説明

ライナ交換装置およびライナ交換方法

【課題】 足場の設置作業が簡単で、ライナの交換が短時間に行え、安価で、荷役スケジュールへ影響しないライナ交換装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 ホッパ23の内壁に取り付けられたライナを交換するライナ交換装置59であって、上部にホッパ23の上端と係合する支持フレーム61および歩道63と、下部に固定足場75、伸縮足場77および組立伸縮足場79を備え、グラブバケット21によってホッパ23に装着されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホッパの内壁に取り付けられたライナを交換するライナ交換装置およびライナ交換方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アンローダのホッパでは、内壁に多数のライナがタイル状に取り付けられている。これらライナは鉱石等の貨物が接触して磨耗するので、定期的に交換されている。
この交換は、足場板等を搬入してホッパ上部のアイプレート等を利用して足場を組立てながら順次交換を行なっていた。
また、この交換作業を機械化したものとして特許文献1に示されるものが提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−313172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、足場を組立てて交換を行なうものでは、足場の設置に多大な時間が掛かり、また、多数のライナの搬出入にも時間が掛かり、荷役スケジュールに多大な影響を与えるし、交換費用が高くなるという問題があった。
また、これらの作業自体も危険性が大きいという問題があった。
特許文献1に示されるものは、ホッパ内に作業者が入らないようにしたものであるが、このため、装置が複雑で、大型化し、コストが高くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑み、足場の設置作業が簡単で、ライナの交換が短時間に行え、安価で、荷役スケジュールへ影響しないライナ交換装置およびライナ交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるライナ交換装置は、ホッパの内壁に取り付けられたライナを交換するライナ交換装置であって、上部に前記ホッパの上端と係合する支持部と、下部に足場と、を備え、搬送手段によって前記ホッパに装着されることを特徴とする。
【0007】
本発明にかかるライナ交換装置は、搬送手段によってホッパに運ばれ、支持部がホッパの上端に係合するように装着することによって、足場が設置できるので、足場の設置作業を簡単に行うことができる。
また、これによりライナの交換作業が短時間で行えるので、交換費用を安価とすることができる。
【0008】
また、本発明にかかるライナ交換装置は、資材を収納する収納部が備えられていることを特徴とする。
【0009】
このように、資材を収納する収納部が備えられているので、新しいライナを収納部に納めておくことによって設置作業と同時に搬入することができる。
また、交換した古いライナを収納部に納めることによってライナ交換装置の搬出と同時に古いライナを搬出することができる。
このため、一層ライナ交換作業が短時間で行え、交換費用を安価にすることができる。

【0010】
また、本発明にかかるライナ交換装置は、前記足場は上下方向に移動自在に設けられていることを特徴とする。
【0011】
このように、足場は上下方向に移動自在に設けられているので、高さの大きいホッパでも対応することができる。
また、ライナ交換装置は設置時の高さを小さくできるので、ホッパの上方に空間が少ないところでも設置することができるし、保管場所を少なくすることができる。
【0012】
また、本発明にかかるライナ交換装置は、前記足場は水平方向に拡幅可能に設けられていることを特徴とする。
【0013】
このように、足場は水平方向に拡幅可能に設けられているので、ホッパの内径の変化に応じて最適の位置に足場を設置することができる。
なお、足場の外形を、ホッパの内形に沿った形状とすることが好適である。このようにすると、ハッパと足場との間に隙間ができないので、安全性や作業性を向上させることができる。
【0014】
また、本発明にかかるライナ交換装置は、前記支持部は折り畳み可能にされていることを特徴とする。
【0015】
このように、支持部は折り畳み可能にされているので、保管スペースを小さくすることができる。
【0016】
また、本発明にかかるライナ交換装置は、前記搬送手段として前記ホッパへの荷役作業に用いるグラブバケットを用いることを特徴とする。
【0017】
このように、搬送手段としてホッパへの荷役作業に用いるグラブバケットを用いるので、別途搬送手段を備える必要がない。
