説明

ユーザインタフェース装置及びプログラム

【課題】大量のコンテンツから少ない操作回数で素早くコンテンツを検索することのできるユーザインタフェース装置を得る。
【解決手段】操作情報生成手段102は、タッチパネル101のドラッグ操作の方向と速さに基づき、リストのスクロール操作情報と、リストの表示階層操作情報を生成する。自動スクロール制御手段103は、スクロール操作情報に基づいてリストのスクロール制御を行う。表示階層管理手段104は、表示階層操作情報に基づいてリストの表示階層を決定する。リスト表示手段107は、表示階層管理手段104で決定された階層のリストをディスプレイ108の画面上に表示すると共に、自動スクロール制御手段103による制御に基づいて表示されている階層のリストをスクロールさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カーナビゲーションシステムや携帯音楽プレーヤ等の電子機器におけるコンテンツ検索のためのユーザインタフェース装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電子機器におけるユーザインタフェース装置として、例えば、内蔵記録媒体に記録された音楽ファイル等のコンテンツを分類し、更にその分類を階層化することで、一分類あたりに含まれるコンテンツの数を、電子機器のユーザインタフェースでのリスト表示が可能な程度の数に抑えることにより、検索性を確保するようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
また、単一のリストが長い場合の検索性の向上策として、ユーザがスクロールの速さを指定可能な自動スクロール方式があった(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】米国特許第6928433号明細書
【特許文献2】特開2002−32170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のコンテンツ検索のためのユーザインタフェースにおいては、コンテンツの数が更に増えた場合、一分類あたりのコンテンツ数を抑えるために階層数を増加させることになる。その結果、階層間の移動のための操作回数が増加し、分類をまたいだコンテンツの検索性が悪化するという問題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、大量のコンテンツから少ない操作回数で素早くコンテンツを検索することのできるユーザインタフェース装置及びプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るユーザインタフェース装置は、入力機器へのドラッグ操作の方向と速さに基づき、リストのスクロール方向とスクロール速度を表すスクロール操作情報と、リストのどの階層を表示するかを表す表示階層操作情報を生成する操作情報生成手段と、スクロール操作情報に基づいて、リストのスクロール制御を行う自動スクロール制御手段と、表示階層操作情報に基づいて、リストの表示階層を決定する表示階層管理手段と、表示階層管理手段で決定された階層のリストを画面上に表示すると共に、自動スクロール制御手段による制御に基づいて表示されている階層のリストをスクロールさせるリスト表示手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明のユーザインタフェース装置は、ドラッグ操作の方向と速さに基づき、リストのスクロール方向およびスクロール速度と、リストの表示階層とを決定するようにしたので、大量のコンテンツから少ない操作回数で素早くコンテンツを検索することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース装置を示す構成図である。
図において、ユーザインタフェース装置は、タッチパネル101、操作情報生成手段102、自動スクロール制御手段103、表示階層管理手段104、記録媒体105、展開リスト管理手段106、リスト表示手段107、ディスプレイ108を備えている。また、記録媒体105には、コンテンツデータ109と階層管理データ110が格納されている。
【0009】
タッチパネル101は、ディスプレイ108の上面に設けられ、本装置のユーザが操作する入力機器であり、ユーザが表面を指やペンでタッチまたはドラッグすることにより、その押下位置を表す信号を送出する。操作情報生成手段102は、タッチパネル101からの信号を受け取り、タッチパネル101へのユーザの操作に応じて、スクロール操作情報および表示階層操作情報を生成し出力する。ドラッグ操作の場合は、画面表示されるリスト(これについては後述する)のスクロール方向と平行する座標軸におけるドラッグ操作の速度成分から、自動スクロールの速さと方向を計算し、その結果をスクロール操作情報として自動スクロール制御手段103に出力する。また、操作情報生成手段102は、リストのスクロール方向と直交する座標軸におけるドラッグ操作の距離と方向から、表示階層の移動方向と移動階層数を計算し、その結果を表示階層操作情報として表示階層管理手段104に出力する。ドラッグ速度が0の場合、即ち、単なるタッチ操作の場合は、自動スクロールを停止するために自動スクロールの速さを0としたスクロール操作情報を自動スクロール制御手段103に対して出力する。
