説明

ラベル成形装置

【課題】高速移動するラベルを溶着する際、マンドレルに巻き付けたラベルの後端部と前端部とを重ね合わせた部分を熱溶着するラベル成形装置を提供する。
【解決手段】回転体22に設けられ、自転可能なマンドレル24に移送ドラムからラベルの先端部を引き渡し、マンドレル24の自転によってラベルを巻き取ってその前端部上に後端部を重ね合わせた状態で吸着保持する。マンドレル24の移動軌跡に沿ってヒータ136が配置され、このヒータ136がマンドレル24の公転による移動に所定区間追従して移動されるようになっており、ラベルの前端部と後端部を重ね合わせた部分にヒータ136を接触させ、所定区間追従させることによりラベルの前記重ね合わせた部分を溶着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
マンドレルの周囲に、後端部を先端部上に重ね合わせた状態でラベルを巻き付け、重ね合わせた部分を溶着することにより筒状のラベルを成形するラベル成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マンドレルの周囲にラベルを巻き付けて、ラベルの後端部と先端部とを重ね合わせた部分を溶着することにより筒状のラベルを成形することは従来から知られている(例えば、特許文献1または特許文献2参照)。特許文献1には、プラスチックのウエブを所定の長さに切断して形成したブランクを、マンドレルの外周面に、端部と端部とが重なり合うようにして巻き付け、このブランクをマンドレルの全周上に吸着保持したうえで、ブランクの重ね合わせ部にウエルダーシームバーを押し付けて熱溶着することによりプラスチックスリーブを形成するプラスチックスリーブの製造方法および装置が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、以下の構成のラベル入手装置が記載されている。このラベル入手装置は、旋回式コンベヤーの周囲に、プラスチックフィルム部分の巻き取りを目的とするスピンドルが設置されている。スピンドルは、旋回式コンベヤーに均等に分布するとともに、第1軸(旋回式コンベヤーの中心軸)と平行な第2軸(スピンドルの中心軸)の周囲を回転可能である。スピンドルは、搬送ドラムから受け取ったプラスチックフィルム部分を巻き取り、その重複縁に向けられるレーザー装置からのレーザービームによって、プラスチックフィルム部分が密閉処理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平1−24622号公報
【特許文献2】特表2009−509871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載された発明の構成では、複数のマンドレルにそれぞれ対応してヒータ(ウエルダーシームバー)を配置してあり、マンドレルの数と同数のヒータが必要となるためコスト高であるという問題があった。また、特許文献2に記載された発明は、ラベルの後端と先端とを重ね合わせた部分に、レーザーを照射しながら走査して溶着する構成であるが、レーザーは集光するために溶着する幅が2〜3mm程と狭く、また、ラベルの移動に追従しながら溶着部に沿ってレーザーを移動させる必要がある。そのため、高速移動するラベルを溶着する際、後端部に沿って直線状に溶着することが難しく、溶着部が湾曲したりして仕上がりの精度が悪いという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、ラベルを保持して移送する移送ドラムと、回転体に複数設けられ、前記移送ドラムからラベルを受け取って巻き取り、該ラベルの後端部を前端部に重ね合わせて吸着保持するマンドレルと、これら各マンドレルにそれぞれ設けられ、マンドレルを自転させる駆動手段と、これら駆動手段を制御する制御手段と、前記回転体の回転によって公転するマンドレルの移動軌跡に沿って配置され、重ね合わされたラベルの後端部と前端部とを溶着する溶着手段とを備え、前記溶着手段が、回転体の外側に配置されたヒータと、このヒータを、マンドレルに保持されたラベルの後端部と前端部とが重ね合わされた部分の移動軌跡に所定区間追従して移動させる追従手段とを有し、前記マンドレルを自転させつつ公転させることにより前記ラベルを受け取って巻き取り、ラベルの後端部を前端部に重ね合わせて吸着保持した後、ヒータが追従する区間ではラベルの重ね合わされた部分をヒータ側に向けてその部分を熱溶着することにより筒状ラベルを成形することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のラベル成形装置は、マンドレルに巻き付けられたラベルの後端部と前端部との重ね合わせた部分の移動軌跡に、所定区間ヒータを追従させるようにしたので、回転体の外部にマンドレルと独立して別に設けたヒータで必要な時間加熱することができる。従って、各マンドレルにそれぞれヒータを設ける必要はなく、構造が簡単であり、しかも、低コストである。また、レーザー装置を使用する場合よりもラベル後端を前端に精度良く溶着することができ、ラベルの仕上がりが良くなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1はラベル成形装置の全体の構成を簡略化して示す平面図である。(実施例1)
