説明

ランキンサイクルシステム搭載車両

【課題】回生した動力をエンジンに伝達する経路上にクラッチを配置したランキンサイクルシステム搭載車両において、回生される動力の予測精度を向上させ、クラッチの締結、解放を適切に行えるようにする。
【解決手段】膨張機23とエンジン10の間の動力伝達経路上にクラッチ60が配置される。ECU40は、膨張機23の回転速度及び上流側冷媒圧力に基づき回生動力を予測し、回生動力の予測値が正のときにクラッチ60を締結し、ゼロないし負のときにクラッチ60を解放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの廃熱を回収するランキンサイクルシステムを搭載した車両に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンの排気、冷却水から車外へ捨てられていた熱エネルギーを動力として回生する廃熱回収装置を備え、回生した動力を用いてエンジンをアシストすることで、エンジンの燃費を向上させる技術が提案されている。
【0003】
特許文献1は、このような廃熱回収装置において、回生した動力をエンジンに伝達する経路上にクラッチを配置することを提案している。この構成によれば、急加速時等、廃熱回収装置がエンジンの負荷となる場合は、該クラッチを解放することで廃熱回収装置をエンジンから切り離すことができ、本来燃費を向上させるための廃熱回収装置が逆にエンジンの燃費悪化の原因となるのを回避できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−231857公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、排気温度に基づき廃熱回収装置により回生される動力が予測され、これに基づきクラッチの締結、解放が制御される。
【0006】
しかしながら、排気温度の変化が回生される動力に表れるまでには遅れがあるため、かかる予測方法では、実際には負荷とならない場合であってもクラッチを解放してしまう、あるいは、負荷となる場合であってもクラッチを締結してしまう可能性があった。
【0007】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、回生した動力をエンジンに伝達する経路上にクラッチを配置したランキンサイクルシステム搭載車両において、回生される動力の予測精度を向上させ、クラッチの締結、解放を適切に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様によれば、エンジンと、該エンジンの廃熱を冷媒に回収し、回収した廃熱を膨張機で動力(以下、この動力を「回生動力」という。)として回生するランキンサイクルシステムと、を備えたランキンサイクルシステム搭載車両であって、前記回生動力を前記エンジンに伝達する動力伝達機構と、前記動力伝達機構によって形成される前記膨張機と前記エンジンの間の動力伝達経路上に配置されるクラッチと、前記膨張機の回転速度を取得する回転速度取得手段と、前記膨張機に流入する冷媒の圧力である上流側冷媒圧力を取得する上流側冷媒圧力取得手段と、前記膨張機の回転速度及び上流側冷媒圧力に基づき前記回生動力を予測する回生動力予測手段と、前記回生動力の予測値が正のときに前記クラッチを締結し、ゼロないし負のときに前記クラッチを解放するクラッチ制御手段と、を備えたことを特徴とするランキンサイクルシステム搭載車両が提供される。
【0009】
また、本発明の別の態様によれば、エンジンと、該エンジンの廃熱を冷媒に回収し、回収した廃熱を膨張機で動力(以下、この動力を「回生動力」という。)として回生するランキンサイクルシステムと、を備えたランキンサイクルシステム搭載車両であって、前記回生動力を前記エンジンに伝達する動力伝達機構と、前記動力伝達機構によって形成される前記膨張機と前記エンジンの間の動力伝達経路上に配置されるクラッチと、前記膨張機の回転速度を取得する回転速度取得手段と、前記膨張機の上流側と下流側の冷媒圧力差を取得する冷媒圧力差取得手段と、前記膨張機の回転速度及び冷媒圧力差に基づき前記回生動力を予測する回生動力予測手段と、前記回生動力の予測値が正のときに前記クラッチを締結し、ゼロないし負のときに前記クラッチを解放するクラッチ制御手段と、を備えたことを特徴とするランキンサイクルシステム搭載車両が提供される。