このため、装置コストが安価となるので、交換費用を安価とすることができる。
【0018】
本発明にかかるライナ交換方法は、上部にホッパの上端と係合する支持部と、下部に上下方向に移動自在でかつ水平方向に伸縮可能に設けられた足場と、を備えたライナ交換装置を搬送手段によって前記ホッパに装着し、前記足場を上下方向に移動し、あるいは水平方向に伸縮させてホッパの内壁に取り付けられたライナを交換することを特徴とする。
【0019】
本発明のライナ交換方法では、ライナ交換装置が搬送手段によってホッパに運ばれ、支持部がホッパの上端に係合するように装着することによって、足場が設置できるので、足場の設置作業を簡単に行うことができる。
また、これによりライナの交換作業が短時間で行えるので、交換費用を安価とすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、搬送手段によってホッパに運ばれ、支持部がホッパの上端に係合するように装着することによって、足場が設置できるので、足場の設置作業を簡単に行うことができる。
また、これによりライナの交換作業が短時間で行えるので、交換費用を安価とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明をロープトロリ式橋形アンローダ(以下、アンローダという。)に適用した実施形態について、図1〜図16を用いて説明する。
図1は、本実施形態にかかるアンローダ1の全体概略構成を示す側面図である。
アンローダ1には、岸壁3に沿って敷設されたレールに上を移動する海側脚5と、陸側脚7と、海側脚5と陸側脚7とに支持されたメインガーダ9と、メインガーダ9の後部に支持された機械室11と、メインガーダ9の先端部に回動可能に支持された起伏ガーダ13と、マスト15と、が備えられている。
【0022】
メインガーダ9と起伏ガーダ13とには、主トロリ17および補トロリ19が長手方向に沿って走行可能に設けられている。
主トロリ17には、例えば、鉱石運搬船Kから鉱石を積み降ろしする荷役用のグラブバケット21が備えられている。
海側脚5の陸側には、グラブバケット21から、例えば鉱石等のばら物を受けるホッパ23が備えられている。
ホッパ23は逆四角錐形状をし、高さが略6mである。ホッパ23の内壁には、下部の四分の三の範囲(図4のLの部分)にライナが張り付けられている。
【0023】
ホッパ23の内部には、投入される鉱石等のバラ物が直接下部開口から落下しないようにストーンボックス24が設けられている。ストーンボックス24は、図2および図3に示されるように、三角柱が水平に延在し、上部両側に傾斜面を有するように配置されている。
起伏ガーダ13は、水平時、テンションバー25によりマスト15に支持されている。テンションバー25は、起伏ガーダ13が上方に揺動する場合には、中間部が折れ曲がるように構成されている。
【0024】
補トロリ19の上部には、補トロリ上シーブ27が幅方向に6個取り付けられている。マスト15の下部海側にはマストシーブ29が幅方向に4個取付けられている。
ガーダ9の陸側端上部には、陸側ガーダエンドシーブ31が幅方向に2個取り付けられている。起伏ガーダ13の先端部には、海側ガーダエンドシーブ33が幅方向に2個取り付けられている。
主トロリ17には、主トロリシーブ35が幅方向に4個取り付けられている。
【0025】
機械室11には、横行ドラム(ドラム)37と、開閉ドラム39と、巻ドラム41と、起伏ドラム43と、機械室ウインチ45とが備えられている。
開閉ドラム39には、2本の開閉ロープ47が同方向に巻き付けられている。開閉ドラム39から繰り出された2本の開閉ロープ47は、マストシーブ29、補トロリ上シーブ27および主トロリシーブ35を順次経由してグラブバケット21に接続されている。開閉ドラム39による開閉ロープ47の繰り出し巻き取りによって、グラブバケット21は開閉される。
巻ドラム41には2本の支持ロープ49が同方向に巻き付けられている。巻ドラム41から繰り出された2本の支持ロープ49は、マストシーブ29、補トロリ上シーブ27および主トロリシーブ35を順次経由してグラブバケット21に接続されている。
開閉ロープ47は、2本の支持ロープ49を挟むような位置関係に配置されている。
【0026】
起伏ドラム43には、先端が起伏ガーダ13の中間部に固定された起伏ロープ51が巻き付けられている。起伏ロープ51の繰り出し巻き取りによって起伏ガーダ13は揺動することとなる。
機械室ウインチ45は、機械室11と岸壁3との間で、機械室11内の備品、部品等の揚げ降ろしを行なうウインチであり、各ドラムのロープ交換等にも用いられる等、種々の作業を行うものである。
【0027】
横行ドラム37には、海方向に繰り出される2本の海側ロープ55と、陸方向に繰り出される2本の陸側ロープ57と、が巻き付けられている。
