説明

ユーザ装置及び移動通信方法

【課題】マルチキャリア伝送を行う場合に、適切に下りリンクの無線品質の測定を行う。
【解決手段】本発明に係るユーザ装置UEは、PCC及びSCCにおける測定処理を行うように構成されている測定部25を具備し、測定部25は、PCCにおいてDRX制御が適用されている場合、DRX周期毎に設定される受信区間外でのみ、SCCにおける測定処理を行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ装置及び移動通信方法に関する。特に、本発明は、次世代移動通信技術を用いる移動通信システムにおけるユーザ装置及び移動通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広帯域符号分割多重接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiplexing Access)方式や、高速下りリンクパケットアクセス(HSDPA:High-Speed Downlink Pcket Access)方式や、高速上りリンクパケットアクセス(HSUPA:High-Speed Uplink Pcket Access)方式等の後継となる通信方式、すなわち、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)方式が、WCDMAの標準化団体3GPPで検討され、仕様化作業が進められている。
【0003】
LTE方式での無線アクセス方式として、下りリンクについては直交周波数分割多重接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)方式が規定され、上りリンクについてはシングルキャリア周波数分割多重接続(SC-FDMA:Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)方式が規定されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
OFDMA方式は、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータを載せて伝送を行うマルチキャリア伝送方式である。OFDMA方式によれば、サブキャリアを周波数軸上に直交させながら密に並べることで高速伝送を実現し、周波数の利用効率を上げることが期待できる。
【0005】
SC-FDMA方式は、周波数帯域をユーザ装置UE(User Equipment)毎に分割し、複数のユーザ装置UE間で異なる周波数帯域を用いて伝送するシングルキャリア伝送方式である。SC-FDMA方式によれば、ユーザ装置UE間の干渉を簡易且つ効果的に低減することができることに加えて送信電力の変動を小さくできるので、SC-FDMA方式は、ユーザ装置UEの低消費電力化及びカバレッジの拡大等の観点から好ましい。
【0006】
LTE方式では、下りリンク及び上りリンクの両方において、ユーザ装置UEに対して1つ以上のリソースブロック(RB:Resource Block)が割り当てられて通信が行われる。
【0007】
基地局装置eNBは、サブフレーム(LTE方式では、1ms)毎に、複数のユーザ装置UEの中で、どのユーザ装置UEに対してリソースブロックを割り当てるかについて決定する(かかるプロセスは「スケジューリング」と呼ばれる)。
【0008】
下りリンクにおいては、基地局装置eNBが、スケジューリングで選択されたユーザ装置UEに対して、1以上のリソースブロックを用いて共有チャネル信号を送信し、上りリンクにおいては、スケジューリングで選択されたユーザ装置UEが、基地局装置eNBに対して、1以上のリソースブロックを用いて共有チャネル信号を送信する。
【0009】
なお、かかる共有チャネル信号は、上りリンクにおいては、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)上の信号であり、下りリンクにおいては、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)上の信号である。
【0010】
また、LTE方式の後継の通信方式として、LTE-advanced方式が、3GPPで検討されている。LTE-advanced方式の要求条件は、非特許文献2にまとめられている。
【0011】
LTE-advanced方式では、「Carrier aggaregation(キャリアアグリゲーション、CA)」を行うことが可能である。ここで、「Carrier aggregation」とは、複数のキャリアを用いて同時に通信を行うことを意味する。
【0012】
例えば、上りリンクにおいてCAが行われる場合、ユーザ装置UEは、「Component Carrier」毎に異なるキャリアを用いて送信を行うため、複数のキャリアを用いて上りリンク信号を送信する。
【0013】
また、下りリンクにおいて「Carrier aggregation」が行われる場合、基地局装置eNBは、「Component Carrier(コンポーネントキャリア、CC」毎に異なるキャリアを用いて送信を行うため、複数のキャリアを用いて下りリンク信号を送信する。
【0014】
