説明

ラベルの貼付方法および電子機器

【課題】被貼付面に対するラベルの関連情報の位置の誤差を低減する。
【解決手段】電子機器100の関連情報を印刷したラベル20が表示体10の被貼付面1
2に貼付される。ラベル20を構成する基体22の表示面24には、電子機器の関連情報
を示す図像442と、基体22の周縁(Ex1,Ey1)に到達する指標50とが併せて印刷
される。被貼付面12には指標60が形成される。被貼付面12にラベル20を貼付する
工程では、指標50と指標60とが平面視で合致するように被貼付面12とラベル20と
の相対的な位置が調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示機器などの電子機器にラベルを貼付する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
製品番号やシリアル番号等の関連情報(製品情報)が印刷されたラベルを電子機器の表
面に貼付して製品管理に利用する手法が従来から実施されている。特許文献1には、関連
情報を示すバーコードが印刷されたラベルを製品の表面に貼付する技術が開示されている
。図17に示すように、ラベル92を貼付すべき目標位置を示す指標94が製品の表面に
形成され、ラベル92の外形(四隅)が指標94と合致するようにラベル92が製品に貼
付される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−163617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、ラベル92の外形が指標94と合致するようにラベル
92を貼付するから、図18に示すように、例えばラベル92に対する関連情報の印刷位
置に誤差がある場合には、ラベル92自体が正確に指標94に対して位置合わせされても
、指標94(製品の表面)に対する関連情報の位置には誤差が発生する。したがって、関
連情報を適切に読取ることが困難になる可能性がある。以上の事情を考慮して、本発明は
、被貼付面に対する関連情報の位置の誤差を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明に係るラベルの貼付方法は、基体の表示面に電子
機器の関連情報と当該基体の周縁に到達する第1指標(例えば各図面の指標50)とが形
成されたラベルを電子機器の被貼付面に貼付する方法であって、第1指標と被貼付面に形
成された第2指標(例えば各図面の指標60)とが平面視で合致するようにラベルと被貼
付面との相対的な位置を調整したうえでラベルを被貼付面に貼付する。以上の方法によれ
ば、第1指標が被貼付面の第2指標に合致するように被貼付面に対するラベルの位置が調
整されるから、基体に対する関連情報の形成位置に誤差が発生した場合でも、被貼付面(
電子機器)に対する関連情報の位置の誤差は殆ど発生しないという利点がある。しかも、
第1指標は基体の周縁(縁端)に到達するから、基体の第1指標と被貼付面の第2指標と
を平面視で容易に確認しながら両者を合致させることが可能である。
【0006】
なお、本発明の好適な態様において、関連情報と第1指標とは基体の表示面に併せて形
成される。複数の要素(表示要素)を「併せて形成する」とは、複数の表示要素の相対的
な位置の誤差が充分に抑制される方法で各々を形成することを意味する。例えば、1回の
連続する工程で複数の表示要素を一括的に形成(例えば印刷)することは「併せて形成す
る」の概念に包含されるが、複数の表示要素の各々を別個の工程や相異なる方法で形成す
ること(すなわち、複数の表示要素の相対的な位置に誤差が発生し易い場合)は「併せて
形成する」の概念に包含されない。
【0007】
本発明の好適な態様において、基体の表示面には、関連情報を包囲する枠線が形成され
、基体に対する形成位置の誤差に起因して枠線が欠損したラベルを不良品と判定する。以
上の態様においては、基体に対する各要素の位置の誤差を測定することなく、枠線の欠損
の有無に応じてラベルの良否を簡易かつ迅速に判定できるという利点がある。さらに好適
な態様において、関連情報および第1指標と併せて枠線が形成される。
【0008】
