説明

ラッチ回路およびラッチ回路を用いた表示装置

【課題】比較的短い時間間隔で、ラッチ情報をラッチすることが可能で、より低コスト化を図ることが可能となる単チャンネルラッチ回路を提供する。
【解決手段】入力トランジスタと、前記入力トランジスタの第2電極と第1ラッチ制御線との間に接続される保持容量と、第1電極が前記第1ラッチ制御線に接続され、ゲートが前記入力トランジスタの第2電極に接続される第1トランジスタと、ゲートが前記第1トランジスタの第2電極に接続され、第1電極が第2ラッチ制御線に接続される第2トランジスタと、ゲートが前記第1トランジスタの第2電極に接続され、第1電極が前記第2トランジスタの第2電極に接続されると共に、第2電極が出力端子に接続される第3トランジスタと、前記第1トランジスタの第2電極と前記第2トランジスタの第2電極との間に接続される容量と、前記第1トランジスタの第2電極と前記第1ラッチ制御線との間に接続されるダイオードとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラッチ回路およびラッチ回路を用いた表示装置に係わり、特に、ラッチ回路をn型MOSトランジスタ、またはp型MOSトランジスタのどちらかのみを用いて形成した単チャンネルラッチ回路および単チャンネルラッチ回路を用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ラッチ回路は、CMOS回路で構成されるのが通常であり、例えば、図8に示すように、所定の電圧であるVDDの電圧が供給される電源ライン(LVDD)と、例えば接地電位であるGNDの電圧が供給される電源ライン(LGND)との間に接続されるn型MOSトランジスタ(NMT93,NMT94)と、p型MOSトランジスタ(PMT95,PMT96)を用いたラッチ回路が一般的である。
図9に、図8に示す走査電圧(φG)と、駆動クロック(φAC)と、各ノード(N91,N92,N93,N94)の時間変化の様子を示す。
始めに、データ線(LD)上の電圧(data)が、Lowレベル(以下、Lレベル)のVLの電圧の場合について説明する。
図9に示すように、時刻(t1)において、走査線(LG)上の走査電圧(φG)が、LレベルのVLの電圧から、Highレベル(以下、Hレベル)のVH1の電圧に変化すると、n型MOSトランジスタ(NMT91)がオンとなり、データ線(LD)上の電圧(data:時刻(t1)においてはVLの電圧)が保持容量(CD)に取り込まれる。これにより、ノード(N91)が、VLの電圧となる。
次に、時刻(t2)において、ラッチ制御線(LAC)上の駆動クロック(φAC)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH2の電圧に変化すると、n型MOSトランジスタ(NMT92)がオンとなり、ノード(N94)が、VLの電圧となる。
これにより、p型MOSトランジスタ(PMT95)と、n型MOSトランジスタ(NMT94)がオン、p型MOSトランジスタ(PMT96)と、n型MOSトランジスタ(NMT93)がオフとなり、ノード(N92)即ち第2出力(OUT2)がGNDの電圧、ノード(N93)即ち第1出力(OUT1)がVDDの電圧となる。よって、第1出力(OUT1)の出力がHレベル、第2出力(OUT2)の出力がLレベルとなる。
【0003】
次に、データ線(LD)上の電圧(data)がHレベルのVDHの電圧の場合について説明する。
図9に示すように、時刻(t3)において、走査線(LG)上の走査電圧(φG)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH1の電圧に変化すると、n型MOSトランジスタ(NMT91)がオンとなり、データ線(LD)上の電圧(data:時刻(t3)においてはVDHの電圧)が保持容量(CD)に取り込まれる。これにより、ノード(N91)が、VH3の電圧となる。
次に、時刻(t4)において、ラッチ制御線(LAC)上の駆動クロック(φAC)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH2の電圧に変化すると、n型MOSトランジスタ(NMT92)がオンとなり、ノード(N94)が、VH4の電圧となる。
これにより、n型MOSトランジスタ(NMT93)と、p型MOSトランジスタ(NMT96)がオン、p型MOSトランジスタ(PMT95)と、n型MOSトランジスタ(NMT94)がオフとなり、ノード(N92)、即ち第2出力(OUT2)がVDDの電圧、ノード(N93)、即ち第1出力(OUT1)がGNDの電圧となる。よって、第1出力(OUT1)の出力がLレベル、第2出力(OUT2)の出力がHレベルとなる。
尚、図9に示すように、VDDの電圧およびGNDの電圧は一定である。
【0004】
図8に示すラッチ回路の具体的な使用法の一例として、図10に示すように、ラッチ回路の2つの出力(第1出力OUT1,第2出力OUT2)により、可動シャッタ(S)の位置を電気的に制御して画像表示を行うディスプレイ(以下、可動シャッタ方式のディスプレイという)の画素回路としての使用方法がある。尚、可動シャッタ(S)はメカニカルシャッタと呼ばれることもある。また、可動シャッタ方式のディスプレイは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)シャッタ方式ディスプレイと呼ばれることもある。尚、可動シャッタ方式のディスプレイは、例えば、下記特許文献1に開示されている。
図10に示す可動シャッタ方式のディスプレイの画素回路において、可動シャッタ(S)は電界方向に高速に移動する。そのため、ノード(N92)がGNDの電圧、ノード(N93)がVDDの電圧の場合、可動シャッタ(S)は、ノード(N93)側に移動し、ノード(N92)がVDDの電圧、ノード(N93)がGNDの電圧の場合、可動シャッタ(S)は、ノード(N92)側に高速に移動する。
そして、可動シャッタ(S)の開閉によって画素の発光状態と非発光状態とを制御する。バックライトを有する可動シャッタ方式のディスプレイでは、例えば、可動シャッタ(S)が、ノード(N92)側に移動した場合、バックライト光が透過し画素が発光状態となり、可動シャッタ(S)が、ノード(N93)側に移動した場合、バックライト光が非透過となり画素が非発光状態となる。
これにより、液晶表示装置において液晶層が出力光を制御する動作と同様に、可動シャッタ(S)が画素からの出力光を制御することで、画像を表示することができる。尚、図10において、LSSは可動シャッタ制御線、φSは可動シャッタ制御信号である。可動シャッタ制御信号(φS)は所定の一定電圧である。また、液晶表示装置の反転駆動のように、s電圧の場合もある。
この図10に示す可動シャッタ方式のディスプレイの画素回路では、書き込み期間(図9のTA)内に、各行単位に各画素にデータを書き込み、可動シャッタ状態設定期間(図9のTB)に、可動シャッタ(S)を、ノード(N92)あるいはノード(N93)に移動させ、表示期間(図9のTC)に画像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−197668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図8に示すようなCMOS回路でラッチ回路を形成する場合、半導体層が多結晶シリコンで構成されるMOSトランジスタが用いられる。
