説明

ライト制御システムおよびライト

【課題】車両が急に車線変更したり、車両が急に左右方向に旋回したりした場合に、周囲の歩行者や周辺車両の運転手がそのことに気が付き易くなる、ライト制御システムを提供する。
【解決手段】ライト制御システム100Aは、少なくとも1つのライト130L,130Rと、車両の角速度を測定するためのセンサ120と、車両の角速度が所定値以上であるか否かを判断し、車両の角速度が所定値以上である場合に少なくとも1つのライトの点灯方法を変更するためのプロセッサ111とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設置されるライトを制御する技術に関し、特に車両の動きに応じてライトを制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ライトが設置された様々な種類の車両が知られている。たとえば、ヘッドライトを装備した自動車や、警光灯を装備した緊急車両などが挙げられる。そのような車両の中には、車両の動きに応じてライトの点灯方法を変更するものがある。
【0003】
たとえば、特許文献1には、車両用警告灯装置が開示されている。特許文献1によると、車両に装備された警告灯と、ブレーキ装置の作動により車両の緊急制動を検知して検知信号を出力する緊急制動検知手段と、この緊急制動検知手段からの検知信号に基づいて車両の緊急制動を判断し、警告灯を、先の点滅パターンと、点滅速度が先の点滅パターンの点滅速度よりも遅い後の点滅パターンとで点滅制御する制御装置と、を備える。この結果、警告灯の点滅が車両の周囲の明るさに対応して変化することがないので、後続車のドライバーなどに不快感を与えるような虞がなく、交通安全の向上に貢献することができる。
【0004】
また、特許文献2には、ブレーキランプ点灯装置が開示されている。特許文献2によると、走行車両に搭載されるブレーキランプ点灯装置は、補助ブレーキランプと、走行車両に対し急ブレーキが掛けられたことを検知する急ブレーキ検知センサーと、前記急ブレーキ検知センサーによって急ブレーキが検知されたときに、前記補助ブレーキランプを所定の方式で点灯させる点灯制御手段とを備えて構成される。
【0005】
また、特許文献3には、車両用警告灯制御装置が開示されている。特許文献3によると、散光式警光灯の動作を制御するための電子サイレンアンプには、スピードメータからの車速パルスが与えられている。電子サイレンアンプは、車両の速さがたとえば5km/hを超えているときには通常動作モードに対応した制御信号をラインから散光式警光灯に与え、5km/h以下であるときには点滅動作モードに対応した制御信号をラインに導出する。通常動作モードでは、全ての回転灯が連続点灯状態で、かつ、回転状態となる。また、点滅動作モードでは、内側の一対の回転灯は、車両の前後方向に警告光を放射する状態で停止させられ、かつ、点滅状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−069245号公報
【特許文献2】特開2003−205782号公報
【特許文献3】特開平06−020507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術では、車両が急に車線変更したり、車両が急に左右方向に旋回したりした場合に、周囲の歩行者や周辺車両の運転手が車両の旋回および車線変更に気が付き難い、という怖れがあった。
【0008】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両が急に車線変更したり、車両が急に左右方向に旋回したりした場合に、周囲の歩行者や周辺車両の運転手が車両の旋回および車線変更に気が付き易くなる、ライト制御システムおよびライトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)
この発明のある局面に従うと、車両に搭載することが可能なライト制御システムが提供される。ライト制御システムは、少なくとも1つのライトと、車両の角速度を測定するためのセンサと、車両の角速度が所定値以上であるか否かを判断し、車両の角速度が所定値以上である場合に少なくとも1つのライトの点灯方法を変更するためのプロセッサとを備える。
【0010】
(2)
好ましくは、車両は、緊急車両である。少なくとも1つのライトは、少なくとも1つの警光灯である。プロセッサは、少なくとも1つの警光灯が点灯または点滅しているときに、車両の角速度が所定値以上である場合に少なくとも1つのライトの点灯方法を変更する。
【0011】
(3)
好ましくは、少なくとも1つのライトは、車両の右部に設置される右ライトと、車両の左部に設置される左ライトとを含む。プロセッサは、車両の角速度が右方向に所定値以上である場合に右ライトの点灯方法を変更し、車両の角速度が左方向に所定値以上である場合に左ライトの点灯方法を変更する。
【0012】
(4)
好ましくは、プロセッサは、車両の角速度が所定値以上である場合に、点灯方法として少なくとも1つのライトの出力または点滅周期を変更する。
【0013】
(5)
好ましくは、ライト制御システムは、複数の所定値と複数の点灯方法との対応関係を記憶するメモリをさらに備える。プロセッサは、車両の角速度と対応関係とに基づいて、少なくとも1つのライトの点灯方法を変更する。
【0014】
(6)
この発明の別の局面に従うと、車両に搭載することが可能なライトが提供される。ライト制御システムは、ライト自体の角速度を測定するためのセンサと、ライト自体の角速度が所定値以上であるか否かを判断し、ライトの角速度が所定値以上である場合に点灯方法を変更するためのプロセッサとを備える。
【0015】
(7)
この発明の別の局面に従うと、ハンドルを有する車両に搭載することが可能なライト制御システムが提供される。ライト制御システムは、少なくとも1つのライトと、ハンドルの回転角度を測定するためのセンサと、ハンドルの回転角度が所定値以上であるか否かを判断し、ハンドルの回転角度が所定値以上である場合に少なくとも1つのライトの点灯方法を変更するためのプロセッサとを備える。
【0016】
(8)
この発明の別の局面に従うと、タイヤを有する車両に搭載することが可能なライト制御システムが提供される。ライト制御システムは、少なくとも1つのライトと、タイヤの回転角度を測定するためのセンサと、タイヤの回転角度が所定値以上であるか否かを判断し、タイヤの回転角度が所定値以上である場合に少なくとも1つのライトの点灯方法を変更するためのプロセッサとを備える。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によって、車両が急に車線変更したり、車両が急に左右方向に旋回したりした場合に、周囲の歩行者や周辺車両の運転手が車両の旋回および車線変更に気が付き易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態に係る消防車10の第1の動作概要を示すイメージ図である。
