説明

ラジアルガスエキスパンダ

【課題】ケーシングの変形量を低減可能であると共に、ノズル翼に流入する流体の流れを乱すことのない支持部材を備えたラジアルガスエキスパンダ。
【解決手段】ラジアルガスエキスパンダは、回転軸3と、回転軸3に固定されたインペラ4と、回転軸が回転可能に支持されているとともに、インペラ4に流体を導入する導入流路20aが形成されたケーシングとを備えており、この導入流路20aには、インペラ4へ流入される流体を案内するノズル翼24と、ノズル翼24の上流側に設けられ、導入流路20aの互いに対向する壁面の間を支持する支持部材25とが設けられ、支持部材25は、断面視して翼形状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一軸上にインペラが多段に配列されてなるラジアルガスエキスパンダ(半径流ガス膨張機)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスエキスパンダは、プラント側より排出される高圧のガスを吸込み、膨張させてガスの圧力エネルギーを速度エネルギー(機械エネルギー)に変換させることにより動力を回収し、駆動モータ等の動力を低減させる目的に利用されている。
【0003】
近年、より高い圧力エネルギーに対応するガスエキスパンダが求められており、この種のガスエキスパンダとしては、複数のインペラを多段に設ける形式のラジアルガスエキスパンダが知られている。ラジアルガスエキスパンダの一例として、駆動歯車と、駆動歯車と噛み合うピニオン歯車とからなる増速機と、ピニオン軸に配置された複数のインペラとから構成されるギアドタイプ(増速歯車式)のラジアルガスエキスパンダがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、単一軸上の軸受間に複数のインペラを配列し、単一のケーシングにこれらのインペラを内蔵したラジアルガスエキスパンダもある。この単一軸上に複数のインペラを配列したラジアルガスエキスパンダは、多段のインペラを備えているにも関わらず、軸は単一軸で済む。このため、ギアドタイプのラジアルガスエキスパンダ等と比較して高圧シールや高圧ケーシングを最少個数にでき、より高圧の条件においても信頼性の高いラジアルガスエキスパンダを実現できる(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
図5及び図6に示すように、従来のラジアルガスエキスパンダ101は、ケーシング2と、ケーシング2に回転自在に設けられた回転軸3と、回転軸3に固定された複数のインペラ4とを備えている。
ラジアルガスエキスパンダ101は、その内部にガスを膨張するための二つのガスエキスパンダセクション105a,105bを有している。ケーシング2は、ケーシング本体6と、ケーシング本体6に内蔵され一体に連結された複数のダイアフラムからなるダイアフラム群7から構成されている。ガスエキスパンダセクション105a,105bは、段間を結ぶリターンベンドが形成された複数のダイアフラム8,9a,9b,10a,10b,11a,11b,12a,12b,13a,13bを軸方向に連接した構成である。
【0006】
ガスエキスパンダセクション105a,105bは、各セクション毎にケーシング2の吸込ポート18a,18bに連通するガス導入流路120a,120bと、ケーシング2の吐出ポート19a,19bに連通するガス流出流路21a,21bを有している。
このうち、ガス導入流路120a,120bは、二つのガスエキスパンダセクション105a,105bの中央に設けられた中央のダイアフラム8と、この中央のダイアフラム8を除く複数のダイアフラムうち、最も中央寄りのダイアフラム9a,9bとの間に画定されている。
【0007】
また、このガス導入流路120上であって、インペラ4の上流側には、インペラ4のプロフィルに対応したガス流れを生起するノズル翼24が設けられている。
【0008】
上記構成のラジアルガスエキスパンダ101においては、図示しないプラントから吸込ポート18aを介して導入されたガスは、一方のガスエキスパンダセクション105aにおいて膨張された後、ガス配管22及び吸込ポート18bを介して他方のガスエキスパンダセクション105bに導入され、更に膨張されるように構成されている。
【0009】
ところで、従来のラジアルガスエキスパンダ101においては、ガス導入流路120aとガス導入流路120bの流路幅を確保するために、ガス導入流路120a,120bのノズル翼24の上流側にスペーサ125が設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3457828号公報