本発明の好適な態様において、第1指標は、相互に所定の角度をなす第1基準線(例え
ば各図面の基準線51)および第2基準線(例えば各図面の基準線52)を含み、第2指
標は、相互に所定の角度をなす第3基準線(例えば各図面の基準線63)および第4基準
線(例えば各図面の基準線64)を含み、第1基準線と第3基準線とが直線上に位置する
とともに第2基準線と第4基準線とが直線上に位置するようにラベルと被貼付面との相対
的な位置を調整する。以上の形態においては、第1基準線と第3基準線とが1本の直線上
に位置し、かつ、第2基準線と第4基準線とが1本の直線上に位置するように被貼付面と
ラベルとの相対的な位置が調整されるから、第1基準線や第3基準線の方向と第2基準線
や第4基準線の方向との双方における被貼付面とラベルとの位置関係を高精度に調整する
ことが可能である。
【0009】
本発明の好適な態様において、基体の表示面には複数の第1指標が形成され、被貼付面
には複数の第2指標が形成され、複数の第1指標の各々が複数の第2指標のうち当該第1
指標に対応する第2指標に合致するようにラベルと被貼付面との相対的な位置を調整する
。以上の態様においては、第1指標と第2指標との複数組の各々について第1指標と第2
指標とが合致するように被貼付面とラベルとの相対的な位置が調整されるから、第1指標
と第2指標との1対のみを利用する場合と比較して被貼付面とラベルとの位置を高精度に
調整できるという利点がある。また、複数の第1指標が基体の表示面に形成されるから、
表示面に対する形成位置の誤差に起因して一部の第1指標が確認し難い位置にずれた場合
でも、ずれ方向の反対側の第1指標を容易に確認できるという利点がある。さらに好適な
態様において、複数の第1指標は基体の表示面に併せて形成され得る。
【0010】
本発明の好適な態様において、被貼付面には、ラベルが貼付される領域を示す外形指標
が形成され、外形指標が示す領域内にラベルが位置するようにラベルと被貼付面との相対
的な位置を調整する。以上の態様においては、被貼付面に対するラベルの概略的な位置を
外形指標により確認することが可能である。
【0011】
本発明は、以上の各形態に係る貼付方法でラベルが貼付された電子機器としても特定さ
れる。すなわち、本発明の電子機器は、基体の表示面に電子機器の関連情報と当該基体の
周縁に到達する第1指標とが形成されたラベルと、第2指標が形成された被貼付面とを具
備し、第1指標と第2指標とが平面視で合致した状態でラベルが被貼付面に貼付されてい
る。以上の態様においては、被貼付面(電子機器)に対する関連情報の位置の誤差が低減
されるから、基体に対する関連情報の形成位置に誤差が発生した場合でも、関連情報を容
易に確認することが可能である。
【0012】
読取器により光学的に読取可能な図像として表示面に関連情報を形成した構成では、被
貼付面に対する関連情報(図像)の位置に誤差が発生した場合に図像の適切な読取が阻害
され易いから、例えば文字で表現された関連情報を作業員が目視で確認する場合と比較し
て、被貼付面に対する関連情報の位置に高い精度が要求される。したがって、被貼付面に
対する関連情報の位置の誤差が低減される本発明は、読取器により光学的に読取可能な図
像として関連情報が形成された態様にとって好適である。また、被貼付面を覆うとともに
図像と対向する部分に開口部を有する被覆部を具備する構成では、被貼付面に対する図像
の位置の誤差に起因して開口部と図像との位置関係がずれることで図像の読取が特に阻害
され易いから、被貼付面に対する関連情報の位置の誤差が低減される本発明は格別に好適
である。なお、表示面の中心からみて第1指標に近い位置に図像を形成すれば、第1指標
を中心とした基体の角度に誤差が発生した場合でも、表示面の中心からみて第1指標から
遠い位置に図像を形成した場合と比較して、被貼付面に対する図像の位置の誤差が低減さ
れるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係る電子機器の斜視図である。
【図2】ラベルの平面図である。
【図3】貼付前のラベルの平面図である。
【図4】基体に対する表示要素の印刷位置の誤差を示す平面図である。
