーザ2が非常に好む報酬は、好まない報酬よりも頻繁に表示される。2回、3回またはそれ以上に報酬を鑑賞するには、ユーザの功績点CPが必要である。
【0081】
本発明による訓練方法の可能な一実施形態では、ユーザ2は、獲得した報酬を売却することを望むか否かをシステムに尋ねられる。ユーザ2が現在の報酬を売却することを選択する場合、工程S5−9において、功績点CPがユーザ2へ払い戻される。
【0082】
工程S5−10では、ユーザ2は自身の報酬のうちの一部を他の報酬に交換すると決定することができる。ユーザ2は、例えば、3つのティザー、すなわち、短いデータコンテンツクリップを、より長い1つのデータコンテンツクリップと交換することを選択することができる。
【0083】
工程S5−12では、ユーザ2はプロセスを抜けることができる。
図6には、ユーザ2に対する報酬を形成し得るコンテンツデータアイテムCDIのデータフォーマットを示す。
【0084】
コンテンツデータアイテムCDIは、コンテンツデータ識別情報、コンテンツ制作日、コンテンツ種類、コンテンツ属性、コンテンツ評価属性、コンテンツシーケンス識別情報や、映像、音声または画像データなどのコンテンツデータを含む。コンテンツ制作日PDは、コンテンツデータが制作された日を示す。例えば、ムービークリップを形成するコンテンツデータが、1938年に制作された映画の一部であることを示す。
【0085】
コンテンツシーケンス識別情報SIDは、完全なコンテンツファイル内での収集可能なコンテンツデータアイテムCDIの位置を示す。同じコンテンツ識別情報CIDを有する複数の収集可能なコンテンツデータアイテムは、完全な映画など、完全なコンテンツファイルを組み立てるためにユーザ2によって収集され得る。
【0086】
好適な一実施形態では、組み立てられたコンテンツファイルは、複数の収集されたコンテンツデータアイテムCDIを、その複数のコンテンツデータアイテムCDIのそれぞれのコンテンツシーケンス識別情報SIDの順序で含む。コンテンツデータは、幾つかのコンテンツアイテムへ分割される完全な映画によって形成されてよい。ここで、各々のコンテンツデータアイテムCDIは、映画の1つのシーンを示す。ユーザ2は、1つのコンテンツファイルの複数のコンテンツデータアイテムCDIを全て収集しようと試みる。あるコンテンツデータアイテムCDIのコンテンツデータがユーザ2へ表示されると、ユーザ2はその映画のシーンを評価することができる、すなわち、その映画のシーンを楽しんだ否かを評価することができる。ユーザ2の評価はコンテンツ評価属性としてコンテンツデータアイテムCDIに格納され、ユーザ2のコンテンツ評価履歴CRHとして訓練装置1
のメモリ10に格納される。
【0087】
図7には、ユーザ出力インタフェース3を介してユーザ2へ提示される訓練タスクtのデータフォーマットを示す。訓練タスクtは、訓練タスク識別情報TIDと、訓練タスク種類と、訓練タスク評価属性を含む訓練タスク属性と、訓練データとを含む。訓練セッションTS中、ユーザ2は提示された訓練タスクtを評価することができる。これは、訓練タスク属性として訓練タスクtに記憶され、ユーザ2の訓練タスク評価履歴TRHとして訓練装置1のメモリ10に記憶される。
【0088】
本発明による訓練方法の一実施形態では、ユーザ2の年齢Aはユーザ2によって入力されず、またデータベースからダウンロードされず、ユーザの評価履歴RHから算出される。この評価履歴RHは、提示された訓練タスクの評価(TRH)と、提示された報酬の評価の履歴(CRH)とを含む。また、年齢Aの推定または算出では、次式のように、ユーザ2の能力履歴PHを考慮することもできる:
A = f(PH,CRH,TRH)。
【0089】
代替の一実施形態では、訓練装置1は、ユーザ2へ身体タスクtpを提示し、ユーザ2の身体能力からその年齢Aを推定する。例えば、訓練装置1は、提示された身体タスクtpに応じてユーザ2の心拍数を測定する。
【0090】