【0010】
自動スクロール制御手段103は、操作情報生成手段102が生成したスクロール操作情報に基づきリストの自動スクロールの方向と速さを設定し、リストの自動スクロールを開始する制御をする。速さの設定が0の場合は自動スクロールを停止する。自動スクロール制御手段103は、自動スクロール実行中は、自動スクロールの速さに応じた周期で、リスト内画面表示位置の増加または減少をリスト表示手段107に要求する。
表示階層管理手段104は、操作情報生成手段102が生成した表示階層操作情報と現在の表示階層から新たな表示階層を決定し、新たな表示階層への移動をリスト表示手段107に要求する。
【0011】
記録媒体105は、コンテンツデータ109および階層管理データ110を記録する。
展開リスト管理手段106は、指定された表示階層に属する全てのコンテンツまたは分類の名称を、記録媒体105に記録されたコンテンツデータ109および階層管理データ110から取得し、取得した順に結合して単一のリストを生成し、リスト表示手段107に提供する。また、表示階層の変更の際には、リスト表示手段107が指定した現在表示中のリスト項目に対し、新たに表示する階層における、指定リスト項目を含む上位階層のリスト項目、または指定リスト項目が含む下位階層のリスト項目を、記録媒体105に記録された階層管理データ110を検索して取得し、リスト表示手段107に通知する。
リスト表示手段107は、表示階層の展開リストを展開リスト管理手段106から取得し、リスト内画面表示位置から画面に表示するリスト項目を決定し、リストを表示する。
ディスプレイ108はリスト表示手段107が表示したリストを物理的に可視化し、ユーザに提示する。
【0012】
記録媒体105に格納されるコンテンツデータ109は、音楽や写真、動画像等のデータであり、コンテンツ名の情報を含む。また、階層管理データ110は、コンテンツデータの分類と、分類間の階層関係のデータであり、分類名の情報を含む。
【0013】
図2の(a)は、実施の形態1によるユーザインタフェース装置の動作を示すフローチャートである。
ユーザインタフェース装置が起動すると、タッチパネル操作待ちステップ(ST201)に進む。タッチパネル操作待ちステップ(ST201)は、タッチパネルが操作されるまで待つ処理である。タッチパネルが操作されると次のステップ(操作判定ステップ(ST202))に進む。
操作判定ステップ(ST202)では、タッチパネルの操作の種類を判定する。ドラッグ操作の場合とタッチ操作の場合について、それぞれ次のステップに進む。即ち、ドラッグ操作の場合は表示階層移動処理ステップ(ST203)へ、また、タッチ操作の場合は自動スクロール停止処理ステップ(ST206)に進む。
【0014】
表示階層移動処理ステップ(ST203)では、操作情報生成手段102は、タッチパネル101からの信号を受け取り、リストのスクロール方向と直交する座標軸におけるドラッグ操作の距離と方向から、表示階層の移動方向と移動階層数を計算し、その結果を表示階層操作情報として出力する。表示階層管理手段104は、操作情報生成手段102が生成した表示階層操作情報と現在の表示階層から新たな表示階層を決定し、新たな表示階層への移動をリスト表示手段107に要求する。
【0015】
自動スクロール速度変更処理ステップ(ST204)では、操作情報生成手段102は、タッチパネル101からの信号を受け取り、リストのスクロール方向と平行する座標軸におけるドラッグ操作の速度成分から、自動スクロールの速さと方向を計算し、その結果をスクロール操作情報として出力する。自動スクロール制御手段103は、操作情報生成手段102が生成したスクロール操作情報に基づき、リストの自動スクロールの方向と速さを設定し、リストの自動スクロールの制御を開始する。自動スクロール制御手段103は、自動スクロールの実行が開始されると、図2の(b)に示した自動スクロールの制御処理を、本フローチャートの処理と並行して実行する。自動スクロールの速さは、スクロール周期を変化させることにより調節する。スクロール周期は1項目分のスクロールを一定周期で行う際の時間間隔である。スクロール周期を短くすると自動スクロールの速さは速くなり、スクロール周期を長くすると自動スクロールの速さは遅くなる。
【0016】
