説明

ユーザー定義されるモニタリング・パラメータをもつ患者モニター

医療モニタリング・システム(10)において、一つまたは複数のバイオメトリック・モニター(20、21、22、23、24、26、66)が、複数のモニタリングされるバイオメトリック・パラメータのデータを集める。表式評価器(72)が、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータの一つまたは複数を組み込むユーザー定義の表式を評価して、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータについてのデータを生成する。さらなる処理要素(32、50、52、54、55、56、57、58、60、62、88)が、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのうちから選択される少なくとも一つのパラメータのデータの処理および表示を実行する。該さらなる処理要素は、前記少なくとも一つのパラメータがモニタリングされるバイオメトリック・パラメータから選択されているかユーザー定義のバイオメトリック・パラメータであるかに関わりなく、同じ仕方で動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、医療モニタリング技術に関する。病院、集中治療室(ICU: intensive care unit)、心疾患管理室(CCU: cardiac care unit)などのような臨床場面におけるベッドサイドでの患者モニタリングに格別の用途を見出し、それらに特に言及して記載することになるが、胎児モニタリング、新生児モニタリング、小児モニタリング、外科患者モニタリング、外来患者モニタリング、家庭モニタリング、獣医モニタリング、エアロビクス運動の際のモニタリングなどを含む医療モニタリング全般にもより一般的な用途を見出すものである。
【背景技術】
【0002】
医療モニタリング・システムは、患者についての広範な情報を提供する。いくつかのシステムでは、ラックにマウントされるモジュール式のモニタリング・ユニットが選択的に集められて、体温、心電図(ECG)データ、心拍数、酸素飽和度(SpO2)、呼吸数、血圧パラメータなどといった選択された医療パラメータをモニタリングすることができる。
【0003】
モニタリングされる各パラメータは典型的には、患者との接続を含む。たとえば、ECGモニタリングは、患者の皮膚への四つまたはそれ以上の電気的な接点を、典型的には心臓に近い胴体領域において含む。いくつかの場合には、患者への単一の接続が二つ以上のモニタリング信号を提供することもありうる。たとえば、単一の指クリップ・モニターが心拍数とSpO2の両方を提供できる。患者接続の数を減らすため、いくつかの医療モニタリング・システムは、導出されるパラメータを含む。たとえば、動脈血圧、中心静脈圧などといったさまざまな血圧パラメータが、連続的な血圧モニターから導出できる。これは、モニタリングされるパラメータの数を増やすことを、モジュール式モニタリング・ユニットの数を付随して増やすことなく、患者プローブの数を付随して増やすことなく、容易にする。
【0004】
モニタリング・システムは典型的には、パラメータが閾値を超えた場合、その時点でアラームが鳴るというイベントのモニタリングも提供する。たとえば、心拍数が下限閾値未満に低下するか、上限閾値を超える場合、その時点でアラームが鳴ることがありうる。同様に、酸素飽和度が90%などのある閾値を割った場合、アラームが鳴ることがありうる。そのようなイベント・モニタリングは、有利なことに、医療従事者に、生命を脅かす可能性のある患者条件に気づかせる効率的かつ即座の方法を提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存のモニタリング・システムは、モジュール式モニタリング・ユニットおよび導出されるパラメータの使用を通じてモニタリングの柔軟性を提供する。しかしながら、医療従事者は、モニタリング・システムによって提供されるモニタリング・ユニットおよび導出パラメータに制限される。医療従事者はしばしば、所望の追加的情報を提供するために、既存のモニタリング・データを使って計算および推定を実行する。
【0006】
Shaya et al.の米国特許第5,447,164号は、ユーザーが、アラームを発するためのユーザー定義イベントを設定できる医療モニタリング・システムを開示している。これは、生命を脅かす可能性のある患者条件の生起に際してアラームを発するよう、医療従事者が医療モニタリング・システムをよりよく構成することを可能にできる。たとえば、心拍数の閾値処理のみによってアラームを発するのではなく、心拍数と血圧の閾値のユーザー選択可能な組み合わせに基づいてアラームをトリガーできる。しかしながら、このアプローチは、選択されたアラーム閾値が生起したときのほかは、追加的な情報を医療従事者に提供しない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある側面によれば、医療モニタリング・システムが開示される。一つまたは複数のバイオメトリック・モニターが、複数のモニタリングされるバイオメトリック・パラメータの標本値を集めるよう構成される。表式評価器が、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータの一つまたは複数を組み込むユーザー定義の表式を評価して、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの標本値を生成するよう構成される。さらなる処理要素が、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのうちから選択される少なくとも一つのパラメータの標本値の処理を実行するよう構成される。該さらなる処理要素は、前記少なくとも一つのパラメータがモニタリングされるバイオメトリック・パラメータから選択されているかユーザー定義のバイオメトリック・パラメータであるかに関わりなく、同じ仕方で動作する。
【0008】