海側の方向に繰り出された海側ロープ55,55は、海側ガーダエンドシーブ33を介して主トロリ17の海側に固定されている。
陸側の方向に繰り出された陸側ロープ57,57は、陸側ガーダエンドシーブ31を介して補トロリ19に導かれ、補トロリ19に取り付けられた補トロリ上シーブ27で180度向きを変え、機械室11の内部に固定されている。
この海側ロープ55,55および陸側ロープ57,57の繰り出し、巻き取りによって主トロリ17は、ガーダ9および起伏ガーダ13を走行し、補トロリ19はガーダのみを走行する。
【0028】
岸壁3には、ライナ交換装置59が移動可能に載置されている。
図2は、ライナ交換装置59の保管状態を示す正面図である。図3は、ホッパの装着状態を示す正面断面図である。図4は、ホッパの装着状態を示す側面断面図である。
ライナ交換装置59には、支持フレーム61と、歩道63と、手摺65と、ガイド柱67と、昇降装置69と、昇降軸71と、梯子73と、固定足場75と、伸縮足場77と、伸縮装置79と、収納棚(収納部)81と、組立伸縮足場83と、下部足場85と、収納棚81内にストーンボックス下部足場76とが備えられている。
【0029】
支持フレーム61は、間隔を空けて略平行に配置された、四角柱形状をした一対の中空パイプである。
歩道63は、矩形状の鋼板であり、支持フレーム61の両端部にそれぞれ折り曲げ可能に取り付けられている。
歩道63は、水平位置で支持フレーム61に強固に固定され、この状態で歩道63と支持フレーム61とは、本発明の支持部を構成している。
一方の歩道63には、組立て式の手摺65が取り付けられている。
保管時には、歩道63は支持フレーム61との固定を解かれ、下方に折り曲げられた状態で、保管用架台60に載置される。
このように、歩道63を下方に折り曲げられた状態、保管されるので、保管スペースを小さくすることができる。
【0030】
ガイド柱67は、四角柱形状をした中空パイプであり、上下方向に延在して配置されている。
ガイド柱67の上端部が各支持フレーム6の内側に間隔を空けて一対ずつ固定されている。4本のガイド柱67は、全体として矩形状の空間を形成している。
昇降軸71は、四角柱形状をした中空パイプであり、ガイド柱67の内部に摺動可能に取り付けられている。昇降軸71は、ガイド柱67の下部から下方に突出して設けられている。
【0031】
図8および図9も参照して昇降装置について説明する。
昇降装置69には、ギアボックス87と、ネジ軸89と、連結軸91と、駆動機93とが備えられている。
ギアボックス87は、各ガイド柱の上部に取り付けられており、それぞれ同期して回転するように連結軸91によって連結されている。
ギアボックス87の下部には、ネジ軸89が上下方向に延在するように設けられている。ネジ軸89は、昇降軸71と螺合しており、ギアボックス87によって回転させられることによって、昇降軸71を上下動させるように構成されている。
駆動機93は、一個のギアボックス87に回転力を付与するものである。
【0032】
梯子73は、その上端部が一方の支持フレーム61のガイド柱67より外側に固定され、ガイド柱67と略同等の長さを備えている。
固定足場75は、一対設けられ、図6に示されるように、鋼製で矩形状をしている。
固定足場75は、それぞれ2本の昇降軸71の下端部分に固定されており、これにより、間隔を空けて相互に平行に配置されている。
固定足場75には、両端部にそれぞれ傾斜した傾斜ガイド95が、中央部に短辺に沿った方向に延在した一対の直ガイド97が設けられている。
固定足場75の内側中央部には、伸縮装置79を操作する孔99が設けられている。
【0033】
図5、図10〜図14を参照して伸縮足場77について説明する。
伸縮足場77には、略台形形状をした本体101と、本体の端部分に内蔵された略並行四辺形をした端部体103と、端部体103に取り付けられ本体101の略中間部分近傍までの上部を覆うカバー105とが備えられている。
本体101には長手方向に延在する複数の櫛歯状ガイド107が設けられ、端部体103には同方向に延在する複数の櫛歯状ガイド109が設けられている。
本体101と端部体103とは、櫛歯状ガイド107,109が相互に係合しあっているので、長手方向(櫛歯状ガイド107,109の延在方向)に直交する方向には一体的に移動し、長手方向には、相互に自由に移動する。
【0034】
本体101は、後述する伸縮装置79と直ガイド97に案内される先端ガイド98とが接続され、直ガイド97の延在方向へ進退する。
端部体103は、図示は省略しているが、固定足場75の傾斜ガイド95に係合しており、本体101の進退に沿って、進退方向には同等に進退するとともに、それと直交する方向には接離するように移動する。
【0035】
図7を参照して伸縮装置79について説明する。
伸縮装置79は、4組の伸縮手段111で構成されている。
