ラベル付き容器
【課題】容器の形状や充填物の種類に拘わらず、容器のひび割れを容易に発見できるラベル付き容器を提供することである。
【解決手段】ラベル付き容器1は、筒状体31を有する熱収縮性筒状ラベル3が装着された容器2を備え、第1及び第2縦切断用補助線41,42が、前記筒状体31の面内中途部から下方部にかけて上下方向に形成され、横切断用補助線5の第1端部51が第1縦切断用補助線41の上端部に繋がり、且つ横切断用補助線5の第2端部52が第2縦切断用補助線42の上端部に繋がっており、傾斜切断用補助線6が、横切断用補助線5の第1端部51に繋がり、筒状体31の周方向他方側へ上向きに傾斜して形成されており、熱収縮性筒状ラベル3の内面の一部分又は全体が、接着剤を介して容器2の外面に接着されている。
【解決手段】ラベル付き容器1は、筒状体31を有する熱収縮性筒状ラベル3が装着された容器2を備え、第1及び第2縦切断用補助線41,42が、前記筒状体31の面内中途部から下方部にかけて上下方向に形成され、横切断用補助線5の第1端部51が第1縦切断用補助線41の上端部に繋がり、且つ横切断用補助線5の第2端部52が第2縦切断用補助線42の上端部に繋がっており、傾斜切断用補助線6が、横切断用補助線5の第1端部51に繋がり、筒状体31の周方向他方側へ上向きに傾斜して形成されており、熱収縮性筒状ラベル3の内面の一部分又は全体が、接着剤を介して容器2の外面に接着されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に熱収縮性筒状ラベルが熱収縮装着されたラベル付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品、飲料、化粧品、サニタリー品などを収容するために、各種の容器が用いられている。
また、宣伝広告や商品の注意書きなどが表示された熱収縮性筒状ラベルを、容器に熱収縮によって装着したラベル付き容器も広く用いられている。この熱収縮した熱収縮性筒状ラベルは、それ自身の収縮力(締付け力)によって、容器の外面に強く密着している。そのため、容器にひび割れが生じていても、熱収縮性筒状ラベルの締付け力によって容器が実際には割れない。従って、容器のひび割れが発見し難いという問題点がある。
【0003】
このような問題点に鑑みて、特許文献1には、下記のようなラベル付き容器が提案されている。
すなわち、特許文献1のラベル付き容器は、ガラス瓶の胴部と底部との間に面取り部が形成され、この面取り部又は底部にシュリンクラベルの下端が係止され、ガラス瓶の胴部に複数の縦溝が形成され、この縦溝の上端がシュリンクラベルの上端よりも下方に位置し且つ縦溝の下端がシュリンクラベルの下端よりも上方に位置し、シュリンクラベルには、縦溝内と外部とを連通する連通孔が、縦溝の下端近傍位置と該下端近傍位置から所定距離上方の上方位置とに形成されている。
このシュリンクラベルには、周方向に延びる横ミシン目が上下2箇所形成されており、シュリンクラベルの上端から上側横ミシン目にまで縦方向に延びる縦ミシン目が一対形成されている。
【0004】
かかるラベル付き容器においては、一対の縦ミシン目を利用してシュリンクラベルの上側半分の領域を左右に分断し、その後、上側横ミシン目を利用して前記シュリンクラベルの上側半分の領域を除去することによって開封できる。
そして、特許文献1には、容器にひびが生じた場合、液体が容器の縦溝から下方に流れ、シュリンクラベルの挿通孔を通じて外部に漏れ出るので、この漏れ出た液体によって、容器のひび割れを発見できると記載されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1のラベル付き容器にあっては、縦溝が形成された容器を使用しなければならず、容器の形状が限定されるという問題点がある。さらに、容器内に入れられた充填物が液体でない場合には、充填物がラベルの外部に漏れ出さないので、容器のひび割れを発見できないという問題点がある。また、容器のひび割れが軽微である場合には(不完全なひび割れの場合には)、シュリンクラベルの締付け力によって液体が漏れ出さない虞がある。このため、特許文献1のラベル付き容器においては、充填物が液体であるときにも、容器のひび割れが発見できない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−239246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、熱収縮性筒状ラベルが容器に熱収縮装着されたラベル付き容器において、容器の形状や充填物の種類に拘わらず、容器のひび割れを容易に発見できるラベル付き容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のラベル付き容器は、熱収縮性フィルムを筒状に成形した筒状体を有し、且つ前記筒状体の面内に横切断用補助線、傾斜切断用補助線並びに一対の第1及び第2縦切断用補助線がそれぞれ形成されている熱収縮性筒状ラベルと、前記熱収縮性筒状ラベルが熱収縮装着された容器と、を備え、前記第1及び第2縦切断用補助線は、前記筒状体の面内中途部から下方部にかけて上下方向にそれぞれ延びており、前記横切断用補助線は、その第1端部が前記第1縦切断用補助線の上端部に繋がり、その第1端部から筒状体の周方向一方側に延びていると共に、その第2端部が前記第2縦切断用補助線の上端部に繋がっており、前記傾斜切断用補助線は、その下端部が前記横切断用補助線の第1端部に繋がっている又は前記横切断用補助線の第1端部の近傍に位置し、その下端部から筒状体の周方向他方側へ上向きに傾斜して延びており、前記横切断用補助線、筒状体の下縁、第1及び第2縦切断用補助線によって囲われた領域内における前記熱収縮性筒状ラベルの内面の一部分又は全体が、接着剤を介して前記容器の外面に接着されている。
【0009】
上記ラベル付き容器においては、熱収縮性筒状ラベルの一部分を指で摘み、これを容器の周囲に円弧を描くように外側且つ周方向一方側に引き出すことにより、傾斜切断用補助線に従って熱収縮性筒状ラベルが切れていって切断線が生じる。さらに、その切断線が傾斜切断用補助線の下端部に至ると、横切断用補助線に従って熱収縮性筒状ラベルが切れていく。さらに、切断線が、横切断用補助線の第2端部に至ると、第2縦切断用補助線及び第1縦切断用補助線にそれぞれ従って熱収縮性筒状ラベル3は切断されていく。
【0010】
このようにして、筒状体の面内のうち、横切断用補助線よりも上方にある上方領域と、第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線の間にある帯状領域とを、熱収縮性筒状ラベルから容易に除去できる。
かかる上方領域及び帯状領域を除去することにより、熱収縮性筒状ラベルが完全に分断されるので、容器に対する熱収縮性筒状ラベルの締付け力が解除される。かかる締付け力の解除によって、もし容器にひび割れが生じている場合には、容器が実際に割れるので、容器のひび割れを容易に発見できる。
また、熱収縮性筒状ラベルの内面の一部分又は全体が、接着剤を介して容器の外面に接着されているので、上記のように上方領域及び帯状領域を除去した後でも、熱収縮性筒状ラベルの残る部分が容器から外れることがない。
【0011】
本発明の好ましいラベル付き容器は、前記筒状体が熱収縮性フィルムの両側端部を重ね合わせて接着したセンターシール部を有し、前記第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線が、センターシール部を挟んで形成されている。
【0012】
センターシール部は、フィルムが重なった肉厚な部分である。このため、一般に、センターシール部を横切るように切断することは困難であり、センターシール部の側端縁に沿って筒状体は切れやすい。
上記好ましいラベル付き容器においては、第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線が、肉厚なセンターシール部を挟んで形成されている。このため、熱収縮性筒状ラベルを切り取る際に生じる切断線が第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線から外れても、センターシール部の両側端縁に沿って切れるので、熱収縮性筒状ラベルを確実に分断できる。
【0013】
本発明の他の好ましいラベル付き容器は、前記傾斜切断用補助線が、複数の貫通孔部と非貫通部を交互に有するミシン目線であり、前記傾斜切断用補助線の貫通孔部の1つが、前記筒状体の周方向他方側におけるセンターシール部の側端縁に跨って形成されている。
【0014】
上述のように、肉厚なセンターシール部は、一般に、これを横切るように切断することは困難である。
上記他の好ましいラベル付き容器においては、傾斜切断用補助線の貫通孔部がセンターシール部の側端縁に跨って形成されているので、この貫通孔部がセンターシール部を切断する切断起点となる。このため、傾斜切断用補助線に従ってセンターシール部を横切って切断できる。
【0015】
本発明の他の好ましいラベル付き容器は、前記接着剤が、前記第1縦切断用補助線の近傍及び前記第2縦切断用補助線の近傍における内面に少なくとも設けられている。
【0016】
この好ましいラベル付き容器は、熱収縮性筒状ラベルの上記帯状領域を除去した後に生じる熱収縮性筒状ラベルの両側縁部が捲れることを防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るラベル付き容器は、熱収縮性筒状ラベルが容器に装着されているが、容器のひび割れを容易に発見できる。また、本発明によれば、容器の形状や充填物の種類に拘わらず、容器のひび割れを発見できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】1つの実施形態のラベル付き容器の正面図。
【図2】図1のII−II線の一部断面図。ただし、容器は断面で示していない。
【図3】1つの実施形態に係る熱収縮性筒状ラベルの正面図。
【図4】同熱収縮性筒状ラベルの左側面図。
【図5】同熱収縮性筒状ラベルの右側面図。
【図6】図3の丸囲いVI部の拡大正面図図。
【図7】図6のVII−VII線断面図。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図。
【図9】熱収縮性筒状ラベルのセンターシール部の略中央部を上下方向に切断し、そのラベルを平面状に展開して内側から見た参考図。なお、接着部が設けられた範囲を薄墨塗りで示している(図12も同様)。
【図10】傾斜切断用補助線に従って熱収縮性筒状ラベルを切断し始めた状態を示すラベル付き容器の正面図。