【図2】図2はラベル成形装置の縦断面図である。
【図3】図3はラベル成形装置に設けられたヒータを示す図であり、図(a)は平面図、図(b)は縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
回転体の外周部に円周方向等間隔で複数のマンドレルが設けられ、回転体の回転によって公転するとともに、それぞれに設けた駆動手段によって、制御手段の制御により自転するようになっており、これらマンドレルが、ラベルを保持して移送する移送ドラムからラベルの前端部を受け取って巻き取り、ラベルの前端部上に後端部を重ね合わせた状態で吸着保持する。回転体の回転によって公転するマンドレルの移動軌跡に沿って配置され、重ね合わされたラベルの後端部と前端部とを溶着する溶着手段を備えている。この溶着手段は、ヒータとこのヒータをマンドレルの移動軌跡に所定区間追従して移動させる追従手段とを有しており、回転体の回転によって公転しているマンドレルを自転させながら、移送ドラムからラベルを受け取り、ラベルの後端部を前端部上に重ね合わせた状態で巻き取った後、ヒータが追従する区間では、マンドレルが吸着保持しているラベルの重ね合わせた部分をヒータの方向へ向け、所定区間に渡ってヒータが追従しつつ加熱するので、各マンドレルと独立したヒータによってラベルの両端部を確実に熱溶着するという目的を達成する。
【実施例1】
【0010】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。先ず、図1によってラベル成形装置全体の構成について簡単に説明する。所定の幅を有する帯状のラベル2がロール状に巻かれて図示しないロールスタンドに支持されており、このロールスタンドから帯状ラベル2が引き出され、複数のローラ4を介して一対の回転体6A、6Bからなるカッタ6に送られて切断される。カッタ6によって所定の長さに切断されたラベル2は、受け渡しドラム8を介してラベル移送ドラム10に引き渡される。移送ドラム10には、その外周面に円周方向等間隔で複数のラベル保持部が設けられており、各ラベル保持部がそれぞれ1枚ずつラベル2を保持して回転搬送する。
【0011】
一方、前記ラベル2が装着される容器12(図2参照)は、供給コンベヤ14によって搬送され、インフィードスクリュー16によって所定の間隔に切り離されて入口スターホイール18に引き渡される。入口スターホイール18は受け取った容器12を回転搬送して、ロータリ式の容器搬送装置20に供給する。この容器搬送装置20は、回転体22の下部側で、前記入口スターホイール18から供給された容器12を回転搬送し、回転体22の上部側では、前記移送ドラム10からラベル2を受け取ったマンドレル24がこれを巻き取り、筒状のラベル2を成形するようになっており、この成形された筒状のラベル2をマンドレル24から取り外して前記容器12に装着する。ラベル2が装着された容器12は、容器搬送装置20によって回転搬送されて出口スターホイール26に引き渡され、排出コンベヤ28上に排出されて次の工程に送られる。
【0012】
前記容器搬送装置20の構成について、図1および図2により説明する。ベース30上に直立した中心軸32が配置され、その外周に上下のベアリング34を介して円筒部材36が回転自在に支持されている。この回転円筒部材36の上下方向のほぼ中央に、水平な回転円板38が取り付けられており、回転円筒部材36と一体的に回転する。回転体22の下部側を構成する前記回転円板38(以下、下部回転円板と呼ぶ)の外周部に円周方向等間隔で容器台40が配置されており、前記入口スターホイール18から供給された容器12は、これら容器台40上に順次載せられ、回転体22の回転によって回転搬送される。
【0013】