【図2】本実施の形態に係る消防車10の第2の動作概要を示すイメージ図である。
【図3】実施の形態1に係るライト制御システム100Aの構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1に係る操作機110による右の警光灯130Rと左の警光灯130Lの制御処理を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態2に係る点灯テーブル112Aの構成を示すイメージ図である。
【図6】実施の形態2に係る操作機110による左の警光灯130Lおよび右の警光灯130Rの制御処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の変形例に係る点灯テーブル112Bの構成を示すイメージ図である。
【図8】第2の変形例に係る点灯テーブル112Cの構成を示すイメージ図である。
【図9】実施の形態3に係るライト制御システム100Bの構成を示すブロック図である。
【図10】センサと操作機の機能とが散光式警光灯のケーシングに内包されるライト制御システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0020】
以下では、「車両」の代表例として、消防車10の構成について説明する。また、「少なくとも1つのライト」の代表例として、消防車10の左側面に設置される警光灯130Lと右側面に設置される警光灯130Rと上面に設置される散光式警光灯130Aの構成について説明する。ただし、「車両」は、パトカー、救急車などの他の緊急車両や、普通自動車、トラック、フォークリフト、建設機械などの他の車両であってもよい。また、「少なくとも1つのライト」は、背面の左部および右部に設置されるライトや、上面の左部および右部に設置されるライトや、ヘッドライト、フォグランプ、ウィンカーランプ、ワーニングライト、ブレーキランプ、散光式警光灯などの設置車両の外から視認できるライトであればよい。
【0021】
[実施の形態1]
<動作概要>
まずは、本実施の形態に係る消防車10の第1の動作概要について説明する。図1は、本実施の形態に係る消防車10の第1の動作概要を示すイメージ図である。
【0022】
図1(A)を参照して、消防車10が道路を走行している。このとき、消防車10は、サイレンを鳴らして、散光式警光灯130Aを点灯または点滅させている(以下、緊急状態という。)。なお、緊急状態において、散光式警光灯130Aは、内部のランプを回転させてもよいし、ランプの回転を停止させていてもよい。ただし、消防車10は、緊急状態のときだけに以下の動作を行ってもよいし、緊急状態以外でも以下の動作を行ってもよい。
【0023】
図1(B)を参照して、消防車10のドライバーが、車線変更をするために、ハンドルを切る。このような場合、手動でウィンカーランプを作動させずに、とっさにハンドルを切る必要がある場合がある。
【0024】
図1(C)を参照して、本実施の形態においては、消防車10は、車両の角速度(右方向を正とする。)が右旋回用のしきい値以上になった場合に、自動的に右の警光灯130Rの点灯方法を変更する。たとえば、消防車10は、右の警光灯130Rを(発光していない状態から)発光させる。または、消防車10は、右の警光灯130Rの出力値を、緊急状態のそれよりも上昇させる。あるいは、消防車10は、右の警光灯130Rを(点灯している状態から)点滅させ始める。このとき、消防車10は、サイレンを鳴らし始めてもよい。
【0025】
消防車10は、車両の角速度が左旋回用のしきい値以下になった場合に、自動的に左の警光灯130Lの点灯方法を変更する。たとえば、消防車10は、左の警光灯130Lを(発光していない状態から)発光させる。または、消防車10は、左の警光灯130Lの出力値を、緊急状態のそれよりも上昇させる。あるいは、消防車10は、左の警光灯130Lを(点灯している状態から)点滅させ始める。このとき、消防車10は、サイレンを鳴らし始めてもよい。
【0026】
次に、本実施の形態に係る消防車10の第2の動作概要について説明する。図2は、本実施の形態に係る消防車10の第2の動作概要を示すイメージ図である。
【0027】
図2(A)を参照して、消防車10が道路を走行している。このとき、消防車10は、緊急状態とする。ただし、消防車10は、緊急状態のときだけに以下の動作を行ってもよいし、緊急状態以外でも以下の動作を行ってもよい。
【0028】
図2(B)を参照して、消防車10のドライバーが、消防車10を旋回させるためにハンドルを左に切る。このような場合、手動でウィンカーランプを作動させずに、とっさにハンドルを切る必要がある場合がある。
【0029】
図2(C)を参照して、図1(C)の場合と同様に、消防車10は、車両の角速度(右方向を正とする。)が右旋回用のしきい値以上になった場合に、自動的に右の警光灯130Rの点灯方法を変更する。消防車10は、車両の角速度が左旋回用のしきい値以上になった場合に、自動的に左の警光灯130Lの点灯方法を変更する。
【0030】
このように、本実施の形態に係る消防車10は、車両の角速度が(正の)しきい値以上または(負の)しきい値以下になった場合に、自動的に、車両が旋回している方法の警光灯130R,130Lから発せられる光をより目立ち易いものへと変更する。その結果、消防車10の周囲の歩行者や周辺車両の運転手が、消防車10の車線変更や消防車10の旋回に気が付き易くなる。
以下、このような機能を実現するための消防車10の構成について詳述する。
【0031】
<ライト制御システム100Aの全体構成>
まず、本実施の形態に係る消防車10に搭載されるライト制御システム100Aの構成について説明する。図3は、本実施の形態に係るライト制御システム100Aの構成を示すブロック図である。
【0032】
図3を参照して、本実施の形態に係るライト制御システム100Aは、センサ120と、散光式警光灯130Aと、左の警光灯130Lと、右の警光灯130Rと、スピーカ140と、ライトの操作機110とを含む。
【0033】
センサ120は、車両の角速度(右方向を正とする。)を測定し、測定結果を操作機110に入力する。センサ120は、消防車10の走行システムに装備されているものであってもよいし、別のジャイロセンサなどであってもよい。たとえば、センサ120は、ジャイロセンサである。あるいは、センサ120は、タイヤの角度またはハンドルの角度を測定するためのセンサと、車両の速度を測定するためのセンサとを含んでもよい。この場合には、操作機110が、タイヤの角度またはハンドルの角度と、車両の速度と、に基づいて、車両の角速度を計算する。