もう一つの側面によれば、医療モニタリング・システムが開示される。一つまたは複数のバイオメトリック・モニターが、複数のモニタリングされるバイオメトリック・パラメータの標本値を集めるよう構成される。表式評価器が、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータの一つまたは複数を組み込むユーザー定義の表式を評価して、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータについてのデータを生成するよう構成される。さらなる処理要素が、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのうちから選択される少なくとも一つのパラメータのデータの処理を実行するよう構成される。該さらなる処理要素は、前記少なくとも一つのパラメータがモニタリングされるバイオメトリック・パラメータから選択されているかユーザー定義のバイオメトリック・パラメータであるかに関わりなく、同じ仕方で動作する。
【0009】
もう一つの側面によれば、医療モニタリング方法が開示される。複数のモニタリングされるバイオメトリック・パラメータの標本値が集められる。モニタリングされるバイオメトリック・パラメータの一つまたは複数を組み込むユーザー定義の表式が評価されて、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの標本値が生成される。モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのうち少なくとも一つのパラメータの標本値が処理される。該処理は、前記少なくとも一つのモニタリングされるバイオメトリック・パラメータについてとユーザー定義のバイオメトリック・パラメータについてとで、同じ仕方で実行される。
【0010】
もう一つの側面によれば、コンピュータ装置が、(i)一つまたは複数のモニタリングされるバイオメトリック・パラメータを組み込むユーザー定義の表式を評価して、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの標本値を生成し、(ii)モニタリングされるバイオメトリック・パラメータのうち少なくとも一つのパラメータの標本値を処理し、(iii)ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータを処理することを含む方法を実行するようプログラムされる。前記の処理動作は、前記少なくとも一つのモニタリングされるバイオメトリック・パラメータの標本値についてと前記ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの標本値についてとで、同じ仕方で実行される。
【発明の効果】
【0011】
一つの効果は、改良された患者モニタリングの柔軟性にある。
【0012】
もう一つの効果は、モニタリングのために選択されるバイオメトリック・パラメータの改良された適切性にある。
【0013】
もう一つの効果は、患者の医療条件について医療従事者に提供される情報を向上させることにある。
【0014】
もう一つの効果は、患者のベッドサイドでも、モニタリング・システム全域のどこでも、向上された情報を提供することにある。
【0015】
好ましい実施形態の以下の詳細な記述を読めば、数多くの追加的な効果および恩恵が当業者に明らかになるであろう。
【0016】
本発明は、さまざまな構成要素および構成要素の配列の形ならびにさまざまな処理動作および処理動作の配列の形を取ることができる。図面はあくまでも好ましい実施形態を例示する目的のためであり、本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1を参照すると、医療モニタリング・システム10は、モジュール式バイオメトリック・モニター・ラック14と動作上接続されたモニタリング・ステーション12を含んでいる。ラック14は、患者の心拍数をモニタリングするよう構成された例示的な心拍数(HR: heart rate)モニター・モジュール20、患者の血圧(blood pressure)をモニタリングするよう構成された例示的な血圧モニター・モジュール21、患者の体温(temperature)をモニタリングするよう構成された例示的な体温モニター・モジュール22、患者の血中酸素飽和レベルをモニタリングするよう構成された例示的な血中酸素飽和度(SpO2)モニター・モジュール23および患者の心周期をモニタリングするよう構成された例示的な心電図(ECG)モニター・モジュール24を含む。追加的な、より少ないまたは他のバイオメトリック・パラメータがモニタリングされることもできる。実施形態によっては、モジュール式であってもなくてもよい単一のモニターが、二つ以上のバイオメトリック・パラメータをモニタリングするよう構成される。
【0018】
バイオメトリック・モニター20、21、22、23、24のそれぞれは、モニタリング・ステーション12のモニタリング入力部26に通信される標本値をアナログまたはデジタル信号として集める。標本値は、バイオメトリック・モニター20、21、22、23、24によって、あるいはモニタリング・ステーション12の入力部26によって提供されるデータ前処理によってタイムスタンプされる。たとえば、いくつかのバイオメトリック・モニターは、アナログ‐デジタル変換機能を含んでいて、バイオメトリック・データをデジタルのバイオメトリック・パラメータ標本値として関連付けられたデジタル・タイムスタンプとともにデジタル式に通信するようになっていてもよい。いくつかのバイオメトリック・モニターは、連続的なアナログ・バイオメトリック・データを出力してもよく、モニタリング・ステーション12のモニタリング入力部26のデータ前処理が、選択されたデジタル化レートでアナログ‐デジタル変換を好適に実行して、タイムスタンプされた標本値を生成する。図1のモニタリング・システム10では、バイオメトリック・モニター20、21、22、23、24は物理的にモニタリング・ステーション12とは別個であるが、他の実施形態では、バイオメトリック・モニターの一つ、いくつかまたは全部がモニタリング・ステーションと一体であってもよい。さらに、物理的に別個のバイオメトリック・モニターが、図示されたラック・マウントされた構成以外の構成で使用されることもできる。
【0019】