【発明の効果】
【0010】
これらの態様によれば、排気温度から回生動力を予測する場合と比べ、高い精度で回生動力を予測することができ、回生動力の発生状況に応じてクラッチの締結・解放を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るランキンサイクルシステム搭載車両の概略構成図である。
【図2A】動力伝達機構の一例を示した図である。
【図2B】動力伝達機構の別の例を示した図である。
【図3】クラッチの締結・解放制御の内容を示したフローチャートである。
【図4】膨張機トルクマップである。
【図5】本発明の実施形態の作用効果を説明するための図である。
【図6】膨張機トルクマップの別の例である。
【図7】膨張機トルクマップの別の例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るランキンサイクルシステム搭載車両の概略構成図である。車両は、エンジン10とランキンサイクルシステム20を備える。
【0014】
エンジン10は、水冷式の内燃機関であり、内部を流通する冷却水によって温度制御される。エンジン10冷却後の冷却水は、流路11により後述する蒸発器22、図示しないラジエータへと送られ、冷却される。
【0015】
ランキンサイクルシステム20は、エンジン10の冷却水からエンジン10の廃熱を冷媒に回収し、回収した廃熱を動力として回生するシステムである。ランキンサイクルシステム20は、ポンプ21、蒸発器22、膨張機23及び凝縮器24を備え、各構成要素はR134a等の冷媒が流通する流路25a〜25dにより接続される。
【0016】
ポンプ21は電動ポンプである。蒸発器22は、エンジン10の冷却水と冷媒との間で熱交換を行わせ、冷媒を加熱し気化する熱交換器である。膨張機23は、気化した冷媒を膨張させることにより熱を回転エネルギーに変換する蒸気タービンである。凝縮器24は外気と冷媒との間で熱交換を行わせ、冷媒を冷却し液化する熱交換器である。凝縮器24により液化された冷媒はポンプ21により再び蒸発器22に送られ、ランキンサイクルシステム20の各構成要素を循環する。
【0017】
蒸発器22と膨張機23を接続する流路25aには、膨張機23に流入する冷媒の温度である上流側冷媒温度Tcを検出する上流側冷媒温度センサ31、膨張機23に流入する冷媒の圧力である上流側冷媒圧力Pdを検出する上流側冷媒圧力センサ32が取り付けられている。また、膨張機23と凝縮器24を接続する流路25bには、膨張機23から流出する冷媒の圧力である下流側冷媒圧力Psを検出する下流側冷媒圧力センサ33が取り付けられている。これらセンサ31〜33は電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)40に電気的に接続されており、これらセンサ31〜33の検出信号はECU40に入力される。
【0018】
ランキンサイクルシステム20は以上のように構成され、膨張機23のトルク(以下、「膨張機トルク」という。特許請求の範囲中の「回生動力」に対応。)Texは、動力伝達機構50を介してエンジン10へと伝達される。
【0019】
図2Aは、動力伝達機構50の一例を示している。動力伝達機構50は、膨張機23の出力軸に取り付けられた膨張機プーリ51と、膨張機プーリ51、オルタネータのプーリ52、エンジン10のクランクプーリ53及びエアコンコンプレッサのプーリ54に掛け回されるベルト55により構成される。膨張機トルクTexは、ベルト55を介して、エンジン10、オルタネータ、エアコンコンプレッサに伝達され、エンジン10のアシストが行われる。
【0020】
ここで、膨張機トルクTexが正のときは、これによってエンジン10をアシストすることができるので、エンジン10の燃費を向上させることができる。しかしながら、膨張機トルクTexがゼロないし負のときは、逆に膨張機23がエンジン10の負荷となり、エンジン10の燃費を悪化させる。
【0021】