ところで、複数のセルを具備する移動通信システムでは、ユーザ装置UEは、1つのセルから他のセルに移動するときに、セルを切り替えて通信を継続するように構成されている。かかるセルの切り替えを「ハンドオーバ」という。
【0015】
一般的に、移動通信システムでは、ユーザ装置UEが、隣接セルに移動し、かかるユーザ装置UEにおいて、隣接セルからの信号の無線品質が、サービングセル(Serving Cell)からの信号の無線品質よりも強くなった場合に、当該ユーザ装置UEは、隣接セルにハンドオーバを行うように構成されている。
【0016】
なお、前記信号の無線品質として、例えば、信号の受信電力が用いられる。かかる信号の受信電力は、より具体的には、例えば、隣接セル又はサービングセルから送信される、下りリンクの参照信号(Reference Signal)の受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)である(RSRPの定義については、非特許文献3を参照)。
【0017】
なお、かかる信号の無線品質として、かかるRSRPの代わりに、下りリンクの参照信号の無線品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)や、下りリンクの参照信号のSIR(RS-SIR)、CQI(Channel Quality Indicator)や、CSI(Channel State Information)等が用いられることもある。
【0018】
図6及び図7を参照して、かかるハンドオーバ手順の一例について、具体的に説明する。以下の説明では、信号の受信電力(RSRP)が、信号の無線品質として用いられる。
【0019】
図6に示すように、ステップS1において、ユーザ装置UEは、サービングセル及び隣接セルからの信号の受信電力を測定する。また、ユーザ装置UEは、検知していない隣接セルを検知するために、かかる測定と並行して、セルサーチを行ってもよい。本処理における「セルサーチ」及び「サービングセル及び隣接セルの無線品質(受信電力)の測定」は、総称して「Measurement処理(測定処理)」と呼ばれてもよい。
【0020】
ステップS2において、ユーザ装置UEは、隣接セルからの信号の受信電力が、以下の(式1)を満たすか否かについて判定する。
【0021】
隣接セルからの信号の受信電力 + ヒステリシス > サービングセルからの信号の受信電力 … (式1)
かかる(式1)が満たされていると判定された場合、ステップS2において、ユーザ装置UEは、上述の測定結果を報告するためのイベントA3を、ネットワークに対して通知する。
【0022】
具体的には、ユーザ装置UEは、図7に示すように、サービングセル(セルA)及び監視対象セルである周辺セル(セルB)からの信号の受信電力を測定し、予め通知されている「ヒステリシス[dB]」及び「TTT(Time To Trigger)[ms]」を用いて、上述の測定結果を通知するか否かについて判定する。
【0023】
つまり、図7において、所定期間「TTT」以上、セルBからの信号の受信電力(無線品質)が、「ヒステリシス」以上、セルAからの信号の受信電力(無線品質)よりも上回っている状態が継続している場合、ユーザ装置UEは、上述の測定結果を含む「Measurement report(測定報告)」を通知するべきであると判定する。
【0024】
ここで、「ヒステリシス」は、セル境界でサービングセルから隣接セルへのハンドオーバが頻繁に生じないために設けられる値であり、正の値でもよく、負の値でもよいが、一般的には負の値が設定される。
【0025】
そして、ステップS3において、ネットワークは、イベントA3の通知を受信すると、かかるユーザ装置UEが、受信したイベントA3に係るセルに対してハンドオーバすべきであることを決定する。
【0026】
なお、(式1)は、以下の(式2)のような形がとられる場合もある。(式2)の場合、ヒステリシス及びオフセットの両方が、ヒステリシス的に動作する。
【0027】
隣接セルからの信号の受信電力 ― ヒステリシス > サービングセルからの信号の受信電力 + オフセット … (式2)
「Carrier aggregation」を行う場合、一般に、ユーザ装置UEは、各「Component Carrier」に関して、上述したサービングセル及び隣接セルからの信号の受信電力の測定や「Measurement report」の送信を行う。
【0028】
ところで、「Carrier aggregation」を行なっている場合、サービングセルは、「Component Carrier」毎に、「Pcell」及び「Scell」が設定される。
【0029】
「Pcell」は、1つだけ設定される。「Pcell」が設定された「Component Carrier」は、「PCC(Primary Component Carrier)」と呼ばれてもよい。
【0030】
また、「Scell」は、「Component Carrier」が複数ある場合は、「Component Carrier」毎に設定される。「Scell」が設定された「Component Carrier」は、「SCC(Secondary Component Carrier)」と呼ばれてもよい。
【0031】