【0034】
散光式警光灯130A,警光灯130L,130Rは、操作機110からの指令に基づいて、点灯または点滅する。より詳細には、本実施の形態に係る散光式警光灯130A,130L,130Rの各は、回転灯ユニットやLED点滅ユニットなどの灯火ユニットを含む。散光式警光灯130A,130L,130Rは、操作機110から出力値や点滅周期や回転速度を示す命令を受け付けて、当該命令に応じてランプを点灯または点滅させたり、ランプを回転させたりする。
【0035】
スピーカ140は、操作機110からの指令に基づいて、音声を出力する。たとえば、スピーカ140は、操作機110から出力値やサイレンの種類を示す命令を受け付けて、当該命令に応じてサイレンなどの音声を出力する。
【0036】
操作機110は、プロセッサ111と、メモリ112と、通信インターフェイス113と、スイッチ114と、ディスプレイ115とを含む。
【0037】
メモリ112は、各種のRAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)および/またはハードディスクなどによって実現される。メモリ112は、プロセッサ111によって実行される制御プログラムと、点灯方法を変更するか否かを判断するための右旋回用のしきい値(たとえば、角速度+0.5rad/s)と、車両の角速度が右旋回用のしきい値以上である場合の右の警光灯130Rの点灯方法と、点灯方法を変更するか否かを判断するための左旋回用のしきい値(たとえば、角速度−0.5rad/s)と、車両の角速度が左旋回用のしきい値以下である場合の左の警光灯130Lの点灯方法とを記憶する。
【0038】
通信インターフェイス113は、操作機110の外部の機器とデータ通信を行う。たとえば、通信インターフェイス113は、センサ120からのデータを、プロセッサ111に受け渡す。通信インターフェイス113は、プロセッサ111からの指令に基づいて、散光式警光灯130A,130L,130Rおよびスピーカ140に指令を送信する。
【0039】
スイッチ114は、ユーザからの命令を受け付けて、ユーザからの命令をプロセッサ111に入力する。たとえば、スイッチ114は、散光式警光灯130A,130L,130Rの点灯方法を指定するための命令やスピーカ140の出力方法を指定するための命令を受け付ける。
【0040】
ディスプレイ115は、プロセッサ111からの指令に基づいて、文字や画像を出力する。なお、操作機110は、スイッチ114とディスプレイ115との代わりに、タッチパネルを含んでもよい。
【0041】
プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、センサ120から車両の角速度を取得する。あるいは、プロセッサ111は、タイヤの角度またはハンドルの角度と、車両の速度と、に基づいて、車両の角速度を計算する。プロセッサ111は、メモリ112に格納されている右旋回用のしきい値を参照することによって、取得した角速度が右旋回用のしきい値以上であるか否かを判断する。プロセッサ111は、取得した角速度が右旋回用のしきい値以上である場合に、メモリ112に格納されている点灯方法を示す命令を通信インターフェイス113を介して右の警光灯130Rに送信する。
【0042】
同様に、プロセッサ111は、メモリ112に格納されている左旋回用のしきい値を参照することによって、取得した角速度が左旋回用のしきい値以下であるか否かを判断する。プロセッサ111は、取得した角速度が左旋回用のしきい値以下である場合に、メモリ112に格納されている点灯方法を示す命令を通信インターフェイス113を介して左の警光灯130Lに送信する。
【0043】
<操作機110によるライト制御処理>
次に、本実施の形態に係る操作機110による右の警光灯130Rおよび左の警光灯130Lの制御処理について詳述する。図4は、本実施の形態に係る操作機110による右の警光灯130Rと左の警光灯130Lの制御処理を示すフローチャートである。
【0044】
図4を参照して、本実施の形態に係るプロセッサ111は、スイッチ114を介して、緊急モードへ移行する命令を受け付けると、以下の処理を実行する。より詳細には、プロセッサ111は、緊急モードへ移行すると、通信インターフェイス113を介して散光式警光灯130Aに緊急用の点灯命令または点滅命令を送信する。ただし、プロセッサ111は、操作機110の電源がONされると、(緊急モードでなくても)以下の処理を実行してもよい。
【0045】
プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、センサ120から車両の角速度を取得する(ステップS102)。プロセッサ111は、取得した角速度がメモリ112に格納されている右旋回用のしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS104)。
【0046】
プロセッサ111は、取得した角速度が右旋回用のしきい値以上である場合(ステップS104にてYESである場合)、メモリ112に格納されている所定の点灯方法を指定するための命令を通信インターフェイス113を介して右の警光灯130Rに送信する(ステップS106)。なお、プロセッサ111は、変更前の点灯方法をメモリ112に記憶しておくことが好ましい。
【0047】
プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、センサ120から車両の角速度を取得する(ステップS108)。プロセッサ111は、取得した角速度が右旋回用のしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS110)。プロセッサ111は、取得した角速度が右旋回用のしきい値以上である場合(ステップS110にてYESである場合)、ステップS108からの処理を繰り返す。
【0048】
プロセッサ111は、取得した角速度が右旋回用のしきい値以下である場合(ステップS110にてNOである場合)、通信インターフェイス113を介して、変更前の点灯方法に戻すための命令を右の警光灯130Rに送信する(ステップS112)。プロセッサ111は、ステップS102からの処理を繰り返す。
【0049】
プロセッサ111は、取得した角速度がメモリ112に格納されている右旋回用のしきい値以下である場合(ステップS104にてYESである場合)、取得した角速度が左旋回用のしきい値以下であるか否かを判断する(ステップS114)。プロセッサ111は、取得した角速度が左旋回用のしきい値以下でない場合(ステップS114にてNOである場合)、ステップS102からの処理を繰り返す。