【図11】傾斜切断用補助線、横切断用補助線、第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線に従って熱収縮性筒状ラベルを切断し、ラベルの上方領域及び帯状領域を除去した後のラベル付き容器の正面図。
【図12】他の実施形態の熱収縮性筒状ラベルのセンターシール部の略中央部を上下方向に切断し、そのラベルを平面状に展開して内側から見た参考図。
【図13】他の実施形態の熱収縮性筒状ラベルの正面図。
【図14】他の実施形態の熱収縮性筒状ラベルの一部省略正面図。
【図15】他の実施形態の熱収縮性筒状ラベルの一部省略正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ただし、用語の接頭語として、「第1」、「第2」などを用いるが、これは、用語を区別するために付するものであり、その優劣、順序などを意味するものではない。また、方向を示す用語として、「上」は、自立状態のラベル付き容器を基準として、自立させた面から鉛直方向へ離れる方向を指す。「下」は、同状態のラベル付き容器を基準として、自立させた面に近づく方向を指す。「上下方向」とは、同状態のラベル付き容器を基準として、熱収縮性筒状ラベルの軸線方向を指し、「周方向」とは、同状態のラベル付き容器を基準にして、熱収縮性筒状ラベルの軸線周り方向を指す。
第1縦切断用補助線、第2縦切断用補助線、横切断用補助線及び傾斜切断用補助線を総称する場合には、単に切断用補助線と記す。
また、本明細書における「甲〜乙]という記載は、甲以上乙以下を意味する。
【0020】
図1及び図2に於いて、1は、容器2と、容器2の少なくとも胴部21に熱収縮によって装着された熱収縮性筒状ラベル3と、を備えるラベル付き容器を示す。
熱収縮性筒状ラベル3は、熱収縮性フィルムを筒状に成形した筒状体31を有する。その筒状体31の面内には、上下方向に延びる一対の縦切断用補助線(第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42)と、周方向に延びる横切断用補助線5と、傾斜して延びる傾斜切断用補助線6と、がそれぞれ形成されている。
熱収縮性筒状ラベル3は、熱収縮によって容器2に装着されているが、さらに、熱収縮性筒状ラベル3の内面に設けられた接着部7を介して、容器2の外面に部分接着されている。
【0021】
容器2は、ひび割れが生じ得る材質(例えば、ガラス又は陶器)から形成されており、その外面に熱収縮性筒状ラベル3が熱収縮装着可能である。
例えば、容器2は、筒状の胴部21と、胴部21の上方に形成された首部22と、首部22に着脱自在であり且つ容器2の開口部を塞ぐキャップ部23と、を有する。図2に示すように、図示した容器2は、胴部21及び首部22が円筒状で且つ首部22が胴部21よりも小径な形状であると共に、キャップ部23がねじ作用によって首部22に取り付けられる。もっとも、容器2の形状は、これに限定されない。例えば、三次元曲面の胴部を有する容器(例えば胴部が外側に膨らんだ達磨型又は瓢箪型の容器など)に本発明を適用できる。本発明においては、熱収縮性筒状ラベルを容器に装着しつつその締付け力を解除して容器のひび割れを発見できるので、紙ラベルやタックラベルでは従来添付できなかった3次元曲面を有する胴部へのラベル表示が可能となる。
【0022】
この容器2の胴部21から首部22及びキャップ部23の一部にまで(キャップ部23の上面周縁部にまで)、熱収縮性筒状ラベル3が熱収縮装着されている。
容器2に充填される充填物は、特に限定されず、ジュースなどの飲料、ジャムなどのゲル状食品、シャンプーなどのサニタリー品、医薬品、化粧品、顆粒状の洗剤などの粒状体などが挙げられる。
【0023】
図3乃至図8は、容器に装着されていない状態の熱収縮性筒状ラベルであって、筒状に開口させた状態の熱収縮性筒状ラベルを示す。図3乃至図8に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の基本構成は、熱収縮可能な筒状体31からなり、この筒状体31の面内に各切断用補助線41,42,5,6が形成されている。また、熱収縮性筒状ラベル3には、所望の意匠(商品名、絵柄、説明書きなど)が印刷されている(図示せず)。
【0024】
筒状体31は、収縮温度(例えば80℃〜100℃)で熱収縮しうる熱収縮性フィルムから形成されている。この熱収縮性フィルムを筒状にしてその両側端部31a,31bを所定幅重ね合わせ且つその重ね合わせ部分32を接着することにより、筒状体31が構成されている。前記重ね合わせ部分32は、例えば、接着剤又は溶剤を用いて接着できる。前記接着した重ね合わせ部分32は、一般に、センターシール部と呼ばれ、本明細書では、その部分をセンターシール部32と記す。
【0025】
センターシール部32は、筒状体31(熱収縮性筒状ラベル3)の上縁から下縁にかけて帯状に延びて存在している。センターシール部32は、フィルムが重なり合った部分であり、一対の側端縁(第1側端縁321及び第2側端縁322)を有する。センターシール部32の中心部を基準にして、センターシール部32の第1側端縁321は、筒状体31の周方向一方側Xに位置する縁であり、センターシール部32の第2側端縁322は、筒状体31の周方向他方側Y(前記周方向一方側Xとは反対側)に位置する縁である。
【0026】
センターシール部32の幅は、特に限定されないが、通常、3mm〜10mm程度であり、センターシール部32の上下長さは、筒状体31の上下長さに等しい。なお、センターシール部32の幅とは、周方向における長さであって、センターシール部32の第1側端縁321と第2側端縁322の間の長さを意味する。
【0027】
熱収縮性フィルムは、少なくとも幅方向(筒状に形成した際に於ける周方向。以下同じ)に熱収縮しうるものであればその材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系、環状オレフィン系、塩化ビニル系などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などからなる熱可塑性合成樹脂製フィルムが挙げられる。また、熱収縮性フィルムとして、熱収縮性を有する2種以上のフィルムが積層された積層フィルム、熱収縮性を有するフィルムに、不織布や発泡樹脂シートなどの断熱層及び/又はバリア層などの機能層が積層された積層フィルムなどを用いることもできる。
かかる熱収縮性フィルムの表面又は/及び裏面には、印刷によって意匠印刷層(図示せず)が設けられている。
【0028】
熱収縮性フィルムの幅方向に於ける熱収縮率は、例えば、約30%以上であり、好ましくは約40%以上である。また、熱収縮性フィルムは他方向(フィルム面内で前記幅方向と直交する方向)に若干熱収縮してもよく、かかる他方向に於ける熱収縮率は、約−3〜15%程度である。前記熱収縮率は、フィルムを90℃温水中に10秒間浸漬した後の収縮度合いであり、下記式によって求められる。
熱収縮率(%)=[{(幅方向(又は他方向)の元の長さ)−(幅方向(又は他方向)の浸漬後の長さ)}/(幅方向(又は他方向)の元の長さ)]×100。
熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、一般に、20μm〜200μmであり、好ましくは30μm〜100μmである。
【0029】
上記筒状体31には、第1縦切断用補助線41、第2縦切断用補助線42、横切断用補助線5、及び傾斜切断用補助線6がそれぞれ形成されている。
ここで、本発明においては、切断用補助線としては、ミシン目線、ハーフカット線などが用いられる。
ミシン目線は、ミシン針の縫い跡の如くフィルムの表裏面に貫通する貫通孔部と、非貫通部と、を交互に有する線であり、切込み線(ミシン目線の貫通孔部が複数繋がったような、長い切り目)が含まれていてもよい。
ハーフカット線は、フィルムの一面を厚み方向に略V字状に切り込んだ刻み線である。
【0030】
切断用補助線に従って切断線が生じ易いことから、切断用補助線としてはミシン目線を用いることが好ましい。各図においては、切断用補助線としてミシン目線が用いられた例を示している。
ミシン目線は、隣接する貫通孔部の間に、非貫通部(貫通処理のなされていないフィルム部分)が存在する。1つの貫通孔部の正面視形状は、細長い直線状、針穴状(円形孔又は楕円形孔)などが挙げられる。ミシン目線に従ってフィルムが切れ易くなることから、1つの貫通孔部の形状は、図6に示すように、細長い直線状が好ましい。前記ミシン目線の貫通孔部の長さは、例えば、0.3〜2mmであり、ミシン目線の非貫通部の長さは、例えば、0.3〜1mmである。
ミシン目線は、ミシン刃、レーザーなどの手段を用いてフィルムに形成できる。
【0031】
第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、熱収縮性筒状ラベル3の上下方向と略平行に延び、それぞれ筒状体31の面内中途部から下方部にかけて形成されている。なお、本実施形態では、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、筒状体31の下縁にまで形成されている。第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42が、筒状体31の下方部(筒状体31の下縁よりも少し上方位置)まで形成されていても、或いは、筒状体31の下縁まで形成されていても、何れの場合でも、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42を利用して熱収縮性筒状ラベル3を分断できる。
【0032】
なお、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、熱収縮性筒状ラベル3の上下方向と略平行に形成されている場合に限られず、ラベル3の下方又は上下方向中央部に向かうに従って第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42の間隔が離反する又は近づくように第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42が形成されていてもよい。また、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、直線状に形成されている場合に限られず、曲線状などでもよい。
【0033】
上記第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、筒状体31のセンターシール部32を挟んで形成されている。
具体的には、第1縦切断用補助線41は、センターシール部32の第1側端縁321よりも周方向一方側Xであって、その第1側端縁321の近傍で且つそれと略平行に形成されている。
