説明

ラベル印刷貼付装置

【課題】ラベルに情報を印刷して剥離したラベルを被貼付部材に貼り付ける機能を備えるラベル印刷貼付装置において、ラベルに情報を印刷して剥離紙に貼着された状態で排出させる機能を提供する。
【解決手段】ラベル印刷貼付装置100Aは、剥離プレート28と巻取リール14との間のラベル貼付経路M1上に設けられた剥離紙センサ70を備える。ラベル貼付経路M1にラベルシート90がセットされると(図2(A))、イニシャライズ動作時に剥離紙センサ70によりラベルシート90が検出される。この場合には、制御部によりラベル貼付モードが実行される。一方、ラベル印刷経路M3にラベルシート90がセットされると(図2(B))、イニシャライズ動作時に剥離紙センサ70にラベルシート90が検出されないので、この場合には制御部によりラベル印刷モードが実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報が印刷されたラベルを剥離して、搬送されてくる封筒等の物品に剥離したラベルを貼り付けて排出するラベル印刷貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、剥離紙に貼着されたラベルに文字等を印刷し、搬送されてくる封筒等の物品にラベルを貼り付けて排出するラベル印刷貼付装置が利用されている。ラベル印刷装置は、ラベルシートを搬送するラベル経路と、ラベルに文字等を印刷するサーマルヘッド等から構成される印刷部と、ラベルを剥離する剥離部と、封筒などの物品を搬送する封筒経路とを備えている。印刷部で印刷されたラベルは、ラベル経路に沿って搬送されて剥離部で剥離され、封筒経路に沿って搬送されてくる封筒に貼り付けられ、排出部から排出される。
【0003】
例えば、特許文献1には、プリンタでのラベル発行速度の遅いプリンタに対してもある一定量で連続的に搬送される物品に、コンベアを停止することなく連続してラベルの自動貼付が可能なラベル自動貼付装置が開示されている。このラベル自動貼付装置によれば、ある限られた枚数であるが、物品へのラベルの連続貼付を行うことができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平6−34268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されるラベル自動貼付装置等では、文字等を印刷したラベルを剥離して物品に貼り付けて排出する機能は備えているが、文字等を印刷したラベルを物品に貼り付けることなく、ラベルを剥離紙に貼着した状態でそのまま外部に排出する機能は備えていない。
【0006】
そのため、ラベル印刷貼付装置でラベルの印刷貼付作業を行っている場合に、印刷したラベルを剥離紙に貼着した状態でそのまま排出して利用したい場合には、別途ラベルプリンタを用意しなければならないという問題があった。この場合には、ラベル印刷貼付装置とラベルプリンタの双方を用意しなければならず、コストがかかってしまうと共に、使用する運転モード毎に装置を交換して使用しなければならないので作業者の負担が増えてしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ラベルに情報を印刷して剥離したラベルを被貼付部材に貼り付ける機能を備えるラベル印刷貼付装置において、ラベルに情報を印刷して剥離紙に貼着された状態で排出させる機能を備えるラベル印刷貼付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るラベル印刷貼付装置は、ラベルが貼着された剥離紙を巻回する元巻部と、元巻部から送り出されるラベルに情報を印刷する印刷部と、印刷部よりも下流側に設けられ、印刷部により情報が印刷されたラベルを剥離する剥離部とを備えた第1の搬送経路と、剥離部により剥離されたラベルを、第2の搬送経路に沿って搬送されてくる被貼付部材に貼り付けて排出するラベル貼付モードを実行する制御部とを備え、制御部は、印刷部により情報が印刷されたラベルを剥離紙に貼着された状態で排出するラベル印刷モードを有するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1台のラベル印刷貼付装置によりラベル貼付モードとラベル印刷モードとの両モードを実行することができる。これにより、ラベルの印刷のみを行いたい場合でも別途ラベルプリンタ等を用意する必要がないので、コストの削減を図ることができる。また、ラベル貼付動作とラベル印刷動作とで装置を交換する必要もないので、作業者の負担軽減を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るラベル印刷貼付装置の断面構成例を示す図である。
【図2】運転モードに応じたラベルシートのセットの一例を示す図である。
【図3】ラベル印刷貼付装置のブロック構成例を示す図である。
【図4】ラベル印刷貼付装置の動作例を示すフローチャートである。
【図5】ラベル貼付モードの動作例を示すフローチャートである(その1)。
【図6】ラベル貼付モードの動作例を示すフローチャートである(その2)。
【図7】ラベル印刷モードの動作例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るラベル印刷貼付装置におけるラベル貼付モードを実行する場合のラベルシートのセットの一例を示す図である。
【図9】ラベル印刷モードを実行する場合のラベルシートのセットの一例を示す図である。
【図10】ラベル印刷貼付装置のブロック構成例を示す図である。
【図11】ラベル印刷貼付装置の動作例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係るラベル印刷貼付装置の構成例を模式的に示す図である。
【図13】運転モードに応じたラベルシートのセットの一例を示す図である。
【図14】ラベル印刷貼付装置のブロック構成例を示す図である。
【図15】ラベル印刷貼付装置の動作例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第4の実施の形態に係るラベル印刷貼付装置における運転モードに応じたラベルシートのセットの一例を示す図である。
【図17】ラベル印刷貼付装置のブロック構成例を示す図である。
【図18】ラベル印刷貼付装置の動作例を示すフローチャートである。
【図19】従来のラベルシートの構成例を示す図である。
【図20】本発明の第5の実施の形態に係るラベル印刷貼付装置に用いられるラベルシートの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。
<1.第1の実施の形態>
[ラベル印刷貼付装置の構成例]
図1は、本発明に係るラベル印刷貼付装置100Aの断面構成の一例を示している。以下の説明では、被貼付部材として封筒98を用いた例について説明する。また、元巻リール12から巻取リール14までのラベルの搬送経路をラベル貼付経路M1(点線)と呼び、封筒98の載置部50から排出ローラ46までの封筒98の搬送経路を封筒経路M2(一点鎖線)と呼び、元巻リール12から排出ローラ46(排出部)までの搬送経路をラベル印刷経路M3と呼ぶ。ラベル印刷経路M3は、元巻リール12から剥離プレート28までの経路がラベル貼付経路M1と共有しており、ラベル貼付位置(剥離プレート28)から排出口45までの経路が封筒経路M2と共有している。なお、ラベル貼付経路M1は第1の搬送経路に対応し、封筒経路M2は第2の搬送経路に対応し、ラベル印刷経路M3は第3の搬送経路に対応している。
【0012】
本発明に係るラベル印刷貼付装置100Aは、剥離紙センサ70によりラベルシート90が検出された場合にラベル貼付経路M1にラベルシートがセットされたと判断してラベル貼付モードを実行し、剥離紙センサ70によりラベルシート90が検出されない場合にラベル印刷経路M3にラベルシート90がセットされたと判断してラベル印刷モードを実行するものである。
【0013】
ここで、ラベル貼付モードとは、サーマルヘッド20により文字等をラベルに印刷し、印刷したラベルを剥離プレート28で剥離し、搬送されてくる封筒98の貼付指定位置に剥離したラベルを貼り付けて外部に排出させるモードである。ラベル印刷モードとは、サーマルヘッド20により文字等をラベル94に印刷し、印刷したラベルを、封筒98に貼り付けることなく、剥離紙に貼り付けた状態でそのまま外部に排出させるモードである。
【0014】
ラベル印刷貼付装置100Aは、図1に示すように、筐体10と印字機構部UTと載置部50と剥離紙センサ70とピックアップローラ30と送りローラ32と搬送ローラ38と捌き検出センサ42と封筒先端検出センサ44と排出ローラ46とを備えている。
【0015】