【0050】
プロセッサ111は、取得した角速度が左旋回用のしきい値以下である場合(ステップS114にてYESである場合)、メモリ112に格納されている所定の点灯方法を指定するための命令を通信インターフェイス113を介して左の警光灯130Lに送信する(ステップS116)。なお、プロセッサ111は、変更前の点灯方法をメモリ112に記憶しておくことが好ましい。
【0051】
プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、センサ120から車両の角速度を取得する(ステップS118)。プロセッサ111は、取得した角速度が左旋回用のしきい値以下であるか否かを判断する(ステップS120)。プロセッサ111は、取得した角速度が左旋回用のしきい値以下である場合(ステップS120にてYESである場合)、ステップS118からの処理を繰り返す。
【0052】
プロセッサ111は、取得した角速度が左旋回用のしきい値以下でない場合(ステップS120にてNOである場合)、ステップS112からの処理を繰り返す。
【0053】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1に係るライト制御システム100Aは、1種類のしきい値に基づいて点灯方法を変更するか否かを判断するものであった。しかしながら、ライト制御システム100Aは、複数のしきい値に基づいて(多段階に)点灯方法を変更してもよいし、無段階に点灯方法を変更してもよい。
【0054】
本実施の形態に係るライト制御システム100Aは、複数のしきい値に基づいて(多段階に)点灯方法を変更する。なお、本実施の形態に係る消防車10の動作概要は、実施の形態1のそれと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。また、本実施の形態に係るライト制御システム100Aの構成は、メモリ112に格納されるデータとプロセッサ111の動作に関して実施の形態1と異なり、その他の要素は実施の形態1のそれらと同様であるため、当該その他の要素についてはここでは説明を繰り返さない。
【0055】
具体的には、本実施の形態においては、メモリ112が、点灯テーブル112Aを記憶する。図5は、本実施の形態に係る点灯テーブル112Aの構成を示すイメージ図である。
【0056】
図5を参照して、点灯テーブル112Aは、車両の角速度(右方向を正とする。)の範囲と、左右の警光灯130L,130Rの点灯方法と、サイレンの出力方法とを対応付けて格納する。これによって、プロセッサ111は、消防車10の角速度に応じて、左右の警光灯130L,130Rやスピーカ140の出力方法を変更することができる。
【0057】
以下では、角速度の範囲毎の上限値(下限値)をしきい値ともいう。すなわち、点灯テーブル112Aは、角速度が0.4rad/sを第1の右旋回用のしきい値として格納し、角速度が0.8rad/sを第2の右旋回用のしきい値として格納し、角速度が1.2rad/sを第3の右旋回用のしきい値として格納し、角速度が−0.4rad/sを第1の左旋回用のしきい値として格納し、角速度が−0.8rad/sを第2の左旋回用のしきい値として格納し、角速度が−1.2rad/sを第3の左旋回用のしきい値として格納してもよい。
【0058】
プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、センサ120から車両の角速度を取得する。プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照することによって、取得した角速度に対応する左右の警光灯130L,130Rの点灯方法を特定する。プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、特定された点灯方法を示す命令を左右の警光灯130L,130Rに送信する。
【0059】
<操作機110によるライト制御処理>
次に、本実施の形態に係るに操作機110による左の警光灯130Lおよび右の警光灯130Rの制御処理について詳述する。図6は、本実施の形態に係る操作機110による左の警光灯130Lおよび右の警光灯130Rの制御処理を示すフローチャートである。
【0060】
図6を参照して、本実施の形態に係るプロセッサ111は、スイッチ114を介して、緊急モードへ移行する命令を受け付けると、以下の処理を実行する。より詳細には、プロセッサ111は、緊急モードへ移行すると、通信インターフェイス113を介して散光式警光灯130Aに警ら用の点灯命令または点滅命令を送信する。ただし、プロセッサ111は、操作機110の電源がONされると、(緊急モードでなくても)以下の処理を実行してもよい。
【0061】
プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、センサ120から車両の角速度を取得する(ステップS202)。プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照して、取得した角速度が第1の右旋回用のしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS204)。
【0062】
プロセッサ111は、取得した角速度が第1の右旋回用のしきい値以上である場合(ステップS204にてYESである場合)、点灯テーブル112Aを参照して、取得した角速度が第2の右旋回用のしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS206)。
【0063】
プロセッサ111は、取得した角速度が第2の右旋回用のしきい値以上でない場合(ステップS206にてNOである場合)、点灯テーブル112Aを参照して、第1の点灯方法を指定する命令を右の警光灯130Rに送信する(ステップS208)。より詳細には、プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照して、第1の右旋回用のしきい値と第2の右旋回用のしきい値との間の範囲に対応する点灯方法を第1の点灯方法として特定する。なお、プロセッサ111は、変更前の点灯方法をメモリ112に記憶しておくことが好ましい。プロセッサ111は、ステップS216からの処理を実行する。
【0064】
