説明

ラベル貼り付け装置

【課題】ラベルの貼り付けが適切に行われたか否かについて確実に認識することができるラベル貼り付け装置を提供する。
【解決手段】第1カラーセンサ150は、複数のノズルのうちいずれかのノズルに覆い被さるように設けられている。また、搬送部170の下流には、第2カラーセンサ160が配設される。第1カラーセンサ150は、吸着部141によるラベルLの吸着中に、ノズルを介して当該ラベルLの吸着位置を検出する。また、第1カラーセンサ150は、ラベルLが対象物Wに貼り付けられた後、搬送部170により搬送される対象物W上のラベルLの移動軌跡を検出する。また、第2カラーセンサ160は、搬送部170により搬送される対象物Wに貼り付けられたラベルLを当該搬送部170の下流において検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルを商品に貼り付けるラベル貼り付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、商品販売店舗等の一例であるスーパーマーケット等においては、例えば消費期限が近づいた商品に対して作業者が印字装置を用いて、値引き用のラベルを商品に手作業で貼り付けることにより、商品の販売促進を図り、在庫商品を減らすという商品販売システムがとられている。このように顧客に対して商品を提供する場合、商品販売店舗においては様々な装置やシステムが用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ラベル貼付け装置について開示されている。特許文献1記載のラベル貼付け装置においては、位置検出器の枠内をラベル貼付け対象物の端面が貫通するときその位置を検出し、この位置に合わせてラベル付着器を移動するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−112728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のラベル貼付け装置では、対象物の端面の位置に合わせてラベル付着器を移動するように構成しているが、ラベルの貼り付けが確実に行われたか否かについては定かではない。
【0006】
本発明の目的は、ラベルの貼り付けが適切に行われたか否かについて確実に認識することができるラベル貼り付け装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)一の局面に従うラベル貼り付け装置は、商品情報を表示するラベルを対象物に貼り付けるラベル貼り付け装置であって、対象物を搬送する搬送部と、搬送部により搬送された対象物にラベルを貼り付ける貼り付け部と、貼り付け部に設けられ、ラベルの対象物への貼り付け位置を検出する第1検出部と、を備えるものである。
【0008】
一の局面に従うラベル貼り付け装置においては、搬送部により対象物が搬送される。搬送部により搬送された対象物に対して貼り付け部によりラベルが貼り付けられる。そして、ラベルの対象物への貼り付け位置が第1検出部により検出される。
【0009】
この場合、ラベルの対象物への貼り付け位置が、貼り付け部に設けられた第1検出部により検出されるので、貼り付けの前に貼り付け位置が適切か否かについて検出することができる。また、第1検出部が貼り付け部に設けられることにより、第1検出部とラベルとの相対位置関係は一定であるので、対象物の高さおよび傾き等の影響によって貼り付け位置の検出精度が低下することを防止できる。さらに、貼り付けの前に貼り付け位置が適切か否かを検出するので、外乱光の影響を抑制または防止できる。それにより、貼り付け位置の検出精度が向上する。
【0010】
(2)ラベル貼り付け装置は、第1検出部による検出結果に基づいてラベルが対象物に適切に貼り付けられたか否かを判断する判断部をさらに備えてもよい。この場合、ラベルが対象物に適切に貼り付けられたか否かが判断部により判断されるので、その後、判断結果によっては、警告等の措置を取ることができる。
【0011】
(3)貼り付け部はエアの吸引および吹き出しによりラベルをそれぞれ吸着および貼り付けるノズルを有し、第1検出部はノズル上に設けられることが好ましい。
【0012】
この場合、貼り付け部のノズルにより吸着され保持されているラベルが対象物に貼り付けられる。第1検出部がノズル上に設けられていることにより、外乱光の影響を受ける可能性が著しく低い状態で、ラベルの貼り付けの際に、第1検出部により上記ノズルを介して貼り付け位置が適切か否かについて検出することができる。
【0013】
(4)搬送部は、ラベルが貼り付けられた対象物を搬送し、第1検出部は、貼り付け処理後のラベルおよび対象物の移動軌跡を検出してもよい。
【0014】
