説明

ラミネートフィルム

【課題】 ラミネート成形直後の接着性に優れ、ポリウレタン系接着剤の硬化速度を高めるエージング処理時間を短縮できるとともに、スリップ性に優れたラミネートフィルムを提供する。
【解決手段】 少なくとも(A)層/(B)層/(C)層の3層から構成され、(A)層がオレフィン重合体98〜99.999重量%、亜鉛、リチウム、コバルト、鉄、錫から選ばれる少なくとも1種の金属を含む脂肪酸金属塩及び/又はアミン化合物0.001〜2重量%から構成される樹脂組成物、(B)層が数平均分子量が200〜5000であるポリオールとイソシアネート基を有する化合物からなるポリウレタン系接着剤、(C)層が少なくとも1層以上の基材から構成されるラミネートフィルムを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラミネートフィルムに関するものである。更に詳しくは、無溶剤型接着剤のような分子量の低いポリウレタン系接着剤においてポットライフを損なわずにラミネート成形直後の接着性に優れ、ラミネート成形後に行われる高温エージング処理時間の短縮が可能となり、かつヒートシール強度の高いラミネートフィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラミネートフィルムは、食品包装、医療品・薬品等の包装、シャンプー・化粧品等の包装など、包装材料の多機能化を可能とする方法として広く採用されている。近年、環境問題を背景としたVOC排出規制に伴い、このようなラミネートフィルムの製造方法として無溶剤型ドライラミネート法が注目されている。無溶剤型ポリウレタン系接着剤は、均一な塗工を行うため低粘度であることが必要であるが、分子量の低いポリオールを用いたポリウレタン系接着剤は、基材とシーラントフィルムの接着性が不十分であることからヒートシール強度が低く、水物などの重量物の包装や、ボイル処理やレトルト処理を施す包装材料に用いることが困難であった(例えば特許文献1〜3参照)。
【0003】
また、ポリオールの分子量が低いことからラミネート成形直後の接着強度が低く、トンネリングなどの接着不良が生じることがあった。また、塗布ロール上での粘度を安定させるため、硬化反応が遅く、溶剤型ポリウレタン系接着剤に比べエージング時間が長いことも課題となっていた。
【0004】
このような問題を解決するため、ポリオールの分子末端をカルボキシル基で変性する方法(例えば特許文献1参照)、ポリオールの水酸基濃度とイソシアネート化合物のイソシアネート基濃度を調整する方法(例えば特許文献2、3参照)などの接着剤を改良する方法が提案されている。しかしながら、このような接着剤では、接着強度の向上を図ることはできるものの、成形直後の接着性とポットライフの延長、さらに接着剤のコーティング適性を全て満足することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−60131号公報
【特許文献2】特開2003−3145号公報
【特許文献3】特開2006−213801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、ラミネート成形直後の接着性に優れ、接着剤のポットライフを損なわずにポリウレタン系接着剤の硬化速度を高めるエージング処理時間を短縮できるとともに、ヒートシール強度の高いラミネートフィルムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、オレフィン系重合体に特定の脂肪酸金属塩及び/又はアミン化合物から構成される樹脂組成物をラミネートフィルムに用いることにより、分子量の低いポリオールを用いたポリウレタン系接着剤を使用してもラミネート直後の接着性が優れるとともにヒートシール強度の高いラミネートフィルムを得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、少なくとも(A)層/(B)層/(C)層の3層から構成され、(A)層がオレフィン重合体98〜99.999重量%、亜鉛、リチウム、コバルト、鉄、錫から選ばれる少なくとも1種の金属を含む脂肪酸金属塩及び/又はアミン化合物0.001〜2重量%から構成される樹脂組成物、(B)層が数平均分子量200〜5000であるポリオールとイソシアネート基を有する化合物からなるポリウレタン系接着剤、(C)層が少なくとも1層以上の基材からなることを特徴とするラミネートフィルムに関するものである。
【0009】