ユーザー構成可能なステーション・コントローラ30が、モニタリング・ステーション12の動作を制御する。それには、タイムスタンプされたバイオメトリック・パラメータ標本値の処理を実行するよう構成されたさらなる処理要素の動作を制御することも含まれる。たとえば、ステーション・コントローラ30は、共通データ記憶フォーマットを使って各バイオメトリック・パラメータの集められたタイムスタンプされた標本値を記憶するデータ記憶装置32を制御する。データ記憶装置32は、タイムスタンプされた心拍数標本値を記憶するためのビン、データ・パーティション、ファイルまたは他の記憶構造40;タイムスタンプされた血圧標本値を記憶するための記憶構造41;タイムスタンプされた患者体温標本値を記憶するための記憶構造42;タイムスタンプされた血中酸素飽和度(SpO2)標本値を記憶するための記憶構造43;およびタイムスタンプされた心電図標本値を記憶するための記憶構造44を含む。ここでもまた、他の生理学的データまたはデータの組み合わせが記憶されることもできる。さらに、すべてのデータがデータの種別についてエンコードされ、共通のデータ記憶領域に記憶されてもよい。
【0020】
やはりステーション・コントローラ30によって制御されるトレンド追跡(trending)プロセッサ50は、選択されたパラメータのリアルタイムのトレンド追跡を実行し、この記憶されたデータをグラフィック・ディスプレイ52を介して表示する。例示されているディスプレイ52は、選択されたバイオメトリック・パラメータのリアルタイムの波形データおよび/またはトレンド・データを表示するための三つの表示領域54、55、56を含んでいるが、他の数の波形およびトレンド追跡表示領域が設けられていてもよい。図示した例では、選択されたバイオメトリック・パラメータは、心電図(ECG)および血中酸素飽和度(SpO2)を含む:表示領域54はリアルタイムの心電図データを示しており、表示領域55は時間に対して血中酸素飽和度(SpO2)データをトレンド追跡している。トレンド追跡のリアルタイムでの実行は、たとえば、最近5分間に収集された標本値を時間に対してプロットし、時間が進んで表示領域がいっぱいになったら、より古いデータをディスプレイ52の左端からスクロールによって出すことによってできる。代替的または追加的に、トレンド追跡は、データ記憶装置32から呼び出されたタイムスタンプされた標本値を時間に対してプロットすることによって、遡及的であることもできる。
【0021】
ステーション・コントローラ30の制御のもとで他の処理も実行できる。たとえば、ディスプレイ50は、リアルタイムの心拍数の値(HR)を数値領域57に、リアルタイムの血中酸素飽和度の値(SpO2)を数値領域58に表示するよう構成される。ここで使用される「リアルタイム」の用語が、必ずしも今の瞬間の値ではなく、最も最近取得されたタイムスタンプされた標本値を表してもよいことは理解されるであろう。たとえば、2秒ごとに新しいSpO2標本値が取得される場合、数値領域58に示されるリアルタイム値は今の瞬間に先立つ2秒までの間に取得されたものでありうる。
【0022】
任意的に、モニタリング・ステーション12は、視覚的なアラーム・ライト60、聴覚的なアラーム・スピーカー62などといったアラームを含む。トレンド追跡されるパラメータの一つまたは複数が閾値を超える場合(たとえば、トレンド追跡される心拍数がある下限閾値を下回る、あるいはトレンド追跡される血圧がある上限閾値を上回るなど)、アラーム60、62が好適に作動して、ディスプレイ52上に表示される個別的なアラーム情報をもって医療従事者に潜在的な問題を警告する。
【0023】
ユーザーとのインターフェースおよびデータの交換を可能にするため、ディスプレイ50に加えて、モニタリング・ステーション12は入出力(I/O)部66をも含む。いくつかの実施形態では、I/O部66はモニタリング・ステーション12がコンピュータ(図1には示さず)とインターフェースをもつことを可能にし、ユーザーは構成パラメータなどを該コンピュータおよび該I/O部66を介して入力できる。もう一つの実施形態では、I/O部66はモニタリング・ステーション12が、病院構内ネットワーク(HLAN: hospital local area network)のようなネットワークとインターフェースされ、追加的なタイムスタンプされた臨床情報(血中気体(blood gas)データ、実験室結果(lab results)など、図1には示さず)を受信できることを可能にする。そうした情報をユーザーは、HLANおよびI/O部66を介した追加的な入力構成パラメータなどとして利用できる。あるいはまた、モニタリング・ステーション12は任意的に、キーパッド、キーボード、タッチ感応画面または他のユーザー入力装置(図示せず)を組み込んで、ユーザー入力を可能にする。I/O部66に、データ記憶装置32に記憶されているタイムスタンプされたバイオメトリック・パラメータ標本値をエクスポートする機能を含めることも考えられている。たとえば、I/O部66は任意的に、タイムスタンプされたバイオメトリック・パラメータ標本値またはその他のデータを、HLAN上の接続されたコンピュータまたは他の任意の装置との間でやりとりするために、USBポート、イーサネット(登録商標)接続または他のインターフェースを含む。
【0024】
モジュール式バイオメトリック・モニター・ラック14は、モニタリング・システム10が、例示された例の心拍数、血圧、患者体温、血中酸素飽和度および心電図データといった多様なモニタリングされるバイオメトリック・パラメータをモニタリングすることを可能にする。しかしながら、医療従事者は、インストールされているバイオメトリック・モニター20、21、22、23、24によって提供されるモニタリングされるバイオメトリック・パラメータ以外のバイオメトリック・パラメータのリアルタイムおよび/または連続的なモニタリングを有することを望むことがありうる。
【0025】
したがって、ユーザーは、ユーザー定義バイオメトリック・パラメータ記憶装置70に記憶される一つまたは複数のユーザー定義のバイオメトリック・パラメータを構築することができる。ユーザー定義の各バイオメトリック・パラメータは、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータの一つまたは複数あるいはHLANを介して受信される臨床バイオメトリック・パラメータの一つまたは複数を組み込んでいるユーザー定義された表式によって定義され、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのタイムスタンプされた標本値を生成する。表式評価器72が、タイムスタンプされたモニタリングされたバイオメトリック・パラメータを入力74として受信し、ユーザー定義された表式75を評価して、出力76としてユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのタイムスタンプされた標本値を生成する。