リスト表示処理ステップ(ST205)では、リスト表示手段107は、リスト内画面表示位置から画面に表示するリスト項目を決定し、リストを表示する。リスト表示手段107は、表示階層の移動要求を受けている場合は、移動先階層の展開リストを展開リスト管理手段106に要求する。展開リスト管理手段106は、移動先階層に属する全てのコンテンツまたは分類の名称を、記録媒体105に記録されたコンテンツデータ109および階層管理データ110から取得し、取得した順に結合して単一のリストを生成し、リスト表示手段107に提供する。また、リスト表示手段107は、画面の先頭に表示しているリスト項目を指定して、移動先階層において画面の先頭に表示すべきリスト項目の検索を、展開リスト管理手段106に要求する。展開リスト管理手段106は、リスト表示手段107が指定したリスト項目に対し、移動先階層が現表示階層より上位の場合は当該リスト項目を含む移動先階層のリスト項目を、また、移動先階層が現表示階層より下位の場合は当該リスト項目が含む移動先階層の複数のリスト項目のうち展開リストにおいて先頭にくるリスト項目を、記録媒体105に記録された階層管理データ110を検索して取得し、リスト表示手段107に通知する。移動先階層の展開リストおよび先頭リスト項目を取得したリスト表示手段107は、先頭リスト項目をリスト内画面表示位置に設定し、リスト内画面表示位置から画面に表示するリスト項目を決定し、リストをディスプレイ108の画面に表示する。
【0017】
自動スクロール停止処理ステップ(ST206)では、自動スクロール制御手段103は、自動スクロールを実行中であった場合には停止中に遷移する。
【0018】
次に、図2の(b)で示す自動スクロール制御手段103の動作を説明する。
自動スクロール制御手段103では、自動スクロールが開始されると、スクロール周期待ちステップ(ST211)に進む。このスクロール周期待ちステップ(ST211)では、最初にスクロール周期の時間を計測するタイマを起動し、スクロール周期の時間が経過してタイマが動作した時点でタイマを停止して次のステップ(自動スクロール実行中判定ステップ(ST212))に進む。
自動スクロール実行中判定ステップ(ST212)では、自動スクロールの実行状態を判定する。実行中の場合は次の表示位置移動処理ステップ(ST213)に進む。停止中の場合は自動スクロールの処理を終了する。表示位置移動処理ステップ(ST213)では、自動スクロール制御手段103は、設定された自動スクロール方向に従い、リスト内画面表示位置を1項目分増加または減少させ、新しいリスト内画面表示位置として設定する。次ステップのリスト表示処理ステップ(ST205)は、図2(a)のリスト表示処理ステップ(ST205)と同様である。
【0019】
図3は、本発明の実施の形態1によるユーザインタフェース画面の構成例である。
ユーザインタフェース画面301は、ディスプレイ108で表示される画面であり、画面左上を原点(0,0)とし、画面右方向にX軸、画面下方向にY軸をとる。リストは画面上下方向(Y軸に平行)にスクロールする。リストの先頭の項目は画面の上方向に、リストの末尾の項目は画面の下方向に配置される。画面には同時に4個のリスト項目が表示される。一番上に表示されるリスト項目303は階層移動の基準となる項目であり、基準リスト項目として他のリスト項目と識別できるよう強調表示されている(図3中、太枠で示す)。尚、ここでは一番上のリスト項目を階層遷移の基準リスト項目としているが、他のリスト項目の位置であってもよい。リスト項目の総数が4個より多い場合は全てのリスト項目を画面に表示できないが、スクロールバー302を参照することで、リスト全体のどの部分が画面に表示されているかを把握できる。
【0020】
次に、図3を用いて操作情報生成手段102でのスクロール操作情報の計算例を説明する。
ドラッグ操作が画面に重ねられたタッチパネル101上の座標(x1,y1)から座標(x2,y2)にt秒間かけて行われた場合に、
リストのスクロール方向と平行なY軸におけるドラッグ操作の速度をv=(y2−y1)/t[ピクセル/秒]とする。また、画面上のリスト項目の間隔をd[ピクセル]とした場合に、リストをスクロールする速度をV=−a・v/d[項目/秒]と求める。ここで、aは係数であり、a=1のとき、画面をドラッグした速さとリストの自動スクロールの速さが一致するため、ドラッグ操作によりリストを直接スクロールさせているような操作感を得られる。
尚、Vが正の数の場合には正方向の自動スクロールを表し、リストの末尾に近い項目を表示する方向にスクロールする。Vが負の数の場合には負方向の自動スクロールを表し、リストの先頭に近い項目を表示する方向にスクロールする。また、ドラッグ操作でY方向の移動がない場合(X方向への移動のみの場合)は、スクロール速度の調整は行わない。
【0021】
次に、図3を用いて操作情報生成手段102での表示階層操作情報の計算例を説明する。
ドラッグ操作が画面に重ねられたタッチパネル上の座標(x1,y1)から座標(x2,y2)に行われた場合に、
リストのスクロール方向と直交するX軸におけるドラッグ操作の距離をs=x2−x1[ピクセル]とし、移動する階層の数をlevel=s/b[個]と求める。但し、levelは整数であり、小数点以下は切り捨てる。ここで、bは1階層移動するためにドラッグしなければならない距離である。bの値の設定例としては、初期値を100ピクセルとし、ユーザが変更可能としてもよい。尚、levelが正の数の場合には階層を降りる方向への移動を表し、コンテンツに近い階層に移動する。levelが負の数の場合には階層を昇る方向への移動を表し、最上位(Root)に近い階層に移動する。