以下に、本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明を構成するオレフィン系重合体は、エチレン、プロピレン、1−ブテンなど炭素数2〜12のα−オレフィンの単独重合体もしくはビニル化合物との共重合体である。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体などのエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体などのエチレン・ビニルエステル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレンとアクリル系モノマーの共重合体、ポリプロピレン(PP)、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体などのプロピレン系重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等の1−オレフィン重合体などが挙げられ、これらオレフィン系重合体は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。このようなオレフィン系重合体の中では、フィルム成形性やコストパフォーマンスに優れるため、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体が好ましく、フィルム強度の観点からエチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、プロピレン系重合体が特に好ましい。
【0011】
本発明を構成する脂肪酸金属塩は、亜鉛、リチウム、コバルト、鉄、錫から選ばれる少なくとも1種の金属を含むことを特徴とし、金属が亜鉛、リチウム、コバルトであると接着剤の硬化速度向上効果が高く好ましい。また、1分子内に1種または長さ、構造の異なる2種以上の脂肪酸を有していてもよい。
【0012】
このような脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸は、炭素数4〜30、好ましくは炭素数8〜22、さらに好ましくは炭素数8〜18、最も好ましくは8〜14である飽和及び/又は不飽和脂肪酸である。脂肪酸鎖長の制御は、脂肪酸金属塩の接着剤への移行速度を決定するため重要である。炭素数が4未満である場合、ポリウレタン系接着剤及び/又はイソシアネート系接着剤への移行量が減少し、接着剤の硬化速度向上効果が低く好ましくない。また炭素数が30を超える場合は金属原子の量が少なくなり、接着剤の硬化速度向上効果が低く好ましくない。このような脂肪酸金属塩としては、オクタン酸亜鉛、オクテン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、オクタン酸リチウム、ラウリン酸リチウム、ステアリン酸リチウム、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫マレート、ジブチル錫ラウレート、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫ラウレート、ラウリン酸鉄、ステアリン酸鉄、などを例示することができる。これらの脂肪酸金属塩は単独、または併用して使用することができる。また、これらの脂肪酸金属塩の中では脂肪酸亜鉛塩がエージング時間の短縮効果が高いため好ましく、さらに好ましくはオクタン酸亜鉛、オクテン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの脂肪酸の炭素数が8の脂肪酸亜鉛である。
【0013】
本発明を構成するアミン化合物としては、分子内にアミノ基を有する化合物であれば特に限定されるものではないが、下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルアミン、ヒンダードアミン系光安定剤、下記一般式(II)で表されるアルキルアミンが接着性に優れるため好ましく、下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルアミンが最も好ましい。また、これらのアミン化合物は単独、もしくは二種以上の併用で使用できる。
【0014】
【化1】

(式中、Rは炭素数8〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R、Rは−OCR′(R′は炭素数8〜30の炭化水素基を表す)又は−Hを表し、m、nは1〜10の整数である。)
【0015】
【化2】

(式中、Rは炭素数が8〜30である直鎖又は分岐鎖の脂肪酸残基、RおよびRは水素、又は炭素数が1〜8である直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基である。)