任意的に、表式評価器72は、事前定義された関数のライブラリ78を含むか、そのようなライブラリ78へのアクセスを有する。ライブラリ78は、対数、整数(integral)「Int()」または平均「Avg()」のような数学一般、統計または微積分の関数を含みうる。ライブラリ78は追加的または代替的に、収縮期動脈血圧(ABPsys: systolic arterial blood pressure)または拡張期動脈血圧(ABPdia: diastolic arterial blood pressure)のような事前定義されたバイオメトリック・パラメータを含んでいてもよい。任意的に、ユーザー定義された表式はさらに、一つまたは複数の患者固有の入力を組み込む。たとえば、ユーザー定義の表式は、患者の体重、患者の年齢、患者の性別、患者の疾病型、患者の疾病の重症度などを組み込んでいてもよい。これらの患者固有の入力は、手動で入力されてもよいし、あるいはHLANのサーバー上またはモニタリング・ステーション12に接続されている別のデジタル装置に記憶されている電子的な患者データベースから読まれてもよい。
【0026】
ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの生成されたタイムスタンプされた標本値はその後、さらなる処理要素によって、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータと同じように扱われ、同様にしてリアルタイムで記憶され、トレンド追跡され、表示されるなどすることができる。たとえば、図1に代表として例示されているところでは、「U1」および「U2」と記された二つのユーザー定義のバイオメトリック・パラメータがデータ記憶装置32内に、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータが記憶されるのと同じようにして、かつHLANを介して受信されたユーザー選択された臨床バイオメトリック・パラメータと同じようにして、記憶される。ユーザー定義バイオメトリック・パラメータ「U1」を記憶するために記憶構造80が設けられ、ユーザー定義バイオメトリック・パラメータ「U2」を記憶するために記憶構造82が設けられている。データ記憶装置32は、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータ(記憶構造40、41、42、43、44に記憶される)およびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータ(記憶構造80、82に記憶される)の両方について同じように動作する。
【0027】
ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータおよびHLANを介して受信されるユーザー選択された臨床バイオメトリック・パラメータも、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータと同じようにしてトレンド追跡できる。図1に代表として例示されているところでは、ユーザー定義バイオメトリック・パラメータ「U1」が、モニタリングされる心電図(ECG)が表示領域54に表示されるのと同じようにして、リアルタイムの波形として第三の表示領域56に表示されるか、あるいは血中酸素飽和度(SpO2)バイオメトリック・パラメータが表示領域55でトレンド追跡されるのと同じようにして、トレンド・データとして表示される。ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのそのようなトレンド追跡は、リアルタイムで、あるいは遡及的に行える。後者はデータ記憶装置32に記憶されているデータを使う。さらに、ディスプレイ50が血中酸素飽和度(SpO2)のリアルタイム値を数値領域58に表示するよう構成されているのと同じように、ディスプレイ50はユーザー定義バイオメトリック・パラメータ「U1」のリアルタイムの値を数値領域88に表示するよう構成されている。任意的に、トレンド追跡されているユーザー定義バイオメトリック・パラメータ「U1」が選択された閾値を超える場合、アラーム60、62が作動するよう構成されていることができる。同様にして、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのタイムスタンプされた標本値は、データ記憶装置32から、モニタリング・ステーション12のI/O部66を介してエクスポートされることができる。
【0028】
まとめると、表式評価器72は、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのタイムスタンプされた標本値を、HLANを介して受信されたタイムスタンプされたユーザー選択された臨床バイオメトリック・パラメータおよびモニタリング・ステーション12のモニタリング入力部26によって出力されたモニタリングされたバイオメトリック・パラメータのタイムスタンプされた標本値と同じフォーマットをもって、出力する。ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのタイムスタンプされた標本値は、HLANを介して受信されたユーザー選択された臨床バイオメトリック・パラメータの記憶およびモニタリングされるバイオメトリック・パラメータのタイムスタンプされた標本値の記憶と同じデータ・フォーマットを使って、データ記憶装置32に記憶される。したがって、さらなる処理要素32、50、52、58、88、60、62、66は、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータ、HLANを介して受信されるユーザー選択された臨床バイオメトリック・パラメータまたはユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのどれも同じようにして処理できる。これらのさらなる処理要素32、50、52、58、88、60、62、66は、バイオメトリック・パラメータのタイムスタンプされた標本値の処理を、処理を受けるバイオメトリック・パラメータ(単数または複数)がモニタリングされるバイオメトリック・パラメータ、HLANを介して受信されるユーザー選択された臨床バイオメトリック・パラメータまたはユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのどれから選択されているかに関わりなく実行する。
【0029】