前記回転円筒部材36の上端には、直立した連結部材42によって上下に連結された2枚の水平な回転円板(上部回転円板44と中間回転円板46)が取り付けられ、回転円筒部材36および前記下部回転円板38と一体的に回転する。前記回転円筒部材36および上中下3枚の回転円板44、46、38等からなる回転体22は、回転円筒部材36の下端外周に固定されたギヤ47を介して、図示しない駆動手段からの駆動を伝達されて回転する。中間回転円板46の外周部の下面側に、円周方向等間隔でマンドレル24が回転自在に支持されている。マンドレル24と前記容器台40とは上下の位置が一致しており、回転体22の回転により、上下の位置を一致させた状態のまま回転する。これらマンドレル24は、中間回転円板46の上面に設置されたマンドレル回転用のサーボモータ48によって回転される。このマンドレル回転用サーボモータ48は、図示しない制御手段によって制御されており、マンドレル24の回転、位置決め等の制御が行われる。
【0014】
マンドレル24は、ラベル2を供給する移送ドラム10と同じ高さに配置されており、回転体22の回転により移送ドラム10の位置に到達したマンドレル24にラベル2が受け渡される。このマンドレル24の外径は、前記容器12の外径より若干大きくしている。マンドレル24には、外面側を向けて多数の吸引孔(図示を省略)が形成されて、図示しないバキューム源に接続されており、これら吸引孔から吸引することにより外周面にラベル2を吸着して保持することができる。
【0015】
各マンドレル24の中心部を貫通して、下端にトップロケータ50が固定された昇降軸52が挿通されている。この昇降軸52の上端部に、連結ブロック54が取り付けられ、さらに、この連結ブロック54の、回転体22の半径方向内方側にスライダ56が固定されている。このスライダ56は、前記上部回転円板44とその下方に連結部材42を介して連結された環状プレート58の外面側に取り付けられている垂直なガイドレール60に係合し、昇降軸52およびトップロケータ50の昇降を案内する。また、前記連結ブロック54の、回転体22の外方側を向いた面にカムフォロア62が取り付けられており、回転体22の外側に固定されている環状カム64のカム溝64aに係合し、このカム溝64aの形状に応じてトップロケータ50および昇降軸52が昇降する。
【0016】
上方のマンドレル24と下方の容器台40に載せられた容器12との間を昇降可能なピッカ66が設けられている。このピッカ66は、下部回転円板38を上下に貫通する昇降ロッド68の上端に、水平な取付板70を介して取り付けられている。この昇降ロッド68の下端には、前記トップロケータ昇降カム(環状カム64とカムフォロア62)と同様に、連結ブロック72が固定され、この連結ブロック72の、回転体22の半径方向内方側にスライダ74が取り付けられている。また、半径方向外方側にはカムフォロア76が取り付けられている。このカムフォロア76は、容器搬送装置20の外側の固定台78に取り付けられている環状の板カム80に係合し、この板カム80の形状に応じてピッカ66が昇降する。
【0017】
下部回転円板38の下面側には、直立した連結部材82を介して2枚の水平な環状プレート84、86が固定され、これら環状プレート84、86の外面に垂直なガイドレール88が取り付けられている。前記スライダ74がこのガイドレール88に係合し、昇降ロッド68およびピッカ66の昇降を案内する。さらに、ピッカ66は開閉できるようになっており、閉じたときにマンドレル24に巻き付けられているラベル2を保持する。ピッカ66は、詳細は図示しないが、2本のアーム90、90の先端に取り付けた一対の保持部材92、92を備えており(図1参照)、これら両アーム90、90がそれぞれ前記下部回転円板38を貫通する2本のロッド94、94の上端に取り付けられている。両ロッド94、94の外周にギヤ96、96が形成されて互いに噛み合っており、一方のロッド94を回転させると、両ロッド94、94およびアーム90、90が逆方向へ回転し、一対の保持部材92、92が開閉する。一方のロッド94にレバー98が固定され、このレバー98の先端にカムフォロア100が取り付けられている。回転体22の外側の固定台78上にピッカ開閉カム102が設置されており、この開閉カム102によって前記レバー98を揺動させることによりロッド94およびギヤ96が回転し、ピッカ66の両保持部材92、92が開閉する。なお、図1ではピッカ66を一部だけを示し、その他の図示は省略している。
【0018】
ピッカ66は、図1に示すように、開放したときにはマンドレル24または容器12の外面から離れており、閉じたときにはマンドレル24および容器12の外径より若干大きい内径を有する円形となる。この閉じた状態のピッカ66の中心と、上方のマンドレル24の軸心と、下方の容器台40上に載せられた容器12の軸心が同一軸線上に位置している。各ピッカ66は、バキュームチューブ104を介して図示しないバキューム源に接続されており、内面側に向けて形成された吸引孔(図示せず)によって、マンドレル24に巻き付けられた円筒形のラベル2を吸着することができる。