【0022】
このように、実施の形態1では、以下の操作を行うことによりスクロール速度を変更する。一方、以下の操作以外ではそれまでのスクロール速度を維持する。
・画面をタッチされたらスクロールを止める。
・画面をドラッグされた場合に、ドラッグ開始地点からドラッグ終了地点までのY軸方向の移動距離が0以外の場合は、その距離に応じた(比例した)速さと方向にスクロール速度を調整する(Y軸方向の移動距離が0の場合はスクロール速度を調整しない)。
【0023】
次に、実際にデータの例を挙げて展開リストの表示について説明する。
図4は、コンテンツデータとその階層構造の例を示した図である。
階層0はツリー構造におけるルートノードであり、ユーザインタフェース画面には表示されない。階層1にはこの例では9個の分類があり、名前はそれぞれ”Cat1”から”Cat9”である。階層2にも分類があり、名前は”Cat11”から”Cat18”、”Cat21”から”Cat24”、”Cat91”から”Cat98”等である。階層3にはコンテンツがあり、名前は”Song111”から”Song118”、”Song121”、”Song122”、”Song123”、”Song181”、”Song182”、”Song211”から”Song217”等である。
【0024】
図5は、一画面に4個の項目を表示するリストの画面例である。画面501は、表示階層は図4で示した階層1であり、階層1に含まれる9個の分類のうち、4個の分類がリスト項目として表示されている。画面502は、画面501と同じリスト画面例において、表示階層を階層3とした場合の表示例である。階層3に含まれるコンテンツのうち、”Song117”から連続する4個のコンテンツがリスト項目として表示されている。
【0025】
図6は、自動スクロール実行中の画面変化の例を示した図である。画面601で左上から右下にドラッグすると、1階層の下降と負方向の自動スクロールが行われる。即ち、上述した図2(a),(b)のフローチャートに示した表示階層移動処理と自動スクロール処理が行われる。このとき階層移動の基準となるリスト項目は”Cat21”である。画面602は1階層の下降が行われた状態である。”Cat21”に含まれるコンテンツのうち先頭のコンテンツが新たに基準リスト項目の位置に表示される。画面603は画面602から1項目分の自動スクロールが行われた状態である。画面604は画面603から1項目分の自動スクロールが行われた状態である。ここで右から左にドラッグすると、1階層の上昇が行われる。このとき階層移動の基準は”Song181”である。即ち、このドラッグ操作は、levelが負の数であるため階層を昇る方向への移動であり、また、Y軸方向への移動量が0であるため、自動スクロール速度の変更はなく、それまでのスクロール速度を継続する。
【0026】
画面605は1階層の上昇が行われた状態である。”Song181”を含む分類”Cat18”が新たに基準リスト項目の位置に表示される。画面606は画面605から1項目分の自動スクロールが行われた状態である。画面607は画面606から1項目分の自動スクロールが行われた状態である。ここで画面をタッチすると、自動スクロールが停止する。画面608は自動スクロールが停止した状態である。
【0027】
また、操作情報生成手段102は、リストのスクロール方向と平行する方向のドラッグ操作の終了地点(x,y)において、座標値xからlevel=(W−x)/(W/TS)として求めた階層levelを表示階層操作情報として出力し、表示階層管理手段104はこの階層levelを表示階層として使用する構成としてもよい。但し、levelは整数であり、小数点以下は切り捨てる。ここで、Wは画面横方向のピクセル数を表す定数である。また、TSは階層の数であり、図4の例では階層0を除く3[階層]になる。
【0028】
また、操作情報生成手段102は、リストのスクロール方向とは独立に、受け取るドラッグ操作の方向を設定可能な構成としてもよい。即ち、上記例では、リストのスクロール方向とドラッグさせる方向とを同じとしたが、これらの方向を独立して設定してもよい。例えば、図7に示すように、表示階層を変化させる軸を円の半径方向に、スクロール速度を変化させる軸を円周方向にとる、といった構成であってもよい。
【0029】
このように表示階層の移動と自動スクロールを一回のドラッグで指示できるため、少ない操作回数で素早くコンテンツを検索できる。また、表示階層の移動と自動スクロールの指示操作を直交した軸に対応付けることで、コンテンツの検索をドラッグ操作のみで行うことができるため、操作性が向上する。
【0030】