第2縦切断用補助線42は、センターシール部32の第2側端縁322よりも周方向他方側Yであって、その第2側端縁322の近傍で且つそれと略平行に形成されている。
さらに、第2縦切断用補助線42は、第1縦切断用補助線41よりもセンターシール部32に近い位置に形成されている。
【0034】
換言すると、センターシール部32は、第1縦切断用補助線41と第2縦切断用補助線42の間に位置し、さらに、センターシール部32は、第1縦切断用補助線41よりも第2縦切断用補助線42側に片寄って設けられている。
第2縦切断用補助線42とセンターシール部32の第2側端縁322の間の幅は、できるだけ小さいことが好ましく、例えば、0.5mm〜7mm程度が挙げられる。第1縦切断用補助線41とセンターシール部32の第1側端縁321の間の幅は、特に限定されないが、例えば、2mm〜20mm程度が挙げられる。
【0035】
この第1縦切断用補助線41と第2縦切断用補助線42の間に存在する帯状領域Bには、周方向に延びる横切断用補助線(ミシン目線や切込み線など)が形成されていない。すなわち、前記帯状領域Bは、フィルムの厚み方向に刻設加工が行われておらず、フィルムのままである。
【0036】
また、横切断用補助線5は、第1端部51及び第2端部52を有し、筒状体31の周方向に形成された有端の線である。横切断用補助線5の第1端部51は、第1縦切断用補助線41の上端部に繋がっている。横切断用補助線5は、この第1端部51から筒状体31の周方向一方側Xに延びて筒状体31に周設され、横切断用補助線5の第2端部52は、第2縦切断用補助線42の上端部に繋がっている。
【0037】
なお、切断用補助線がミシン目線である場合、横切断用補助線5の端部が第1縦切断用補助線41又は第2縦切断用補助線42の上端部に繋がっているとは、貫通孔部及び非貫通部が一連に集合した線からなるミシン目線が、実質的に交差していることを意味する。実質的に交差しているとは、一方の切断用補助線の貫通孔部が他方の切断用補助線の貫通孔部に交わっている場合;一方の切断用補助線の貫通孔部が他方の切断用補助線の貫通孔部又は非貫通部の近傍に位置する場合;一方の切断用補助線の貫通孔部が他方の切断用補助線の非貫通部に交わっている場合;一方の切断用補助線の非貫通部が他方の切断用補助線の貫通孔部又は非貫通部の近傍に位置する場合;などが挙げられる。
【0038】
また、傾斜切断用補助線6は、筒状体31の面内のうち、横切断用補助線5よりも上方の領域(上方領域A)に形成されている。
傾斜切断用補助線6の下端部は、横切断用補助線5の第1端部51に繋がっている。なお、この傾斜切断用補助線6の下端部が横切断用補助線5の第1端部51に繋がっているとは、上記横切断用補助線5の端部が第1縦切断用補助線41又は第2縦切断用補助線42の上端部に繋がっているという意味と同義である。
【0039】
傾斜切断用補助線6は、その下端部から筒状体31の周方向他方側Yへ上向きに傾斜して延びている。傾斜切断用補助線6は、その下端部から筒状体31の周方向他方側Yへ上向きに傾斜している。
詳しくは、この傾斜切断用補助線6は、その下端部からセンターシール部32を横切って上向き傾斜状に延び、傾斜切断用補助線6の上端部は、筒状体31の上縁に至っている。この傾斜切断用補助線6は、センターシール部32を横切っており、従って、傾斜切断用補助線6の下端部は、センターシール部32の第1側端縁321よりも周方向一方側Xに位置し、且つ傾斜切断用補助線6の上端部は、センターシール部32の第2側端縁322よりも周方向他方側Yに位置している。
【0040】
傾斜切断用補助線6と横切断用補助線5の成す角αは、鈍角であれば特に限定されないが、前記角αが余りに180度及び90度に近すぎると、傾斜切断用補助線6が実質的に傾斜して形成されていないことになるので、前記角αは、110度〜170度程度が好ましく、120度〜150度程度がより好ましい。
【0041】
また、傾斜切断用補助線6がミシン目線である場合、図6及び図7に示すように、傾斜切断用補助線6の貫通孔部の1つが筒状体31のセンターシール部32の第2側端縁322に跨るように、ミシン目線からなる傾斜切断用補助線6が形成されている。
この傾斜切断用補助線6の貫通孔部を比較的長い切り目(切込み線)とし、この貫通孔部(切込み線)をセンターシール部の第1側縁部321から第2側縁部322にかけて形成してもよい。このような貫通孔部は、センターシール部32を上下2つに完全に分断している。従って、かかる貫通孔部を有する傾斜切断用補助線6が形成された熱収縮性筒状ラベル3は、センターシール部32に邪魔されずに、傾斜切断用補助線6に従って確実に切断できるので好ましい。
【0042】
一方、図9に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の内面であって、横切断用補助線5、筒状体31の下縁、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42によって囲われた領域の全体に、接着剤からなる接着部7が設けられている。
この接着部7を介して熱収縮性筒状ラベル3は容器2の外面に接着されている。
接着剤としては、水系接着剤、溶剤型接着剤、感熱性接着剤などを用いることができる。水系接着剤は、水分塗布又は高湿状態において粘着性を発揮し、乾燥後に被着体に接着する剤である。溶剤型接着剤は、樹脂成分が溶剤に溶解され、溶剤の揮発によって被着体に接着する剤である。感熱性接着剤は、常温で粘着性を示さず且つ加熱によって粘着性を示し、冷却後に被着体に接着する接着剤である。
【0043】
上記感熱性接着剤は、熱収縮性筒状ラベル3を容器2に熱収縮装着するときに用いる熱源によって、粘着性を生じる。また、上記水系接着剤や感熱性接着剤は、熱収縮性筒状ラベル3を容器2に熱収縮装着するときに用いるスチームによって、粘着性を生じる。このように水系接着剤や感熱性接着剤を用いれば、熱収縮性筒状ラベル3を熱収縮させると同時に、接着部7を介して、熱収縮性筒状ラベル3を容器2の外面に接着させることができる。
【0044】
熱収縮性筒状ラベル3は、その横切断用補助線5が容器2の首部22(キャップ部23の下縁又は下縁よりも少し下方側)に対応するように位置決めされ、その状態で熱収縮させることによって、容器2に装着されている。もっとも、横切断用補助線5が容器2の胴部21の上下方向中途部に対応するように、熱収縮性筒状ラベル3が容器2に位置決めされて装着されていてもよい。
【0045】
上記ラベル付き容器1においては、図10に示すように、傾斜切断用補助線6の上端部より周方向一方側における熱収縮性筒状ラベル3の一部分(上部3c)を指で摘み、この上部3cを容器2の周囲に円弧を描くように外側且つ筒状体31の周方向一方側Xへ引き出すことにより、傾斜切断用補助線6に従って熱収縮性筒状ラベル3が切れていく。本明細書において、熱収縮性筒状ラベルが切れていくことを「切断」といい、その切断によって生じる切れ目を「切断線」という。
【0046】
ところで、傾斜切断用補助線6は、フィルムが2枚重なった肉厚なセンターシール部32を横切っているので、傾斜切断用補助線6に従って熱収縮性筒状ラベル3を切断し、その切断線がセンターシール部32の第2側端縁322に至ると、センターシール部32の第2側端縁322に従って切断されていく可能性がある。この点、傾斜切断用補助線6の貫通孔部は、センターシール部32の第2側端縁322に跨って形成されているので、この貫通孔部がセンターシール部32を上下2つに分断するための切断起点となる。このため、切断線がセンターシール部32の第2側端縁322に至っても、傾斜切断用補助線6に従ってセンターシール部32を横切って確実に切断できる。
【0047】
そして、傾斜切断用補助線6の下端部は、横切断用補助線5の第1端部51に繋がっているので、切断線は、傾斜切断用補助線6に続いて横切断用補助線5の第1端部51から横切断用補助線5に従って周方向一方側Xに生じていく。
さらに、横切断用補助線5の第2端部52は、第2縦切断用補助線42の上端部に繋がっているので、切断線が横切断用補助線5の第2端部52に至ると、横切断用補助線5よりも上方の熱収縮性筒状ラベル3の上方領域Aが容器2から除去される。
【0048】
切断線が横切断用補助線5の第2端部52に至った後、前記上部5cを筒状体31の外側下方に引き出すことにより、第2縦切断用補助線42及び第1縦切断用補助線41にそれぞれ従って熱収縮性筒状ラベル3は切断されていく。つまり、第2縦切断用補助線42及び第1縦切断用補助線41にそれぞれ従った2つの切断線が生じていく。
第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、肉厚なセンターシール部32を挟んで形成されているので、2つの切断線が第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42から外れても、センターシール部32の両側端縁321,322に沿って切れるので、熱収縮性筒状ラベル3の帯状領域Bを確実に除去できる。
【0049】
特に、第2縦切断用補助線42は、第1縦切断用補助線41よりもセンターシール部32に近い位置に形成されている。このため、切断線が横切断用補助線5の第2端部52に至った後、前記切断線が周方向一方側へ向かって生じることを、前記センターシール部32が防止する。従って、横切断用補助線5の第2端部52に至った切断線は、センターシール部32の第2側縁部322に導かれるように下方に向かうので、第2縦切断用補助線42にほぼ従って切断されていく。
【0050】
以上のように、熱収縮性筒状ラベル3の上方領域A及び帯状領域Bを除去することにより、図11に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の一部分が左右に分断されるので、容器2に対する熱収縮性筒状ラベル3の締付け力が解除される。かかる締付け力を解除すれば、もし容器2にひび割れが生じている場合には、容器2が実際に割れるので、容器2のひび割れを容易に発見できる。
【0051】
さらに、第1縦切断用補助線41と第2縦切断用補助線42によって挟まれた帯状領域Bには、センターシール部32が存在するので、帯状領域Bの除去が途切れることなく、熱収縮性筒状ラベル3を容易に分断できる。特に、第1縦切断用補助線41と第2縦切断用補助線42によって挟まれた帯状領域Bには、周方向に延びる切断用補助線が形成されていないので、前記帯状領域Bの除去が途切れることを確実に防止できる。
【0052】
熱収縮性筒状ラベル3の上方領域A及び帯状領域Bを除去すると、容器2のキャップ部23を開封できるようになる。