【図5】被貼付面の平面図である。
【図6】ラベルの良否の判定を説明するための平面図である。
【図7】ラベルの貼付方法を説明するための平面図である。
【図8】第1実施形態の効果を説明するための平面図である。
【図9】第2実施形態のラベルの平面図である。
【図10】第2実施形態の被貼付面の平面図である。
【図11】第2実施形態におけるラベルの貼付方法を説明するための平面図である。
【図12】第2実施形態の効果を説明するための平面図である。
【図13】第3実施形態のラベルの平面図である。
【図14】第3実施形態の被貼付面の平面図である。
【図15】変形例に係るラベルの平面図である。
【図16】変形例に係るラベルの平面図である。
【図17】従来のラベルの貼付方法を説明するための平面図である。
【図18】特許文献1の技術の問題点を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子機器100の模式図である。図1に示すよう
に、第1実施形態の電子機器100は表示体10を含んで構成される。表示体10は、例
えば液晶パネルと照明装置(バックライト)とを積層した平板状の液晶モジュールである
。表示体10の背面(以下「被貼付面」という)12には、電子機器100のシリアル番
号や製品番号などの関連情報を印刷したラベル20が貼付される。被貼付面12は、例え
ば液晶パネルや照明装置を収容する筐体の表面である。被貼付面12は板状の被覆部30
で覆われる。被覆部30は、例えば表示体10を支持する筐体や表示体10の駆動に使用
される配線基板である。なお、図1では被覆部30が表示体10から分離して図示されて
いるが、実際には被覆部30は表示体10に対して固定される。
【0015】
図2は、ラベル20の平面図である。図2に示すように、ラベル20は、矩形状に成型
されたシート状の基体22の表面(以下「表示面」という)24に文字や図形等の表示要
素を印刷した印刷物である。基体22は例えば紙で作成される。基体22のうち表示面2
4とは反対側の表面に形成された接着層(図示略)でラベル20が表示体10の被貼付面
12に接合される。図2のように相互に直交するx方向およびy方向を想定すると、表示
面24の外周(外形線)は、x方向に延在する周縁Ex1および周縁Ex2(矩形の長辺)と
、y方向に延在する周縁Ey1および周縁Ey2(矩形の短辺)とで構成される。
【0016】
図2に示すように、表示面24に印刷される表示要素は、枠線42と関連情報(441
,442,443)と境界線46と指標50とを含む。枠線42は、表示面24の周縁に
沿う矩形状の図形である。基体22に対する印刷位置に誤差がない場合、枠線42の各辺
は、図2に示すように、基体22の周縁(Ex1,Ex2,Ey1,Ey2)から所定の間隔だけ
内側に位置する。
【0017】
枠線42の内側の領域は、境界線46を挟んで領域Q1と領域Q2とに区分される。領域
Q1は、枠線42の1個の頂点(角部)Pに近接する矩形状の領域である。図2に示すよ
うに、領域Q1には、電子機器100の関連情報(例えばシリアル番号)が文字441お
よび図像442の形態で印刷される。図像442は、読取器を利用して光学的に読取可能
な態様で関連情報を示す図形である。なお、図2ではQRコード(登録商標)を図像とし
て例示したが、QRコード以外の他の2次元コードやバーコード等の1次元コード等も図
像442として採用され得る。領域Q2は領域Q1以外の領域である。領域Q2には領域Q1
とは異なる関連情報(例えば製造番号)の文字が印刷される。
【0018】
図1および図2から把握されるように、被覆部30のうち表示体10に固定された状態
で領域Q1と対向する部位には開口部(貫通孔)32が形成される。したがって、開口部
32を介して外部から領域Q1内の関連情報を確認すること(例えば肉眼による文字44
1の確認や図像442の光学的な読取)が可能である。
【0019】
図2に示すように、表示面24の角部(枠線42の頂点Pに近接する角部)には指標5
0が印刷される。指標50は、表示体10の被貼付面12に対するラベル20の位置を調
整するための目印としてラベル20の貼付時に利用される。図2から理解されるように、