以上のように、実施の形態1のユーザインタフェース装置によれば、画面上に、階層構成のリストにおけるいずれかの階層のリストを表示させるユーザインタフェース装置であって、表示されたリストに対する入力機器へのドラッグ操作を受けて、ドラッグ操作の方向と速さに基づき、リストのスクロール方向とスクロール速度を表すスクロール操作情報と、リストのどの階層を表示するかを表す表示階層操作情報を生成する操作情報生成手段と、スクロール操作情報に基づいて、リストのスクロール制御を行う自動スクロール制御手段と、表示階層操作情報に基づいて、リストの表示階層を決定する表示階層管理手段と、表示階層管理手段で決定された階層のリストを画面上に表示すると共に、自動スクロール制御手段による制御に基づいて表示されている階層のリストをスクロールさせるリスト表示手段とを備えたので、表示階層の移動と自動スクロールを一回のドラッグで指示できるため、大量のコンテンツから少ない操作回数で素早くコンテンツを検索することができる。また、コンテンツの検索をドラッグ操作のみで行うことができるため、操作性を向上させることができる。
【0031】
また、実施の形態1のユーザインタフェース装置によれば、操作情報生成手段は、表示されるリストのスクロール方向と平行な方向へのドラッグ操作からスクロール操作情報を求め、スクロール方向とは直交する方向へのドラッグ操作から表示階層操作情報を求めるようにしたので、ドラッグ操作によりリストを直接スクロールさせているような操作感が得られ、かつ、表示階層を直接指定できるため、表示階層移動の操作回数を削減することができ、更に操作性を向上させることができる。
【0032】
また、実施の形態1のユーザインタフェース装置によれば、操作情報生成手段は、表示されるリストのスクロール方向とは独立して、ドラッグ操作におけるスクロール方向とスクロール速度を検出するようにしたので、例えば、画面形状や入力機器の解像度、ユーザインタフェース画面のレイアウト等の制約がある場合でも、自由な設定が可能で、大量のコンテンツから少ない操作回数で素早くコンテンツを検索することができると共に、操作性を向上させることができる。
【0033】
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2によるユーザインタフェース装置を示す構成図である。
実施の形態2では、実施の形態1の自動スクロール制御手段103の代わりに自動可変速スクロール制御手段801を、また、実施の形態1の表示階層管理手段104の代わりに表示階層管理・変更通知手段802をそれぞれ設ける。自動可変速スクロール制御手段801は、自動スクロール制御手段103の機能に加え、自動スクロール実行中は、表示階層管理・変更通知手段802からの表示階層変更通知を受け、表示階層の上昇時にはスクロールの速さを遅くし、表示階層の下降時にはスクロールの速さを速くする。表示階層変更時におけるスクロールの速さをどの程度変化させるかは、例えば、次のように決定する。
表示階層変更前のスクロール速度:V0[項目/秒]
表示階層変更前の階層におけるリストの項目数:N0[項目]
表示階層変更後の階層におけるリストの項目数:Nnew[項目]
表示階層変更後のスクロール速度Vnew=(Nnew/N0)*V0[項目/秒]
【0034】
また、表示階層管理・変更通知手段802は、実施の形態1の表示階層管理手段104の機能に加え、表示階層の変更時に、自動可変速スクロール制御手段801に表示階層の変更を通知する。その他の構成および動作は、実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0035】
このように、表示階層の移動時に自動スクロールの速度を変更することで、単位時間当たりにスクロールされるコンテンツの数がなだらかに変化するため、表示階層の変更をユーザが理解しやすくなる。
【0036】
以上のように、実施の形態2のユーザインタフェース装置によれば、画面上に、階層構成のリストにおけるいずれかの階層のリストを表示させるユーザインタフェース装置であって、表示されたリストに対する入力機器へのドラッグ操作を受けて、ドラッグ操作の方向と速さに基づき、リストのスクロール方向とスクロール速度を表すスクロール操作情報と、リストのどの階層を表示するかを表す表示階層操作情報を生成する操作情報生成手段と、表示階層操作情報に基づいて、リストの表示階層を決定すると共に、決定した表示階層を出力する表示階層管理・変更通知手段と、スクロール操作情報に基づいて、リストのスクロール制御を行うと共に、表示階層管理・変更通知手段から通知された表示階層に基づいて、表示階層の上昇または下降に応じたスクロール速度に制御する自動可変速スクロール制御手段と、表示階層管理・変更通知手段で決定された階層のリストを画面上に表示すると共に、自動可変速スクロール制御手段による制御に基づいて表示されている階層のリストをスクロールさせるリスト表示手段とを備えたので、表示階層の変更時に、単位時間当たりにスクロールされるコンテンツの数を段階的に変化させることで、表示階層の変更をユーザが理解し易くなり、更に操作性を向上させることができる。
【0037】
実施の形態3.
