説明

ラベル付き容器

【課題】 本発明は、流通時には収容物の光劣化を防止でき且つ使用時には収容物の残量を確認できるラベル付き容器を提供する。
【解決手段】 本発明のラベル付き容器は、縦方向に延びる左右一対の縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42が形成された不透明な熱収縮性筒状ラベル3と、前記熱収縮性筒状ラベル3が熱収縮装着された透明な容器2と、を有し、前記熱収縮性筒状ラベル3には、前記縦切断用左補助線41の左側又は縦切断用右補助線42の右側の少なくとも何れか一方側に、目盛り6が印刷されており、前記縦切断用左補助線41と縦切断用右補助線42によって挟まれた帯状領域8を除く前記熱収縮性筒状ラベル3の容器接触面の一部分又は全体が、接着剤を介して前記容器2の外面に接着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流通時においては遮光性に優れ且つ使用時においては収容物の残量を確認できるラベル付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液状又は顆粒状の調味料、飲料、化粧品、サニタリー品などの液状又は顆粒状の収容物を収容するために、熱収縮性筒状ラベルが容器に装着されたラベル付き容器が用いられている。
また、前記収容物の取り出し量又は残量を確認するために、目盛りを付け且つ収納物を外部から視認できるようにした容器も知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、不透明なフィルムの一部分に透明な部分が設けられた熱収縮性筒状ラベルと、この熱収縮性筒状ラベルが装着された透明な容器と、を有するラベル付き容器が開示されている。この特許文献1のラベル付き容器によれば、ラベルの透明な部分から容器内の収容物の残量を確認できる。
また、特許文献2には、一部分に透明体からなる残量視認窓が形成された不透明容器と、前記透明体を含んで前記不透明容器に装着された不透明な熱収縮性筒状ラベルと、を有するラベル付き容器が開示されている。この特許文献2のラベル付き容器によれば、熱収縮性筒状ラベル全体を容器から除去することにより、不透明容器の残量視認窓が露出し、この窓を通じて収容物の残量を確認できる。
【0004】
しかしながら、特許文献1のラベル付き容器は、熱収縮性筒状ラベルの透明な部分から、透明な容器内に光が入り込むので、ラベル付き容器の流通中に、収容物が劣化するという問題点がある。
一方、特許文献2のラベル付き容器は、その流通中における収容物の劣化を防止できる。しかしながら、特許文献2に記載されたような、一部分に透明な部分(透明体からなる残量視認窓)を有する不透明容器は、汎用的な成形機では製造し難い。従って、このような不透明容器を使用すると、製品コストの増大を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4−86739号公報
【特許文献2】特開2005−119691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、流通時には収容物の光劣化を防止でき且つ使用時には収容物の残量を確認できる、比較的安価なラベル付き容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のラベル付き容器は、縦方向に延びる左右一対の縦切断用左補助線及び縦切断用右補助線が形成された不透明な熱収縮性筒状ラベルと、前記熱収縮性筒状ラベルが熱収縮装着された透明な容器と、を有し、前記熱収縮性筒状ラベルには、前記縦切断用左補助線の左側又は縦切断用右補助線の右側の少なくとも何れか一方側に、目盛りが印刷されており、前記縦切断用左補助線と縦切断用右補助線によって挟まれた帯状領域を除く前記熱収縮性筒状ラベルの容器接触面の一部分又は全体が、接着剤を介して前記容器の外面に接着されている。
【0008】
上記ラベル付き容器は、透明な容器に不透明な熱収縮性筒状ラベルが装着されているので、流通過程において、収容物の光劣化を防止できる。
また、使用時には、一対の縦切断用左補助線及び縦切断用右補助線を利用して、この一対の補助線で挟まれた帯状領域を除去することによって、熱収縮性筒状ラベルの縦方向に帯状の開口部が生じ、その開口部から透明な容器が露出する。
熱収縮性筒状ラベルの、縦切断用左補助線の左側又は縦切断用右補助線の右側の少なくとも何れか一方側には目盛りが印刷されているので、前記開口部から収容物の残量を確認できる。
【0009】
本発明の好ましいラベル付き容器は、前記接着剤が、前記縦切断用左補助線の左側近傍及び前記縦切断用右補助線の右側近傍における容器密着面に少なくとも設けられている。