伸縮手段111は、ガイド軸71の下端に固定され、全体を支持するリニアガイド113と、リニアガイド113に案内される一対のナット115と、一対のナットと螺合するボールネジ117と、端部が各ナット115に固定されたパンタグラフ式の伸縮部材119とを備えている。
ネジ軸117は中央部でネジの方向が逆、一方は右ネジで他方は左ネジとなっている。
各隣り合うボールネジ117はギアボックス121に接続されている。
【0036】
各ギアボックス121は、軸123で、同期して伸縮されるように接続される。軸123は、ワンタッチジョイントであり、簡単に着脱できるものである。
軸123は、搬入時ストーンボックス24を回避するため、取り外されており、搬入後に取り付けられる。
ギアボックス121は固定足場75の孔99を介してハンドル125を装着し、このハンドル125を回すことによって駆動される。
伸縮部材119の先端部は、先端ガイド98に接続され、先端ガイド98を介して伸縮足場77を進退させる。
【0037】
収納棚81は、ガイド柱67の長手方向中間位置よりも若干下方位置に、4本のガイド柱67の間に固定された矩形状の板材である。
収納棚81の設置位置は、ライナ交換装置59をホッパ23に設置した時に、ストーンボックス24に当接しないところとしている。
収納棚81の上方周囲には、網127が取り付けられている。
【0038】
組立伸縮足場83は、2組用意されており、伸縮足場77と直交する方向にそれと係合するように組立てられるものである。
このように組立式としたのは、ストーンボックス24を回避するためである。
組立伸縮足場83には、略台形形状をした組立本体129と、本体の端部分に内蔵された略並行四辺形をした組立端部体131と、組立端部体131に取り付けられ組立本体129の略中間部分近傍までの上部を覆う組立カバー133とが備えられている。
組立端部体131は、伸縮足場77の端部体103とピン135によって接続されており、伸縮足場77と一体的に伸縮される。
なお、伸縮足場77と組立伸縮足場83との接続はピン連結に限らず、例えば、相互に溝部を設けこれらを嵌合させる等適宜手段で行なってよい。
【0039】
下部足場85は2組備えられている。(図5参照)
下部足場85には、パイプ材でコ字形状となした下部足場フレーム137と、下部足場フレーム137の下端開放部に揺動可能に取り付けられた下部足場部139とが備えられている。
下部足場フレーム137は、それぞれ固定足場75の内側に取り付けられるように構成されている。
下部足場フレーム137には、折り畳み式のステップ141が複数設けられている。(図16参照)
【0040】
ストーンボックス下部足場76は、4本の昇降軸71の下端内面に取付けられるように構成されており、昇降軸71と一体的に昇降する。(図15参照)
【0041】
以上の構成を持つライナ交換装置59を用いたライナの交換方法について説明する。
まず、保管用架台60に載置されたライナ交換装置59を、岸壁3の所定位置に設置する。なお、他の作業の邪魔にならないような位置であれば、固定した設置としてもよい。
この状態で、歩道63,63を水平位置まで揺動させ、支持フレーム61に強固に固定する。
また、組立足場83および下部足場85の固縛状況を確認するとともに収納棚81の上に、交換作業で使用する交換用のライナをコンテナに詰めて積載する。また、収納棚81には、ハンドル125、軸123、ピン135およびその他作業に必要なものを納める。
【0042】
次いで、横行ドラム37を図1の紙面に向いて時計方向に回転させ、主トロリ17および補トロリ19を陸側に移動させる。
グラブバケット21がライナ交換装置59の上に来ると、横行ドラム37を停止させる。そして、開閉ドラム39および巻ドラム41を回転させて、グラブバケット21を開いて降下させ、ライナ交換装置59を保持させる。
開閉ドラム39および巻ドラム41を逆回転させ、グラブバケット21を上昇させる。
【0043】
横行ドラム37を前記と反対方向に回転させ、主トロリ17を海側に移動し、グラブバケット21がホッパ23の上に来た時点で横行ドラム37の回転を止める。
開閉ドラム39および巻ドラム41を回転させ、グラブバケット21に保持されたライナ交換装置59を降下させる。
この時、収納棚81の下方の空間を構成するガイド柱67が、ストーンボックス24を回避するようにグラブボックス21を慎重に降下させる。また、手摺65を有する歩道63が海側脚5の方になるようにする。
歩道63がホッパ23の上端に係合すると、開閉ドラム39および巻ドラム41を作動させてグラブバケット21を上昇させる。
【0044】
以下、主として図15および図16を参照して説明する。なお、ライナの交換作業は上から下に向かって行うものとして説明する。これは下から上に作業をするようにしても構わない。
次いで、ライナ交換装置59による交換作業の準備に入る。
海側脚5を登り、歩道63に近づき、まず、手摺65を組立てる。