一般的に、「Carrier aggregation」を行う場合、複数の「Component Carrier」が隣り合うキャリアであるケース(つまり、同じ周波数バンド内に配置されているケース)と、複数の「Component Carrier」が隣り合わないケース(つまり、異なるバンド間に配置されるケース)が考えられている。
【0032】
ユーザ装置UEは、隣り合う「Component Carrier」によるCA通信に対しては単一の無線回路で処理し、隣り合わない「Component Carrier」によるCA通信に対しては複数の無線回路で処理を行うのが一般的である。単一の無線回路を用いる目的としては、デバイス等の部品点数を減らすことなどがある。
【0033】
なお、ユーザ装置UEは、「Carrier aggregation」を行っている場合、「Pcell」では、常に無線基地局eNBからの信号を受信しておく必要があるが、「Scell」では、データ信号が送られている場合のみ信号を受信すればよい。
【0034】
よって、ユーザ装置UEは、「Scell」又は「SCC」において、信号を受信する場合又は「Measurement処理」を行う場合のみ、無線回路を該キャリアに設定すればよく、その結果、消費電流を抑えることできると考えられている。
【0035】
ただし、ユーザ装置UEは、一定の期間毎に、「Measurement処理」を行い、「Measurement report」の送信を行う必要がある。
【0036】
また、LTE方式及びLTE-advanced方式では、間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)制御が適用されている。
【0037】
かかるDRX制御は、無線基地局eNBとユーザ装置UEとが接続中であり、かつ、通信すべきデータが存在しない場合に適用され、DRX状態にあるユーザ装置UEは、周期的に、すなわち、間欠的に、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)を介して送信される下り制御信号を受信するように構成されている。
【0038】
かかるPDCCHを介して送信される下り制御信号を受信する時間は、「On-duration(ON区間、受信区間)」と呼ばれる。
【0039】
かかる場合、ユーザ装置UEは、全てのタイミングではなく、間欠的に、PDCCHを介して送信される下り制御信号を受信すればよいため、バッテリーの消費電力を低減することが可能となる。
【0040】
より具体的には、ユーザ装置UEは、図8に示すように、DRX周期(図8の例では、1280ms)毎に設定される受信区間(図8の例では、5ms)においてのみ、PDCCHを介して送信される下り制御信号を受信し、それ以外の送受信機をOFFとするように構成されている。その結果、ユーザ装置UEにおいて、バッテリーの消費電力を低減することが可能となる。
【0041】
なお、DRX状態においては、ユーザ装置UEのバッテリーの消費電力を低減するという効果を最大化するため、上述したサービングセル及び周辺セルからの信号の受信電力の測定頻度が低減される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0042】
【非特許文献1】3GPP TS36.211(V10.1.0)
【非特許文献2】3GPP TS36.913(V10.0.0)
【非特許文献3】3GPP TS36.214(V10.1.0)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0043】
しかしながら、上述した従来の移動通信システムには、以下のような問題点がある。
【0044】
上述したように、LTE-Advanced方式において、「Carrier aggregation」が行われる場合、「SCell」や「SCC」では、常にデータが送信されるわけではないため、ユーザ装置UEは、「SCell」や「SCC」では、常に、信号の受信や「Measurement処理」を行う必要はなく、無線回路における周波数帯域幅を狭めることで消費電流削減が図れることから、ユーザ装置UEは、一定の間隔で無線回路を制御する。
【0045】
しかし、特に、上述した「Component Carrier」が隣り合うケース、つまり、「Component Carrier」が同じ周波数バンド内に配置されている場合には、ユーザ装置UEは、単一の無線回路で、信号の受信や「Measurement処理」を実施するため、無線回路の制御切り替え時に瞬断が起き、「PCell」や「PCC」における信号の受信や「Measurement処理」の精度が劣化してしまうという問題が生じる場合が存在する。
【0046】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、マルチキャリア伝送を行う場合に、適切に下りリンクの無線品質の測定を行うことのできるユーザ装置及び移動通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0047】
本発明の第1の特徴は、移動通信システム内で、第1キャリア及び第2キャリアを用いて、基地局装置と無線通信するユーザ装置であって、前記第1キャリア及び前記第2キャリアにおける測定処理を行うように構成されている測定部を具備し、前記測定部は、前記第1キャリアにおいてDRX制御が適用されている場合、DRX周期毎に設定される受信区間外でのみ、前記第2キャリアにおける測定処理を行うように構成されていることを要旨とする。