この好ましいラベル付き容器によれば、帯状領域を除去した後に生じる熱収縮性筒状ラベルの左右側縁部が捲れることを防止できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るラベル付き容器は、その流通時、収容物の光劣化を防止できる。さらに、本発明のラベル付き容器を使用する際には、帯状領域を除去して熱収縮性筒状ラベルに開口部を形成することによって、目盛りを見ながら収容物の残量を確認できる。また、本発明のラベル付き容器は、汎用的な透明容器を使用できるので、比較的安価に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】1つの実施形態のラベル付き容器の正面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】熱収縮性筒状ラベルの正面図。
【図4】同熱収縮性筒状ラベルの左側面図。
【図5】図3のV−V線に沿って同熱収縮性筒状ラベルの帯状領域の中央を縦方向に切断し、そのラベルを平面状に展開して内面側から見た参考図。便宜上、接着部が設けられた領域を薄墨塗りで示す。
【図6】熱収縮性筒状ラベルの帯状領域及び上側領域を切り取った後のラベル付き容器の正面図。
【図7】変形例に係る熱収縮性筒状ラベルの帯状領域の中央を縦方向に切断し、そのラベルを平面状に展開して内面側から見た参考図。便宜上、接着部が設けられた領域を薄墨塗りで示す。
【図8】他の変形例に係る熱収縮性筒状ラベルの正面図。
【図9】他の変形例に係るラベル付き容器の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ただし、方向を示す用語として、「上」は、自立状態のラベル付き容器を基準として、自立させた面から鉛直方向へ離れる方向を指す。「下」は、同状態のラベル付き容器を基準として、自立させた面に近づく方向を指す。「左」は、同状態のラベル付き容器を正面から見て左側を、「右」は、同右側を指す。「縦方向」とは、同状態のラベル付き容器を基準として、その上下方向を指し、「周方向」とは、同状態のラベル付き容器を基準にして、熱収縮性筒状ラベルの軸線周り方向を指す。
【0013】
図1及び図2に於いて、1は、透明な容器2と、前記容器2の少なくとも胴部21に熱収縮によって装着された不透明な熱収縮性筒状ラベル3と、を備えるラベル付き容器を示す。
熱収縮性筒状ラベル3は、上縁から下縁にかけて縦方向に延びて形成された左右一対の縦切断用補助線(縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42)を有し、好ましくは、周方向に形成された横切断用補助線5をさらに有する。
熱収縮性筒状ラベル3は、熱収縮によって容器2に装着されている。さらに、熱収縮性筒状ラベル3の容器接触面に設けられた接着部9を介して、熱収縮性筒状ラベル3の内面が容器2の外面に部分接着されている。
【0014】
容器2は、透明体から形成されている。容器2の材質は、透明であれば特に限定されず、例えば、ガラス、透明な合成樹脂などが挙げられる。
なお、透明な容器とは、その容器の外側から見たときに、容器内に入れられた収容物の残量が視認できるような容器をいう。
具体的には、透明な容器としては、例えば、光線透過率が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上が例示される。
但し、光線透過率は、JIS K 7361に準拠した測定法により、可視光領域における測定値をいう。
【0015】
容器2の形状は、特に限定されないが、通常、収容物を注出するための口部と、この口部を塞ぐためのキャップ部と、を有する。
例えば、容器2は、筒状の胴部21と、胴部21の上方に形成された首部22と、首部22の上方に取り付けられ且つ容器2の口部24を開閉可能なキャップ部23と、を有する。図示した容器2は、胴部21及び首部22が円筒状で且つ首部22が胴部21よりも小径な形状であると共に、キャップ部23がねじ作用によって首部22の上方に取り付けられている。また、ネジ作用によって首部22に着脱自在に取り付けられキャップ部23に代えて、首部22に強嵌合することによって取り付けられ且つヒンジ部を介して蓋が開閉するようなキャップ部を用いてもよい。
この容器2の底面周縁部から胴部21、首部22及びキャップ部23の一部にまで(キャップ部23の上面周縁部にまで)、熱収縮性筒状ラベル3が熱収縮装着されている。
【0016】
容器2に入れられる収容物は、特に限定されない。本発明のラベル付き容器1は、残量を確認できることから、収容物としては、液状又は顆粒状の調味料、飲料、化粧品、サニタリー品などの液状又は顆粒状のものが好ましい。
【0017】
熱収縮性筒状ラベル3は、不透明な熱収縮性フィルムから形成されている。すなわち、不透明な熱収縮性フィルムを筒状にし且つその両側端部を接着することにより、熱収縮性筒状ラベル3が構成されている。この両側端部を接着した部分は、一般にセンターシール部と呼ばれる。なお、本願の図面では、センターシール部を表していないが、センターシール部は、筒状ラベルの周方向の適宜の位置に形成される。
【0018】
上記不透明なフィルムとは、そのフィルムの外側から内側の表示を見たときに(フィルムを介して内側の表示を見たときに)、その内側の表示が殆ど視認できないようなフィルムをいう。具体的には、不透明なフィルムとしては、例えば、光線透過率が30%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは15%以下のフィルムが例示される。
