説明

ラベル作成装置

【課題】自動的に印字位置の調整を行い、操作者の労力負担を低減する。
【解決手段】ラベル作成装置1は、テープ送りローラ駆動軸14と、印字ヘッド9とを有する。ラベル作成装置1のCPU44は、印字ヘッド9に、パターン印字領域Spに対し、定形パターンRp1〜Rp11を、テープ幅方向一方側へ規則的にずらしつつ、基材テープ53の搬送方向に並べて印字させる。そして、印字ヘッド9がパターン印字領域Spに対し印字した定形パターンRp1〜Rp11を順次検出する。その後、その検出結果に基づき、定形パターンRp6の印字端部RE6の、基材テープ53のテープ端部53Eからの位置ずれ量に対応する、データ印字領域Sdのテープ幅方向におけるシフト量を決定する。そして、印字ヘッド9に、その決定結果に基づいてシフトされたデータ印字領域Sdに対し印字データの印字を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル用テープ又は被印字テープに対し印字を行い印字ラベルを作成するラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール状のラベル用紙(ラベル用テープ)をラベル供給部に保持し、プラテンローラ(搬送手段)の回動によりラベル供給部からラベル用紙を搬送して、サーマルヘッド(印字手段)の発熱体を発熱させることによりラベル用紙のラベル片に印字を行うプリンタ(ラベル作成装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来技術においては、テスト印字の指示があった場合に、上記ラベル片にテスト印字として目盛が印字される。この目盛は、上記ラベル片の幅情報に基づく上記発熱体の印字最大領域の両端縁を示す基準線を有しており、上記ラベル片の両端縁と基準線とを比較することにより、ラベル用紙の幅方向の印字位置ずれの有無を目視で判断できる。そして、目視により印字位置ずれがあることが確認された場合には、印字位置ずれ量である上記基準線とラベル端縁との距離を実測して、ホストコンピュータの入力部により印字位置を補正する補正値を入力することにより、印字位置ずれの調整を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−186583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術においては、印字位置の調整を行う度に、操作者は、ラベル用テープの印字位置ずれの有無及びその印字位置ずれ量を、自ら確認して入力する必要があるため、操作者の手間を要するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、自動的に印字位置の調整を行い、操作者の労力負担を低減することができるラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、ラベル用テープを搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記ラベル用テープ又は前記ラベル用テープに貼り合わされる被印字テープのうち、データ印字領域に対し所望の印字データの印字を行うための印字手段と、前記ラベル用テープ又は前記被印字テープのうち、パターン印字領域に対し、前記ラベル用テープの搬送方向と直交する方向に関して予め定められた基準位置に前記ラベル用テープが位置する場合に、当該ラベル用テープのテープ幅方向一方側のテープ端部に、テープ幅方向一方側の印字端部が対応した少なくとも1個の基準パターンを含む、複数個の定形パターンを、前記ラベル用テープが搬送されるにつれてテープ幅方向一方側へ規則的にずらしつつ、前記ラベル用テープの搬送方向に並べて印字するように、前記印字手段を制御する第1印字制御手段と、前記第1印字制御手段の制御に基づき前記印字手段が前記パターン印字領域に対し印字した前記複数個の前記定形パターンを順次検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づき、前記基準パターンの前記テープ幅方向一方側の印字端部の、前記ラベル用テープの前記テープ幅方向一方側のテープ端部からの位置ずれ量に対応する、前記データ印字領域のテープ幅方向におけるシフト量を決定する決定手段と、前記決定手段の決定結果に基づいてシフトされた前記データ印字領域に対し前記所望の印字データの印字を行うように、前記印字手段を制御する第2印字制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明においては、搬送手段がラベル用テープを搬送し、その搬送されるラベル用テープ又は被印字テープに設けられたデータ印字領域に対し、印字手段が所望の印字データの印字を行う。これによって印字ラベルが作成される。
【0009】
一方、ラベル用テープ又は被印字テープには、上記データ印字領域とは別のパターン印字領域が設けられている。そして、第1印字制御手段の制御に基づき、印字手段が、そのパターン印字領域に対し、複数個の定形パターンを、ラベル用テープが搬送されるにつれてテープ幅方向一方側へ規則的にずらしつつ、前記ラベル用テープの搬送方向に並べて印字する。これら複数個の定形パターンには、ラベル用テープの搬送方向と直交する方向に関して予め定められた基準位置にラベル用テープが位置する場合に、当該ラベル用テープのテープ幅方向一方側のテープ端部に、テープ幅方向一方側の印字端部が対応した少なくとも1個の基準パターンが含まれている。その後、検出手段により上記パターン印字領域に印字された複数個の定形パターンが順次検出され、その検出結果に基づき、上記基準パターンのテープ幅方向一方側の印字端部の、ラベル用テープのテープ幅方向一方側のテープ端部からの位置ずれ量に対応する、上記印字ラベルの作成の際の上記データ印字領域のテープ幅方向におけるシフト量が決定手段により決定される。そして、その決定結果に基づく第2印字制御手段の制御により、印字手段が、テープ幅方向一方側又はテープ幅方向他方側にシフトされたデータ印字領域に対し、上記所望の印字データの印字を行い、上記印字ラベルを作成する。
【0010】
以上のように、上記基準パターンの印字端部がラベル用テープのテープ端部からどれだけずれているかによって、ラベル用テープが上記基準位置からどれだけずれているか、言い換えれば、ラベル用テープのテープ幅方向における印字位置ずれ量を知ることができる。これにより、ラベル用テープを用いて印字ラベルを作成する際に、自動的に、ラベル用テープのテープ幅方向における印字位置ずれ量に応じた印字位置の調整を行うことができる。この結果、操作者の手動操作に基づき印字位置の調整を行う場合に比べ、操作者の労力負担を低減することができる。
【0011】
第2の発明は、上記第1発明において、前記複数個の前記定形パターンは、前記ラベル用テープの前記テープ幅方向一方側のテープ端部に、前記テープ幅方向一方側の印字端部が対応した特定の定形パターンを含み、前記決定手段は、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記基準パターンの、前記特定の定形パターンからの離隔ドット数を、前記位置ずれ量として算出する算出手段を備えることを特徴とする。
【0012】
本願第2発明においては、検出手段により順次検出される複数個の定形パターンに、印字端部がラベル用テープのテープ端部に対応した特定の定形パターンが含まれている。決定手段に備えられた算出手段は、前述の基準パターンの、上記特定の定形パターンからの離隔ドット数を、前述の位置ずれ量として算出する。これにより、ラベル用テープのテープ幅方向における印字位置ずれ量をドット単位で詳細に表すことができるので、印字位置の調整をさらに高精度に行うことができる。
【0013】
第3の発明は、上記第2発明において、前記ラベル用テープ又は前記印字テープのうち、前記印字手段により印字が行われていない非印字部分は光反射性を備えると共に、前記印字手段により前記定形パターンの印字が行われた印字部分は光吸収性を備え、前記検出手段は、前記ラベル用テープの搬送経路に向かって投光可能な投光手段と、前記投光手段から投光され前記ラベル用テープ又は前記被印字テープの前記非印字部分で反射された反射光を受光し、その受光した光量に対応した検出電圧値を出力可能な受光手段とを備えており、前記受光手段による前記検出電圧値が所定の第1しきい値より小さくなることにより、前記定形パターンを検出すると共に、前記受光手段による前記検出電圧値が前記第1しきい値よりも小さい所定の第2しきい値に到達することにより、前記特定の定形パターンを検出することを特徴とする。
【0014】
本願第3発明においては、投光手段がラベル用テープの搬送経路に向かって投光を行い、ラベル用テープ又は被印字テープの非印字部分での反射光が受光手段に受光され、受光量に応じた検出電圧値が出力される。したがって、前述のように、複数個の定形パターンが、ラベル用テープが搬送されるにつれてテープ幅方向一方側へ規則的にずらされつつ印字されている場合、投光手段の投光範囲外から投光範囲内に定形パターンが入り込んでくるにつれ検出電圧値が低下する。これにより、例えば、テープ端部付近が投光範囲となるように投光手段を設けておき、定形パターンがテープ端部付近に徐々に近づき投光範囲内に入り込み始めると、受光手段の検出電圧値が第1しきい値より小さくなるので、これによって、定形パターンの検出を行うことができる。そしてさらに、定形パターンが投光範囲内に入り込んでくると、受光手段の検出電圧値は、印字端部がラベル用テープのテープ端部に一致する特定の定形パターンまで徐々に小さくなるので、この検出電圧値が第2しきい値に到達したことによって、特定の定形パターンを検出することができる。
【0015】
このようにして、特定の定形パターンを確実に検出することができ、ラベル用テープのテープ幅方向における印字位置ずれ量を確実にドット単位で詳細に表すことができる。
【0016】
第4の発明は、上記第3発明において、前記検出手段は、前記受光手段による前記検出電圧値が略0となることにより、前記特定の定形パターンを検出することを特徴とする。
【0017】
これにより、煩雑な値をしきい値として設定する場合に比べ、特定の定形パターンを簡単な処理により検出することができる。
【0018】
第5の発明は、上記第3又は第4発明において、前記検出手段により前記特定の定形パターンが検出されたかどうかを判定する判定手段をさらに有し、前記第1印字制御手段は、前記判定手段により前記特定の定形パターンが検出されたと判定された場合に、前記定形パターンの印字を終了するように、前記印字手段を制御するパターン終了制御手段を備えることを特徴とする。
【0019】
前述したように、印字手段がパターン印字領域に印字する定形パターンに対する検出結果に応じて、データ印字領域への印字制御が行われる。その際、ラベル用テープを搬送させながら定形パターンの印字を行いつつ定形パターンの検出を行う場合がある。このような場合には、特定の定形パターンの検出が行われた後に、さらに引き続き定形パターンの印字を行う必要はない。そこで本願第5発明においては、前述の特定の定形パターンが検出手段により検出された場合に、パターン終了制御手段の制御により、印字手段は、定形パターンの印字を終了する。これにより、必要以上の無駄な印字動作を防止することができる。また、特定の定形パターンが検出された場合は、前述のようにして定形パターンが十分に投光範囲内に入り込んだ状態である。したがって、これ以上定形パターンの印字を継続すると、定形パターンは、さらにテープ幅方向一方側へとずれていき、逆に投光範囲外へと逸脱していく挙動となる。この結果、ラベル用テープのテープ幅一方側のテープ端部を超えたテープ外領域に対し、印字手段により定形パターンの印字が継続されることとなる。本願第5発明では、このようなテープ外領域への過度の印字継続を回避できる効果もある。この結果、上記テープ外領域での印字手段の印字動作による、当該印字手段と対向する位置に設けられたローラのインク汚れを抑制できる。
【0020】
第6の発明は、上記第1乃至第5発明のいずれかにおいて、前記第1印字制御手段の制御に基づく前記印字手段による前記複数個の前記定形パターンの印字、前記検出手段による前記定形パターンの検出、及び、前記決定手段による前記シフト量の決定を行い、印字位置の調整を行う調整モードと、前記第2印字制御手段の制御に基づき前記印字手段が前記データ印字領域に対し前記所望の印字データの印字を行い、印字ラベルの作成を行うラベル作成モードとを、切り替え可能に備えることを特徴とする。
【0021】
これにより、操作者の意図に応じて、印字位置の調整を行う調整モードと、印字ラベルの作成を行うラベル作成モードとを切り替えることができる。そして、まず調整モードに切り替えて印字位置の調整を行った後に、ラベル作成モードに切り替えることで、確実に印字位置ずれを是正した状態でラベル作成を行うことができる。
【0022】
第7の発明は、上記第1乃至第5発明のいずれかにおいて、前記ラベル用テープを所定の搬送量だけ搬送するように指示するための操作手段をさらに有し、前記操作手段により前記ラベル用テープを前記所定の搬送量だけ搬送するように指示された場合、前記第1印字制御手段は、前記搬送手段が前記ラベル用テープを前記所定の搬送量だけ搬送するまでの間に、前記パターン印字領域に対し前記複数個の前記定形パターンの印字を行うように、前記印字手段を制御し、前記検出手段は、前記第1印字制御手段の制御に基づき前記印字手段が前記パターン印字領域に対し印字した前記複数個の前記定形パターンを順次検出することを特徴とする。