【0019】
容器搬送装置20の、前記移送ドラム10からラベル2の受け渡しを行う位置Aのやや下流側に、溶着手段106が配置されている。マンドレル24に巻き付けられて重なり合った状態になっているラベル2の後端部と前端部とを、この溶着手段106によって加熱して熱溶着する。この溶着手段106の構造について、図2および図3(a)、(b)により説明する。回転体22の外方に固定台78が設置され、この固定台78の上方に溶着手段106が配置されている。固定台78上に設置され、直立した支柱108によって支持されている水平な下部支持プレート110と上部支持プレート112の間に、垂直な中心軸114が回転自在に支持されている。下部支持プレート110の下面側に溶着手段駆動用のサーボモータ116が取り付けられており、このサーボモータ116の駆動が、プーリ118、ベルト120、プーリ122を介して中間軸124に伝達され、さらに、中間軸124に固定したギヤ126が前記中心軸114の下端に設けたギヤ128に噛み合って、中心軸114に駆動用サーボモータ116の回転が伝達される。
【0020】
この中心軸114の上下に水平な十字状回転体130A、130Bが取り付けられて一体的に回転する。上下の十字状回転体130A、130Bの各先端部130aが、鉛直方向の連結ピン132によって連結されている。これら各連結ピン132に垂直な板状部材134の一端が回動可能に連結され、さらに、この垂直板状部材134の他端(回動端)にそれぞれヒータ136が固定されている。この実施例では、十字状回転体130A、130Bの4箇所の先端部130aにヒータ136が設けられている。垂直板状部材134の先端(ヒータ136が固定されれている端部)の下端にカムフォロア138が取り付けられている。十字状回転体130A、130Bの下方側に、水平なカムプレート140が配置され、このカムプレート140の上面にカム溝140aが形成されており、前記カムフォロア138がこのカム溝140aに係合している。このカム溝140aの形状により、ヒータ136は、マンドレル24に巻き付けられたラベル2の後端部と前端部との重ね合わせた部分に所定区間追従して移動することができる。この溶着手段106のヒータ136は前記回転体22に設けられているマンドレル24と同じ高さに配置されている。前記十字状回転体130A、130B、板状部材134、カムフォロア138およびカムプレート140等が請求項1に記載した追従手段を構成している。
【0021】
以上の構成に係るラベル成形装置の作動について説明する。ラベルスタンド(図示せず)に保持されたロールラベルから繰り出された長尺のラベル2は、複数のローラ4を介して一対の回転体6A、6Bを備えたカッタ6に送られて、容器12のサイズに応じた所定の長さに切断される。切断されたラベル2は受け渡しドラム8を介して移送ドラム10に引き渡される。移送ドラム10には、複数のラベル保持部が等間隔で設けられており、前記切断されたラベル2がこの移送ドラム10のラベル保持部の外面側に開口している吸引孔に作用するバキュームによって吸着されて保持される。
【0022】
移送ドラム10のラベル保持部12に保持されたラベル2が、回転移動して容器搬送装置20の位置に到達すると、ラベル2の前端部側が、回転体22の回転によって回転移動(公転)しているマンドレル24の外面に当接する。マンドレル24はサーボモータ48の駆動によって回転(自転)するとともに、外面の吸引孔から吸引しており、その外面にラベル2の前端部が当接すると、先ず前端部が吸着され、移送ドラム10の回転とマンドレル24の公転および自転によってラベル2がマンドレル24に巻き取られる。マンドレル24の吸引によってラベルが巻き取られるとともに、移送ドラム10はラベル保持部の吸引を解除する。ラベル2は、マンドレル24の円周よりも長いサイズに切断されており、先に吸着された前端部上に後端部が重ね合わされた状態で吸着保持される。なお、移送ドラム10からマンドレル24へラベル2を受け渡す時点では、ピッカ66を、図2の左側に示すように、ピッカ昇降用のカム80によってマンドレル24よりも下方へ下降させておく。
【0023】
前記のようにラベル2が受け渡されたマンドレル24の下方に位置している容器台40には、すでに容器12が供給されている。この容器12は、供給コンベヤ14によって搬送され、インフィードスクリュー16によって所定の間隔に切り離された後、入口スターホイール18を介して容器搬送装置20の容器台40上に供給される。
【0024】