実施の形態3は、ユーザインタフェース装置をコンピュータで実現する場合の構成を示すものである。
図9は、本発明の実施の形態3によるユーザインタフェース装置を実現するためのプログラムを動作させる計算機システムを示す構成図である。
図示の計算機システムは、タッチパネル101、タッチパネルコントローラ902、CPU903、フラッシュメモリ904、メモリ905、ディスプレイコントローラ906、ディスプレイ108を備えている。ここで、タッチパネル101およびディスプレイ108は、実施の形態1,2におけるタッチパネル101およびディスプレイ108と同様の構成である。
【0038】
タッチパネル101への入力操作は、操作信号としてタッチパネルコントローラ902に伝えられる。タッチパネルコントローラ902は、タッチパネル101の操作信号をCPU903から読み出し可能なデータに変換する。CPU903は、プログラムをフラッシュメモリ904から読み出し、メモリ905上に配置して実行する。フラッシュメモリ904は、プログラム、コンテンツデータおよび階層管理データを記録する。メモリ905は、プログラム、データおよび画面ビットマップデータを保持する。ディスプレイコントローラ906は、メモリ905上の画面ビットマップデータをディスプレイ108に出力する。ディスプレイ108は、ディスプレイコントローラ906の制御に従い画面ビットマップデータを表示する。
【0039】
ここで、実施の形態1における操作情報生成手段102〜リスト表示手段107は、それぞれの機能に対応したプログラムがフラッシュメモリ904に格納され、CPU903がこれらプログラムを読み出してメモリ905上に展開し、実行することで実現されるものである。また、実施の形態1におけるコンテンツデータ109や階層管理データ110は、フラッシュメモリ904に格納されている。更に、実施の形態2における自動可変速スクロール制御手段801および表示階層管理・変更通知手段802も、これらの機能に対応したプログラムがフラッシュメモリ904に格納され、CPU903によって実行されることで実現されるものである。
【0040】
以上のように、実施の形態3のユーザインタフェース装置のプログラムによれば、画面上に、階層構造のリストにおけるいずれかの階層のリストを表示させるユーザインタフェース装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、表示されたリストに対する入力機器へのドラッグ操作を受けて、ドラッグ操作の方向と速さに基づき、リストのスクロール方向とスクロール速度を表すスクロール操作情報と、リストのどの階層を表示するかを表す表示階層操作情報を生成する操作情報生成手段と、スクロール操作情報に基づいて、リストのスクロール制御を行う自動スクロール制御手段と、表示階層操作情報に基づいて、リストの表示階層を決定する表示階層管理手段と、表示階層管理手段で決定された階層のリストを画面上に表示すると共に、自動スクロール制御手段による制御に基づいて表示されている階層のリストをスクロールさせるリスト表示手段としてコンピュータを機能させるようにしたので、大量のコンテンツから少ない操作回数で素早くコンテンツを検索することのできるユーザインタフェース装置をコンピュータ上に実現させることができる。
【0041】
尚、上記実施の形態1〜3では、表示されているリストに対する入力機器として、ディスプレイ108上に設けたタッチパネル101としたが、これに限定されるものではなく、ディスプレイ108の画面上とは別の位置に設けられた、例えば、タブレットといった入力機器であっても同様に適用可能である。
【0042】
尚、上記実施の形態3では、実施の形態1,2における各構成をプログラムを用いて構成したが、実施の形態1における操作情報生成手段102〜展開リスト管理手段106や、実施の形態2の自動可変速スクロール制御手段801と表示階層管理・変更通知手段802を専用のハードウェアで構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース装画面の構成例を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース装置のコンテンツデータとその階層構造を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース装置のリストの画面例を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース装置の自動スクロール実行中の画面変化の例を示す説明図である。
【図7】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース装置のドラッグ操作における他の例を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態2によるユーザインタフェース装置を示す構成図である。