但し、光線透過率は、JIS K 7361に準拠した測定法により、可視光領域における測定値をいう。
【0019】
熱収縮性フィルムとは、収縮温度(例えば80〜100℃程度)に加熱すると収縮する性質(熱収縮性)を有するフィルムをいう。
熱収縮性フィルムは、少なくとも一方向(筒状に形成した際に於ける周方向。以下同じ)に熱収縮しうるものであればその材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系、環状オレフィン系、塩化ビニル系などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などからなる熱可塑性の合成樹脂製フィルムが挙げられる。
【0020】
熱収縮性フィルムとして、前記合成樹脂製フィルムが複数積層された積層フィルム、又は、熱収縮性を有する合成樹脂製フィルムに断熱層(不織布や発泡樹脂シートなど)が積層された積層フィルムを用いてもよい。
熱収縮性フィルムの一方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)は、例えば、約30%以上であり、好ましくは約40%以上である。また、熱収縮性フィルムは他方向(フィルム面内で一方向に直交する方向)に若干熱収縮してもよく、かかる他方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)は、約−3〜15%程度である。
但し、熱収縮率(%)=[{(一方向(又は他方向)の元の長さ)−(一方向(又は他方向)の浸漬後の長さ)}/(一方向(又は他方向)の元の長さ)]×100。
熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、一般に、20μm〜200μmであり、好ましくは30μm〜100μmである。なお、熱収縮性フィルムが前記断熱層を含む場合には、その厚みは、200μmを超えることもある。
【0021】
不透明な熱収縮性フィルムは、前記熱収縮性フィルムに、遮光処理を施すことによって得られる。不透明な熱収縮性フィルムとしては、例えば、(1)合成樹脂に着色剤を混合した組成物を製膜し延伸処理して得られる熱収縮性の着色合成樹脂製フィルム、(2)熱収縮性フィルムの一面にベタ状に着色インキ(白色、銀色、黒色などのインキ)が1色又は複数色を多層に重ねて塗工された熱収縮性の印刷フィルム、(3)熱収縮性フィルムに金属蒸着膜が積層された熱収縮性の蒸着フィルム、などが挙げられる。また、発泡樹脂シートは、一般に白色であり、遮光性を有するので、合成樹脂製フィルムに発泡樹脂シートが積層された積層フィルムも、不透明な熱収縮性フィルムとして利用できる。
これらの不透明な熱収縮性フィルムは、遮光性に優れており、可視光線だけでなく、紫外線の侵入も防止できるので好ましい。
【0022】
図3〜図5にも示すように、熱収縮性筒状ラベル3は、縦方向に延びる左右一対の縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42と、この縦切断用左補助線41の左側又は縦切断用右補助線42の右側にそれぞれ印刷された目盛り6と、内面(容器接触面)に設けられた接着部9と、を有し、好ましくは、さらに、周方向に延びる横切断用補助線5も有する。
なお、通常、熱収縮性筒状ラベル3には、前記目盛り6以外の所望の意匠表示(商品名、絵柄、説明書きなど)が印刷される(意匠表示は不図示)。
【0023】
縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42は、熱収縮性筒状ラベル3の縦方向と略平行に延び、それぞれ熱収縮性筒状ラベル3の上縁から下縁にまで形成されている。
縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42は、熱収縮性筒状ラベル3の周方向に所定間隔(この間隔は、例えば、5mm〜20mm程度であり、好ましくは8mm〜15mmである)を開けて形成されている。
この縦切断用左補助線41と縦切断用右補助線42によって挟まれた帯状領域8には、周方向に延びる横切断用補助線(ミシン目や切込み線)が形成されていない。すなわち、前記帯状領域8は、貫通孔部が形成されていないフィルムのままである。
【0024】
横切断用補助線5は、熱収縮性筒状ラベル3の周方向に形成された有端状の補助線である。横切断用補助線5の一端が前記縦切断用左補助線41の中途部に繋がり且つ横切断用補助線5の他端が前記縦切断用右補助線42の中途部に繋がっている。
【0025】
本発明においては、縦切断用左補助線41、縦切断用右補助線42及び横切断用補助線5として、ミシン目線が用いられる。
前記ミシン目線とは、ミシン針の縫い跡の如くフィルムの表裏面に貫通する貫通孔部が一方向に断続的に形成されたものを意味する。かかるミシン目線は、隣接する貫通孔部の間に、非貫通部(貫通処理のなされていないフィルム部分)が存在する。1つの貫通孔部の正面視形状は、細長い直線状、針穴状(円形孔又は楕円形孔)などが挙げられる。ミシン目に沿ってフィルムが切れ易くなることから、貫通孔部の形状は、細長い直線状が好ましい。前記ミシン目線の貫通孔部の長さは、例えば、0.3〜1mmであり、ミシン目線の非貫通部の長さは、例えば、0.3〜1mmである。
