ユーザインタフェース設計装置
【課題】部品化開発中に、容易かつ直感的にUI部品毎の統計情報を把握することのできるユーザインタフェース設計装置を得る。
【解決手段】基本表示部品情報格納部106には基本表示部品の統計情報を示す基本表示部品情報が格納される。複合表示部品情報格納部107には複合表示部品の統計情報を示す複合表示部品情報が格納される。合成情報選択部110は、複合表示部品編集部102で編集される基本表示部品または複合表示部品に対応した基本表示部品情報または複合表示部品情報を選択する。UI部品情報合成部109は、基本表示部品または複合表示部品に対して、合成情報選択部110で選択した基本表示部品情報または複合表示部品情報を合成して表示装置111で表示させる。
【解決手段】基本表示部品情報格納部106には基本表示部品の統計情報を示す基本表示部品情報が格納される。複合表示部品情報格納部107には複合表示部品の統計情報を示す複合表示部品情報が格納される。合成情報選択部110は、複合表示部品編集部102で編集される基本表示部品または複合表示部品に対応した基本表示部品情報または複合表示部品情報を選択する。UI部品情報合成部109は、基本表示部品または複合表示部品に対して、合成情報選択部110で選択した基本表示部品情報または複合表示部品情報を合成して表示装置111で表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、組み込み機器のユーザインタフェース(UI)を設計するユーザインタフェース設計装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザインタフェース設計装置においては、複数のUI部品を組み合わせて新たにUI部品を作成しながら(部品化)、階層的に画面を構築することがある。このような方法で、複数の開発者が並行して部品化を行うような場合、他の開発者が作成したUI部品を利用して、新たな部品化を行う場合も発生する。組み込み機器においては、メモリやCPUなどのリソースの使用をできるだけ低く抑える必要があるため、UI部品作成時にもできるだけ作成するUI部品のリソース使用量に気を配ることが重要であるが、他者の作成したUI部品に関しては内容を熟知していないため、例えばメモリ使用量の大きなUI部品を多数利用して新たなUI部品を作成していくと、階層を重ねる毎に、知らず知らずに膨大なメモリを消費する画面を構築してしまう可能性がある。そのようなことを防ぐため、部品化段階でリソースの使用量を可視化して把握を容易にし、リソースの消費の大きなUI部品は使用しない、もしくはそのUI部品の再構成を促す必要がある。
【0003】
従来、このようなユーザインタフェース設計装置としては、例えば特許文献1に記載された装置では、基本表示部品を組み合わせて複合表示部品を作成することで、部品化を行いながら階層的に設計を行うことを可能にしている。また、例えば特許文献2に記載されているような装置では、パフォーマンスモニタ上で、プロセス毎のリソース使用量等をグラフ等の図形表現によって可視化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3881179号公報
【特許文献2】特許第2553307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の特許文献1に記載されているようなユーザインタフェース設計装置において、特許文献2に記載されているようなグラフ等の図形表現によって可視化する技術を適用することを考えた場合、リソース使用量の表示のために、新たな情報表示ウィンドウを表示して、情報表示ウィンドウ上でUI部品毎のリソース使用量をグラフ等に可視化することになる。そのため、UI部品の開発者が、自分が現在行っている部品化開発で利用しているUI部品のリソース使用量を確認するためには、部品化開発を行っている編集ウィンドウと、情報表示ウィンドウを見比べることが必要であり、リソース使用量を確認したいUI部品と、そのリソース使用量とを対応づけることが煩雑であるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、部品化開発中に、容易かつ直感的にUI部品毎のリソース使用量といった統計情報を把握することのできるユーザインタフェース設計装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るユーザインタフェース設計装置は、設計対象装置のユーザインタフェースとなる画面表示用の部品として予め設計された基本表示部品と、単一または複数の基本表示部品で作成される複合表示部品、または作成された複合表示部品と基本表示部品のどちらか一方を含んで作成されるか、それぞれ単一または複数組み合わせて作成される新たな複合表示部品とをUI部品として格納するUI部品格納部と、単一または複数のUI部品を配置することで複合表示部品を作成する複合表示部品編集部と、基本表示部品と複合表示部品の設計対象装置における統計情報を示す基本表示部品情報と複合表示部品情報を格納するUI部品情報格納部と、UI部品格納部にUI部品が格納された場合、UI部品に対応した基本表示部品情報または複合表示部品情報を計算してUI部品情報格納部に格納するUI部品情報計算部と、複合表示部品編集部上のUI部品の表示属性を設定する表示属性設定部と、基本表示部品情報および複合表示部品情報から、複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対応した基本表示部品情報または複合表示部品情報を選択する合成情報選択部と、複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対して、合成情報選択部で選択した基本表示部品情報または複合表示部品情報を合成して表示させるための表示データを生成するUI部品情報合成部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明のユーザインタフェース設計装置は、複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対して、その統計情報を示す基本表示部品情報または複合表示部品情報を合成して表示させるようにしたので、部品化開発中に、容易かつ直感的にUI部品毎のリソース使用量といった統計情報を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース設計装置を示す構成図である。
【図2】この発明のユーザインタフェース設計装置のハードウェア構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース設計装置の部品化のイメージを示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース設計装置の基本表示部品に対応するクラスの例を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース設計装置の基本表示部品情報格納部のデータ例を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態2によるユーザインタフェース設計装置のUI部品へのUI部品情報の合成方法の例を示す説明図である。
【図7】この発明の実施の形態2によるユーザインタフェース設計装置の複合表示部品編集部における表示の一例を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態2によるユーザインタフェース設計装置のUI部品へのUI部品情報の合成の際の計算方法の例を示すための説明図である。
【図9】この発明の実施の形態3によるユーザインタフェース設計装置を示す構成図である。
【図10】この発明の実施の形態3によるユーザインタフェース設計装置の状態つき複合表示部品編集部における編集の流れを示す説明図である。
【図11】この発明の実施の形態4によるユーザインタフェース設計装置を示す構成図である。
【図12】この発明の実施の形態4によるユーザインタフェース設計装置の状態つき複合表示部品編集部における表示の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース設計装置を示す構成図である。