但し、半導体層が多結晶シリコンで構成されるMOSトランジスタを使用するCMOS製造プロセスは、一般的に6から10程度のホト工程数が必要になるので、従来のCMOS回路で形成されたラッチ回路の構成は、製造プロセスの負荷が大きいと言える。これに対し、CMOS回路を、n型MOSトランジスタ、または、p型MOSトランジスタのどちらかのみを用いた、単チャンネルトランジスタ構成とすると、一般的に2ホト程度工程削減ができ、製造プロセスの負荷を低減することが可能である。
さらに、半導体層がアモルファスシリコンで構成されるMOSトランジスタを使用すると、半導体層が多結晶シリコンで構成されるMOSトランジスタを使用する場合よりも、プロセスコストを低減することができる。
本発明は、前述の知見に基づいてなされたものであり、本発明の目的は、製造プロセスの負荷を低減させたラッチ回路およびラッチ回路を用いた表示装置を提供することにある。更に、比較的短い時間間隔で、ラッチ情報をラッチすることが可能な単チャンネルラッチ回路および単チャンネルラッチ回路を用いた表示装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)走査電圧が入力された時にデータを取り込み、前記データをラッチするラッチ回路であって、前記第1駆動クロックが供給される第1ラッチ制御線と、前記第2駆動クロックが供給される第2ラッチ制御線と、ゲートに前記走査電圧が入力されたときに、「0」あるいは「1」のデータに対応する電圧を取り込む入力トランジスタと、前記入力トランジスタの第2電極と前記第1ラッチ制御線との間に接続され、前記入力トランジスタで取り込まれた電圧を保持する保持容量と、第1電極が前記第1ラッチ制御線に接続され、ゲートが前記入力トランジスタの第2電極に接続される第1トランジスタと、ゲートが前記第1トランジスタの第2電極に接続され、第1電極が前記第2ラッチ制御線に接続される第2トランジスタと、ゲートが前記第1トランジスタの第2電極に接続され、第1電極が前記第2トランジスタの第2電極に接続されると共に、第2電極が出力端子に接続される第3トランジスタと、前記第1トランジスタの第2電極と前記第2トランジスタの第2電極との間に接続される容量と、前記第1トランジスタの第2電極と前記第1ラッチ制御線との間に接続され、前記第1駆動クロックが第1の電圧から第2の電圧に変化した時にオンとなるダイオードとを有し、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタと前記第3トランジスタとは、同じ導電型のトランジスタである。
(2)(1)において、前記走査電圧が入力された後で、前記第1駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化し、前記第1駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化した後に、前記第2駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化し、前記第1駆動クロックが前記第2の電圧から前記第1の電圧に変化した後に、前記第2駆動クロックが前記第2の電圧から前記第1の電圧に変化し、前記出力端子の電圧は、前記第2駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化した時に、前記第2の電圧となり、前記第2駆動クロックが前記第2の電圧から前記第1の電圧に変化したときに、前記第1トランジスタのオン状態、あるいは、オフ状態に応じて前記第2の電圧、あるいは、前記第1の電圧となる。
【0008】
(3)走査電圧が入力された時にデータを取り込み、前記データをラッチするラッチ回路であって、前記第1駆動クロックが供給される第1ラッチ制御線と、前記第2駆動クロックが供給される第2ラッチ制御線と、ゲートに前記走査電圧が入力されたときに、「0」あるいは「1」のデータに対応する電圧を取り込む入力トランジスタと、前記入力トランジスタの第2電極と前記第1ラッチ制御線との間に接続され、前記入力トランジスタで取り込まれた電圧を保持する保持容量と、ゲートが前記入力トランジスタの第2電極に接続され、第1電極が前記第1ラッチ制御線に接続される第1トランジスタと、ゲートが前記第1トランジスタの第2電極に接続され、第1電極が前記第2ラッチ制御線に接続されるとともに、第2電極が出力端子に接続される第2トランジスタと、前記第1トランジスタの第2電極と前記第1ラッチ制御線との間に接続され、前記第1駆動クロックが第1の電圧から第2の電圧に変化した時にオンとなるダイオードとを有し、前記入力トランジスタと前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとは、同じ導電型のトランジスタである。
(4)(3)において、前記走査電圧が入力された後で、前記第1駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化し、前記第1駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化した後に、前記第2駆動クロックが第3の電圧から第4の電圧に変化し、前記第1駆動クロックが前記第2の電圧から前記第1の電圧に変化した後に、前記第2駆動クロックが前記第4の電圧から前記第3の電圧に変化し、前記出力端子の電圧は、前記第2駆動クロックが前記第3の電圧から前記第4の電圧に変化した時に前記第4の電圧となり、前記第2駆動クロックが、前記第4の電圧から前記第3の電圧に変化したときに、前記第1トランジスタのオン状態、あるいは、オフ状態に応じて、前記第4の電圧、あるいは、前記第3の電圧となる。
【0009】
(5)(3)において、前記走査電圧が入力された後で、前記第1駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化し、前記第1駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化した後に、前記第2駆動クロックが第3の電圧から第4の電圧に変化し、前記第1駆動クロックが前記第2の電圧から前記第1の電圧に変化した後に、前記第2駆動クロックが前記第4の電圧から前記第3の電圧に変化し、前記第1駆動クロックの前記第2の電圧をVH1、前記第2駆動クロックの前記第4の電圧をVH2、Vthをトランジスタの閾値電圧とするとき、|VH1|≧|VH2+2×Vth|を満足する。
(6)(1)または(3)において、前記ダイオードは、ダイオード接続されたトランジスタで構成され、前記トランジスタ、および、前記ダイオードは、半導体層がアモルファスシリコンで構成される薄膜トランジスタである。
(7)(1)または(3)において、前記ダイオードは、ダイオード接続されたトランジスタで構成され、前記トランジスタ、および、前記ダイオードは、n型トランジスタであり、前記第2の電圧(あるいは、前記第2の電圧および前記第4の電圧)は、前記第1の電圧(あるいは、前記第1の電圧および前記第3の電圧)よりも高電位の電圧である。
【0010】
(8)可動シャッタをそれぞれ有する複数の画素を備え、前記可動シャッタの位置を電気的に制御して画像表示を行う表示装置であって、前記各画素は、前記可動シャッタの位置を電気的に制御する画素回路を有し、前記画素回路は、第1出力端子と、第2出力端子と、前記第1出力端子に接続されるラッチ回路と、前記第2出力端子に接続され、第3駆動クロックが供給される第3ラッチ制御線とを有し、前記ラッチ回路は、前記(1)ないし(7)のいずれか1項に記載のラッチ回路である。