【図9】この発明の実施の形態3によるユーザインタフェース装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0044】
101 タッチパネル、102 操作情報生成手段、103 自動スクロール制御手段、104 表示階層管理手段、107 リスト表示手段、108 ディスプレイ、109 コンテンツデータ、110 階層管理データ、801 自動可変速スクロール制御手段、802 表示階層管理・変更通知手段、902 タッチパネルコントローラ、903 CPU、904 フラッシュメモリ、905 メモリ、906 ディスプレイコントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に、階層構成のリストにおけるいずれかの階層のリストを表示させるユーザインタフェース装置であって、
前記表示されたリストに対する入力機器へのドラッグ操作を受けて、当該ドラッグ操作の方向と速さに基づき、前記リストのスクロール方向とスクロール速度を表すスクロール操作情報と、前記リストのどの階層を表示するかを表す表示階層操作情報を生成する操作情報生成手段と、
前記スクロール操作情報に基づいて、前記リストのスクロール制御を行う自動スクロール制御手段と、
前記表示階層操作情報に基づいて、前記リストの表示階層を決定する表示階層管理手段と、
前記表示階層管理手段で決定された階層のリストを前記画面上に表示すると共に、前記自動スクロール制御手段による制御に基づいて前記表示されている階層のリストをスクロールさせるリスト表示手段とを備えたユーザインタフェース装置。
【請求項2】
操作情報生成手段は、表示されるリストのスクロール方向と平行な方向へのドラッグ操作からスクロール操作情報を求め、前記スクロール方向とは直交する方向へのドラッグ操作から表示階層操作情報を求めることを特徴とする請求項1記載のユーザインタフェース装置。
【請求項3】
操作情報生成手段は、表示されるリストのスクロール方向とは独立して、ドラッグ操作におけるスクロール方向とスクロール速度を検出することを特徴とする請求項1記載のユーザインタフェース装置。
【請求項4】
画面上に、階層構成のリストにおけるいずれかの階層のリストを表示させるユーザインタフェース装置であって、
前記表示されたリストに対する入力機器へのドラッグ操作を受けて、当該ドラッグ操作の方向と速さに基づき、前記リストのスクロール方向とスクロール速度を表すスクロール操作情報と、前記リストのどの階層を表示するかを表す表示階層操作情報を生成する操作情報生成手段と、
前記表示階層操作情報に基づいて、前記リストの表示階層を決定すると共に、当該決定した表示階層を出力する表示階層管理・変更通知手段と、
前記スクロール操作情報に基づいて、前記リストのスクロール制御を行うと共に、前記表示階層管理・変更通知手段から通知された表示階層に基づいて、表示階層の上昇または下降に応じたスクロール速度に制御する自動可変速スクロール制御手段と、
前記表示階層管理・変更通知手段で決定された階層のリストを前記画面上に表示すると共に、前記自動可変速スクロール制御手段による制御に基づいて前記表示されている階層のリストをスクロールさせるリスト表示手段とを備えたユーザインタフェース装置。
【請求項5】
画面上に、階層構造のリストにおけるいずれかの階層のリストを表示させるユーザインタフェース装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記表示されたリストに対する入力機器へのドラッグ操作を受けて、当該ドラッグ操作の方向と速さに基づき、前記リストのスクロール方向とスクロール速度を表すスクロール操作情報と、前記リストのどの階層を表示するかを表す表示階層操作情報を生成する操作情報生成手段と、
前記スクロール操作情報に基づいて、前記リストのスクロール制御を行う自動スクロール制御手段と、
前記表示階層操作情報に基づいて、前記リストの表示階層を決定する表示階層管理手段と、
前記表示階層管理手段で決定された階層のリストを前記画面上に表示すると共に、前記自動スクロール制御手段による制御に基づいて前記表示されている階層のリストをスクロールさせるリスト表示手段としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−259163(P2009−259163A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110335(P2008−110335)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】