領域Q1内の図像442は、表示面24の中心(重心)Cからみて指標50に近い位置に
印刷される。
【0020】
図2に部分的に拡大して示すように、第1実施形態の指標50は基準線51と基準線5
2とを含んで構成される。基準線51は、枠線42の頂点Pからy方向に延在して表示面
24の周縁(縁端)Ex1に到達する直線であり、基準線52は、枠線42の頂点Pからx
方向に延在して表示面24の縁端(縁端)Ey1に到達する直線である。
【0021】
図3は、表示体10に対する貼付前のラベル20の模式図である。図3に示すように、
相互に間隔をあけて配列する複数の基体22を帯状の台紙(剥離紙)25に貼付した状態
で、印刷装置を利用して前述の表示要素(枠線42,関連情報441〜443,境界線4
6,指標50)を各基体22に印刷することでラベル20が作成される。1枚のラベル2
0の表示要素は、1回の印刷で併せて(すなわち一括的に)形成される。したがって、印
刷装置に対する台紙25の位置や台紙25に対する各基体22の位置の誤差等に起因して
基体22に対する表示要素の全体的な印刷位置に誤差が発生した場合でも、枠線42と関
連情報(441〜443)と境界線46と指標50との各々の間の相対的な位置関係に誤
差は殆ど発生しない。
【0022】
また、指標50(基準線51,基準線52)は、図3に破線で示すように、基体22の
表示面24内から周縁(周縁Ex1,周縁Ey1)を通過して台紙25上にはみ出すように印
刷される。したがって、例えば図4に示すように基体22に対する表示要素の印刷位置に
誤差が発生した場合(図4の例示では、表示要素が基体22に対して左下方にずれた場合
)でも、基準線51は表示面24の周縁Ex1に到達し、基準線52は表示面24の周縁E
y1に到達する。以上の手順で作成されたラベル20が1枚ずつ台紙25から剥離されて図
1のように表示体10の被貼付面12に貼付される。
【0023】
図5は、表示体10の被貼付面12(ラベル20が貼付される部分)の平面図である。
図5に示すように、被貼付面12には外形指標14と指標60とが形成される。外形指標
14および指標60は、被貼付面12に貼付されるラベル20の位置の目印であり、例え
ば金属製の被貼付面12に対する罫書で形成される。
【0024】
外形指標14は、ラベル20の外形に対応する矩形状の許容領域R1を示す目印である
。具体的には、外形指標14は、許容領域R1の四隅を示す形状に形成される。許容領域
R1は、貼付時にラベル20の位置の概略的な目安となる領域であり、許容領域R1の内部
に位置するようにラベル20が貼付される。図5の目標領域R2は、被貼付面12の目標
の位置にラベル20が正確に貼付された場合のラベル20の外形に合致する領域である。
外形指標14が画定する許容領域R1は、目標領域R2よりもひと回り大きい寸法に設定さ
れて目標領域R2を内包する。
【0025】
図5に示すように、指標60は、基準線63と基準線64とを含んで構成される。相互
に直交するX方向およびY方向を想定すると、基準線63はY方向に延在し、基準線64
はX方向に延在する。図5に示すように、基準線63および基準線64は、目標領域R2
の内側から許容領域R1の外側まで直線状に連続する。
【0026】
次に、表示体10の被貼付面12にラベル20を貼付する方法を説明する。まず、図3
のように台紙25に貼付された各ラベル20について、枠線42の全体が基体22の表示
面24内に印刷されているか否か(枠線42の欠損の有無)が判定される。以上の判定は
例えば作業員による目視で実行される。印刷装置に対する台紙25の位置の誤差や台紙2
5に対する基体22の位置の誤差等に起因して、基体22に対する表示要素の位置が許容
範囲を上回る度合でずれた場合、図6に示すように、ラベル20に印刷された枠線42の
うち表示面24の外側(台紙25)にはみ出した部分(図6に破線で図示された下辺)が
欠損する。そこで、枠線42に欠損が確認されたラベル20は不良品と判定され、表示体
10に対する貼付の候補から除外される。基体22に対する表示要素の位置に誤差がある
ラベル20でも、枠線42に欠損がなければ、良品と判定されて表示体10に貼付される

【0027】