【特許文献2】特開2011−43070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、スペーサ125はノズル翼24の上流側に設置されているため、ノズル翼24に流入するガスの流れを乱すという問題がある。図6に示すように、導入されたガスの流線Lが、スペーサ125によって乱された場合、ノズル翼24に流入する際に損失が生じる。また、スペーサはガス導入流路120a,120bの入口近傍に設置するため、差圧による導入流路幅変化の低減効果が少ない。従って、流路幅の変化によりガス流速が変化し、ノズル翼24に流入する際に所望のガス流速にならず、損失が生じる。このように、スペーサ125はインペラ4の膨張性能の支障となり、ひいては、ラジアルガスエキスパンダ101の性能低下に繋がる。
【0012】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、所望の性能を得るとともに、ガス導入流路120a,120bの流路幅の確保、及びケーシングを構成するダイアフラムの壁の変形を防止可能なラジアルガスエキスパンダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明のラジアルガスエキスパンダは、回転軸と、前記回転軸に固定されたインペラと、前記回転軸が回転可能に支持されているとともに、前記インペラに流体を導入する導入流路が形成されたケーシングとを備え、前記導入流路には、前記インペラへ流入される流体を案内するノズル翼と、前記ノズル翼の上流側に設けられ、前記導入流路の互いに対向する壁面の間を支持する支持部材とが設けられ、前記支持部材は、断面視して翼形状に形成されていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、支持部材によってケーシング内に設けられた導入流路の互いに対向する壁面の下端から支持点までの距離が短くなり、対向する壁面の変形量を低減可能であると共に、所望の流路幅の確保をすることができる。また、支持部材が断面視して翼形状に形成されているため、ノズル翼に流入する流体の流れを乱すことを防止することができる。
【0015】
また、本発明のラジアルガスエキスパンダは、回転軸と、前記回転軸に固定されたインペラによってそれぞれ構成され、軸方向に対称に設けられた二組のインペラ群と、前記回転軸が回転可能に支持されているとともに、一方の組のインペラ群に流体を導入する第一導入流路、及び前記第一導入流路と隣り合うように設けられ、他方の組のインペラ群に前記一方の組のインペラ群から吐出された流体を導入する第二導入流路とが形成されたケーシングとを備え、前記第二導入流路には、前記インペラへ流入される流体を案内するノズル翼と、前記ノズル翼の上流側に設けられ、前記第二導入流路の互いに対向する壁面の間を支持する支持部材とが設けられ、前記支持部材は、断面視して翼形状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、第一導入流路及び第二導入流路において所望の流路幅を確保できる。また、第一導入流路に流入される流体と、第二導入流路に流入される流体との圧力差が大きい場合においても、支持部材によって中央壁及び第二導入流路の互いに対向する壁面の変形量を低減可能であると共に、支持部材が断面視して翼形状に形成されているため、ノズル翼に流入する流体の流れを乱すことを防止することができる。
【0017】
また、前記支持部材は、前記回転軸回りに複数設けられ、前記支持部材同士の間の幅が径方向に等しくなるように、径方向外周側から内周側に向かうに従って、次第に幅が狭くなるように形成されていることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、支持部材の周囲を通過する流体を、増速することなく滑らかにノズル翼に導入することができる。
【0019】
また、前記ケーシングは、ケーシング本体と、前記ケーシング本体に内蔵され、一体に連結された複数のダイアフラムとを有し、前記導入流路は、前記複数のダイアフラムに形成されている構成としてもよい。
【0020】
この構成によれば、ノズル翼、及び翼形状に形成されている支持部材が組み込まれたケーシングをより容易に組み立てることができる。また、容易に内部のメンテナンスを行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、所望の性能を得るとともに、ケーシングを構成するダイアフラムの壁の変形量を低減可能なラジアルガスエキスパンダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係るラジアルガスエキスパンダの断面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】図2のB矢視図である。