この場合、貼り付け処理後のラベルおよび対象物の移動軌跡が第1検出部により検出されることにより、当該ラベルおよび対象物のその後の動きが認識できる。ラベルと対象物との動きが同じようなものであれば、貼り付けが正常に行われたと判断でき、一方、ラベルと対象物との動きが異なるようなものであれば、貼り付けが正常に行われなかったと判断できる。
【0015】
(5)ラベル貼り付け装置は、搬送部による搬送経路の下流に、貼り付け処理後のラベルおよび対象物を検出する第2検出部をさらに備えてもよい。
【0016】
この場合、第1検出部によっては正常な貼り付け位置が検出されていたとしても、その後、ラベルの剥離またはずれ等が発生した場合に、これらに起因する貼り付け位置の変化が第2検出部により検出できる。したがって、ラベルの貼り付け後においても貼り付け位置に異常がないかについて認識できる。
【0017】
(6)第1検出部および第2検出部の一方または両方は、カラーセンサを含んでもよい。この場合、カラーセンサを採用することで、ラベルの貼り付け位置を正確に検出できる。すなわち、カラーセンサにより背景色、搬送部の色、対象物の色およびラベルの色を明確に認識することができるので、ラベルの貼り付け位置を正確に検出できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るラベル貼り付け装置によれば、ラベルの貼り付けが適切に行われたか否かについて確実に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係るラベル貼り付け装置の概略的な構成を示す模式図である。
【図2】ラベル貼り付け装置で用いられるラベルを発行するラベルプリンタの構成を示す模式図である。
【図3】ノズルブロック上に設けられた第1カラーセンサの状態を示す斜視図である。
【図4】対象物の搬送時に用いるガイド装置の概略的構成を示す模式図である。
【図5】貼り付けヘッドの他例を示す模式図である。
【図6】吸着部に設けられたラベルガイドを示す模式図である。
【図7】ラベルの剥離方法の他例を示す模式図である。
【図8】対象物の整列方法の他例を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係るラベル貼り付け装置について図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は本実施形態に係るラベル貼り付け装置100の概略的な構成を示す模式図であり、図2はラベル貼り付け装置100で用いられるラベルを発行するラベルプリンタ800の構成を示す模式図であり、図3はノズルブロック142上に設けられた第1カラーセンサ150の状態を示す斜視図であり、図4は対象物Wの搬送時に用いるガイド装置400の概略的構成を示す模式図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係るラベル貼り付け装置100は、制御部120、吸引装置130、貼り付けヘッド140、第1カラーセンサ150、第2カラーセンサ160および搬送部170を主として備える。ラベル貼り付け装置100の上流には、ラベルを発行するためのラベルプリンタ800およびラベルを貼り付ける対象物(物品)Wをガイドするガイド装置400が設けられる。なお、ラベルプリンタ800およびガイド装置400の構成の詳細については後述する。
【0023】
貼り付けヘッド140は、ラベルLを吸着して保持する吸着部141を有するノズルブロック142を備える。
【0024】
図3に示すように、ノズルブロック142には、図1の吸引装置130に連通する複数のノズル143が規則的に設けられている。なお、複数のノズル143は、それぞれノズルブロック142の上面から下面(吸着部141)に貫通して形成されている。
【0025】
制御部120は、吸引装置130を制御することにより、複数のノズル143からのエアの吸引、吹き出し、および停止を行う。複数のノズル143によるエアの吸引により、ラベルLが吸着部141に吸着保持される。また、複数のノズル143によるエアの吹き出しにより、吸着部141に吸着保持されたラベルLが対象物Wに貼り付けられる。ラベルLが貼り付けられた対象物Wは、ベルトコンベア等からなる搬送部170により方向H1に沿って下流に搬送される。搬送部170の下流には、第2カラーセンサ160が配設される。
【0026】
図3において、複数(図3では、2つ)の第1カラーセンサ150が、複数のノズル143のうちいずれかのノズル143に覆い被さるようにそれぞれ設けられている。
【0027】
このような第1カラーセンサ150は、吸着部141によるラベルLの吸着中に、当該ラベルLの吸着位置を検出する。この場合、ノズル143を介してラベルLの位置が検出される。また、第1カラーセンサ150は、ラベルLが対象物Wに貼り付けられた後、搬送部170により搬送される対象物W上のラベルLの移動軌跡を検出する。