図8には、本発明による訓練方法を示す図を示す。訓練セッションTSでは、一連の訓練タスクtがユーザ2へ提示される。ユーザ2の能力pは訓練装置1によって検出され、功績点CPを算出するために得点化される。訓練セッションTSの後、ユーザ2は報酬を選択し、訓練装置1のメモリ10に格納されたユーザ2の功績点勘定CPAから功績点CPが減じられる。
【0091】
代替の一実施形態では、報酬は訓練装置1によってユーザ2へ自動的に出力される、すなわち、訓練装置1が、ユーザ2へ出力する報酬を選択する。この選択は、記憶された評価履歴TRH,CRHに基づいて、また随意では、提示された訓練タスクtの主題にも関連して実行される。一実施形態では、訓練タスクtは1つ以上の質問を含む。提示された質問の主題および提示されたコンテンツデータアイテムCDI、すなわち、報酬の主題は、同じ歴史的な出来事、映画、歌または書籍から取られ得る。
【0092】
図9には、本発明による訓練方法を示す一例を示す。与えた例では、訓練タスクtは知能訓練ゲームによって形成される。ここで、ユーザ2は、ユーザ2へ表示された一群の写真から2つの同一の写真を思い出す必要がある。最初は全ての画像が空白であり、ユーザは画面に触れることによって画像の選択を開始する。フレームが触れられた後、画像はユーザに対し一定の時間、表示され、その後、画像フレームは再び空白である。ユーザは、2つの同一の画像を記憶することを試み、比較的短い時間で2つの同一の画像が触れられた後、両方の画像がユーザ2へ表示され、ユーザ2の選択肢の数は連続的に減少する。このため、残りのタスクは容易となる。ユーザ2によってすべての対応する対の画像が見つけられたとき、訓練セッションTSは終了する。
【0093】
随意では、ユーザ2は、訓練タスクtに対する自身の能力pと、訓練タスクtを完了させることに対し与えられる功績点CPとを見ることが可能である。
さらに、ユーザ2に対し、ムービークリップなど幾つかの収集可能なコンテンツデータアイテムCDIを含む報酬ギャラリーが示される。ユーザ2は、完全な映画など、完全なコンテンツファイルに対する幾つかのコンテンツデータアイテムCDIを収集することが可能である。
【0094】
ムービークリップを鑑賞するとき、一実施形態では、ユーザ2に映画プログラムまたはテレビプログラムを表示することによって、ユーザ2には、例えば、自身が完全な映画を見ることの可能な場所が通知される。
【0095】
各々のコンテンツデータアイテムCDIは、コンテンツデータアイテムCDIの制作日PDを示すデータフィールドを含む。図10に示すように、報酬としてユーザ2へ提示されるコンテンツデータアイテムCDIは、そのユーザ2の年齢Aに基づき、かつ、訓練方法が実行される実際の訓練日TDに基づき、選択される。ユーザ2の生まれた年を算出するために、実際の訓練日TD(例えば、2006年7月11日)からユーザ2の年齢Aが減じられる。例えば、ユーザ2の年齢が80歳である場合、算出される年は1926年である。次いで、ユーザ2の算出された生年へ第1の時定数Cが加えられる(例えば、20年の時定数C)。与えた例では、算出される年は1946年である。さらに、調節可能な時定数C(例えば、5年)によって、特定の制作時間範囲が決定される。
【0096】
選択される報酬の許容可能な制作日PDは、次のように、訓練日TDおよびユーザ2の年齢Aに応じて異なる:
制作日PD=訓練日TD−ユーザの年齢+定数C±定数C
【0097】
与えた例では、ユーザ2は1941年〜1951年の範囲の制作日PDを有する報酬のみを受け取る。これは、ユーザ2が若者であった時間範囲であり、ユーザ2は、高齢者として充分な長期記憶を有するので、提示されたコンテンツを思い出すことが可能である。
【0098】
本発明の可能な一実施形態では、ユーザ2は、最初に有名な映画の個々のムービークリップを収集する。ユーザ2は、完全な映画を見るために、それらのムービークリップを収集し、結合することが可能である。ムービークリップなどの報酬は、訓練装置1の統合メモリに格納されてもよく、あるいはCD、DVDまたはハードディスクなどのデータ記憶媒体からの入力であってもよい。
【0099】