【0026】
さらに、熱収縮性筒状ラベル3の上縁部において、縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42の上方部にほぼ重なるように、第1切込み線71及び第2切込み線72が形成されていてもよい。熱収縮性筒状ラベル3の上縁部に、縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42に繋がる第1及び第2切込み線71,72を形成することにより、その第1及び第2切込み線71,72で挟まれたラベル上縁部が、摘み部として機能し得る。従って、ラベル上縁部を指で摘むことにより、縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42に沿って帯状領域8を容易に除去できる。
【0027】
熱収縮性筒状ラベル3は、その横切断用補助線5が容器2の首部22(キャップ部23の下縁又は下縁よりも少し下方側)に対応するように位置決めされ且つ熱収縮させることによって、容器2に装着されている。
【0028】
また、熱収縮性筒状ラベル3の容器接触面であって、横切断用補助線5、ラベルの下縁、縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42によって囲われた領域の全体に、接着剤からなる接着部9が設けられている(図5参照)。
この接着部9を介して熱収縮性筒状ラベル3は容器2の外面に接着されている。
接着剤としては、水系接着剤、溶剤型接着剤、感熱性接着剤などを用いることができる。水系接着剤は、水分塗布又は高湿状態において粘着性を発揮し、乾燥後に被着体に接着する接着剤である。溶剤型接着剤は、樹脂成分が溶剤に溶解され、溶解揮発によって被着体に接着する接着剤である。感熱性接着剤は、常温で粘着性を示さず且つ加熱によって粘着性を示し、冷却後に被着体に接着する接着剤である。
【0029】
上記感熱性接着剤は、熱収縮性筒状ラベル3を容器2に熱収縮装着するときに用いる熱源によって、粘着性を生じる。また、上記水系接着剤や感熱性接着剤は、熱収縮性筒状ラベル3を容器2に熱収縮装着するときに用いるスチームによって、粘着性を生じる。このように水系接着剤や感熱性接着剤を用いれば、熱収縮性筒状ラベル3を熱収縮させると同時に、接着部9を介して、熱収縮性筒状ラベル3を容器2の外面に接着させることができる。
【0030】
上記ラベル付き容器1においては、透明な容器2の胴部21及び首部22に不透明な熱収縮性筒状ラベル3が装着されているので、ラベル付き容器1の流通過程で、容器2内に収容された収容物の光劣化を防止できる。なお、容器2の底面は熱収縮性筒状ラベル3で覆われていないが、底面からは殆ど光が侵入しないので、容器2の遮光性は実質的に保たれている。
【0031】
上記ラベル付き容器1を購入した使用者は、一対の縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42を利用して、縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42によって挟まれた帯状領域8を除去する。帯状領域8には横切断用補助線や切込み線などが形成されていないので、例えば、帯状領域8の上端部を摘んでこれを外側下方へ引き出すことによって、縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42に沿ってラベル3が切れていき、帯状領域8を容易に且つ確実に除去できる。次に、横切断用補助線5を利用して、熱収縮性筒状ラベル3の上側領域(横切断用補助線5よりも上側の領域)を除去することにより、容器2のキャップ部23を開封できるようになる。
【0032】
熱収縮性筒状ラベル3は上記接着部9において容器2に接着しているため、熱収縮性筒状ラベル3の上記帯状領域8及び上側領域を除去した後でも、熱収縮性筒状ラベル3の残る部分が容器2から外れることがない。従って、帯状領域8及び上側領域を除去した後でも、目盛り6や意匠表示が容器2に残ったままとなる。
【0033】
上記帯状領域8を除去すると、図6に示すように、帯状領域8が存在していた部分に対応して、熱収縮性筒状ラベル3に縦方向帯状の開口部が生じ、その開口部から透明な容器2の胴部21が露出する。熱収縮性筒状ラベル3の面内であって、縦切断用左補助線41の左側又は縦切断用右補助線42の右側には目盛りが印刷されているので、前記開口部から収容物の残量を確認できる。
なお、帯状領域8を除去して開口部が生じると、その開口部から光が容器2内に侵入できるようになるため、収容物が光劣化を起こすことも考えられる。しかしながら、通常、使用時においては、ラベル付き容器は冷暗所に保管されることが多く、又、収容物を使い切る期間も短いことから、実際上、使用時に前記開口部が生じても、収容物の品質が問題となるほど収容物が光劣化する虞はない。
【0034】
