説明

ラメラ液晶型化粧料用組成物

【課題】メイク汚れに対し容易になじみ、皮膚がぬれた状態でもまた濡れていない状態でも優れたクレンジング力を発揮し、水洗後に油性感が残らず使用感の良いクレンジング用ラメラ液晶型化粧料用組成物を提供する。
【解決手段】式(I)
【化1】


(式中、Rは直鎖状又は分岐状であって、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基を示す。nは2〜10の整数を示す。GLはグリセリンユニットを表す。)
で表され、且つHLB値が6〜12のポリグリセリンモノエーテルによりラメラ液晶相が形成されることを特徴とする化粧料用組成物を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の構造を有するポリグリセリンモノエーテルを1種以上含有することを特徴とする、メイクアップ用化粧料の除去に優れたラメラ液晶型化粧料用組成物、及び該化粧料用組成物を含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品分野において、皮膚の汚れやメイクアップ用化粧料を除去するため、クレンジング用化粧料が市販されている。これらの化粧料としては、多量の油剤を配合したクリーム状、乳液状、オイル状、油性ジェル状等のタイプから、油剤を全く配合しないか若しくは微量の油剤を配合したローション状、水性ジェル状等のタイプまで様々な形態のものがある。
【0003】
しかしながら、多量の油剤を配合したタイプのクレンジング用化粧料は、油性成分が皮膚に残るため、化粧料を皮膚から除去した後再度洗顔料等で洗浄する必要がある。また、皮膚が濡れている状態で使用した場合には、クレンジング力が弱くさらに使用感も好ましくないため、発汗時や入浴時での使用には不向きである。
【0004】
また、油剤を全く配合しないか若しくは微量の油剤を配合したタイプのクレンジング用化粧料は、クレンジング後の油性感は少ないが、クレンジング力が弱いという問題点があった。
【0005】
この問題を解決するため、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルを配合した水系ジェル状洗浄剤が報告されている(特許文献1、特許文献2参照)。しかし、このような水系ジェル状洗浄剤は、十分な洗浄性が得られず、さらにポリオキシエチレン系の界面活性剤を配合する必要があるため安全性の面において問題があった。また、分子内に脂肪酸を有するため、保存安定性にも問題があった。
【0006】
一方、前記のような安全性を解決するため種々の方法が実施されており、ポリグリセリン脂肪酸エステルやポリグリセリンモノアルキルエーテルを配合したクレンジング用化粧料も検討されている(特許文献3、特許文献4参照)。しかし、ポリグリセリン脂肪酸エステルを配合したクレンジング用化粧料には、水配合系における加水分解による経時安定性の問題があった。また、ポリグリセリンモノアルキルエーテルを配合したクレンジング用化粧料においては、ラメラ液晶相を形成するものではなく、さらにクレンジング用化粧料の耐水性に問題があった。
【0007】
【特許文献1】特開平4−5213号公報
【特許文献2】特開平8−143420号公報
【特許文献3】特開2007−23025号公報
【特許文献4】特開2006−347900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、皮膚が濡れた状態でも、また、濡れていない状態でもメイクアップ汚れに対してなじみやすいクレンジング用化粧料等に有用な化粧料用組成物、及び該化粧料用組成物を含有する化粧料を提供することにある。
【0009】
さらに、本発明のほかの目的は、水洗後に油性感が残らず、安定性、水洗性及び経時安定性に優れたクレンジング用化粧料等に有用な化粧料用組成物、及び該化粧料用組成物を含有する化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、特定のポリグリセリンモノエーテルを使用することにより、ラメラ液晶相が形成された化粧料用組成物が得られることを見出した。そして、前記化粧料用組成物を利用したクレンジング用化粧料は、皮膚が濡れている状態でも濡れていない状態でもメイクアップ汚れに対してなじみやすく、汚れ浮きが速く、且つ安定性、水洗性に優れることを見出した。
【0011】
即ち、本発明は、下記式(I)
【化1】