なお、熱収縮性筒状ラベル3は上記接着部7において容器2に接着しているため、熱収縮性筒状ラベル3の上方領域A及び帯状領域Bを除去した後でも、熱収縮性筒状ラベル3の残る部分が容器2から外れることがない。従って、これらの領域を除去した後でも、意匠表示(商品名、説明書き、賞味期限など)が容器2に残ったままとなり、ラベルの表示機能は損なわれない。
【0053】
本発明のラベル付き容器は、上記実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で様々に変更できる。以下、本発明の様々な他の実施形態を説明するが、上記実施形態と同様の構成については、その説明を省略し、用語及び符号をそのまま援用する場合がある。
【0054】
上記実施形態では、接着部7は、横切断用補助線5、筒状体31の下縁、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42によって囲われた領域の全体に設けられているが、必ずしもこの領域の全体に接着部7が設けられていなくてもよく、この領域における内面の一部分に接着部7が設けられていてもよい。
前記領域の一部分に接着部7を設ける場合(前記領域の全体に接着部7を設けない場合)、その接着部7の形成部分は、特に限定されず、例えば、接着部7が、前記領域において周方向に帯状に且つこれが上下にストライプ状に設けられていてもよい。
【0055】
好ましくは、図12に示すように、横切断用補助線5、ラベル3の下縁、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42によって囲われた領域のうち、第1縦切断用補助線41の近傍及び第2縦切断用補助線42の近傍における内面に、接着部7が少なくとも設けられる。このように少なくとも第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42の近傍に接着部7が設けられていることにより、帯状領域Bを除去した後に生じる熱収縮性筒状ラベル3の両側縁部が捲れることを防止できる。
【0056】
また、上記実施形態では、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42がセンターシール部32を挟むような位置に形成されているが、一対の第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、それらの間にセンターシール部32を有しない領域に形成されていてもよい。
【0057】
さらに、上記実施形態では、傾斜切断用補助線6の下端部は、横切断用補助線5の第1端部51に繋がっているが、これに限定されず、傾斜切断用補助線6の下端部が横切断用補助線の第1端部の近傍に位置するように、傾斜切断用補助線6が形成されていてもよい。
例えば、図13(a)に示すように、傾斜切断用補助線6の下端部が、横切断用補助線5の第1端部51の近傍であってこの第1端部51よりも周方向一方側に離れた位置において横切断用補助線5に繋がるように、傾斜切断用補助線6が形成されていてもよい。
【0058】
また、図13(b)に示すように、傾斜切断用補助線6の下端部が、横切断用補助線5の第1端部51の近傍であってこの第1端部51よりも周方向他方側に離れた位置になるように、傾斜切断用補助線6が形成されていてもよい。図13(b)の熱収縮性筒状ラベル3の場合には、傾斜切断用補助線6の下端部が横切断用補助線5に繋がっていないため、傾斜切断用補助線6に従って切断した後、横切断用補助線5へと切れないおそれがある。かかる事態を防止するため、図13(b)に示すように、傾斜切断用補助線6の下端部に、周方向に延びる切込み線63を形成しておくことが好ましい。この切込み線63は、傾斜切断用補助線6の下端部に繋がっており、切込み線63の周方向一方側における端部は、横切断用補助線5と同じ上下方向位置にあり且つ横切断用補助線5の第1端部51の近傍に配置されている。
なお、図13においては、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42の間にセンターシール部32が図示されていないが、上記実施形態と同様に、これらの間にセンターシール部32が位置していてもよい。
【0059】
さらに、上記実施形態では、熱収縮性筒状ラベル3の上縁は正面から見て直線状であるが、例えば、図13(b)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の上縁に摘み部33を延設してもよい。この摘み部33は、傾斜切断用補助線6よりも周方向一方側に延設される。このような摘み部33を設ければ、これを摘んで熱収縮性筒状ラベル3の一部分を容易に切断できる。
【0060】
また、上記実施形態では、傾斜切断用補助線6は、直線状であるが、図14(a)に示すように、湾曲状に形成されていてもよい。
さらに、上記実施形態では、傾斜切断用補助線6は、1本からなるが、図14(b)に示すように、傾斜切断用補助線6は、2本の第1及び第2傾斜切断用補助線61,62から構成されていてもよい。この場合、第1及び第2傾斜切断用補助線61,62は、略平行に且つ近接して設けられる。なお、傾斜切断用補助線6は、3本以上の補助線から構成されていてもよい。このように、傾斜切断用補助線6が複数本の補助線から構成されている場合、切断線が傾斜切断用補助線6から外れ難く、傾斜切断用補助線6に従って確実に切り取ることができる。
【0061】
また、図14(c)に示すように、筒状体31の面内に、傾斜切断用補助線6に加えて、副傾斜切断用補助線81を設けてもよい。この副傾斜切断用補助線81は、傾斜切断用補助線6よりも周方向一方側であって、筒状体31の上縁から傾斜切断用補助線6と略平行に下方斜めに延び、その下端部が横切断用補助線5に繋がっていない。
【0062】
さらに、上記実施形態において、傾斜切断用補助線6の上端部は、筒状体31の上縁にまで延びているが、例えば、図15(a)に示すように、傾斜切断用補助線6の上端部6aが筒状体31の上縁まで形成されていなくてもよい。この場合、同図に示すように、傾斜切断用補助線6の上端部6aから筒状体31の上縁にまで、誘導切断用補助線9を形成することが好ましい。この誘導切断用補助線9は、例えば、傾斜切断用補助線6の上端部6aに繋がり且つ上方に延びる第1誘導切断用補助線91と、第1誘導切断用補助線91の上端部に繋がり且つ周方向一方側へ上向き傾斜して延びる第2誘導切断用補助線92と、からなる。第1及び第2誘導切断用補助線91,92としては、例えば、ミシン目線が用いられる。
【0063】
傾斜切断用補助線6の上端部6aが、筒状体31の面内に位置している本実施形態では、傾斜切断用補助線6に従って切断するため、傾斜切断用補助線6の上端部6aに繋がる切断開始起点が必要となる。上記誘導切断用補助線9は、この切断開始起点となり、第2誘導切断用補助線92の上端部よりも周方向一方側における熱収縮性筒状ラベル3の上部5dを指で摘み、これを引き出すことにより、第1及び第2誘導切断用補助線91,92から傾斜切断用補助線6に従って切断され、その後、横切断用補助線5に従って切断されていく。
【0064】
また、傾斜切断用補助線6の上端部6aが筒状体31の面内に位置し且つこの上端部6aに誘導切断用補助線9が設けられている上記熱収縮性筒状ラベル3において、図15(b)に示すように、第1誘導切断用補助線91が、ミシン目線でなく、上下方向に延びる切込み線から形成されていてもよい。この場合、第1誘導切断用補助線91が切込み線からなるので、その縁部5eを捲って指で摘み、これを容器2の周囲に円弧を描くように外側且つ周方向一方側に引き出すことにより、傾斜切断用補助線6に従って熱収縮性筒状ラベル3が切れていく。このように第1誘導切断用補助線91が切込み線からなる場合には、第1誘導切断用補助線91の縁部5eが摘み部として機能し、熱収縮性筒状ラベル3の上方領域及び帯状領域を容易に切り取ることができる。
【0065】
なお、図14及び図15においては、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42の間にセンターシール部32が図示されていないが、上記実施形態と同様に、これらの間にセンターシール部32が位置していてもよい。
上記において補助線に関する様々な実施形態を示したが、1つ又は2つ以上の実施形態の構成をそれ以外の実施形態に示した構成に適宜組み合わすことも可能である。
【0066】
さらに、上記実施形態では、熱収縮性筒状ラベル3は、容器2の胴部21の下端からキャップ部23にかけて熱収縮装着されているが、例えば、熱収縮性筒状ラベル3が容器2の胴部21の中途部からキャップ部23にかけて熱収縮装着されていてもよいし、或いは、熱収縮性筒状ラベル3がキャップ部23を除いた容器2の胴部21にのみ熱収縮装着されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明のラベル付き容器は、ジュースなどの飲料、ジャムなどのゲル状食品、シャンプーなどのサニタリー品、医薬品、化粧品、顆粒状洗剤などの粒状体などを収納する容器として利用できる。
【符号の説明】
【0068】
1…ラベル付き容器、2…容器、3…熱収縮性筒状ラベル、41…第1縦切断用補助線、42…第2縦切断用補助線、5…横切断用補助線、6…傾斜切断用補助線、7…接着部、A…上方領域、B…帯状領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に熱収縮性筒状ラベルが熱収縮装着されたラベル付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品、飲料、化粧品、サニタリー品などを収容するために、各種の容器が用いられている。
また、宣伝広告や商品の注意書きなどが表示された熱収縮性筒状ラベルを、容器に熱収縮によって装着したラベル付き容器も広く用いられている。この熱収縮した熱収縮性筒状ラベルは、それ自身の収縮力(締付け力)によって、容器の外面に強く密着している。そのため、容器にひび割れが生じていても、熱収縮性筒状ラベルの締付け力によって容器が実際には割れない。従って、容器のひび割れが発見し難いという問題点がある。
【0003】
このような問題点に鑑みて、特許文献1には、下記のようなラベル付き容器が提案されている。
すなわち、特許文献1のラベル付き容器は、ガラス瓶の胴部と底部との間に面取り部が形成され、この面取り部又は底部にシュリンクラベルの下端が係止され、ガラス瓶の胴部に複数の縦溝が形成され、この縦溝の上端がシュリンクラベルの上端よりも下方に位置し且つ縦溝の下端がシュリンクラベルの下端よりも上方に位置し、シュリンクラベルには、縦溝内と外部とを連通する連通孔が、縦溝の下端近傍位置と該下端近傍位置から所定距離上方の上方位置とに形成されている。