次いで、組立伸縮足場83を伸縮足場77,77の間に載置し、組立端部体131を伸縮足場77,77の端部体103にピン135によって固定する。
また、軸123を収納棚81から取り出し、伸縮装置79のギアボックス121,121間を接続する。そして、一方のギアボックス121にハンドル125を装着する。
【0045】
さらに、下部足場85を一組ずつ下方に下ろし、下部足場フレーム137の上端を固定足場75に取付ける。
この時、下部足場部139を水平状態となるように揺動させておく。また、ステップ141も水平となるように揺動させておく。
収納棚81に積載されたストーンボックス下部足場76を4本の昇降軸71の下端内面に取付ける。
次いで、収納棚81に積載されたライナを詰めたコンテナを伸縮足場77の上に載置する。
この状態で、伸縮装置79のハンドル125を伸長方向に回すと、ギアボックス121を介して各ボールネジ117が回転する。
ボールネジ117の回転によって、一対のナット115,115が接近するようにリニアガイド113を移動する。この一対のナット115,115が接近すると伸縮部材が伸び、先端ガイド98を介して伸縮足場77の本体101を外方に押し出す。
【0046】
本体101が移動すると、傾斜ガイド95で案内されている端部対103は斜め、外方に移動する。
この端部体103の移動に伴い、ピン135によって固定された組立端部体131が斜め、外方に移動し、さらにこれに伴い組立本体129が外方に移動する。
この移動した状態は、図10の二点鎖線で示されている。
このように、伸縮足場77および組立足場83は矩形状に伸縮させるようにしたので、矩形状断面を有する本実施形態のホッパ23では、図15および図16に示されるように、ホッパ23の内壁との隙間がほとんど無い状態とすることができる。
【0047】
次いで、この位置におけるライナの交換作業に入る。
古いライナを取外し、廃棄用コンテナに投入し、新しいライナをコンテナから取り出して取り付ける。手の届く範囲でこれを行う。
この時、新しいライナのコンテナが空になり、廃棄用コンテナが一杯になると、廃棄用コンテナを収納棚81に収納し、新しいライナを詰めたコンテナを取り出す。空になったコンテナを廃棄用コンテナとして用いる。
【0048】
この位置におけるライナの交換が終了したら、昇降装置69を作動させて高さ位置を変える(下方へ移動する)ことになる。
この時、下方に行くにしたがいホッパ21の内径は小さくなるので、伸縮足場77および組立伸縮足場83を一端元の状態に縮小し、新しい場所に応じて再度伸長させてもよいし、新しい場所での内径がわかっているのであれば、それに対応する大きさまで縮小するようにしてもよい。
伸縮足場77および組立伸縮足場83を縮小するのは上記と逆の動きをさせればよく、また、伸長させる場合には、上記と同じ動作となるので、ここでは重複した説明を省略する。
【0049】
ここでは、下方の二点鎖線で示される位置まで下降させる動作について説明する。
ここでは、伸縮足場77および組立伸縮足場83は、予め予定位置におけるホッパ23の大きさに合わせた位置まで縮小しておくこととする。
この状態で、昇降装置69の駆動機93を作動させると、連結軸91で接続されたギアボックス87は同期して作動する。ギアボックス87の作動によってネジ軸89が回転し、ネジ軸89が螺合しているガイド軸71が同期して、例えば、下降する。
二点鎖線で示された予定位置に到ると、駆動機93を停止する。
【0050】
次いで、この位置におけるホッパ内面およびストーンボックス表面のライナの交換作業に入る。
古いライナを取外し、廃棄用コンテナに投入し、新しいライナをコンテナから取り出して取り付ける。手の届く範囲でこれを行う。
また、伸縮足場77および組立伸縮足場83よりも低い位置に対しては、下部足場85の下部足場部139に降りてライナの交換作業を行う。
この場合、収納棚81との間で距離が離れているので、ライナの補充等ができない。この場合、ライナを必要とする量だけ持っていくようにしてもよいし、あるいは、補充が必要になった場合には、昇降装置69を作動して一端上昇して補充を行い、再度作業位置に下降して戻るようにしてもよい。
【0051】
このように、本実施形態では、グラブバケット21によってホッパ23に運ばれ、歩道63がホッパ23の上端に係合するように装着することによって、基本的な足場が設置できるので、足場の設置作業を簡単に行うことができる。
また、これによりライナの交換作業が短時間で行えるので、交換費用を安価とすることができる。
【0052】
また、新しいライナを収納棚81に納めておくことによって設置作業と同時に新しいライナを搬入することができる。
また、交換した古いライナを収納棚81に納めることによってライナ交換装置1の搬出と同時に古いライナを搬出することができる。
このため、一層ライナ交換作業が短時間で行え、交換費用を安価にすることができる。
【0053】