筐体10は、側面形状が略台形状をなす箱体であって、その内部にはピックアップローラ30や送りローラ34等が収容されている。印字機構部UTは、元巻リール12と巻取リール14とラベルガイド16とラベルエッジセンサ18とサーマルヘッド20とプラテンローラ22と剥離紙センサ70と剥離プレート28とを有し、筐体10の上部側であってラベル貼付経路M1上に配置されている。印字機構部UTは、印字機構部UTの前部に設けられたヒンジ部Oに取り付けられ、ヒンジ部Oを支点として開閉可能となっている。
【0016】
元巻リール12は、元巻部の一例であり、筐体10の印字機構部UTを構成する側板に取り付けられたリール軸(図示省略)に回転可能に軸支されている。元巻リール12には、剥離紙92にラベル94が貼着されたラベルシート90が巻回される(図19参照)。ラベル94は内側に向けられて元巻リール12に巻回される。ラベル94には、熱に反応して黒くなるよう加工された感熱紙(サーマル紙)を使用したものが用いられる。
【0017】
巻取リール14は、巻取部の一例であり、元巻リール12に隣接(近傍)して設けられ、印字機構部UTの側板に取り付けられたリール軸(図示省略)に回転可能に軸支されている。巻取リール14は、後述する搬送モータ24に接続され、搬送モータ24の駆動によりプラテンローラ22等と連動して回転し、ラベルシート90(剥離プレート28でラベル94が剥離された剥離紙92)を巻き取る。
【0018】
ラベルガイド16は、金属材料等からなる一対の平板部材から構成され、元巻リール12および巻取リール14の幅方向の両端側にそれぞれ配設され、ラベルシート90の搬送方向を規制して直進性を確保する。本例では、ラベルガイド16は、元巻リール12の送り出し口と巻取リール14の巻き取り口とを跨るような形状に形成され、一対のガイドプレートにより元巻リール12および巻取リール14の双方のガイドを行っている。
【0019】
ラベルエッジセンサ18は、元巻リール12とサーマルヘッド20との間のラベル貼付経路M1に設けられ、イニシャライズ動作時に、逆搬送されるラベル94の先端を検出して先頭のラベル94をサーマルヘッド20の印字位置に搬送させる。また、ラベルエッジセンサ18は、ラベル貼付モード時に、ラベル貼付経路M1を搬送されるラベル94のエッジを検出して印刷されるラベル94をカウントしたり、印刷されたラベル94が剥離位置Hに到達したか等を検出する。
【0020】
サーマルヘッド20は、ラベルエッジセンサ18よりもラベル貼付経路M1の下流側に、プラテンローラ22に対向するようにして設けられている。サーマルヘッド20は、図示しないサーマルヘッド駆動回路による印刷データに対応した通電によりラベル94を選択的に加熱して、元巻リール12から送り出されるラベル表面に所定の文字等を印刷する。なお、サーマルヘッド20は印刷部の一例を構成している。
【0021】
プラテンローラ22は、ラベルエッジセンサ18よりもラベル貼付経路M1の下流側に、サーマルヘッド20に対向するようにして設けられている。プラテンローラ22は、サーマルヘッド20の上方に設けられた搬送モータ24に接続され、搬送モータ24の駆動によって正回転してサーマルヘッド20で印刷されたラベル94を下流側に搬送する。また、プラテンローラ22は、イニシャライズ動作時に、搬送モータ24の逆転駆動によって逆回転してラベルシート90を逆搬送させる。
【0022】
剥離プレート28は、サーマルヘッド20よりもラベル貼付経路M1の下流側に設けられ、例えば金属材料からなる平板部材から構成されている。剥離プレート28は、剥離部の一例であり、剥離プレート28の裏面側に設けられた剥離ガイド26により排出ローラ46に向かって(ラベル貼付経路M1に沿って)傾斜するように支持されている。剥離ガイド26は、印字機構部UTを構成する側板に固定されている。
【0023】
剥離紙センサ70は、剥離プレート28と巻取ローラ15との間のラベル貼付経路M1に設けられ、イニシャライズ動作時にラベル貼付経路M1にラベルシート90がセットされているか否かを検出する。剥離紙センサ70は検出部の一例を構成し、剥離紙センサ70には例えば光センサが用いられる。なお、剥離紙センサ70は、ラベル貼付経路M1上であって、ラベル貼付経路M1にセットされたラベルシート90を検出できる位置であれば上記位置に限定されることはない。
【0024】
ここで、ラベル貼付経路M1は、図1に示すように、元巻リール12から剥離プレート28に延在し、剥離プレート28の下流側の一端(以下、先端という)で鋭角に折り返して巻取リール14に向かって延在している。そのため、ラベル貼付モード時において、ラベルシート90は、剥離プレート28の先端で折り曲げられて搬送されるので、この剥離プレート28の先端で剥離紙92からラベル94が剥離される。本例では、このラベル94が剥離される位置を剥離位置Hと呼ぶ。
【0025】
載置部50は、封筒98を載置すると共に封筒98の搬送補助を行うものであり、筐体10の後部側に排出ローラ46に向かって傾斜するように設けられている。載置部50の前部には、封筒98の先端を揃えたり、封筒98の移動を規制するための支持板52が設けられている。支持板52の下端部と載置部50の底面部との間には、封筒98を封筒経路M2に搬入するためのゲート54が設けられている。
【0026】
ピックアップローラ30は、載置部50の底面部に設けられて筐体10の側面部に回転可能に軸支されると共に、図示しない無端状のベルトを介して送りローラ32に接続されている。これにより、ピックアップローラ30は、送りローラ32の回転に連動して回転し、載置部50に載置された複数の封筒98のうち、例えば2〜3枚の封筒98をゲート54に搬入させる。
【0027】
送りローラ32は、ピックアップローラ30よりも封筒経路M2の下流側に設けられており、送りローラ32の下方に設けられたピックアップモータ36に接続され、ピックアップモータ36の駆動により回転する。ピックアップモータ36には、例えばステッピングモータが用いられる。送りローラ32の上部周面には、封筒98の捌き用の捌きローラ34が設けられている。送りローラ32および捌きローラ34は、ゲート54に侵入した複数枚の封筒98を1枚の封筒98に捌いて下流側の搬送ローラ38に搬送する。
【0028】
搬送ローラ38は、捌きローラ34よりも封筒経路M2の下流側に設けられており、搬送ローラ38の下方に設けられたフィードモータ40に接続され、フィードモータ40の駆動により回転する。フィードモータ40には、例えばステッピングモータが用いられる。搬送ローラ38の上部周面には、従動ローラ39が当接して設けられている。搬送ローラ38および従動ローラ39は、捌きローラ34で捌かれた封筒98を下流側のラベル剥離位置Hに引っ張って搬送する。
【0029】
捌き検出センサ42は、搬送ローラ38と封筒先端検出センサ44との間の封筒経路M2に設けられ、搬送ローラ38により引っ張られて搬送されてくる封筒98を検出する。捌き検出センサ42により封筒98が検出されると、ピックアップモータ36の駆動が停止されて送りローラ32の回転が停止され、封筒98のピックアップ動作が停止される。
【0030】
封筒先端検出センサ44は、捌き検出センサ42よりも封筒経路M2の下流側であって、剥離したラベル94を検出し易いように、剥離プレート28先端の剥離位置Hの下方(直下)の位置に設けられている。封筒先端検出センサ44は、ラベル印刷貼付動作時に搬送ローラ38の回転により封筒経路M2を搬送されてくる封筒98の先端部を検出すると共に、イニシャライズ動作時にラベルシート90を逆搬送したとき剥離プレート28で逆剥離するラベル94の先端を検出する。さらに、封筒先端検出センサ44は、イニシャライズ動作時のラベル94の逆搬送前に、封筒経路M2に封筒98が残っているか、または、詰まっているか否かを検出する。
【0031】
排出ローラ46は、封筒先端検出センサ44よりも封筒経路M2の下流側であって、封筒98が排出される排出口45に設けられている。排出ローラ46は、図示しない無端状のベルトにより搬送ローラ38に接続され、搬送ローラ38の回転に連動して回転する。排出ローラ46の上部周面には、貼付ローラ48が当接して設けられている。排出ローラ46および貼付ローラ48は、ラベル94が貼り付けられた封筒98を排出ローラ46と貼付ローラ48と間に挟持して圧着し、圧着した封筒98を排出口35から外部に排出する。
【0032】
[ラベルシートのセット例]
図2(A)はラベル貼付モードを選択した場合のラベルシート90のセット状態を示す模式図であり、図2(B)はラベル印刷モードを選択した場合のラベルシート90のセット状態を示す模式図である。図2(A)に示すように、ラベルシート90がラベル貼付経路M1にセットされた場合には、制御部60(図3参照)により剥離紙センサ70の下方にラベルシート90がセットされることになるので、剥離紙センサ70によりラベルシート90が検出される。そのため、この場合には、制御部60により運転モードがラベル貼付モードであると判断され、ラベル貼付モードが実行される。
【0033】