図1に示すユーザインタフェース設計装置は、表示属性設定部101、複合表示部品編集部102、基本表示部品格納部103と複合表示部品格納部104からなるUI部品格納部105、基本表示部品情報格納部106と複合表示部品情報格納部107とからなるUI部品情報格納部108、UI部品情報合成部109、合成情報選択部110、表示装置111、UI部品情報計算部112を備えている。
【0011】
表示属性設定部101は、複合表示部品編集部102上でUI部品の表示属性を設定する機能部である。複合表示部品編集部102は、基本表示部品格納部103に格納されている単一または複数の基本表示部品を配置して複合表示部品を作成し、これを複合表示部品格納部104に格納する機能を有している。また、複合表示部品編集部102では、表示属性設定部101によって、配置されたUI部品に対してサイズや色といった表示属性が設定され、UI部品の表示に反映される。さらに、複合表示部品編集部102は、単一または複数の複合表示部品と単一または複数の基本表示部品とを任意に組み合わせて、新たな複合表示部品を作成することも可能であり、階層的に部品化を行うことができる(例えば、後述する図3参照)。また、単一の複合表示部品に対して表示属性を設定して新たな複合表示部品を作成するといったことも可能である。このように、複合表示部品としては、単一または複数の基本表示部品で作成される複合表示部品、または作成された複合表示部品と基本表示部品のどちらか一方を含んで作成されるか、それぞれ単一または複数組み合わせて作成される新たな複合表示部品を含むものである。
【0012】
UI部品格納部105における基本表示部品格納部103は、設計対象装置のユーザインタフェースとなる画面表示用の部品として予め設計された基本表示部品の格納部である。また、UI部品格納部105における複合表示部品格納部104は、複合表示部品編集部102によって作成された複合表示部品の格納部である。尚、基本表示部品と複合表示部品のいずれか一方または両方を合わせてUI部品と呼ぶ。
【0013】
UI部品情報格納部108における基本表示部品情報格納部106は、基本部品に関連する情報のうち、設計対象装置のユーザインタフェース上で、その基本部品の表示に利用されないUI部品情報の格納部であり、基本表示部品格納部103に格納された基本表示部品毎のUI部品情報が格納されている。ここで、UI部品情報とは、典型的にはメモリ使用量や描画処理時間等のUI部品毎のリソース使用量といった統計情報である。また、UI部品情報格納部108における複合表示部品情報格納部107は、UI部品情報計算部112で計算された複合表示部品に関して、設計対象装置のユーザインタフェース上で、UI部品の表示に利用されないUI部品情報を格納するものであり、複合表示部品格納部104に格納された複合表示部品毎のUI部品情報が格納されている。尚、基本表示部品情報と複合表示部品情報のいずれか一方または両方を合わせてUI部品情報と呼ぶ。
【0014】
UI部品情報合成部109は、複合表示部品編集部102で編集されたUI部品と、合成情報選択部110で選択されたUI部品情報とを合成し、可視化データとして表示装置111に出力する機能部である。合成情報選択部110は、UI部品情報格納部108から、複合表示部品編集部102で編集されたUI部品に対応したUI部品情報を合成情報として選択する機能部である。表示装置111は、UI部品にUI部品情報を合成して表示するための表示装置である。このように、UI部品情報合成部109によって、選択されたUI部品情報と表示属性設定部101によって設定された属性値を持つUI部品とが合成され、表示装置111上で表示される。
【0015】
UI部品情報計算部112は、UI部品格納部105に新たなUI部品が格納された場合にそのUI部品情報を計算してUI部品情報格納部108に格納する機能部である。
【0016】
図2は、このユーザインタフェース装置を実現するハードウェア構成の一例を示す図であり、パーソナルコンピュータ(PC)での構成例である。
UI部品格納部105および内包される基本表示部品格納部103、複合表示部品格納部104、UI部品情報格納部108および内包される基本表示部品情報格納部106、複合表示部品情報格納部107は、PC本体201のRAMやハードディスクなどの記憶装置203で実現されている。また、表示属性設定部101、複合表示部品編集部102、UI部品情報合成部109、合成情報選択部110、UI部品情報計算部112は、PC本体201の処理装置202でプログラムを実行することで実現される。即ち、これらの機能部は、それぞれの機能に対応したソフトウェアとこれを実行するためのCPU等のハードウェアから実現されている。さらに、キーボード206、マウス205といった入力装置によって本ユーザインタフェース設計装置における編集作業が行われる。モニタ204といった表示装置111によって、編集作業を行う画面が出力される。尚、入力装置としては、出力/入力のどちらも行えるタッチパネルなどであってもよい。
【0017】
次に、実施の形態1におけるユーザインタフェース設計装置の動作について説明する。
本設計装置の利用者である開発者は、まず基本表示部品を複合表示部品編集部102上に配置する。これによって複合表示部品が作成され、作成された複合表示部品は複合表示部品格納部104に格納される。これを部品化と呼ぶ。以降、開発者は複合表示部品を利用することも可能となり、複合表示部品編集部102にて、基本表示部品および複合表示部品の両方(UI部品)を配置して、新たな複合表示部品を作成する。このようにして、階層的に部品化して複合表示部品を作成することで、最終的に1画面を作成する。階層的な部品化のイメージを図3に示す。
【0018】
複合表示部品編集部102では、編集ウィンドウ上でUI部品の外観を表示しながら、UI部品に対してその色やサイズといった表示属性を、表示属性設定部101を用いて設定する。設定した属性値は表示装置111上での表示に反映されるため、設定した属性値に対応したUI部品の表示を見ながら編集することが可能である。このようにして単一または複数の部品の配置および属性値の設定を行い、複合表示部品を作成する。
【0019】
また、複合表示部品格納部104に新たな複合表示部品が格納されると、UI部品情報計算部112によってUI部品情報が計算され、複合表示部品に対するUI部品情報が複合表示部品情報格納部107に格納される。このようにして、UI部品毎のUI部品情報が、UI部品情報格納部108にて保持される。UI部品情報計算部112がUI部品情報を得るためには、例えば次のような方法によって行う。
【0020】
<メモリ使用量の場合>
本発明のようなユーザインタフェース設計装置によって設計されたユーザインタフェースを実行するプログラムにおいては、通常、基本表示部品に対応するクラスや構造体が存在する。例えば四角を描画する部品(四角部品とする)であれば、図4に示すようなクラスが対応する。このようなクラスのメンバ変数毎のメモリ使用量を合算することで、基本表示部品のメモリ使用量を見積もることができる。図4の四角部品の場合、short型の変数は2byte、int型の変数は4byteを必要とするため、四角部品全体で必要なメモリ使用量は2*4+4*1=12byteとなる。複合表示部品の場合は、その内部に配置されているUI部品のメモリ使用量の総和で表すことができる。
【0021】
<描画処理時間の場合>
上記のような基本表示部品に対応するクラス毎に、本設計装置によって設計されたユーザインタフェースを実行する際に、その外観を表示装置上に表示するための描画処理が存在する。この描画処理にかかる時間を適当なシステム構成上で計測することで、基本表示部品の描画処理時間として見積もることができる。複合表示部品の場合は、その内部に配置されているUI部品の描画処理時間の総和で表すことができる。
【0022】
尚、上記のUI部品情報計算部112におけるUI部品情報の見積り方法は、その他の方法を用いても構わない。例えば、上記の見積り方法においては、複合表示部品のリソース使用量を、単に内部に配置されているUI部品のリソース使用量の総和としたが、厳密には複合表示部品そのもの(内部に配置されたUI部品を除いたもの)にも対応するクラスが存在し、ここでもリソースを使用する。このリソース使用量を、複合表示部品のリソース使用量に加算するなど、他の計算方法によって見積もっても構わない。
【0023】