このようなポリオキシエチレンアルキルアミンを構成するR、R、Rの炭素数は、該ポリオキシエチレンアルキルアミンの接着剤への移行速度を決定するため重要であり、炭素数が8〜30であり、好ましくは8〜22である。R、R、Rの炭素数が8以上である場合、ポリウレタン系接着剤及び/又はイソシアネート系接着剤への移行量が増大し、接着剤の硬化速度向上効果が高く好ましい。また炭素数が30以下の場合はアミノ基の量が多くなり、接着剤の硬化速度向上効果が高く好ましい。このようなポリオキシエチレンアルキルアミンとしては、ドデシルジオキシエチルアミン、テトラデシルジオキシエチルアミン、オクタデシルジオキシエチルアミン、16−オキシヘプタデシルジオキシエチルアミン、オクタデシルオキシエトキシエチルアミン、17−オクタデセニルジオキシエチルアミン、1−メチルヘプタデシルジオキシエチルアミンなどを例示することができる。このようなポリオキシエチレンアルキルアミンは一種を単独で用いても構わないが、二種以上を混合して使用してもよい。
【0016】
このようなポリオキシエチレンアルキルアミンは市販品から入手することができ、例えば日油株式会社からナイミーンL−201、ナイミーンL−202、ナイミーンL−207、ナイミーンS−202、ナイミーンS−204、ナイミーンS−210、ナイミーンO−205、ナイミーンT2−202などの名称で販売されている。
【0017】
ヒンダードアミン系光安定剤は、分子中にピペリジン環を有し、該ピペリジン環の2位及び6位の炭素上の水素がメチル基で置換された構造を有する化合物である。このようなヒンダードアミン光安定剤としては、特に限定するもではなく、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルベンゾエート、ビス−(1,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、(ミックスト2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3−9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル}−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト{1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3−9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル}−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2−4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2−ジブロモエタンとの縮合物、[N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]プロピオンアミド、ポリ{[6−〔(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]}、ポリ{2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−20(2,3−エポキシプロピル)ジスピロ−[5.1.11.2]−ヘネイコサン−21−オン}、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−ジスピロ−[5.1.11.2]−ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−ジスピロ−[5.1.11.2]−ヘネイコサン−20−プロパノイックアシドデシルエステル/テトラデシルエステル等が挙げられる。このようなヒンダードアミン光安定剤は市販品から入手することができ、例えばチバジャパン株式会社からチヌビン、クラリアントジャパン株式会社からホスタビン、アデカ株式会社からアデカスタブなどの商品名で販売されている。該ヒンダードアミン系光安定剤は、1種類を単独で用いるだけでなく、構造の異なる2種類以上を併用して用いてもよい。
【0018】
前記一般式(II)で表されるアルキルアミンを構成するRの炭素数は、該アルキルアミンの接着剤への移行速度を決定するため重要であり、好ましくは炭素数が8〜30であり、更に好ましくは8〜22である。Rの炭素数がこの範囲にあると、ポリウレタン系接着剤及び/又はイソシアネート系接着剤への移行性に優れ、接着剤の硬化速度向上効果が高く好ましい。また、R,Rの炭素数がこの範囲にあると接着剤の硬化速度向上効果が高く好ましい。このようなアルキルアミンは一種を単独で用いても構わないが、二種以上を混合して使用してもよい。
【0019】
このようなアルキルアミンとしては、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベヘニルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミンなどが例示され、これらは日油株式会社かららニッサンアミンBB、ニッサンアミンAB、ニッサンアミンOB、3級ニッサンアミンBB、3級ニッサンアミンABなどの名称で販売されている。
【0020】