一方、図2(B)に示すように、ラベルシート90がラベル印刷経路M3にセットされた場合には、剥離紙センサ70の下方にラベルシート90が存在しないので、ラベルシート90が剥離紙センサ70により検出されることはない。そのため、この場合には、制御部60により運転モードがラベル印刷モードであると判断され、ラベル印刷モードが実行される。
【0034】
[ラベル印刷貼付装置のブロック構成例]
図3は、本発明に係るラベル印刷貼付装置100Aのブロック構成の一例を示している。図3に示すように、ラベル印刷貼付装置100Aは制御部60を備えている。制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Aの全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)62とROM(Read Only Memory)64とRAM(Random Access Memory)66とを有している。CPU62は、ROM64に記憶されているラベル印刷貼付装置100Aを動作させるためのプログラムをRAM66上に展開してプログラムを起動し、ラベル印刷貼付装置100Aの各部を制御する。
【0035】
制御部60には、操作部80、表示部82、ラベルエッジセンサ18、剥離紙センサ70、捌き検出センサ42、封筒先端検出センサ44、搬送モータ24、サーマルヘッド20、ピックアップモータ36、フィードモータ40およびインタフェース68のそれぞれが接続されている。
【0036】
操作部80は、例えば電源ボタン、停止ボタン、再スタートボタン、テストボタンおよび封筒98の貼付位置調整ダイヤル等の操作ボタンから構成されており、各ボタンが押下されると、押下された操作ボタンに対応した操作信号Slを生成して制御部60に出力する。電源ボタン等の操作ボタンは、例えば、筐体10の側面部に設けられる。
【0037】
表示部82は、例えばLED等から構成され、制御部60から供給される表示信号Smに基づいて、電源のオン/オフ時やジャムエラー、ヘッド位置エラー等の各エラー発生時に点灯または点滅する。LED等の表示部82は、例えば、筐体10の側面部であって、上述した操作部80の周辺部に設けられる。なお、本例では、表示部82としてLEDを用いたが、これに限定されることはなく、文字等の表示が可能な表示ディスプレイを用いても良い。
【0038】
ラベルエッジセンサ18は、イニシャライズ動作時に、逆搬送されるラベル94のエッジを検出してエッジ検出信号Saを制御部60に出力する。エッジ検出信号Saは、ラベルシート90の先頭ラベル94T(図19参照)を検出するための信号として用いられる。また、ラベルエッジセンサ18は、ラベル印刷モードやラベル貼付モード時に、サーマルヘッド20に搬送されるラベル94のエッジを検出してエッジ検出信号Saを制御部60に出力する。このときのエッジ検出信号Saは、ラベル94をカウントしたり、ラベル94が剥離位置Hに到達したか否かを判断する際に用いられる。
【0039】
捌き検出センサ42は、搬送ローラ38によって1枚に捌かれた封筒98を検出して封筒検出信号Sbを制御部60に出力する。この封筒検出信号Sbは、ピックアップモータ36の駆動を停止して送りローラ32を停止させるための信号である。
【0040】
封筒先端検出センサ44は、ラベル貼付モード時に、搬送ローラ38により搬送されてくる封筒98の先端部を検出して先端検出信号Scを制御部60に出力する。先端検出信号Scは、封筒98の貼付指示位置までの距離に応じたパルス信号をフィードモータ40に供給するための信号である。
【0041】
剥離紙センサ70は、イニシャライズ動作時において、ラベルシート90のセット状態を検出して検出信号Sjを制御部60に出力する。検出信号Sjは、ラベル印刷貼付装置100Aの運転モードをラベル貼付モードか、または、ラベル印刷モードに切り替えるための信号である。剥離紙センサ70は、元巻リール12と巻取リール14との間のラベル貼付経路M1にラベルシート90(剥離紙92)がセットされていれば、このラベルシート90を検出して検出信号Sjを制御部60に出力する。
【0042】
搬送モータ24は、制御部60から供給される制御信号Seに基づいて駆動し、プラテンローラ22や巻取リール14等を正回転させてラベルシート90をラベル貼付経路M1に沿って搬送する。また、イニシャライズ動作時には、プラテンローラ22や巻取リール14等を逆回転させてラベルシート90を通常の印刷貼付動作時の搬送とは逆方向に搬送する。
【0043】
サーマルヘッド20は、制御部60から供給される印刷データに応じた制御信号Sfに基づいてラベル94を選択的に加熱して、ラベル94の表面に所定の文字等を印字する。
【0044】
ピックアップモータ36は、運転モードがラベル貼付モードの場合に、制御部60から供給される制御信号Sgに基づいて、送りローラ32およびこれに連動するピックアップローラ30を回転させて、載置部50から数枚の封筒98をピックアップし、その後、捌きローラ34により一枚の封筒98に捌いて下流方向に搬送する。また、ピックアップモータ36は、運転モードがラベル印刷モードの場合には、封筒98を搬送しないので動作が停止する。
【0045】
フィードモータ40は、制御部60から供給される制御信号(パルス信号)Shに基づいて搬送ローラ38およびこれに連動する排出ローラ46を回転させて、封筒98を貼付位置に搬送してラベル94を貼り付けて、その後、ラベル94が貼り付けられた封筒98を外部に排出させる。
【0046】
インタフェース68は、USB(Universal Serial Bus)等のハードウェアインタフェースから構成され、ケーブル等を介して外部入力装置300が接続される。インタフェース68と外部入力装置300とは無線通信により接続しても良い。外部入力装置300は、例えばパーソナルコンピュータ等から構成され、内蔵されているラベル編集ソフトにより住所や宛名等のレイアウト等を作成し、作成したレイアウトに基づく印刷データをラベル印刷貼付装置100Aに出力する。
【0047】
[ラベル印刷貼付装置の動作例]
図4は、本発明に係るラベル印刷貼付装置100Aの動作の一例を示すフローチャートである。図4に示すように、ステップS100で制御部60は、ユーザによりラベル印刷貼付装置100Aの電源がオンされたか否かを判断する。制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Aの電源がオンされたと判断した場合にはステップS102に進み、ラベル印刷貼付装置100Aの電源がオンされていないと判断した場合には電源がオンされるまで待機する。
【0048】
ステップS102で制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Aの電源がオンされると、イニシャライズ動作を開始する。イニシャライズ動作では、ラベルシート90を逆搬送してラベルシート90の剥離紙92に貼着された先頭のラベル94Tを検出し、この先頭ラベル94Tをサーマルヘッド20の印字位置に搬送する。
【0049】
ステップS104で制御部60は、イニシャライズ動作中において、剥離紙センサ70がオンになったか否かを判断する。制御部60は、剥離紙センサ70がオンになったと判断した場合には、ラベルシート90がラベル貼付経路M1にセットされたと判断してステップS106に進む。ステップS106で制御部60は、図5および図6示すサブルーチンに移行してラベル貼付モードを実行する。
【0050】
一方、制御部60は、剥離紙センサ70がオフのままであると判断した場合には、ラベルシート90がラベル印刷経路M3にセットされたと判断してステップS108に進む。例えば、イニシャライズ動作時において、タイマにより一定期間が経過しても剥離紙センサ70がオフの場合にステップS108に進む。ステップS108で制御部60は、図7に示すサブルーチンに移行してラベル印刷モードを実行する。
【0051】
[ラベル貼付モードの動作例]
まず、ラベル貼付モードについて説明する。図5および図6は、本発明に係るラベル印刷貼付装置100Aのラベル貼付モードの動作の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、イニシャライズ動作が終了したら、ステップS200で制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Aに接続されている外部入力装置300から、宛名や住所、印刷枚数等の印刷データの入力が有るか否かを判断する。制御部60は、外部入力装置300から印刷データの入力が有ると判断した場合にはステップS202に進み、印刷データの入力がないと判断した場合には外部入力装置300から印刷データが入力されるまで待機する。なお、以下では、複数の印刷データを印刷データ数Nとし、そのカウンタをカウンタ値Xとする。
【0052】
ステップS202で制御部60は、外部入力装置300から入力された印刷データ数Nのうち、X番目のデータを展開して印刷動作を実行する。制御部60では、外部入力装置300でのデータフォーマットと同様のフォーマットで印刷データを展開し、サーマルヘッド20によりラベル表面に印刷データに応じた文字等を印字する。文字等が印字されたラベル94は下流側の剥離プレート28に搬送される。