別の実施形態では、収集可能なコンテンツデータアイテムCDIは、コンテンツサーバ9からデータネットワーク8を介してダウンロードされる。コンテンツデータアイテムCDIのダウンロードは、訓練装置1によって制御される。
【0100】
一例として、ムービークリップは、「カサブランカ(Casablanca)」など有名な映画から取られてもよく、収集可能なコンテンツデータアイテムCDIは、ハンフリー・ボガート(Humphrey Bogart)が「ねえ、キスして」と言うイングリッド・バーグマン(Ingrid Bergman)にキスをするシーンを示すムービークリップによって形成されてよい。年配の人々はずっと以前の映画の出来事をより容易に思い出す傾向があるので、そのようなムービークリップは特に動機付けの価値を有する。典型的かつ優先的に提示される映画は、それらの人々が若く、初期の青年期のときに人気のあった映画である。そのような映画またはムービークリップによって、映画自体のみならず、恐らくはその映画が人気だったときの重要な出来事に関する他の記憶も呼び起こされる。加えて、古いムービークリップによって、ユーザ2には、一時的な若さの感覚が再び与えられる。
【0101】
提示されたタスクtの主題は、提示された報酬と同じ期間に関連してもよい。一実施形態では、ユーザ2は、例えば、マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)、リズ・テイラー(Liz Taylor)など、当時有名だった有名な顔または人を記憶する必要がある。
【0102】
コンテンツデータは、ビートルズの歌など、音声データによっても形成可能である。別
の変形では、コンテンツデータアイテムCDIは、マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King)の「私には夢がある(I have a dream)」など、有名な演説のクリップを含む。オーディオクリップの利点は、ムービークリップと異なり、より少ないメモリ空間しか必要としないことである。
【0103】
さらなる一実施形態では、幾つかの訓練装置1が共通のデータネットワーク8へ接続され、異なるユーザ2が共同で訓練セッションTSを実行することが可能である。例えば、数人のユーザ2は訓練セッションTSを独立に実行し、共同で報酬を鑑賞するために功績点CPを集合的に蓄積することが可能である。これによって、複数のユーザ2の間の社会的相互作用は強化され、ユーザの社会的隔離が減少する。
【0104】
本発明による訓練システムは、数人のユーザ2(例えば、高齢者施設に住む高齢者)の間の競争も可能とする。
図11には、接続可能なコンテンツデータアイテムCDIを生成するために、メディアファイルを複数の部分に切断することを示すための図を示す。
【0105】
本発明による訓練方法の一実施形態では、ユーザ2には身体・知能のタスクtを混合したものが提示される。本発明による訓練装置1は、訓練部および報酬部を備える。報酬としてユーザ2へ提示される記憶クリップ用の作品は、例えば、映画、テレビ、コマーシャル、ラジオショー、コマーシャルのジングルまたは流行歌のコンテンツなど、任意の長さの任意のコンテンツであることが可能である。ユーザ2の能力pに応じて、報酬として、例えば、短い1〜3分の作品、またはより長い5分のムービークリップが提示され得る。これに代えて、訓練運動の繰り返しにより充分な功績点CPを蓄積することによって、あるいは映画の個々の部分を収集し、後にそれらの部分を結合して作品全体を明らかにすることによって、全作品、例えば、映画または歌の全体が得られ得る。
【0106】
例えば、ユーザ2の年齢が65歳である場合、このユーザは毎日30分間、記憶訓練タスクを実行する。記憶タスクtにおいて所定数の正答に至ると、ユーザ2は訓練セッションTSの終わりに充分な功績点CPを得る。後に、ユーザ2は、映画の短いクリップを見ることを許可される。65歳の人には、プログラムによって、例えば、ユーザが20歳頃だったときである1950年代に人気のあったムービークリップへのアクセスが許可され得る。ムービークリップは「カサブランカ」など、当時の人気の映画から取られてよい。随意では、訓練セッションTSの開始の前に、映画またはユーザの気に入ったシーンが、予め選択されてよい。