また、これらのアミン化合物と亜鉛、リチウム、コバルト、鉄、錫から選ばれる少なくとも1種の金属を含む脂肪酸金属塩を併用して使用することもできる。
【0021】
本発明の(A)層を構成する樹脂組成物における配合割合は、オレフィン系重合体98〜99.999重量%、亜鉛、リチウム、コバルト、鉄、錫から選ばれる少なくとも1種の金属を含む脂肪酸金属塩及び/又はアミン化合物0.001〜2重量%、好ましくはオレフィン系重合体99〜99.995重量%、亜鉛、リチウム、コバルト、鉄、錫から選ばれる少なくとも1種の金属を含む脂肪酸金属塩及び/又はアミン化合物0.005〜1重量%、さらに好ましくはオレフィン系重合体99.5〜99.995重量%、亜鉛、リチウム、コバルト、鉄、錫から選ばれる少なくとも1種の金属を含む脂肪酸金属塩及び/又はアミン化合物0.005〜0.5重量%、もっとも好ましくはオレフィン系重合体99.7〜99.99重量%、亜鉛、リチウム、コバルト、鉄、錫から選ばれる少なくとも1種の金属を含む脂肪酸金属塩及び/又はアミン化合物0.01〜0.3重量%である。亜鉛、リチウム、コバルト、鉄、錫から選ばれる少なくとも1種の金属を含む脂肪酸金属塩及び/又はアミン化合物が0.001重量%未満の場合、接着剤の硬化速度向上効果が低いため好ましくなく、亜鉛、リチウム、コバルト、鉄、錫から選ばれる少なくとも1種の金属を含む脂肪酸金属塩及び/又はアミン化合物が2重量%を超える場合は、ラミネートフィルムからの滲出が過剰となり、包装材料とした場合に内容物の質を損なう恐れがあるため好ましくない。
【0022】
また、本発明を構成する樹脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、無機充填剤、界面活性剤、帯電防止剤、スリップ剤等、通常オレフィン系樹脂に使用される添加剤を、接着性を損なわない範囲で添加したものであっても構わない。
【0023】
本発明を構成する樹脂組成物は、通常用いられる樹脂の混合装置により製造することができる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、回転ロールなどの溶融混練装置、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーなどが挙げられる。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はオレフィン系重合体の融点〜350℃程度が好ましい。
【0024】
本発明を構成する(A)層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、柔軟性に優れ、破損などの問題が小さいことから、1μm〜5mmの厚みであることが好ましく、経済性の観点から、1〜100μmの範囲が最も好適である。
【0025】
本発明の(A)層は、インフレーション成形機やTダイキャスト成形機などの公知のフィルム成形装置により製造することができる。また、押出ラミネート成形機により溶融フィルムを製造することも可能である。
【0026】
本発明の(A)層の(B)層と接触する側の表面は、(B)層に用いる接着剤の硬化速度を高め良好な接着性能を得るために酸化されていることが好ましい。
【0027】
(A)層表面を酸化する際の酸化処理方法としては、クロム酸処理、硫酸処理、空気酸化、オゾン処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等が挙げられ、ポリオレフィンフィルム表面に酸化物を効果的に形成させるためコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、オゾン処理が特に好ましい。
【0028】
コロナ放電処理は、プラスチックフィルムやシート表面の連続処理技術として広く使用されているものであり、コロナ放電処理機により発生したコロナ雰囲気にフィルムを通過させることにより行われる。コロナ放電密度として、1〜100W・分/mであることが接着剤の硬化速度を高め良好な接着性能が得られるため好ましい。
【0029】
フレーム処理は、天然ガスやプロパン等を燃焼させたときに生じる火炎にフィルム表面を接することで処理が行われる。
【0030】
プラズマ処理は、アルゴン、ヘリウム、ネオン、水素、酸素、空気等の単体又は混合気体をプラズマジェットで電子的に励起せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励起不活性ガスをフィルム表面に吹き付けることにより行われる。
【0031】