図2を参照すると、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータに対応するユーザー定義の表式のユーザー入力のための好適なユーザー・インターフェース100が示されている。いくつかの実施形態では、ユーザー・インターフェース100はディスプレイ50上に表示される。ディスプレイ50はこの実施形態では、ユーザーがユーザー・インターフェースのコントロールを操作することを可能にするタッチ感応ディスプレイである。典型的なコントロールはキー102またはポインタ104を含む。ポインタは、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータからおよびHLANを介して受信されるユーザー選択された臨床バイオメトリック・パラメータから選択するために使われ、あるいはライブラリ78内に記憶されている関数のリスト108から選択するために使われ、あるいは任意的にキー102を操作するために使用可能である。いくつかの実施形態では、ユーザー・インターフェース100は、モニタリング・ステーション12とI/O部66によって接続されたコンピュータ(図示せず)上に表示され、コントロール102、104、106、108、110はキーボード、マウス、タッチ感応スクリーンまたは接続されているコンピュータの他の入力を使って好適に操作される。いくつかの実施形態では、ディスプレイ50はタッチ感応であってもなくてもよく、ユーザー・インターフェース100が該ディスプレイ50上に表示され、モニタリング・ステーション12がキーボード、トラックボールまたは他の入力装置(図示せず)を含み、それによりユーザーはコントロール102、104、106、108、110を操作する。ユーザー・インターフェース100はまた、ユーザー入力された表式が表示される表示領域114をも含む。
【0030】
図2の代表的な例示では、ユーザー入力された表式は:
U1=(K1/MABP)×(ABPsys−ABPdia)×HR (1)
であり、ここで「HR」は、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータのリスト106から選択された心拍数のモニタリングされるバイオメトリック・パラメータであり、「K1」は年齢または疾病状態の関数である定数因子であることができ、「MABP」はライブラリ関数リスト108から選択される平均動脈血圧(mean arterial blood pressure)ライブラリ関数を表し、「ABPsys」はライブラリ関数リスト108から選択される収縮期動脈血圧ライブラリ関数を表し、「ABPdia」はライブラリ関数リスト108から選択される拡張期動脈血圧ライブラリ関数を表し、「U1」はユーザー定義のバイオメトリック・パラメータを表し、その表式が入力または編集されているところである。式(1)の表式は心拍出量の推定値を与える。このパラメータの測定は、典型的には動脈中に測定デバイスを外科的に埋め込むことを含む。ユーザーは代替的に、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータ「U1」を、計算している対象の実際の名称で表してもよい。たとえば、式(1)の「U1」はcardiac output(心拍出量)を略してCOとラベルしたり、calculated cardiac output(計算された心拍出量)の略でCOcとラベルしたり、user defined cardiac output(ユーザー定義の心拍出量)の略でCOuとラベルしたりすることができる。これは、ある種の心臓条件を診断またはモニタリングするための有用な、ユーザー定義され、非侵襲的に測定されるバイオメトリック・パラメータであることができる。
【0031】
ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータとして実装するのに好適なもう一つの候補は、それぞれ右心室および左心室の心室排出(ventricular emptying)に抵抗する肺および全身の後負荷である。後負荷は心室排出に抵抗するいくつかの力の組み合わせであるが、後負荷の成分力のほとんどは、ベッドサイドのバイオメトリック・モニターによっては容易に、あるいは信頼できる形で測定されない。しかしながら、後負荷の主要な成分が心室流出の励行であるので、体血管抵抗(SVR: systemic vascular resistance)または肺血管抵抗(PVR: pulmonary vascular resistance)は:
U2=(MABP−CVP)/((K1/MABP)×(ABPsys−ABPdia)×HR) (2)
U3=(MABP−LAP)/((K1/MABP)×(ABPsys−ABPdia)×HR) (3)
によって好適に推定される。ここで、「MABP」はライブラリ関数リスト108から選択された平均動脈血圧ライブラリ関数を表し、「CVP」はライブラリ関数リスト108から選択された中央静脈圧(central venous pressure)ライブラリ関数を表し、「LAP」はライブラリ関数リスト108から選択された左心房圧(left-atrial pressure)ライブラリ関数を表す。式(2)は、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータ「U2」にSVRの推定値を割り当て、式(3)は、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータ「U3」にPVRの推定値を割り当てる。
【0032】
例示した代表的なモニタリング・システム10では三つのユーザー定義のバイオメトリック・パラメータ「U1」「U2」「U3」が使われているが、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの数は1、2、3、4またはそれ以上であることができることは理解されるであろう。複数のユーザー定義のバイオメトリック・パラメータが用意されるいくつかの実施形態では、一つのユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの値が、他のユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの一つに組み込まれてもよい。たとえば、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータ「U1」が式(1)の表現によって定義されている場合、式(3)の表現は:
U3=(MPAP−LAP)/U1 (4)
と書くことができる。
【0033】
ユーザー・インターフェース100を介した表式入力がユーザー定義バイオメトリック・パラメータ記憶装置70に記憶され、表式評価器72によって処理されるのは、さまざまな仕方でできる。たとえば、いくつかの実施形態では、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータを定義する表式は、テキスト形式で、任意的にパージングされて、ユーザー定義バイオメトリック・パラメータ記憶装置70に記憶される。その際、表式評価器72はそのテキスト表現をコンパイルされた表現または他の仕方で処理された、そのユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのタイムスタンプされた標本値を生成するための数値評価のために好適な表現に変換するための処理を含む。他の実施形態では、表式は、コンパイルされたまたは他の仕方で処理されたフォーマットでユーザー定義バイオメトリック・パラメータ記憶装置70に記憶されることができる。これは典型的には表式評価器72によるユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの計算を高速化する。
【0034】
モニタリングされるバイオメトリック・パラメータについて取得されたタイムスタンプされた標本値は、同期していてもいなくてもよい。換言すれば、複数のモニタリングされるバイオメトリック・パラメータについて取得されたタイムスタンプされた標本値は、同じタイムスタンプを有していてもいなくてもよい。いくつかの実施形態では、たとえば、モニター入力部26がそれぞれのモニタリングされるバイオメトリック・パラメータについてほぼ同時に標本値を取得し、この取得を2秒ごとなどの固定された時間間隔で繰り返してもよい。この場合、表式評価器72は、2秒ごとに好適に適用され、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータと同じ2秒きざみのタイムスタンプをもつユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの標本値を生成する。そのような構成では、標本値は任意的に、実質的に同時取得された標本値の各セットについて単一の共通タイムスタンプ値を含めることによって、データ記憶装置32内で時間同定可能にされる。たとえば、次の例示的なコンマ区切りのテキスト形式のような具合である:
13:00:00,S(HR),S(BP),S(Temp),S(SpO2),S(ECG),S(Ul),S(U2)
13:00:02,S(HR),S(BP),S(Temp),S(SpO2),S(ECG),S(Ul),S(U2)
13:00:04,S(HR),S(BP),S(Temp),S(SpO2),S(ECG),S(Ul),S(U2)
……
ここで、コンマ区切りの各行は、ほぼ同じタイムスタンプをもつコンマ区切りの標本値を保存している。各行の最初の値がタイムスタンプであり(この例では「HH」が時を、「MM」が分を、「SS」が秒を表すとして「HH:MM:SS」の形で示されている)、「S( )」の記法は、括弧内に示されたバイオメトリック・パラメータについての数値的な標本値を表す(たとえば、「S(HR)」は心拍数のバイオメトリック・パラメータの特定の数値的な標本値を表す)。標本値についての時間きざみが一定であれば、標本値は、取得開始時刻を記憶することによって時間同定可能にできる。
【0035】
開始時刻=13:00:00 時間きざみ=00:00:02
S(HR),S(BP),S(Temp),S(SpO2),S(ECG),S(Ul),S(U2)
S(HR),S(BP),S(Temp),S(SpO2),S(ECG),S(Ul),S(U2)
S(HR),S(BP),S(Temp),S(SpO2),S(ECG),S(Ul),S(U2)
……
他方、いくつかの実施形態では、さまざまなモニタリングされるバイオメトリック・パラメータの標本値が異なる時刻に取得されてもよい。よって、それぞれのモニタリングされるバイオメトリック・パラメータは独自のタイムスタンプとともにデータ記憶装置32に記憶されるべきである。これらの実施形態において、表式評価器72はそれぞれのタイムスタンプされたユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの標本値を、最も近いタイムスタンプをもつモニタリングされるバイオメトリック・パラメータまたはHLANを介して受信されたユーザー選択された臨床バイオメトリック・パラメータを使って、好適に計算するか、あるいはユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの値の新しい有効なエントリーが受信されるまでは最後の有効なタイムスタンプされた標本値を使う。あるいはまた、補間によって、生成されているユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの標本値のタイムスタンプにおけるモニタリングされるバイオメトリック・パラメータの標本値を生成することもできる。
【0036】
タイムスタンプされたバイオメトリック・パラメータの標本値をテキスト形式で記憶する代わりに、好適な数値記憶フォーマットを使うことができる。たとえば、タイムスタンプおよび標本値の浮動小数点二進表現などである。選択された記憶装置の具体的な型に関わりなく、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータは同じようにして記憶され(たとえば、みなテキスト値として、あるいはみな浮動小数点二進値として、など)、さらなる処理要素32、50、52、58、88、60、62、66は容易に、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの両者を同じように処理できる。
【0037】
例示されているモニタリング・システム10は、患者ベッドサイド、集中治療室(ICU)、心疾患管理室(CCU)などでの使用に好適な汎用モニタリング・システムである。しかしながら、開示されている特徴は医療モニタリング一般に適用可能であり、胎児モニタリング、新生児モニタリング、小児モニタリング、外科患者モニタリング、外来患者モニタリング、家庭モニタリング、獣医モニタリング、エアロビクス運動の際のモニタリングなどにも用途を見出すであろう。たとえば、ここに開示されている医療モニタリング特徴は、固定自転車、ルームランナーなどのような運動器具の構成要素である医療モニタリング・システムに容易に統合され、新生児集中治療室の統合された構成要素である医療モニタリング・システムに容易に統合される、などである。