【0023】
本願第7発明においては、ラベル作成動作時のいわゆるテープフィードの際に印字位置の調整が行われる。これにより、最初に調整モードに切り替えて印字位置ずれの調整を行った後に、ラベル作成モードに切り替えて改めてラベル作成を行う場合に比べ、ラベル用テープの無駄使いを防止することができる。
【0024】
第8の発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記第1印字制御手段は、前記第2印字制御手段の制御に基づき前記データ印字領域に対し前記所望の印字データの印字を行った後に、次回のラベル作成の際の前記データ印字領域よりもテープ先端側に位置する前記パターン印字領域に対し前記複数個の前記定形パターンの印字を行うように、前記印字手段を制御し、前記検出手段は、前回のラベル作成の際に前記第1印字制御手段の制御に基づき前記印字手段が前記パターン印字領域に対し印字した前記複数個の前記定形パターンを順次検出することを特徴とする。
【0025】
本願第8発明においては、印字ラベルの作成の際に、次回の印字ラベルの先端部分(いわゆる前余白)となるパターン印字領域に対し、複数個の定形パターンの印字が行われる。この結果、その後新しく印字ラベルの作成を行う際には、今回の印字ラベルの先端部分となるパターン印字領域に前回の印字ラベルの作成のときに印字された複数個の定形パターンの検出が行われ、印字位置の調整が行われる。これにより、1枚のラベル作成動作において、定形パターンの印字、定形パターンの検出、印字位置ずれ是正、及び印字データの印字を行う場合に比べ、ラベルとして使用しない部分の無駄な搬送動作を削減でき、ラベル用テープの無駄使いを防止することができる。
【0026】
第9の発明は、上記第3乃至第5発明のいずれかにおいて、前記第1印字制御手段は、前記複数個の前記定形パターンのそれぞれに付随して、反射領域を調整するための調整パターンを印字するように、前記印字手段を制御することを特徴とする。
【0027】
これにより、例えば、投光手段による投光範囲が上記規則的にずれていく複数個の定形パターンのずれ分よりも広い場合に、上記ずれ分を際立たせるマスキングを行うように、調整パターンを印字することが可能となる。この結果、誤検出の少ない高精度な検出を行うことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、自動的に印字位置の調整を行い、操作者の労力負担を低減することができることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施の形態のラベル作成装置を備えたラベル作成システムの全体構成を表すシステム構成図である。
【図2】開閉蓋を開いた状態において、筐体内部のカートリッジホルダ、及び、それに装着させるカートリッジの外観構成を表す斜視図である。
【図3】カートリッジを装着した状態のカートリッジホルダの周辺部分を、カートリッジとともに示す平面図である。
【図4】ラベル作成装置の機能構成を表す機能ブロック図である。
【図5】印字ラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。
【図6】VI−VI′断面による横断面図を90°回転させて示す断面図である。
【図7】パターン印字領域に対し印字された複数個の定形パターンを説明する説明図である。
【図8】パターン印字領域に印字された定形パターンの一例を表す説明図である。
【図9】図8に示す位置に位置する基材テープに対し印字された印字パターンが検出される前後における検出電圧値Vの変化を、投光器の投光範囲と定形パターンとの配置関係の模式図と共に示すタイムチャートである。
【図10】パターン印字領域に印字された定形パターンの別の例を表す説明図である。
【図11】図10に示す位置に位置する基材テープに対し印字された印字パターンが検出される前後における検出電圧値Vの変化を、投光器の投光範囲と定形パターンとの配置関係の模式図と共に示すタイムチャートである。
【図12】パターン印字領域に印字された定形パターンのさらに別の例を表す説明図である。
【図13】図12に示す位置に位置する基材テープに対し印字された印字パターンが検出される前後における検出電圧値Vの変化を、投光器の投光範囲と定形パターンとの配置関係の模式図と共に示すタイムチャートである。
【図14】ラベル作成装置のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図15】ステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
【図16】ステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【図17】テープフィード時に定形パターンの印字・検出を行う変形例において、ラベル作成装置のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図18】ステップS100Aの詳細手順を表すフローチャートである。
【図19】次回の印字ラベルの前余白に対し定形パターンを印字する変形例において、ラベル作成装置のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図20】ステップS200Aの詳細手順を表すフローチャートである。
【図21】マスキング印刷を行う変形例において、定形パターンのそれぞれに付随するように印字された調整パターンの一例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0031】
図1は、本実施形態のラベル作成装置を備えたラベル作成システムの全体構成を表すシステム構成図である。
【0032】
図1において、ラベル作成システムLSは、ラベル作成装置1と、操作端末100とを有している。これらラベル作成装置1及び操作端末100は、例えばUniversal Serial Bus(USB)ケーブル等からなるケーブル5(又は無線でもよい)を介して、互いに情報送受信可能に接続されている。
【0033】
ラベル作成装置1は、装置本体の外郭を構成する筐体2を有している。
【0034】
筐体2の前面部には、テープ排出口4と、フィード&カットボタン39(操作手段)とが設けられている。
【0035】
テープ排出口4は、基材テープ53(ラベル用テープ)を筐体2外部へ排出するための排出口である。
【0036】
フィード&カットボタン39は、テープ送りローラ63(後述の図3参照)により基材テープ53を所定の搬送量だけ搬送し、カッタユニット30(後述の図3参照)により当該基材テープ53を切断するように指示するためのボタンである。なお、基材テープ53を所定の搬送量だけ搬送するように指示するためのボタンと、基材テープ53を切断するように指示するためのボタンとを別々に設けてもよい。
【0037】
筐体2の左側面部には、カートリッジホルダ8(後述の図2参照)を覆うように構成され、図中左側方に開閉可能な(又は着脱可能な)開閉蓋3が設けられている。
【0038】
一方、操作端末100は、ラベル作成装置1を操作するための汎用パーソナルコンピュータである。この操作端末100は、液晶ディスプレイ等からなる表示部101と、キーボードやマウス等からなる操作部102とを有している。
【0039】
図2は、上記開閉蓋3を開いた状態において、筐体2内部のカートリッジホルダ8、及び、それに装着させるカートリッジの外観構成を表す斜視図である。なお、この図2では、図示の煩雑を避けるため、図1中左側方に開いた状態の開閉蓋3の図示を省略している。
【0040】
図2において、ラベル作成装置1の筐体2内部には、カートリッジホルダ8と、テープ送りローラ駆動軸14(搬送手段)と、リボン巻取りローラ駆動軸15と、印字ヘッド9(印字手段)と、放熱板9Aとが設けられている。
【0041】
カートリッジホルダ8は、上記基材テープ53を供給するカートリッジ21を着脱可能に構成されている。
【0042】
テープ送りローラ駆動軸14は、上記基材テープ53を搬送するための駆動軸である。リボン巻取りローラ駆動軸15は、インクリボン52(後述の図3参照)を搬送するための駆動軸である。これらテープ送りローラ駆動軸14とリボン巻取りローラ駆動軸15とは、互いに連動して回転駆動される。
【0043】
印字ヘッド9は、上記テープ送りローラ駆動軸14の駆動力に基づき搬送される基材テープ53のうち、データ印字領域Sd(後述の図5(a)参照)に対し所望の印字データの印字を行うと共に、パターン印字領域Sp(後述の図7参照)に対し複数個の定形パターンの印字を行う(詳細は後述)。
【0044】
一方、カートリッジ21は、この例では全体が略直方体形状に形成された箱体であり、その一部には表裏両面を貫通するヘッド挿通開口22が形成されている。
【0045】
図3は、カートリッジ21を装着した状態のカートリッジホルダ8の周辺部分を、カートリッジ21とともに示す平面図である。なお、この図3は、上記図1に示す構造において、矢印A方向から上記開閉蓋3を透かして見た矢視図に相当している。
【0046】
図3において、筐体2内の凹所であるカートリッジホルダ8には、カートリッジ21が、着脱可能に収納されている。このカートリッジ21は、基材テープロール38と、リボン供給側ロール37と、リボン巻取りローラ42と、テープ送りローラ63とを有している。
【0047】
基材テープロール38は、被印字媒体である上記基材テープ53を繰り出すためのロールであり、基材テープ用スプール56の周りに、基材テープ53を巻回している。
【0048】
基材テープ53は、複数層(この例では3層)の積層構造を備えている(図3中部分拡大図参照)。すなわち、内側に巻かれる側(図3部分拡大図中の左下側)よりその反対側(図3部分拡大図中の右上側)へ向かって、例えばポリエチレンテレフタラート等からなるテープ基材層53a、適宜の粘着剤からなる粘着剤層53b、剥離紙53cの順序で積層され構成されている。なお、テープ基材層53aは、表面において十分高い反射率で光を反射可能な色又は材質となっている。
【0049】
剥離紙53cは、最終的に完成した印字ラベルL(後述の図5(a)等参照)が所定の物品等の貼り付け対象物に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着剤層53bにより当該貼り付け対象物に接着できるようにするための紙である。
【0050】
リボン供給側ロール37は、印字用のインクリボン52(但し被印字媒体が感熱テープの場合は不要)を繰り出すためのロールであり、リボン供給側スプール55の周りに、インクリボン52を巻回している。なお、インクリボン52は、基材となるベースフィルムに熱転写用インクが塗布されているものであり、ここでは、光を吸収可能な色として、代表的に黒色のインクを用いている。
【0051】
なお、上記基材テープ用スプール56及びリボン供給側スプール55は、カートリッジ21の底面に立設されたボス60,59に対し、それぞれ回転可能に嵌挿され収納されている。
【0052】
リボン巻取りローラ42は、リボン巻取りスプール61を備えており、カートリッジホルダ8側の上記リボン巻取りローラ駆動軸15により駆動されることで、印字済み(使用済み)のインクリボン52を巻き取り、リボン巻取りスプール61に巻回する。
【0053】
テープ送りローラ63は、カートリッジホルダ8側の上記テープ送りローラ駆動軸14により駆動されることで、基材テープ53を図3中矢印ア、イ、ウで示す方向に搬送する。
【0054】
なお、上記リボン巻取りローラ42及びテープ送りローラ63は、それぞれカートリッジ21外に設けた例えばパルスモータであるテープ送りモータ32(後述の図4参照)の駆動力が、図示しないギヤ機構を介し上記リボン巻取りローラ駆動軸15及びテープ送りローラ駆動軸14に伝達されることによって、連動して回転駆動される。
【0055】
一方、カートリッジホルダ8には、上記印字ヘッド9と、上記放熱板9Aと、上記リボン巻取りローラ駆動軸15と、上記テープ送りローラ駆動軸14と、ローラホルダ26とが設けられている。
【0056】
テープ送りローラ駆動軸14は、上記テープ送りローラ63を駆動することにより、基材テープ53を、所定の搬送経路(図3中矢印ア、イ、ウを参照)に沿って上記テープ排出口4へ向って搬送する。
【0057】
ローラホルダ26は、支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置とリリース位置に切換可能とされている。このローラホルダ26には、プラテンローラ10及びテープ圧接ローラ11が回転可能に配設されている。そして、ローラホルダ26が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ10及びテープ圧接ローラ11が上記印字ヘッド9及びテープ送りローラ63に対し圧着されるようになっている。
【0058】