(9)(8)において、前記第3駆動クロックは、第2の電圧から第1の電圧へ、前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化し、前記第3駆動クロックが前記第1の電圧の期間内に、前記ラッチ回路から前記第1出力端子に出力される電圧が確定される。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、製造プロセスの負荷を低減させたラッチ回路およびラッチ回路を用いた表示装置を提供することが可能となる。更に、比較的短い時間間隔で、ラッチ情報をラッチすることが可能な単チャンネルラッチ回路および単チャンネルラッチ回路を用いた表示装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1の単チャネルラッチ回路の回路構成を示す回路図である。
【図2】図1に示すラッチ回路の走査電圧(φG)、駆動クロック(φAC1〜φAC3)、および、各ノード(N1,N2,N3,N4)の時間変化の様子を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の実施例1の可動シャッタ(S)の位置を電気的に制御して画像表示を行うディスプレイの概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例2の単チャネルラッチ回路の回路構成を示す回路図である。
【図5】図4に示すラッチ回路の走査電圧(φG)、駆動クロック(φAC1〜φAC3)、および、各ノード(N1,N2,N3)の時間変化の様子を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の実施例2の単チャネルラッチ回路の変形例の回路構成を示す回路図である。
【図7】図6に示す単チャネルラッチ回路の走査電圧(φG)、駆動クロック(φAC1,φAC2,φAC3)、および、各ノード(N1,N2,N3)の時間変化の様子を示すタイミングチャートである。
【図8】従来のCMOS回路で構成されるラッチ回路の回路構成を示す回路図である。
【図9】図8に示す走査電圧(φG)と、駆動クロック(φAC)と、各ノード(N91,N92,N93,N94)の時間変化の様子を示すタイミングチャートである。
【図10】可動シャッタ(S)の位置を電気的に制御して画像表示を行うディスプレイの画素回路の回路構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施例は、本発明の特許請求の範囲の解釈を限定するためのものではない。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1の単チャネルラッチ回路(以下、単にラッチ回路という)の回路構成を示す回路図である。本実施例のラッチ回路は、n型MOSトランジスタ(NMT*)(以下、単に、トランジスタという)のみで構成された単チャンネルMOSトランジスタ回路である。なお、本実施例のn型MOSトランジスタ(NMT*)は、半導体層がアモルファスシリコンで構成される薄膜トランジスタ(以下、a−Siトランジスタという)である。
また、図1において、CD1,CD2は容量、LDはデータ線、LGは走査線、LAC1は第1駆動クロック(φAC1)が供給される第1ラッチ制御線、LAC2は第2駆動クロック(φAC2)が供給される第2ラッチ制御線、LAC3は第3駆動クロック(φAC3)が供給される第3ラッチ制御線である。
容量の充放電を利用する回路(所謂ダイナミック回路)において、移動度の低いa−Siトランジスタを使用し、かつ所望の動作速度を確保する方法としては、トランジスタのゲート幅を大きくし、総電流量を多くするか、ゲート電圧を高くし、単位面積当たりの電流量を大きくするかのどちらかの手法が一般的である。
しかしながら、後述の図3に示すような、ある面積を割り当てられた画素の中に構成する回路では、ゲート幅を大きくする(例えば、100倍にする)ことは実用的ではないため、ゲート電圧を高くし、単位面積当たりの電流量を大きくし、所望の動作速度を実現する。
【0014】
図2に、図1に示すラッチ回路の走査電圧(φG)、第1〜第3駆動クロック(φAC1〜φAC3)、および、各ノード(N1,N2,N3,N4)の時間変化の様子を示す。
時刻(t1)において、走査線(LG)上の走査電圧(φG)(所謂、読み込みパルス(ゲートパルス))が、Lowレベル(以下、Lレベル)のVLの電圧から、Highレベル(以下、Hレベル)のVH1の電圧に変化する(所謂、走査電圧が入力される)と、入力トランジスタ(NMT1)が、オンとなり、ノード(N1)の電圧は、データ線(LD)上の電圧(data:時刻(t1)においてはVLの電圧)となる。
時刻(t2)において、走査線(LG)上の走査電圧(φG)がLレベルのVLの電圧に変化すると、トランジスタ(NMT1)がオフになり、ノード(N1)に対する書き込み動作が終了する。
この時刻(t1)から時刻(t2)の間に充分な書き込みを行うため、トランジスタ(NMT1)のトランジスタサイズに合わせて、走査電圧(φG)のHレベルのVH1の電圧は、概ね、データ線(LD)上のHレベルのVHDの電圧よりも10V程度高い電圧であることが望ましい。本実施例においては、VH1の電圧は15V以上であることが望ましい。
【0015】
時刻(t3)で、第3ラッチ制御線(LAC3)上の第3駆動クロック(φAC3)が、HレベルのVH3の電圧から、LレベルのVL(例えば0V)の電圧に変化する。本実施例のラッチ回路を、例えば、上述の可動シャッタ方式のディスプレイで用いる場合、この時点では、シャッタ(S)の位置は、バネの力で、第1出力(OUT1)と第2出力(OUT2)の中間の位置に移動する。
次に、時刻(t4)において、第1ラッチ制御線(LAC1)上の第1駆動クロック(φAC1)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH2の電圧に変化すると、トランジスタ(NMT3)は、第1ラッチ制御線(LAC1)からノード(N2)に向かって電流(順方向の電流)が流れるダイオード接続になっているため、トランジスタ(NMT3)はオン状態となり、ノード(N2)の電圧を上昇させる。
最終的なノード(N2)の電圧VH4は、下記(1)式で表される。
VH4=VH2−Vth ・・・・・・・・・・・・・ (1)
ここで、Vthは、トランジスタ(NMT3)の閾値電圧である。たとえば、VH2の電圧を25V、負荷容量の充電時間を加味した実効的なVthを5Vとすると、VH4は式(1)より、概ね20Vとなる。なお、本明細書では、簡単のため、すべてのn型MOSトランジスタの閾値電圧をVthとする。
【0016】
また、第1ラッチ制御線(LAC1)とノード(N1)との間に接続される容量(CD1)により、第1駆動クロック(φAC1)の電圧上昇に伴い、ノード(N1)の電圧も上昇し、VDH3の電圧となる。
電圧VDH3は、下記(2)で表される。
VDH3=VL+VH2×(CD1/(CD1+CN1S)) ・・・・・・ (2)
一般にVLは接地電位であることから、式(2)より、電圧VDH3は、電圧VH2よりも低くなる。よって、トランジスタ(NMT2)はほとんどオンとならないか、少なくともノード(N2)の最終電圧には寄与しない。ここで、CN1Sは、ノード(N1)の容量から容量(CD1)を差し引いた、いわゆる寄生容量である。
ここで、トランジスタ(NMT4)のゲート電圧であるノード(N2)の電圧VH4が、トランジスタ(NMT4)の閾値電圧Vthよりも高いため、トランジスタ(NMT4)はオン状態となっている。
時刻(t5)において、第2ラッチ制御線(LAC2)上の第2駆動クロック(φAC2)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH2の電圧に変化すると、第2駆動クロック(φAC2)の電圧上昇に従い、ノード(N3)の電圧が上昇する。ノード(N3)とノード(N2)は、容量(CD2)により容量結合されているため、ノード(N3)の電圧上昇に伴い、ブートストラップ効果によりノード(N2)の電圧も上昇する。