以上のように、枠線42の欠損の有無に応じてラベル20の良否が判定されるから、印
刷位置のずれ量をラベル20毎に測定することなく、表示要素の印刷位置の誤差が過度に
大きいラベル20を簡易かつ迅速に検出することが可能である。また、基体22に対する
印刷の時点でラベル20の良否の判定が可能であるから、不良品に該当するラベル20が
表示体10の被貼付面12に貼付されることが防止される。したがって、被貼付面12に
対する貼付後にラベル20の良否を判定する場合と比較して作業の効率が向上するという
利点もある。
【0028】
以上の工程で良品と判定されたラベル20が台紙25から剥離されて表示体10の被貼
付面12に貼付される。ラベル20の貼付は、例えば作業員による手作業により以下の手
順で実行される。第1に、被貼付面12の外形指標14が示す許容領域R1の内側に位置
するようにラベル20の概略的な位置が決定される。
【0029】
第2に、図7に示すように、基体22の表示面24の指標50と被貼付面12の指標6
0とが平面視で(すなわち表示面24や被貼付面12に垂直な方向からみたときに)合致
するようにラベル20と被貼付面12との相対的な位置関係(位置および角度)が調整さ
れる。具体的には、図7に拡大して示すように、指標50の基準線51と指標60の基準
線63とがY方向の1本の直線上で合致するようにラベル20のX方向の位置が調整され
、かつ、指標50の基準線52と指標60の基準線64とがX方向の1本の直線上で合致
するようにラベル20のY方向の位置が調整される。第3に、以上の手順による調整後の
位置を維持した状態で基体22を被貼付面12に押圧することで、基体22の背面側の接
着層によりラベル20が被貼付面12に接合される。
【0030】
以上の形態においては、関連情報と併せて印刷された指標50が被貼付面12の指標6
0に合致するように被貼付面12に対するラベル20の位置が調整されるから、基体22
に対する表示要素の印刷位置に誤差が発生した場合でも、被貼付面12に対する関連情報
(文字441や図像442)の位置の誤差は殆ど発生しない。例えば、図4のラベル20
を以上の方法で被貼付面12に貼付した場合、図8に示すように、被貼付面12に対する
基体22の位置は目標の位置に対して右上方にずれるが、被貼付面12に対する表示要素
の位置は図7の場合と同様の適切な関係に決定される。したがって、被覆部30の開口部
32から関連情報(特に図像442)を確実に確認することが可能である。しかも、基体
22に対する表示要素の印刷位置に誤差がある場合でも基準線51や基準線52が表示面
24の周縁(Ex1,Ey1)に到達するように指標50が形成されるから、指標50と指標
60とを手作業でも容易に合致させることが可能である。
【0031】
関連情報の図像442は表示面24のうち指標50に近い位置に形成される。したがっ
て、指標50と指標60とを合致させるときに指標50を中心としたラベル20の角度に
誤差が発生した場合でも、図像442が表示面24のうち指標50から遠い位置に形成さ
れた構成と比較して関連情報(特に図像442)の位置の誤差が低減されるという利点が
ある。
【0032】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各例示にて作用や機能が
第1実施形態と同等である要素については、以上と同様の符号を付して各々の詳細な説明
を適宜に省略する。
【0033】
図9は、第2実施形態に係るラベル20の平面図である。図9に示すように、第2実施
形態のラベル20の基体22には複数の指標50(図9の例示では指標50Aおよび指標
50Bの2個)が他の表示要素と併せて印刷される。指標50Aおよび指標50Bの各々は
、基体22の周縁(短辺)Ey1の両端部に形成される。指標50Aおよび指標50Bの形態
は第1実施形態の指標50と同様である。すなわち、指標50Aは、表示面24の周縁Ex
1に至るy方向の基準線51と周縁Ey1に至るx方向の基準線52とで構成され、指標5
0Bは、周縁Ex2に至るy方向の基準線51と周縁Ey1に至るx方向の基準線52とで構
成される。
【0034】
図10は、第2実施形態における被貼付面12の平面図である。図10に示すように、