【0028】
第2カラーセンサ160は、搬送部170により搬送される対象物Wに貼り付けられたラベルLを当該搬送部170の下流において検出する。
【0029】
制御部120は、第1カラーセンサ150による検出結果および第2カラーセンサ160による検出結果に基づいて、ラベルLが適切な位置で吸着部141に吸着されているか否か、およびラベルLが対象物Wに適切に貼り付けられたか否かを判断する。そして、判断結果によっては、制御部120は図示しない警告装置等に警告させる。これにより、作業者はラベルLが対象物Wに適切に貼り付けられたか否かについてリアルタイムで認識できる。
【0030】
ここで、検出器としては、カメラよりカラーセンサを採用することが好ましい。カラーセンサにより背景色、搬送部170の色、対象物Wの色およびラベルLの色を明確に認識することができるので、ラベルLの貼り付け位置を正確に検出できるからである。また、カラーセンサは比較的低コストであり、データ量が少ないので転送速度が速く、低消費電力であるからである。
【0031】
図2に示すラベルプリンタ800の特徴は、ラベルを剥離する機構およびラベルを切断する機構を兼ね備える点である。
【0032】
図2に示すように、ラベルプリンタ800においては、帯状ラベルロール810から引き出されたラベルシートLSは、印字搬送機構であるサーマルヘッド820および印字ローラ830により印字および搬送される。
【0033】
次に、剥離機構である剥離板840およびアシストローラ850により、ラベルシートLSから台紙LDのみを当該剥離板840上において転向させ、台紙LDから帯状のラベルLを剥離する。台紙LDは台紙巻取り部860により巻き取られる。
【0034】
一方、剥離された帯状のラベルLは、切断機構であるオートカッタ870により任意の長さに切断され、1枚のラベル片として非粘着処理を施したラベル待機台880上に搬送される。なお、上記では、サーマルヘッド820による感熱紙への印字を前提としているが、インクリボン搬送機構を追加し、熱転写方式による印字機構としてもよいし、インクジェットによる印字機構としてもよい。
【0035】
上記のように、印字、剥離および切断を連続して行うことにより、1台のラベルプリンタ800によって大きさの異なるラベルLを発行することができる。それにより、作業者は、大きさの異なるラベルLを発行する場合にラベルロールを交換する必要がなくなる。また、剥離されたラベルLが自動で発行できるので、作業者が剥離作業を行う必要がなくなり、作業時間を大幅に削減できる。したがって、ラベル貼り付け装置100に対してスムーズにラベルLを供給することができる。
【0036】
さらに、従来、ラベルサイズごとに発注および管理していたラベルの種類が少なくなり、在庫種類および在庫数の削減が図れる。また、同一種類のラベルの大量発注およびラベル打ち抜き工程の削減により、ラベルコストの低減も期待できる。
【0037】
なお、ラベルプリンタ800において、アシストローラ850、オートカッタ870およびラベル待機台880を、ユニット890として一体的に構成することができる。ユニット890は、その下部の支点891を基準として矢印D3の方向に開閉可能とする。このような構成において、ユニット890を回動させて開けた状態にすることで、ラベルLの装填を容易に行うことができる。
【0038】
図4に示すように、ガイド装置400は、互いに対称な形状を有するガイド部410およびガイド部411を含む。ガイド部410の一端には、進退機構430の動作により矢印D1の方向に沿って往復動することが可能なローラガイド部420が設けられている。また、同様に、ガイド部411の一端には、進退機構431の動作により矢印D1の方向に沿って往復動することが可能なローラガイド部421が設けられている。
【0039】
ローラガイド部420には、複数のローラ422がそれぞれ円弧状に並んで設けられている。また、同様に、ローラガイド部421には、複数のローラ423がそれぞれ円弧状に並んで設けられている。
【0040】
このような構成のガイド装置400においては、ローラガイド部420およびローラガイド部421は、対象物Wに接触したときに、矢印D1の方向に沿って移動を開始する。
【0041】
そして、ガイド装置400においては、複数のローラ422および複数のローラ423がそれぞれ円弧状に並んで配設されているので、経路から反れて搬送されている対象物Wが、ローラガイド部420、421の側面部(ローラ422、423側)のどの位置に当接しても、この場合にローラガイド部420、421が矢印D1の方向に移動するので、当該対象物Wの搬送方向は矢印D1と同じ方向、すなわち、正常な搬送方向となる。これにより、対象物Wの搬送方向を常に同じ方向に修正できる。したがって、搬送方向が修正された対象物Wをラベル貼り付け装置100に供給することができる。よって、ラベルLの貼り付けを安定して行うことができる。