プロセッサ111は、取得した角速度が第2の右旋回用のしきい値以上である場合(ステップS206にてYESである場合)、点灯テーブル112Aを参照して、取得した角速度が第3の右旋回用のしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS210)。プロセッサ111は、取得した角速度が第3の右旋回用のしきい値以下である場合(ステップS210にてNOである場合)、点灯テーブル112Aを参照して、第2の点灯方法を指定する命令を右の警光灯130Rに送信する(ステップS212)。より詳細には、プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照して、第2の右旋回用のしきい値と第3の右旋回用のしきい値との間の範囲に対応する点灯方法を第2の点灯方法として特定する。なお、プロセッサ111は、変更前の点灯方法をメモリ112に記憶しておくことが好ましい。プロセッサ111は、ステップS216からの処理を実行する。
【0065】
プロセッサ111は、取得した角速度が第3の右旋回用のしきい値以上である場合(ステップS210にてYESである場合)、点灯テーブル112Aを参照して、第3の点灯方法を指定する命令を右の警光灯130Rに送信する(ステップS214)。より詳細には、プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照して、第3の右旋回用のしきい値以上の範囲に対応する点灯方法を第3の点灯方法として特定する。なお、プロセッサ111は、変更前の点灯方法をメモリ112に記憶しておくことが好ましい。
【0066】
プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、センサ120から車両の角速度を取得する(ステップS216)。プロセッサ111は、取得した角速度が第1の右旋回用のしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS218)。プロセッサ111は、取得した角速度が第1の右旋回用のしきい値以上である場合(ステップS218にてYESである場合)、ステップS206からの処理を繰り返す。
【0067】
プロセッサ111は、取得した角速度が右旋回用のしきい値以下である場合(ステップS218にてNOである場合)、通信インターフェイス113を介して、変更前の点灯方法に戻すための命令を右の警光灯130Rに送信する(ステップS220)。プロセッサ111は、ステップS202からの処理を繰り返す。
【0068】
一方、プロセッサ111は、取得した角速度が第1の右旋回用のしきい値以上でない場合(ステップS204にてNOである場合)、取得した角速度が第1の左旋回用のしきい値以下であるか否かを判断する(ステップS222)。プロセッサ111は、取得した角速度が第1の左旋回用のしきい値以下でない場合(ステップS222にてNOである場合)、ステップS202からの処理を繰り返す。プロセッサ111は、取得した角速度が第1の左旋回用のしきい値以下である場合(ステップS222にてYESである場合)、点灯テーブル112Aを参照して、取得した角速度が第2の左旋回用のしきい値以下であるか否かを判断する(ステップS224)。
【0069】
プロセッサ111は、取得した角速度が第2の左旋回用のしきい値以下でない場合(ステップS224にてNOである場合)、点灯テーブル112Aを参照して、第1の点灯方法を指定する命令を左の警光灯130Lに送信する(ステップS226)。より詳細には、プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照して、第1の左旋回用のしきい値と第2の左旋回用のしきい値との間の範囲に対応する点灯方法を第1の点灯方法として特定する。なお、プロセッサ111は、変更前の点灯方法をメモリ112に記憶しておくことが好ましい。プロセッサ111は、ステップS234からの処理を実行する。
【0070】
プロセッサ111は、取得した角速度が第2の左旋回用のしきい値以下である場合(ステップS224にてYESである場合)、点灯テーブル112Aを参照して、取得した角速度が第3の左旋回用のしきい値以下であるか否かを判断する(ステップS228)。プロセッサ111は、取得した角速度が第3の左旋回用のしきい値以下でない場合(ステップS228にてNOである場合)、点灯テーブル112Aを参照して、第2の点灯方法を指定する命令を左の警光灯130Lに送信する(ステップS230)。より詳細には、プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照して、第2の左旋回用のしきい値と第3の左旋回用のしきい値との間の範囲に対応する点灯方法を第2の点灯方法として特定する。なお、プロセッサ111は、変更前の点灯方法をメモリ112に記憶しておくことが好ましい。プロセッサ111は、ステップS234からの処理を実行する。
【0071】
プロセッサ111は、取得した角速度が第3の左旋回用のしきい値以下である場合(ステップS228にてYESである場合)、点灯テーブル112Aを参照して、第3の点灯方法を指定する命令を左の警光灯130Lに送信する(ステップS232)。より詳細には、プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照して、第3の左旋回用のしきい値以下の範囲に対応する点灯方法を第3の点灯方法として特定する。なお、プロセッサ111は、変更前の点灯方法をメモリ112に記憶しておくことが好ましい。
【0072】
プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、センサ120から車両の角速度を取得する(ステップS234)。プロセッサ111は、取得した角速度が第1の左旋回用のしきい値以下であるか否かを判断する(ステップS236)。プロセッサ111は、取得した角速度が第1の左旋回用のしきい値以下である場合(ステップS236にてYESである場合)、ステップS224からの処理を繰り返す。
【0073】
プロセッサ111は、取得した角速度が第1の左旋回用のしきい値以下でない場合(ステップS236にてNOである場合)、通信インターフェイス113を介して、変更前の点灯方法に戻すための命令を左の警光灯130Lに送信する(ステップS220)。プロセッサ111は、ステップS202からの処理を繰り返す。
【0074】
<第1の変形例>
次に、実施の形態1および2の第1の変形例について説明する。上述した実施の形態1および2に係るライト制御システム100Aは、車両の角速度に基づいて、ライトの点灯方法を変更するか否かを判断するものであった。しかしながら、ライト制御システム100Aは、単にタイヤの進行方向からの角度(右方向を正とする。)に基づいて、ライトの点灯方法を変更するものであってもよい。
【0075】