【0017】
このときのノード(N2)の電圧VN2は、下記(3)式で表される。
VN2=VH4+VN3×(CD2/(CD2+CN2S)) ・・・・・・ (3)
ここで、VN3はノード(N3)の電圧、CN2Sはノード(N2)の容量から容量(CD2)を差し引いたもの、すなわちノード(N2)のいわゆる寄生容量である。
ここで、容量(CD2)の値を適切に設定することにより、トランジスタ(NMT4)がオン状態では常に、下記(4)式を満足するようにする。
VN2−VN3>Vth ・・・・・・・・・・・ (4)
この場合、図2に示すように、ノード(N3)の電圧であるVN3の最終電圧を、第2駆動クロック(φAC2)のHレベルの電圧であるVH2の電圧にすることができる。
このときのノード(N2)の電圧VN2、即ちVN2の最終電圧(VH4’で表わす)は、下記(5)式で表される。
VH4’=VH4+VH2×(CD2/(CD2+CN2S)) ・・・・・ (5)
同時に、トランジスタ(NMT5)についても、VH4’の電圧が、ゲート電圧であるので、ノード(N4)の電圧もVH2の電圧となる。たとえば、VH2の電圧を25Vとすると、ノード(N3)、ノード(N4)共に、25Vとなる。
【0018】
時刻(t6)において、第1ラッチ制御線(LAC1)上の第1駆動クロック(φAC1)が、HレベルのVH2の電圧から、LレベルのVLの電圧に変化すると、トランジスタ(NMT2)のゲート電圧であるノード(N1)の電圧は、LレベルのVL(=0V)の電圧になるため、トランジスタ(NMT2)はオフ状態になる。
トランジスタ(NMT3)は、ダイオード接続であるので、ノード(N2)から第1ラッチ制御線(LAC1)へ電流は流れない。したがって、ノード(N2)は、VH4’の電圧を維持する。なお、厳密には、トランジスタ(NMT2)のゲートが、HレベルからLレベルに変化するので、トランジスタ(NMT2)のゲート−ドレイン間容量で多少の電圧低下があるが、微小なので本明細書では無視している。
時刻(t7)において、第2ラッチ制御線(LAC2)上の第2駆動クロック(φAC2)が、HレベルのVH2の電圧から、LレベルのVLの電圧に変化すると、トランジスタ(NMT4,NMT5)のゲート電圧であるノード(N2)の電圧は、HレベルのVH4’の電圧であるので、トランジスタ(NMT4)、トランジスタ(NMT5)がオン状態となる。
これにより、第2駆動クロック(φAC2)の電圧低下に伴って、ノード(N3,N4)の電圧が低下する。このとき、ノード(N2)の電圧VN2も、(3)式に従って低下するが、ノード(N3)の電圧VN3がVL(例えば本実施例では0V)の電圧になっても、ノード(N2)の電圧(VN2)は概ねVH4の電圧であり、トランジスタ(NMT4,NMT5)は、充分低抵抗なオン状態になる。したがって、ノード(N3,N4)は比較的短時間の間にLレベルのVLの電圧となる。
【0019】
前述した駆動方法により、第1出力(OUT1)は、LowレベルのVLの電圧に設定される。したがって、本実施例のラッチ回路を、上述の可動シャッタ方式のディスプレイで用いる場合、シャッタ(S)は、時刻(t6)と時刻(t7)の間は、第1出力(OUT1)側に静電気力で引き寄せられるが、時刻(t7)以降、シャッタ(S)は、第1出力(OUT1)側に静電気力で引き寄せられなくなる。よって、シャッタ(S)は、例えばシャッタ(S)を支えるバネの力で第1出力(OUT1)と、第2出力(OUT2)の中間に位置する。
時刻(t8)において、第3ラッチ制御線(LAC3)上の第3駆動クロック(φAC3)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH3の電圧に変化すると、第1出力(OUT1)と、第2出力(OUT2)の中間に位置したシャッタ(S)は、第3駆動クロック(φAC3)のHレベルのVH2の電圧に静電気的に引き寄せられ、第2出力(OUT2)側に移動し、シャッタ位置の設定が完了する。
【0020】
次に、図2の右側、時刻(t11)以降の次のサブフレームでのシャッタ設定のシーケンスについて説明する。
時刻(t11)において、走査線(LG)上の走査電圧(φG)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH1の電圧に変化すると、入力トランジスタ(NMT1)が、オンとなり、ノード(N1)の電圧は、データ線(LD)上の電圧(data:時刻(t11)においてはVDHの電圧)となる。ここで、VDHの電圧は、トランジスタ(NMT2)の閾値電圧Vthより高く、所望の時間に、ノード(N2)の電荷を引き流し、VLの電圧にできる電圧に設定する。たとえば7Vである。
これにより、トランジスタ(NMT2)はオン状態になり、ノード(N2)の電圧は、VH4の電圧からVLの電圧になる。このとき、容量(CD2)およびトランジスタ(NMT4)のゲート容量により、トランジスタ(NMT4)がオン状態からオフ状態に変化した後、ノード(N3)の電圧は多少マイナス側の電圧となるが、少量なので、図2では無視している。トランジスタ(NMT5)についても同様であるが、トランジスタ(NMT5)に関しては、容量(CD2)のような結合容量はなく、トランジスタ(NMT5)のゲート容量のみであるので、量的にさらに小さく、無視できるので、同様に図2では無視している。
【0021】
時刻(t12)において、走査線(LG)上の走査電圧(φG)がLレベルのVLの電圧に変化すると、トランジスタ(NMT1)がオフし、ノード(N1)に対する書き込み動作が終了する。
時刻(t13)で、第3ラッチ制御線(LAC3)上の第3駆動クロック(φAC3)が、HレベルのVH3の電圧から、LレベルのVLの電圧に変化する。本実施例のラッチ回路を、上述の可動シャッタ方式のディスプレイで用いる場合、この時点では、シャッタ(S)の位置は、バネの力で、第1出力(OUT1)と第2出力(OUT2)の中間の位置に移動する。
次に、時刻(t14)において、第1ラッチ制御線(LAC1)上の第1駆動クロック(φAC1)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH2の電圧になる。この時、直前でノード(N1)の電圧はVDHであるので、ノード(N1)の電圧は、VDHから(6)式のように表されるVDH13に変化する。
VDH13=VDH+VH2×(CD1/(CD1+CN1S)) ・・・・ (6)
VDH13の電圧が、VH2の電圧よりも高ければ、ノード(N2)の電圧VN2は、下記(7)式となり、時刻(t4)後とは異なる電圧になる可能性がある。但し、この差異は小さいとして、図5では、同様に時刻(t14)後のノード(N2)の最終電圧をVH4の電圧と記述している。
VN2=VDH13−Vth ・・・・・・・・・・・ (7)
その他では、時刻(t14)、時刻(t15)において、時刻(t4)、時刻(t5)と同じことが起こり、時刻(t16)の直前では、各々のノード(N1)の電圧VN1、ノード(N2)の電圧VN2、ノード(N3)の電圧VN3は、それぞれ、VN1=VDH13、VN2=VH4’、VN3=VH2になっている。
【0022】
次に、時刻(t16)において、第1ラッチ制御線(LAC1)上の第1駆動クロック(φAC1)が、HレベルのVH2の電圧から、LレベルのVLの電圧に変化する。このとき、トランジスタ(NMT2)はオン状態であるので、ノード(N2)の電圧は、VH4’の電圧からVLの電圧に変化する。結果として、トランジスタ(NMT4)、トランジスタ(NMT5)がオフとなる。
その後、時刻(t17)において、第2ラッチ制御線(LAC2)上の第2駆動クロック(φAC2)が、HレベルのVH2の電圧から、LレベルのVLの電圧に変化する。