【0042】
また、対象物Wがローラガイド部420、421に接触しながら移動されることによって、当該対象物Wがローラガイド部420、421に接触したときのフリクションを小さくすることができる。それにより、ローラガイド部420、421の接触面の実効角度は移動に伴い次第に緩くなり、対象物Wの搬送方向の速度変化を抑制できる。これにより、次工程のラベル貼り付け処理の精度に与える影響を小さくすることができる。
【0043】
<本実施形態における効果>
本実施形態においては、ラベルLの対象物Wへの貼り付け位置が、貼り付けヘッド140に設けられた第1カラーセンサ150により検出されるので、貼り付けの前の吸着保持中に貼り付け位置が適切か否かについて検出することができる。また、第1カラーセンサ150が貼り付けヘッド140に設けられることにより、第1カラーセンサ150と吸着されているラベルLとの相対位置関係は一定であるので、対象物Wの高さおよび傾き等の影響によって貼り付け位置の検出精度が低下することを防止できる。さらに、貼り付けの前の吸着保持中に貼り付け位置が適切か否かを検出するので、外乱光の影響を抑制または防止できる。それにより、吸着位置および貼り付け位置の検出精度が向上する。したがって、ラベルLの貼り付けが適切に行われたか否かについて確実に認識できる。
【0044】
また、本実施形態では、第1カラーセンサ150により貼り付け後のラベルLおよび対象物Wの移動軌跡が検出されることにより、当該ラベルLおよび対象物Wのその後の動きが認識できる。ラベルLと対象物Wとの動きが同じようなものであれば、貼り付けが正常に行われたと判断でき、一方、ラベルLと対象物Wとの動きが異なるようなものであれば、貼り付けが正常に行われなかったと判断できる。
【0045】
さらに、本実施形態では、第1カラーセンサ150によっては正常な貼り付け位置が検出されていたとしても、その後、ラベルLの剥離またはずれ等が発生した場合に、これらに起因する貼り付け位置の変化が第2カラーセンサ160により検出できる。したがって、ラベルLの貼り付け後においても貼り付け位置に異常がないかについて認識できる。よって、ラベルLの貼り付けが適切に行われたか否かについて確実に認識できる。
【0046】
<請求項の各構成要素と上記実施形態の各部との対応関係>
上記実施形態においては、ラベル貼り付け装置100がラベル貼り付け装置に相当し、ラベルLがラベルに相当し、対象物Wが対象物に相当し、搬送部170が搬送部に相当し、貼り付けヘッド140が貼り付け部に相当し、第1カラーセンサ150が第1検出部に相当し、制御部120が判断部に相当し、吸着部141が吸着部に相当し、第2カラーセンサ160が第2検出部に相当し、ノズル143がノズルに相当する。
【0047】
<変形例>
なお、図1の貼り付けヘッド140を次のように構成してもよい。図5(a)に示すように、傾斜貼り付け面510を有する貼り付けヘッド500を用いる。貼り付けヘッド500においては、ラベルLの吸着保持面の幅s1がラベルLの幅s2よりも小さく設計されている。
【0048】
図5(b)に示すように、搬送される物品が略凸形状の対象物W1である場合に、当該対象物W1の表面形状に合わせて貼り付けヘッド500を回動させると、ラベルLの縁部が貼り付けヘッド500の傾斜貼り付け面510へ回り込む。それにより、対象物が略凸形状のものであっても、傾斜貼り付け面510によってラベルLが対象物W1の表面に押さえ付けられ、しっかりと貼り付けられる。これにより、貼り付け不備がなくなり、作業効率の向上が図れる。
【0049】
また、図6(a)に示すように、図1の吸着部141にラベルガイドを設けてもよい。図6(a)においては、複数のノズル143を取り囲むように、コの字形状のラベルガイド600が設けられる。
【0050】
吸着部141においては、図6(b)に示すように、ラベルLはラベルガイド600に取り囲まれつつ複数のノズル143によって吸着保持される。
【0051】
このような状態で、図6(c)に示すように、吸着部141が瞬時に例えば時計回りに90度回転された場合でも、ラベルガイド600を設けることにより、複数のノズル143によるラベルLの保持状態がずれない。
【0052】
これにより、適切な保持状態でラベルLを対象物Wに貼り付けることができる。それにより、作業者がラベルLの貼り付けをやり直す必要がなくなる。したがって、作業効率が向上し、品質も安定する。また、ノズル143の吸着力を上げる必要がなく、そのための手段も必要ないので、コストアップを回避できる。
【0053】
また、上記実施形態では、剥離機構として剥離板840を用いたが、これに限定されるものではなく、次のような剥離シャフトを用いてもよい。