このシュリンクラベルには、周方向に延びる横ミシン目が上下2箇所形成されており、シュリンクラベルの上端から上側横ミシン目にまで縦方向に延びる縦ミシン目が一対形成されている。
【0004】
かかるラベル付き容器においては、一対の縦ミシン目を利用してシュリンクラベルの上側半分の領域を左右に分断し、その後、上側横ミシン目を利用して前記シュリンクラベルの上側半分の領域を除去することによって開封できる。
そして、特許文献1には、容器にひびが生じた場合、液体が容器の縦溝から下方に流れ、シュリンクラベルの挿通孔を通じて外部に漏れ出るので、この漏れ出た液体によって、容器のひび割れを発見できると記載されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1のラベル付き容器にあっては、縦溝が形成された容器を使用しなければならず、容器の形状が限定されるという問題点がある。さらに、容器内に入れられた充填物が液体でない場合には、充填物がラベルの外部に漏れ出さないので、容器のひび割れを発見できないという問題点がある。また、容器のひび割れが軽微である場合には(不完全なひび割れの場合には)、シュリンクラベルの締付け力によって液体が漏れ出さない虞がある。このため、特許文献1のラベル付き容器においては、充填物が液体であるときにも、容器のひび割れが発見できない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−239246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、熱収縮性筒状ラベルが容器に熱収縮装着されたラベル付き容器において、容器の形状や充填物の種類に拘わらず、容器のひび割れを容易に発見できるラベル付き容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のラベル付き容器は、熱収縮性フィルムを筒状に成形した筒状体を有し、且つ前記筒状体の面内に横切断用補助線、傾斜切断用補助線並びに一対の第1及び第2縦切断用補助線がそれぞれ形成されている熱収縮性筒状ラベルと、前記熱収縮性筒状ラベルが熱収縮装着された容器と、を備え、前記第1及び第2縦切断用補助線は、前記筒状体の面内中途部から下方部にかけて上下方向にそれぞれ延びており、前記横切断用補助線は、その第1端部が前記第1縦切断用補助線の上端部に繋がり、その第1端部から筒状体の周方向一方側に延びていると共に、その第2端部が前記第2縦切断用補助線の上端部に繋がっており、前記傾斜切断用補助線は、その下端部が前記横切断用補助線の第1端部に繋がっている又は前記横切断用補助線の第1端部の近傍に位置し、その下端部から筒状体の周方向他方側へ上向きに傾斜して延びており、前記横切断用補助線、筒状体の下縁、第1及び第2縦切断用補助線によって囲われた領域内における前記熱収縮性筒状ラベルの内面の一部分又は全体が、接着剤を介して前記容器の外面に接着されている。
【0009】
上記ラベル付き容器においては、熱収縮性筒状ラベルの一部分を指で摘み、これを容器の周囲に円弧を描くように外側且つ周方向一方側に引き出すことにより、傾斜切断用補助線に従って熱収縮性筒状ラベルが切れていって切断線が生じる。さらに、その切断線が傾斜切断用補助線の下端部に至ると、横切断用補助線に従って熱収縮性筒状ラベルが切れていく。さらに、切断線が、横切断用補助線の第2端部に至ると、第2縦切断用補助線及び第1縦切断用補助線にそれぞれ従って熱収縮性筒状ラベル3は切断されていく。
【0010】
このようにして、筒状体の面内のうち、横切断用補助線よりも上方にある上方領域と、第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線の間にある帯状領域とを、熱収縮性筒状ラベルから容易に除去できる。
かかる上方領域及び帯状領域を除去することにより、熱収縮性筒状ラベルが完全に分断されるので、容器に対する熱収縮性筒状ラベルの締付け力が解除される。かかる締付け力の解除によって、もし容器にひび割れが生じている場合には、容器が実際に割れるので、容器のひび割れを容易に発見できる。
また、熱収縮性筒状ラベルの内面の一部分又は全体が、接着剤を介して容器の外面に接着されているので、上記のように上方領域及び帯状領域を除去した後でも、熱収縮性筒状ラベルの残る部分が容器から外れることがない。
【0011】
本発明の好ましいラベル付き容器は、前記筒状体が熱収縮性フィルムの両側端部を重ね合わせて接着したセンターシール部を有し、前記第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線が、センターシール部を挟んで形成されている。
【0012】
センターシール部は、フィルムが重なった肉厚な部分である。このため、一般に、センターシール部を横切るように切断することは困難であり、センターシール部の側端縁に沿って筒状体は切れやすい。
上記好ましいラベル付き容器においては、第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線が、肉厚なセンターシール部を挟んで形成されている。このため、熱収縮性筒状ラベルを切り取る際に生じる切断線が第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線から外れても、センターシール部の両側端縁に沿って切れるので、熱収縮性筒状ラベルを確実に分断できる。
【0013】
本発明の他の好ましいラベル付き容器は、前記傾斜切断用補助線が、複数の貫通孔部と非貫通部を交互に有するミシン目線であり、前記傾斜切断用補助線の貫通孔部の1つが、前記筒状体の周方向他方側におけるセンターシール部の側端縁に跨って形成されている。
【0014】
上述のように、肉厚なセンターシール部は、一般に、これを横切るように切断することは困難である。
上記他の好ましいラベル付き容器においては、傾斜切断用補助線の貫通孔部がセンターシール部の側端縁に跨って形成されているので、この貫通孔部がセンターシール部を切断する切断起点となる。このため、傾斜切断用補助線に従ってセンターシール部を横切って切断できる。
【0015】
本発明の他の好ましいラベル付き容器は、前記接着剤が、前記第1縦切断用補助線の近傍及び前記第2縦切断用補助線の近傍における内面に少なくとも設けられている。
【0016】
この好ましいラベル付き容器は、熱収縮性筒状ラベルの上記帯状領域を除去した後に生じる熱収縮性筒状ラベルの両側縁部が捲れることを防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るラベル付き容器は、熱収縮性筒状ラベルが容器に装着されているが、容器のひび割れを容易に発見できる。また、本発明によれば、容器の形状や充填物の種類に拘わらず、容器のひび割れを発見できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】1つの実施形態のラベル付き容器の正面図。
【図2】図1のII−II線の一部断面図。ただし、容器は断面で示していない。
【図3】1つの実施形態に係る熱収縮性筒状ラベルの正面図。
【図4】同熱収縮性筒状ラベルの左側面図。
【図5】同熱収縮性筒状ラベルの右側面図。
【図6】図3の丸囲いVI部の拡大正面図図。
【図7】図6のVII−VII線断面図。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図。
【図9】熱収縮性筒状ラベルのセンターシール部の略中央部を上下方向に切断し、そのラベルを平面状に展開して内側から見た参考図。なお、接着部が設けられた範囲を薄墨塗りで示している(図12も同様)。
【図10】傾斜切断用補助線に従って熱収縮性筒状ラベルを切断し始めた状態を示すラベル付き容器の正面図。
【図11】傾斜切断用補助線、横切断用補助線、第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線に従って熱収縮性筒状ラベルを切断し、ラベルの上方領域及び帯状領域を除去した後のラベル付き容器の正面図。
【図12】他の実施形態の熱収縮性筒状ラベルのセンターシール部の略中央部を上下方向に切断し、そのラベルを平面状に展開して内側から見た参考図。
【図13】他の実施形態の熱収縮性筒状ラベルの正面図。
【図14】他の実施形態の熱収縮性筒状ラベルの一部省略正面図。
【図15】他の実施形態の熱収縮性筒状ラベルの一部省略正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ただし、用語の接頭語として、「第1」、「第2」などを用いるが、これは、用語を区別するために付するものであり、その優劣、順序などを意味するものではない。また、方向を示す用語として、「上」は、自立状態のラベル付き容器を基準として、自立させた面から鉛直方向へ離れる方向を指す。「下」は、同状態のラベル付き容器を基準として、自立させた面に近づく方向を指す。「上下方向」とは、同状態のラベル付き容器を基準として、熱収縮性筒状ラベルの軸線方向を指し、「周方向」とは、同状態のラベル付き容器を基準にして、熱収縮性筒状ラベルの軸線周り方向を指す。
第1縦切断用補助線、第2縦切断用補助線、横切断用補助線及び傾斜切断用補助線を総称する場合には、単に切断用補助線と記す。
また、本明細書における「甲〜乙]という記載は、甲以上乙以下を意味する。
【0020】
図1及び図2に於いて、1は、容器2と、容器2の少なくとも胴部21に熱収縮によって装着された熱収縮性筒状ラベル3と、を備えるラベル付き容器を示す。
熱収縮性筒状ラベル3は、熱収縮性フィルムを筒状に成形した筒状体31を有する。その筒状体31の面内には、上下方向に延びる一対の縦切断用補助線(第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42)と、周方向に延びる横切断用補助線5と、傾斜して延びる傾斜切断用補助線6と、がそれぞれ形成されている。
熱収縮性筒状ラベル3は、熱収縮によって容器2に装着されているが、さらに、熱収縮性筒状ラベル3の内面に設けられた接着部7を介して、容器2の外面に部分接着されている。
【0021】
容器2は、ひび割れが生じ得る材質(例えば、ガラス又は陶器)から形成されており、その外面に熱収縮性筒状ラベル3が熱収縮装着可能である。
例えば、容器2は、筒状の胴部21と、胴部21の上方に形成された首部22と、首部22に着脱自在であり且つ容器2の開口部を塞ぐキャップ部23と、を有する。図2に示すように、図示した容器2は、胴部21及び首部22が円筒状で且つ首部22が胴部21よりも小径な形状であると共に、キャップ部23がねじ作用によって首部22に取り付けられる。もっとも、容器2の形状は、これに限定されない。例えば、三次元曲面の胴部を有する容器(例えば胴部が外側に膨らんだ達磨型又は瓢箪型の容器など)に本発明を適用できる。本発明においては、熱収縮性筒状ラベルを容器に装着しつつその締付け力を解除して容器のひび割れを発見できるので、紙ラベルやタックラベルでは従来添付できなかった3次元曲面を有する胴部へのラベル表示が可能となる。