第2実施形態の被貼付面12には、ラベル20上の相異なる指標50に対応する複数の指
標60(図10の例示では指標60Aおよび指標60Bの2個)が形成される。指標60A
は指標50Aに対応した位置に形成され、指標60Bは指標50Bに対応した位置に形成さ
れる。各指標60(60A,60B)は、第1実施形態と同様に、Y方向の基準線63とX
方向の基準線64とで構成される。
【0035】
被貼付面12にラベル20を貼付する工程では、図11に示すように、基体22の複数
の指標50の各々が、被貼付面12の複数の指標60のうち当該指標50に対応する指標
60に平面視で合致するように、被貼付面12に対するラベル20の位置が調整される。
すなわち、指標50Aおよび指標60Aの組と指標50Bおよび指標60Bの組との各々につ
いて、基準線51および基準線63が直線上に位置するとともに基準線52と基準線64
とが直線上に位置するように、被貼付面12に対するラベル20の位置が調整され、調整
後の状態を維持したまま両者が貼付される。なお、図11では外形指標14の図示が便宜
的に省略されている。
【0036】
第2実施形態でも第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、
複数の指標50と複数の指標60とが合致するように被貼付面12に対するラベル20の
位置が調整されるから、1個の指標50と1個の指標60とのみを合致させる第1実施形
態と比較して、被貼付面12に対する表示要素の位置を高精度に決定することが可能であ
る。さらに、複数の指標50(50A,50B)は基体22の表示面24に併せて印刷され
るから、図12の例示のように、表示要素の印刷位置のY方向(複数の指標50が配列す
る方向)の誤差に起因して指標50Aが視認し難くなった場合には、印刷ずれの方向の反
対側に位置する指標50Bは却って視認し易くなる。したがって、表示要素の印刷位置に
誤差が発生した場合でも、片方の指標50Bを利用して被貼付面12に対するラベル20
の位置を容易に調整できるという利点がある。
【0037】
なお、基体22の指標50や被貼付面12の指標60の個数および位置は任意である。
例えば、基体22の表示面24の四隅に指標50(4個)を形成するとともに各指標50
に対応する4個の指標60を被貼付面12に形成した構成や、表示面24の長辺の各端部
の位置や対角の位置に指標50を形成した構成も採用され得る。
【0038】
<C:第3実施形態>
図13は、第3実施形態に係るラベル20の平面図である。図13に示すように、第3
実施形態のラベル20の指標50は1本の基準線51で構成される。すなわち、第1実施
形態の基準線52は省略される。基準線51は、第1実施形態と同様に、Y方向に延在し
て表示面24の周縁Ex1に到達する。他方、第3実施形態の被貼付面12の指標60は、
図14に示すように、指標50の基準線51に対応する1本の基準線63で構成される。
【0039】
被貼付面12にラベル20を貼付する工程では、指標50の基準線51と指標60の基
準線63とが平面視で合致するように被貼付面12に対するラベル20のX方向の位置が
決定される。被貼付面12に対するラベル20のY方向の位置は、外形指標14が示す許
容領域R1内にラベル20が位置するように決定される。
【0040】
以上の構成によれば、被貼付面12に対するラベル20のX方向の位置の調整に関して
第1実施形態と同様の効果が実現される。以上の説明から理解されるように、第3実施形
態の構成は、被貼付面12に対するラベル20のX方向の位置に高い精度が要求される場
合(Y方向の位置には高い精度が要求されない場合)に特に好適に採用される。
【0041】
なお、指標50をx方向の基準線52のみで構成するとともに指標60をX方向の基準
線64のみで構成すれば、被貼付面12に対するラベル20のY方向の位置を高精度に調
整することが可能である。また、以上の例示では1個の指標50と1個の指標60とを利
用する第1実施形態の構成を基礎としたが、複数の指標50と複数の指標60とを利用す
る第2実施形態においても、第3実施形態と同様に、各指標50を1本の基準線(51,