【0048】
本発明の第2の特徴は、移動通信システム内で、第1キャリア及び第2キャリアを用いて、基地局装置と無線通信するユーザ装置であって、前記第1キャリア及び前記第2キャリアにおける測定処理を行うように構成されている測定部を具備し、前記測定部は、前記第1キャリアにおいてDRX制御が適用されている場合、DRX周期毎に設定される受信区間外でのみ、前記第2キャリアにおける測定処理を行うために測定帯域幅の制御を行うように構成されていることを要旨とする。
【0049】
本発明の第3の特徴は、移動通信システム内で、第1キャリア及び第2キャリアを用いて、基地局装置とユーザ装置との間で無線通信を行う移動通信方法であって、前記第1キャリア及び前記第2キャリアにおける測定処理を行う工程を有し、前記工程において、前記第1キャリアにおいてDRX制御が適用されている場合、DRX周期毎に設定される受信区間外でのみ、前記第2キャリアにおける測定処理を行うことを要旨とする。
【発明の効果】
【0050】
以上説明したように、本発明によれば、マルチキャリア伝送を行う場合に、適切に下りリンクの無線品質の測定を行うことのできるユーザ装置及び移動通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るユーザ装置の機能ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るユーザ装置における測定処理について説明するための図である。
【図6】従来の移動通信システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】従来の移動通信システムにおけるハンドオーバ手順について説明するための図である。
【図8】従来の移動通信システムにおけるDRX制御について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0053】
本実施形態に係る移動通信システムは、LTE-Advanced方式の移動通信システムであって、図1に示すように、無線基地局eNB#1、無線基地局eNB#2及び無線基地局eNB#3を具備している。
【0054】
図1に示すように、無線基地局eNB#1配下には、セル#11Aとセル#11Bとセル#11Cとセル#12Aとセル#12Bとセル#12Cとが配置されており、無線基地局eNB#2配下には、セル#21Aとセル#21Bとセル#21Cとセル#22Aとセル#22Bとセル#22Cとが配置されており、無線基地局eNB#3配下には、セル#31Aとセル#31Bとセル#31Cとセル#32Aとセル#32Bとセル#32Cとが配置されている。
【0055】
ここで、セル#11A、セル#11B、セル#11C、セル#21A、セル#21B、セル#21C、セル#31A、セル#31B及びセル#31Cには、それぞれ、搬送周波数(キャリア)F1が用いられている。
【0056】
同様に、セル#12A、セル#12B、セル#12C、セル#22A、セル#22B、セル#22C、セル#32A、セル#32B及びセル#32Cには、それぞれ、搬送周波数(キャリア)F2が用いられている。
【0057】
かかる移動通信システムでは、ユーザ装置UEと無線基地局eNB#1乃至eNB#3との間で、図2に示すように、主キャリア(PCC)を用いて形成するセル及びPCCと搬送周波数が異なる1つ又は複数の副キャリア(SCC)を用いて形成するセルを用いたCA通信を行うことができるように構成されている。
【0058】
ここで、「PCC」及び「SCC」において、サービングセルとして、それぞれ「Pcell」及び「Scell」が設定される。
【0059】
例えば、ユーザ装置UEは、例えば、2GHz帯のCC(5MHz)と2GHz帯のCC(5MHz)とを用いて、CA通信を行うことができるように構成されている。
【0060】
なお、無線基地局eNB#1乃至eNB#3の機能は、基本的に同一であるため、以下、特段の断りがない場合には、無線基地局eNB#1乃至eNB#3をまとめて無線基地局eNBと表記することとする。
【0061】
また、ユーザ装置UEは、CA通信を行う場合、1つの無線基地局eNB配下のCCしか用いることができない。
【0062】
なお、CA通信では、無線基地局eNBが、各ユーザ装置UEにおいてPCC及びSCCとして用いるべきCCを指定するように構成されている。
【0063】
また、ユーザ装置UEは、定期的に、無線基地局eNBによって送信された「Measurement Configuration」に含まれる「Measurement Object」によって指定されている測定対象CCにおける各セルの無線品質を測定するように構成されている。
【0064】
そして、ユーザ装置UEは、無線基地局eNBによって送信された「Measurement Configuration」に含まれる「Reporting Configuration」によって指定されている報告条件(例えば、3GPPで規定されているEvent A1〜Event A6)が満たされた場合に、無線基地局eNBに対して、上述の測定結果(測定対象CCにおける上記報告条件を満たしたセルのID及び前記セルの無線品質)を含む「Measurment Report」を送信するように構成されている。