【0022】
この容器2の胴部21から首部22及びキャップ部23の一部にまで(キャップ部23の上面周縁部にまで)、熱収縮性筒状ラベル3が熱収縮装着されている。
容器2に充填される充填物は、特に限定されず、ジュースなどの飲料、ジャムなどのゲル状食品、シャンプーなどのサニタリー品、医薬品、化粧品、顆粒状の洗剤などの粒状体などが挙げられる。
【0023】
図3乃至図8は、容器に装着されていない状態の熱収縮性筒状ラベルであって、筒状に開口させた状態の熱収縮性筒状ラベルを示す。図3乃至図8に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の基本構成は、熱収縮可能な筒状体31からなり、この筒状体31の面内に各切断用補助線41,42,5,6が形成されている。また、熱収縮性筒状ラベル3には、所望の意匠(商品名、絵柄、説明書きなど)が印刷されている(図示せず)。
【0024】
筒状体31は、収縮温度(例えば80℃〜100℃)で熱収縮しうる熱収縮性フィルムから形成されている。この熱収縮性フィルムを筒状にしてその両側端部31a,31bを所定幅重ね合わせ且つその重ね合わせ部分32を接着することにより、筒状体31が構成されている。前記重ね合わせ部分32は、例えば、接着剤又は溶剤を用いて接着できる。前記接着した重ね合わせ部分32は、一般に、センターシール部と呼ばれ、本明細書では、その部分をセンターシール部32と記す。
【0025】
センターシール部32は、筒状体31(熱収縮性筒状ラベル3)の上縁から下縁にかけて帯状に延びて存在している。センターシール部32は、フィルムが重なり合った部分であり、一対の側端縁(第1側端縁321及び第2側端縁322)を有する。センターシール部32の中心部を基準にして、センターシール部32の第1側端縁321は、筒状体31の周方向一方側Xに位置する縁であり、センターシール部32の第2側端縁322は、筒状体31の周方向他方側Y(前記周方向一方側Xとは反対側)に位置する縁である。
【0026】
センターシール部32の幅は、特に限定されないが、通常、3mm〜10mm程度であり、センターシール部32の上下長さは、筒状体31の上下長さに等しい。なお、センターシール部32の幅とは、周方向における長さであって、センターシール部32の第1側端縁321と第2側端縁322の間の長さを意味する。
【0027】
熱収縮性フィルムは、少なくとも幅方向(筒状に形成した際に於ける周方向。以下同じ)に熱収縮しうるものであればその材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系、環状オレフィン系、塩化ビニル系などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などからなる熱可塑性合成樹脂製フィルムが挙げられる。また、熱収縮性フィルムとして、熱収縮性を有する2種以上のフィルムが積層された積層フィルム、熱収縮性を有するフィルムに、不織布や発泡樹脂シートなどの断熱層及び/又はバリア層などの機能層が積層された積層フィルムなどを用いることもできる。
かかる熱収縮性フィルムの表面又は/及び裏面には、印刷によって意匠印刷層(図示せず)が設けられている。
【0028】
熱収縮性フィルムの幅方向に於ける熱収縮率は、例えば、約30%以上であり、好ましくは約40%以上である。また、熱収縮性フィルムは他方向(フィルム面内で前記幅方向と直交する方向)に若干熱収縮してもよく、かかる他方向に於ける熱収縮率は、約−3〜15%程度である。前記熱収縮率は、フィルムを90℃温水中に10秒間浸漬した後の収縮度合いであり、下記式によって求められる。
熱収縮率(%)=[{(幅方向(又は他方向)の元の長さ)−(幅方向(又は他方向)の浸漬後の長さ)}/(幅方向(又は他方向)の元の長さ)]×100。
熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、一般に、20μm〜200μmであり、好ましくは30μm〜100μmである。
【0029】
上記筒状体31には、第1縦切断用補助線41、第2縦切断用補助線42、横切断用補助線5、及び傾斜切断用補助線6がそれぞれ形成されている。
ここで、本発明においては、切断用補助線としては、ミシン目線、ハーフカット線などが用いられる。
ミシン目線は、ミシン針の縫い跡の如くフィルムの表裏面に貫通する貫通孔部と、非貫通部と、を交互に有する線であり、切込み線(ミシン目線の貫通孔部が複数繋がったような、長い切り目)が含まれていてもよい。
ハーフカット線は、フィルムの一面を厚み方向に略V字状に切り込んだ刻み線である。
【0030】
切断用補助線に従って切断線が生じ易いことから、切断用補助線としてはミシン目線を用いることが好ましい。各図においては、切断用補助線としてミシン目線が用いられた例を示している。
ミシン目線は、隣接する貫通孔部の間に、非貫通部(貫通処理のなされていないフィルム部分)が存在する。1つの貫通孔部の正面視形状は、細長い直線状、針穴状(円形孔又は楕円形孔)などが挙げられる。ミシン目線に従ってフィルムが切れ易くなることから、1つの貫通孔部の形状は、図6に示すように、細長い直線状が好ましい。前記ミシン目線の貫通孔部の長さは、例えば、0.3〜2mmであり、ミシン目線の非貫通部の長さは、例えば、0.3〜1mmである。
ミシン目線は、ミシン刃、レーザーなどの手段を用いてフィルムに形成できる。
【0031】
第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、熱収縮性筒状ラベル3の上下方向と略平行に延び、それぞれ筒状体31の面内中途部から下方部にかけて形成されている。なお、本実施形態では、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、筒状体31の下縁にまで形成されている。第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42が、筒状体31の下方部(筒状体31の下縁よりも少し上方位置)まで形成されていても、或いは、筒状体31の下縁まで形成されていても、何れの場合でも、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42を利用して熱収縮性筒状ラベル3を分断できる。
【0032】
なお、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、熱収縮性筒状ラベル3の上下方向と略平行に形成されている場合に限られず、ラベル3の下方又は上下方向中央部に向かうに従って第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42の間隔が離反する又は近づくように第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42が形成されていてもよい。また、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、直線状に形成されている場合に限られず、曲線状などでもよい。
【0033】
上記第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、筒状体31のセンターシール部32を挟んで形成されている。
具体的には、第1縦切断用補助線41は、センターシール部32の第1側端縁321よりも周方向一方側Xであって、その第1側端縁321の近傍で且つそれと略平行に形成されている。
第2縦切断用補助線42は、センターシール部32の第2側端縁322よりも周方向他方側Yであって、その第2側端縁322の近傍で且つそれと略平行に形成されている。
さらに、第2縦切断用補助線42は、第1縦切断用補助線41よりもセンターシール部32に近い位置に形成されている。
【0034】
換言すると、センターシール部32は、第1縦切断用補助線41と第2縦切断用補助線42の間に位置し、さらに、センターシール部32は、第1縦切断用補助線41よりも第2縦切断用補助線42側に片寄って設けられている。
第2縦切断用補助線42とセンターシール部32の第2側端縁322の間の幅は、できるだけ小さいことが好ましく、例えば、0.5mm〜7mm程度が挙げられる。第1縦切断用補助線41とセンターシール部32の第1側端縁321の間の幅は、特に限定されないが、例えば、2mm〜20mm程度が挙げられる。
【0035】
この第1縦切断用補助線41と第2縦切断用補助線42の間に存在する帯状領域Bには、周方向に延びる横切断用補助線(ミシン目線や切込み線など)が形成されていない。すなわち、前記帯状領域Bは、フィルムの厚み方向に刻設加工が行われておらず、フィルムのままである。
【0036】
また、横切断用補助線5は、第1端部51及び第2端部52を有し、筒状体31の周方向に形成された有端の線である。横切断用補助線5の第1端部51は、第1縦切断用補助線41の上端部に繋がっている。横切断用補助線5は、この第1端部51から筒状体31の周方向一方側Xに延びて筒状体31に周設され、横切断用補助線5の第2端部52は、第2縦切断用補助線42の上端部に繋がっている。
【0037】
なお、切断用補助線がミシン目線である場合、横切断用補助線5の端部が第1縦切断用補助線41又は第2縦切断用補助線42の上端部に繋がっているとは、貫通孔部及び非貫通部が一連に集合した線からなるミシン目線が、実質的に交差していることを意味する。実質的に交差しているとは、一方の切断用補助線の貫通孔部が他方の切断用補助線の貫通孔部に交わっている場合;一方の切断用補助線の貫通孔部が他方の切断用補助線の貫通孔部又は非貫通部の近傍に位置する場合;一方の切断用補助線の貫通孔部が他方の切断用補助線の非貫通部に交わっている場合;一方の切断用補助線の非貫通部が他方の切断用補助線の貫通孔部又は非貫通部の近傍に位置する場合;などが挙げられる。
【0038】
また、傾斜切断用補助線6は、筒状体31の面内のうち、横切断用補助線5よりも上方の領域(上方領域A)に形成されている。
傾斜切断用補助線6の下端部は、横切断用補助線5の第1端部51に繋がっている。なお、この傾斜切断用補助線6の下端部が横切断用補助線5の第1端部51に繋がっているとは、上記横切断用補助線5の端部が第1縦切断用補助線41又は第2縦切断用補助線42の上端部に繋がっているという意味と同義である。
【0039】
傾斜切断用補助線6は、その下端部から筒状体31の周方向他方側Yへ上向きに傾斜して延びている。傾斜切断用補助線6は、その下端部から筒状体31の周方向他方側Yへ上向きに傾斜している。