また、押出ラミネート成形に供する際には、良好な接着性を得るため、ダイより押出された(A)層の(B)層と接する面を空気酸化、もしくはオゾン処理による酸化が可能である。空気による酸化反応を進行させる場合、ダイより押出された本発明の押出ラミネート用樹脂組成物の温度は290℃以上であることが好ましく、オゾンガスによる酸化反応を進行させる場合は、ダイより押出された本発明の押出ラミネート用樹脂組成物の温度は200℃以上であることが好ましい。またオゾンガスの処理量としては、ダイより押出された本発明の押出ラミネート用樹脂組成物よりなるフィルム1m当たり0.5mg以上であることが好ましい。
【0032】
本発明の(B)層を構成するポリウレタン系接着剤は、数平均分子量が200〜5000、好ましくは400〜4000、さらに好ましくは500〜3000であるポリオールとイソシアネート基を有する化合物から構成される。
【0033】
ポリオールの数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて、以下に示す条件下で測定し、単分散ポリスチレンでユニバーサルな検量線を測定し、ポリスチレンの分子量として計算することによって求められる。数平均分子量が200未満の場合、得られたラミネートフィルムの接着性に劣るため好ましくなく、5000を超える場合は接着剤の粘度が上昇し、コーティング性が悪化するため好ましくない。
機種:HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1mL/分
カラム温度:40℃
測定濃度:1mg/1mL
注入量:100μL
このようなポリオールは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオールなどから適宜選択することができる。
【0034】
ポリエステルポリオールの例としては、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等の多価カルボン酸もしくはそれらのエステルまたはそれらの混合物と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6ーヘキサンジオールなどのグリコール類もしくはそれらの混合物とを反応させて得られるものが挙げられる。
【0035】
ポリエーテルポリオールの例としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどのオキシラン化合物を、例えば水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの低分子量ポリオールを開始剤として重合して得られるものが挙げられる。
【0036】
ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等の多価カルボン酸もしくはそれらのエステルまたはそれらの混合物と、上記ポリエーテルポリオールを反応させて得られるものが例示される。
【0037】
ポリウレタンポリオールとしては、例えば上記ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオールなどと後述のイソシアネート化合物とを反応して得られるものが挙げられる。
【0038】
このようなポリオールは1種または複数種を用いても構わない。また、数平均分子量の異なるポリオールを混合して用いることもでき、複数種のポリオールを混合した後の数平均分子量が200〜5000の範囲にあればよい。
【0039】
イソシアネート化合物としては、4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジイソシアネートジフェニルメタン、1,5−ジイソシアネートナフタリン、4,4’−ジイソシアネートジシクロヘキシルメタン、1,4−ジイソシアネートベンゼン、及び/又は2,4−もしくは2,6−ジイソシアネートトルエンなどの芳香族ジイソシアネート、1,6−ジイソシアネートヘキサン、1,10−ジイソシアネートデカン、1,3−ジイソシアネートシクロペンタン、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−3もしくは−5−イソシアネートメタンシクロヘキサンなどの脂肪族および脂環式ジイソシアネート、上記ジイソシアネート単量体から誘導されたイソシアヌレート、ビューレット、アロファネート等の2官能、または3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物、あるいはポリプロピレングリコール等の2官能ポリオール化合物との反応で得られる末端イソシアネート基含有の2官能ポリイシシアネート化合物、トリメチロールプロパン、グリセリン等の3官能以上のポリオール化合物との反応により得られる末端イソシアネート基含有の多官能ポリイソシアネート化合物等が例示される。
【0040】
このようなポリウレタン系接着剤として、大日精化工業(株)製、商品名ノンソルボンドXC235、ノンソルボンドXA129、ノンソルボンドXC231、ノンソルボンドXA126等の市販品を用いることができる。
【0041】