また、上記ラベル付き容器1の透明な容器2として、従来から汎用されている容器を使用できるので、本発明のラベル付き容器1は比較的安価に作製できる。
【0035】
本発明のラベル付き容器は、上記実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で様々に変更できる。
例えば、上記実施形態では、接着部9が、横切断用補助線5、ラベル3の下縁、縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42によって囲われた領域の全体に設けられているが、必ずしもこの領域の全体に接着部9が設けられていなくてもよく、この領域の一部分に接着部9が設けられていてもよい。
前記領域の一部分に接着部9を設ける場合(前記領域の全体に接着部9を設けない場合)、その接着部9の形成部分は、特に限定されず、例えば、接着部9が、前記領域において周方向に帯状に且つこれが上下多段状に設けられていてもよい。
【0036】
好ましくは、図7に示すように、縦切断用左補助線41の近傍及び縦切断用右補助線42の近傍における容器密着面に、接着部9が少なくとも設けられる。このように縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42の近傍であって且つ縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42に沿った縦方向に、接着部9が少なくとも設けられていることにより、帯状領域8を除去した後に生じる熱収縮性筒状ラベル3の左右側縁部(開口部を形成するラベル3の左右側縁部)が捲れることを防止できる。
【0037】
さらに、上記実施形態では、縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42が、ラベルの上縁から下縁まで形成されているが、これらの補助線41,42は、ラベルの上縁又は/及び下縁にまで形成されている場合に限定されない。例えば、図8に示すように、縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42が、ラベルの下縁よりも少し上側まで形成されていてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、横切断用補助線5が形成されているが、例えば、図9に示すように、横切断用補助線が形成されていない熱収縮性筒状ラベル3を容器2に装着してもよい。この場合、熱収縮性筒状ラベル3が容器2のキャップ部23を覆わないように、熱収縮性筒状ラベル3の上縁をキャップ部23の下端に位置させて装着することが好ましい。
【0039】
さらに、上記実施形態では、摘み部を形成するために、ラベルの上縁部に第1及び第2切込み線71,72が形成されているが、これに代えて又はこれに加えて、例えば、図9に示すように、縦切断用左補助線41及び縦切断用右補助線42で挟まれた領域(帯状領域)を上方に延出してもよい。この延出部分は、摘み部として機能し得る。
【0040】
また、上記実施形態では、縦切断用左補助線41の左側及び縦切断用右補助線42の右側に目盛り6がそれぞれ印刷されているが、縦切断用左補助線41の左側又は縦切断用右補助線42の右側の少なくとも何れか一方側に目盛り6が印刷されていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のラベル付き容器は、液状又は顆粒状の調味料、飲料、化粧品、サニタリー品などを収容する容器として利用できる。
【符号の説明】
【0042】
1…ラベル付き容器、2…容器、3…熱収縮性筒状ラベル、41…縦切断用左補助線、42…縦切断用右補助線、5…横切断用補助線、6…目盛り、71…第1切込み線、72…第2切込み線、8…帯状領域、9…接着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向に延びる左右一対の縦切断用左補助線及び縦切断用右補助線が形成された不透明な熱収縮性筒状ラベルと、前記熱収縮性筒状ラベルが熱収縮装着された透明な容器と、を有し、
前記熱収縮性筒状ラベルには、前記縦切断用左補助線の左側又は縦切断用右補助線の右側の少なくとも何れか一方側に、目盛りが印刷されており、
前記縦切断用左補助線と縦切断用右補助線によって挟まれた帯状領域を除く前記熱収縮性筒状ラベルの容器接触面の一部分又は全体が、接着剤を介して前記容器の外面に接着されていることを特徴とするラベル付き容器。
【請求項2】
前記接着剤が、前記縦切断用左補助線の左側近傍及び前記縦切断用右補助線の右側近傍における容器密着面に少なくとも設けられている請求項1に記載のラベル付き容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−189955(P2011−189955A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57013(P2010−57013)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】