詳しくは、この傾斜切断用補助線6は、その下端部からセンターシール部32を横切って上向き傾斜状に延び、傾斜切断用補助線6の上端部は、筒状体31の上縁に至っている。この傾斜切断用補助線6は、センターシール部32を横切っており、従って、傾斜切断用補助線6の下端部は、センターシール部32の第1側端縁321よりも周方向一方側Xに位置し、且つ傾斜切断用補助線6の上端部は、センターシール部32の第2側端縁322よりも周方向他方側Yに位置している。
【0040】
傾斜切断用補助線6と横切断用補助線5の成す角αは、鈍角であれば特に限定されないが、前記角αが余りに180度及び90度に近すぎると、傾斜切断用補助線6が実質的に傾斜して形成されていないことになるので、前記角αは、110度〜170度程度が好ましく、120度〜150度程度がより好ましい。
【0041】
また、傾斜切断用補助線6がミシン目線である場合、図6及び図7に示すように、傾斜切断用補助線6の貫通孔部の1つが筒状体31のセンターシール部32の第2側端縁322に跨るように、ミシン目線からなる傾斜切断用補助線6が形成されている。
この傾斜切断用補助線6の貫通孔部を比較的長い切り目(切込み線)とし、この貫通孔部(切込み線)をセンターシール部の第1側縁部321から第2側縁部322にかけて形成してもよい。このような貫通孔部は、センターシール部32を上下2つに完全に分断している。従って、かかる貫通孔部を有する傾斜切断用補助線6が形成された熱収縮性筒状ラベル3は、センターシール部32に邪魔されずに、傾斜切断用補助線6に従って確実に切断できるので好ましい。
【0042】
一方、図9に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の内面であって、横切断用補助線5、筒状体31の下縁、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42によって囲われた領域の全体に、接着剤からなる接着部7が設けられている。
この接着部7を介して熱収縮性筒状ラベル3は容器2の外面に接着されている。
接着剤としては、水系接着剤、溶剤型接着剤、感熱性接着剤などを用いることができる。水系接着剤は、水分塗布又は高湿状態において粘着性を発揮し、乾燥後に被着体に接着する剤である。溶剤型接着剤は、樹脂成分が溶剤に溶解され、溶剤の揮発によって被着体に接着する剤である。感熱性接着剤は、常温で粘着性を示さず且つ加熱によって粘着性を示し、冷却後に被着体に接着する接着剤である。
【0043】
上記感熱性接着剤は、熱収縮性筒状ラベル3を容器2に熱収縮装着するときに用いる熱源によって、粘着性を生じる。また、上記水系接着剤や感熱性接着剤は、熱収縮性筒状ラベル3を容器2に熱収縮装着するときに用いるスチームによって、粘着性を生じる。このように水系接着剤や感熱性接着剤を用いれば、熱収縮性筒状ラベル3を熱収縮させると同時に、接着部7を介して、熱収縮性筒状ラベル3を容器2の外面に接着させることができる。
【0044】
熱収縮性筒状ラベル3は、その横切断用補助線5が容器2の首部22(キャップ部23の下縁又は下縁よりも少し下方側)に対応するように位置決めされ、その状態で熱収縮させることによって、容器2に装着されている。もっとも、横切断用補助線5が容器2の胴部21の上下方向中途部に対応するように、熱収縮性筒状ラベル3が容器2に位置決めされて装着されていてもよい。
【0045】
上記ラベル付き容器1においては、図10に示すように、傾斜切断用補助線6の上端部より周方向一方側における熱収縮性筒状ラベル3の一部分(上部3c)を指で摘み、この上部3cを容器2の周囲に円弧を描くように外側且つ筒状体31の周方向一方側Xへ引き出すことにより、傾斜切断用補助線6に従って熱収縮性筒状ラベル3が切れていく。本明細書において、熱収縮性筒状ラベルが切れていくことを「切断」といい、その切断によって生じる切れ目を「切断線」という。
【0046】
ところで、傾斜切断用補助線6は、フィルムが2枚重なった肉厚なセンターシール部32を横切っているので、傾斜切断用補助線6に従って熱収縮性筒状ラベル3を切断し、その切断線がセンターシール部32の第2側端縁322に至ると、センターシール部32の第2側端縁322に従って切断されていく可能性がある。この点、傾斜切断用補助線6の貫通孔部は、センターシール部32の第2側端縁322に跨って形成されているので、この貫通孔部がセンターシール部32を上下2つに分断するための切断起点となる。このため、切断線がセンターシール部32の第2側端縁322に至っても、傾斜切断用補助線6に従ってセンターシール部32を横切って確実に切断できる。
【0047】
そして、傾斜切断用補助線6の下端部は、横切断用補助線5の第1端部51に繋がっているので、切断線は、傾斜切断用補助線6に続いて横切断用補助線5の第1端部51から横切断用補助線5に従って周方向一方側Xに生じていく。
さらに、横切断用補助線5の第2端部52は、第2縦切断用補助線42の上端部に繋がっているので、切断線が横切断用補助線5の第2端部52に至ると、横切断用補助線5よりも上方の熱収縮性筒状ラベル3の上方領域Aが容器2から除去される。
【0048】
切断線が横切断用補助線5の第2端部52に至った後、前記上部5cを筒状体31の外側下方に引き出すことにより、第2縦切断用補助線42及び第1縦切断用補助線41にそれぞれ従って熱収縮性筒状ラベル3は切断されていく。つまり、第2縦切断用補助線42及び第1縦切断用補助線41にそれぞれ従った2つの切断線が生じていく。
第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、肉厚なセンターシール部32を挟んで形成されているので、2つの切断線が第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42から外れても、センターシール部32の両側端縁321,322に沿って切れるので、熱収縮性筒状ラベル3の帯状領域Bを確実に除去できる。
【0049】
特に、第2縦切断用補助線42は、第1縦切断用補助線41よりもセンターシール部32に近い位置に形成されている。このため、切断線が横切断用補助線5の第2端部52に至った後、前記切断線が周方向一方側へ向かって生じることを、前記センターシール部32が防止する。従って、横切断用補助線5の第2端部52に至った切断線は、センターシール部32の第2側縁部322に導かれるように下方に向かうので、第2縦切断用補助線42にほぼ従って切断されていく。
【0050】
以上のように、熱収縮性筒状ラベル3の上方領域A及び帯状領域Bを除去することにより、図11に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の一部分が左右に分断されるので、容器2に対する熱収縮性筒状ラベル3の締付け力が解除される。かかる締付け力を解除すれば、もし容器2にひび割れが生じている場合には、容器2が実際に割れるので、容器2のひび割れを容易に発見できる。
【0051】
さらに、第1縦切断用補助線41と第2縦切断用補助線42によって挟まれた帯状領域Bには、センターシール部32が存在するので、帯状領域Bの除去が途切れることなく、熱収縮性筒状ラベル3を容易に分断できる。特に、第1縦切断用補助線41と第2縦切断用補助線42によって挟まれた帯状領域Bには、周方向に延びる切断用補助線が形成されていないので、前記帯状領域Bの除去が途切れることを確実に防止できる。
【0052】
熱収縮性筒状ラベル3の上方領域A及び帯状領域Bを除去すると、容器2のキャップ部23を開封できるようになる。
なお、熱収縮性筒状ラベル3は上記接着部7において容器2に接着しているため、熱収縮性筒状ラベル3の上方領域A及び帯状領域Bを除去した後でも、熱収縮性筒状ラベル3の残る部分が容器2から外れることがない。従って、これらの領域を除去した後でも、意匠表示(商品名、説明書き、賞味期限など)が容器2に残ったままとなり、ラベルの表示機能は損なわれない。
【0053】
本発明のラベル付き容器は、上記実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で様々に変更できる。以下、本発明の様々な他の実施形態を説明するが、上記実施形態と同様の構成については、その説明を省略し、用語及び符号をそのまま援用する場合がある。
【0054】
上記実施形態では、接着部7は、横切断用補助線5、筒状体31の下縁、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42によって囲われた領域の全体に設けられているが、必ずしもこの領域の全体に接着部7が設けられていなくてもよく、この領域における内面の一部分に接着部7が設けられていてもよい。
前記領域の一部分に接着部7を設ける場合(前記領域の全体に接着部7を設けない場合)、その接着部7の形成部分は、特に限定されず、例えば、接着部7が、前記領域において周方向に帯状に且つこれが上下にストライプ状に設けられていてもよい。
【0055】
好ましくは、図12に示すように、横切断用補助線5、ラベル3の下縁、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42によって囲われた領域のうち、第1縦切断用補助線41の近傍及び第2縦切断用補助線42の近傍における内面に、接着部7が少なくとも設けられる。このように少なくとも第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42の近傍に接着部7が設けられていることにより、帯状領域Bを除去した後に生じる熱収縮性筒状ラベル3の両側縁部が捲れることを防止できる。
【0056】
また、上記実施形態では、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42がセンターシール部32を挟むような位置に形成されているが、一対の第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、それらの間にセンターシール部32を有しない領域に形成されていてもよい。
【0057】
さらに、上記実施形態では、傾斜切断用補助線6の下端部は、横切断用補助線5の第1端部51に繋がっているが、これに限定されず、傾斜切断用補助線6の下端部が横切断用補助線の第1端部の近傍に位置するように、傾斜切断用補助線6が形成されていてもよい。
例えば、図13(a)に示すように、傾斜切断用補助線6の下端部が、横切断用補助線5の第1端部51の近傍であってこの第1端部51よりも周方向一方側に離れた位置において横切断用補助線5に繋がるように、傾斜切断用補助線6が形成されていてもよい。