時刻(t16)における、ノード(N2)の電圧変化に伴い、容量(CD2)およびトランジスタ(NMT4)のゲート容量により、ノード(N3)の電圧も低下し、ノード(N3)の電圧は、VH2の電圧からVH12の電圧となる。VH12の電圧は、概ね下記の(8)式で表される。
VH12=VH2−VH4’×((CD2+CGD4)/(CD2+CGD4+CN2S)) ・・・・・・・ (8)
ここで、CGD4は、トランジスタ(NMT4)のゲート−ドレイン間容量、CN2Sは、ノード(N2)の容量(CD2)、トランジスタ(NMT4)のゲート−ドレイン間容量(CGD2)以外の寄生容量である。
a−Siトランジスタを用い、なおかつ高速で、ノード(N3)、ノード(N4)をチャージするために、高いゲート電圧を得る必要から、容量CD2は、寄生容量(CN2S,CN3S)に比べ相当大きな容量となるので、ノード(N2)の容量の8割程度を占めることが望ましい。
したがって、(8)式で与えられるVH12の電圧は相当低い電圧に変化することになる場合がある。たとえば、CD2+CGD4≒CD2=4×CN2Sとし、VH2=25Vとすると、(1)式より、VH4=20V、(5)式より、VH4’=40V、(8)式より、VH12=25−40×0.8=−7Vとなる。
実際は、ノード(N3)の電圧が、トランジスタ(NMT4)の−Vthより低くなることはないので、−5V程度で収まる。したがって、ノード(N3)を、第1出力(OUT1)としても所望のHigh状態を作ることはできない。
【0023】
一方、ノード(N4)の電圧も、ノード(N2)の変化の影響を受けるが、このときの結合容量は、トランジスタ(NMT5)のゲート−ドレイン間容量のみなので、第1出力(OUT1)の負荷などを含む、ノード(N4)の容量に対して占める比率が小さいため、電圧低下量も小さくなり、シャッタ動作に必要な電圧を維持することができる。
たとえば、ノード(N4)の全容量に対するトランジスタ(NMT5)のゲート−ドレイン間容量の比率を0.01とすると、(8)式より、ノード(N4)の電圧VN4は、VN4=25−40×0.01=24.6Vとなる。
このように、ノード(N4)の電圧低下は小さく設計できるので、図2では低下分は無視して記述している。このときシャッタ(S)は、ノード(N4)の電圧がHレベルになった時点で、静電気力で第1出力(OUT1)側に移動し、その状態を維持する。
時刻(t18)において、第3ラッチ制御線(LAC3)上の第3駆動クロック(φAC3)が、HレベルのVH3の電圧になっても、この状態が維持される。
【0024】
図3は、本発明の実施例1の可動シャッタ(S)の位置を電気的に制御して画像表示を行うディスプレイ(可動シャッタ方式のディスプレイ)の概略構成を示すブロック図である。
図3に示す可動シャッタ方式のディスプレイでは、1画素(PX)2次元状に配置されており、図1に示す回路も各画素に配置されている。ここで、走査線(LG)は各行単位に設けられ、垂直駆動回路(XDR)に入力される。
また、データ線(LD)は各列単位に設けられ、水平駆動回路(YDR)に入力される。第1ラッチ制御線(LAC1)、第2ラッチ制御線(LAC2)、第3ラッチ制御線(LAC3)、およびシャッタ制御線(LSS)は、各画素共通に設けられ、水平駆動回路(YDR)に入力される。
この図3に示す可動シャッタ方式のディスプレイでは、書き込み期間(図2のTA)内に、各行単位に各画素にデータを書き込み、可動シャッタ状態設定期間(図2のTB)に、可動シャッタ(S)を、第1出力(OUT1)あるいは第2出力(OUT2)に移動させ、表示期間(図2のTC)に画像を表示する。
【0025】
[実施例2]
図4は、本発明の実施例2の単チャネルラッチ回路の回路構成を示す回路図である。
図4に示すラッチ回路は、図1に示すラッチ回路において、容量(CD2)、トランジスタ(NMT5)を削除し、ノード(N3)を第1出力(OUT1)としたものである。
図5に、図4に示すラッチ回路の走査電圧(φG)、第1〜第3駆動クロック(φAC1〜φAC3)、および、各ノード(N1,N2,N3)の時間変化の様子を示す。
時刻(t1)において、走査線(LG)上の走査電圧(φG)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH1の電圧に変化すると、入力トランジスタ(NMT1)が、オンとなり、ノード(N1)の電圧は、データ線(LD)上の電圧(data:時刻(t1)においてはVLの電圧)となる。
時刻(t2)において、走査線(LG)上の走査電圧(φG)がLレベルのVLの電圧に変化すると、トランジスタ(NMT1)がオフとなり、ノード(N1)に対する書き込み動作が終了する。
この時刻(t1)から時刻(t2)の間に充分な書き込みを行うため、前述の実施例1と同様、VH1の電圧は15V以上であることが望ましい。
時刻(t3)で、第3ラッチ制御線(LAC3)上の第3駆動クロック(φAC3)が、HレベルのVH3の電圧から、LレベルのVLの電圧に変化する。前述したように、本実施例のラッチ回路を、上述の可動シャッタ方式のディスプレイで用いる場合、この時点では、シャッタ(S)の位置は、バネの力で、第1出力(OUT1)と第2出力(OUT2)の中間の位置に移動する。
【0026】
次に、時刻(t4)において、第1ラッチ制御線(LAC1)上の第1駆動クロック(φAC1)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH2’の電圧に変化すると、ダイオード接続のトランジスタ(NMT3)はオンとなり、ノード(N2)の電圧を上昇させる。
最終的なノード(N2)の電圧VH4は、前述の(1)式により、VH4=VH2’−Vthとなる。Vthは、トランジスタ(NMT3)の閾値電圧である。
ここで、トランジスタ(NMT4)のゲート電圧であるノード(N2)の電圧VH4が、トランジスタ(NMT4)の閾値電圧Vthよりも高いため、トランジスタ(NMT4)はオン状態となっている。
時刻(t5)において、第2ラッチ制御線(LAC2)上の第2駆動クロック(φAC2)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH2の電圧に変化すると、第2駆動クロック(φAC2)の電圧上昇に従い、ノード(N3)の電圧が上昇する。
ここで、第1駆動クロック(φAC1)、第2駆動クロック(φAC2)、および、第3駆動クロック(φAC3)のHレベルの電圧を同一のVH2の電圧とすると、トランジスタ(NMT4)のゲート電圧となるノード(N2)は、(VH2−Vth)が最大電圧になり、その結果ノード(N3)の電圧の最大値(VN3max)は、VN3max=VH2−Vth−Vthとなり、大幅に電圧低下し、かつスピードも遅くなる。たとえば、VH2=25V、Vth=5Vならば、VN3max=15Vである。
そこで、本実施例では、第1駆動クロック(φAC1)のHレベルの電圧を、第2駆動クロック(φAC3)、および、第3駆動クロック(φAC3)のHレベルの電圧VH2よりも高電圧のVH2’(例えばVH2’=VH2+2Vth)の電圧とする。
これにより、最終的なノード(N3)の電圧は、第2駆動クロック(φAC2)のHレベルの電圧であるVH2の電圧にすることができる。
【0027】
時刻(t6)において、第1ラッチ制御線(LAC1)上の第1駆動クロック(φAC1)が、HレベルのVH2’の電圧から、LレベルのVLの電圧に変化すると、トランジスタ(NMT2)のゲート電圧であるノード(N1)の電圧は、LレベルのVL(例えば0V)の電圧になるため、トランジスタ(NMT2)はオフになる。