【0107】
より若いユーザが関心を有するコンテンツデータアイテムCDIも選択されてよい。例えば、40歳の人は、ザ・ビートルズ(the Beatles)の演奏する音楽を聞くことを望み得る。したがって、本発明による方法および装置1は、すべての年齢集団のユーザ2に訴求することが可能である。
【0108】
本発明による方法は、多くの電子装置に関連して実行可能である。この方法は、ホームコンピュータ、パーソナルコンピュータ、学校のコンピュータ、ラップトップ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、ゲームコンソールなどのコンピュータ、またはプログラムの動作が可能な他の装置を用いることによって実行可能である。本発明による方法を実行するプログラムは、記録媒体へ予め記録され、ディスク、CD−ROMによってユーザへ届けられるか、あるいはインターネットを介してダウンロードされることが可能である。コンピュータネットワークおよび様々な計算装置は、単独で、または本発明によるネットワーク構成において用いられ得る。この装置は、典型的なPC、ラップトップ、サーバ、ゲームコンソール、PDAおよび携帯電話機など、様々な種類のユーザ入力、ディスプレイ、メモリ、プロセッサを用いるコンピュータ式の装置を含んでよい。例えば、計算装置
は、ローカルエリアネットワークLAN、ワイドエリアネットワークWANまたはインターネットなど、通信ネットワークを介して接続可能である。通信ネットワークは、有線、無線またはそれらの組み合わせであることが可能である。例えば、プログラムはサーバから起動され、「Microsoft(登録商標) Internet Explorer(登録商標)」または「ネットスケープ・ナビゲータ(Netscape Navigator)」などのウェブブラウザを動作させるユーザコンピュータへネットワークを通じてユーザコンピュータへ分配され得る。
【0109】
本発明による訓練装置1は、一実施形態では、「さあ、始めましょう(Come on!)」および「画面に触れてください(Touch my screen!)」などの聴覚的な命令を用いて、ユーザ2に訓練セッションTSを開始するように促し、次いでユーザ2の氏名を尋ねるようプログラムされている。さらに、例えば、スピーカを介して聴覚的に、例えば、コンピュータ画面上で視覚的に、または聴覚的および視覚的の両方によって、質問または他の刺激がユーザ2へ提示され得る。訓練セッションTSはユーザの能力水準に自動的に適応するように構成されるので、タスクtが容易すぎることはなく、困難すぎることもない。このため、ユーザ2は常に中間の能力水準に保持される。また、訓練セッションTSは、訓練タスクtにおけるユーザの能力についてリアルタイムなフィードバックを提供するように構成され得る。そのようなリアルタイムフィードバックを用いて、タスクまたはセッションを完了させるユーザ2の動機付けをさらに増大することが可能である。
【0110】
訓練装置1の一実施形態では、ユーザ2の声をユーザ2の識別情報として認識するために、また、ユーザ2の命令を入力するために、音声認識手段が提供される。
提示される報酬の選択は、訓練装置1に提供される、または選択可能なコンテンツデータアイテムCDIがそこからダウンロードされるコンテンツサーバ9に提供される選択手段によって実行される。
【0111】
本発明による訓練システムの可能な一実施形態では、コンテンツサーバ9は、各ユーザ2の対応する年齢Aを格納するユーザデータベースを有する。適切な制作日PDを有する収集可能なデータアイテムCDIのみが、データネットワーク8を介して訓練装置1へ転送される。これには、訓練装置1がユーザ2の年齢Aに適合したコンテンツデータアイテムCDIしか格納する必要がないという利点がある。
【0112】