さらに、伸縮足場77および組立伸縮足場83は上下方向に移動自在に設けられているので、高さの大きいホッパ23でも対応することができる。
また、ライナ交換装置1は設置時の高さを小さくできるので、ホッパの上方に空間が少ないところでも設置することができるし、保管場所を少なくすることができる。
【0054】
さらに、伸縮足場77および組立伸縮足場83は水平方向に拡幅可能に設けられているので、ホッパ23の内径の変化に応じて最適の位置に足場を設置することができる。
また、搬送手段としてホッパ23への荷役作業に用いるグラブバケット21を用いるので、別途搬送手段を備える必要がない。
このため、装置コストが安価となるので、交換費用を安価とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態にかかるライナ交換装置を備えたアンローダの全体概略構成示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるライナ交換装置の保管状態を示す正面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるライナ交換装置の装着状態を示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるライナ交換装置の装着状態を示す側面図である。
【図5】図3のA−A視図である。
【図6】図3のB−B視図である。
【図7】図3のC−C視図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかる昇降装置を示す平面図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかる昇降装置の一部を破断して示す部分正面図である。
【図10】本発明の一実施形態にかかる伸縮足場と組立伸縮足場の伸縮状態を示す平面図である。
【図11】図10の一部を拡大して示す部分拡大平面図である。
【図12】本発明の一実施形態にかかる伸縮足場と組立伸縮足場の取付状態を示す正面図である。
【図13】図10のD視を示す部分正面図である。
【図14】図13の縦断面図である。
【図15】本発明の一実施形態にかかるライナ交換装置の可動状態を示す正面図である。
【図16】本発明の一実施形態にかかるライナ交換装置の可動状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 アンローダ
21 グラブバケット
23 ホッパ
59 ライナ交換装置
61 支持フレーム
63 歩道
69 昇降装置
75 固定足場
77 伸縮足場
79 伸縮装置
81 収納棚
83 組立伸縮足場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパの内壁に取り付けられたライナを交換するライナ交換装置であって、
上部に前記ホッパの上端と係合する支持部と、
下部に足場と、を備え、
搬送手段によって前記ホッパに装着されることを特徴とするライナ交換装置。
【請求項2】
資材を収納する収納部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載のライナ交換装置。
【請求項3】
前記足場は上下方向に移動自在に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のライナ交換装置。
【請求項4】
前記足場は水平方向に拡幅可能に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のライナ交換装置。
【請求項5】
前記支持部は折り畳み可能にされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のライナ交換装置。
【請求項6】
前記搬送手段として前記ホッパへの荷役作業に用いるグラブバケットを用いることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のライナ交換装置。
【請求項7】
上部にホッパの上端と係合する支持部と、下部に上下方向に移動自在でかつ水平方向に伸縮可能に設けられた足場と、を備えたライナ交換装置を搬送手段によって前記ホッパに装着し、
前記足場を上下方向に移動し、あるいは水平方向に伸縮させてホッパの内壁に取り付けられたライナを交換することを特徴とするライナ交換方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−139264(P2007−139264A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−331355(P2005−331355)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】