トランジスタ(NMT3)は、ダイオード接続であるので、ノード(N2)から第1ラッチ制御線(LAC1)へ電流は流れない。したがって、ノード(N2)は、VH4の電圧を維持する。なお、厳密には、トランジスタ(NMT2)のゲートが、Hレベルの電圧からLレベルの電圧に変化するので、トランジスタ(NMT2)のゲート−ドレイン間容量で多少の電圧低下があるが、微小なので本明細書では無視している。
時刻(t7)において、第2ラッチ制御線(LAC2)上の第2駆動クロック(φAC2)が、HレベルのVH2の電圧から、LレベルのVLの電圧に変化すると、トランジスタ(NMT4)のゲート電圧であるノード(N2)の電圧は、HレベルのVH4の電圧であるので、トランジスタ(NMT4)がオン状態を維持する。
これにより、第2駆動クロック(φAC2)の電圧低下に伴って、ノード(N3)の電圧が低下する。この場合、ノード(N2)の電圧は概ねVH4の電圧であり、トランジスタ(NMT4)は、充分低抵抗なオン状態になる。したがって、ノード(N3)は比較的短時間の間にLレベルのVLの電圧となる。
上記の駆動方法により、第1出力(OUT1)は、LowレベルのVLの電圧に設定される。したがって、本実施例のラッチ回路を、述の可動シャッタ方式のディスプレイで用いる場合、シャッタ(S)は、時刻(t6)と時刻(t7)の間は、第1出力(OUT1)側に静電気力で引き寄せられるが、時刻(t7)以降、シャッタ(S)は、第1出力(OUT1)側に静電気力で引き寄せられなくなる。よって、シャッタ(S)は、例えば、シャッタ(S)を支えるバネの力で第1出力(OUT1)と、第2出力(OUT2)の中間に位置する。
時刻(t8)において、第3ラッチ制御線(LAC3)上の第3駆動クロック(φAC3)が、HレベルのVH3の電圧に変化すると、第1出力(OUT1)と、第2出力(OUT2)の中間に位置したシャッタ(S)は、第3駆動クロック(φAC3)のHレベルのVH2の電圧に静電気的に引き寄せられ、第2出力(OUT2)側に移動し、シャッタ位置の設定が完了する。
【0028】
次に、図5の右側、時刻(t11)以降の次のサブフレームでのシャッタ設定のシーケンスについて説明する。
時刻(t11)において、走査線(LG)上の走査電圧(φG)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH1の電圧に変化すると、入力トランジスタ(NMT1)が、オンとなり、ノード(N1)の電圧は、データ線(LD)上の電圧(data:時刻(t11)においてはVDHの電圧)となる。ここで、VDHの電圧は、トランジスタ(NMT2)の閾値電圧Vthより高く、所望の時間に、ノード(N2)の電荷を引き流し、VLの電圧にできる電圧に設定する。たとえば7Vである。これにより、トランジスタ(NMT2)はオン状態になり、ノード(N2)の電圧は、VH4の電圧からVLの電圧になる。
時刻(t12)において、走査線(LG)上の走査電圧(φG)がLレベルのVLの電圧に変化すると、トランジスタ(NMT1)がオフし、ノード(N1)に対する書き込み動作が終了する。
時刻(t13)で、第3ラッチ制御線(LAC3)上の第3駆動クロック(φAC3)が、HレベルのVH3の電圧から、LレベルのVLの電圧に変化する。前述したように、本実施例のラッチ回路を、上述の可動シャッタ方式のディスプレイで用いる場合、この時点では、シャッタ(S)の位置は、バネの力で、第1出力(OUT1)と第2出力(OUT2)の中間の位置に移動する。
【0029】
次に、時刻(t14)において、第1ラッチ制御線(LAC1)上の第1駆動クロック(φAC1)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH2’の電圧になる。この時、ノード(N1)の電圧は、VDH13’(=VHD+VH2’)の電圧となる。
その他では、時刻(t14)、時刻(t15)において、時刻(t4)、時刻(t5)と同じことが起こり、時刻(t16)の直前では、各々のノード(N1)の電圧VN1、ノード(N2)の電圧VN2、ノード(N3)の電圧VN3は、それぞれ、VN1=VDH13’、VN2=VH4、VN3=VH2になっている。
次に、時刻(t16)において、第1ラッチ制御線(LAC1)上の第1駆動クロック(φAC1)が、HレベルのVH2’の電圧から、LレベルのVLの電圧に変化する。このとき、トランジスタ(NMT2)はオン状態であるので、ノード(N2)の電圧は、VH4の電圧からVLの電圧に変化する。結果として、トランジスタ(NMT4)がオフとなる。
その後、時刻(t7)において、第2ラッチ制御線(LAC2)上の第2駆動クロック(φAC2)が、HレベルのVH2の電圧からLレベルのVLの電圧に変化すると、トランジスタ(NMT4)のゲート電圧であるノード(N2)の電圧は、LレベルのVLの電圧であるので、トランジスタ(NMT4)はオフ状態を維持し、ノード(N3)は、VH2の電圧を維持する。
このときシャッタ(S)は、ノード(N3)の電圧がHレベルになった時点で、静電気力で第1出力(OUT1)側に移動し、その状態を維持する。
時刻(t18)において、第3ラッチ制御線(LAC3)上の第3駆動クロック(φAC3)が、LレベルのVLの電圧から、HレベルのVH3の電圧になっても、この状態が維持される。
本実施例は、前述の実施例1に比べ、設定電圧が増え、かつ、さらに高電圧の設定が必要になるが、前述の実施例1に比べ、ラッチ回路の構成要素である容量(CD2)と、トランジスタ(NMT5)を削減できるという利点がある。
【0030】
なお、前述の説明では、n型MOSトランジスタとして、半導体層がアモルファスシリコンで構成される薄膜トランジスタを使用する場合について説明したが、前述の各実施例において、n型MOSトランジスタとして、半導体層が多結晶シリコンで構成される薄膜トランジスを使用することも可能である。
なお、半導体層が多結晶シリコンで構成される薄膜トランジスを使用する場合、n型MOSトランジスタに代えて、p型MOSトランジスタを使用することも可能である。
図6に、図4に示す単チャネルラッチ回路を、p型MOSトランジスタで構成した場合の回路構成を示す。また、図7に、図6に示す単チャネルラッチ回路の走査電圧(φG)、第1〜第3駆動クロック(φAC1,φAC2,φAC3)、および、各ノード(N1,N2,N3)の時間変化の様子を示す。
始めに、データ線(LD)上の電圧(data)が、LレベルのVDLの電圧の場合について説明する。
時刻(t1)で、走査線(LG)上の走査電圧(φG)が、HレベルのVHの電圧から、LレベルのVL1の電圧に変化する(所謂、走査電圧が入力される)と、入力トランジスタ(PMT1)がオンとなり、ノード(N1)は、データ線(LD)上の電圧(data:時刻(t1)においてはVDLの電圧)となる。
ノード(N1)の電圧が、VDLの電圧に変化すると、トランジスタ(PMT2)がオン状態となり、ノード(N2)の電圧が、VHの電圧となる。
時刻(t2)において、走査線(LG)上の走査電圧(φG)がHレベルのVHの電圧に変化すると、トランジスタ(PMT1)がオフし、ノード(N1)に対する書き込み動作が終了する。
【0031】
時刻(t3)で、第3ラッチ制御線(LAC3)上の第3駆動クロック(φAC3)が、HレベルのVHの電圧から、LレベルのVL3の電圧に変化する。前述したように、本実施例のラッチ回路を、上述の可動シャッタ方式のディスプレイで用いる場合、この時点では、シャッタ(S)の位置は、バネの力で、第1出力(OUT1)と第2出力(OUT2)の中間の位置に移動する。
次に、時刻(t4)において、第1ラッチ制御線(LAC1)上の第1駆動クロック(φAC1)が、HレベルのVHの電圧から、LレベルのVL2の電圧に変化すると、ダイオード接続のトランジスタ(PMT3)はオン状態となり、ノード(N2)の電圧を下降させる。