【図4】支持翼周辺を流れるガスの流線を示す図である。
【図5】従来のラジアルガスエキスパンダの断面図である。
【図6】図5のC矢視図であり、スペーサ周辺を流れるガスの流線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係るラジアルガスエキスパンダ1は、筒形状のケーシング2と、ケーシング2に回転可能に支持され、ケーシング2の軸方向に延在する回転軸3と、回転軸3に固定された複数のインペラ4とを備えている。
なお、以下の説明においては、ケーシング2の軸方向と、回転軸3の軸方向は一致しているものとして説明し、単に軸方向と称する。
【0024】
ラジアルガスエキスパンダ1は、その内部にガスを圧縮するための二つのセクションを備えている。即ち、ラジアルガスエキスパンダ1は、軸方向一方側に配置されたガスエキスパンダセクション5aと軸方向他方側に配置されたガスエキスパンダセクション5bとからなる二つのガスエキスパンダセクション5a,5bとを備えている。
本実施形態のラジアルガスエキスパンダ1は、一方のガスエキスパンダセクション5aに導入されたガスによって回転駆動力を得るとともに、一方のガスエキスパンダセクション5aから排出されて膨張後のガスを他方のガスエキスパンダセクション5bに導入し、更に回転駆動力を得る構成である。
【0025】
ケーシング2は、ケーシング本体6と、ケーシング本体6の内部に設けられたダイアフラム群7とを有している。ダイアフラム群7は、軸方向に抜き出し可能に連接された11枚のダイアフラム8,9a,9b,10a,10b,11a,11b,12a,12b,13a,13bとから構成されている。
【0026】
一方のガスエキスパンダセクション5aは、中央に配置されたダイアフラム8、及びダイアフラム8の一方側に連接されたダイアフラム9a,10a,11a,12a,13aを有している。また、他方のガスエキスパンダセクション5bは、中央に配置されたダイアフラム8、及びダイアフラム8の他方側に連接されたダイアフラム9b,10b,11b,12b,13bを有している。
即ち、二つのガスエキスパンダセクション5a,5bは、中央のダイアフラム8を共通の構成要素として有している。
【0027】
ケーシング本体6には、一方のガスエキスパンダセクション5aにガスを導入するための吸込ポート18aと、他方のガスエキスパンダセクション5bにガスを導入するための吸込ポート18bが形成されている。
【0028】
また、ケーシング本体6には、一方のガスエキスパンダセクション5aよりガスを吐出するための吐出ポート19aと、他方のガスエキスパンダセクション5bよりガスを吐出するための吐出ポート19bが形成されている。
さらに、一方のガスエキスパンダセクション5a側の吐出ポート19aと他方のガスエキスパンダセクション5b側の吸込ポート18bとは、ガス配管22で接続されている。
【0029】
回転軸3は、ダイアフラム群7の中央を貫通して配置されている。この回転軸3の両端部は、二つのガスエキスパンダセクション5a,5bにおける各々の端板でもあるダイアフラム13a,13bに軸受15を介して回転可能に支持されている。また、各軸受15の内側に位置するダイアフラム13a,13bの内周部には、ドライガスシール16が設けられている。
【0030】
複数のインペラ4は、回転軸3上に固定されており、一方のガスエキスパンダセクション5aを構成する四段のインペラ4と、他方のガスエキスパンダセクション5bを構成する四段のインペラ4が、互いに向きを反対にして配列されている。
【0031】
ここで各々のインペラ4において、径方向外周側に向かう開口を吸込口41、軸方向に向かう開口を吐出口42とすると、一方のガスエキスパンダセクション5aを構成する四段のインペラ4、及び他方のガスエキスパンダセクション5bを構成する四段のインペラ4は、吸込口41のある側が中央のダイアフラム8に面するように配置されている。即ち、一方のガスエキスパンダセクション5aを構成するインペラ4は、吐出口42が軸方向一方側を向くように配置され、他方のガスエキスパンダセクション5bを構成するインペラ4は、吐出口42が軸方向他方側を向くように配置されている。
【0032】
なお、複数のインペラ4には同じ符号を付しているが、それぞれ大きさが異なるものとなっている。詳しくは、複数のインペラ4は、ガスの膨張行程に適応するように大きさが変えられている。
【0033】