【0054】
図7に示すように、複数のラベルLが貼り付けられた台紙LDが巻回された帯状ラベルロール810の回転方向D2と、剥離シャフト700の軸a1とがなす角度αが90度を除く例えば75度になるように、当該剥離シャフト700を配設する。このような構成において、ラベルLの角領域RAから当該ラベルLを剥離するようにする。角度αは45度〜85度であることが好ましい。なお、ラベルLが剥離された台紙LDは台紙巻取り部860に順次巻き取られる。
【0055】
上記の構成により、ラベルLを台紙LDから容易に剥離することが可能となる。すなわち、上述のように、剥離シャフト700を回転方向D2に対して斜め方向に配設することにより、剥離シャフト700を回転方向D2に対して垂直に配設する場合と比較し、台紙LDからラベルLが剥離し始める面積を小さくすることができる。それにより、ラベルLが剥離し易くなる。
【0056】
本発明を採用することにより、剥離性を向上するという観点から従来用いることが困難であった、非移行ラベル、化粧ラベル、幅が広く天地が短い(例えば2mm)のラベル、厚さが薄いラベル、および強粘性のラベルを用いることができる。非移行ラベルとは、ラベル製造過程において一旦剥がし、台紙に再度付けることにより、剥離性および縁切れ性を高めたフルオートラベル(移行ラベル)ではないものをいう。また、化粧ラベルとは、印字なしのラベルであり、非移行ラベルの一種である。
【0057】
また、食品業界では、印字ラベル以外に、上記化粧ラベルの需要も多くあり、本発明は有用である。食品業界以外のFA(ファクトリーオートメーション)を用いる他の業界においても、多様な種類のラベルを使用していることが多く、これらのラベル剥離作業も本発明により容易となる。したがって、マーケット拡大にもつながる。
【0058】
また、上記実施形態では、図4のガイド装置400を用いて対象物Wを整列させることとしたが、これに限定されるものではなく、次のようなベルトコンベアを用いてもよい。
【0059】
図8(a)に示すように、対象物Wを搬送するベルトコンベア900、910が互いに平行に並んで配設される。また、ベルトコンベア900、910の上方にカメラ920が配設される。
【0060】
ベルトコンベア900、910はそれぞれ独立して制御することが可能である。搬送されてくる対象物Wの位置および向きがカメラ920により検出される。対象物Wの位置および向きがカメラ920により検出されると、図示しない制御部によりベルトコンベア900、910の速度が互いに異なるよう調整される。これにより、ベルトコンベア900、910の速度に速度差が発生する。この速度差を利用して、ベルトコンベア900、910上で対象物Wを回転させることにより、当該対象物Wの位置および向きを修正する。修正後は、ベルトコンベア900、910の速度差をなくし、対象物Wを搬送する。修正方法を以下に簡単に説明する。
【0061】
図8(a)に示すように、方向のずれた対象物Wがベルトコンベア900、910上に進入する。
【0062】
次に、図8(b)に示すように、対象物Wの方向のずれがカメラ920により検出された後、図示しない制御部によりベルトコンベア900、910の速度が調整される。それにより、対象物Wが回転される。
【0063】
そして、図8(c)に示すように、対象物Wの位置および方向が修正されたら、ベルトコンベア900、910の速度が互いに同じになるよう調整され、対象物Wを搬送する。
【0064】
このような方法により、対象物Wが平らな側面を有しているか否かにかかわらず、当該対象物Wの位置および方向を修正でき、確実に整列を行うことができる。したがって、後工程においてラベル貼り付け装置100により対象物Wの所定の位置に正確にラベルLを貼り付けることができる。
【0065】
また、ターンテーブル等を利用した物品の整列方法は、搬送を一旦止める必要があり、生産性に支障をきたす場合があるが、本例では搬送速度を低下させずに整列を行うことができるので、生産性を維持または向上できる。
【0066】
また、上記実施形態において、第2カラーセンサ160により検出されたラベル貼り付け位置と、作業者によって予め入力設定されたラベル貼り付け装置100による貼り付け位置との差異を自動計算し、算出された差異に基づいてラベル貼り付け装置100の貼り付け位置を自動修正してもよい。この場合、ラベル貼り付け装置100は図示しない移動機構により移動される。これにより、最初に1度対象物Wを流した後、算出された上記差異に基づいて移動機構によりラベル貼り付け装置100が移動されるので、作業者の調整作業の負担を削減することができる。これにより、作業効率化を図ることができる。また、上記移動機構の移動速度を向上すれば、作業効率化をより実現できる。
【0067】