表示装置111でのUI部品の外観の表示の際には、UI部品と、表示属性設定部101にて設定された表示属性に加え、UI部品情報格納部108に格納されているUI部品情報をUI部品情報合成部109にて合成することで表示を形成する。UI部品情報格納部108には、図5に示すように、UI部品毎に複数のUI部品情報(メモリ使用量,描画処理時間,・・・)が格納されているため、このうち一つを合成情報選択部110によって複合表示部品の作成者(複合表示部品編集部102の利用者)が選択する。
【0024】
UI部品情報合成部109におけるUI部品情報の合成の方法としては、例えばUI部品の色を変化させるといった方法がある。例えばメモリ使用量の値を合成して表示する場合、UI部品の位置、サイズに合わせた赤色の領域をUI部品の前面に配置し、その透過率をメモリ使用量に応じて変化させることで、メモリ使用量の大きなUI部品ほど赤みがかって表示されるといった表示方法が実現できる。透過率の計算方法としては、例えば次のようなものが考えられる。UI部品情報格納部108中に格納されている全部品のメモリ使用量のうち、最大のものを100として、全部品のメモリ使用量を正規化する。例えば最大値が50であった場合、メモリ使用量が10のUI部品の正規化された値は20となる。この正規化された値を100から引くことで、透過率とする。上記最大値を持つUI部品の前面に配置される赤色の領域の透過率は、100−100=0(%)で、UI部品の前面に配置した赤色の領域は全く透過せず、本来のUI部品の表示は見えなくなる。また、上記メモリ使用量が10のUI部品に関しては、100−20=80(%)の透過率となり、UI部品の上に薄く赤みがかって表示される。
【0025】
尚、透過率の計算方法は上記以外の方法でも構わない。例えば最大を100として正規化せず、50として正規化することで、最大のメモリ使用量を持つUI部品も、UI部品そのものの表示を透過して見せることも可能である。他の例として、正規化の際に最大のメモリ使用量を利用するのではなく、全体における最大値を決定し、その値を利用して正規化してもよい。
また、合成の表現方法も、色の変更以外の方法であっても構わない。例えば上記透過率を拡大率とし、メモリ使用量が大きいほどサイズが大きく表示されるといった、別の表現で実現してもよい。
【0026】
このように、UI部品情報合成部109によってUI部品の表示に対してUI部品情報を合成して表示することで、UI部品とUI部品情報との対応付けが容易になる。例えば編集ウィンドウとは別に、グラフ表現等でUI部品毎のリソース消費量を表示し、編集ウィンドウ上のUI部品と見比べてリソース消費量を把握するといった方法に比べ、利用者は、UI部品のリソース消費量の多寡を直感的に把握することができる。
【0027】
また、UI部品情報としてはメモリ使用量や描画処理時間といった情報に限定されず、その他のリソース使用量であっても構わない。例えばUI部品がプログラム上でオブジェクトとして生成されるときにかかる時間などが考えられる。さらに、UI部品情報はリソース使用量に制限されるものではなく、統計情報であれば、例えば複合表示部品格納部104に格納されている複合表示部品全体の中で、特定のUI部品が何回利用されているかという再利用回数などであっても構わない。
【0028】
以上説明したように、実施の形態1のユーザインタフェース設計装置によれば、設計対象装置のユーザインタフェースとなる画面表示用の部品として予め設計された基本表示部品と、単一または複数の基本表示部品で作成される複合表示部品、または作成された複合表示部品と基本表示部品のどちらか一方を含んで作成されるか、それぞれ単一または複数組み合わせて作成される新たな複合表示部品とをUI部品として格納するUI部品格納部と、単一または複数のUI部品を配置することで複合表示部品を作成する複合表示部品編集部と、基本表示部品と複合表示部品の設計対象装置における統計情報を示す基本表示部品情報と複合表示部品情報を格納するUI部品情報格納部と、UI部品格納部にUI部品が格納された場合、UI部品に対応した基本表示部品情報または複合表示部品情報を計算してUI部品情報格納部に格納するUI部品情報計算部と、複合表示部品編集部上のUI部品の表示属性を設定する表示属性設定部と、基本表示部品情報および複合表示部品情報から、複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対応した基本表示部品情報または複合表示部品情報を選択する合成情報選択部と、複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対して、合成情報選択部で選択した基本表示部品情報または複合表示部品情報を合成して表示させるための表示データを生成するUI部品情報合成部とを備えたので、部品化開発中に、容易かつ直感的にUI部品毎のリソース使用量といった統計情報を把握することができる。
【0029】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2では、UI部品情報合成部109において、UI部品情報をUI部品の表示に合成して可視化する際に、UI部品情報を3次元情報として合成して表示することを特徴とする。実施の形態2における図面上の構成は実施の形態1の図1に示す構成と同様であるため、図1を援用して説明する。尚、UI部品情報合成部109以外の構成については、実施の形態1と同様であるため、UI部品情報合成部109以外の構成に対する説明は省略する。
【0030】
UI部品情報を合成する際に、実施の形態1で例示したようにUI部品の色として合成すると、リソース使用量は直感的に把握できるものの、UI部品そのものの表示内容を一部変更してしまうことになる。複合表示部品編集部102では、UI部品に対し、X−Y平面上での表示を表現しており、Z軸方向は表現されていないため、Z軸方向の3次元情報として、擬似3D的に表示することで、UI部品そのものの表示内容は損ねずに、UI部品情報を合成することが可能である。
【0031】
図6は、UI部品情報を3次元情報として合成した場合としない場合とを示す説明図である。図中、(a)は擬似3D部品情報合成を行わない場合の表示イメージ、(b)は擬似3D部品情報合成を行った場合の表示イメージを示している。ここでは、四角部品と丸部品を組み合わせた複合表示部品とする。(b)に示す表示イメージにおいて、リソース消費量が大きいほど厚みとして表現されている部分が大きくなるように合成を行うことで、UI部品毎のリソース消費量の多寡を直感的に把握できる。図7に実施の形態2における複合表示部品編集部102の編集ウィンドウ上の表示の例を示す。合成情報選択部110によって、合成するUI部品情報にメモリ使用量が選択された場合、UI部品にはメモリ使用量の値が厚みとして擬似3D的に合成される。メモリ使用量の少ないものは薄く、メモリ使用量の大きなものは厚く表現される。このようにして、編集段階でUI部品毎のリソース使用量を可視化することで、そのリソース使用量を容易かつ直感的に開発者に把握させ、必要に応じて利用する部品を変更したり、UI部品の構成の改善を促したりすることができる。
【0032】
UI部品情報合成部109における厚み部分の表示は、例えば次のような方法によって実現できる。図8中、角度801を45度、角度802を135度とする。寸法803と804を同じ値Xとする。Xの値をUI部品情報から求める。例えばメモリ使用量の値をそのままXとし、メモリ使用量が20バイトのUI部品の場合はXを20ドットに設定して描画を行う。
【0033】
尚、Xの値の決定方法はUI部品情報の値をそのまま設定せず、何らかの計算方法によって求めても構わない。例えば実施の形態1で示したように、最大のメモリ使用量を100として正規化し、正規化された値をXに設定するような方法でもよい。
【0034】
また、UI部品情報合成部109における擬似3D的に表示する際の表現方法については、図6(c)に示すように、UI部品の厚みという表現でなくても構わない。例えば(c)では、棒状の物体が飛び出すような表現で実現している。この場合の棒状の物体の角度、長さも、厚みと同様の方法で設定可能である。
【0035】
以上説明したように、実施の形態2のユーザインタフェース設計装置によれば、UI部品情報合成部は、UI部品に対して基本表示部品情報または複合表示部品情報を3次元情報として合成し、擬似的に立体的な表示を行う表示データを生成するようにしたので、2次元上で表現されるUI部品そのものの表示を妨げずに、3次元情報としてUI部品情報を合成して可視化することが可能となる。
【0036】
実施の形態3.