【0053】
ステップS204で制御部60は、所定の文字等が印刷されたラベル94が剥離位置Hに到達したか否かを判断する。ラベル94が剥離位置Hに到達したか否かは、ラベルエッジセンサ18から出力されるエッジ検出信号Sa(図3参照)に基づいて判断できる。ラベルエッジセンサ18から剥離位置Hまでの距離、ラベル94の長さ等の情報は予め制御部60のROM64に記憶されているので、制御部60ではこれらの情報から印刷されたラベル94が剥離位置Hに到達したか否かを判断する。制御部60は、ラベル94が剥離位置Hに到達したと判断した場合にはステップS206に進み、ラベル94が剥離位置Hに到達していないと判断した場合にはステップS208に進む。
【0054】
ステップS208で制御部60は、カウンタ値Xが印刷データ数Nと同一か否かを判断する。カウンタ値Xが印刷データ数Nと同一であると判断した場合にはステップS210に進み、ステップS210でラベル94を剥離位置Hまで搬送する。これは、文字等が印字されたラベル94は剥離位置Hに到達していないものの、印刷データ数Nが終了しているからである。一方、カウンタ値Xが印刷データ数Nと同一でないと判断した場合にはステップS212に進み、ステップS212でカウンタ値XをインクリメントしてステップS202に戻る。ステップS202では、次の印刷データが展開され、印刷動作が開始される。
【0055】
ラベル94が剥離位置Hまで到達すると、ステップS204で制御部60は、ピックアップモータ36を駆動して数枚の封筒98を載置部50からピックアップし、捌きローラ34により封筒98を捌いて一枚の封筒98を封筒経路M2に搬送する。
【0056】
ステップS214で制御部60は、捌きローラ34により捌かれた封筒98が捌き検出センサ42により検出されたか否かを判断する。制御部60は、封筒98が捌き検出センサ42により検出されたと判断した場合にはステップS216に進む。ステップS216で制御部60は、封筒先端検出センサ44の封筒先端の検出に基づいて、封筒98の貼付指示位置までの距離に応じたパルス信号をフィードモータ40に供給して封筒98をラベル94の剥離位置Hまで搬送する。一方、制御部60は、捌き検出センサ42により検出されていないと判断した場合にはステップS218に進む。ステップS218では、封筒98が正常に搬送されていないか、または、載置部50に最初から封筒98が入っていなかったものと判断して、封筒なしのエラー表示を筐体10のLEDを点灯等させることで行う。
【0057】
封筒98が貼付指示位置まで搬送されたら、図6に示すステップS220で制御部60は、カウンタ値Xが印刷データ数N以下であるか否かを判断する。カウンタ値Xが印刷データ数N以下であると判断した場合にはステップS222に進む。ステップS222で制御部60は、剥離プレート28の剥離箇所でラベル94を剥離し、剥離したラベル94を封筒98の貼付指示位置に貼り付ける。また、この貼付動作と同時に、カウンタ値Xが印刷データ数N以下なので、次の印刷データを展開してラベル94に印刷する印刷動作を行う。つまり、ラベル94の貼付動作とラベル94への印刷動作とを並列に実行する。
【0058】
一方、カウンタ値Xが印刷データ数Nを超えていると判断した場合には、ステップS224で制御部60は、剥離プレート28の剥離箇所でラベル94を剥離し、剥離したラベル94を封筒98の貼付指示位置に貼り付ける。このステップS224では、外部入力装置300から入力されたユーザの指示(印刷枚数等)は終了しているので、印刷動作は行われない。
【0059】
ステップS226で制御部60は、排出ローラ46を回転させてラベル94が貼り付けられた封筒98を外部に排出する。ステップS228で制御部60は、封筒98が排出されたか否かを判断する。封筒98が排出されたと判断した場合にはステップS230に進む。一方、封筒98が排出されていないと判断した場合にはステップS232に進み、ステップS232で筐体10に設けられた表示部82としてのLEDを点灯等させることで封筒排出エラー表示を行う。
【0060】
ステップS230で制御部60は、印刷済みラベル94があるか否かを判断する。印刷済みラベル94があるか否かは、封筒98の排出の検出結果とラベルエッジセンサ18のラベル94のカウント数(印刷データ数N)等との関係から判断される。制御部60は、印刷済みラベル94があると判断した場合にはステップS234に進み、カウンタ値Xをインクリメントして図5に示すステップS206に戻り、次のラベル94を封筒98に貼り付ける貼付動作を実行する。一方、印刷済みラベル94がないと判断した場合には、ステップS236で無印字ラベルをサーマルヘッド20の印字位置まで戻す。その後、図5に示すステップS200に戻り、外部入力装置300から次回の印刷、貼付指示があるまで待機する。このような一連の動作によりラベル貼付モードが実行される。
【0061】
[ラベル印刷モードの動作例]
次に、ラベル印刷モードについて説明する。図7は、本発明に係るラベル印刷貼付装置100Aのラベル印刷モードの動作の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、イニシャライズ動作が終了したら、ステップS300で制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Aに接続されている外部入力装置300から、宛名や住所、印刷枚数等の印刷データの入力が有るか否かを判断する。制御部60は、外部入力装置300から印刷データの入力が有ると判断した場合にはステップS302に進み、印刷データの入力がないと判断した場合には外部入力装置300から印刷データが入力されるまで待機する。
【0062】
ステップS302で制御部60は、外部入力装置300から入力された印刷データ数Nのうち、X番目のデータを展開して印刷動作を実行する。制御部60では、外部入力装置300でのデータフォーマットと同様のフォーマットで印刷データを展開し、サーマルヘッド20によりラベル94の表面に印刷データに応じた文字等を印字する。文字等が印字されたラベル94はラベル印刷経路M3に沿って搬送される。
【0063】
ステップS304で制御部60は、カウンタ値Xが印刷データ数N未満であるか否かを判断する。制御部60は、カウンタ値Xが印刷データ数N未満であると判断した場合には、印刷データ数Nの印刷が終了していないとしてステップS306に進む。ステップS306で制御部60は、カウンタ値XをインクリメントしてステップS306に戻り、次の印刷データの印刷が開始される。一方、カウンタ値Xが印刷データ数N以上であると判断した場合には、制御部60は、印刷データ数Nの印刷が終了していると判断してステップS308に進む。
【0064】
ステップS308で制御部60は、印刷したラベル94が排出部47から排出されたか否かを判断する。ラベル94が排出されたか否かは、ラベル94の排出の検出結果とラベルエッジセンサ18のラベル94のカウンタ値(印刷データ数N)等との関係から制御部60により判断される。制御部60は、ラベル94が排出されたと判断した場合にはステップS310に進み、ステップS310で無印字ラベルをサーマルヘッド20の印字位置まで戻す。その後、ステップS300に戻り、外部入力装置300から次回の印刷、貼付指示があるまで待機する。一方、ラベル94が排出されていないと判断した場合にはステップS312に進み、表示部82のLEDを点灯等させることでラベル詰まりエラー表示を行う。このような一連の動作によりラベル印刷モードが実行される。なお、ラベル印刷モードでは、封筒98にラベル94を貼り付けて搬送する封筒搬送動作は必要ないので、ピックアップモータ36やフィードモータ40は駆動されない。
【0065】
以上説明したように、第1の実施の形態では、ラベル貼付経路M1上に剥離紙センサ70を設けているので、ユーザによりラベル貼付経路M1にラベルシート90がセットされると、剥離紙センサ70よりラベルシート90が検出され、この検出結果に基づいて制御部60によりラベル貼付モードが実行される。一方、ラベルシート90がラベル印刷経路M3にセットされると、剥離紙センサ70ではラベルシート90を検出しないので、制御部60によりラベル印刷モードが実行される。
【0066】
このように、第1の実施の形態によれば、ユーザが運転モードに応じた経路にラベルシート90をセットすることにより、ラベル印刷貼付装置100Aの運転モードを自動的にラベル貼付モードまたはラベル印刷モードに切り替えて実行することができる。これにより、一台のラベル印刷貼付装置100Aでラベル印刷モードとラベル貼付モードの2つのモードを実行することができるので、ラベル印刷貼付装置100Aにおいて両モードを使用したい場合に別途ラベルプリンタを用意する必要がなくなる。その結果、低コスト化を図ることができると共に、運転モード毎に装置を交換する必要がなくなるのでユーザの作業負担の軽減を図ることができる。また、ラベル印刷モード時には、ピックアップモータ36の駆動を停止するので、ラベル印刷貼付装置100Aの消費電力を抑制することができる。