本発明による訓練システムの一実施形態では、ユーザ2の記憶プロファイルが測定される。ユーザ2が最もよく思い出すことの可能な期間が測定される。例えば、ユーザが1930年〜1940年の全ての出来事について充分な長期記憶を有することが検出され得る。ユーザ2の長期記憶プロファイルは、一実施形態では、俳優または政治家など一定の時によく知られていた有名な人の写真を表示し、それらの人を識別するようユーザ2に求めることによって測定されてよい。本発明による訓練システムの一実施形態では、コンテンツデータアイテムCDIの選択は、検出されたユーザ2の長期記憶プロファイルLTMPに応じても実行される。ユーザ2の長期記憶プロファイルLTMPの検出は、一実施形態では、提示されたタスクへ与えられた応答を評価することによって訓練セッションTS中に自動的に実行されてよい。ユーザ2の記憶プロファイルLTMPはメモリに格納される。したがって、本発明による訓練装置1の一実施形態では、ユーザ2へ与えられる報酬は、ユーザ2による入力に応答する訓練日(TD)に応じて、ユーザの年齢Aに応じて、また、検出されたユーザ2の長期記憶プロファイルLTMPに応じて選択される。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明による訓練装置の好適な一実施形態の図。
【図2】本発明による訓練システムの状態図。
【図3】本発明による訓練方法の一実施形態を示すフローチャート。
【図4】本発明による訓練方法を示すさらなるフローチャート。
【図5】本発明による訓練方法を示すさらなるフローチャート。
【図6】本発明による訓練方法によって用いられるコンテンツデータアイテムのデータフォーマットの図。
【図7】本発明による訓練方法によって用いられる訓練タスクのデータフォーマットの図。
【図8】本発明による訓練方法の一実施形態を示す図。
【図9】本発明による訓練方法の一実施形態において提示される訓練タスクの一例の図。
【図10】本発明による訓練方法の一実施形態においてユーザに対し報酬として提示されるコンテンツデータアイテムの制作日の算出を示す図。
【図11】本発明による訓練方法の一実施形態において報酬として用いられる収集可能なムービークリップの一例の図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1人以上のユーザを訓練するための訓練装置であって、
(a)1つ以上の訓練タスク(t)をユーザ(2)に提示するためのユーザ出力インタフェース(3)と、
(b)各々の提示された訓練タスク(t)に対するユーザ(2)の応答を入力するためのユーザ入力インタフェース(4)と、
(c)ユーザ(2)によって入力された応答に基づきユーザ(2)の能力(p)を検出するための手段(5)と、
(d)検出されたユーザの能力(p)に対する報酬を提示するための手段(6)とを備え、
報酬は、ユーザ(2)によって応答が入力された訓練日(TD)に応じて、かつ、ユーザ(2)の年齢(A)に応じて選択される、訓練装置。
【請求項2】
報酬を提示するための手段(6)は、表示画面、オーディオスピーカ、接眼ディスプレイおよび仮想現実グーグルを含む請求項1に記載の訓練装置。
【請求項3】
ユーザ出力インタフェース(3)は、表示画面、オーディオスピーカ、接眼ディスプレイおよび仮想現実グーグルを含む請求項1に記載の訓練装置。
【請求項4】
ユーザ入力インタフェース(4)は、タッチ画面、キーボード、マウス、タッチパッド、スタイラス、カメラおよびマイクロホンを含む請求項1に記載の訓練装置。
【請求項5】
データネットワークに対するネットワークインタフェース(7)を有する請求項1に記載の訓練装置。
【請求項6】
データネットワーク(8)はインターネットである請求項5に記載の訓練装置。
【請求項7】
1人以上のユーザを訓練するための訓練システムであって、
(a)複数のコンテンツデータアイテム(CDI)を格納するためのコンテンツサーバ(9)と、
(b)データネットワーク(8)を介してコンテンツサーバ(9)へ接続されている、ユーザ(2)を訓練するための1つ以上の訓練装置(1)と、訓練装置(1)は1つ以上の訓練タスク(t)をユーザ(2)に提示し、提示された訓練タスク(t)に対するユーザ(2)の応答に基づきユーザ(2)の能力(p)を検出することと、