【0065】
図3に示すように、無線基地局eNBは、受信部11と、CA制御部12と、送信部13とを具備している。
【0066】
受信部11は、各ユーザ装置UEによって送信された信号を受信するように構成されている。例えば、ユーザ装置UEから、上述の「Measurement Report」を受信するように構成されている。
【0067】
CA制御部12は、各ユーザ装置UEにおけるCA通信に用いる「PCC」及び「SCC」を決定するように構成されている。
【0068】
送信部13は、各ユーザ装置UEに対して、信号を送信するように構成されている。例えば、送信部13は、各ユーザ装置UEに対して、CA通信において用いるべき「PCC」又は「SCC」の変更や「SCC」の追加や「SCC」の削除を指示する「RRC Reconfiguration」を送信するように構成されている。
【0069】
図4に示すように、ユーザ装置UEは、受信部21と、CA制御部22と、送信部23と、間欠受信制御部24と、測定部25を具備している。
【0070】
受信部21は、無線基地局eNBによって送信された信号を受信するように構成されている。例えば、無線基地局eNBから、上述の「Measurement Configuration」に含まれる「Reporting Configuration」を受信するように構成されている。
【0071】
CA制御部22は、各ユーザ装置UEにおけるCA通信に用いる「PCC」及び「SCC」を管理するように構成されている。
【0072】
例えば、間欠状態制御部24が、PCCにおいてDRX制御を適用している場合、CA制御部22は、DRX周期毎に設定される受信区間外でのみ測定処理を行うように、測定部25に対して指示するように構成されている。
【0073】
間欠状態制御部24は、各ユーザ装置UEにおける間欠受信状態に応じて、周期的に、受信部21及び測定部25に対して、それぞれ信号の受信処理及び測定処理の実施を指示するように構成されている。
【0074】
例えば、間欠状態制御部24は、CA制御部22において、キャリアアグリゲーションが行なわれていると判定されている場合、間欠状態であった場合に、DRX周期毎に設定される受信区間外でのみ測定を実施するように、測定部25に対して指示を実施するように構成されている。
【0075】
送信部23は、無線基地局eNBに対して、信号を送信するように構成されている。
【0076】
例えば、送信部23は、無線基地局eNBに対して、「Measurement Report」を送信するように構成されている。
【0077】
測定部25は、「Measurement処理(測定処理)」を行うように構成されている。
【0078】
例えば、CA制御部22が、CA制御を適用している場合、PCC及びSCCにおける測定処理を行うように構成されている。
【0079】
また、測定部25は、CA制御部22が、CA制御を適用している場合で、かつ、間欠状態制御部24が、PCCにおいてDRX制御を適用している場合、図5に示すように、DRX周期毎に設定される受信区間外でのみ、SCCにおける測定処理を行うように構成されている。
【0080】
なお、かかる場合、SCCにおける「SCell」は、ユーザ装置UEによって常時PDCCHを監視する必要がある「Active状態」であってもよいし、ユーザ装置UE宛ての信号が存在する場合にのみユーザ装置UEによって下りリンク信号の受信する必要がある「Deactive状態」であってもよい。
【0081】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、第2キャリア(SCC)における測定処理において、無線回路の切り替えによる瞬断の影響を受けないように、第1キャリア(PCC)における下りリンク信号の受信処理を行うことが可能となるため、マルチキャリア伝送(例えば、CA通信)を行う場合に、適切に下りリンクの無線品質の測定を行うことができる。
【0082】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0083】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信システム内で、PCC(第1キャリア)及びSCC(第2キャリア)を用いて、基地局装置eNBとCA通信(無線通信)を行うユーザ装置UEであって、PCC及びSCCにおける測定処理を行うように構成されている測定部25を具備し、測定部25は、PCCにおいてDRX制御(間欠受信制御)が適用されている場合、DRX周期(間欠受信周期)毎に設定される受信区間外でのみ、SCCにおける測定処理を行うように構成されていることを要旨とする。
【0084】
本実施形態の第2の特徴は、移動通信システム内で、PCC及びSCCを用いて、基地局装置eNBとCA通信を行うユーザ装置UEであって、PCC及びSCCにおける測定処理を行うように構成されている測定部25を具備し、測定部25は、PCCにおいてDRX制御(間欠受信制御)が適用されている場合、DRX周期毎に設定される受信区間外でのみ、SCCにおける測定処理を行うために測定帯域幅の制御を行うように構成されていることを要旨とする。