ラベル2の後端部を前端部上に重ね合わせた状態で吸着保持しているマンドレル24は、ラベル2の巻き取りを終了すると自転を停止する。このときラベル2の重ね合わせた部分を回転体22のほぼ半径方向外方側に向けた状態にして停止する。この状態でラベル2を保持しているマンドレル24が移動して溶着手段106の位置に接近すると、図3(a)に示すカム溝140aの形状により、ヒータ136は、回転体22の中心と溶着手段106の中心を通る半径方向の線上に到達する以前からマンドレル24に吸着保持されているラベル2に接触を開始し、また、前記半径方向の線上を通過した後も一定区間接触を継続する。つまり、ヒータ136は前記カム溝140aの形状によって、マンドレル24の移動軌跡に所定区間追従して移動するようになっている。しかも、サーボモータ116によって回転されるマンドレル24は、ラベル2のヒータ136に接触する位置が、常にラベル2の後端部が前端部上に重ね合わせられた部分であるように、図示しない制御手段によって回転を制御される。マンドレル24の自転を停止させてラベル2の後端部と前端部とが重なり合った部分を常に回転体22の中心と逆の方向に向けて位置させても良いし、マンドレル24を公転による移動方向とは逆方向に少しずつ自転させてヒータ136と少しでも長く接触するように制御しても良い。このようにマンドレル24に巻き付けられたラベル2の、後端部と前端部とが重なり合った部分に、ヒータ136を所定の区間に亘って接触させて加熱するので個々のマンドレル24にヒータ136を設ける必要はなく、回転体22の外周側の1箇所に設けたヒータ136によって、確実に加熱して溶着することができる。
【0025】
マンドレル24に巻き付けたラベル2の両端部を溶着して円筒状のラベル2を成形した後、ピッカ66を開放した状態にしてマンドレル24の高さまで上昇させる。この状態でトップロケータ50を下降させて、容器12の頭部を押さえる。次いで、マンドレル24の周囲まで上昇したピッカ66を、ピッカ開放カム102の作用によって両保持部材92、92を閉じて、マンドレル24の周囲に嵌合している円筒状ラベル2の外面に密着させ、ピッカ66の内面にバキュームを作用させるとともに、マンドレル24のバキュームを解除して、ピッカ66にラベル2を吸着保持させる。その後、ピッカ昇降カム80によってラベルを保持しているピッカ66を下方の容器12の位置まで下降させる。このピッカ66の下降によってマンドレル24の周囲に嵌合していた円筒状ラベル2を、マンドレル24から抜き取って筒状のまま下方の容器12の周囲に装着する。
【0026】
ピッカ66がマンドレル24の周囲に吸着保持されていた円筒状のラベル2を、下方の容器12の外周面に装着した後、ピッカ66のバキュームを解除するとともに、ピッカ開放カム102によって開放し、容器12と干渉しない高さまで上昇する。ラベル2が装着された容器12は、出口スターホイール26を介して排出コンベヤ28上へ搬出されて次の工程に送られる。
【符号の説明】
【0027】
2 ラベル
10 移送ドラム
22 回転体
24 マンドレル
48 駆動手段(サーボモータ)
106 溶着手段
136 ヒータ
140 追従手段(カム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルを保持して移送する移送ドラムと、回転体に複数設けられ、前記移送ドラムからラベルを受け取って巻き取り、該ラベルの後端部を前端部に重ね合わせて吸着保持するマンドレルと、これら各マンドレルにそれぞれ設けられ、マンドレルを自転させる駆動手段と、これら駆動手段を制御する制御手段と、前記回転体の回転によって公転するマンドレルの移動軌跡に沿って配置され、重ね合わされたラベルの後端部と前端部とを溶着する溶着手段とを備え、
前記溶着手段が、回転体の外側に配置されたヒータと、このヒータを、マンドレルに保持されたラベルの後端部と前端部とが重ね合わされた部分の移動軌跡に所定区間追従して移動させる追従手段とを有し、
前記マンドレルを自転させつつ公転させることにより前記ラベルを受け取って巻き取り、ラベルの後端部を前端部に重ね合わせて吸着保持した後、ヒータが追従する区間ではラベルの重ね合わされた部分をヒータ側に向けてその部分を熱溶着することにより筒状ラベルを成形することを特徴とするラベル成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−95502(P2013−95502A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242237(P2011−242237)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(393028357)シブヤマシナリー株式会社 (77)
【Fターム(参考)】