図9は本発明の実施の形態3によるユーザインタフェース設計装置を示す構成図である。本実施の形態においては、例えば、特許文献1で開示される方法を用いて、複合表示部品を状態遷移が伴うUI部品として作成するようにしたものである。実施の形態1と異なる構成としては、状態つき複合表示部品編集部113を備えると共に、UI部品格納部105a内に状態つき複合表示部品格納部114を、UI部品情報格納部108a内に状態つき複合表示部品情報格納部115を備えている点である。
【0037】
図9において、状態つき複合表示部品編集部113は、複数の状態毎の状態つき複合表示部品をUI部品として作成する機能部である。状態つき複合表示部品格納部114は、状態つき複合表示部品編集部113で作成された状態つき複合表示部品を格納する記憶部である。状態つき複合表示部品情報格納部115は、状態つき複合表示部品格納部114に格納された状態つき複合表示部品のリソース使用量といった統計情報を格納する記憶部であり、状態情報格納部116をさらに有している。この状態情報格納部116は、複数の状態毎の状態つき複合表示部品のリソース使用量といった統計情報を状態情報として格納する記憶領域である。また、UI部品情報計算部112aは、複数の状態毎の状態つき複合表示部品情報を状態情報として状態情報格納部116に格納すると共に、状態情報格納部116に格納された状態情報に基づいて状態つき複合表示部品情報格納部115の状態つき複合表示部品情報を計算する機能を有している。
【0038】
次に、実施の形態3のユーザインタフェース設計装置の動作について実施の形態1とは異なる点を重点的に説明する。
状態つき複合表示部品編集部113において、UI部品の状態遷移が記述でき、各状態に対してUI部品を配置することで、状態つき複合表示部品が作成され、これが状態つき複合表示部品格納部114に格納される。状態つき複合表示部品格納部114に格納された状態つき複合表示部品もUI部品として利用が可能である。状態つき複合表示部品編集部113では、図10のような流れで編集を行い、各状態にUI部品を配置することで状態つき複合表示部品を作成する。
【0039】
状態つき複合表示部品は状態遷移を行って表示を変化させる。状態によって配置されるUI部品が異なるため、状態毎にリソースの消費量も異なる。そのため、状態つき複合表示部品のUI部品情報は、単純に状態つき複合表示部品中に配置される全てのUI部品情報の総和とすることはできない。
UI部品情報計算部112aは、状態つき複合表示部品に対して、まず状態に配置されたUI部品のUI部品情報を元に、状態毎の状態情報を計算して状態情報格納部116に格納する。この際の計算方法としては、例えば状態に配置されたUI部品のUI部品情報の総和といった方法がある。この場合の計算方法も、別の方法でも構わない。例えば、上記の計算方法においては、状態毎のリソース使用量は、単に内部に配置されているUI部品のリソース使用量の総和として計算されるが、厳密には状態そのもの(内部に配置されたUI部品を除いたもの)にも対応するクラスが存在し、ここでもリソースを使用する。このリソース使用量を、状態毎のリソース使用量に加算するなど、他の計算方法によって見積もっても構わない。
【0040】
さらに、状態つき複合部品情報の計算の際には、上記で計算した状態情報を元にUI部品情報計算部112aで計算する。例えば、以下のような方法がある。本発明においては、リソース使用量の悪化を防ぐことが目的であるため、状態つき複合表示部品の各状態の状態情報のうちの最悪値を状態つき複合表示部品のリソース使用量とするといった方法がある。尚、この計算方法も、別の方法でもよく、例えば状態情報の平均を取るといった方法であっても構わない。
【0041】
このようにすることで、状態遷移を伴うUI部品に関してもリソース使用量の見積りが可能であり、この値を元に、UI部品情報合成部109において、実施の形態1または2で例示したようなUI部品の表示への合成が可能となる。
【0042】
以上説明したように、実施の形態3のユーザインタフェース設計装置によれば、設計対象装置の内部状態として複数の状態を有する部品として、状態つき複合表示部品を備えるユーザインタフェース設計装置であって、複数の状態毎の状態つき複合表示部品をUI部品として作成する複合表示部品編集部を備え、UI部品格納部は、状態つき複合表示部品編集部で作成された状態つき複合表示部品を格納すると共に、UI部品情報格納部は、状態つき複合表示部品におけるリソース使用量を示す状態つき複合表示部品情報を格納し、UI部品情報計算部は、UI部品格納部に格納された状態つき複合表示部品における状態毎のリソース使用量を計算し、状態情報としてUI部品情報格納部に格納すると共に、状態情報に基づいて状態つき複合表示部品情報のリソース使用量を計算するようにしたので、状態遷移を伴うUI部品に関してもリソース使用量の見積りが可能となる。
【0043】
実施の形態4.
図11は本発明の実施の形態4によるユーザインタフェース設計装置を示す構成図である。実施の形態3と比較して、状態つき複合表示部品編集部113をUI部品情報合成部109aと接続することにより、状態つき複合表示部品編集部113での表示時にUI部品情報合成部109aを利用する構成となっている。即ち、合成情報選択部110aは、状態つき複合表示部品編集部113で編集される状態毎の状態つき複合表示部品に対応した状態情報をUI部品情報格納部108aの状態情報格納部116から選択し、UI部品情報合成部109aは、状態つき複合表示部品編集部113で編集される複数の状態の状態つき複合表示部品に対して、それぞれ合成情報選択部110aで選択した状態情報を合成して表示させるための表示データを生成するよう構成されている。その他の構成については図9に示した実施の形態3と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0044】
本実施の形態におけるUI部品情報合成部109aにおいては、実施の形態1〜3で例示したようなUI部品への部品情報の合成に加え、状態つき複合表示部品編集部113において編集される状態つき複合表示部品の各状態に対して、状態情報を合成する機能も併せ持つ。その表示は、例えば実施の形態2で例示したような表示方法により、図12のように実現される。
このようにすることで、状態毎のリソース消費量の把握が容易となり、特にリソースを消費する状態を特定して、そこに配置されたUI部品に対して、再構成等を促すことができる。
【0045】
以上説明したように、実施の形態4のユーザインタフェース設計装置によれば、合成情報選択部は、状態つき複合表示部品編集部で編集される状態毎の状態つき複合表示部品に対応した状態情報を選択し、UI部品情報合成部は、状態つき複合表示部品編集部で編集される複数の状態の状態つき複合表示部品に対して、それぞれ合成情報選択部で選択した状態情報を合成して表示させるための表示データを生成するようにしたので、状態毎に異なるリソース消費量となる状態つき複合表示部品に対し、各状態におけるリソース使用量を容易かつ直感的に把握することが可能となる。
【0046】
尚、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0047】
101 表示属性設定部、102 複合表示部品編集部、103 基本表示部品格納部、104 複合表示部品格納部、105,105a UI部品格納部、106 基本表示部品情報格納部、107 複合表示部品情報格納部、108,108a UI部品情報格納部、109,109a UI部品情報合成部、110,110a 合成情報選択部、111 表示装置、112,112a UI部品情報計算部、113 状態つき複合表示部品編集部、114 状態つき複合表示部品格納部、115 状態つき複合表示部品情報格納部、116 状態情報格納部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、組み込み機器のユーザインタフェース(UI)を設計するユーザインタフェース設計装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザインタフェース設計装置においては、複数のUI部品を組み合わせて新たにUI部品を作成しながら(部品化)、階層的に画面を構築することがある。このような方法で、複数の開発者が並行して部品化を行うような場合、他の開発者が作成したUI部品を利用して、新たな部品化を行う場合も発生する。組み込み機器においては、メモリやCPUなどのリソースの使用をできるだけ低く抑える必要があるため、UI部品作成時にもできるだけ作成するUI部品のリソース使用量に気を配ることが重要であるが、他者の作成したUI部品に関しては内容を熟知していないため、例えばメモリ使用量の大きなUI部品を多数利用して新たなUI部品を作成していくと、階層を重ねる毎に、知らず知らずに膨大なメモリを消費する画面を構築してしまう可能性がある。そのようなことを防ぐため、部品化段階でリソースの使用量を可視化して把握を容易にし、リソースの消費の大きなUI部品は使用しない、もしくはそのUI部品の再構成を促す必要がある。
【0003】