また、筐体2には、カートリッジ21側のテープ排出口27に隣接して、(この例でははさみ式の)カッタユニット30が配設されている。このカッタユニット30は、可動刃30A及び固定刃30Bから構成されている。可動刃30Aがソレノイド34(後述の図4参照)によって固定刃30Bに対し作動することで、上記印字ヘッド9による印字が終了した基材テープ53が所定の長さに切断される。
【0059】
また、カッタユニット30と筐体2側のテープ排出口4との間、つまり、カッタユニット30より基材テープ53の搬送方向下流側の搬送経路上には、パターンセンサ35が設けられている。なお、以下適宜、基材テープ53の搬送方向を「テープ搬送方向」と称する。このパターンセンサ35は、例えば公知の反射型フォトセンサ等、光学的手法を用いた光学センサであり、投光器35A(投光手段)及び受光器35B(受光手段)を備えている。これら投光器35A及び受光器35Bは、機構的な配置として、テープ搬送方向と直交する方向(図中手前奥方向)に沿って配置されている(後述の図7も参照)。
【0060】
投光器35Aは、例えば公知の発光ダイオード等からなり、基材テープ53の搬送経路に向かって投光する。受光器35Bは、例えば公知のフォトトランジスタ等からなり、投光器35Aから投光され基材テープ53の非印字部分(後述)で反射された反射光Lr(後述の図7参照)を受光し、その受光した光量に対応した検出電圧値V(後述の図9等参照)を出力する。
【0061】
上記構成において、カートリッジ21がカートリッジホルダ8に装着された後、後述のテープ送りモータ32の駆動力によってリボン巻取りローラ駆動軸15及びテープ送りローラ駆動軸14がそれぞれ同期して回転駆動される。そして、テープ送りローラ駆動軸14の駆動に伴いテープ送りローラ63、プラテンローラ10、及びテープ圧接ローラ11が回転し、基材テープロール37から基材テープ53が繰り出されると共に、印字ヘッド駆動回路31(後述の図4参照)により印字ヘッド9の複数の発熱素子が通電される。このとき、インクリボン52が、印字ヘッド9に押圧されることで基材テープ53の表面に接触させられる。この結果、基材テープ53の表面(詳細にはテープ基材層53aの表面。以下同様)に設けられた前述のデータ印字領域Sdやパターン印字領域Spに対し印字がなされて、印字済みの基材テープ53が上記テープ排出口27よりカートリッジ21外へと搬出される。そして、カートリッジ21外へと搬出された印字済みの基材テープ53がカッタユニット30により切断され、印字ラベルLが生成される。
【0062】
図4は、ラベル作成装置1の機能構成を表す機能ブロック図である。
【0063】
図4において、ラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路40が配置されている。制御回路40には、CPU44が設けられており、このCPU44に、データバス42を介し、入出力インターフェース41、ROM46、EEPROM47、RAM48、及び、通信用インターフェース43(図中では「通信用I/F」と示す)が接続されている。なお、EEPROM47に代え、フラッシュメモリ等を用いてもよい。
【0064】
ROM46には、印字駆動制御プログラム、切断駆動制御プログラム等、制御上必要な各種のプログラムが格納されている。印字駆動制御プログラムは、後述の印字バッファ48Bのデータを読み出して上記印字ヘッド9や後述のテープ送りモータ32を駆動するためのプログラムである。切断駆動制御プログラムは、印字が終了した場合に印字済みの基材テープ53を切断位置まで後述のテープ送りモータ32を駆動して搬送させ、後述のソレノイド34を駆動して上記印字済みの基材テープ53を切断するためのプログラムである。
【0065】
CPU44は、上記のようなROM46等に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算及び処理を行う。
【0066】
RAM48は、CPU44により演算された各種の演算結果等を一時的に記憶する。このRAM48には、テキストメモリ48A、印字バッファ48B、ワークメモリ48C等が設けられている。テキストメモリ48Aは、印字データを格納する。印字バッファ48Bは、ドットパターンデータを格納する。ワークメモリ48Cは、各種演算データ等を格納する。
【0067】
通信用インターフェース43は、例えばUSB等から構成され、操作端末100との間でケーブル5を介して情報通信(例えばシリアル通信等)を行う。
【0068】
入出力インターフェース41には、印字ヘッド駆動回路31と、テープ送りモータ駆動回路33と、ソレノイド駆動回路36と、カートリッジセンサ7と、上記投光器35A及び受光器35Bを備えた上記パターンセンサ35と、上記フィード&カットボタン39とが接続されている。
【0069】
印字ヘッド駆動回路31は、印字ヘッド9を駆動する。
【0070】
テープ送りモータ駆動回路33は、テープ送りモータ32を駆動することにより、前述のテープ送りローラ駆動軸14及びリボン巻取りローラ駆動軸15を駆動し、基材テープ53の搬送を行う。本実施形態においては、テープ送りモータ32は、周知のパルスモータ(ステッピングモータ)で構成されている。テープ送りモータ駆動回路33は、テープ送りモータ32に対し、所定のパルス数のパルス信号を出力し、テープ送りモータ32を所定のステップ単位で回転させる。これにより、基材テープ53は、所定の搬送距離単位で搬送される。
【0071】
ソレノイド駆動回路36は、上記可動刃30Aを駆動して切断動作を行わせるソレノイド34を駆動する。
【0072】
カートリッジセンサ7は、例えばカートリッジホルダ8に設けられている。このカートリッジセンサ7は、カートリッジ21のカートリッジホルダ8への装着時に、カートリッジ21に形成された被検出部(図示せず)を検出することで、カートリッジ21の種類を検出する。
【0073】
図4に示す制御回路40を核とする制御系において、操作端末100からケーブル5を介して印字データが入力された場合、当該印字データがテキストメモリ48Aに記憶される。そして、その記憶された印字データは再び読み出され、制御回路40の変換機能により所定の変換がされることで、ドットパターンデータが生成され、印字バッファ48Bに記憶される。そして、印字ヘッド9が印字ヘッド駆動回路31を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて、基材テープ53のデータ印字領域Sdに対し、印字バッファ48Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行う。また、これと同期してテープ送りモータ32がテープ送りモータ駆動回路33を介して基材テープ53の搬送制御を行い、最終的に印字ラベルLを作成する。
【0074】
図5(a)及び図5(b)は、上述のようにして作成された印字ラベルLの外観の一例を表す上面図及び下面図である。図6は、図5(a)中VI−VI′断面による横断面図を90°回転させて示す図である。
【0075】
図5(a)、図5(b)、及び図6において、印字ラベルLは、上述の3層の積層構造を備えた基材テープ53が所定の長さあるいは所望の長さで切断されることによって形成される。すなわち、表面(図6中上側)からその反対側(図6中下側)へ向かって、テープ基材層53a、粘着剤層53b、剥離紙53cの順序で積層され構成されている。
【0076】
また、テープ基材層53aの表面のデータ印字領域Sdには、上記印字データに対応した内容の印字Rd(この例では「名古屋太郎」の文字)が印字されている。
【0077】
上記構成のラベル作成装置1において、本実施形態の最大の特徴は、パターン印字領域Spに対し複数個の定形パターンをテープ幅方向一方側へ規則的にずらしつつテープ搬送方向に並べて印字すること、その印字された複数個の定形パターンを順次検出すること、データ印字領域Sdのテープ幅方向におけるシフト量を決定すること、及び、その決定結果に基づいてシフトされたデータ印字領域Sdに対し所望の印字データの印字を行うこと、にある。以下、これらの内容を説明する。
【0078】
ここで、本実施形態のラベル作成装置1は、調整モードとラベル作成モードとを切り替え可能に備えている。調整モードは、印字ヘッド9による複数個の定形パターンの印字(後述)、その印字された複数個の定形パターンの検出(後述)、及び、データ印字領域Sdのテープ幅方向におけるシフト量の決定(後述)を行い、印字位置の調整を行うモードである。ラベル作成モードは、印字ヘッド9がデータ印字領域Sdに対し所望の印字データの印字を行い、印字ラベルLの作成を行うモードである。
【0079】
まず、パターン印字領域Spに対し印字された複数個の定形パターンについて、図7を用いて説明する。なお、図7では、後述の基準位置に位置する基材テープ53のテープ搬送方向の途中部分を示している。
【0080】
図7に示すように、基材テープ53の表面のパターン印字領域Spには、複数個の(この例では11個の)略長方形状を備えた定形パターンRp1,Rp2,Rp3,Rp4,Rp5,Rp6,Rp7,Rp8,Rp9,Rp10,Rp11が、基材テープ53が搬送されるにつれてテープ幅方向一方側(図中右側)へ1ドットずつ段階的にずらされつつ、テープ搬送方向(図中上下方向)に並べられて印字されている。
【0081】
なお、この例では、先に印字される定形パターンから順に、定形パターンRp1、定形パターンRp2、定形パターンRp3、定形パターンRp4、定形パターンRp5、定形パターンRp6、定形パターンRp7、定形パターンRp8、定形パターンRp9、定形パターンRp10、定形パターンRp11と称している。また、以下適宜、単体を示す場合は単に「定形パターンRp」と称する。
【0082】
つまり、最初に印字される定形パターンRp1は、パターン印字領域Sp内の最もテープ搬送方向下流側(図中上側)かつ最もテープ幅方向他方側(図中左側)に印字される。そして、その後に印字される定形パターンRp2〜Rp11は、1つ前に印字された定形パターンRpより、テープ搬送方向上流側(図中下側)へ所定量だけずらされ、かつテープ幅方向一方側(図中右側)へ1ドットだけずらされて印字される。例えば、定形パターンRp2は、1つ前に印字された定形パターンRp1より、テープ搬送方向上流側へ所定量だけずらされ、かつテープ幅方向一方側へ1ドットだけずらされて印字されている。
【0083】
なお、この例では、定形パターンRp1〜Rp11は、隣り合う定形パターンRpとのテープ搬送方向の間隔を空けないように印字されているが、これに限られず、隣り合う定形パターンRpとのテープ搬送方向の間隔を一定間隔空けるように印字されていてもよい。
【0084】
また、基材テープ53のうち、印字ヘッド9により印字が行われていない非印字部分は光反射性を備えている。一方、基材テープ53のうち、印字ヘッド9により定形パターンRpの印字が行われた印字部分は光吸収性を備えている。
【0085】
また、定形パターンRp1〜Rp11には、少なくとも1個の(この例では1個の)基準パターンが含まれている。基準パターンとは、基材テープ53がテープ搬送方向と直交する方向(図中左右方向。すなわちテープ幅方向と同等の方向)に関して予め定められた基準位置に位置する場合に、基材テープ53のテープ幅方向一方側のテープ端部53Eに、テープ幅方向一方側の印字端部REが対応した定形パターンRpである。本実施形態においては、11個の定形パターンRp1〜Rp11のうち、6番目に印字される定形パターンRp6が、基準パターンとして予め定められている。
【0086】
なお、この例では、先に印字される定形パターンRpのテープ幅方向一方側の印字端部から順に、印字端部RE1、印字端部RE2、印字端部RE3、印字端部RE4、印字端部RE5、印字端部RE6、印字端部RE7、印字端部RE8、印字端部RE9、印字端部RE10、印字端部RE11と称している。また、以下適宜、単体を示す場合は単に「印字端部RE」と称する。
【0087】
また、定形パターンRp1〜Rp11には、対応パターン(特定の定形パターン)が含まれている。対応パターンは、実際に、基材テープ53の上記テープ端部53Eに、上記印字端部REが対応した定形パターンRpである。図7に示す例では、定形パターンRp1〜Rp11のうち、6番目に印字される定形パターンRp6の印字端部RE6が、基材テープ53のテープ端部53Eに対応している。したがって、この場合には、定形パターンRp6が対応パターンとなる。すなわち、この例のように、基材テープ53が上記基準位置に位置する場合には、基準パターンである定形パターンRp6が対応パターンとなる。
【0088】
なお、対応パターンより後に印字される定形パターンRpに関しては、そのテープ幅方向一方側の一部が、基材テープ53のテープ端部53Eよりテープ幅方向一方側に対し、すなわち、基材テープ53のテープ端部53Eを越えたテープ外領域に対し、印字される。言い換えれば、対応パターンより後に印字される定形パターンRpに関しては、そのテープ幅方向一方側の一部が、基材テープ53に対し印字されない。図7に示す例では、対応パターンとなった定形パターンRp6より後に印字される定形パターンRp7〜Rp11に関しては、そのテープ幅方向一方側の一部(図中の破線で示す領域)が、基材テープ53に対し印字されていない。
【0089】