(c)ユーザ(2)の年齢(A)およびユーザ(2)の訓練の実行される訓練日(TD)に応じて、コンテンツサーバ(9)に格納されたコンテンツデータアイテムからコンテンツデータアイテム(CDI)を選択するための選択手段(5)と、
(d)検出されたユーザ(2)の能力(p)に対する報酬として、選択されたコンテンツデータアイテム(CDI)を提示するための提示手段(6)と、からなる訓練システム。
【請求項8】
1人以上のユーザを訓練するための訓練装置であって、
(a)1つ以上の訓練タスク(t)をユーザ(2)に提示するための手段(3)と、
(b)提示された訓練タスクに対するユーザ(2)の応答に基づきユーザの能力(p)を検出するための手段(5)と、
(c)検出されたユーザの能力(p)に応じて、選択された報酬をユーザ(2)に提示するための手段(6)と、各々の選択された報酬は、選択された報酬の制作日(PD)がユーザ(2)の若かったときの時間範囲内にあるように、ユーザ(2)の年齢(A)に基づき、格納された報酬から選択されることと、からなる訓練装置。
【請求項9】
時間範囲は調節可能である請求項8に記載の訓練装置。
【請求項10】
時間範囲はユーザ(2)の人生の15〜25年の期間を含む請求項1に記載の訓練装置。
【請求項11】
1人以上のユーザを訓練するための訓練方法であって、
(a)1つ以上の訓練タスク(t)をユーザ(2)に提示する工程と、
(b)ユーザ(2)の入力に応じてユーザ(2)の能力(p)を検出する工程と、
(c)検出されたユーザ(2)の能力(p)を得点化する工程と、
(d)得点化された能力(p)に応じて、選択された報酬をユーザ(2)に提示する工程と、
(e)提示される報酬は、訓練方法の実行される訓練日(TD)に応じて、かつ、ユーザ(2)の年齢(A)に応じて選択されることと、からなる訓練方法。
【請求項12】
選択される報酬の制作日(PD)は、ユーザ(2)の年齢(A)と、訓練方法の実行される訓練日(TD)とに応じて算出される請求項11に記載の訓練方法。
【請求項13】
選択される報酬の制作日(PD)は次のように算出される時間範囲内にある請求項12に記載の訓練方法。
制作日(PD)=訓練日(TD)−ユーザの年齢(A)+定数A±定数B
【請求項14】
定数Aは20年に調整され、定数Bは5年に調整される請求項13に記載の訓練方法。
【請求項15】
提示される訓練タスク(t)は知能タスクを含む請求項11に記載の訓練方法。
【請求項16】
提示される訓練タスク(t)は身体タスクを含む請求項11に記載の訓練方法。
【請求項17】
訓練セッション(TS)において幾つかの訓練タスク(t)が連続的にユーザ(2)へ提示される請求項1に記載の訓練方法。
【請求項18】
各々の提示された訓練タスク(t)に対するユーザ(2)の入力が監視される請求項17に記載の訓練方法。
【請求項19】
訓練セッション(TS)の各々の提示された訓練タスク(t)に対するユーザ(2)の能力(p)が検出され、ユーザ(2)の能力履歴(PH)に記憶される請求項18に記載の訓練方法。
【請求項20】
訓練セッション(TS)における次の訓練タスク(t)は、ユーザ(2)の記憶された能力履歴(PH)に応じて選択される請求項19に記載の訓練方法。
【請求項21】
ユーザ(2)の能力(p)の得点化は、検出されたユーザ(2)の能力(p)に応じてユーザ(2)に功績点(CP)を与えることによって実行される請求項11に記載の訓練方法。
【請求項22】
功績点(CP)は、検出されたユーザ(2)の能力(p)、ユーザ功績パラメータ(UCP)およびタスク功績パラメータ(TCP)に応じて与えられる請求項21に記載の訓練方法。
【請求項23】
ユーザ功績パラメータ(UCP)は、ユーザ(2)の年齢(A)、ユーザ(2)の知能
およびユーザ(2)の性別を含む請求項22に記載の訓練方法。
【請求項24】
タスク功績パラメータ(TCP)は、提示された訓練タスク(t)の種類、訓練タスク(t)の困難度、および訓練タスク(t)に対するユーザ(2)の能力履歴(PH)を含む請求項22に記載の訓練方法。
【請求項25】