以下では、単にタイヤの進行方向からの角度に基づいて、ライトの点灯方法を変更するライト制御システム100Aについて説明する。なお、センサ120がハンドルの回転角度を測定する点とメモリ112に記憶されるデータとプロセッサ111の動作以外の構成は、実施の形態1および2に係るそれらと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0076】
図7は、本変形例に係る点灯テーブル112Bの構成を示すイメージ図である。図7を参照して、点灯テーブル112Bは、タイヤの角度の範囲と、左右の警光灯130L,130Rの点灯方法と、サイレンの出力方法とを対応付けて格納する。プロセッサ111は、点灯テーブル112Bを参照することによって、タイヤの角度に応じて、左右の警光灯130L,130Rやスピーカ140の出力方法を変更することができる。
【0077】
以下では、タイヤの角度の範囲毎の上限値(下限値)をしきい値ともいう。すなわち、点灯テーブル112Bは、タイヤの角度が3°を第1の右旋回用のしきい値として格納し、タイヤの角度が10°を第2の右旋回用のしきい値として格納し、タイヤの角度が20°を第3の右旋回用のしきい値として格納し、角速度が−3°を第1の左旋回用のしきい値として格納し、角速度が−10°を第2の左旋回用のしきい値として格納し、角速度が−20°を第3の左旋回用のしきい値として格納してもよい。
【0078】
プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、センサ120から車両の進行方向からのタイヤの角度を取得する。プロセッサ111は、点灯テーブル112Bを参照することによって、取得したタイヤの角度に対応する左右の警光灯130L,130Rの点灯方法を特定する。プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、特定された点灯方法を示す命令を左右の警光灯130L,130Rに送信する。
【0079】
<第2の変形例>
ライト制御システム100Aは、単にハンドルの回転角度(右方向を正とする。)に基づいて、ライトの点灯方法を変更するものであってもよい。以下では、単にハンドルの回転角度に基づいて、ライトの点灯方法を変更するライト制御システム100Aについて説明する。なお、センサ120がハンドルの回転角度を測定する点とメモリ112に記憶されるデータとプロセッサ111の動作以外の構成は、実施の形態1および2に係るそれらと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0080】
図8は、本変形例に係る点灯テーブル112Cの構成を示すイメージ図である。図8を参照して、点灯テーブル112Cは、ハンドルの回転角度の範囲と、左右の警光灯130L,130Rの点灯方法と、サイレンの出力方法とを対応付けて格納する。プロセッサ111は、点灯テーブル112Cを参照することによって、ハンドルの回転角度に応じて、左右の警光灯130L,130Rやスピーカ140の出力方法を変更することができる。
【0081】
以下では、ハンドルの回転角度の範囲毎の上限値(下限値)をしきい値ともいう。すなわち、点灯テーブル112Bは、ハンドルの回転角度が90°を第1の右旋回用のしきい値として格納し、ハンドルの回転角度が300°を第2の右旋回用のしきい値として格納し、ハンドルの回転角度が600°を第3の右旋回用のしきい値として格納し、ハンドルの回転角度が−90°を第1の左旋回用のしきい値として格納し、ハンドルの回転角度が−300°を第2の左旋回用のしきい値として格納し、ハンドルの回転角度が−600°を第3の左旋回用のしきい値として格納してもよい。
【0082】
プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、センサ120からハンドルの回転角度を取得する。プロセッサ111は、点灯テーブル112Cを参照することによって、取得したハンドルの回転角度に対応する左右の警光灯130L,130Rの点灯方法を特定する。プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、特定された点灯方法を示す命令を左右の警光灯130L,130Rに送信する。
【0083】
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1に係るライト制御システム100Aは、消防車10の左右両側に警光灯130R,130Lが搭載されるものであった。そして、消防車10が左に旋回および車線変更する場合に左の警光灯130Lを点灯または点滅させ、消防車10が右に旋回および車線変更する場合に右の警光灯130Rを点灯または点滅させるものであった。しかしながら、車両およびライト制御システムは、(左右の)旋回方向に応じて点灯または点滅するライトを切り替えないものであってもよいし、旋回および車線変更を示すために自動で点灯または点滅するライトを1つだけ搭載するものであってもよい。
【0084】
以下では、(左右の)旋回方向に応じて点灯または点滅するライトを変更しないライト制御システム100Bについて説明する。本実施の形態に係るライト制御システム100Bは、たとえば、自動で点灯または点滅する1つの散光式警光灯130Aを搭載するパトカーなどに利用される。
【0085】
<動作概要>
図1に示される第1の動作概要に対して、本実施の形態に係る車両は、以下の点において実施の形態1に記載の消防車10と異なる。本実施の形態に係る車両は、車両の角速度(右方向を正とする。)が右旋回用のしきい値以上になった場合および左旋回用のしきい値以下になった場合に、自動的に散光式警光灯130Aの点灯方法を変更する。たとえば、車両は、散光式警光灯130Aを(発光していない状態から)発光させる。または、車両は、散光式警光灯130Aの出力値を、緊急状態のそれよりも上昇させる。あるいは、車両は、散光式警光灯130Aを(点灯している状態から)点滅させ始める。このとき、車両は、サイレンを鳴らし始めてもよい。
【0086】
同様に、図2に示される第2の動作概要に対して、本実施の形態に係る車両は、以下の点において実施の形態1に記載の消防車と異なる。本実施の形態に係る車両は、車両の角速度(右方向を正とする。)が右旋回用のしきい値以上になった場合および左旋回用のしきい値以下になった場合に、自動的に散光式警光灯130Aの点灯方法を変更する。たとえば、車両は、散光式警光灯130Aを(発光していない状態から)発光させる。または、車両は、散光式警光灯130Aの出力値を、緊急状態のそれよりも上昇させる。あるいは、車両は、散光式警光灯130Aを(点灯している状態から)点滅させ始める。このとき、車両は、サイレンを鳴らし始めてもよい。