一方、筐体2の上記カッタユニット30及びテープ排出口4の間の位置(図3も参照)には、前述の投光器35A及び受光器35Bを備えたパターンセンサ35が設けられている。このパターンセンサ35は、上記テープ端部53E付近が投光器35Aの投光範囲81となるように配設されている。投光範囲81は、この例では、平面視でテープ幅方向に長い楕円形状となっている。
【0090】
受光器35Bは、前述したように、投光器35Aから投光され基材テープ53の上記非印字部分で反射された反射光Lrを受光し、その受光した光量に対応した検出電圧値Vを出力する。具体的には、この受光器35Bは、受光した反射光Lrの光量が多いほど高いレベルの検出電圧値Vを出力する。つまり、上記非印字部分は光を反射し、上記印字部分は光を吸収し、テープ端部53Eを越えた上記テープ外領域は光を透過するので、投光範囲81と重なる非印字部分の範囲(面積)が大きいほど、受光器35Bが受光する反射光Lrの光量は多くなる。このため、受光器35Bは、投光範囲81と重なる非印字部分の範囲が大きいほど、高いレベルの検出電圧値Vを出力する。
【0091】
ここで、ラベル作成装置1によっては、例えば装置のばらつき等に起因して、基材テープ53が上記基準位置からテープ幅方向一方側又は他方側へずれることにより、基材テープ53のテープ幅方向における印字位置ずれが生じる場合がある。このような印字位置ずれ量、すなわち、基材テープ53の上記基準位置からのテープ幅方向における位置ずれ量は、基準パターンである定形パターンRp6の印字端部RE6の、基材テープ53のテープ端部53Eからの位置ずれ量に対応する。したがって、定形パターンRp6の印字端部RE6の、基材テープ53のテープ端部53Eからの位置ずれ量をもとめることで、基材テープ53の上記基準位置からのテープ幅方向における位置ずれ量、すなわち、基材テープ53のテープ幅方向における印字位置ずれ量を知ることができる。
【0092】
そこで本実施形態では、上記受光器35Aにより出力される検出電圧値Vに基づき、印字ヘッド9がパターン印字領域Spに対し印字した定形パターンRp1〜Rp11を順次検出する。そして、その検出結果に基づき、基準パターンである定形パターンRp6の、対応パターンからの離隔ドット数D(後述の図9等参照)を、定形パターンRp6の印字端部RE6の、基材テープ53のテープ端部53Eからの位置ずれ量G(後述の図8等参照)とみなして算出する。
【0093】
そして、その算出された離隔ドット数Dを用いて、印字ラベルLの作成の際の、印字ヘッド9を基準とした前述のデータ印字領域Sdのテープ幅方向におけるシフト量S(後述の図9等参照)を決定する。シフト量Sは、位置ずれ量Gに対応する値、すなわち位置ずれを是正するための値であるので、離隔ドット数Dの反数(−D)を、シフト量Sとする。
【0094】
上記のようにしてシフト量Sが決定された後は、印字ラベルLが作成される際に、当該決定されたシフト量Sを用いて、前述のデータ印字領域Sdがシフトされる。そして、そのシフトされたデータ印字領域Sdに対し、印字ヘッド9により上記印字データに対応した内容の印字Rdが印字される。
【0095】
図8に、上記パターン印字領域Spに印字された定形パターンRp1〜Rp11の一例を示す。この図8では、上記基準位置に位置する基材テープ53のテープ搬送方向の途中部分を示している。
【0096】
図8に示すように、基材テープ53が上記基準位置に位置する場合には、基準パターンである定形パターンRp6が、対応パターンとなる。すなわち、定形パターンRp6の印字端部RE6が、基材テープ53のテープ端部53Eに対応する。したがって、この場合には、定形パターンRp6の印字端部RE6の、基材テープ53のテープ端部53Eからの位置ずれ量Gは、G=0[ドット]となる。なお、後述のように、テープ幅方向一方側を「+」とし、テープ幅方向他方側を「−」としている。
【0097】
以下、図8に示す位置に位置する基材テープ53に係る位置ずれ量Gの算出原理を、図9を用いて説明する。
【0098】
図9に、上記図8に示す位置に位置する基材テープ53に対し印字された印字パターンRp1〜Rp11が検出される前後における検出電圧値Vの変化を、投光器35Aの投光範囲81と定形パターンRpとの配置関係の模式図と共に示す。なお、この図9に示すタイムチャートでは、横軸に時間Tをとり、縦軸に受光器35Bによる検出電圧値Vをとって表している。
【0099】
図9において、基材テープ53の搬送が開始された直後の、あるタイミング(T=T1A)では、投光器35Aの投光範囲81は、基材テープ53の先端の余白部分すなわち非印字部分に位置する(図9中のa部参照)。前述したように非印字部分は光反射性を備えているので、T=T1Aでの検出電圧値Vは、高いレベルの初期白対応電圧値Vw1となる。そして、この初期白対応電圧値Vw1が、パターン検出しきい値(所定の第1しきい値)として設定される。なお、初期白対応電圧値は、後述の図11及び図13を見ても明らかなように、基材テープ53の搬送が開始された直後に投光範囲81に重なる非印字部分の範囲によって変わってくる。
【0100】
その後、基材テープ53がT=T1Aでの位置から前述の所定の搬送距離だけ搬送されると、あるタイミング(T=T1B)で、投光範囲81が定形パターンRp1に重なる(図9中のb部参照)。この場合には、T=T1Aと比べて、投光範囲81と重なる非印字部分の範囲が減少し、その減少した分だけ、投光範囲81と重なる印字部分の範囲が増加する。前述したように印字部分は光吸収性を備えているので、投光範囲81と重なる印字部分の範囲の増加に従い、受光器35Bでの反射光Lrの受光量が減少する。この結果、T=T1Bでの検出電圧値Vは、上記初期白対応電圧値Vw1より小さくなる。
【0101】
そして、基材テープ53がT=T1Bでの位置から前述の所定の搬送距離だけ搬送されると、あるタイミング(T=T1C)で、投光範囲81が定形パターンRp2に重なる(図9中のc部参照)。定形パターンRp2は、定形パターンRp1より、1ドットだけテープ幅方向一方側(図9中のa部〜m部中上側)にずれて印字されている。このため、T=T1Bと比べて、投光範囲81と重なる非印字部分の範囲が1ドットライン分だけ減少し、投光範囲81と重なる印字部分の範囲が1ドットライン分だけ増加する。これにより、受光器35Bでの反射光Lrの受光量が一定量だけ減少する。この結果、T=T1Cでの検出電圧値Vは、T=T1Bでの検出電圧値Vより一定値だけ小さくなる。
【0102】
その後、基材テープ53が前述の所定の搬送距離ごとに搬送されるにつれて、投光範囲81と重なる非印字部分の範囲が段階的に減少し、投光範囲81と重なる印字部分の範囲が段階的に増加する。これにより、受光器35Bでの反射光Lrの受光量が段階的に減少して、検出電圧値Vが段階的に小さくなる。そして、あるタイミング(T=T1G)で、投光範囲81が定形パターンRp6に重なる(図9中のg部参照)。この状態では、上述のように段階的に減少してきた検出電圧値Vが下げ止まり略0となる。
【0103】
検出電圧値Vが略0となる状態は、その後時間が経過してT=T1Mとなるまで継続される。そして、T=T1Mで、投光範囲81が定形パターンRp11から完全に離脱する(図9中のm部参照)。この結果、上述のように略0で下げ止まっていた検出電圧値Vが、上記初期白対応電圧値Vw1まで復帰する。
【0104】
そして、以上のような、受光器35Bによる検出電圧値Vの変動を用いて、上記パターン印字領域Spに印字された定形パターンRp1〜Rp11が順次検出される。具体的には、まず、検出電圧値Vがパターン検出しきい値(この例では初期白対応電圧値Vw1)より小さくなることにより、定形パターンRp1が検出される。そして、検出電圧値Vが上記パターン検出しきい値よりも小さい対応パターン検出しきい値(所定の第2しきい値)としての略0になることにより(=略0に到達することにより)、対応パターンが検出される。したがって、この例では、定形パターンRp1が検出されてから5個後に検出される定形パターンRpすなわち定形パターンRp6が、対応パターンとして検出される。
【0105】
上記のようにして対応パターンが検出されると、前述の離隔ドット数Dが、前述の位置ずれ量Gとして算出される。この例では、定形パターンRp6が対応パターンとして検出されているので、離隔ドット数Dは、D=0[ドット]と算出される。
【0106】
その後、その算出された離隔ドット数Dを用いて、前述のシフト量Sが決定される。前述したように、シフト量Sは離隔ドット数Dの反数であるので、この例では、シフト量Sは、S=−D=0[ドット]と決定される。S=0[ドット]と決定された場合、印字ラベルLの作成の際には、データ印字領域Sdのシフトは行われない。
【0107】
図10に、上記パターン印字領域Spに印字された定形パターンRp1〜Rp11の別の例を示す。この図10では、上記基準位置から3ドットだけテープ幅方向一方側にずれた位置に位置する基材テープ53のテープ搬送方向の途中部分を示している。
【0108】
図10に示すように、基材テープ53が上記基準位置から3ドットだけテープ幅方向一方側(図中上側)にずれた位置する場合には、基準パターンである定形パターンRp6より、3ドットだけテープ幅方向一方側にずらされて印字された(=3個後に印字された)定形パターンRp9が、対応パターンとなる。すなわち、定形パターンRp9の印字端部RE9が、基材テープ53のテープ端部53Eに対応する。つまり、定形パターンRp6は、対応パターンより3ドットだけテープ幅方向他方側(図中下側)に印字されている。したがって、この場合には、上記位置ずれ量Gは、G=−3[ドット]となる。
【0109】
以下、図10に示す位置に位置する基材テープ53に係る位置ずれ量Gの算出原理を、図11を用いて説明する。
【0110】
図11に、上記図10に示す位置に位置する基材テープ53に対し印字された印字パターンRp1〜Rp11が検出される前後における検出電圧値Vの変化を、投光器35Aの投光範囲81と定形パターンRpとの配置関係の模式図と共に示す。なお、この図11に示すタイムチャートでは、横軸に時間Tをとり、縦軸に受光器35Bによる検出電圧値Vをとって表している。
【0111】
図11において、基材テープ53の搬送が開始された直後の、あるタイミング(T=T2A)では、投光器35Aの投光範囲81は、基材テープ53の先端の非印字部分に位置する(図11中のa部参照)。したがって、T=T2Aでの検出電圧値Vは、高いレベルの初期白対応電圧値Vw2となる。そして、この初期白対応電圧値Vw2が、前述のパターン検出しきい値として設定される。
【0112】
その後、基材テープ53がT=T2Aでの位置から前述の所定の搬送距離だけ搬送されると、あるタイミング(T=T2B)で、投光範囲81が定形パターンRp1に重なる(図11中のb部参照)。この場合には、T=T2Aと比べて、投光範囲81と重なる非印字部分の範囲が減少し、その減少した分だけ、投光範囲81と重なる印字部分の範囲が増加する。この結果、T=T2Bでの検出電圧値Vは、上記初期白対応電圧値Vw2より小さくなる。
【0113】
そして、基材テープ53がT=T2Bでの位置から前述の所定の搬送距離だけ搬送されると、あるタイミング(T=T2C)で、投光範囲81が定形パターンRp2に重なる(図11中のc部参照)。定形パターンRp2は、定形パターンRp1より、1ドットだけテープ幅方向一方側(図11中のa部〜m部中上側)にずれて印字されている。このため、T=T2Bと比べて、投光範囲81と重なる非印字部分の範囲が1ドットライン分だけ減少し、投光範囲81と重なる印字部分の範囲が1ドットライン分だけ増加する。この結果、T=T2Cでの検出電圧値Vは、T=T2Bでの検出電圧値Vより一定値だけ小さくなる。
【0114】
その後、基材テープ53が前述の所定の搬送距離ごとに搬送されるにつれて、投光範囲81と重なる非印字部分の範囲が段階的に減少し、投光範囲81と重なる印字部分の範囲が段階的に増加する。これにより、検出電圧値Vが段階的に小さくなる。そして、あるタイミング(T=T2J)で、投光範囲81が定形パターンRp9に重なる(図11中のj部参照)。この状態では、上述のように段階的に減少してきた検出電圧値Vが下げ止まり略0となる。
【0115】
検出電圧値Vが略0となる状態は、その後時間が経過してT=T2Lとなるまで継続される。そして、T=T2Lで、投光範囲81が定形パターンRp11から完全に離脱する(図11中のm部参照)。この結果、上述のように略0で下げ止まっていた検出電圧値Vが、上記初期白対応電圧値Vw2まで復帰する。
【0116】
そして、以上のような、受光器35Bによる検出電圧値Vの変動を用いて、上記パターン印字領域Spに印字された定形パターンRp1〜Rp11が順次検出される。具体的には、まず、検出電圧値Vがパターン検出しきい値(この例では初期白対応電圧値Vw2)より小さくなることにより、定形パターンRp1が検出される。そして、検出電圧値Vが略0になることにより、対応パターンが検出される。したがって、この例では、定形パターンRp1が検出されてから8個後に検出される定形パターンRpすなわち定形パターンRp9が、対応パターンとして検出される。
【0117】
上記のようにして対応パターンが検出されると、前述の離隔ドット数Dが、前述の位置ずれ量Gとして算出される。この例では、定形パターンRp9が対応パターンとして検出されているので、離隔ドット数Dは、D=+3[ドット]と算出される。
【0118】