また、上記実施形態に係るラベル貼り付け装置100によりトレーにラベルLを貼り付ける場合においても当該トレーを以下の方法で整列させてもよい。
【0068】
搬送トレーガイドのガイド部分を、トレー形状に適合するよう型取り可能な材質で構成し、トレーの両サイドに配置する。この場合、型取りされたガイドは、トレーを2つに分割した形状で両サイドに配置される。
【0069】
トレーを流す前、トレー切り替え時にトレー形状に合わせてガイドの型取りを行う。そして、型取りしたガイドをセンタリングさせ、トレーの搬送時に型に合わせてトレーの向きを修正し整列する。なお、ラベル貼り付けは、ガイドによってトレーを保持することにより整列させた後に行ってもよいし、ガイドを開放した後に行ってもよい。ガイドによりトレーを保持している状態で貼り付けを行う方が貼り付け精度を高めることができる。
【0070】
これにより、多角形、円形または楕円形等の異形形状を有するトレーを確実に整列させることができ、これらのトレーへのラベルLの貼り付けを高精度で行うことができる。また、ガイドの型取りの作業時間は従来のガイド位置合わせの作業時間に相当するので、作業時間のロスにはならない。
【0071】
また、上記実施形態では、貼り付けヘッド140の吸着部141に吸着されたラベルLを吹き付けにより対象物Wに貼り付けることとしたが、これに限定されるものではなく、貼り付けヘッド140を方向H2(図1)に沿って往復動させて、吸着部141に吸着されたラベルLを対象物Wに接触させ貼り付ける構成としてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、貼り付けヘッド140に第1カラーセンサ150を設け、搬送部170の下流に第2カラーセンサ160を設けることとしたが、これに限定されるものではなく、搬送部170の上流および下流にそれぞれカラーセンサを設ける構成としてもよい。この場合、検出結果において、ラベルLの貼り付けられる前後の色の変化から、ラベルLが貼り付けられたか否かを確実に認識できる。さらに、上記を組み合わせて、搬送部170の上流、貼り付けヘッド140、および搬送部170の下流にそれぞれカラーセンサを設ける構成としてもよい。
【0073】
さらに、本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0074】
100 ラベル貼り付け装置
120 制御部
140 貼り付けヘッド
141 吸着部
143 ノズル
150 第1カラーセンサ
160 第2カラーセンサ
170 搬送部
L ラベル
W 対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報を表示するラベルを対象物に貼り付けるラベル貼り付け装置であって、
前記対象物を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送された前記対象物に前記ラベルを貼り付ける貼り付け部と、
前記貼り付け部に設けられ、前記ラベルの前記対象物への貼り付け位置を検出する第1検出部と、を備えるラベル貼り付け装置。
【請求項2】
前記第1検出部による検出結果に基づいて前記ラベルが前記対象物に適切に貼り付けられたか否かを判断する判断部をさらに備える、請求項1記載のラベル貼り付け装置。
【請求項3】
前記貼り付け部は、エアの吸引および吹き出しにより前記ラベルをそれぞれ吸着および貼り付けるノズルを有し、
前記第1検出部は、前記ノズル上に設けられている、請求項1または請求項2記載のラベル貼り付け装置。
【請求項4】
前記搬送部は、前記ラベルが貼り付けられた前記対象物を搬送し、
前記第1検出部は、貼り付け処理後の前記ラベルおよび前記対象物の移動軌跡を検出する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のラベル貼り付け装置。
【請求項5】
前記搬送部による搬送経路の下流に、貼り付け処理後の前記ラベルおよび前記対象物を検出する第2検出部をさらに備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のラベル貼り付け装置。
【請求項6】
前記第1検出部および前記第2検出部の一方または両方は、カラーセンサを含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のラベル貼り付け装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−57248(P2011−57248A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207814(P2009−207814)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】