52)で形成するとともに各指標60を1本の基準線(63,64)で形成した構成が採
用され得る。
【0042】
<D:変形例>
以上の各形態には多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の
例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
【0043】
(1)変形例1
以上の各形態では、基体22の表示面24の角部に指標50を印刷したが、指標50を
印刷する位置は任意である。例えば、図15に示すように、表示面24の周縁Ex1の中央
部に印刷された基準線51と周縁Ey1の中央部に印刷された基準線52とで指標50を形
成した構成も採用され得る。被貼付面12の指標60の位置についても以上の例示には限
定されず、ラベル20の指標50の位置に応じて適宜に選定される。
【0044】
(2)変形例2
指標50や指標60の具体的な形態は適宜に変更される。例えば、図2の例示では指標
50の基準線51と基準線52とを枠線42の頂点Pにて連結したが、例えば図16に示
すように、基準線51と基準線52とを相互に離間させた構成も採用され得る。同様に、
指標60の基準線63と基準線64とを相互に離間させた構成も採用される。
【0045】
(3)変形例3
ラベル20の表示要素の内容は適宜に変更され得る。例えば、表示面24の枠線42お
よび境界線46は省略され得る。また、関連情報の内容も任意である。例えば、電子機器
100の製造日や製造場所や製造者等の各種の情報(製造情報)が関連情報としてラベル
20に表示され得る。また、被貼付面12の外形指標14を省略した構成や、外形指標1
4を矩形の枠状に形成した構成も採用される。
【0046】
(4)変形例4
表示要素の全部を併せて基体22に印刷する必要は必ずしもない。例えば、枠線42お
よび境界線46は、関連情報(441,442,443)および指標50とは別個の工程
で基体22に形成され得る。もっとも、製品管理のために読取の対象となる関連情報(特
に図像442)の位置を高精度に決定するためには関連情報と指標50との相対的な位置
の誤差を低減する必要があるから、関連情報(特に図像442)と指標50とを同一の工
程で併せて形成する構成が格別に好適である。
【0047】
(5)変形例5
ラベル20の基体22の材料は紙に限定されない。例えば、金属や樹脂(プラスチック
)等の板材を基体22として利用することも可能である。基体22に表示要素を形成する
方法は、基体22の材質に応じて適宜に選定される。例えば、紙製の基体22を利用した
場合には以上の各形態で例示した印刷が表示要素の形成に好適に採用されるが、例えば金
属製の基体22を利用する場合にはプレス加工等の技術で表示要素が形成され、例えば樹
脂製の基体22を利用する場合には射出成形等の技術で表示要素が形成され得る。関連情
報(特に図像442)との指標50との相対的な位置の誤差を充分に低減するという観点
からは、前述の通り、関連情報と指標50とを併せて形成する方法が好適である。
【0048】
同様に、被貼付面12に外形指標14や指標60を形成する方法は任意であり、被貼付
面12の材料に応じて適宜に選択される。例えば、配線基板(リジッド基板やフレキシブ
ル基板)の表面を被貼付面12としてラベル20を貼付する場合には、罫書に代えて印刷
(例えばシルク印刷)やレーザーマーキング等の技術が外形指標14や指標60の形成に
好適である。
【0049】
(6)変形例6
以上の各形態では表示体10を含む電子機器100を例示したが、電子機器100の種
類(機能や構成)は任意である。本発明を適用可能な電子機器としては、例えば、パーソ
ナルコンピュータ,携帯電話機,携帯情報端末,カーナビゲーション装置,カメラ,ビデ
オカメラ,ゲーム機,プリンタ,スキャナ,複写機,音声再生装置,画像再生装置等が例
示され得る。
【符号の説明】
【0050】
100……電子機器、100……表示体、12……被貼付面、20……ラベル、22…
…基体、24……表示面、42……枠線、441,443……関連情報の文字、442…
…関連情報の図像、46……境界線、50、50A,50B……指標、51……基準線、5