その後、その算出された離隔ドット数Dを用いて、前述のシフト量Sが決定される。この例では、シフト量Sは、S=−D=−3[ドット]と決定される。S=−3[ドット]と決定された場合、印字ラベルLの作成の際には、データ印字領域Sdがテープ幅方向他方側へ3ドットだけシフトされる。
【0119】
図12に、上記パターン印字領域Spに印字された定形パターンRp1〜Rp11のさらに別の例を示す。この図12では、上記基準位置から3ドットだけテープ幅方向他方側にずれた位置に位置する基材テープ53のテープ搬送方向の途中部分を示している。
【0120】
図12に示すように、基材テープ53が上記基準位置から3ドットだけテープ幅方向他方側(図中下側)にずれた位置する場合には、基準パターンである定形パターンRp6より、3ドットだけテープ幅方向他方側にずらされて印字された(=3個前に印字された)定形パターンRp3が、対応パターンとなる。すなわち、定形パターンRp3の印字端部RE3が、基材テープ53のテープ端部53Eに対応する。つまり、定形パターンRp6は、対応パターンより3ドットだけテープ幅方向一方側(図中上側)に印字されている。したがって、この場合には、上記位置ずれ量Gは、G=+3[ドット]となる。
【0121】
以下、図12に示す位置に位置する基材テープ53に係る位置ずれ量Gの算出原理を、図13を用いて説明する。
【0122】
図13に、上記図12に示す位置に位置する基材テープ53に対し印字された印字パターンRp1〜Rp11が検出される前後における検出電圧値Vの変化を、投光器35Aの投光範囲81と定形パターンRpとの配置関係の模式図と共に示す。なお、この図13に示すタイムチャートでは、横軸に時間Tをとり、縦軸に受光器35Bによる検出電圧値Vをとって表している。
【0123】
図13において、基材テープ53の搬送が開始された直後の、あるタイミング(T=T3A)では、投光器35Aの投光範囲81は、基材テープ53の先端の非印字部分に位置する(図13中のa部参照)。したがって、T=T3Aでの検出電圧値Vは、高いレベルの初期白対応電圧値Vw3となる。そして、この初期白対応電圧値Vw3が、前述のパターン検出しきい値として設定される。
【0124】
その後、基材テープ53がT=T3Aでの位置から前述の所定の搬送距離だけ搬送されると、あるタイミング(T=T3B)で、投光範囲81が定形パターンRp1に重なる(図13中のb部参照)。この場合には、T=T3Aと比べて、投光範囲81と重なる非印字部分の範囲が減少し、その減少した分だけ、投光範囲81と重なる印字部分の範囲が増加する。この結果、T=T3Bでの検出電圧値Vは、上記初期白対応電圧値Vw3より小さくなる。
【0125】
そして、基材テープ53がT=T3Bでの位置から前述の所定の搬送距離だけ搬送されると、あるタイミング(T=T3C)で、投光範囲81が定形パターンRp2に重なる(図13中のc部参照)。定形パターンRp2は、定形パターンRp1より、1ドットだけテープ幅方向一方側(図13中のa部〜m部中上側)にずれて印字されている。このため、T=T3Bと比べて、投光範囲81と重なる非印字部分の範囲が1ドットライン分だけ減少し、投光範囲81と重なる印字部分の範囲が1ドットライン分だけ増加する。この結果、T=T3Cでの検出電圧値Vは、T=T3Bでの検出電圧値Vより一定値だけ小さくなる。
【0126】
その後、基材テープ53がT=T3Cでの位置から前述の所定の搬送距離だけ搬送されると、あるタイミング(T=T3D)で、投光範囲81が定形パターンRp3に重なる(図13中のd部参照)。T=T3Dでの検出電圧値Vは、T=T3Bでの検出電圧値Vより上記一定値だけ小さくなり略0となる。この状態では、上述のように段階的に減少してきた検出電圧値Vが略0で下げ止まる。
【0127】
検出電圧値Vが略0となる状態は、その後時間が経過してT=T3Lとなるまで継続される。そして、T=T3Lで、投光範囲81が定形パターンRp11から完全に離脱する(図13中のm部参照)。この結果、上述のように略0で下げ止まっていた検出電圧値Vが、上記初期白対応電圧値Vw3まで復帰する。
【0128】
そして、以上のような、受光器35Bによる検出電圧値Vの変動を用いて、上記パターン印字領域Spに印字された定形パターンRp1〜Rp11が順次検出される。具体的には、まず、検出電圧値Vがパターン検出しきい値(この例では初期白対応電圧値Vw3)より小さくなることにより、定形パターンRp1が検出される。そして、検出電圧値Vが略0になることにより、対応パターンが検出される。したがって、この例では、定形パターンRp1が検出されてから2個後に検出される定形パターンRpすなわち定形パターンRp3が、対応パターンとして検出される。
【0129】
上記のようにして対応パターンが検出されると、前述の離隔ドット数Dが、前述の位置ずれ量Gとして算出される。この例では、定形パターンRp3が対応パターンとして検出されているので、離隔ドット数Dは、D=−3[ドット]と算出される。
【0130】
その後、その算出された離隔ドット数Dを用いて、前述のシフト量Sが決定される。この例では、シフト量Sは、S=−D=+3[ドット]と決定される。S=+3[ドット]と決定された場合、印字ラベルLの作成の際には、データ印字領域Sdがテープ幅方向一方側へ3ドットだけシフトされる。
【0131】
図14は、以上説明した機能を実現するために、ラベル作成装置1のCPU44が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【0132】
図14において、例えば操作者によりラベル作成装置1の電源がオンにされることによって、図中「START」位置で表されるように、このフローが開始される。
【0133】
まずステップS10で、CPU44は、操作者により操作端末100の操作部102を介し行われた、前述の調整モード及びラベル作成モードのうち、どちらか一方を選択する操作、に基づく操作信号を、ケーブル5及び通信用インターフェース43を介し入力する。そして、CPU44は、その入力された操作信号に応じて、ラベル作成装置1のモードを切り替える。具体的には、調整モードを選択する操作に基づく操作信号が入力された場合には、CPU44は、モードを調整モードに切り替える。一方、ラベル作成モードを選択する操作に基づく操作信号が入力された場合には、CPU44は、モードをラベル作成モードに切り替える。
【0134】
その後、ステップS20で、CPU44は、上記ステップS10で切り替えられたモードが調整モードであったかどうかを判定する。調整モードであった場合には、ステップS20の判定が満たされて、ステップS100に移る。
【0135】
ステップS100では、CPU44は、印字ヘッド9による定形パターンRp1〜Rp11の印字、印字された定形パターンRpの検出、及び、シフト量Sの決定等を行う調整処理(詳細内容は後述の図15参照)を実行する。その後、後述のステップS30に移る。
【0136】
一方、上記ステップS20において、上記ステップS10で切り替えられたモードがラベル作成モードであった場合には、ステップS20の判定が満たされず、ステップS200に移る。
【0137】
ステップS200では、CPU44は、印字ヘッド9により印字データに対応した印字を行い、印字ラベルLの作成を行うラベル作成処理(詳細内容は後述の図16参照)を実行する。
【0138】
そして、ステップS30に移り、CPU44は、所定の終了操作(例えばラベル作成装置1の電源オフ)が行われたかどうかを判定する。終了操作が行われていない場合には、ステップS30の判定が満たされず、ステップS10に戻り同様の手順を繰り返す。一方、終了操作が行われた場合には、ステップS30の判定が満たされて、このフローを終了する。
【0139】
図15は、上記図14のステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
【0140】
図15において、まずステップS110で、CPU44は、入出力インターフェース41を介しテープ送りモータ駆動回路33に制御信号を出力し、テープ送りモータ32によりテープ送りローラ駆動軸14及びリボン巻取りローラ駆動軸15を駆動させる。これにより、基材テープロール38からの基材テープ53の繰り出しを開始させ、基材テープ53の搬送を開始させる。
【0141】
その後、ステップS115で、CPU44は、基材テープ53が所定量だけ搬出されたかどうかを判定する。この所定量とは、例えば、基材テープ53のパターン印字領域Spの先端が、印字ヘッド9がほぼ対向する位置に到達するだけの搬送距離(いわゆる前余白用搬送量)である。このときの判定は、例えば、基材テープ53の搬送距離を公知の適宜の方法(例えばテープ送りモータ32を駆動するテープ送りモータ駆動回路33の出力パルス数をカウントする等)で検出すればよい。所定量搬送されるまで、ステップS115の判定が満たされずループして待機し、所定量搬送されたら、ステップS115の判定が満たされてステップS120に移る。
【0142】
ステップS120では、CPU44は、入出力インターフェース41を介し印字ヘッド駆動回路31に制御信号を出力し、印字ヘッド9に、パターン印字領域Spに対する定形パターンRp1〜Rp11の印字を開始させる。具体的には、CPU44は、パターン印字領域Spに対し、定形パターンRp1〜Rp11を、基材テープ53が搬送されるにつれてテープ幅方向一方側へ1ドットずつ段階的にずらしつつ(=規則的にずらしつつ)、テープ搬送方向に並べて印字するように、印字ヘッド駆動回路31を介し印字ヘッド9を制御する。
【0143】
その後、ステップS125で、CPU44は、パターンセンサ35の受光器35Bから出力された検出電圧値Vを取得する。すなわち、この時点では、投光器35Aの投光範囲81は、基材テープ53の先端の非印字部分に位置しているので、前述の初期白対応電圧値Vwが取得される。
【0144】
そして、ステップS130に移り、CPU44は、上記ステップS125で取得された初期白対応電圧値Vwを、前述のパターン検出しきい値に設定する。
【0145】
その後、ステップS135で、CPU44は、受光器35Bから出力された検出電圧値Vを取得する。
【0146】
そして、ステップS140に移り、CPU44は、上記ステップS135で取得された検出電圧値Vに基づき、CPU44の制御に基づき印字ヘッド9がパターン印字領域Spに対し印字した定形パターンRp1〜Rp11を順次検出する。具体的には、上記ステップS135で取得された検出電圧値Vが、上記ステップS130で設定されたパターン検出しきい値以上である間は、定形パターンRpの検出を行わない。そして、上記ステップS135で取得された検出電圧値Vが、上記ステップS130で設定されたパターン検出しきい値より小さくなることにより、定形パターンRp1を検出する。その後、上記ステップS135で取得された検出電圧値Vが略0となるまでの間は、定形パターンRp2〜Rp11を順次検出する。そして、上記ステップS135で取得された検出電圧値Vが略0となることにより、前述の対応パターンを検出する。なお、このステップS140とパターンセンサ35とが、各請求項記載の検出手段として機能する。
【0147】
その後、ステップS145で、CPU44は、上記ステップS140で前述の対応パターンが検出されたかどうかを判定する。対応パターンが検出されていない間は、ステップS145の判定が満たされず、ステップS135に戻り同様の手順を繰り返す。そして、対応パターンが検出された場合は、ステップS145の判定が満たされて、ステップS150に移る。なお、このステップS145が、各請求項記載の判定手段として機能する。
【0148】
ステップS150では、CPU44は、上記ステップS120で開始させた定形パターンRp1〜Rp11の印字が継続中であるかどうかを判定する。印字がすべて完了している場合には、ステップS150の判定が満たされず、後述のステップS160に移る。一方、印字が継続中である場合、すなわち、印字がまだすべて完了していない場合には、ステップS150の判定が満たされて、ステップS155に移る。
【0149】
ステップS155では、CPU44は、入出力インターフェース41を介し印字ヘッド駆動回路31に制御信号を出力し、印字ヘッド9による定形パターンRpの印字を終了させる。言い換えれば、CPU44は、定形パターンRpの印字を終了するように、印字ヘッド駆動回路31を介し印字ヘッド9を制御する。
【0150】
そして、ステップS160に移り、CPU44は、上記ステップS140での定形パターンRpの検出結果に基づき、基準パターンである定形パターンRp6の、対応パターンからの離隔ドット数Dを、基準パターンである定形パターンRp6の印字端部RE6の、基材テープ53のテープ端部53Eからの位置ずれ量Gとみなして算出する。例えば、対応パターンとして検出された定形パターンRpが、定形パターンRp1が検出された後、さらに2個後に検出された定形パターンRp、すなわち定形パターンRp3であった場合がある。基準パターンである定形パターンRp6は、対応パターンとして検出された定形パターンRp3より、3個だけ後に印字された、言い換えれば、3ドットだけテープ幅方向一方側へずらされて印字された、定形パターンRpである。よって、この場合には、離隔ドット数Dは、D=−3[ドット]と算出される。
【0151】