従来、このようなユーザインタフェース設計装置としては、例えば特許文献1に記載された装置では、基本表示部品を組み合わせて複合表示部品を作成することで、部品化を行いながら階層的に設計を行うことを可能にしている。また、例えば特許文献2に記載されているような装置では、パフォーマンスモニタ上で、プロセス毎のリソース使用量等をグラフ等の図形表現によって可視化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3881179号公報
【特許文献2】特許第2553307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の特許文献1に記載されているようなユーザインタフェース設計装置において、特許文献2に記載されているようなグラフ等の図形表現によって可視化する技術を適用することを考えた場合、リソース使用量の表示のために、新たな情報表示ウィンドウを表示して、情報表示ウィンドウ上でUI部品毎のリソース使用量をグラフ等に可視化することになる。そのため、UI部品の開発者が、自分が現在行っている部品化開発で利用しているUI部品のリソース使用量を確認するためには、部品化開発を行っている編集ウィンドウと、情報表示ウィンドウを見比べることが必要であり、リソース使用量を確認したいUI部品と、そのリソース使用量とを対応づけることが煩雑であるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、部品化開発中に、容易かつ直感的にUI部品毎のリソース使用量といった統計情報を把握することのできるユーザインタフェース設計装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るユーザインタフェース設計装置は、設計対象装置のユーザインタフェースとなる画面表示用の部品として予め設計された基本表示部品と、単一または複数の基本表示部品で作成される複合表示部品、または作成された複合表示部品と基本表示部品のどちらか一方を含んで作成されるか、それぞれ単一または複数組み合わせて作成される新たな複合表示部品とをUI部品として格納するUI部品格納部と、単一または複数のUI部品を配置することで複合表示部品を作成する複合表示部品編集部と、基本表示部品と複合表示部品の設計対象装置における統計情報を示す基本表示部品情報と複合表示部品情報を格納するUI部品情報格納部と、UI部品格納部にUI部品が格納された場合、UI部品に対応した基本表示部品情報または複合表示部品情報を計算してUI部品情報格納部に格納するUI部品情報計算部と、複合表示部品編集部上のUI部品の表示属性を設定する表示属性設定部と、基本表示部品情報および複合表示部品情報から、複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対応した基本表示部品情報または複合表示部品情報を選択する合成情報選択部と、複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対して、合成情報選択部で選択した基本表示部品情報または複合表示部品情報を合成して表示させるための表示データを生成するUI部品情報合成部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明のユーザインタフェース設計装置は、複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対して、その統計情報を示す基本表示部品情報または複合表示部品情報を合成して表示させるようにしたので、部品化開発中に、容易かつ直感的にUI部品毎のリソース使用量といった統計情報を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース設計装置を示す構成図である。
【図2】この発明のユーザインタフェース設計装置のハードウェア構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース設計装置の部品化のイメージを示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース設計装置の基本表示部品に対応するクラスの例を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース設計装置の基本表示部品情報格納部のデータ例を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態2によるユーザインタフェース設計装置のUI部品へのUI部品情報の合成方法の例を示す説明図である。
【図7】この発明の実施の形態2によるユーザインタフェース設計装置の複合表示部品編集部における表示の一例を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態2によるユーザインタフェース設計装置のUI部品へのUI部品情報の合成の際の計算方法の例を示すための説明図である。
【図9】この発明の実施の形態3によるユーザインタフェース設計装置を示す構成図である。
【図10】この発明の実施の形態3によるユーザインタフェース設計装置の状態つき複合表示部品編集部における編集の流れを示す説明図である。
【図11】この発明の実施の形態4によるユーザインタフェース設計装置を示す構成図である。
【図12】この発明の実施の形態4によるユーザインタフェース設計装置の状態つき複合表示部品編集部における表示の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるユーザインタフェース設計装置を示す構成図である。
図1に示すユーザインタフェース設計装置は、表示属性設定部101、複合表示部品編集部102、基本表示部品格納部103と複合表示部品格納部104からなるUI部品格納部105、基本表示部品情報格納部106と複合表示部品情報格納部107とからなるUI部品情報格納部108、UI部品情報合成部109、合成情報選択部110、表示装置111、UI部品情報計算部112を備えている。
【0011】
表示属性設定部101は、複合表示部品編集部102上でUI部品の表示属性を設定する機能部である。複合表示部品編集部102は、基本表示部品格納部103に格納されている単一または複数の基本表示部品を配置して複合表示部品を作成し、これを複合表示部品格納部104に格納する機能を有している。また、複合表示部品編集部102では、表示属性設定部101によって、配置されたUI部品に対してサイズや色といった表示属性が設定され、UI部品の表示に反映される。さらに、複合表示部品編集部102は、単一または複数の複合表示部品と単一または複数の基本表示部品とを任意に組み合わせて、新たな複合表示部品を作成することも可能であり、階層的に部品化を行うことができる(例えば、後述する図3参照)。また、単一の複合表示部品に対して表示属性を設定して新たな複合表示部品を作成するといったことも可能である。このように、複合表示部品としては、単一または複数の基本表示部品で作成される複合表示部品、または作成された複合表示部品と基本表示部品のどちらか一方を含んで作成されるか、それぞれ単一または複数組み合わせて作成される新たな複合表示部品を含むものである。
【0012】
UI部品格納部105における基本表示部品格納部103は、設計対象装置のユーザインタフェースとなる画面表示用の部品として予め設計された基本表示部品の格納部である。また、UI部品格納部105における複合表示部品格納部104は、複合表示部品編集部102によって作成された複合表示部品の格納部である。尚、基本表示部品と複合表示部品のいずれか一方または両方を合わせてUI部品と呼ぶ。
【0013】
UI部品情報格納部108における基本表示部品情報格納部106は、基本部品に関連する情報のうち、設計対象装置のユーザインタフェース上で、その基本部品の表示に利用されないUI部品情報の格納部であり、基本表示部品格納部103に格納された基本表示部品毎のUI部品情報が格納されている。ここで、UI部品情報とは、典型的にはメモリ使用量や描画処理時間等のUI部品毎のリソース使用量といった統計情報である。また、UI部品情報格納部108における複合表示部品情報格納部107は、UI部品情報計算部112で計算された複合表示部品に関して、設計対象装置のユーザインタフェース上で、UI部品の表示に利用されないUI部品情報を格納するものであり、複合表示部品格納部104に格納された複合表示部品毎のUI部品情報が格納されている。尚、基本表示部品情報と複合表示部品情報のいずれか一方または両方を合わせてUI部品情報と呼ぶ。
【0014】
UI部品情報合成部109は、複合表示部品編集部102で編集されたUI部品と、合成情報選択部110で選択されたUI部品情報とを合成し、可視化データとして表示装置111に出力する機能部である。合成情報選択部110は、UI部品情報格納部108から、複合表示部品編集部102で編集されたUI部品に対応したUI部品情報を合成情報として選択する機能部である。表示装置111は、UI部品にUI部品情報を合成して表示するための表示装置である。このように、UI部品情報合成部109によって、選択されたUI部品情報と表示属性設定部101によって設定された属性値を持つUI部品とが合成され、表示装置111上で表示される。