このため、この実施形態では、エンジン10のクランクシャフト(図示せず)とクランクプーリ53の間にクラッチ60が配置され、膨張機23を必要に応じてエンジン10から切り離すことができるようになっている。クラッチ60は、例えば、電磁クラッチであり、ECU40からの制御信号を受けて締結・解放される。
【0022】
なお、クラッチ60を配置する位置はこの位置に限らず、動力伝達機構50によって形成される膨張機23とエンジン10の間の動力伝達経路上であればよい。例えば、図2Bに示すように、膨張機23の出力軸(図示せず)と膨張機プーリ51の間にクラッチ60を配置することも可能である。
【0023】
図1に戻り、ECU40は、CPU41、RAM・ROMからなる記憶装置42、入出力インターフェース43等を含む。記憶装置42には、後述する制御を実行するためのプログラム、マップ等が格納されている。入出力インターフェース43には、センサ31〜33の検出信号の他、図示しないエンジンコントローラからエンジン回転速度信号が入力される。CPU41は、記憶装置42に格納されるプログラムを読み出して実行し、膨張機23の回転速度Ne及び上流側冷媒圧力Pdに基づき膨張機23のトルクTexを予測する。そして、CPU41は、膨張機トルクTexが正か否かに応じてクラッチ60の締結・解放信号を生成し、入出力インターフェース43からクラッチ60に出力する。
【0024】
図3はECU40が実行するクラッチ60の締結・解放制御の内容を示したフローチャートである。この制御は、ECU40において所定時間(例えば、10ミリ秒)毎に実行される。以下、これを参照しながらクラッチ60の締結・解放制御について説明する。
【0025】
ST01では、ECU40は、上流側冷媒圧力センサ32から膨張機23の上流側冷媒圧力Pdを取得する。
【0026】
ST02では、ECU40は、図示しないエンジンコントローラからエンジン10の回転速度Neを取得する。そして、ECU40は、エンジン10の回転速度Neと、クランクプーリ53と膨張機プーリ51のプーリ比とに基づき、膨張機23の回転速度Nexを演算する。
【0027】
ST03では、ECU40は、膨張機トルクTexを予測する。ECU40は、予め用意された膨張機トルクマップ(図4)から膨張機23の回転速度Nex及び上流側冷媒圧力Pdに対応する値を検索することで、膨張機トルクTexを予測する。膨張機23は上流側冷媒圧力Pdを受けて回転するので、膨張機トルクTexは、膨張機23の回転速度Nexが同一であれば、上流側冷媒圧力Pdが高くなるほど大きくなる。また、膨張機23の回転速度Nexが高いと、膨張機23に流入する冷媒量が不足するので、高回転域では膨張機トルクTexはゼロ以下となる。
【0028】
ST04では、ECU40は、膨張機トルクTexが正か否かを判定する。膨張機トルクTexが正のときは処理がST05に進み、膨張機トルクTexがゼロないし負のときは処理がST06に進む。
【0029】
ST06では、ECU40は、クラッチ60に締結信号を出力し、クラッチ60を締結する。これにより、膨張機トルクTexがエンジン10に伝達され、エンジン10のアシストが行われる。
【0030】
ST07では、ECU30は、クラッチ60に解放信号を出力し、クラッチ60を解放する。これにより、膨張機23がエンジン10から機械的に切り離され、膨張機23がエンジン10の負荷になるのが防止される。
【0031】
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。
【0032】
本実施形態では、膨張機23とエンジン10の間の動力伝達経路上にクラッチ60が配置される。そして、膨張機23の回転速度Ne及び上流側冷媒圧力Pdに基づき膨張機トルクTexが予測され、膨張機トルクTexの予測値が正のときにクラッチ60が締結され、ゼロないし負のときにクラッチ60が解放される。
【0033】
膨張機23の回転速度Ne及び上流側冷媒圧力Pdに基づき膨張機トルクTexを予測する場合、排気温度から予測する場合に比べて、高い精度で膨張機トルクTexを予測でき、膨張機トルクTexの発生状況に応じてクラッチ60の締結・解放を適切に行うことができる。つまり、本実施形態では、実際には負荷とならない場合であってもクラッチ60を解放してしまう、あるいは、負荷となる場合であってもクラッチ60を締結してしまうのを防止できる。