ポリオールとイソシアネート化合物の配合割合は特に限定されるものではないが、ポリロールの水酸基量(−OH)とイソシアネート化合物のイソシアネート基量(NCO)の比(−OH/NCO)が0.1〜2の範囲にあると接着性に優れるため好ましい。
【0042】
これらのポリウレタン系接着剤には、接着性やポットライフに悪影響を与えない範囲で反応触媒やシランカップリング剤、チタネート系カップチング剤、アルミニウム系カップリング剤、エポキシ樹脂などの接着促進剤、その他の添加剤を配合することができる。
【0043】
これらの接着剤の厚みは、特に限定されるものではないが、0.01〜10μmであると接着剤の硬化速度向上効果が高いため好ましく、更に好ましくは0.1〜6μmである。
【0044】
接着剤は、公知の押出ラミネーター、溶剤型ドライラミネーター、無溶剤型ドライラミネーターに付帯されているコーターにて基材および/またはポリオレフィンフィルムに塗布されるが、VOC排出量が少ないため無溶剤型ドライラミネーターが最も好ましい。
【0045】
このようなポリウレタン系接着剤は溶剤に希釈して使用することもできる。接着剤の希釈に用いられる溶剤については、特に限定されるものではないが、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、水等を例示することができる。
【0046】
本発明の(C)層を構成する基材としては、合成高分子フィルム又はシート、織布、不織布、紙、金属箔等が挙げられる。合成高分子フィルム又はシートとして、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成高分子からなるフィルム又はシート等が挙げられる。更に、これら高分子フィルム又はシートは、その表面がアルミニウムやアルミナ、シリカなどにより蒸着されたものでもよく、また、表面がウレタン系インキ等を用い印刷されたものであってもよい。織布、不織布としては、ポリエステルやポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂製のもの、あるいはスフなどの天然材料を原料したものが挙げられる。紙としては、クラフト紙、クルパック紙、上質紙、グラシン紙、板紙等が挙げられる。これらの基材は単独での使用の他にこれらを積層したものを使用することも可能である。
【0047】
本発明のラミネートフィルムは(A)層/(B)層/(C)層の3層から構成されるものであるが、(A)層表面あるいは(C)層表面に他の層を含んでいてもよい。
【0048】
本発明のラミネートフィルムは、公知の押出ラミネート成形機、溶剤型ドライラミネート成形機、無溶剤型ドライラミネート成形機などを用いて、(A)層と基材を(B)層を介して貼り合わせることにより製造することができる。以下に、ラミネートフィルムの製造方法を例示するが、これらの方法に限定されない。
【0049】
本発明のラミネートフィルムは、公知の押出ラミネート成形や溶剤型ドライラミネート成形、無溶剤型ドライラミネート成形後に施される30℃以上での熱処理(エージング処理)を施してもよいが、生産性の観点から該熱処理を不要とすることも可能である。
【0050】
このようなラミネートフィルムは、スナック菓子、インスタントラーメン等の乾燥食品、スープ、味噌、漬物、飲料等の水物飲食品、薬、輸液バッグ等の医薬品、シャンプー、化粧品など広範囲にわたる包装材料として用いることができる。
【発明の効果】
【0051】
本発明のラミネートフィルムは、エージング処理を施さなくても接着性に優れ、かつ良好なスリップ性を長期に維持することができるため、生産性に優れた食品などの包装フィルムとして非常に有用である。
【実施例】
【0052】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0053】
(1)メルトマスフローレート(MFR)
エチレン系重合体の場合は、JIS K6922−1(1997年)に準拠し、プロピレン系重合体の場合はJIS K7210に準拠して測定した。
【0054】
(2)密度
JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
【0055】
(3)シール強度発現時間
実施例により得られたラミネートフィルムのポリオレフィンフィルム表面同士を温度150℃、圧力0.1MPa、時間1秒の条件でヒートシールした。ヒートシールしたフィルムを幅15mm、長さ100mmの形状に切り取り、ヒートシール部の剥離強度をオートグラフDCS−100((株)島津製作所製)にて測定した。測定は、ラミネート成形後1〜16時間の間は1時間間隔で、その後、24時間後からは12時間間隔で72時間後まで行った。試料は、ラミネート成形後40℃雰囲気に放置したものを用いた。剥離速度は300mm/分である。40℃の雰囲気で72時間放置した試料のシール強度の80%の強度が発現する時間をシール強度発現時間とした。