【0085】
本実施形態の第1及び第2の特徴において、測定部25は、上述の測定処理において、下りリンクのリファレンス信号の受信レベル、RSRP及びRSRQの少なくとも1つを測定するように構成されていてもよい。
【0086】
本実施形態の第1及び第2の特徴において、測定部25は、上述の測定処理において、ハンドオーバのための下りリンクの測定処理を行うように構成されていてもよい。
【0087】
本実施形態の第1及び第2の特徴において、測定部25は、上述の測定処理において、下りリンクのチャネル品質情報を測定するように構成されていてもよい。
【0088】
本実施形態の第1及び第2の特徴において、PCC及びSCCは、同一の周波数バンド内に配置されていてもよい。
【0089】
本実施形態の第3の特徴は、移動通信システム内で、PCC及びSCCを用いて、基地局装置eNBとユーザ装置UEとの間でCA通信を行う移動通信方法であって、PCC及びSCCにおける測定処理を行う工程を有し、かかる工程において、PCCにおいてDRX制御が適用されている場合、DRX周期毎に設定される受信区間外でのみ、SCCにおける測定処理を行うことを要旨とする。
【0090】
なお、上述の無線基地局eNBやユーザ装置UEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0091】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0092】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、無線基地局eNBやユーザ装置UE内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして無線基地局eNBやユーザ装置UE内に設けられていてもよい。
【0093】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0094】
UE…ユーザ装置
eNB…無線基地局
11、21…受信部
12、22…CA制御部
13、23…送信部
24…間欠受信制御部
25…測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信システム内で、第1キャリア及び第2キャリアを用いて、基地局装置と無線通信するユーザ装置であって、
前記第1キャリア及び前記第2キャリアにおける測定処理を行うように構成されている測定部を具備し、
前記測定部は、前記第1キャリアにおいてDRX制御が適用されている場合、DRX周期毎に設定される受信区間外でのみ、前記第2キャリアにおける測定処理を行うように構成されていることを特徴とするユーザ装置。
【請求項2】
移動通信システム内で、第1キャリア及び第2キャリアを用いて、基地局装置と無線通信するユーザ装置であって、
前記第1キャリア及び前記第2キャリアにおける測定処理を行うように構成されている測定部を具備し、
前記測定部は、前記第1キャリアにおいてDRX制御が適用されている場合、DRX周期毎に設定される受信区間外でのみ、前記第2キャリアにおける測定処理を行うために測定帯域幅の制御を行うように構成されていることを特徴とするユーザ装置。
【請求項3】
前記測定部は、前記測定処理において、下りリンクのリファレンス信号の受信レベル、RSRP及びRSRQの少なくとも1つを測定するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザ装置。
【請求項4】
前記測定部は、前記測定処理において、ハンドオーバのための下りリンクの測定処理を行うように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザ装置。
【請求項5】
前記測定部は、前記測定処理において、下りリンクのチャネル品質情報を測定するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザ装置。
【請求項6】
前記無線通信は、「Carrier aggregation」通信であり、
前記第1キャリアは、PCCであり、
前記第2キャリアは、SCCであり、
前記第1キャリア及び前記第2キャリアは、同一の周波数バンド内に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザ装置。
【請求項7】
移動通信システム内で、第1キャリア及び第2キャリアを用いて、基地局装置とユーザ装置との間で無線通信を行う移動通信方法であって、
前記第1キャリア及び前記第2キャリアにおける測定処理を行う工程を有し、
前記工程において、前記第1キャリアにおいてDRX制御が適用されている場合、DRX周期毎に設定される受信区間外でのみ、前記第2キャリアにおける測定処理を行うことを特徴とする移動通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−235395(P2012−235395A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103846(P2011−103846)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】