報酬は収集可能なコンテンツデータアイテム(CDI)によって形成される請求項11に記載の訓練方法。
【請求項26】
コンテンツデータアイテム(CDI)は、コンテンツ識別情報、コンテンツ制作日、およびコンテンツデータを含む請求項25に記載の訓練方法。
【請求項27】
収集可能なコンテンツデータアイテム(CDI)は、コンテンツ種類、コンテンツ属性、コンテンツ評価属性、およびコンテンツシーケンス識別情報(SID)を含む請求項26に記載の訓練方法。
【請求項28】
コンテンツデータは、映像データ、音声データ、および画像データを含む請求項26に記載の訓練方法。
【請求項29】
訓練タスク(t)は、訓練タスク識別情報、訓練タスク種類、訓練タスク属性、訓練タスク評価属性、および訓練タスクデータを含む請求項11に記載の訓練方法。
【請求項30】
同じコンテンツ識別情報を有する複数の収集可能なコンテンツデータアイテム(CDI)は、完全なコンテンツファイルを組み立てるためにユーザ(2)によって収集される請求項25に記載の訓練方法。
【請求項31】
組み立てられたコンテンツファイルは、複数の収集されたコンテンツデータアイテム(CDI)を、複数のコンテンツデータアイテム(CDI)のそれぞれのコンテンツシーケンス識別情報(SID)の順序で含む請求項30に記載の訓練方法。
【請求項32】
ユーザの年齢(A)はユーザ(2)によって入力される請求項11に記載の訓練方法。
【請求項33】
ユーザの年齢(A)は訓練者によって入力される請求項11に記載の訓練方法。
【請求項34】
ユーザの年齢(A)はネットワーク(8)を介してユーザデータベースからダウンロードされる請求項11に記載の訓練方法。
【請求項35】
ユーザの年齢(A)は、メモリ(10)に格納されたユーザ(2)の能力(PH)と、コンテンツ・タスク評価履歴(CRH,TRH)とのうちの一方または両方から推定される請求項11に記載の訓練方法。
【請求項36】
報酬は品物によって形成される請求項11に記載の訓練方法。
【請求項37】
訓練タスク(t)は記憶訓練タスクによって形成される請求項11に記載の訓練方法。
【請求項38】
訓練タスク(t)は認知訓練タスクによって形成される請求項11に記載の訓練方法。
【請求項39】
訓練タスク(t)は聴覚訓練タスクによって形成される請求項11に記載の訓練方法。
【請求項40】
訓練タスク(t)は視覚訓練タスクによって形成される請求項11に記載の訓練方法。
【請求項41】
訓練タスク(t)は注意力訓練タスクによって形成される請求項11に記載の訓練方法。
【請求項42】
訓練タスク(t)はユーザに聴覚刺激を与えることを含む請求項11に記載の訓練方法。
【請求項43】
訓練タスク(t)は対象へ視覚刺激を与えることを含む請求項11に記載の訓練方法。
【請求項44】
コンテンツデータは映画のシーンを表示するムービークリップによって形成される請求項26に記載の訓練方法。
【請求項45】
1人以上のユーザを訓練するための訓練方法であって、
(a)訓練セッション(TS)においてユーザ(2)の訓練が実行される訓練日(TD)に応じて、かつ、ユーザ(2)の出生日(BD)に応じて報酬を選択する工程と、
(b)検出されたユーザ(2)の能力(p)に応じて、選択された報酬を提示する工程と、からなる訓練方法。
【請求項46】
各々の選択される報酬の制作日(PD)は次のように算出される時間範囲内にある請求項45に記載の訓練方法。
制作日(PD)=ユーザの出生日(BD)+C±C
(ここで、定数C、定数Cは、調節可能な時定数を形成する)
【請求項47】
ユーザ(2)の出生日(BD)および定数C,Cは、ユーザ(2)、訓練者によって入力されるか、またはネットワーク(8)を介してデータベースからダウンロードされる請求項46に記載の訓練方法。
【請求項48】
選択される報酬はネットワーク(8)を介してコンテンツサーバからダウンロードされる請求項45に記載の訓練方法。
【請求項49】
提示される報酬はデータ記憶媒体から入力される請求項45に記載の訓練方法。
【請求項50】
訓練タスクを実行するようにユーザの動機付けを行うための訓練方法であって、