その後、ステップS165で、CPU44は、上記ステップS160で算出された離隔ドット数Dに−1を掛けることで、上記位置ずれ量Gに対応する、印字ヘッド9を基準としたデータ印字領域Sdのテープ幅方向におけるシフト量Sを決定する。そして、その決定したシフト量Sを、例えばEEPROM47に記憶させる。
【0152】
そして、ステップS170に移り、CPU44は、基材テープ53がさらに所定量(例えば、パターン印字領域Spのすべてがカッタユニット30を所定の長さ分越えるだけの搬送距離。いわゆる後余白用搬送量)だけ搬送されたかどうかを判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS115と同様に行えばよい。所定量搬送されるまで、ステップS170の判定が満たされずループして待機し、所定量搬送されたら、ステップS170の判定が満たされて、ステップS175に移る。
【0153】
ステップS175では、CPU44は、入出力インターフェース41を介しテープ送りモータ駆動回路33に制御信号を出力し、テープ送りモータ32によるテープ送りローラ駆動軸14及びリボン巻取りローラ駆動軸15の駆動を停止させる。これにより、基材テープロール38からの基材テープ53の繰り出し、及び、基材テープ53の搬送を停止させる。
【0154】
その後、ステップS180で、CPU44は、入出力インターフェース41を介しソレノイド駆動回路36に制御信号を出力し、ソレノイド34を駆動して、カッタユニット30の可動刃30Aを作動させ、印字済みの基材テープ53の切断を行わせる。このカッタユニット30による切断によって印字済みの基材テープ53から切り離され、ラベルが生成されて、前述のテープ排出口4より筐体2外部へと排出される。そして、このルーチンを終了する。
【0155】
なお、上記において、ステップS120、ステップS150、及びステップS155が、各請求項記載の第1印字制御手段として機能し、そのうちステップS155は、パターン終了制御手段としても機能する。また、ステップS160及びステップS165が、決定手段として機能し、そのうちステップS160は、算出手段としても機能する。
【0156】
図16は、上記図14のステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【0157】
図16において、まずステップS205で、CPU44は、操作者により操作端末100の操作部102を介し入力された印字データを、ケーブル5及び通信用インターフェース43を介し入力する。
【0158】
そして、ステップS210に移り、CPU44は、上記図15のステップS165で決定されたシフト量Sを、例えばEEPROM47から取得する。
【0159】
その後、ステップS215で、CPU44は、上記ステップS210で取得されたシフト量Sを用いて、データ印字領域Sdをシフトする。例えば、S=+3[ドット]であった場合には、データ印字領域Sdは、テープ幅方向一方側へ3ドットだけシフトされる。S=−3[ドット]であった場合には、データ印字領域Sdは、テープ幅方向他方側へ3ドットだけシフトされる。S=0[ドット]であった場合には、データ印字領域Sdのシフトは行われない。
【0160】
そして、ステップS220に移り、CPU44は、入出力インターフェース41を介しテープ送りモータ駆動回路33に制御信号を出力し、テープ送りモータ32によりテープ送りローラ駆動軸14及びリボン巻取りローラ駆動軸15を駆動させる。これにより、基材テープロール38からの基材テープ53の繰り出しを開始させ、基材テープ53の搬送を開始させる。
【0161】
その後、ステップS225で、CPU44は、基材テープ53が所定量だけ搬出されたかどうかを判定する。この所定量とは、例えば、基材テープ53のデータ印字領域Sdの先端が、印字ヘッド9がほぼ対向する位置に到達するだけの搬送距離(いわゆる前余白用搬送量)である。このときの判定は、例えば、上記図15のステップS115と同様に行えばよい。所定量搬送されるまで、ステップS225の判定が満たされずループして待機し、所定量搬送されたら、ステップS225の判定が満たされて、ステップS230に移る。
【0162】
ステップS230では、CPU44は、入出力インターフェース41を介し印字ヘッド駆動回路31に制御信号を出力し、印字ヘッド9に、上記ステップS215でシフトされた(S=0のため実質的にシフトされなかった場合も含む)データ印字領域Sdに対する、上記ステップS205で入力された印字データの印字を開始させる。すなわち、CPU44は、上記ステップS215でシフトされたデータ印字領域Sdに対し、上記ステップS205で入力された印字データの印字を行うように、印字ヘッド駆動回路31を介し印字ヘッド9を制御する。
【0163】
そして、ステップS235に移り、CPU44は、印字ヘッド9によるデータ印字領域Sdに対する印字データの印字がすべて完了しているかどうかを判定する。印字がすべて終了するまで、ステップS235の判定が満たされずループして待機し、印字がすべて終了したら、ステップS235の判定が満たされて、ステップS240に移る。
【0164】
ステップS240では、CPU44は、基材テープ53がさらに所定量(例えば、データ印字領域Sdのすべてがカッタユニット30を所定の長さ分越えるだけの搬送距離。いわゆる後余白用搬送量)だけ搬送されたかどうかを判定する。このときの判定は、例えば、上記図15のステップS115と同様に行えばよい。所定量搬送されるまで、ステップS240の判定が満たされずループして待機し、所定量搬送されたら、ステップS240の判定が満たされて、ステップS245に移る。
【0165】
ステップS245では、CPU44は、入出力インターフェース41を介しテープ送りモータ駆動回路33に制御信号を出力し、テープ送りモータ32によるテープ送りローラ駆動軸14及びリボン巻取りローラ駆動軸15の駆動を停止させる。これにより、基材テープロール38からの基材テープ53の繰り出し、及び、基材テープ53の搬送を停止させる。
【0166】
その後、ステップS250で、CPU44は、入出力インターフェース41を介しソレノイド駆動回路36に制御信号を出力し、ソレノイド34を駆動して、カッタユニット30の可動刃30Aを作動させ、印字済みの基材テープ53の切断を行わせる。このカッタユニット30による切断によって印字済みの基材テープ53から切り離され、印字ラベルLが生成されて、前述のテープ排出口4より筐体2外部へと排出される。そして、このルーチンを終了する。
【0167】
なお、上記において、ステップS230及びステップS235が、各請求項記載の第2印字制御手段として機能する。
【0168】
以上説明したように、本実施形態においては、基材テープ53に、パターン印字領域Spが設けられている。印字ヘッド9は、CPU44の制御に基づき、パターン印字領域Spに対し、定形パターンRp1〜Rp11を、基材テープ53が搬送されるにつれてテープ幅方向一方側へ規則的にずらしつつ(上記の例では1ドットずつ段階的にずらしつつ)、テープ搬送方向に並べて印字する(図15のステップS120を参照)。その後、上記パターン印字領域Spに対し印字された定形パターンRp1〜Rp11が順次検出される(図15のステップS140を参照)。そして、その検出結果に基づき、基準パターンである定形パターンRp6の印字端部RE6の、基材テープ53のテープ端部53Eからの位置ずれ量Gに対応する、印字ヘッド9を基準としたデータ印字領域Sdのテープ幅方向におけるシフト量Sが決定される(図15のステップS165を参照)。そして、その決定結果に基づくCPU44の制御により、印字ヘッド9が、テープ幅方向一方側又はテープ幅方向他方側にシフトされたデータ印字領域Sdに対し、所望の印字データの印字を行う(図16のステップS230を参照)。これによって印字ラベルLが作成される。
【0169】
以上のように、基準パターンである定形パターンRE6の印字端部REが上記テープ端部53Eからどれだけずれているかによって、基材テープ53が上記基準位置からどれだけずれているか、言い換えれば、基材テープ53のテープ幅方向における印字位置ずれ量を知ることができる。これにより、基材テープ53を用いて印字ラベルLを作成する際に、自動的に、基材テープ53のテープ幅方向における印字位置ずれ量に応じた印字位置の調整を行うことができる。この結果、操作者の手動操作に基づき印字位置の調整を行う場合に比べ、操作者の労力負担を低減することができる。
【0170】
また、本実施形態では特に、上記図15のステップS140で検出される定形パターンRpに、印字端部REが上記テープ端部53Eに対応した対応パターンが含まれている。そして、基準パターンである定形パターンRp6の、対応パターンからの離隔ドット数Dが、前述の位置ずれ量Gとして算出される(図15のステップS160を参照)。これにより、基材テープ53のテープ幅方向における印字位置ずれ量をドット単位で詳細に表すことができるので、印字位置の調整をさらに高精度に行うことができる。
【0171】
また、本実施形態では特に、投光器35Aが基材テープ53の搬送経路に向かって投光を行い、基材テープ53の上記定形パターンRpの印字がされていない非印字部分での反射光が受光器35Bに受光され、その受光量に応じた検出電圧値Vが出力される。したがって、定形パターンRp1〜Rp11が、上述したように、テープ幅方向一方側へ規則的にずらされつつ(上記の例では1ドットずつ段階的にずらされつつ)印字されている場合、投光器35Aの投光範囲81外から投光範囲81内に定形パターンRpが入り込んでくるにつれ検出電圧値Vが低下する。これにより、テープ端部53E付近が投光範囲81となるように投光器35Aを設けておき、定形パターンRpがテープ端部53E付近に徐々に近づき投光範囲81内に入り込み始めると、受光器35Bの検出電圧値Vが前述のパターンしきい値より小さくなるので、これによって、定形パターンRpの検出を行うことができる。そしてさらに、定形パターンRpが投光範囲81内に入り込んでくると、受光器35Bの検出電圧値Vは、印字端部REがテープ端部53Eに一致する対応パターンまで徐々に小さくなるので、この検出電圧値Vが前述の対応パターン検出しきい値に到達したことによって(上記の例では略0になることによって)、対応パターンを検出することができる。
【0172】
このようにして、対応パターンを確実に検出することができ、基材テープ53のテープ幅方向における印字位置ずれ量を確実にドット単位で詳細に表すことができる。
【0173】
また、本実施形態では特に、受光器35Bによる検出電圧値Vが略0となることにより、対応パターンを検出する。これにより、煩雑な値をしきい値として設定する場合に比べ、対応パターンを簡単な処理により検出することができる。
【0174】
ここで、前述したように、本実施形態においては、印字ヘッド9がパターン印字領域Spに印字する定形パターンRpに対する検出結果に応じて、印字ラベルLの作成の際の、データ印字領域Sdへの印字制御が行われる。その際、基材テープ53を搬送させながら定形パターンRpの印字を行いつつ定形パターンRpの検出を行う。この場合には、前述の対応パターンの検出が行われた後に、さらに引き続き定形パターンRpの印字を行う必要はない。
【0175】
そこで、本実施形態では特に、対応パターンが検出された場合に、印字ヘッド9は、定形パターンRpの印字を終了する。これにより、必要以上の無駄な印字動作を防止することができる。
【0176】
また、対応パターンが検出された場合は、前述のようにして定形パターンRpが十分に投光範囲81内に入り込んだ状態である。したがって、これ以上定形パターンRpの印字を継続すると、定形パターンRpは、さらにテープ幅方向一方側へとずれていき、逆に投光範囲81外へと逸脱していく挙動となる。この結果、基材テープ53のテープ端部53Eを超えたテープ外領域に対し、印字ヘッド9により定形パターンRpの印字が継続されることとなる。本実施形態では、このようなテープ外領域への過度の印字継続を回避できる効果もある。この結果、上記テープ外領域での印字ヘッド9の印字動作による、当該印字ヘッド9と対向する位置に設けられたローラのインク汚れを抑制できる。
【0177】
また、本実施形態では特に、調整モードとラベル作成モードとを切り替え可能に備える。これにより、操作者の意図に応じて、印字位置の調整を行う調整モードと、印字ラベルLの作成を行うラベル作成モードとを切り替えることができる。そして、まず調整モードに切り替えて印字位置の調整を行った後に、ラベル作成モードに切り替えることで、確実に印字位置ずれを是正した状態でラベル作成を行うことができる。
【0178】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0179】
(1)テープフィード時に定形パターンの印字・検出を行う場合
上記実施形態においては、印字位置の調整を行う調整モードと印字ラベルLの作成を行うラベル作成モードとが別個に設けられており、調整モードに切り替えられた場合に、定形パターンRpの印字及び検出を行っていたが、これに限られない。すなわち、印字ラベル作成動作時のいわゆるテープフィードの際に定形パターンRpの印字及び検出を行うようにしてもよい。
【0180】
図17は、本変形例において、ラベル作成装置1のCPU44が実行する制御手順を表すフローチャートである。なお、この図17は、前述の図14に対応する図である。図17と同等の手順には同符号を付し、説明を適宜省略する。