(式中、Rは直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、又はヒドロキシアルキル基を示す。nは2〜10の整数を示す。GLはグリセリンユニットを表す。)
で表され、且つHLB値が6〜12のポリグリセリンモノエーテルによりラメラ液晶相が形成されているラメラ液晶型化粧料用組成物を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、分子内に2以上の水酸基を持つ有機化合物を含有する前記ラメラ液晶型化粧料用組成物を提供する。
【0013】
本発明は、また、化粧料がクレンジング用化粧料である前記ラメラ液晶型化粧料用組成物を提供する。
【0014】
本発明は、また、前記のラメラ液晶型化粧料用組成物を含有することを特徴とする化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のラメラ液晶型化粧料用組成物によれば、メイクアップ汚れに対し容易になじみ、皮膚が濡れた状態でも、また、濡れていない状態でも優れたクレンジング力を発揮する。さらに、水洗後に油性感が残らず、さっぱりとした優れた使用感を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のポリグリセリンモノエーテルとしては、式(I)におけるRが、直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、又はヒドロキシアルキル基であって、nは2〜10の整数を示し、且つHLB値が6〜12であるものが用いられる。
【0017】
Rとしては、上記の中でも、炭素数8〜18の直鎖又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、又はヒドロキシアルキル基が好ましく用いられる。さらに好ましくは、炭素数12〜18の直鎖又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、又はヒドロキシアルキル基である。
【0018】
アルキル基の好ましい例としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イソヘキサデシル基、イソテトラデシル基、イソオクタデシル基等が挙げられる。
【0019】
アルケニル基の好ましい例としては、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等が挙げられる。
【0020】
ヒドロキシアルキル基の好ましい例としては、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基等が挙げられる。
【0021】
また、式(I)におけるnは、2〜10の整数である。さらに好ましくは、2〜5の整数である。
【0022】
また、一般式(I)におけるGLはグリセリンユニットを表す。グリセリンユニットは、下記式(II)又は下記式(III)で示される構造を有する。
【化2】