【0056】
(4)シール強度
実施例により得られたラミネートフィルムのポリオレフィンフィルム表面同士を温度150℃、圧力0.1MPa、時間1秒の条件でヒートシールした。ヒートシールしたフィルムを幅15mm、長さ100mmの形状に切り取り、ヒートシール部の剥離強度をオートグラフDCS−100((株)島津製作所製)にて測定した。測定は、ラミネート成形48時間後に行った。試料は、ラミネート成形後40℃雰囲気に放置したものを用いた。剥離速度は300mm/分である。40℃の雰囲気で72時間放置した試料のシール強度の80%の強度が発現する時間をシール強度発現時間とした。
【0057】
実施例1
オレフィン系重合体として、MFRが4g/10分、密度が923kg/mであるエチレン・1−ヘキセン共重合体(東ソー(株)製 商品名ニポロンZ04P62A、以下PE−Aと記す場合がある)99.9重量%、2エチル−ヘキサン酸亜鉛(日本化学産業(株)製 商品名ニッカオクチックス亜鉛18%、以下、CAT−1と記す場合がある)を0.1重量%になるよう配合し、ニ軸押出機((株)東洋精機製作所製 ラボプラストミル)にて溶融混練し(A)層に用いる樹脂組成物のペレットを得た。
【0058】
フィルム成形は、3種3層共押出キャストフィルム成形機(プラスチック工学研究所製)を用いた。一方の表面層(A層)を構成する押出機に上記樹脂組成物ペレットを、他の2層(B1層、B2層)を構成する押出機にはPE−Aを供給し、220℃の温度でTダイより押出し、(A)層/(B1)層/(B2)層からなる多層フィルムを得た後、(A)層表面に30W・分/mの条件でコロナ処理を施した。各層の厚みは20μmであった。
【0059】
ラミネート成形は、ニ軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製 商品名エステルフィルムE−5100、厚み25μm、以下、PETと記す場合がある)のコロナ処理面に70℃の温度で以下に示す比率で配合したポリウレタン系接着剤をバーコーターで塗布し、上記フィルムのコロナ処理面とを貼り合わせラミネートフィルムを得た。
【0060】
ポリウレタン系接着剤の配合:ノンソルボンドXC235(3部)+ノンソルボンドXA−129(1部)
ノンソルボンドXC235(ポリオール):数平均分子量1100(大日精化工業(株)製)
ノンソルボンドXA−129(イソシアネート化合物):数平均分子量1400(大日精化工業(株)製)
接着剤厚み:1.5μm
得られたラミネートフィルムの物性を表1に示した。
【0061】
【表1】

実施例2
樹脂組成物として、PE−Aを99.9重量%、CAT−1を0.1重量%の代わりに、PE−Aを99.95重量%、CAT−1を0.05重量%とした以外は、実施例1と同様にしてラミネートフィルムを得た。評価結果を表1に示した。
【0062】
実施例3
樹脂組成物として、PE−Aを99.9重量%、CAT−1を0.1重量%の代わりに、PE−Aを99.7重量%、CAT−1を0.3重量%とした以外は、実施例1と同様にしてラミネートフィルムを得た。評価結果を表1に示した。
【0063】
実施例4
樹脂組成物として、PE−Aを99.9重量%、CAT−1を0.1重量%の代わりに、PE−Aを99.9重量%、ジラウリル酸亜鉛(日油(株)製 商品名ジンクラウレート、以下、CAT−2と記す場合がある)を0.1重量%とした以外は、実施例1と同様にしてラミネートフィルムを得た。評価結果を表1に示した。
【0064】
実施例5
樹脂組成物として、PE−Aを99.9重量%、CAT−1を0.1重量%の代わりに、PE−Aを99.9重量%、ポリオキシエチレンアルキルアミンとしてポリオキシエチレンドデシルアミン(日油(株)製 商品名ナイミーンL−202、以下、CAT−3と記す場合がある)を0.1重量%とした以外は、実施例1と同様にしてラミネートフィルムを得た。評価結果を表1に示した。
【0065】
実施例6
樹脂組成物として、PE−Aを99.9重量%、CAT−1を0.1重量%の代わりに、PE−Aを99.9重量%、ジメチルステアリン酸アミン(日油(株)製 商品名3級ニッサンアミンAB、以下、CAT−4と記す場合がある)を0.1重量%とした以外は、実施例1と同様にしてラミネートフィルムを得た。評価結果を表1に示した。
【0066】
比較例1
樹脂組成物として、PE−Aを99.9重量%、CAT−1を0.1重量%の代わりに、PE−Aを100重量%としCAT−1を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてラミネートフィルムを得た。評価結果を表1に示した。シール強度発現時間長いとともに、シール強度が低く劣っていた。
【0067】
比較例2