【0087】
つまり、本実施の形態に係る車両は、車両の角速度が右旋回用のしきい値以上または左旋回用のしきい値以下になった場合に、自動的に、散光式警光灯130Aから発せられる光をより目立ち易いものへと変更する。その結果、車両の周囲の歩行者や周辺車両の運転手が、車両の車線変更や車両の旋回に気が付き易くなる。
以下、このような機能を実現するための車両の構成について詳述する。
【0088】
<ライト制御システム100Bの全体構成>
まず、本実施の形態に係る車両に搭載されるライト制御システム100Bの構成について説明する。図9は、本実施の形態に係るライト制御システム100Bの構成を示すブロック図である。
【0089】
図9を参照して、本実施の形態に係るライト制御システム100Bは、左の警光灯130Lと右の警光灯130Rとを含まない点と、プロセッサの動作とにおいて実施の形態1と異なる。それ以外の構成については、実施の形態1に記載のそれらと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0090】
プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、センサ120から車両の角速度を取得する。プロセッサ111は、メモリ112に格納されている右旋回用のしきい値を参照することによって、取得した角速度が右旋回用のしきい値以上であるか否かを判断する。プロセッサ111は、取得した角速度が右旋回用のしきい値以上である場合に、メモリ112に格納されている点灯方法を示す命令を通信インターフェイス113を介して散光式警光灯130Aに送信する。同様に、プロセッサ111は、メモリ112に格納されている左旋回用のしきい値を参照することによって、取得した角速度が左旋回用のしきい値以下であるか否かを判断する。プロセッサ111は、取得した角速度が左旋回用のしきい値以下である場合に、メモリ112に格納されている点灯方法を示す命令を通信インターフェイス113を介して散光式警光灯130Aに送信する。
【0091】
<操作機110によるライト制御処理>
次に、本実施の形態に係るに操作機110による散光式警光灯130Aの制御処理について説明する。本実施の形態に係る操作機110による散光式警光灯130Aの制御処理は、以下の処理(図4におけるステップS106,S112,114)において、実施の形態1に係る操作機110による右の警光灯130Rおよび左の警光灯130Lの制御処理と異なる。それ以外の処理については、実施の形態1の図4に記載の処理と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0092】
図4におけるステップS106において、本実施の形態に係るプロセッサ111は、メモリ112に格納されている所定の点灯方法を指定するための命令を通信インターフェイス113を介して散光式警光灯130Aに送信する。
【0093】
ステップS112において、プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、変更前の点灯方法に戻すための命令を散光式警光灯130Aに送信する。
【0094】
ステップS116において、プロセッサ111は、メモリ112に格納されている所定の点灯方法を指定するための命令を通信インターフェイス113を介して散光式警光灯130Aに送信する。
【0095】
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について説明する。上述した実施の形態3に係るライト制御システム100Bは、1種類のしきい値に基づいて点灯方法を変更するか否かを判断するものであった。しかしながら、ライト制御システム100Bは、複数のしきい値に基づいて(多段階に)点灯方法を変更してもよいし、無段階に点灯方法を変更してもよい。
【0096】
本実施の形態に係るライト制御システム100Bは、複数のしきい値に基づいて(多段階に)点灯方法を変更する。なお、本実施の形態に係る車両の動作概要は、実施の形態3のそれと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。また、本実施の形態に係るライト制御システム100Bの構成は、メモリ112に格納されるデータとプロセッサ111に関して実施の形態3と異なり、その他の要素は実施の形態3のそれらと同様であるため、当該その他の要素についてはここでは説明を繰り返さない。メモリ112に格納されるデータは、実施の形態2のそれと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0097】
プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、センサ120から車両の角速度を取得する。プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照することによって、取得した角速度に対応する散光式警光灯130Aの点灯方法を特定する。プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、特定された点灯方法を示す命令を散光式警光灯130Aに送信する。
【0098】
<操作機110によるライト制御処理>
次に、本実施の形態に係るに操作機110による散光式警光灯130Aの制御処理について説明する。本実施の形態に係る操作機110による散光式警光灯130Aの制御処理は、以下の処理(図6におけるステップS106,S112,114)において、実施の形態2に係る操作機110による右の警光灯130Rおよび左の警光灯130Lの制御処理と異なる。それ以外の処理については、実施の形態2の図6に記載の処理と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0099】
図6におけるステップS208において、本実施の形態に係るプロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照して、第1の点灯方法を指定する命令を散光式警光灯130Aに送信する。
【0100】
ステップS212において、プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照して、第2の点灯方法を指定する命令を散光式警光灯130Aに送信する。
【0101】
ステップS214において、プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照して、第3の点灯方法を指定する命令を散光式警光灯130Aに送信する。
【0102】