【化3】

【0023】
本発明におけるポリグリセリンモノエーテルとしては、HLB値(Hydorophile Lipophile Balance)が6〜12であるものを用いる。なお、HLB値とは、界面活性剤の親水性及び親油性のバランスを表す値である。本発明においては,有機概念図法による下記式により算出した値を用いた。
HLB値=無機性値/有機性値×10
なお、HLB値は、Rの種類及び整数nの組み合わせにより、調整できる。
【0024】
ポリグリセリンモノエーテルの製造方法としては、塩基性触媒の存在下、脂肪族アルコールに該アルコール/グリシドールの存在モル比が特定となるようにグリシドールを添加して反応させる方法、ポリグリセリンにα−オレフィンエポキシドを反応させる方法、酸触媒又はアルカリ触媒の存在下でアルキルグリシジルエーテルをポリグリセリンを用いて開環させる方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0025】
前記方法により得られるポリグリセリンモノエーテルの好ましい例としては、ジグリセリンモノドデシルエーテル、トリグリセリンモノドデシルエーテル、トリグリセリンモノテトラデシルエーテル、テトラグリセリンモノテトラデシルエーテル、トリグリセリンモノヘキサデシルエーテル、テトラグリセリンモノテトラデシルエーテル、テトラグリセリンモノオクタデシルエーテル、テトラグリセリンモノイソステアリルエーテル、テトラグリセリンモノオレイルエーテル等が挙げられる。より好ましくは、ジグリセリンモノドデシルエーテル、テトラグリセリンモノテトラデシルエーテル、テトラグリセリンモノイソステアリルエーテル、テトラグリセリンモノオレイルエーテル等が挙げられる。
【0026】
ポリグリセリンモノエーテルの配合量としては、特に限定されないが、好ましくはラメラ液晶型化粧料用組成物全体に対して、0.01〜80重量%、より好ましくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは5〜45重量%、特に好ましくは、15〜40重量%である。ポリグリセリンモノエーテルは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0027】
本発明のラメラ液晶型化粧料用組成物は、皮膚の角質細胞間脂質の構造に非常に近いラメラ液晶相を含有しているため、皮膚になじみやすく、さらに水分保持効果に優れる。
【0028】
前記ラメラ液晶型化粧料用組成物は、分子内に2以上の水酸基を持つ有機化合物を含有するのが好ましい。
【0029】
前記分子内に2以上の水酸基を持つ有機化合物としては、多価アルコールが好ましい。これらの多価アルコールはラメラ液晶の相内における液晶保持の効果があるため、多価アルコールを添加することにより、油分及び水分の可溶化量を飛躍的に増大することができる。
【0030】
多価アルコールとしては、炭素数が3〜15であり、且つ分子内の水酸基の個数が2〜12であるものが好ましく用いられる。
【0031】
前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、マルチトール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、ソルビトール、ソルビタン、トレハロース、ポリピレングリコール等が挙げられる。これらの中でも、グリセリン、マルチトール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトールが好ましく用いられる。多価アルコールは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0032】
多価アルコールの含有量としては、ラメラ液晶型化粧料用組成物全体に対して、7〜70重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは12〜40重量%である。多価アルコールの含有量が上記範囲であると、安定性、水洗性が特に向上する。
【0033】
本発明のラメラ液晶型化粧料用組成物において、ポリグリセリンモノエーテルと多価アルコールの比率(重量比)としては、前者/後者=90/10〜10/90、特に80/20〜40/60であることが好ましい。
【0034】
本発明のラメラ液晶型化粧料用組成物においては、流動パラフィンを用いることが好ましい。流動パラフィンは、エモリエント効果及び保湿効果があり、肌への伸びに優れよくなじむため、保護剤、溶剤等の用途を目的として配合される。流動パラフィンの配合量は適宜選択できるが、例えばラメラ液晶型化粧料用組成物全体に対して3〜30重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは7〜20重量%、特に好ましくは7〜15重量%の範囲である。
【0035】
液体溶媒としては、水が好適に用いられる。水の配合量は適宜選択できるが、例えばラメラ液晶型化粧料用組成物に対して10〜95重量%、好ましくは25〜70重量%、特に好ましくは30〜60重量%の範囲である。
【0036】
本発明のラメラ液晶型化粧料用組成物は、ローション状、溶液状、乳液状、クリーム状、ジェル状等のいずれのタイプであっても良い。使用性の点からはクリーム状、ジェル状が好ましい。
【0037】
本発明のラメラ液晶型化粧料用組成物には上記成分のほか、通常の化粧料に配合される成分、例えば、本発明のポリグリセリンモノエーテル以外の非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、アルコール類、低級アルコール類、粉体、酸化防止剤、酸化防止助剤、紫外線吸収剤、保湿剤、消炎剤、防腐剤、pH調整剤、動物、植物、魚介類、微生物由来の抽出物、香料等を必要に応じて適宜用いても良い。
【0038】
本発明のポリグリセリンモノエーテル以外の非イオン性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、親水基としてイオン化する基を有しない界面活性剤であることが好ましい。このような界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、糖脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールと1価又は多価アルコールとのエステル、ポリオキシアルキレン糖エーテル、脂肪酸アミドとポリオキシアルキレングリコールとの縮合物、脂肪族アミンとポリオキシアルキレングリコールとの縮合物、アルキル又はアルケニルポリグルコシド等が挙げられる。
【0039】
アニオン界面活性剤としては特に限定されるものではないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、α−オレフィンスルホン酸塩類、グルタミン酸をはじめとするアミノ酸系界面活性剤、N−アシルメチルタルリン酸塩、アルキルリン酸塩等が挙げられる。
【0040】
両性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、カルボキシベタイン型、イミダゾリニウム型、スルホベタイン型、アラニン型両性界面活性剤等の各種界面活性剤が挙げられる。
【0041】