【0067】
<2.第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態のラベル印刷貼付装置100Aでは、運転モードの切り替えを剥離紙センサ70の検出結果に基づいて行っていたが、第2の実施の形態のラベル印刷貼付装置100Bでは、運転モードの切り替えをラベル検出センサ72の検出結果に基づいて行っている点において相違している。なお、その他のラベル印刷貼付装置100Bの構成および動作は、第1の実施の形態で説明したラベル印刷貼付装置100Aと同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0068】
[ラベル印刷貼付装置の構成例]
第2の実施の形態に係るラベル印刷貼付装置100Bは、図1に示す色付き部分および後述の図8に示すように、上記第1の実施の形態のラベル印刷貼付装置100Aが備える剥離紙センサ70に代えて、ラベル検出センサ72を備えている。なお、図1には、便宜上第2の実施の形態で用いる剥離紙センサ70を示している。ラベル検出センサ72は、サーマルヘッド20と剥離プレート28との間のラベル印刷経路M3に設けられ、イニシャライズ動作のラベルシート90の逆搬送時に、下方側のラベル印刷経路M3を逆搬送するラベルシート90の剥離紙92の先端92a(図9参照)が通過したか否かを検出する。ラベル検出センサ72には、例えば、光センサが用いられる。
【0069】
[運転モードに応じたラベルシートのセット例]
図8はラベル貼付モード時のラベルシート90のセット状態を示す模式図であり、図9(A)および図9(B)はラベル印刷モード時のラベルシート90のセット状態および動作例を示す模式図である。図8に示すように、元巻リール12と巻取リール14との間のラベル貼付経路M1にラベルシート90がセットされた場合には、ラベルシート90の先端(巻取リール14側)は、巻取リール14に保持されるので、イニシャライズ動作時にラベルシート90を逆搬送したとしても、ラベルシート90の先端は移動しない。そのため、ラベルシート90の先端がラベル検出センサ72によって検出されることはない。この場合には、制御部60により運転モードがラベル貼付モードであると判断され、ラベル貼付モードが実行される。
【0070】
一方、図9(A)に示すように、元巻リール12と排出ローラ46との間のラベル印刷経路M3にラベルシート90がセットされた場合には、ラベルシート90の先端(排出ローラ46側)は、排出ローラ46と貼付ローラ48とに挟持されるが固定はされない。そのため、図9(B)に示すように、イニシャライズ動作時に逆搬送すると、剥離紙92の先端92aが上流側に移動してラベル検出センサ72の下方を通過することになる。この場合には、ラベル検出センサ72により剥離紙92の先端92aが検出され、制御部60により運転モードがラベル印刷モードであると判断され、ラベル印刷モードが実行される。
【0071】
[ラベル印刷貼付装置のブロック構成例]
図10は、本発明に係るラベル印刷貼付装置100Bのブロック構成の一例を示している。ラベル印刷貼付装置100Bは制御部60を備えている。制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Bの全体の動作を制御するものであり、CPU62とROM64とRAM66とを有している。制御部60には、操作部80、表示部82、ラベル検出センサ72、ラベルエッジセンサ18、捌き検出センサ42、封筒先端検出センサ44、搬送モータ24、サーマルヘッド20、ピックアップモータ36、フィードモータ40およびインタフェース68のそれぞれが接続されている。なお、ラベル検出センサ72は、検出部の一例を構成している。
【0072】
ラベル検出センサ72は、イニシャライズ動作時のラベルシート90の逆搬送において、ラベルシート90の剥離紙92の先端92aが通過したか否かを検出して検出信号Skを制御部60に出力する。検出信号Skは、ラベル印刷貼付装置100Bの運転モードをラベル貼付モード、または、ラベル印刷モードに切り替えるための信号である。
【0073】
ピックアップモータ36は、運転モードがラベル貼付モードの場合には、制御部60からの制御信号Sgに基づいてピックアップローラ30および送りローラ32を回転させて封筒98を封筒経路M2に沿って搬送させる。一方、運転モードがラベル印刷モードの場合には封筒98を搬送しないので、ピックアップモータ36の動作は停止状態となる。なお、搬送モータ24およびフィードモータ40は、両運転モード時のそれぞれで駆動される。
【0074】
[ラベル印刷貼付装置の動作例]
図11は、本発明の第2の実施の形態に係るラベル印刷貼付装置100Bの動作の一例を示すフローチャートである。図11に示すように、ステップS400で制御部60は、ユーザによりラベル印刷貼付装置100Bの電源がオンされたか否かを判断する。制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Bの電源がオンされたと判断した場合にはステップS402に進み、ラベル印刷貼付装置100Bの電源がオンされていないと判断した場合には電源がオンされるまで待機する。
【0075】
ステップS402で制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Bの電源がオンされると、イニシャライズ動作を開始する。イニシャライズ動作では、ラベルシート90を逆搬送してラベルシート90の剥離紙92に貼着された先頭のラベル94を検出し、検出した先頭のラベル94をサーマルヘッド20の印字位置に搬送する。
【0076】
ステップS404で制御部60は、イニシャライズ動作中において、ラベル検出センサ72によりラベルシート90の剥離紙92の先端92aが検出されたか否かを判断する。制御部60は、例えばラベル検出センサ72からの検出信号Skがオンからオフとなったとき、剥離紙92の先端92aが検出されたと判断して、ラベルシート90がラベル印刷経路M3にセットされたものとしてステップS408に進む(図9参照)。そして、S608で制御部60は、ラベル印刷モードを実行する。ラベル印刷モードは、上記第1の実施の形態で説明した図7に示すラベル印刷モードと同様であるため、説明を省略する。
【0077】
一方、制御部60は、ラベル検出センサ72により剥離紙92の先端92aが検出されないと判断した場合には、ラベルシート90がラベル貼付経路M1にセットされたものと判断してステップS406に進む(図8参照)。そして、S406で制御部60は、ラベル貼付モードを実行する。ラベル貼付モードは、上記第1の実施の形態で説明した図5および図6に示すラベル貼付モードと同様であるため、説明を省略する。
【0078】
以上説明したように、第2の実施の形態では、ラベル印刷経路M3上にラベル検出センサ72を設けているので、ユーザによりラベル印刷経路M3にラベルシート90がセットされると、イニシャライズ動作時においてラベル検出センサ72より剥離紙92の先端92aが検出され、この検出結果に基づいて制御部60によりラベル印刷モードが実行される。一方、ラベルシート90がラベル貼付経路M1にセットされると、ラベル検出センサ72ではラベルシート90を検出しないので、制御部60によりラベル貼付モードが実行される。
【0079】
このように、第2の実施の形態によれば、ユーザが運転モードに応じた経路にラベルシート90をセットすることにより、ラベル印刷貼付装置100Bの運転モードを自動的にラベル貼付モードまたはラベル印刷モードに切り替えて実行することができる。これにより、一台のラベル印刷貼付装置100Bでラベル印刷モードとラベル貼付モードの2つのモードを実行することができるので、ラベル印刷貼付装置100Bにおいて両モードを使用したい場合に別途ラベルプリンタを用意する必要がなくなる。その結果、低コスト化を図ることができると共に、運転モード毎に装置を交換する必要がなくなるのでユーザの作業負担の軽減を図ることができる。
【0080】
<3.第3の実施の形態>
[ラベル印刷貼付装置の構成例]
上記第1の実施の形態のラベル印刷貼付装置100Aでは、運転モードの切り替えを剥離紙センサ70の検出結果に基づいて行っていたが、第3の実施の形態のラベル印刷貼付装置100Cでは、運転モードの切り替えを剥離プレート28のセット位置に基づいて行う点において相違している。なお、その他のラベル印刷貼付装置100Cの構成および動作は、第1の実施の形態で説明したラベル印刷貼付装置100Aと同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0081】
[ラベル印刷貼付装置の構成例]