(a)訓練タスク(t)をユーザ(2)に提示する工程と、
(b)訓練タスク(t)に対するユーザ(2)による応答を記録する工程と、
(c)訓練タスク(t)に対するユーザの能力(p)を得点化する工程と、
(d)得点化する工程(c)に基づき、コンテンツデータアイテム(CDI)を再生するか、またはユーザ(2)から取り上げる工程と、コンテンツデータアイテム(CDI)は、方法の実行される訓練日(TD)に応じて、かつ、ユーザ(2)の年齢(A)に応じて選択されることと、からなる訓練方法。
【請求項51】
得点化する工程(c)に基づき、コンテンツデータアイテム(CDI)の長さを増加させる工程を含む請求項50に記載の訓練方法。
【請求項52】
(i)工程(a)〜(d)を繰り返し、幾つかの異なる収集可能なコンテンツデータアイテム(CDI)をユーザ(2)に提供する工程と、
(ii)結合された複数の収集可能なコンテンツデータアイテムをユーザ(2)に提示する前に、同じ作品の2つ以上の収集可能なコンテンツデータアイテム(CDI)を結合する工程と、を含む請求項50に記載の訓練方法。
【請求項53】
訓練タスク(t)は1つ以上の質問を含み、同質問の主題およびコンテンツデータアイテムの主題は同じ歴史上の出来事、映画、歌または書籍から取られる請求項50に記載の訓練方法。
【請求項54】
ユーザの年齢は50歳を超える請求項50に記載の訓練方法。
【請求項55】
ユーザの知的能力を向上させるための訓練方法であって
(a)訓練タスク(t)をユーザ(2)に提示する工程と、
(b)提示された訓練タスク(t)に対するユーザ(2)の応答を記録する工程と、
(c)提示された訓練タスク(t)に対するユーザの能力(p)を得点化する工程と、
(d)得点化する工程(c)に基づき、コンテンツデータアイテム(CDI)を再生するか、またはユーザ(2)から取り上げる工程と、コンテンツデータアイテム(CDI)は、方法の実行される訓練日(TD)に応じて、かつ、ユーザ2の年齢(A)に応じて選択されることと、からなる訓練方法。
【請求項56】
ユーザは知的能力が低下していると診断される請求項55に記載の訓練方法。
【請求項57】
低下した知的能力は、アルツハイマー病、卒中、または頭部外傷による請求項56に記載の訓練方法。
【請求項58】
低下した知的能力は加齢によるものである請求項56に記載の訓練方法。
【請求項59】
ユーザ(2)の能力履歴(PH)を格納するための第1のメモリ(10)を備える請求項1に記載の訓練装置。
【請求項60】
ユーザ(2)によって蓄積される功績点(CP)を格納するための第2のメモリ(10)を備える請求項1に記載の訓練装置。
【請求項61】
ユーザ(2)のコンテンツ・タスク評価履歴(CRH、TRH)を格納するための第3のメモリ(10)を備える請求項1に記載の訓練装置。
【請求項62】
ユーザ功績パラメータ(UCP)を格納するための第4のメモリを備える請求項1に記載の訓練装置。
【請求項63】
ユーザ(2)によって応答が入力された訓練日(TD)に応じて、かつ、ユーザ(2)の年齢(A)に応じて報酬を事前に選択するための第1の選択手段と、
メモリに格納されたユーザパラメータデータとして格納されたユーザ(2)のプリファレンスに応じて、事前に選択された報酬から報酬を選択するための第2の選択手段と、を備える請求項1に記載の訓練装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−501583(P2009−501583A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521960(P2008−521960)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064370
【国際公開番号】WO2007/009990
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(508016756)
【氏名又は名称原語表記】SABEL,Bernhard A.
【Fターム(参考)】