【0015】
UI部品情報計算部112は、UI部品格納部105に新たなUI部品が格納された場合にそのUI部品情報を計算してUI部品情報格納部108に格納する機能部である。
【0016】
図2は、このユーザインタフェース装置を実現するハードウェア構成の一例を示す図であり、パーソナルコンピュータ(PC)での構成例である。
UI部品格納部105および内包される基本表示部品格納部103、複合表示部品格納部104、UI部品情報格納部108および内包される基本表示部品情報格納部106、複合表示部品情報格納部107は、PC本体201のRAMやハードディスクなどの記憶装置203で実現されている。また、表示属性設定部101、複合表示部品編集部102、UI部品情報合成部109、合成情報選択部110、UI部品情報計算部112は、PC本体201の処理装置202でプログラムを実行することで実現される。即ち、これらの機能部は、それぞれの機能に対応したソフトウェアとこれを実行するためのCPU等のハードウェアから実現されている。さらに、キーボード206、マウス205といった入力装置によって本ユーザインタフェース設計装置における編集作業が行われる。モニタ204といった表示装置111によって、編集作業を行う画面が出力される。尚、入力装置としては、出力/入力のどちらも行えるタッチパネルなどであってもよい。
【0017】
次に、実施の形態1におけるユーザインタフェース設計装置の動作について説明する。
本設計装置の利用者である開発者は、まず基本表示部品を複合表示部品編集部102上に配置する。これによって複合表示部品が作成され、作成された複合表示部品は複合表示部品格納部104に格納される。これを部品化と呼ぶ。以降、開発者は複合表示部品を利用することも可能となり、複合表示部品編集部102にて、基本表示部品および複合表示部品の両方(UI部品)を配置して、新たな複合表示部品を作成する。このようにして、階層的に部品化して複合表示部品を作成することで、最終的に1画面を作成する。階層的な部品化のイメージを図3に示す。
【0018】
複合表示部品編集部102では、編集ウィンドウ上でUI部品の外観を表示しながら、UI部品に対してその色やサイズといった表示属性を、表示属性設定部101を用いて設定する。設定した属性値は表示装置111上での表示に反映されるため、設定した属性値に対応したUI部品の表示を見ながら編集することが可能である。このようにして単一または複数の部品の配置および属性値の設定を行い、複合表示部品を作成する。
【0019】
また、複合表示部品格納部104に新たな複合表示部品が格納されると、UI部品情報計算部112によってUI部品情報が計算され、複合表示部品に対するUI部品情報が複合表示部品情報格納部107に格納される。このようにして、UI部品毎のUI部品情報が、UI部品情報格納部108にて保持される。UI部品情報計算部112がUI部品情報を得るためには、例えば次のような方法によって行う。
【0020】
<メモリ使用量の場合>
本発明のようなユーザインタフェース設計装置によって設計されたユーザインタフェースを実行するプログラムにおいては、通常、基本表示部品に対応するクラスや構造体が存在する。例えば四角を描画する部品(四角部品とする)であれば、図4に示すようなクラスが対応する。このようなクラスのメンバ変数毎のメモリ使用量を合算することで、基本表示部品のメモリ使用量を見積もることができる。図4の四角部品の場合、short型の変数は2byte、int型の変数は4byteを必要とするため、四角部品全体で必要なメモリ使用量は2*4+4*1=12byteとなる。複合表示部品の場合は、その内部に配置されているUI部品のメモリ使用量の総和で表すことができる。
【0021】
<描画処理時間の場合>
上記のような基本表示部品に対応するクラス毎に、本設計装置によって設計されたユーザインタフェースを実行する際に、その外観を表示装置上に表示するための描画処理が存在する。この描画処理にかかる時間を適当なシステム構成上で計測することで、基本表示部品の描画処理時間として見積もることができる。複合表示部品の場合は、その内部に配置されているUI部品の描画処理時間の総和で表すことができる。
【0022】
尚、上記のUI部品情報計算部112におけるUI部品情報の見積り方法は、その他の方法を用いても構わない。例えば、上記の見積り方法においては、複合表示部品のリソース使用量を、単に内部に配置されているUI部品のリソース使用量の総和としたが、厳密には複合表示部品そのもの(内部に配置されたUI部品を除いたもの)にも対応するクラスが存在し、ここでもリソースを使用する。このリソース使用量を、複合表示部品のリソース使用量に加算するなど、他の計算方法によって見積もっても構わない。
【0023】
表示装置111でのUI部品の外観の表示の際には、UI部品と、表示属性設定部101にて設定された表示属性に加え、UI部品情報格納部108に格納されているUI部品情報をUI部品情報合成部109にて合成することで表示を形成する。UI部品情報格納部108には、図5に示すように、UI部品毎に複数のUI部品情報(メモリ使用量,描画処理時間,・・・)が格納されているため、このうち一つを合成情報選択部110によって複合表示部品の作成者(複合表示部品編集部102の利用者)が選択する。
【0024】
UI部品情報合成部109におけるUI部品情報の合成の方法としては、例えばUI部品の色を変化させるといった方法がある。例えばメモリ使用量の値を合成して表示する場合、UI部品の位置、サイズに合わせた赤色の領域をUI部品の前面に配置し、その透過率をメモリ使用量に応じて変化させることで、メモリ使用量の大きなUI部品ほど赤みがかって表示されるといった表示方法が実現できる。透過率の計算方法としては、例えば次のようなものが考えられる。UI部品情報格納部108中に格納されている全部品のメモリ使用量のうち、最大のものを100として、全部品のメモリ使用量を正規化する。例えば最大値が50であった場合、メモリ使用量が10のUI部品の正規化された値は20となる。この正規化された値を100から引くことで、透過率とする。上記最大値を持つUI部品の前面に配置される赤色の領域の透過率は、100−100=0(%)で、UI部品の前面に配置した赤色の領域は全く透過せず、本来のUI部品の表示は見えなくなる。また、上記メモリ使用量が10のUI部品に関しては、100−20=80(%)の透過率となり、UI部品の上に薄く赤みがかって表示される。
【0025】
尚、透過率の計算方法は上記以外の方法でも構わない。例えば最大を100として正規化せず、50として正規化することで、最大のメモリ使用量を持つUI部品も、UI部品そのものの表示を透過して見せることも可能である。他の例として、正規化の際に最大のメモリ使用量を利用するのではなく、全体における最大値を決定し、その値を利用して正規化してもよい。
また、合成の表現方法も、色の変更以外の方法であっても構わない。例えば上記透過率を拡大率とし、メモリ使用量が大きいほどサイズが大きく表示されるといった、別の表現で実現してもよい。
【0026】
このように、UI部品情報合成部109によってUI部品の表示に対してUI部品情報を合成して表示することで、UI部品とUI部品情報との対応付けが容易になる。例えば編集ウィンドウとは別に、グラフ表現等でUI部品毎のリソース消費量を表示し、編集ウィンドウ上のUI部品と見比べてリソース消費量を把握するといった方法に比べ、利用者は、UI部品のリソース消費量の多寡を直感的に把握することができる。
【0027】
また、UI部品情報としてはメモリ使用量や描画処理時間といった情報に限定されず、その他のリソース使用量であっても構わない。例えばUI部品がプログラム上でオブジェクトとして生成されるときにかかる時間などが考えられる。さらに、UI部品情報はリソース使用量に制限されるものではなく、統計情報であれば、例えば複合表示部品格納部104に格納されている複合表示部品全体の中で、特定のUI部品が何回利用されているかという再利用回数などであっても構わない。
【0028】
以上説明したように、実施の形態1のユーザインタフェース設計装置によれば、設計対象装置のユーザインタフェースとなる画面表示用の部品として予め設計された基本表示部品と、単一または複数の基本表示部品で作成される複合表示部品、または作成された複合表示部品と基本表示部品のどちらか一方を含んで作成されるか、それぞれ単一または複数組み合わせて作成される新たな複合表示部品とをUI部品として格納するUI部品格納部と、単一または複数のUI部品を配置することで複合表示部品を作成する複合表示部品編集部と、基本表示部品と複合表示部品の設計対象装置における統計情報を示す基本表示部品情報と複合表示部品情報を格納するUI部品情報格納部と、UI部品格納部にUI部品が格納された場合、UI部品に対応した基本表示部品情報または複合表示部品情報を計算してUI部品情報格納部に格納するUI部品情報計算部と、複合表示部品編集部上のUI部品の表示属性を設定する表示属性設定部と、基本表示部品情報および複合表示部品情報から、複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対応した基本表示部品情報または複合表示部品情報を選択する合成情報選択部と、複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対して、合成情報選択部で選択した基本表示部品情報または複合表示部品情報を合成して表示させるための表示データを生成するUI部品情報合成部とを備えたので、部品化開発中に、容易かつ直感的にUI部品毎のリソース使用量といった統計情報を把握することができる。