最終的なノード(N2)の電圧VL4は、VL4=VL2+Vthとなる。Vthは、トランジスタ(PMT3)の閾値電圧である。
ここで、トランジスタ(PMT4)のゲート電圧であるノード(N2)の電圧VL4が、トランジスタ(PMT4)の閾値電圧Vthよりも低いため、トランジスタ(PMT4)はオンとなっている。
また、ノード(N1)の電圧も降下し、ノード(N1)は、VDL2=(VDL−VL2)の電圧となる。
【0032】
時刻(t5)において、第2ラッチ制御線(LAC2)上の第2駆動クロック(φAC2)が、HレベルのVHの電圧から、LレベルのVL3の電圧に変化すると、トランジスタ(PMT4)がオン状態のため、第2駆動クロック(φAC2)の電圧降下に従い、ノード(N3)の電圧が降下する。
ここで、第1駆動クロック(φAC1)、第2駆動クロック(φAC2)、および、第3駆動クロック(φAC3)のLレベルの電圧を同一電圧(VLで表わす)にすると、トランジスタ(PMT4)のゲート電圧となるノード(N2)は、(VL+Vth)が最小電圧になり、その結果ノード(N3)の電圧の最小値(VN3min)は、VN3min=VL+Vth+Vthとなり、大幅に電圧上昇し、かつスピードも遅くなる。
そこで、本実施例では、第1駆動クロック(φAC1)のLレベルの電圧を、第2駆動クロック(φAC2)のLレベルの電圧よりも低い、例えば、VL2=VL3−2Vthと設定する。
これにより、最終的なノード(N3)の電圧は、第2駆動クロック(φAC2)のLレベルの電圧であるVL3の電圧にすることができる。
【0033】
時刻(t6)において、第1ラッチ制御線(LAC1)上の第1駆動クロック(φAC1)が、LレベルのVL2の電圧から、HレベルのVHの電圧に変化すると、トランジスタ(PMT2)のゲート電圧であるノード(N1)の電圧は、LレベルのVDLの電圧になるため、トランジスタ(PMT2)はオン状態を維持する。
トランジスタ(PMT3)は、ダイオード接続であるので、第1ラッチ制御線(LAC1)からノード(N2)へは電流が流れない。したがって、ノード(N2)は、トランジスタ(PMT2)を介して充電され、VHの電圧となる。
結果として、トランジスタ(PMT4)がオフとなる。なお、厳密には、トランジスタ(PMT2)のゲートが、Lレベルの電圧からHレベルの電圧に変化するので、トランジスタ(PMT2)のゲート−ドレイン間容量で多少の電圧上昇があるが、微小なので本明細書では無視している。
時刻(t7)において、第2ラッチ制御線(LAC2)上の第2駆動クロック(φAC2)が、LレベルのVL3の電圧から、HレベルのVHの電圧に変化するが、トランジスタ(PMT4)がオフであるので、ノード(N3)はLレベルのVL3の電圧を維持する。
【0034】
次に、図7の右側、時刻(t11)以降の次のサブフレームでのシャッタ設定のシーケンスについて説明する。
時刻(t11)において、走査線(LG)上の走査電圧(φG)が、HレベルのVHの電圧から、LレベルのVL1の電圧に変化すると、入力トランジスタ(PMT1)が、オンとなり、ノード(N1)の電圧は、データ線(LD)上の電圧(data:時刻(t11)においてはVHの電圧)となる。
時刻(t12)において、走査線(LG)上の走査電圧(φG)がHレベルのVHの電圧に変化すると、トランジスタ(PMT1)がオフし、ノード(N1)に対する書き込み動作が終了する。
時刻(t13)で、第3ラッチ制御線(LAC3)上の第3駆動クロック(φAC3)を、HレベルのVHの電圧から、LレベルのVL3の電圧に変化させる。本実施例のラッチ回路を、上述の可動シャッタ方式のディスプレイで用いる場合、この時点では、シャッタ(S)の位置は、バネの力で、第1出力(OUT1)と第2出力(OUT2)の中間の位置に移動する。
【0035】
次に、時刻(t14)において、第1ラッチ制御線(LAC1)上の第1駆動クロック(φAC1)が、HレベルのVHの電圧から、LレベルのVL2の電圧になる。この時、直前でノード(N1)の電圧はVHであるので、ノード(N1)の電圧は、VDL3(=VH−VL2)の電圧に変化する。
その他では、時刻(t14)、時刻(t15)において、時刻(t4)、時刻(t5)と同じことが起こり、時刻(t16)の直前では、各々のノード(N1)の電圧VN1、ノード(N2)の電圧VN2、ノード(N3)の電圧VN3は、それぞれ、VN1=VDL3、VN2=VVL4、VN3=VL3になっている。
次に、時刻(t16)において、第1ラッチ制御線(LAC1)上の第1駆動クロック(φAC1)が、LレベルのVL2の電圧から、HレベルのVHの電圧に変化する。このとき、トランジスタ(PMT2)はオフ状態であり、トランジスタ(PMT3)は、ダイオード接続であるので、第1ラッチ制御線(LAC1)からノード(N2)へ電流は流れない。したがって、ノード(N2)は、VL4の電圧を維持する。なお、厳密には、トランジスタ(PMT2)のゲートが、Lレベルの電圧からHレベルの電圧に変化するので、トランジスタ(PMT2)のゲート−ドレイン間容量で多少の電圧上昇があるが、微小なので本明細書では無視している。
その後、時刻(t17)において、第2ラッチ制御線(LAC2)上の第2駆動クロック(φAC2)が、LレベルのVL3の電圧から、HレベルのVHの電圧に変化すると、トランジスタ(PMT4)のゲート電圧であるノード(N2)の電圧は、LレベルのVL4の電圧であるので、トランジスタ(PMT4)はオンとなり、ノード(N3)は、VHの電圧となる。
このときシャッタ(S)は、ノード(N4)の電圧がHレベルになった時点で、静電気力で第1出力(OUT1)側に移動し、その状態を維持する。
時刻(t18)において、第3ラッチ制御線(LAC3)上の第3駆動クロック(φAC3)が、HレベルのVHの電圧になっても、この状態が維持される。
なお、前述の説明では、本発明のラッチ回路を、上述の可動シャッタ方式のディスプレイで用いる場合について説明したが、本発明は、可動シャッタ方式のディスプレイの回路以外の、同様の動作が必要な他のディスプレイにも応用できることは言うまでもない。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
NMT* n型MOSトランジスタ
PMT* p型MOSトランジスタ
CD1 保持容量
CD2 容量
LD データ線
LG 走査線
LAC* ラッチ制御線
LDVV、LGND 電源ライン
LSS 可動シャッタ制御線
S 可動シャッタ
N* ノード
XDR 垂直駆動回路
YDR 水平駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査電圧が入力された時にデータを取り込み、前記データをラッチするラッチ回路であって、
前記第1駆動クロックが供給される第1ラッチ制御線と、
前記第2駆動クロックが供給される第2ラッチ制御線と、
ゲートに前記走査電圧が入力されたときに、「0」あるいは「1」のデータに対応する電圧を取り込む入力トランジスタと、
前記入力トランジスタの第2電極と前記第1ラッチ制御線との間に接続され、前記入力トランジスタで取り込まれた電圧を保持する保持容量と、
第1電極が前記第1ラッチ制御線に接続され、ゲートが前記入力トランジスタの第2電極に接続される第1トランジスタと、
ゲートが前記第1トランジスタの第2電極に接続され、第1電極が前記第2ラッチ制御線に接続される第2トランジスタと、
ゲートが前記第1トランジスタの第2電極に接続され、第1電極が前記第2トランジスタの第2電極に接続されると共に、第2電極が出力端子に接続される第3トランジスタと、
前記第1トランジスタの第2電極と前記第2トランジスタの第2電極との間に接続される容量と、