樹脂組成物として、PE−Aを99.9重量%、CAT−1を0.1重量%の代わりに、PE−Aを97.8重量%、CAT−1を2.2重量%とした以外は、実施例1と同様にしてラミネートフィルムを得た。評価結果を表1に示した。CAT−1の過剰ブリードによりシール強度発現時間長くなり、かつシール強度が低く劣っていた。
【0068】
実施例7
樹脂組成物として、PE−Aを99.9重量%、CAT−1を0.1重量%の代わりに、MFRが6.5g/10分、密度が900kg/m3であるプロピレン系重合体(日本ポリプロ(株)製、商品名FW4BT、以下、PPと記す場合がある。を99.9重量%、CAT−1を0.1重量%とし、(B1)層および(B2)層にもPPを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてラミネートフィルムを得た。評価結果を表2に示した。
【0069】
【表2】

比較例3
樹脂組成物として、PPを99.9重量%、CAT−1を0.1重量%の代わりに、PPを100重量%としCAT−1を用いなかったこと以外は、実施例7と同様にしてラミネートフィルムを得た。評価結果を表2に示した。シール強度発現時間長いとともに、シール強度が低く劣っていた。
【0070】
比較例4
ポリオールとしてノンソルボンドXC235の代わりに溶剤を乾燥により除去したセイカダインA154(大日精化工業製、数平均分子量が9100)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてラミネートフィルムの作製を試みた。しかし、接着剤の粘度が高すぎて厚みが均一なコーティングができなかった。
【0071】
比較例5
ポリオールとしてノンソルボンドXC235の代わりに溶剤を乾燥により除去したセイカダインE263(大日精化工業製、数平均分子量が8100)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてラミネートフィルムの作製を試みた。しかし、接着剤の粘度が高すぎて厚みが均一なコーティングができなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも(A)層/(B)層/(C)層の3層から構成され、(A)層がオレフィン重合体98〜99.999重量%、亜鉛、リチウム、コバルト、鉄、錫から選ばれる少なくとも1種の金属を含む脂肪酸金属塩及び/又はアミン化合物0.001〜2重量%から構成される樹脂組成物、(B)層が数平均分子量200〜5000であるポリオールとイソシアネート基を有する化合物からなるポリウレタン系接着剤、(C)層が少なくとも1層以上の基材からなることを特徴とするラミネートフィルム。
【請求項2】
前記脂肪酸金属塩が、亜鉛、リチウム、コバルトから選ばれる少なくとも1種の金属を含む脂肪酸金属塩であることを特徴とする請求項1に記載のラミネートフィルム。
【請求項3】
前記脂肪酸金属塩が、炭素数が8〜22である脂肪酸から誘導された脂肪酸亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載のラミネートフィルム。
【請求項4】
前記脂肪酸金属塩が、脂肪酸の炭素数が8である脂肪酸亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載のラミネートフィルム。
【請求項5】
前記アミン化合物が、下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルアミンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラミネートフィルム。
【化1】

(式中、Rは炭素数8〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R、Rは−OCR′(R′は炭素数8〜30の炭化水素基を表す)又は−Hを表し、m、nは1〜10の整数である。)
【請求項6】
前記アミン化合物が、下記一般式(II)で表されるアルキルアミンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラミネートフィルム。
【化2】

(式中、Rは炭素数が8〜30である直鎖又は分岐鎖の脂肪酸残基、RおよびRは水素、又は炭素数が1〜8である直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基である。)
【請求項7】
前記ポリウレタン系接着剤が無溶剤型接着剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のラミネートフィルム。

【公開番号】特開2011−16232(P2011−16232A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160376(P2009−160376)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】