【0029】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2では、UI部品情報合成部109において、UI部品情報をUI部品の表示に合成して可視化する際に、UI部品情報を3次元情報として合成して表示することを特徴とする。実施の形態2における図面上の構成は実施の形態1の図1に示す構成と同様であるため、図1を援用して説明する。尚、UI部品情報合成部109以外の構成については、実施の形態1と同様であるため、UI部品情報合成部109以外の構成に対する説明は省略する。
【0030】
UI部品情報を合成する際に、実施の形態1で例示したようにUI部品の色として合成すると、リソース使用量は直感的に把握できるものの、UI部品そのものの表示内容を一部変更してしまうことになる。複合表示部品編集部102では、UI部品に対し、X−Y平面上での表示を表現しており、Z軸方向は表現されていないため、Z軸方向の3次元情報として、擬似3D的に表示することで、UI部品そのものの表示内容は損ねずに、UI部品情報を合成することが可能である。
【0031】
図6は、UI部品情報を3次元情報として合成した場合としない場合とを示す説明図である。図中、(a)は擬似3D部品情報合成を行わない場合の表示イメージ、(b)は擬似3D部品情報合成を行った場合の表示イメージを示している。ここでは、四角部品と丸部品を組み合わせた複合表示部品とする。(b)に示す表示イメージにおいて、リソース消費量が大きいほど厚みとして表現されている部分が大きくなるように合成を行うことで、UI部品毎のリソース消費量の多寡を直感的に把握できる。図7に実施の形態2における複合表示部品編集部102の編集ウィンドウ上の表示の例を示す。合成情報選択部110によって、合成するUI部品情報にメモリ使用量が選択された場合、UI部品にはメモリ使用量の値が厚みとして擬似3D的に合成される。メモリ使用量の少ないものは薄く、メモリ使用量の大きなものは厚く表現される。このようにして、編集段階でUI部品毎のリソース使用量を可視化することで、そのリソース使用量を容易かつ直感的に開発者に把握させ、必要に応じて利用する部品を変更したり、UI部品の構成の改善を促したりすることができる。
【0032】
UI部品情報合成部109における厚み部分の表示は、例えば次のような方法によって実現できる。図8中、角度801を45度、角度802を135度とする。寸法803と804を同じ値Xとする。Xの値をUI部品情報から求める。例えばメモリ使用量の値をそのままXとし、メモリ使用量が20バイトのUI部品の場合はXを20ドットに設定して描画を行う。
【0033】
尚、Xの値の決定方法はUI部品情報の値をそのまま設定せず、何らかの計算方法によって求めても構わない。例えば実施の形態1で示したように、最大のメモリ使用量を100として正規化し、正規化された値をXに設定するような方法でもよい。
【0034】
また、UI部品情報合成部109における擬似3D的に表示する際の表現方法については、図6(c)に示すように、UI部品の厚みという表現でなくても構わない。例えば(c)では、棒状の物体が飛び出すような表現で実現している。この場合の棒状の物体の角度、長さも、厚みと同様の方法で設定可能である。
【0035】
以上説明したように、実施の形態2のユーザインタフェース設計装置によれば、UI部品情報合成部は、UI部品に対して基本表示部品情報または複合表示部品情報を3次元情報として合成し、擬似的に立体的な表示を行う表示データを生成するようにしたので、2次元上で表現されるUI部品そのものの表示を妨げずに、3次元情報としてUI部品情報を合成して可視化することが可能となる。
【0036】
実施の形態3.
図9は本発明の実施の形態3によるユーザインタフェース設計装置を示す構成図である。本実施の形態においては、例えば、特許文献1で開示される方法を用いて、複合表示部品を状態遷移が伴うUI部品として作成するようにしたものである。実施の形態1と異なる構成としては、状態つき複合表示部品編集部113を備えると共に、UI部品格納部105a内に状態つき複合表示部品格納部114を、UI部品情報格納部108a内に状態つき複合表示部品情報格納部115を備えている点である。
【0037】
図9において、状態つき複合表示部品編集部113は、複数の状態毎の状態つき複合表示部品をUI部品として作成する機能部である。状態つき複合表示部品格納部114は、状態つき複合表示部品編集部113で作成された状態つき複合表示部品を格納する記憶部である。状態つき複合表示部品情報格納部115は、状態つき複合表示部品格納部114に格納された状態つき複合表示部品のリソース使用量といった統計情報を格納する記憶部であり、状態情報格納部116をさらに有している。この状態情報格納部116は、複数の状態毎の状態つき複合表示部品のリソース使用量といった統計情報を状態情報として格納する記憶領域である。また、UI部品情報計算部112aは、複数の状態毎の状態つき複合表示部品情報を状態情報として状態情報格納部116に格納すると共に、状態情報格納部116に格納された状態情報に基づいて状態つき複合表示部品情報格納部115の状態つき複合表示部品情報を計算する機能を有している。
【0038】
次に、実施の形態3のユーザインタフェース設計装置の動作について実施の形態1とは異なる点を重点的に説明する。
状態つき複合表示部品編集部113において、UI部品の状態遷移が記述でき、各状態に対してUI部品を配置することで、状態つき複合表示部品が作成され、これが状態つき複合表示部品格納部114に格納される。状態つき複合表示部品格納部114に格納された状態つき複合表示部品もUI部品として利用が可能である。状態つき複合表示部品編集部113では、図10のような流れで編集を行い、各状態にUI部品を配置することで状態つき複合表示部品を作成する。
【0039】
状態つき複合表示部品は状態遷移を行って表示を変化させる。状態によって配置されるUI部品が異なるため、状態毎にリソースの消費量も異なる。そのため、状態つき複合表示部品のUI部品情報は、単純に状態つき複合表示部品中に配置される全てのUI部品情報の総和とすることはできない。
UI部品情報計算部112aは、状態つき複合表示部品に対して、まず状態に配置されたUI部品のUI部品情報を元に、状態毎の状態情報を計算して状態情報格納部116に格納する。この際の計算方法としては、例えば状態に配置されたUI部品のUI部品情報の総和といった方法がある。この場合の計算方法も、別の方法でも構わない。例えば、上記の計算方法においては、状態毎のリソース使用量は、単に内部に配置されているUI部品のリソース使用量の総和として計算されるが、厳密には状態そのもの(内部に配置されたUI部品を除いたもの)にも対応するクラスが存在し、ここでもリソースを使用する。このリソース使用量を、状態毎のリソース使用量に加算するなど、他の計算方法によって見積もっても構わない。
【0040】
さらに、状態つき複合部品情報の計算の際には、上記で計算した状態情報を元にUI部品情報計算部112aで計算する。例えば、以下のような方法がある。本発明においては、リソース使用量の悪化を防ぐことが目的であるため、状態つき複合表示部品の各状態の状態情報のうちの最悪値を状態つき複合表示部品のリソース使用量とするといった方法がある。尚、この計算方法も、別の方法でもよく、例えば状態情報の平均を取るといった方法であっても構わない。
【0041】
このようにすることで、状態遷移を伴うUI部品に関してもリソース使用量の見積りが可能であり、この値を元に、UI部品情報合成部109において、実施の形態1または2で例示したようなUI部品の表示への合成が可能となる。
【0042】
以上説明したように、実施の形態3のユーザインタフェース設計装置によれば、設計対象装置の内部状態として複数の状態を有する部品として、状態つき複合表示部品を備えるユーザインタフェース設計装置であって、複数の状態毎の状態つき複合表示部品をUI部品として作成する複合表示部品編集部を備え、UI部品格納部は、状態つき複合表示部品編集部で作成された状態つき複合表示部品を格納すると共に、UI部品情報格納部は、状態つき複合表示部品におけるリソース使用量を示す状態つき複合表示部品情報を格納し、UI部品情報計算部は、UI部品格納部に格納された状態つき複合表示部品における状態毎のリソース使用量を計算し、状態情報としてUI部品情報格納部に格納すると共に、状態情報に基づいて状態つき複合表示部品情報のリソース使用量を計算するようにしたので、状態遷移を伴うUI部品に関してもリソース使用量の見積りが可能となる。
【0043】
実施の形態4.