前記第1トランジスタの第2電極と前記第1ラッチ制御線との間に接続され、前記第1駆動クロックが第1の電圧から第2の電圧に変化した時にオンとなるダイオードとを有し、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタと前記第3トランジスタとは、同じ導電型のトランジスタであることを特徴とするラッチ回路。
【請求項2】
前記走査電圧が入力された後で、前記第1駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化し、
前記第1駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化した後に、前記第2駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化し、
前記第1駆動クロックが前記第2の電圧から前記第1の電圧に変化した後に、前記第2駆動クロックが前記第2の電圧から前記第1の電圧に変化し、
前記出力端子の電圧は、前記第2駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化した時に、前記第2の電圧となり、前記第2駆動クロックが前記第2の電圧から前記第1の電圧に変化したときに、前記第1トランジスタのオン状態、あるいは、オフ状態に応じて前記第2の電圧、あるいは、前記第1の電圧となることを特徴とする請求項1に記載のラッチ回路。
【請求項3】
前記ダイオードは、ダイオード接続されたトランジスタで構成され、
前記入力トランジスタ、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ、および、前記ダイオードは、半導体層がアモルファスシリコンで構成される薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載のラッチ回路。
【請求項4】
前記ダイオードは、ダイオード接続されたトランジスタで構成され、
前記入力トランジスタ、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ、および、前記ダイオードは、n型トランジスタであり、
前記第2の電圧は、前記第1の電圧よりも高電位の電圧であることを特徴とする請求項1に記載のラッチ回路。
【請求項5】
走査電圧が入力された時にデータを取り込み、前記データをラッチするラッチ回路であって、
前記第1駆動クロックが供給される第1ラッチ制御線と、
前記第2駆動クロックが供給される第2ラッチ制御線と、
ゲートに前記走査電圧が入力されたときに、「0」あるいは「1」のデータに対応する電圧を取り込む入力トランジスタと、
前記入力トランジスタの第2電極と前記第1ラッチ制御線との間に接続され、前記入力トランジスタで取り込まれた電圧を保持する保持容量と、
ゲートが前記入力トランジスタの第2電極に接続され、第1電極が前記第1ラッチ制御線に接続される第1トランジスタと、
ゲートが前記第1トランジスタの第2電極に接続され、第1電極が前記第2ラッチ制御線に接続されるとともに、第2電極が出力端子に接続される第2トランジスタと、
前記第1トランジスタの第2電極と前記第1ラッチ制御線との間に接続され、前記第1駆動クロックが第1の電圧から第2の電圧に変化した時にオンとなるダイオードとを有し、
前記入力トランジスタと前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとは、同じ導電型のトランジスタであることを特徴とするラッチ回路。
【請求項6】
前記走査電圧が入力された後で、前記第1駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化し、
前記第1駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化した後に、前記第2駆動クロックが第3の電圧から第4の電圧に変化し、
前記第1駆動クロックが前記第2の電圧から前記第1の電圧に変化した後に、前記第2駆動クロックが前記第4の電圧から前記第3の電圧に変化し、
前記出力端子の電圧は、前記第2駆動クロックが前記第3の電圧から前記第4の電圧に変化した時に前記第4の電圧となり、前記第2駆動クロックが、前記第4の電圧から前記第3の電圧に変化したときに、前記第1トランジスタのオン状態、あるいは、オフ状態に応じて、前記第4の電圧、あるいは、前記第3の電圧となることを特徴とする請求項5に記載のラッチ回路。
【請求項7】
前記走査電圧が入力された後で、前記第1駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化し、
前記第1駆動クロックが前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化した後に、前記第2駆動クロックが第3の電圧から第4の電圧に変化し、
前記第1駆動クロックが前記第2の電圧から前記第1の電圧に変化した後に、前記第2駆動クロックが前記第4の電圧から前記第3の電圧に変化し、
前記第1駆動クロックの前記第2の電圧をVH1、前記第2駆動クロックの前記第4の電圧をVH2、Vthをトランジスタの閾値電圧とするとき、|VH1|≧|VH2+2×Vth|を満足することを特徴とする請求項5に記載のラッチ回路。
【請求項8】
前記ダイオードは、ダイオード接続されたトランジスタで構成され、
前記入力トランジスタ、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、および、前記ダイオードは、半導体層がアモルファスシリコンで構成される薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項5に記載のラッチ回路。
【請求項9】
前記ダイオードは、ダイオード接続されたトランジスタで構成され、
前記入力トランジスタ、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、および、前記ダイオードは、n型トランジスタであり、
前記第2の電圧は、前記第1の電圧よりも高電位の電圧であり、前記第4の電圧は、前記第3の電圧よりも高電位の電圧であることを特徴とする請求項5に記載のラッチ回路。
【請求項10】
可動シャッタをそれぞれ有する複数の画素を備え、
前記可動シャッタの位置を電気的に制御して画像表示を行う表示装置であって、
前記各画素は、前記可動シャッタの位置を電気的に制御する画素回路を有し、
前記画素回路は、第1出力端子と、
第2出力端子と、
前記第1出力端子に接続されるラッチ回路と、
前記第2出力端子に接続され、第3駆動クロックが供給される第3ラッチ制御線とを有し、
前記ラッチ回路は、前記請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のラッチ回路であることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
前記第3駆動クロックは、第2の電圧から第1の電圧へ、前記第1の電圧から前記第2の電圧に変化し、
前記第3駆動クロックが前記第1の電圧の期間内に、前記ラッチ回路から前記第1出力端子に出力される電圧が確定されることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−239046(P2012−239046A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106895(P2011−106895)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】