中央のダイアフラム8とその両側に位置するダイアフラム9a,9bと間には、吸込ポート18a,18bにそれぞれ連通する第一導入流路20a,及び第二導入流路20bが形成されている。即ち、一方のガスエキスパンダセクション5aの第一導入流路20aは、中央のダイアフラム8の一方側の壁面81と、ダイアフラム9aの他方側の壁面91との間に形成されている。また、他方のガスエキスパンダセクション5bの第二導入流路20bは、中央のダイアフラム8の他方側の壁面82と、ダイアフラム9bの一方側の壁面92との間に形成されている。
これにより、第一導入流路20aと第二導入流路20bとは、中央のダイアフラム8を介して隣り合うように配置される。
【0034】
同様に、端板でもあるダイアフラム13a,13bと、それらに隣接するダイアフラム12a,12bとの間には、上述した吐出ポート19a,19bにそれぞれ連通する導出流路21a,21bが形成されている。
このうち一方のガスエキスパンダセクション5aの導出流路21aは、ケーシング本体6の吐出ポート19aに連通しており、他方のガスエキスパンダセクション5bの導出流路21bは、ケーシング本体6の吐出ポート19bに連通している。
【0035】
各々の第一導入流路20a,及び第二導入流路20bにおけるインペラ4上流側には、ガスのインペラ4への流入を案内する複数のノズル翼24が設けられている。本実施形態においては、17枚のノズル翼24が設けられている。
【0036】
図3に示すように、ノズル翼24は、周方向に等間隔に配設されており、各々のノズル翼24は、軸方向視における断面形状が、前縁が丸く、後縁が尖った所謂翼形状とされている。また、ノズル翼24は、前縁が周方向外周側に、後縁が周方向内周側に配置されているとともに、後縁が回転軸3の回転方向Rに沿うように、前縁に対して回転方向R進行方向側に傾斜して配置されている。即ち、ガスの流れ方向上流側に前端を、下流側に後端を配置している。
【0037】
また、ノズル翼24の断面形状は、例えば、数値流体力学(CFD)解析を用いて決定されており、本実施形態のノズル翼24の断面形状は、ガスの流れ方向(以下、流線方向と称す)に沿う中心線に対して非対称形となっている。即ち、インペラ4において、ガスを膨張・増速させる作用を促すよう、ガスの流れを滑らかにインペラ4導入するような形状を有している。
【0038】
ノズル翼24の更に外周側には、支持部材として複数の(17枚)支持翼25が設けられている。支持翼25は、ノズル翼24と同様に、周方向に等間隔に配設されており、各々の支持翼25は、軸方向視における断面形状が、前縁が丸く、後縁が尖った所謂翼型とされている。また、支持翼25は、前縁が周方向外周側に、後縁が周方向内周側に配置されているとともに、後縁が回転方向Rに沿うように、前縁に対して回転方向R進行方向側に傾斜して配置されている。即ち、流線方向上流側に前端を、下流側に後端を配置している。
また、支持翼25の形状は、支持翼25同士の間の幅Wが流線方向、即ち径方向で略等しくなるように、径方向外周側から内周側に向かうに従って、次第に幅が狭くなるように形成されている。
【0039】
なお、支持翼25の断面形状はノズル翼24とは異なり、流線方向に沿う中心線に対して対称形に形成されている。支持翼25の形状、周方向の位置、及び径方向の位置は、ノズル翼24に導入されるガスに極力影響を及ぼさないように、やはりCFD等を用いて決定されが、特に、流線に沿った形状とすることが好ましい。また、流線方向の長さは、流線への影響が小さい(流線を乱さない)範囲内とし、極力短くすることが好ましい。また、ガスの流量によって流線は変化するため、使用条件に応じて適宜決定することが好ましい。
【0040】
各ガスエキスパンダセクション5a,5bにおける中間のダイアフラム9a,10a,11a,12a及び9b,10b,11b,12bには、前段のインペラ4の吐出口42と後段のインペラ4の吸込口41とを接続する断面U字状のリターンベンド(中間流路)27が形成され、これらのリターンベンド27には、インペラ4の上流側に配置されたノズル翼24と、後段のインペラ4の吸込口41へのガス流れを効率の良いガス流れにするための17枚のリターンベーン28が設けられている。
【0041】
上述した構成のラジアルガスエキスパンダ1の動作を説明すると、まず、所定のプラントから吸込ポート18aを介して高温・高圧のガスが、一方のガスエキスパンダセクション5aに導入される。ガスは、一方のガスエキスパンダセクション5a内において、四段のインペラ4により四段階亘ってガスの吸込み、膨張を繰り返し、吐出ポート19aより吐出される。次いで、ガスはガス配管22及び吸込ポート18bを介して他方のガスエキスパンダセクション5bに導入され、他方のガスエキスパンダセクション5bにおいて膨張され、吐出ポート19bより吐出される。
【0042】