図12は、第3の実施の形態に係るラベル印刷貼付装置100Cの構成の一例を模式的に示している。ラベル印刷貼付装置100Cは、上記第1の実施の形態のラベル印刷貼付装置100Aが備える剥離紙センサ70に代えて、可動式の剥離プレート28と剥離プレート位置検出センサ74を備えている。
【0082】
剥離プレート28は、その上流側の端部28a(以下、上端という)を支点として、プレート面(ラベル貼付経路M1に対向する面)がラベル貼付経路M1に沿った第1の位置P1からラベル貼付経路M1から退避(離間)した第2の位置P2に回動可能に取り付けられている。第1の位置P1はラベル94の剥離を行うラベル貼付モードに対応し、第2の位置P2はラベル94の剥離を行わないラベル印刷モードに対応している。
【0083】
この剥離プレート28は、例えばネジ等の締結部材やロック機構により第1の位置P1および第2の位置P2で固定されると共に、ユーザが手動で移動できるように構成されている。もちろん、剥離プレート28を電動式で構成し、例えば操作部80に設けた剥離プレート移動ボタンを操作することにより剥離プレート28を上記位置に移動させても良い。
【0084】
剥離プレート位置検出センサ74は、剥離プレート28の第2の位置P2の近傍に剥離プレート28に対向するようにして設けられ、剥離プレート28が第2の位置P2にあるか否かを検出する。剥離プレート位置検出センサ74は検出部の一例を構成し、剥離プレート位置検出センサ74には例えば光センサが用いられる。なお、本例では、剥離プレート位置検出センサ74を第2の位置P2の近傍に設けたが、第1の位置P1の近傍に設けることもできる。この場合には、剥離プレート位置検出センサ74により第1の位置P1で剥離プレート28が検出された場合にはラベル貼付モードであると判断される。また、剥離プレート28の検出部として剥離プレート位置検出センサ74を用いたが、これに限定されることはなく、例えば剥離プレート検出スイッチを用いても良い。
【0085】
[運転モードに応じたラベルシートセット状態の説明]
図13(A)はラベル貼付モード時のラベルシート90のセット状態を示す模式図であり、図13(B)はラベル印刷モード時のラベルシート90のセット状態を示す模式図である。図13(A)に示すように、剥離プレート28が第1の位置P1にセットされた場合には、剥離プレート28は剥離プレート位置検出センサ74に検出されない。そのため、この場合には、制御部60により運転モードが剥離プレート28を用いるラベル貼付モードであると判断され、ラベル貼付モードが実行される。
【0086】
一方、図13(B)に示すように、剥離プレート28が第2の位置P2にセットされた場合には、剥離プレート28が剥離プレート位置検出センサ74の正面に移動するので、この場合には剥離プレート28が剥離プレート位置検出センサ74によって検出される。そのため、この場合には、制御部60により運転モードが剥離プレート28を用いないラベル印刷モードであると判断され、ラベル印刷モードが実行される。
【0087】
[ラベル印刷貼付装置のブロック構成例]
図14は、本発明に係るラベル印刷貼付装置100Cのブロック構成の一例を示している。ラベル印刷貼付装置100Cは制御部60を備えている。制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Cの全体の動作を制御するものであり、CPU62とROM64とRAM66とを有している。制御部60には、操作部80、表示部82、ラベルエッジセンサ18、捌き検出センサ42、封筒先端検出センサ44、剥離プレート位置検出センサ74、搬送モータ24、サーマルヘッド20、ピックアップモータ36、フィードモータ40およびインタフェース68のそれぞれが接続されている。
【0088】
剥離プレート位置検出センサ74は、剥離プレート28が第2の位置P2にあるか否かを検出し、剥離プレート28が第2の位置P2ある場合にはオンとなって検出信号Snを制御部60に出力する。制御部60は、剥離プレート位置検出センサ74から供給される検出信号Snに基づいて、ラベル印刷貼付装置100Cの運転モードをラベル印刷モードに切り替える。
【0089】
ピックアップモータ36は、運転モードがラベル貼付モードの場合には、制御部60からの制御信号Sgに基づいてピックアップローラ30および送りローラ32を回転させて封筒98を封筒経路M2に沿って搬送させる。一方、運転モードがラベル印刷モードの場合には封筒98を搬送しないので、ピックアップモータ36の動作は停止状態となる。なお、搬送モータ24およびフィードモータ40は、両運転モード時のそれぞれで駆動される。
【0090】
[ラベル印刷貼付装置の動作例]
図15は、本発明の第3の実施の形態に係るラベル印刷貼付装置100Cの動作の一例を示すフローチャートである。図15に示すように、ステップS500で制御部60は、ユーザによりラベル印刷貼付装置100Cの電源がオンされたか否かを判断する。制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Cの電源がオンされたと判断した場合にはステップS502に進み、ラベル印刷貼付装置100Cの電源がオンされていないと判断した場合には電源がオンされるまで待機する。
【0091】
ステップS502で制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Cの電源がオンされると、剥離プレート位置検出センサ74により剥離プレート28が検出されたか否かを判断する。つまり、剥離プレート28が第2の位置P2にセットされているか否かを判断する。制御部60は、剥離プレート位置検出センサ74から検出信号Snが供給された場合には、剥離プレート28が第2の位置P2にセットされていると判断してステップS506に進む(図13(B)参照)。ステップS506ではラベル印刷モードを実行する。ラベル印刷モードは、上記第1の実施の形態で説明した図7に示すラベル印刷モードと同様であるため、説明を省略する。
【0092】
一方、制御部60は、剥離プレート位置検出センサ74から検出信号Snが供給されない場合には、剥離プレート28が第1の位置P1にセットされていると判断してステップS504に進む(図13(A)参照)。ステップS504ではラベル貼付モードを実行する。ラベル貼付モードは、上記第1の実施の形態で説明した図5および図6に示すラベル貼付モードと同様であるため、説明を省略する。
【0093】
以上説明したように、第3の実施の形態では、剥離プレート28を稼動式で構成する共に剥離プレート28が第2の位置P2に移動したときにオンとなる剥離プレート位置検出センサ74を設けている。これにより、ユーザにより剥離プレート28が第1の位置P1にセットされると、剥離プレート28は剥離プレート位置検出センサ74に検出されないので制御部60によりラベル貼付モードが実行される。一方、ユーザにより剥離プレート28が第2の位置P2にセットされると、剥離プレート28が剥離プレート位置検出センサ74に検出されるので、制御部60によりラベル印刷モードが実行される。
【0094】
このように、第3の実施の形態によれば、ユーザが運転モードに応じた位置に剥離プレート28をセットすることにより、ラベル印刷貼付装置100Cの運転モードを自動的にラベル貼付モードまたはラベル印刷モードに切り替えて実行することができる。これにより、一台のラベル印刷貼付装置100Cでラベル印刷モードとラベル貼付モードの2つのモードを実行することができるので、ラベル印刷貼付装置100Cにおいて両モードを使用したい場合に別途ラベルプリンタを用意する必要がなくなる。その結果、低コスト化を図ることができると共に、運転モード毎に装置を交換する必要がなくなるのでユーザの作業負担の軽減を図ることができる。
【0095】
<4.第4の実施の形態>
上記第4の実施の形態のラベル印刷貼付装置100Dでは、ラベル貼付モード用の排出部47に加えて、ラベル印刷モード用の排出部77を設けている点において、上記第1の実施の形態のラベル印刷貼付装置100Aとは相違している。なお、その他のラベル印刷貼付装置100Dの構成および動作は、第1の実施の形態で説明したラベル印刷貼付装置100Aと同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0096】
[ラベル印刷貼付装置の構成例]
図16はラベル印刷貼付装置100Dの構成例を模式的に示す図であり、図16(A)はラベル貼付モード時のラベルシート90のセット状態を示す図であり、図16(B)はラベル印刷モード時のラベルシート90のセット状態を示す図である。第4の実施の形態に係るラベル印刷貼付装置100Dは、上記第1の実施の形態のラベル印刷貼付装置100Aの剥離紙センサ70に代えて、印刷モード用の排出ローラ76と排出ラベルセンサ78とを備えている。
【0097】