【0058】
また、図13(b)に示すように、傾斜切断用補助線6の下端部が、横切断用補助線5の第1端部51の近傍であってこの第1端部51よりも周方向他方側に離れた位置になるように、傾斜切断用補助線6が形成されていてもよい。図13(b)の熱収縮性筒状ラベル3の場合には、傾斜切断用補助線6の下端部が横切断用補助線5に繋がっていないため、傾斜切断用補助線6に従って切断した後、横切断用補助線5へと切れないおそれがある。かかる事態を防止するため、図13(b)に示すように、傾斜切断用補助線6の下端部に、周方向に延びる切込み線63を形成しておくことが好ましい。この切込み線63は、傾斜切断用補助線6の下端部に繋がっており、切込み線63の周方向一方側における端部は、横切断用補助線5と同じ上下方向位置にあり且つ横切断用補助線5の第1端部51の近傍に配置されている。
なお、図13においては、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42の間にセンターシール部32が図示されていないが、上記実施形態と同様に、これらの間にセンターシール部32が位置していてもよい。
【0059】
さらに、上記実施形態では、熱収縮性筒状ラベル3の上縁は正面から見て直線状であるが、例えば、図13(b)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の上縁に摘み部33を延設してもよい。この摘み部33は、傾斜切断用補助線6よりも周方向一方側に延設される。このような摘み部33を設ければ、これを摘んで熱収縮性筒状ラベル3の一部分を容易に切断できる。
【0060】
また、上記実施形態では、傾斜切断用補助線6は、直線状であるが、図14(a)に示すように、湾曲状に形成されていてもよい。
さらに、上記実施形態では、傾斜切断用補助線6は、1本からなるが、図14(b)に示すように、傾斜切断用補助線6は、2本の第1及び第2傾斜切断用補助線61,62から構成されていてもよい。この場合、第1及び第2傾斜切断用補助線61,62は、略平行に且つ近接して設けられる。なお、傾斜切断用補助線6は、3本以上の補助線から構成されていてもよい。このように、傾斜切断用補助線6が複数本の補助線から構成されている場合、切断線が傾斜切断用補助線6から外れ難く、傾斜切断用補助線6に従って確実に切り取ることができる。
【0061】
また、図14(c)に示すように、筒状体31の面内に、傾斜切断用補助線6に加えて、副傾斜切断用補助線81を設けてもよい。この副傾斜切断用補助線81は、傾斜切断用補助線6よりも周方向一方側であって、筒状体31の上縁から傾斜切断用補助線6と略平行に下方斜めに延び、その下端部が横切断用補助線5に繋がっていない。
【0062】
さらに、上記実施形態において、傾斜切断用補助線6の上端部は、筒状体31の上縁にまで延びているが、例えば、図15(a)に示すように、傾斜切断用補助線6の上端部6aが筒状体31の上縁まで形成されていなくてもよい。この場合、同図に示すように、傾斜切断用補助線6の上端部6aから筒状体31の上縁にまで、誘導切断用補助線9を形成することが好ましい。この誘導切断用補助線9は、例えば、傾斜切断用補助線6の上端部6aに繋がり且つ上方に延びる第1誘導切断用補助線91と、第1誘導切断用補助線91の上端部に繋がり且つ周方向一方側へ上向き傾斜して延びる第2誘導切断用補助線92と、からなる。第1及び第2誘導切断用補助線91,92としては、例えば、ミシン目線が用いられる。
【0063】
傾斜切断用補助線6の上端部6aが、筒状体31の面内に位置している本実施形態では、傾斜切断用補助線6に従って切断するため、傾斜切断用補助線6の上端部6aに繋がる切断開始起点が必要となる。上記誘導切断用補助線9は、この切断開始起点となり、第2誘導切断用補助線92の上端部よりも周方向一方側における熱収縮性筒状ラベル3の上部5dを指で摘み、これを引き出すことにより、第1及び第2誘導切断用補助線91,92から傾斜切断用補助線6に従って切断され、その後、横切断用補助線5に従って切断されていく。
【0064】
また、傾斜切断用補助線6の上端部6aが筒状体31の面内に位置し且つこの上端部6aに誘導切断用補助線9が設けられている上記熱収縮性筒状ラベル3において、図15(b)に示すように、第1誘導切断用補助線91が、ミシン目線でなく、上下方向に延びる切込み線から形成されていてもよい。この場合、第1誘導切断用補助線91が切込み線からなるので、その縁部5eを捲って指で摘み、これを容器2の周囲に円弧を描くように外側且つ周方向一方側に引き出すことにより、傾斜切断用補助線6に従って熱収縮性筒状ラベル3が切れていく。このように第1誘導切断用補助線91が切込み線からなる場合には、第1誘導切断用補助線91の縁部5eが摘み部として機能し、熱収縮性筒状ラベル3の上方領域及び帯状領域を容易に切り取ることができる。
【0065】
なお、図14及び図15においては、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42の間にセンターシール部32が図示されていないが、上記実施形態と同様に、これらの間にセンターシール部32が位置していてもよい。
上記において補助線に関する様々な実施形態を示したが、1つ又は2つ以上の実施形態の構成をそれ以外の実施形態に示した構成に適宜組み合わすことも可能である。
【0066】
さらに、上記実施形態では、熱収縮性筒状ラベル3は、容器2の胴部21の下端からキャップ部23にかけて熱収縮装着されているが、例えば、熱収縮性筒状ラベル3が容器2の胴部21の中途部からキャップ部23にかけて熱収縮装着されていてもよいし、或いは、熱収縮性筒状ラベル3がキャップ部23を除いた容器2の胴部21にのみ熱収縮装着されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明のラベル付き容器は、ジュースなどの飲料、ジャムなどのゲル状食品、シャンプーなどのサニタリー品、医薬品、化粧品、顆粒状洗剤などの粒状体などを収納する容器として利用できる。
【符号の説明】
【0068】
1…ラベル付き容器、2…容器、3…熱収縮性筒状ラベル、41…第1縦切断用補助線、42…第2縦切断用補助線、5…横切断用補助線、6…傾斜切断用補助線、7…接着部、A…上方領域、B…帯状領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱収縮性フィルムを筒状に成形した筒状体を有し、且つ前記筒状体の面内に横切断用補助線、傾斜切断用補助線並びに一対の第1及び第2縦切断用補助線がそれぞれ形成されている熱収縮性筒状ラベルと、前記熱収縮性筒状ラベルが熱収縮装着された容器と、を備え、
前記第1及び第2縦切断用補助線は、前記筒状体の面内中途部から下方部にかけて上下方向にそれぞれ延びており、
前記横切断用補助線は、その第1端部が前記第1縦切断用補助線の上端部に繋がり、その第1端部から筒状体の周方向一方側に延びていると共に、その第2端部が前記第2縦切断用補助線の上端部に繋がっており、
前記傾斜切断用補助線は、その下端部が前記横切断用補助線の第1端部に繋がっている又は前記横切断用補助線の第1端部の近傍に位置し、その下端部から筒状体の周方向他方側へ上向きに傾斜して延びており、
前記横切断用補助線、筒状体の下縁、第1及び第2縦切断用補助線によって囲われた領域内における前記熱収縮性筒状ラベルの内面の一部分又は全体が、接着剤を介して前記容器の外面に接着されていることを特徴とするラベル付き容器。
【請求項2】
前記筒状体が、熱収縮性フィルムの両側端部を重ね合わせて接着したセンターシール部を有し、
前記第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線が、センターシール部を挟んで形成されている請求項1に記載のラベル付き容器。
【請求項3】
前記傾斜切断用補助線が、複数の貫通孔部と非貫通部を交互に有するミシン目線であり、
前記傾斜切断用補助線の貫通孔部の1つが、前記筒状体の周方向他方側におけるセンターシール部の側端縁に跨って形成されている請求項2に記載のラベル付き容器。
【請求項4】
前記接着剤が、前記第1縦切断用補助線の近傍及び前記第2縦切断用補助線の近傍における内面に少なくとも設けられている請求項1〜3の何れかに記載のラベル付き容器。
【請求項1】
熱収縮性フィルムを筒状に成形した筒状体を有し、且つ前記筒状体の面内に横切断用補助線、傾斜切断用補助線並びに一対の第1及び第2縦切断用補助線がそれぞれ形成されている熱収縮性筒状ラベルと、前記熱収縮性筒状ラベルが熱収縮装着された容器と、を備え、
前記第1及び第2縦切断用補助線は、前記筒状体の面内中途部から下方部にかけて上下方向にそれぞれ延びており、
前記横切断用補助線は、その第1端部が前記第1縦切断用補助線の上端部に繋がり、その第1端部から筒状体の周方向一方側に延びていると共に、その第2端部が前記第2縦切断用補助線の上端部に繋がっており、
前記傾斜切断用補助線は、その下端部が前記横切断用補助線の第1端部に繋がっている又は前記横切断用補助線の第1端部の近傍に位置し、その下端部から筒状体の周方向他方側へ上向きに傾斜して延びており、
前記横切断用補助線、筒状体の下縁、第1及び第2縦切断用補助線によって囲われた領域内における前記熱収縮性筒状ラベルの内面の一部分又は全体が、接着剤を介して前記容器の外面に接着されていることを特徴とするラベル付き容器。
【請求項2】
前記筒状体が、熱収縮性フィルムの両側端部を重ね合わせて接着したセンターシール部を有し、
前記第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線が、センターシール部を挟んで形成されている請求項1に記載のラベル付き容器。
【請求項3】
前記傾斜切断用補助線が、複数の貫通孔部と非貫通部を交互に有するミシン目線であり、
前記傾斜切断用補助線の貫通孔部の1つが、前記筒状体の周方向他方側におけるセンターシール部の側端縁に跨って形成されている請求項2に記載のラベル付き容器。
【請求項4】
前記接着剤が、前記第1縦切断用補助線の近傍及び前記第2縦切断用補助線の近傍における内面に少なくとも設けられている請求項1〜3の何れかに記載のラベル付き容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−35898(P2012−35898A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179995(P2010−179995)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
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