二つのガスエキスパンダセクション5a,5bの内部において、流入するガスは軸方向に流れるように構成されている。ただし、上述した構成により、ガスの流れる方向は互いに反対方向とされている。即ち、ガスは、ガスエキスパンダセクション5aでは軸方向他方側から一方側へ、ガスエキスパンダセクション5bでは軸方向一方側から他方側へ流れる。
ここで、吸込ポート18aを介して第一導入流路20aに導入されるガスの圧力と比較して、吸込ポート18bを介して第二導入流路20bに導入されるガスの圧力は低くなっている。即ち、ダイアフラム8を介して隣り合う第一導入流路20a内の圧力と第二導入流路20b内の圧力の圧力差が大きくなっている。
【0043】
上記実施形態によれば、第一導入流路20a内の圧力と第二導入流路20b内の圧力の圧力差が大きく、第一導入流路20aと第二導入流路20bとの間に形成されている中央のダイアフラム8に対して、このダイアフラム8を変形させるような力がかかった場合においても、支持翼25が設けられていることによって変形量を低減することができる。また、支持翼25は、断面視して翼形状に形成されていることにより、図4に示すように、支持翼25の周辺を流れるガスの流線Lの乱れを低減することができる。
【0044】
また、支持翼25は、支持翼25同士の間の幅Wが径方向に等しくなるように、径方向外周側から内周側に向かうに従って、次第に幅が狭くなるように形成されていることによって、支持翼25の周囲を通過するガスを増速することなく、滑らかにノズル翼24に導入することができる。
【0045】
また、支持翼25は、流線方向に対して対称な形状となっているため、より容易に製造することができる。
また、ケーシング2を構成する複数のダイアフラム群7は、軸方向に分割可能であるため、容易に内部のメンテナンスを行うことができる。
【0046】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。例えば、支持翼25は、流線方向に対して非対称形状としてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…ラジアルガスエキスパンダ、2…ケーシング、3…回転軸、4…インペラ、5…ガスエキスパンダセクション、6…ケーシング本体、7…ダイアフラム群、8,9a,9b,10a,10b,11a,11b,12a,12b,13a,13b…ダイアフラム、20a…第一導入流路(導入流路)、20b…第二導入流路(導入流路)、24…ノズル翼、25…支持翼(支持部材)、27…リターンベンド、28…リターンベーン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸に固定されたインペラと、
前記回転軸が回転可能に支持されているとともに、前記インペラに流体を導入する導入流路が形成されたケーシングとを備え、
前記導入流路には、前記インペラへ流入される流体を案内するノズル翼と、
前記ノズル翼の上流側に設けられ、前記導入流路の互いに対向する壁面の間を支持する支持部材とが設けられ、
前記支持部材は、断面視して翼形状に形成されていることを特徴とするラジアルガスエキスパンダ。
【請求項2】
回転軸と、
前記回転軸に固定されたインペラによってそれぞれ構成され、軸方向に対称に設けられた二組のインペラ群と、
前記回転軸が回転可能に支持されているとともに、一方の組のインペラ群に流体を導入する第一導入流路、及び前記第一導入流路と隣り合うように設けられ、他方の組のインペラ群に前記一方の組のインペラ群から吐出された流体を導入する第二導入流路とが形成されたケーシングとを備え、
前記第二導入流路には、前記インペラへ流入される流体を案内するノズル翼と、
前記ノズル翼の上流側に設けられ、前記第二導入流路の互いに対向する壁面の間を支持する支持部材とが設けられ、
前記支持部材は、断面視して翼形状に形成されていることを特徴とするラジアルガスエキスパンダ。
【請求項3】
前記支持部材は、前記回転軸回りに複数設けられ、前記支持部材同士の間の幅が径方向に等しくなるように、径方向外周側から内周側に向かうに従って、次第に幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のラジアルガスエキスパンダ。
【請求項4】
前記ケーシングは、ケーシング本体と、前記ケーシング本体に内蔵され、一体に連結された複数のダイアフラムとを有し、
前記導入流路は、前記ダイアフラム同士の間に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のラジアルガスエキスパンダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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