印刷モード用の排出ローラ76および貼付ローラ48は、排出部(第2の排出部)77を構成しており、ラベル印刷モード時に、印刷されたラベル94が貼着されたラベルシート90を排出する専用の排出部となっている。印刷モード用の排出ローラ76は、貼付ローラ48の上部周面に当接しており、貼付ローラ48に当接する排出ローラ46の回転に伴って回転し、ラベル94が貼着されたラベルシート90を排出ローラ76と貼付ローラ48との間に挟持して外部に排出する。
【0098】
排出ラベルセンサ78は、排出ローラ76と貼付ローラ48とで構成される排出部77の排出口79近傍(排出部77の下流側)に設けられ、ラベル印刷経路M3にラベルシート90がセットされたか否かを検出する。排出ラベルセンサ78は、例えば、ラベル印刷経路M3にセットされたラベルシート90の下方に設置され、上方側のラベル印刷経路M3にセットされたラベルシート90を検出する。これにより、下方側の封筒経路M2の排出部47から排出される封筒98を誤って検出してしまうことを防止できる。なお、排出ラベルセンサ78は検出部の一例を構成し、排出ラベルセンサ78には例えば光センサが用いられる。
【0099】
排出ローラ46および貼付ローラ48は、排出部(第1の排出部)47を構成しており、ラベル貼付モード時に、ラベル94が貼り付けられた封筒98が排出される専用の排出部となっている。
【0100】
[運転モードに応じたラベルシートのセット例]
図16(A)に示すように、ラベルシート90がラベル貼付経路M1にセットされた場合には、ラベルシート90が排出ラベルセンサ78により検出されない。そのため、この場合には、制御部60により運転モードがラベル貼付モードであると判断され、ラベル貼付モードが実行される。
【0101】
一方、図16(B)に示すように、ラベルシート90がラベル印刷経路M3にセットされた場合には、排出ローラ76および貼付ローラ48の排出口79から外側にラベルシート90が引き出されるので、排出ラベルセンサ78によりラベルシート90が検出される。そのため、この場合には、制御部60により運転モードがラベル印刷モードであると判断され、ラベル印刷モードが実行される。
【0102】
[ラベル印刷貼付装置のブロック構成例]
図17は、本発明に係るラベル印刷貼付装置100Dのブロック構成の一例を示している。ラベル印刷貼付装置100Dは制御部60を備えている。制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Dの全体の動作を制御するものであり、CPU62とROM64とRAM66とを有している。制御部60には、操作部80、表示部82、ラベルエッジセンサ18、捌き検出センサ42、封筒先端検出センサ44、排出ラベルセンサ78、搬送モータ24、サーマルヘッド20、ピックアップモータ36、フィードモータ40およびインタフェース68のそれぞれが接続されている。
【0103】
排出ラベルセンサ78は、ラベルシート90がラベル印刷経路M3にセットされた場合に、排出ローラ76および貼付ローラ48の排出口79から延出したラベルシート90を検出して検出信号Soを制御部60に出力する。制御部60は、排出ラベルセンサ78から出力される検出信号Soに基づいて、運転モードをラベル印刷モードに切り替えるように制御する。
【0104】
ピックアップモータ36は、運転モードがラベル貼付モードの場合には、制御部60からの制御信号Sgに基づいてピックアップローラ30および送りローラ32を回転させて封筒98を封筒経路M2に沿って搬送させる。一方、運転モードがラベル印刷モードの場合には封筒98を搬送しないので、ピックアップモータ36の動作は停止状態となる。なお、搬送モータ2440は、両運転モード時のそれぞれで駆動される。
【0105】
フィードモータ40は、運転モードがラベル貼付モードの場合には、排出ローラ46を正回転させて、ラベル94が貼り付けられた封筒98を外部に排出させる。一方、運転モードがラベル印刷モードの場合には、排出ローラ46を逆回転させることで、貼付ローラ48をラベル印刷経路M3において正回転させると共にラベル印刷モード用の排出ローラ76を正回転させて、文字等が印刷されたラベル94が貼り付けられたラベルシート90をそのまま外部に排出させる。
【0106】
[ラベル印刷貼付装置の動作例]
図18は、本発明の第4の実施の形態に係るラベル印刷貼付装置100Dの動作の一例を示すフローチャートである。図18に示すように、ステップS600で制御部60は、ユーザによりラベル印刷貼付装置100Dの電源がオンされたか否かを判断する。制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Dの電源がオンされたと判断した場合にはステップS602に進み、ラベル印刷貼付装置100Dの電源がオンされていないと判断した場合には電源がオンされるまで待機する。
【0107】
ステップS602で制御部60は、ラベル印刷貼付装置100Dの電源がオンされると、排出ラベルセンサ78によりラベルシート90が検出されたか否かを判断する。つまり、ラベルシート90がラベル印刷経路M3にセットされているか否かを判断する。制御部60は、排出ラベルセンサ78から検出信号Soが供給されて排出ラベルセンサ78がラベルシート90を検出したと判断した場合には、ラベルシート90がラベル印刷経路M3にセットされていると判断してステップS606に進む(図16(B)参照)。ステップS606ではラベル印刷モードを実行する。ラベル印刷モードは、上記第1の実施の形態で説明した図7に示すラベル印刷モードと同様であるため、説明を省略する。
【0108】
一方、制御部60は、排出ラベルセンサ78から検出信号Soが供給されない場合には、ラベルシート90がラベル貼付経路M1にセットされていると判断してステップS604に進む(図16(A)参照)。そして、ステップS604ではラベル貼付モードを実行する。ラベル貼付モードは、上記第1の実施の形態で説明した図5および図6に示すラベル貼付モードと同様であるため、説明を省略する。なお、イニシャライズ動作は、各運転モードに移行した段階で実行することができる。
【0109】
以上説明したように、第4の実施の形態では、ラベル印刷モード用の排出部77を設けると共に、この排出部77の排出口79近傍に排出ラベルセンサ78を設けている。これにより、排出部77を含むラベル印刷経路M3にラベルシート90がセットされると、排出ラベルセンサ78によりラベルシート90が検出され、この検出結果に基づいて制御部60によりラベル印刷モードが実行される。一方、ラベルシート90がラベル貼付経路M1にセットされると、排出ラベルセンサ78ではラベルシート90を検出しないので、制御部60によりラベル貼付モードが実行される。
【0110】
このように、第4の実施の形態によれば、ユーザが運転モードに応じた経路にラベルシート90をセットすることにより、ラベル印刷貼付装置100Dの運転モードを自動的にラベル貼付モードまたはラベル印刷モードに切り替えて実行することができる。これにより、一台のラベル印刷貼付装置100Dでラベル印刷モードとラベル貼付モードの2つのモードを実行することができるので、ラベル印刷貼付装置100Dにおいて両モードを使用したい場合に別途ラベルプリンタを用意する必要がなくなる。その結果、低コスト化を図ることができると共に、運転モード毎に装置を交換する必要がなくなるのでユーザの作業負担の軽減を図ることができる。
【0111】
<5.第5の実施の形態>
第5の実施の形態では、剥離紙202の両端のそれぞれにスペースを設けたラベルシート200を用いる点において、上記第1〜第4の実施の形態と相違している。なお、その他の構成および動作は、第1の実施の形態で説明したラベル印刷貼付装置100Aと同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0112】
[ラベルシートの構成例]
図19は、上記第1〜第4の実施の形態で使用される一般的なラベルシート90の構成例を示している。図19に示すように、一般的なラベルシート90は、長尺状の剥離紙92と、剥離紙92の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて貼着された複数のラベル94とを有している。このラベルシート90において、先頭側のラベル94は剥離紙92の先端付近まで貼着されており、剥離紙92の先端92Tから先頭のラベル94Tまでの距離(間隔)C1が短くなっている。同様に、後尾側のラベル94は剥離紙92の後端付近まで貼着されており、剥離紙92の後端92Eから後尾のラベル94Eまでの距離C2が短くなっている。
【0113】
このように構成されたラベルシート90をラベル印刷貼付装置100A〜100Dにセットすると、先頭のラベル94Tが巻取リール14の先端まであるので、先端側のラベル94は剥離プレート28の下流側に位置してしまう。そのため、イニシャライズ動作時に、ラベル94が剥離プレート28の剥離位置Hで逆剥離し、その結果、ラベル94が剥がれてジャムの原因となってしまうという問題が発生する。これにより、イニシャライズ動作を実行できなくなってしまうと共に、剥離プレート28よりも下流側のラベル94が無駄になってしまう。