図11は本発明の実施の形態4によるユーザインタフェース設計装置を示す構成図である。実施の形態3と比較して、状態つき複合表示部品編集部113をUI部品情報合成部109aと接続することにより、状態つき複合表示部品編集部113での表示時にUI部品情報合成部109aを利用する構成となっている。即ち、合成情報選択部110aは、状態つき複合表示部品編集部113で編集される状態毎の状態つき複合表示部品に対応した状態情報をUI部品情報格納部108aの状態情報格納部116から選択し、UI部品情報合成部109aは、状態つき複合表示部品編集部113で編集される複数の状態の状態つき複合表示部品に対して、それぞれ合成情報選択部110aで選択した状態情報を合成して表示させるための表示データを生成するよう構成されている。その他の構成については図9に示した実施の形態3と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0044】
本実施の形態におけるUI部品情報合成部109aにおいては、実施の形態1〜3で例示したようなUI部品への部品情報の合成に加え、状態つき複合表示部品編集部113において編集される状態つき複合表示部品の各状態に対して、状態情報を合成する機能も併せ持つ。その表示は、例えば実施の形態2で例示したような表示方法により、図12のように実現される。
このようにすることで、状態毎のリソース消費量の把握が容易となり、特にリソースを消費する状態を特定して、そこに配置されたUI部品に対して、再構成等を促すことができる。
【0045】
以上説明したように、実施の形態4のユーザインタフェース設計装置によれば、合成情報選択部は、状態つき複合表示部品編集部で編集される状態毎の状態つき複合表示部品に対応した状態情報を選択し、UI部品情報合成部は、状態つき複合表示部品編集部で編集される複数の状態の状態つき複合表示部品に対して、それぞれ合成情報選択部で選択した状態情報を合成して表示させるための表示データを生成するようにしたので、状態毎に異なるリソース消費量となる状態つき複合表示部品に対し、各状態におけるリソース使用量を容易かつ直感的に把握することが可能となる。
【0046】
尚、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0047】
101 表示属性設定部、102 複合表示部品編集部、103 基本表示部品格納部、104 複合表示部品格納部、105,105a UI部品格納部、106 基本表示部品情報格納部、107 複合表示部品情報格納部、108,108a UI部品情報格納部、109,109a UI部品情報合成部、110,110a 合成情報選択部、111 表示装置、112,112a UI部品情報計算部、113 状態つき複合表示部品編集部、114 状態つき複合表示部品格納部、115 状態つき複合表示部品情報格納部、116 状態情報格納部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計対象装置のユーザインタフェースとなる画面表示用の部品として予め設計された基本表示部品と、単一または複数の前記基本表示部品で作成される複合表示部品、または作成された複合表示部品と前記基本表示部品のどちらか一方を含んで作成されるか、それぞれ単一または複数組み合わせて作成される新たな複合表示部品とをUI部品として格納するUI部品格納部と、
単一または複数の前記UI部品を配置することで前記複合表示部品を作成する複合表示部品編集部と、
前記基本表示部品と前記複合表示部品の前記設計対象装置における統計情報を示す基本表示部品情報と複合表示部品情報を格納するUI部品情報格納部と、
前記UI部品格納部に前記UI部品が格納された場合、当該UI部品に対応した前記基本表示部品情報または前記複合表示部品情報を計算して前記UI部品情報格納部に格納するUI部品情報計算部と、
前記複合表示部品編集部上の前記UI部品の表示属性を設定する表示属性設定部と、
前記基本表示部品情報および前記複合表示部品情報から、前記複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対応した基本表示部品情報または複合表示部品情報を選択する合成情報選択部と、
前記複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対して、前記合成情報選択部で選択した前記基本表示部品情報または前記複合表示部品情報を合成して表示させるための表示データを生成するUI部品情報合成部とを備えたユーザインタフェース設計装置。
【請求項2】
前記UI部品情報合成部は、UI部品に対して基本表示部品情報または複合表示部品情報を3次元情報として合成し、擬似的に立体的な表示を行う表示データを生成することを特徴とする請求項1記載のユーザインタフェース設計装置。
【請求項3】
設計対象装置の内部状態として複数の状態を有する部品として、状態つき複合表示部品を備えるユーザインタフェース設計装置であって、
前記複数の状態毎の状態つき複合表示部品をUI部品として作成する複合表示部品編集部を備え、
UI部品格納部は、前記状態つき複合表示部品編集部で作成された状態つき複合表示部品を格納すると共に、UI部品情報格納部は、前記状態つき複合表示部品における統計情報を示す状態つき複合表示部品情報を格納し、
UI部品情報計算部は、前記UI部品格納部に格納された前記状態つき複合表示部品における状態毎の統計情報を計算し、状態情報として前記UI部品情報格納部に格納すると共に、当該状態情報に基づいて前記状態つき複合表示部品情報の統計情報を計算することを特徴とする請求項1または請求項2記載のユーザインタフェース設計装置。
【請求項4】
合成情報選択部は、状態つき複合表示部品編集部で編集される状態毎の状態つき複合表示部品に対応した状態情報を選択し、
UI部品情報合成部は、前記状態つき複合表示部品編集部で編集される複数の状態の状態つき複合表示部品に対して、それぞれ前記合成情報選択部で選択した状態情報を合成して表示させるための表示データを生成することを特徴とする請求項3記載のユーザインタフェース設計装置。
【請求項1】
設計対象装置のユーザインタフェースとなる画面表示用の部品として予め設計された基本表示部品と、単一または複数の前記基本表示部品で作成される複合表示部品、または作成された複合表示部品と前記基本表示部品のどちらか一方を含んで作成されるか、それぞれ単一または複数組み合わせて作成される新たな複合表示部品とをUI部品として格納するUI部品格納部と、
単一または複数の前記UI部品を配置することで前記複合表示部品を作成する複合表示部品編集部と、
前記基本表示部品と前記複合表示部品の前記設計対象装置における統計情報を示す基本表示部品情報と複合表示部品情報を格納するUI部品情報格納部と、
前記UI部品格納部に前記UI部品が格納された場合、当該UI部品に対応した前記基本表示部品情報または前記複合表示部品情報を計算して前記UI部品情報格納部に格納するUI部品情報計算部と、
前記複合表示部品編集部上の前記UI部品の表示属性を設定する表示属性設定部と、
前記基本表示部品情報および前記複合表示部品情報から、前記複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対応した基本表示部品情報または複合表示部品情報を選択する合成情報選択部と、
前記複合表示部品編集部で編集されるUI部品に対して、前記合成情報選択部で選択した前記基本表示部品情報または前記複合表示部品情報を合成して表示させるための表示データを生成するUI部品情報合成部とを備えたユーザインタフェース設計装置。
【請求項2】
前記UI部品情報合成部は、UI部品に対して基本表示部品情報または複合表示部品情報を3次元情報として合成し、擬似的に立体的な表示を行う表示データを生成することを特徴とする請求項1記載のユーザインタフェース設計装置。
【請求項3】
設計対象装置の内部状態として複数の状態を有する部品として、状態つき複合表示部品を備えるユーザインタフェース設計装置であって、
前記複数の状態毎の状態つき複合表示部品をUI部品として作成する複合表示部品編集部を備え、
UI部品格納部は、前記状態つき複合表示部品編集部で作成された状態つき複合表示部品を格納すると共に、UI部品情報格納部は、前記状態つき複合表示部品における統計情報を示す状態つき複合表示部品情報を格納し、
UI部品情報計算部は、前記UI部品格納部に格納された前記状態つき複合表示部品における状態毎の統計情報を計算し、状態情報として前記UI部品情報格納部に格納すると共に、当該状態情報に基づいて前記状態つき複合表示部品情報の統計情報を計算することを特徴とする請求項1または請求項2記載のユーザインタフェース設計装置。
【請求項4】
合成情報選択部は、状態つき複合表示部品編集部で編集される状態毎の状態つき複合表示部品に対応した状態情報を選択し、
UI部品情報合成部は、前記状態つき複合表示部品編集部で編集される複数の状態の状態つき複合表示部品に対して、それぞれ前記合成情報選択部で選択した状態情報を合成して表示させるための表示データを生成することを特徴とする請求項3記載のユーザインタフェース設計装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−234479(P2012−234479A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104339(P2011−104339)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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