【0034】
図5(A)は車両加速中に膨張機トルクTexによりエンジン10のアシストが行われる様子を示したタイムチャートである。また、図5(B)はこのときに膨張機23の運転状態が推移する様子を膨張機トルクマップ上に表したものである。
【0035】
時刻t1では、運転者がアクセルペダルを踏み込み、アクセル開度APOが増大する。この時点では膨張機23が正のトルクを発生させており、膨張機トルクTexによるエンジン10のアシストが行われている。
【0036】
時刻t1以降、膨張機23の回転速度Nexがエンジン10の回転速度Neに比例して上昇し、エンジン10の回転速度Neの上昇に遅れてエンジン10の放熱量Qが増大する。また、ランキンサイクルシステム20により回収される熱量はエンジン10の放熱量Qに比例する。
【0037】
膨張機23の回転速度Nexが上昇するにつれ、膨張機23に流入する冷媒が不足し、上流側冷媒圧力Pdが低下するため、膨張機トルクTexは低下する。
【0038】
時刻t2で膨張機トルクTexがゼロ以下になると、クラッチ60が解放される。これにより、膨張機23がエンジン10の負荷となるのが防止される。
【0039】
時刻t2以降、エンジン10の放熱量Qの上昇により膨張機23の上流側冷媒圧力Pdが上昇し、時刻t3で膨張機トルクTexが再び正になる。これを受けて、時刻t3では、クラッチ60が再び締結され、これにより、膨張機トルクTexによるエンジン10のアシストが再開される。
【0040】
このように本実施形態では、膨張機トルクTexの発生状況に応じてクラッチ60の締結・解放を適切に行うことが可能である。
【0041】
なお、本実施形態では、膨張機23の回転速度Nex及び上流側冷媒圧力Pdに基づき膨張機トルクTexを予測しているが、膨張機23の回転速度Neと、膨張機23の上流側と下流側の冷媒圧力差ΔPexとに基づき膨張機トルクTexを予測するようにしてもよい。この場合、図3のST03において図6に示すマップを参照して膨張機トルクTexを予測する。膨張機トルクTexは、膨張機23の上流側冷媒圧力Pdだけでなく下流側冷媒圧力Psの影響も受け、両者の差が大きいほど膨張機トルクTexも大きくなる。したがって、上流側と下流側の冷媒圧力差ΔPexに基づき膨張機トルクTexを予測するようにすることで、膨張機トルクTexの予測精度をさらに高めることができる。
【0042】
膨張機23の上流側と下流側の冷媒圧力差ΔPexは、上流側冷媒圧力センサ32から取得される上流側冷媒圧力Pdと下流側冷媒圧力センサ33から取得される下流側冷媒圧力Psの差を演算することで得られる。あるいは、膨張機23の上流側と下流側の圧力差を検出する差圧センサを取り付け、冷媒圧力差ΔPexを直接的に取得するようにしてもよい。
【0043】
また、膨張機トルクTexは膨張機23の上流側冷媒温度Tcの影響を受ける。膨張機23の回転速度Ne及び上流側冷媒圧力Pd(あるいは冷媒圧力差ΔPex)が同じであっても、上流側冷媒温度Tcが高いほど冷媒に回収されている廃熱の量が多いため、膨張機トルクTexも大きくなる。したがって、図7に示すように、上流側冷媒温度Tcに応じて複数のマップを用意しておき、上流側冷媒温度Tcに応じて図3のST03で参照するマップを切り換えるようにすれば、膨張機トルクTexの予測精度をさらに高めることができる。
【0044】
なお、上流側冷媒温度Tcの影響を予測に用いる方法は、このようにマップを切り換える方法に限らず、膨張機23の回転速度Ne及び上流側冷媒圧力Pd(あるいは冷媒圧力差ΔPex)から予測した膨張機トルクTexを上流側冷媒温度Tcに応じて補正する等の方法であってもよい。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0046】
例えば、上記実施形態におけるランキンサイクルシステム20は、エンジン10の冷却水からエンジン10の廃熱を回収するシステムであるが、エンジン10の排気からエンジン10の廃熱を回収するシステムであってもよい。この場合、冷媒としてはより沸点の高い水等を用いる。
【0047】