ステップS220において、プロセッサ111は、通信インターフェイス113を介して、変更前の点灯方法に戻すための命令を散光式警光灯130Aに送信する。
【0103】
ステップS226において、プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照して、第1の点灯方法を指定する命令を散光式警光灯130Aに送信する。
【0104】
ステップS230において、プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照して、第2の点灯方法を指定する命令を散光式警光灯130Aに送信する。
【0105】
ステップS232において、プロセッサ111は、点灯テーブル112Aを参照して、第3の点灯方法を指定する命令を散光式警光灯130Aに送信する。
【0106】
<変形例>
実施の形態3および4に係る車両およびライト制御システム100Bに関しても、上述した実施の形態1および2に係る車両およびライト制御システム100Aの第1および第2の変形例と同様に、タイヤの進行方向からの角度(右方向を正とする。)に基づいてライトの点灯方法を変更したり、ハンドルの回転角度(右方向を正とする。)に基づいて、ライトの点灯方法を変更するものであってもよい。
【0107】
<その他の実施の形態>
実施の形態1〜4に関して、センサは操作機のケーシングに内包されてもよい。また、実施の形態3および4に関しては、センサと操作機の機能とが警光灯のケーシングに内包されてもよい。
【0108】
図10は、センサと操作機の機能とが散光式警光灯のケーシングに内包されるライト制御システムを示すブロック図である。図10を参照して、散光式警光灯130Cが、センサ117と、警光灯駆動部131と、プロセッサ111と、メモリ112と、通信インターフェイス113と、スイッチ114と、ディスプレイ115と、を含んでもよい。警光灯駆動部131は、回転灯ユニットやLED点滅ユニットなどの灯火ユニットを含む。なお、プロセッサ111は、内部バスを介してセンサ117と警光灯駆動部131に接続されてもよいし、通信インターフェイス113を介してセンサ117と警光灯駆動部131に接続されてもよい。
【0109】
本発明は、システムまたは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。そして、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0110】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0111】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されてもよい。
【0112】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されてもよい。
【0113】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0114】
10 消防車
100A,100B ライト制御システム
110 操作機
111 プロセッサ
112 メモリ
112A,112B,112C 点灯テーブル
113 通信インターフェイス
114 スイッチ
115 ディスプレイ
117,120 センサ
130A,130C 散光式警光灯
130L 警光灯
130R 警光灯
131 警光灯駆動部
140 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載することが可能なライト制御システムであって、
少なくとも1つのライトと、
前記車両の角速度を測定するためのセンサと、
前記車両の角速度が所定値以上であるか否かを判断し、前記車両の角速度が所定値以上である場合に前記少なくとも1つのライトの点灯方法を変更するためのプロセッサとを備える、ライト制御システム。
【請求項2】
前記車両は、緊急車両であって、
前記少なくとも1つのライトは、少なくとも1つの警光灯であって、
前記プロセッサは、前記少なくとも1つの警光灯が点灯または点滅しているときに、前記車両の角速度が前記所定値以上である場合に前記少なくとも1つのライトの点灯方法を変更する、請求項1に記載のライト制御システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのライトは、前記車両の右部に設置される右ライトと、前記車両の左部に設置される左ライトとを含み、
前記プロセッサは、前記車両の角速度が右方向に前記所定値以上である場合に前記右ライトの点灯方法を変更し、前記車両の角速度が左方向に前記所定値以上である場合に前記左ライトの点灯方法を変更する、請求項2に記載のライト制御システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記車両の角速度が前記所定値以上である場合に、前記点灯方法として前記少なくとも1つのライトの出力または点滅周期を変更する、請求項1から3のいずれか1項に記載のライト制御システム。
【請求項5】
複数の所定値と複数の点灯方法との対応関係を記憶するメモリをさらに備え、
前記プロセッサは、前記車両の角速度と前記対応関係とに基づいて、前記少なくとも1つのライトの点灯方法を変更する、請求項1から4のいずれか1項に記載のライト制御システム。
【請求項6】
車両に搭載することが可能なライトであって、
前記ライト自体の角速度を測定するためのセンサと、
前記ライト自体の角速度が所定値以上であるか否かを判断し、前記ライトの角速度が所定値以上である場合に点灯方法を変更するためのプロセッサとを備える、ライト。
【請求項7】
ハンドルを有する車両に搭載することが可能なライト制御システムであって、
少なくとも1つのライトと、
前記ハンドルの回転角度を測定するためのセンサと、
前記ハンドルの回転角度が所定値以上であるか否かを判断し、前記ハンドルの回転角度が所定値以上である場合に前記少なくとも1つのライトの点灯方法を変更するためのプロセッサとを備える、ライト制御システム。
【請求項8】
タイヤを有する車両に搭載することが可能なライト制御システムであって、
少なくとも1つのライトと、
前記タイヤの回転角度を測定するためのセンサと、
前記タイヤの回転角度が所定値以上であるか否かを判断し、前記タイヤの回転角度が所定値以上である場合に前記少なくとも1つのライトの点灯方法を変更するためのプロセッサとを備える、ライト制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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