【0181】
図17において、例えば操作者によりラベル作成装置1の電源がオンにされることによって、図中「START」位置で表されるように、このフローが開始される。
【0182】
まずステップS15で、CPU44は、例えば未使用のカートリッジ21をカートリッジホルダ8に装着した場合などに操作端末100の表示部101に表示される、いわゆるテープフィードを行うよう促す表示に応じた、操作者による前述のフィード&カットボタン39の操作に基づく操作信号が、入出力インターフェース41を介し入力されたかどうかを判定する。フィード&カットボタン39の操作に基づく操作信号が入力された場合には、ステップS15の判定が満たされて、基材テープ53を所定の搬送量だけ搬送するよう指示されたとみなし、ステップS100に代えて設けたステップS100Aに移る。
【0183】
ステップS100Aでは、CPU44は、調整処理(詳細内容は後述の図18参照)を実行する。その後、ステップS25に移る。
【0184】
一方、上記ステップS15において、フィード&カットボタン39の操作に基づく操作信号が入力されなかった場合には、ステップS15の判定が満たされず、ステップS25に直接移る。
【0185】
ステップS25では、CPU44は、1枚の印字ラベルLを作成する旨のラベル作成指示信号が、操作端末100からケーブル5及び通信用インターフェース43を介し入力されたかどうかを判定する。ラベル作成指示信号が入力された場合には、ステップS25の判定が満たされて、ステップS200に移る。
【0186】
ステップS200は、前述の図14と同様であり、CPU44は、ラベル作成処理(詳細内容は図16参照)を実行する。その後、ステップS30に移る。
【0187】
一方、ラベル作成指示信号が入力されなかった場合には、ステップS25の判定が満たされず、ステップS30に直接移る。ステップS30は、前述の図14と同様であるので説明を省略する。
【0188】
図18は、上記図17のステップS100Aの詳細手順を表すフローチャートである。なお、この図18は、前述の図15に対応する図である。図15と同等の手順には同符号を付し、説明を適宜省略する。
【0189】
図18において、前述の図15と異なる点は、ステップS115を省略し、ステップS170に代えてステップS172を設けた点である。
【0190】
すなわち、CPU44は、まずステップS110で、前述の図15同様に、基材テープ53の搬送を開始させた後、ステップS120に移る。
【0191】
ステップS120は、前述の図15と同様であり、CPU44は、印字ヘッド9に、パターン印字領域Spに対する定形パターンRp1〜Rp11の印字を開始させる。また特に、本変形例におけるステップS120では、CPU44は、テープ送りローラ駆動軸14等の駆動力に基づき基材テープ53を所定の搬送量だけ搬送するまでの間に、パターン印字領域Spに対する定形パターンRp1〜Rp11の印字を行うように、印字ヘッド駆動回路31を介し印字ヘッド9を制御する。
【0192】
その後のステップS125〜ステップS165は、前述の図15と同様である。そして、ステップS170に代えて設けたステップS172で、CPU44は、基材テープ53が、上記ステップS110で搬送が開始されてから所定の搬送量だけ搬送されたかどうかを判定する。このときの判定は、例えば、前述の図14のステップS115と同様に行えばよい。所定の搬送量搬送されるまで、ステップS172の判定が満たされずループして待機し、所定の搬送量だけ搬送されたら、ステップS172の判定が満たされて、ステップS175に移る。
【0193】
ステップS175及びステップS180は、前述の図15と同様であるので説明を省略する。
【0194】
以上説明したように、本変形例においては、ラベル作成動作時の、いわゆるテープフィードの際に、印字位置の調整が行われる。これにより、上記実施形態のように、最初に調整モードに切り替えて印字位置ずれの調整を行った後に、ラベル作成モードに切り替えて改めてラベル作成を行う場合に比べて、基材テープ53の無駄使いを防止することができる。
【0195】
(2)次回の印字ラベルの前余白に対し定形パターンを印字する場合
前述の実施形態では調整モードに切り替えられた際に、上記実施形態では印字ラベル作成動作時のいわゆるテープフィードの際に、それぞれ、定形パターンRpの印字及び検出を行っていたが、これに限られない。すなわち、印字ラベルLの作成の際に、次回の印字ラベルLの先端部分に対し定形パターンRpの印字を行い、その後新しく印字ラベルLの作成を行う際に、前回の印字ラベルLの作成の際に印字された定形パターンRpの検出を行うようにしてもよい。
【0196】
本変形例においては、パターン印字領域Sdが、次回のラベル作成の際に前述のデータ印字領域Sdよりもテープ先端側の位置、すなわち次回の印字ラベルLの先端部分(いわゆる前余白)の位置、に設けられている。
【0197】
図19は、本変形例において、ラベル作成装置1のCPU44が実行する制御手順を表すフローチャートである。なお、この図19は、前述の図14及び図17に対応する図である。図14及び図17と同等の手順には同符号を付し、説明を適宜省略する。
【0198】
図19において、例えば操作者によりラベル作成装置1の電源がオンにされることによって、図中「START」位置で表されるように、このフローが開始される。
【0199】
まずステップS25で、CPU44は、前述の図17と同様に、ラベル作成指示信号が入力されたかどうかを判定する。ラベル作成指示信号が入力されなかった場合には、ステップS25の判定が満たされずループして待機し、ラベル作成指示信号が入力された場合には、ステップS25の判定が満たされて、ステップS200Aに移る。
【0200】
ステップS200Aでは、CPU44は、ラベル作成処理(詳細内容は図20参照)を実行する。その後、ステップS30に移る。
【0201】
ステップS30は、前述の図14と同様であるので説明を省略する。
【0202】
図20は、上記図19のステップS200Aの詳細手順を表すフローチャートである。なお、この図20は、前述の図16に対応する図である。図16と同等の手順には同符号を付し、説明を適宜省略する。
【0203】
図20において、前述の図16と異なる点は、ステップS210及びステップS215を省略し、ステップS220とステップS225との間に新たにステップS2201〜ステップS2206を設け、ステップS225とステップS230との間に新たにステップS227を設け、さらにステップS250の後に新たにステップS255〜ステップS270を設けた点である。
【0204】
すなわち、CPU44は、ステップS205で、印字データを入力し、ステップS220で、基材テープ53の搬送を開始させたら、新たに設けたステップS2201に移る。
【0205】
ステップS2201では、CPU44は、パターンセンサ35の受光器35Bから出力された検出電圧値Vを取得する。すなわち、この時点では、投光器35Aの投光範囲81は、基材テープ53の先端の非印字部分に位置しているので、前述の初期白対応電圧値Vwが取得される。
【0206】
その後、新たに設けたステップS2202で、CPU44は、上記ステップS2201で取得された初期白対応電圧値Vwを、前述のパターン検出しきい値に設定する。
【0207】
そして、新たに設けたステップS2203に移り、CPU44は、受光器35Bから出力された検出電圧値Vを取得する。
【0208】
その後、新たに設けたステップS2204で、CPU44は、上記ステップS2203で取得された検出電圧値Vに基づき、前回のラベル作成の際にCPU44の制御に基づき印字ヘッド9が今回の印字ラベルLの前余白となる位置に設けられたパターン印字領域Spに対し印字した、定形パターンRp1〜Rp11を順次検出する。具体的には、前述したように、検出電圧値Vがパターン検出しきい値以上である間は、定形パターンRpを検出せず、検出電圧値Vがパターン検出しきい値より小さくなることにより、定形パターンRp1を検出する。その後、検出電圧値Vが略0となるまでの間は、定形パターンRp2〜Rp11を順次検出し、検出電圧値Vが略0となることにより、前述の対応パターンを検出する。なお、本変形例では、このステップS2204とパターンセンサ35とが、各請求項記載の検出手段として機能する。
【0209】
そして、新たに設けたステップS2205に移り、CPU44は、上記ステップS2205での定形パターンRpの検出結果に基づき、前述の離隔ドット数Dを、前述の位置ずれ量Gとみなして算出する。
【0210】
その後、ステップS2206で、CPU44は、上記ステップS2205で算出された離隔ドット数Dに−1を掛けることで、前述のシフト量Sを決定する。
【0211】
その後のステップS225は、前述の図16と同様であり、基材テープ53が所定量だけ搬出されたかどうかを判定する。所定量搬送されるまで、ステップS225の判定が満たされずループして待機し、所定量搬送されたら、ステップS225の判定が満たされて、新たに設けたステップS227に移る。
【0212】
ステップS227では、CPU44は、上記ステップS2206で決定されたシフト量Sを用いて、データ印字領域Sdをシフトする。
【0213】
その後のステップS230〜ステップS250は、前述の図16と同様である。そして、ステップS250を実行後、新たに設けたステップS255に移る。
【0214】
ステップS255では、CPU44は、入出力インターフェース41を介しテープ送りモータ駆動回路33に制御信号を出力し、テープ送りモータ32によりテープ送りローラ駆動軸14及びリボン巻取りローラ駆動軸15を駆動させる。これにより、基材テープロール38からの基材テープ53の繰り出しを開始させ、基材テープ53の搬送を開始させる。
【0215】
そして、新たに設けたステップS260に移り、CPU44は、入出力インターフェース41を介し印字ヘッド駆動回路31に制御信号を出力し、印字ヘッド9に、次回の印字ラベルLの前余白となる位置に設けられたパターン印字領域Spに対する定形パターンRp1〜Rp11の印字を開始させる。具体的には、CPU44は、上記パターン印字領域Spに対し、定形パターンRp1〜Rp11を、基材テープ53が搬送されるにつれてテープ幅方向一方側へ1ドットずつ段階的にずらしつつ、テープ搬送方向に並べて印字するように、印字ヘッド駆動回路31を介し印字ヘッド9を制御する。
【0216】
その後、新たに設けたステップS265で、CPU44は、上記パターン印字領域Spに対する定形パターンRp1〜Rp11の印字がすべて完了しているかどうかを判定する。印字がすべて完了するまで、ステップS265の判定が満たされずループして待機し、印字がすべて完了したら、ステップS265の判定が満たされて、新たに設けたステップS270に移る。
【0217】
ステップS270では、CPU44は、入出力インターフェース41を介しテープ送りモータ駆動回路33に制御信号を出力し、テープ送りモータ32によるテープ送りローラ駆動軸14及びリボン巻取りローラ駆動軸15の駆動を停止させる。これにより、基材テープロール38からの基材テープ53の繰り出し、及び、基材テープ53の搬送を停止させる。
【0218】
以上説明したように、本変形例においては、印字ラベルLの作成の際に、次回の印字ラベルLの先端部分(いわゆる前余白)となるパターン印字領域Spに対し、定形パターンRp1〜Rp11の印字が行われる。この結果、その後新しく印字ラベルLの作成を行う際には、今回の印字ラベルLの先端部分となるパターン印字領域Spに前回の印字ラベルLの作成のときに印字された、定形パターンRp1〜Rp11の検出が行われ、印字位置の調整が行われる。これにより、1枚のラベル作成動作において、定形パターンRpの印字、定形パターンRpの検出、印字位置ずれ是正、及び印字データの印字を行う場合に比べ、ラベルとして使用しない部分の無駄な搬送動作を削減でき、基材テープ53の無駄使いを防止することができる。
【0219】
(3)マスキング印刷を行う場合
すなわち、定形パターンRp1〜Rp11のそれぞれに付随するように、反射領域を調整するための調整パターンを印字するようにしてもよい。
【0220】
例えば、投光器35Aの投光範囲が前述のように印字された定形パターンRp1〜Rp11のテープ搬送方向寸法よりも広い場合には、前述のように、定形パターンRpを1個ずつ順次投光範囲に重ねていくことができない。そこで本実施形態では、パターン印字領域Spに対し定形パターンRp1〜Rp11を印字する際に、これら定形パターンRp1〜Rp11のそれぞれに付随するように、反射領域を調整するための調整パターンを印字する。
【0221】
図21に、定形パターンRp1〜Rp11のそれぞれに付随するように印字された調整パターンの一例を示す。
【0222】
図21に示す例では、基材テープ53のパターン印字領域Spには、定形パターンRp1〜Rp11のそれぞれに付随するように、略長方形状を備えた調整パターンRa1,Ra2,Ra3,Ra4,Ra5,Ra6,Ra7,Ra8,Ra9,Ra10,Rp11が印字されている。
【0223】