低級アルコールとしては特に限定されるものではないが、エタノール、プロピルアルコール等が挙げられる。
【0042】
粉末成分としては特に限定されるものではないが、無機粉末または有機粉末が挙げられる。無機粉末としては、例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーキュムライト、炭酸マグネシウム、珪酸ジルコニウム、珪酸アルミニウム、珪酸バリウム、珪酸カルシウム、珪酸亜鉛、珪酸マグネシウム、珪酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、燐酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、活性炭、薬用炭、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等)、窒化ホウ素等が挙げられる。有機粉末としては、例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、セルロース粉末等が挙げられる。
【0043】
酸化防止剤としては特に限定されるものではないが、ビタミンE、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。酸化防止助剤としては特に限定されるものではないが、アスコルビン酸、フィチン酸、ケファリン、マレイン酸等が挙げられる。
【0044】
紫外線吸収剤としては特に限定されるものではないが、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸エチル、パラメトキシ桂皮酸イソプロピル、パラメトキシ桂皮酸オクチル、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸誘導体、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−(ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチル等が挙げられる。
【0045】
保湿剤としては特に限定されるものではないが、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸誘導体等が挙げられる。
【0046】
消炎剤としては特に限定されるものではないが、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸誘導体、アラントイン、酢酸ヒドロコーチゾン、アズレン等が挙げられる。
【0047】
防腐剤としては特に限定されるものではないが、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0048】
pH調整剤としては特に限定されるのもではないが、クエン酸、塩酸、硫酸、リン酸、水酸化ナトリウム、アンモニア等が挙げられる。
【0049】
動物、植物、魚介類、微生物由来の抽出物としては特に限定されるものではないが、例えば、茶エキス、アロエエキス、イチョウエキス、センブリエキス、ヨモギエキス、ニンニクエキス、オウゴンエキス、ローズマリーエキス、ヘチマエキス、胎盤抽出物、乳酸菌培養抽出物、海藻エキスの抽出物等が挙げられる。
【0050】
香料としては、通常化粧料に使用するものであれば、特に限定されない。
【0051】
本発明の化粧料用組成物は、クレンジング用化粧料又はマッサージ用化粧料等の各種化粧料に用いられるが、皮膚の汚れやメークアップ用化粧料を除去するためのクレンジング用化粧料において、特に好適に用いられる。
【0052】
本発明における化粧料は、前記各成分に加熱溶解、混合、及び冷却操作等を施すことなどにより調製できるが、公知乃至慣用の調製方法であれば特に限定されない。
【実施例】
【0053】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0054】
下記の表1に示す実施例1〜3、及び下記の表2に示す比較例1〜3の配合組成により混合し、クレンジング用化粧料用組成物を調製した。得られたクレンジング用化粧料用組成物を、下記評価基準に基づき評価をした。その結果を表3に示す。
【0055】
(評価)
[洗浄力(濡れていない状態)]
口紅を前腕に塗布し、調製した化粧料用組成物を約0.5g手に取り口紅塗布部分を30回マッサージした。その後口紅の落ち具合を目視により評価した。
【0056】
[洗浄力(濡れていない状態)の評価基準]
◎:完全に落ちていた。
○:ほぼ落ちていた。
△:少し残っていた。
×:ほとんど落ちていなかった。
【0057】
[液晶状態の確認(濡れていない状態)]
調製した化粧料用組成物を偏光顕微鏡により観察し、ラメラ液晶の形成を確認した。
【0058】
[洗浄力(濡れた状態)]
口紅を前腕に塗布後、腕を水で濡らし、調製した化粧料用組成物を約0.5g手に取り口紅塗布部分を30回マッサージした。その後口紅の落ち具合を目視により評価した。
【0059】
[洗浄力(濡れた状態)の評価基準]
◎:完全に落ちていた。
○:ほぼ落ちていた。
△:少し残っていた。
×:ほとんど落ちていなかった。
【0060】
[液晶状態の確認(濡れた状態)]
調製した化粧料用組成物0.5gに水0.3gを加えよく混合した後、偏光顕微鏡により観察し、ラメラ液晶の形成を確認した。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
【表3】

【0064】
実施例から明らかなように、本発明の化粧料用組成物はラメラ液晶相を有しているので、メイク汚れに対し容易になじみ、皮膚が濡れた状態でもまた濡れていない状態でも優れたクレンジング力を発揮し、水洗後に油性感が残らず使用感に優れるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)
【化1】

(式中、Rは直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、又はヒドロキシアルキル基を示す。nは2〜10の整数を示す。GLはグリセリンユニットを表す。)
で表され、且つHLB値が6〜12のポリグリセリンモノエーテルによりラメラ液晶相が形成されているラメラ液晶型化粧料用組成物。
【請求項2】
分子内に2以上の水酸基を持つ有機化合物を含有する請求項1に記載のラメラ液晶型化粧料用組成物。
【請求項3】
化粧料がクレンジング用化粧料である請求項1又は2の何れかの項に記載のラメラ液晶型化粧料用組成物。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかの項に記載のラメラ液晶型化粧料用組成物を含有することを特徴とする化粧料。

【公開番号】特開2009−227593(P2009−227593A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72827(P2008−72827)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000002901)ダイセル化学工業株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】