【0038】
本発明について好ましい実施形態を参照しつつ記載してきた。明らかに、以上の詳細な記述を読み、理解すれば、他の者にも修正および変更が思いつくであろう。本発明が、付属の請求項およびその均等物の範囲内にはいる限り、そのようなすべての修正および変更を含むものとして解釈されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】医療モニタリング・システムを図的に示す図である。
【図2】ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータに対応するユーザー定義される表式のユーザー入力のためのユーザー・インターフェースを図的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモニタリングされるバイオメトリック・パラメータの標本値を集めるよう構成されている一つまたは複数のバイオメトリック・モニターと;
モニタリングされるバイオメトリック・パラメータの一つまたは複数を組み込んでいるユーザー定義の表式を評価して、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの標本値を生成するよう構成されている表式評価器と;
モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのうちから選択される少なくとも一つのパラメータの標本値の処理および表示を実行するよう構成されており、前記少なくとも一つのパラメータがモニタリングされるバイオメトリック・パラメータまたはユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのどちらから選択されているかに関わりなく、同じ仕方で動作する、さらなる処理要素とを有する、
医療モニタリング・システム。
【請求項2】
前記表式評価器によって評価されるユーザー定義の表式がさらに、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータとして少なくとも一つの患者固有の入力を組み込んでいる、請求項1記載の医療モニタリング・システム。
【請求項3】
前記少なくとも一つの患者固有の入力が、患者の体重、患者の年齢、患者の性別、患者の疾病種別および患者の疾病の重症度からなる群より選択される、請求項1記載の医療モニタリング・システム。
【請求項4】
前記表式評価器によって評価されるユーザー定義の表式がさらに、ネットワークから受信される少なくとも一つの臨床モニタリングされるバイオメトリック・パラメータを組み込んでいる、請求項1記載の医療モニタリング・システム。
【請求項5】
ネットワークから受信される前記少なくとも一つの臨床モニタリングされるバイオメトリック・パラメータが、ネットワークから入出力部を介して得られる血中気体データまたは実験室結果からなる群より選択される、請求項4記載の医療モニタリング・システム。
【請求項6】
前記ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータが、対応する二つ以上のユーザー定義の表式によって定義され、それぞれモニタリングされるバイオメトリック・パラメータの一つまたは複数を組み込んでいる二つ以上のバイオメトリック・パラメータを含む、請求項1記載の医療モニタリング・システム。
【請求項7】
前記モニタリングされるバイオメトリック・パラメータが、心拍数、血圧、体温、血中酸素飽和度(SpO2)および心電図(ECG)データからなる群より選択される少なくとも二つのモニタリングされるバイオメトリック・パラメータを含んでいる、請求項1記載の医療モニタリング・システム。
【請求項8】
(i)モニタリングされるバイオメトリック・パラメータ、(ii)ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータ、(iii)患者固有の入力パラメータまたは(iv)臨床モニタリングされるバイオメトリック・パラメータのうちの一つまたは複数が所定のアラーム基準を満たすのに応答して作動するようアラームが構成されている、請求項1記載の医療モニタリング・システム。
【請求項9】
前記さらなる処理要素が:
モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー導出のバイオメトリック・パラメータから選択された前記少なくとも一つのパラメータのトレンド標本値を時間に対して表示するよう構成されているディスプレイを含む、
請求項1記載の医療モニタリング・システム。
【請求項10】
前記さらなる処理要素がさらに:
モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのそれぞれの標本値を、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの両方について同じデータ記憶フォーマットを使って記憶するよう構成されたデータ記憶装置を有しており、前記ディスプレイが、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータから選択される前記少なくとも一つのパラメータの時間に対する記憶されているトレンド標本値を呼び出して、遡及的に表示する、請求項9記載の医療モニタリング・システム。
【請求項11】
前記さらなる処理要素が:
モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー導出のバイオメトリック・パラメータから選択された前記少なくとも一つのパラメータの標本値をリアルタイムで時間に対してトレンド追跡するよう構成されているディスプレイを含む、
請求項1記載の医療モニタリング・システム。
【請求項12】
前記さらなる処理要素が:
モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのそれぞれの標本値を、共通のデータ記憶フォーマットを使って記憶するよう構成されているデータ記憶装置を含む、
請求項1記載の医療モニタリング・システム。
【請求項13】
前記さらなる処理要素が:
モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー導出のバイオメトリック・パラメータから選択された前記少なくとも一つのパラメータの標本値をリアルタイムで表示するよう構成されている数値ディスプレイを含む、
請求項1記載の医療モニタリング・システム。
【請求項14】
前記ユーザー定義の表式のユーザー入力のためのユーザー・インターフェースをさらに有する、
請求項1記載の医療モニタリング・システム。
【請求項15】
請求項14記載の医療モニタリング・システムであって、前記ユーザー・インターフェースが:
前記複数のモニタリングされるバイオメトリック・パラメータのユーザー選択可能なリストと、
前記ユーザー定義の表式に組み込むためにライブラリから選択可能な関数のユーザー選択可能なリストとのうち少なくとも一つを含む、
医療モニタリング・システム。
【請求項16】
前記ライブラリの前記選択可能な関数のうち少なくともいくつかが前記複数のモニタリングされるバイオメトリック・パラメータの一つまたは複数に関数的に依存する、請求項15記載の医療モニタリング・システム。
【請求項17】
前記ライブラリの前記選択可能な関数が、少なくとも収縮期動脈血圧関数および拡張期動脈血圧関数を含む、請求項15記載の医療モニタリング・システム。
【請求項18】
前記ライブラリの前記選択可能な関数が、微積分機能および統計機能の少なくとも一つを含む、請求項15記載の医療モニタリング・システム。
【請求項19】
請求項15記載の医療モニタリング・システムであって、前記モニタリングされるバイオメトリック・パラメータは心拍数および血圧を含んでおり、前記ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータはユーザー定義の表式 (K1/MABP)×(ABPsys−ABPdia)×HRによって定義される心拍出量を含んでおり、ここで「HR」は心拍数を表し、「K1」は年齢または疾病状態の関数である定数因子であり、「MABP」は平均動脈血圧ライブラリ関数を表し、「ABPsys」は収縮期動脈血圧ライブラリ関数を表し、「ABPdia」は拡張期動脈血圧ライブラリ関数を表し、ここで「MABP」「ABPsys」および「ABPdia」ライブラリ関数はそれぞれ動脈血圧を入力として受け取る、医療モニタリング・システム。
【請求項20】
複数のモニタリングされるバイオメトリック・パラメータのデータを集めるよう構成されている一つまたは複数のバイオメトリック・モニターと;
(i)モニタリングされるバイオメトリック・パラメータ、(ii)一つまたは複数の患者固有の入力または(iii)ネットワークを介して受信される一つまたは複数のユーザー選択される臨床バイオメトリック・パラメータの少なくとも一つを組み込むユーザー定義の表式を評価して、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのデータを生成するよう構成されている表式評価器と;
モニタリングされるバイオメトリック・パラメータ、患者固有の入力、ユーザー選択された臨床バイオメトリック・パラメータおよびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのうちから選択される少なくとも一つのパラメータのデータの処理および表示を実行するよう構成されており、前記少なくとも一つのパラメータが、モニタリングされるバイオメトリック・パラメータ、患者固有の入力、ユーザー選択された臨床バイオメトリック・パラメータまたはユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのどれから選択されているかに関わりなく、同じ仕方で動作する、さらなる処理要素とを有する、
医療モニタリング・システム。
【請求項21】
入出力I/O部が当該モニタリング・システムじゅうに前記ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータを提供する、請求項20記載の医療モニタリング・システム。
【請求項22】
複数のモニタリングされるバイオメトリック・パラメータの標本値を、利用可能なすべての源から集め;
モニタリングされるバイオメトリック・パラメータの一つまたは複数を組み込んでいるユーザー定義の表式を評価して、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの標本値を生成し;
モニタリングされるバイオメトリック・パラメータおよびユーザー定義のバイオメトリック・パラメータのうち少なくとも一つのパラメータの標本値を処理し、ここで該処理は、前記少なくとも一つのモニタリングされるバイオメトリック・パラメータについてとユーザー定義のバイオメトリック・パラメータについてとで、同じ仕方で実行される、
医療モニタリング方法。
【請求項23】
前記処理が:
前記少なくとも一つのバイオメトリック・パラメータおよびユーザー導出のバイオメトリック・パラメータの両方の標本値を時間に対してトレンド追跡することを含む、
請求項22記載の医療モニタリング方法。
【請求項24】
(i)一つまたは複数のモニタリングされるバイオメトリック・パラメータを組み込んでいるユーザー定義の表式を評価して、ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの標本値を生成し、(ii)モニタリングされるバイオメトリック・パラメータのうち少なくとも一つのパラメータの標本値を処理し、(iii)ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータを処理することを含む方法を実行するようプログラムされたコンピュータ装置であって、前記の処理動作は、前記少なくとも一つのモニタリングされるバイオメトリック・パラメータの標本値についてと前記ユーザー定義のバイオメトリック・パラメータの標本値についてとで、同じ仕方で実行される、コンピュータ装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−516560(P2009−516560A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541852(P2008−541852)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054016
【国際公開番号】WO2007/060559
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】