また、動力伝達機構50の構成は上記ベルト55を用いる構成に限定されず、ギヤを介してエンジン10やエンジン10に接続される変速機(図示せず)に伝達する機構であってもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、膨張機トルクTexに基づき制御が行われるが、膨張機トルクTexに代えてトルクTexに膨張機回転速度Nexを掛けて得られる膨張機出力Wexに基づいて上記制御を行うことも可能である。特許請求の範囲で用いられる「動力」という表現には、これらトルク、出力が含まれるものとする。
【符号の説明】
【0049】
10…エンジン
20…ランキンサイクルシステム
21…ポンプ
22…熱交換器
23…膨張機
24…凝縮器
31…上流側冷媒温度センサ(上流側冷媒温度取得手段)
32…上流側冷媒圧力センサ(上流側冷媒圧力取得手段、冷媒圧力差取得手段)
33…下流側冷媒圧力センサ(冷媒圧力差取得手段)
40…電子制御ユニット(ECU)
50…動力伝達機構
60…クラッチ
ST02…回転速度取得手段
ST03…膨張機トルク予測手段
ST04〜ST06…クラッチ制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、該エンジンの廃熱を冷媒に回収し、回収した廃熱を膨張機で動力(以下、この動力を「回生動力」という。)として回生するランキンサイクルシステムと、を備えたランキンサイクルシステム搭載車両であって、
前記回生動力を前記エンジンに伝達する動力伝達機構と、
前記動力伝達機構によって形成される前記膨張機と前記エンジンの間の動力伝達経路上に配置されるクラッチと、
前記膨張機の回転速度を取得する回転速度取得手段と、
前記膨張機に流入する冷媒の圧力である上流側冷媒圧力を取得する上流側冷媒圧力取得手段と、
前記膨張機の回転速度及び上流側冷媒圧力に基づき前記回生動力を予測する回生動力予測手段と、
前記回生動力の予測値が正のときに前記クラッチを締結し、ゼロないし負のときに前記クラッチを解放するクラッチ制御手段と、
を備えたことを特徴とするランキンサイクルシステム搭載車両。
【請求項2】
請求項1に記載のランキンサイクルシステム搭載車両であって、
前記膨張機に流入する冷媒の温度である上流側冷媒温度を取得する上流側冷媒温度取得手段を備え、
前記回生動力予測手段は、前記膨張機の回転速度、上流側冷媒圧力及び上流側冷媒温度に基づき前記回生動力を予測する、
ことを特徴とするランキンサイクルシステム搭載車両。
【請求項3】
エンジンと、該エンジンの廃熱を冷媒に回収し、回収した廃熱を膨張機で動力(以下、この動力を「回生動力」という。)として回生するランキンサイクルシステムと、を備えたランキンサイクルシステム搭載車両であって、
前記回生動力を前記エンジンに伝達する動力伝達機構と、
前記動力伝達機構によって形成される前記膨張機と前記エンジンの間の動力伝達経路上に配置されるクラッチと、
前記膨張機の回転速度を取得する回転速度取得手段と、
前記膨張機の上流側と下流側の冷媒圧力差を取得する冷媒圧力差取得手段と、
前記膨張機の回転速度及び冷媒圧力差に基づき前記回生動力を予測する回生動力予測手段と、
前記回生動力の予測値が正のときに前記クラッチを締結し、ゼロないし負のときに前記クラッチを解放するクラッチ制御手段と、
を備えたことを特徴とするランキンサイクルシステム搭載車両。
【請求項4】
請求項3に記載のランキンサイクルシステム搭載車両であって、
前記膨張機に流入する冷媒の温度である上流側冷媒温度を取得する上流側冷媒温度取得手段を備え、
前記回生動力予測手段は、前記膨張機の回転速度、冷媒圧力差及び上流側冷媒温度に基づき前記回生動力を予測する、
ことを特徴とするランキンサイクルシステム搭載車両。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−190185(P2010−190185A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37923(P2009−37923)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】