なお、この例では、定形パターンRp1に付随する調整パターンを調整パターンRa1、定形パターンRp2に付随する調整パターンを調整パターンRa2、定形パターンRp3に付随する調整パターンを調整パターンRa3、定形パターンRp4に付随する調整パターンを調整パターンRa4、定形パターンRp5に付随する調整パターンを調整パターンRa5、定形パターンRp6に付随する調整パターンを調整パターンRa6、定形パターンRp7に付随する調整パターンを調整パターンRa7、定形パターンRp8に付随する調整パターンを調整パターンRa8、定形パターンRp9に付随する調整パターンを調整パターンRa9、定形パターンRp10に付随する調整パターンを調整パターンRa10、定形パターンRp11に付随する調整パターンを調整パターンRa11と称している。また、以下適宜、単体を示す場合は単に「調整パターンRa」と称する。
【0224】
具体的に言うと、定形パターンRp1〜Rp10に関しては、それらのテープ搬送方向下流側(図中左側)に、それぞれ、調整パターンRa1〜Ra10が印字されている。定形パターンRp11に関しては、そのテープ搬送方向下流側及びその反対の上流側(図中右側)に、調整パターンRa11が印字されている。
【0225】
投光器35Aの投光範囲81′は、この例では、平面視で略円形状となっている(いわゆるスポット投光)。また、投光範囲81′のテープ搬送方向寸法(図中左右方向の長さ)は、定形パターンRpのテープ搬送方向寸法より長くなっている。
【0226】
本変形例において、ラベル作成装置1のCPU44が実行する制御手順は、前述の図14とほぼ同様である。但し、前述の図15に示すステップS120では、CPU44は、入出力インターフェース41を介し印字ヘッド駆動回路31に制御信号を出力し、印字ヘッド9に、パターン印字領域Spに対する定形パターンRp1〜Rp11、及び、これら定形パターンRp1〜Rp11のそれぞれに付随する上記調整パターンRa1〜Ra11の印字を開始させる。具体的言うと、CPU44は、パターン印字領域Spに対し、定形パターンRp1〜Rp11を、基材テープ53が搬送されるにつれてテープ幅方向一方側へ1ドットずつ段階的にずらしつつ、テープ搬送方向に並べて印字するように、印字ヘッド駆動回路31を介し印字ヘッド9を制御すると共に、これら定形パターンRp1〜Rp11のそれぞれに付随して、上記調整パターンRa1〜Ra11を印字するように、印字ヘッド駆動回路31を介し印字ヘッド9を制御する。すなわち、本変形例におけるステップS120も、各請求項記載の第1印字制御手段として機能する。
【0227】
本変形例によれば、投光器35Aによる投光範囲81′が上記1ドットずつ段階的にずれていく定形パターンRp1〜Rp11のずれ分よりも広い場合に、上記ずれ分を際立たせるマスキングを行うように、調整パターンRa1〜Ra11を印字することができる。この結果、誤検出の少ない高精度な検出を行うことができる。
【0228】
(4)その他
以上においては、印字済みの基材テープ53をカッタユニット30で切断して印字ラベルLを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタユニット30で切断しなくても、テープがテープ排出口4から排出されてきた後にラベル台紙(対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がして印字ラベルを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0229】
また、以上においては、基材テープ53に印字を行う方式であったが、これに限られず、基材テープとは別のカバーフィルム等の被印字テープに印字を行ってこれらを貼り合わせる方式に本発明を適用してもよい。この場合には、パターンセンサ35の投光器35Aは被印字テープ側に投光し、受光器35Bは、被印字テープの被印字部分で反射された反射光を受光する。
【0230】
さらに、以上においては、基材テープ53が基材テープ用スプール56の周りに巻回されて基材テープロール38を構成し、カートリッジ21内にその基材テープロール38が配置されて基材テープ53が繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをラベル作成装置1側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字を行い印字ラベルを作成するようにしてもよい。
【0231】
さらには上記ロールを直接ラベル作成装置1側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをラベル作成装置1外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しラベル作成装置1内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ21のような筐体2側に着脱可能なものにも限られず、筐体2側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型として基材テープロールを設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0232】
なお、以上において、図4中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0233】
また、図14、図15、図16等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0234】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0235】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0236】
1 ラベル作成装置
9 印字ヘッド(印字手段)
14 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)
35 パターンセンサ
35A 投光器(投光手段)
35B 受光器(受光手段)
39 フィード&カットボタン(操作手段)
44 CPU
53 基材テープ(ラベル用テープ)
53E テープ端部(テープ幅方向一方側のテープ端部)
81 投光範囲
L 印字ラベル
Lr 反射光
Ra,Ra1〜11 調整パターン
RE,RE1〜11 印字端部(テープ幅方向一方側の印字端部)
Rp,Rp1〜11 定形パターン
Rd 印字データの印字
Sd データ印字領域
Sp パターン印字領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル用テープを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記ラベル用テープ又は前記ラベル用テープに貼り合わされる被印字テープのうち、データ印字領域に対し所望の印字データの印字を行うための印字手段と、
前記ラベル用テープ又は前記被印字テープのうち、パターン印字領域に対し、前記ラベル用テープの搬送方向と直交する方向に関して予め定められた基準位置に前記ラベル用テープが位置する場合に、当該ラベル用テープのテープ幅方向一方側のテープ端部に、テープ幅方向一方側の印字端部が対応した少なくとも1個の基準パターンを含む、複数個の定形パターンを、前記ラベル用テープが搬送されるにつれてテープ幅方向一方側へ規則的にずらしつつ、前記ラベル用テープの搬送方向に並べて印字するように、前記印字手段を制御する第1印字制御手段と、
前記第1印字制御手段の制御に基づき前記印字手段が前記パターン印字領域に対し印字した前記複数個の前記定形パターンを順次検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記基準パターンの前記テープ幅方向一方側の印字端部の、前記ラベル用テープの前記テープ幅方向一方側のテープ端部からの位置ずれ量に対応する、前記データ印字領域のテープ幅方向におけるシフト量を決定する決定手段と、
前記決定手段の決定結果に基づいてシフトされた前記データ印字領域に対し前記所望の印字データの印字を行うように、前記印字手段を制御する第2印字制御手段と
を有することを特徴とするラベル作成装置。
【請求項2】
請求項1記載のラベル作成装置において、
前記複数個の前記定形パターンは、
前記ラベル用テープの前記テープ幅方向一方側のテープ端部に、前記テープ幅方向一方側の印字端部が対応した特定の定形パターンを含み、
前記決定手段は、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記基準パターンの、前記特定の定形パターンからの離隔ドット数を、前記位置ずれ量として算出する算出手段を備える
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項3】
請求項2記載のラベル作成装置において、
前記ラベル用テープ又は前記印字テープのうち、前記印字手段により印字が行われていない非印字部分は光反射性を備えると共に、前記印字手段により前記定形パターンの印字が行われた印字部分は光吸収性を備え、
前記検出手段は、
前記ラベル用テープの搬送経路に向かって投光可能な投光手段と、
前記投光手段から投光され前記ラベル用テープ又は前記被印字テープの前記非印字部分で反射された反射光を受光し、その受光した光量に対応した検出電圧値を出力可能な受光手段と
を備えており、
前記受光手段による前記検出電圧値が所定の第1しきい値より小さくなることにより、前記定形パターンを検出すると共に、前記受光手段による前記検出電圧値が前記第1しきい値よりも小さい所定の第2しきい値に到達することにより、前記特定の定形パターンを検出する
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項4】
請求項3記載のラベル作成装置において、
前記検出手段は、
前記受光手段による前記検出電圧値が略0となることにより、前記特定の定形パターンを検出する
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4記載のラベル作成装置において、
前記検出手段により前記特定の定形パターンが検出されたかどうかを判定する判定手段をさらに有し、
前記第1印字制御手段は、
前記判定手段により前記特定の定形パターンが検出されたと判定された場合に、前記定形パターンの印字を終了するように、前記印字手段を制御するパターン終了制御手段を備える
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のラベル作成装置において、
前記第1印字制御手段の制御に基づく前記印字手段による前記複数個の前記定形パターンの印字、前記検出手段による前記定形パターンの検出、及び、前記決定手段による前記シフト量の決定を行い、印字位置の調整を行う調整モードと、前記第2印字制御手段の制御に基づき前記印字手段が前記データ印字領域に対し前記所望の印字データの印字を行い、印字ラベルの作成を行うラベル作成モードとを、切り替え可能に備える
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項の記載のラベル作成装置において、
前記ラベル用テープを所定の搬送量だけ搬送するように指示するための操作手段をさらに有し、
前記操作手段により前記ラベル用テープを前記所定の搬送量だけ搬送するように指示された場合、
前記第1印字制御手段は、
前記搬送手段が前記ラベル用テープを前記所定の搬送量だけ搬送するまでの間に、前記パターン印字領域に対し前記複数個の前記定形パターンの印字を行うように、前記印字手段を制御し、
前記検出手段は、
前記第1印字制御手段の制御に基づき前記印字手段が前記パターン印字領域に対し印字した前記複数個の前記定形パターンを順次検出する
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のラベル作成装置において、
前記第1印字制御手段は、
前記第2印字制御手段の制御に基づき前記データ印字領域に対し前記所望の印字データの印字を行った後に、次回のラベル作成の際の前記データ印字領域よりもテープ先端側に位置する前記パターン印字領域に対し前記複数個の前記定形パターンの印字を行うように、前記印字手段を制御し、
前記検出手段は、
前回のラベル作成の際に前記第1印字制御手段の制御に基づき前記印字手段が前記パターン印字領域に対し印字した前記複数個の前記定形パターンを順次検出する
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項9】
請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載のラベル作成装置において、
前記第1印字制御手段は、
前記複数個の前記定形パターンのそれぞれに付随して、反射領域を調整するための調整パターンを印字するように、前記印字手段を制御する
ことを特徴とするラベル作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−255584(P2011−255584A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131724(P2010−131724)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】