【0114】
また、ラベル94が剥離紙92の後端(元巻リール12側)まで付いていると、剥離紙92の後端92Eから後尾側のラベル94(ラベル94Eを含む)までの距離C2が元巻リール12から貼付位置(剥離位置H)までの距離よりも短い場合には、印刷したラベル94を貼付位置まで搬送できないという問題がある。この場合には、印刷したラベル94が無駄になってしまう。
【0115】
そこで、第5の実施の形態では、これらの問題を解決するために、以下に説明するラベルシート200を用いている。図20(A)および図20(B)は、第5の実施の形態に係るラベルシート200の構成例を示している。ラベルシート200は、図20(A)に示すように、長尺状の剥離紙202と、この剥離紙202の長手方向に沿って所定間隔を隔てて貼着された複数のラベル204とを有している。
【0116】
剥離紙202の先頭に貼着されるラベル204Tは、イニシャライズ動作時のラベル204の逆搬送による戻し量(移動量)を考慮した距離だけ剥離紙202の先端202Tから離れた位置に貼着される。具体的には、先頭のラベル204Tと剥離紙202の先端202Tとの間の距離D1は、少なくともラベル204の貼付位置から巻取リール14までの距離以上となるように選定される。つまり、剥離紙202の先端202Tから距離D1離れたラベル204Tまではラベル204を貼り付けないようにする。
【0117】
このように、先頭ラベル204Tの貼付位置を剥離紙202の先端202Tから距離D1だけ離すことにより、ラベルシート200を通常の方法(巻取リール14への巻き付け等)によりセットすれば、ラベルシート200の先頭のラベル204Tを剥離プレート28よりも上流側にセットすることができる。その結果、イニシャライズ動作時において、ラベルシート200を逆搬送しても、ラベル204が剥離プレート28で剥離することはないので、ラベル204の逆剥離を確実に防止できる。
【0118】
また、剥離紙202の後尾に貼着されるラベル204Eと剥離紙202の後端202Eとの距離D2は、少なくともラベル204の貼付位置から元巻リール12までの距離以上となるように選定される。つまり、剥離紙202の後端202Eから距離D2だけ離れたラベル204Eまではラベル204を貼り付けないようにする。
【0119】
このように、後尾のラベル204Eの貼付位置を剥離紙202の後端202Eから距離D2だけ離すことにより、印刷した全てのラベル204を貼付位置に搬送して剥離した後に封筒98に貼り付けることができる。これにより、ラベル204の無駄を防止できる。
【0120】
ラベルシート200の剥離紙202には、図20(B)に示すように、所定枚数のラベルおきに(間隔で)マークMKが設けられている。本例では、マークMKがラベル6枚おきに設けられた例を示している。マークMKは、例えば、ラベルシート200の再セット時にラベル204が剥離プレート28の下流側に位置しないようにするために、ラベルシート200のセット前に予めラベル204を剥がしておく区間(枚数)を示すための目印である。なお、マークMKの位置は、ラベル6枚おきに限定されることはなく、10枚おきでも良いし、20枚おきでも良く、任意の枚数を設定できる。また、マークMKの形状を三角形状としているが、この形状に限定されることない。
【0121】
ユーザは、ラベルシート200を再セットする場合、図20(B)に示すように、例えば、マークMK1とマークMK2との間に貼着されているラベル204を予め剥がしてから、このラベルシート200を通常の方法によりラベル印刷貼付装置100A〜100Dにセットする。これにより、ラベルシート200のセット時にラベル204を剥離プレート28の上流側に位置させることができ、イニシャライズ動作時のラベル204の逆剥離を防止することができる。
【0122】
また、現在使用しているラベルシート200を他のラベルシートに交換する場合には、ラベルシート200を所定箇所でカットする必要があるが、マークMKの位置でカットすれば、このラベルシート200を再セットする場合にラベル204の剥がし作業を効率的に行うことができる。
【0123】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。例えば、上述した実施の形態では、被貼付部材の一例として封筒98を用いた例について説明したが、これに限定されることはなく、封筒98以外にもハガキや便箋等を用いることができる。
【符号の説明】
【0124】
12・・・元巻リール(元巻部)、14・・・巻取リール(巻取部)、20・・・サーマルヘッド(印刷部)、22・・・プラテンローラ(印刷部)、26・・・剥離プレート(剥離部)、60・・・制御部、70・・・剥離紙センサ(検出部)、72・・・ラベル検出センサ(検出部)、74・・・剥離プレート位置検出センサ(検出部)、77・・・排出部(検出部)、78・・・排出ラベルセンサ(検出部)、90,200・・・ラベルシート、98・・・封筒(被貼付部材)、100A,100B,100C,100D・・・ラベル印刷貼付装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルが貼着された前記剥離紙を巻回する元巻部と、前記元巻部から送り出される前記ラベルに情報を印刷する印刷部と、前記印刷部よりも下流側に設けられ、前記印刷部により前記情報が印刷された前記ラベルを剥離する剥離部とを備えた第1の搬送経路と、
前記剥離部により剥離された前記ラベルを、第2の搬送経路に沿って搬送されてくる被貼付部材に貼り付けて排出するラベル貼付モードを実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記印刷部により前記情報が印刷された前記ラベルを前記剥離紙に貼着された状態で排出するラベル印刷モードを有することを特徴とするラベル印刷貼付装置。
【請求項2】
前記ラベルが貼り付けられた前記被貼付部材を外部に排出する排出部と、
前記第1の搬送経路に前記剥離紙がセットされたか、または、前記元巻部と前記排出部との間に設けられた第3の搬送経路に前記剥離紙がセットされたか否かを検出する検出部とをさらに備え、
前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記第1の搬送経路に前記剥離紙がセットされたと判断した場合には運転モードを前記ラベル貼付モードに切り替え、前記第3の搬送経路に前記剥離紙がセットされたと判断した場合には運転モードを前記ラベル印刷モードに切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載のラベル印刷貼付装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記第1の搬送経路に設けられ、前記ラベルを逆搬送して前記剥離紙に貼着された前記ラベルのうち先頭のラベルを前記印刷部の印字位置に移動させるイニシャライズ動作時において前記第1の搬送経路に前記剥離紙がセットされたか否かを検出する
ことを特徴とする請求項2に記載のラベル印刷貼付装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記第3の搬送経路に設けられ、前記ラベルを逆搬送して前記剥離紙に貼着された前記ラベルのうち先頭のラベルを前記印刷部の印字位置に移動させるイニシャライズ動作時において前記第3の搬送経路を逆搬送される前記剥離紙の先端を検出する
ことを特徴とする請求項2に記載のラベル印刷貼付装置。
【請求項5】
前記剥離部は、前記第1の搬送経路に沿った第1の位置から前記第1の搬送経路から退避した第2の位置に移動可能に設けられ、
前記検出部は、前記剥離部が前記第1の位置であるかまたは前記第2の位置であるか否かを検出し、
前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記剥離部が前記第1の位置であると判断した場合に運転モードを前記ラベル印刷モードとし、前記剥離部が前記第2の位置であると判断した場合に運転モードを前記ラベル貼付モードとする
ことを特徴とする請求項1に記載のラベル印刷貼付装置。
【請求項6】
前記排出部は、
前記ラベルが貼り付けられた前記被貼付部材を外部に排出する第1の排出部と、
前記印刷部により前記情報が印刷された前記ラベルを前記剥離紙に貼着された状態で排出する第2の排出部とを有し、
前記検出部は、前記第2の排出部の近傍に設けられ、前記第2の排出部に前記剥離紙がセットされたか否かを検出する
ことを特徴とする請求項2に記載のラベル印刷貼付装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−46228(P2012−46228A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191335(P2010−191335)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】