2……基準線、60,60A,60B……指標、63……基準線、64……基準線、30…
…被覆部、32……開口部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体の表示面に電子機器の関連情報と当該基体の周縁に到達する第1指標とが形成され
たラベルを電子機器の被貼付面に貼付する方法であって、
前記第1指標と前記被貼付面に形成された第2指標とが平面視で合致するように前記ラ
ベルと前記被貼付面との相対的な位置を調整したうえで前記ラベルを前記被貼付面に貼付
する
ことを特徴とするラベルの貼付方法。
【請求項2】
前記基体の表示面には、前記関連情報を包囲する枠線が形成され、
前記基体に対する形成位置の誤差に起因して前記枠線が欠損したラベルを不良品と判定
する
ことを特徴とする請求項1のラベルの貼付方法。
【請求項3】
前記第1指標は、相互に所定の角度をなす第1基準線および第2基準線を含み、
前記第2指標は、相互に前記所定の角度をなす第3基準線および第4基準線を含み、
前記第1基準線と前記第3基準線とが直線上に位置するとともに前記第2基準線と前記
第4基準線とが直線上に位置するように前記ラベルと前記被貼付面との相対的な位置を調
整する
ことを特徴とする請求項1または請求項2のラベルの貼付方法。
【請求項4】
前記基体の表示面には複数の前記第1指標が形成され、
前記被貼付面には複数の前記第2指標が形成され、
前記複数の第1指標の各々が前記複数の第2指標のうち当該第1指標に対応する第2指
標に合致するように前記ラベルと前記被貼付面との相対的な位置を調整する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかのラベルの貼付方法。
【請求項5】
前記被貼付面には、前記ラベルが貼付される領域を示す外形指標が形成され、
前記外形指標が示す領域内にラベルが位置するように前記ラベルと前記被貼付面との相
対的な位置を調整する
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかのラベルの貼付方法。
【請求項6】
基体の表示面に電子機器の関連情報と当該基体の周縁に到達する第1指標とが形成され
たラベルと、
第2指標が形成された被貼付面とを具備し、
前記第1指標と前記第2指標とが平面視で合致した状態で前記ラベルが前記被貼付面に
貼付されている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
前記関連情報は、光学的に読取可能な図像として前記表示面に形成される
ことを特徴とする請求項6の電子機器。
【請求項8】
前記図像は、前記表示面の中心からみて前記第1指標に近い位置に形成される
ことを特徴とする請求項7の電子機器。
【請求項9】
前記被貼付面を覆う被覆部を具備し、
前記被覆部のうち前記図像と対向する部分に開口部が形成される
ことを特徴とする請求項7または請求項8の電子機器。
【請求項10】
前記第1指標は、相互に所定の角度をなす第1基準線および第2基準線を含み、
前記第2指標は、相互に前記所定の角度をなす第3基準線および第4基準線を含み、
前記第1基準線と前記第3基準線とが直線上に位置するとともに前記第2基準線と前記
第4基準線とが直線上に位置する状態で前記ラベルが前記被貼付面に貼付されている
ことを特徴とする請求項6から請求項9の何れかの電子機器。
【請求項11】
前記基体には複数の前記第1指標が形成され、
前記被貼付面には複数の前記第2指標が形成され、
前記複数の第1指標の各々が前記複数の第2指標のうち当該第1指標に対応する第2指
標に合致した状態で前記ラベルが前記被貼付面に貼付されている
ことを特徴とする請求項6から請求項10の何れかの電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−150107(P2011−150107A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10702(P2010−10702)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】