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ランチビオティックの塩
説明

ランチビオティックの塩

本開示は、ある種のランチビオティック化合物のある種の塩、それを含む薬学的組成物、ならびに、微生物感染症、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症の処置のための、この塩および組成物の使用に関する。この塩は、2.5mg/mL以上の水溶解度を有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年2月2日出願のPCT特許出願第PCT/GB2010/000188号、2010年2月2日出願の台湾特許出願第099103071号、2010年2月2日出願のGF特許出願第2010/15215号および2010年8月11日出願の英国特許出願第GB 1013511.9号に関し、いずれの内容も参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、ある種のランチビオティック化合物のある種の新規な塩、それを含む薬学的組成物、ならびに、微生物感染症、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)感染症の処置のための、本塩および組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
微生物を含む天然源から多くの抗菌化合物が同定された。多くの場合、抗菌化合物は複雑な化学構造、特に複雑な立体化学構造を有する。
【0004】
アクタガルジンは、アクチノプラネス・ガルバジネンシス(Actinoplanes garbadinensis)より調製される天然物であり、特に猩紅熱および連鎖球菌性咽頭炎感染症を引き起こす化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)に対する抗菌性を有する。例えばEP0195359号(特許文献1)参照。EP0195359号(特許文献1)の公開から22年間、新たな抗生物質が求められていたにもかかわらず、アクタガルジンから誘導される抗生物質は認可および販売されてこなかった。
【0005】
最近、デオキシアクタガルジンBに基づく化合物の新たなファミリーがWO 2007/083112号(特許文献2)に開示された。デオキシアクタガルジンBはA. リグリアエ(A. liguriae)より調製され、アクタガルジンと区別されるいくつかの特徴を有し、特に、これらの化合物はコア構造のアミノ酸配列の差を有する。さらに、アクタガルジンは、すべてのランチオニン架橋が還元形で存在するデオキシアクタガルジンBと対照的に、酸化したランチオニン架橋を含有する。異なる化合物を作製するには、明らかに異なる遺伝子および生物機構が必要である。さらに、これらの化合物は、ある範囲の一般的病原体に対して試験する際に、異なる活性を示す。いくつかの場合、アクタガルジンおよびそれから誘導される特定の化合物は、デオキシアクタガルジンBおよびその誘導体よりも、所与の病原体に対して高い活性を示す。興味深いことに、ある種の他の病原体に対しては、デオキシアクタガルジンBおよびそれから誘導される化合物が、アクタガルジンおよびその誘導体よりも高い活性を示す。
【0006】
最小阻止濃度(MIC)などの、標準試験で測定される場合のMRSAに対するアクタガルジンの活性は、試験される菌株に応じて約32μg/mLの高さであることがある。したがってアクタガルジンはMRSAに対して低度〜中程度の活性しか有さない。これは、MIC値が高くなるほど化合物が有する抗菌活性が低くなるためである。
【0007】
最小阻止濃度(MIC)などの、標準試験で測定される場合のMRSAに対するデオキシアクタガルジンBの活性は、試験される菌株に応じて約32μg/mLの高さの活性を有することがある。したがってデオキシアクタガルジンBはMRSAに対して低度〜中程度の活性しか有さない。
【0008】
MRSAは、ヒトおよび動物における処置困難な感染症の原因となる細菌である。MRSAと呼ばれる黄色ブドウ球菌(S. aureus)の特定の菌株は、ペニシリンおよびセファロスポリンを含むβ-ラクタムと呼ばれる抗生物質の大きな群に耐性がある。
【0009】
この菌株はメディアで著しく注目を受け、「スーパーバグ(superbug)」との烙印を押された。開放創の患者、侵襲的装置を包含する術式を受ける患者、および免疫系が弱体化した患者は、特に入院中に感染症になる危険性が最も高い。この感染症は伝染性が高く、病棟で同定される場合、除染されるまで病棟は閉鎖されることがある。
【0010】
したがって、MRSAに対する活性を有する抗菌化合物が特に有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】EP0195359
【特許文献2】WO 2007/083112
【発明の概要】
【0012】
デオキシアクタガルジンB(3,5-ジクロロベンジルアミン)モノカルボキサミドおよびアクタガルジン(3,5-ジクロロベンジルアミン)モノカルボキサミドは、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌を含むある範囲のグラム陽性菌に対する活性を有し、8μg/mL以下、例えば4または2μg/mLであるMRSAの1つまたは複数の菌株に対する活性を有し、これは親アクタガルジンまたはデオキシアクタガルジンB化合物と比較して少なくとも2倍、例えば4倍または8倍の活性の増加を表す。さらに、これらがある範囲のグラム陽性菌に対する活性を有するという事実により、これらは治療上有用となる。
【0013】
しかしこれらの化合物の水溶解度は低く、例えば凍結乾燥後は約0.25mg/mLであり、これによってこの化合物は非経口経路による調剤には不適となる。
【0014】
中程度のpH値、例えばpH 4〜pH 8では、化合物は双性イオンとして存在する。塩酸などの強酸は、化合物中の双性イオンを一般に破壊しかつ塩を形成すると考えられ、水溶解度が高くなると通常予想される。驚くべきことに、塩酸およびリン酸などの強酸による塩形成は、実質的に増加した水溶解度を有する材料を与えなかった。一般に、非経口製剤の調製には、少なくとも2mg/mL、おそらくは5mg/mLの溶解度が必要である。
【0015】
本発明者らは、良好な水溶解度を有し、これによって非経口投与用に調剤され得る、少数の塩を発見した。
【0016】
したがって、式(I)の化合物:

の塩であって、
式中、
R1と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってアミノ酸残基となり;
R2と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってアミノ酸残基となり;かつ
pが、0または1であり、
少なくとも1個のヒドロキシル基を含む低分子有機アミンで形成される、塩、が提供される。
【0017】
非経口製剤の調製に有用であるには、化合物、または化合物の塩は、2.5mg/mL超、例えば5mg/mlの溶解度が一般に必要である。
【0018】
有利なことに、本開示の塩は2.5mg/mL以上、例えば2.5〜50mg/mLの範囲の水溶解度、特に、2.5〜20の範囲、より具体的には5〜15の範囲、例えば10であるような溶解度を有し、これは親化合物と比べ少なくとも20倍の水溶解度の増加を表す。
【0019】
本明細書において使用される溶解度とは、それによって得られる製剤/組成物が、裸眼で見る際に目に見える凝集物を実質的に含まず、例えば実質的に透明である、溶媒(例えば水、生理食塩水、またはグルコースなどの等張水溶液)中での式(I)の化合物の分配を意味するように一般的に使用される。したがって、そのような製剤は、溶液剤、懸濁液剤、コロイド剤などの、点滴および/または注射に好適なフォーマットの範囲全体を含む。
【0020】
本発明の塩をどのようにして調剤するかにかかわらず、増加した溶解度(水性環境などの溶媒中に分配される能力)は重要な性質である。
【0021】
有利なことに、本開示の塩は、無機塩よりも高い溶解度を有する傾向がある。
【0022】
表1は、本開示の特定の塩の溶解度を示す。
【0023】
(表1)1mg/mLを超える水溶解度を示すことがわかった塩の概要

*計算値は2回の決定によって得た
【0024】
本開示の特定の塩の他の性質としては、透明「溶液」を作製する能力(実験セクションの表3を参照)、および/または形成された「溶液」の最終pHを制御する能力が挙げられる。
【0025】
図6は、最良の溶解度(mg/ml)を得るための、pH値の最適な範囲を示す。示される範囲は6.5〜9、例えば7〜8.5である。しかし溶解度は、薬物候補を選択する際に重要な唯一の性質ではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】7日間にわたるマウス菌血症モデルにおける実施例1化合物のインビボ有効性を表すグラフプロットである。
【図2】好中球減少マウス大腿モデルを使用する細菌の組織感染症の処置における実施例1化合物のインビボ有効性を評価するグラフプロットである。
【図3】実施例1化合物およびバンコマイシンの用量依存性を表すグラフプロットである。
【図4】マウスにおける実施例1化合物のインビボ血漿中半減期を示すグラフプロットである。
【図5】実施例1化合物の水溶液中での安定性に関するHPLCクロマトグラムである。
【図6】実施例1化合物に関する溶解度対pHのプロットグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
一態様では、pは1である。
【0028】
一態様では、pは0である。
【0029】
一態様では、R1と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-炭素とが一緒になってタンパク質を構成するアミノ酸となる。
【0030】
一態様では、R1と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってロイシンまたはバリンとなる。
【0031】
一態様では、R2と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-炭素とが一緒になってタンパク質を構成するアミノ酸となる。
【0032】
一態様では、R2と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってイソロイシンまたはバリンとなる。
【0033】
一態様では、R1と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってバリンとなり、R2と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってイソロイシンとなる。
【0034】
一態様では、R1と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってロイシンとなり、R2と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってバリンとなる。
【0035】
一態様では、R1と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってバリンとなり、R2と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってバリンとなる。
【0036】
一態様では、R1と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってロイシンとなり、R2と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってイソロイシンとなる。
【0037】
一態様では、化合物は以下:

である。
【0038】
一態様では、化合物はデオキシアクタガルジンB(3,5-ジクロロベンジルアミン)モノカルボキサミドN-メチル-D-グルカミン塩ではない。
【0039】
良好な溶解度を有するB型ランチビオティック化合物の塩の形成は、いくらか予測不可能なものである。したがって、本発明の塩が一般に少なくとも10mg/mL、例えば20mg/mL、例えば30〜40mg/mL、特に50mg/mLの水溶解度を有することは驚くべきことである。
【0040】
本明細書において使用される低分子有機アミンは、10個以下の炭素原子、例えば9個、8個、7個、6個または5個の炭素原子を含有する炭素含有化合物であって、実体がその中のどこかにアミンを含有する化合物を意味するように意図される。
【0041】
一態様では、塩を形成する際の有機アミン化合物は、8個以下、特に6個、7個または8個の炭素原子を含む。一態様では、有機アミンは4個、5個または6個以下の炭素原子を含む。
【0042】
一態様では、有機アミンは1個、2個、3個、4個または5個のヒドロキシル基を含む。一態様では、有機アミンは1個、2個、3個または4個のヒドロキシル基、特に3個または4個のヒドロキシル基を含む。
【0043】
本明細書において使用される、少なくとも1個のヒドロキシル基を含む低分子有機アミンは、塩を調製するための材料を意味し得る。
【0044】
一態様では、有機アミン化合物のアミンは-NH2基である。一態様では、有機アミン化合物のアミンは-NHR1基であり、式中、-R1は、少なくとも2個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0045】
一態様では、少なくとも、塩を形成するための出発原料において、有機アミン中のヒドロキシルはその中のカルボニル炭素に結合してカルボン酸を形成する。したがって、一態様では、有機アミンの実体はカルボン酸を含む。一態様では、有機アミン実体は1つのカルボン酸を含む。
【0046】
一態様では、塩はアミノアルコールで形成される。
【0047】
一態様では、ヒドロキシル基は、アミンの窒素に対してβ位の炭素に結合している。
【0048】
一態様では、有機アミンはN-メチルグルカミンまたはN-エチルグルカミンなどのグルカミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびアルギニンより選択される。一態様では、有機アミンはN-エチルグルカミン、ジエタノールアミンおよびアルギニンより選択される。さらに、またはあるいは、有機物質はN-メチル-L-グルカミンであり得る。
【0049】
したがって、一態様では、有機アミンがグルカミン、例えばN-メチルグルカミンまたはN-エチルグルカミン、例えばN-メチルグルカミンである、本明細書に開示される化合物の塩が提供される。
【0050】
一態様では、有機アミンはN-エチルグルカミンである。
【0051】
一態様では、有機アミノヒドロキシル化合物はグルコサミンである。
【0052】
別の態様では、有機アミンがエタノールアミンである、本明細書に開示される化合物の塩が提供される。
【0053】
一態様では、塩はトリエタノールアミンではない。
【0054】
さらなる態様では、有機アミンがアルギニン、リジンまたは2-アミノ-1,3-プロパンジオールより選択される、本明細書に開示される化合物の塩が提供される。
【0055】
一態様では、有機アミンはエタノールアミンではない。一態様では、有機アミンはN-メチル-D-グルカミンではない。一態様では、有機アミンはグルタメートではない。
【0056】
多くの有機化合物が、それらがその中で反応するかまたはそれらがそこから析出もしくは結晶化される溶媒と複合体を形成し得ることを、有機化学の当業者は認識するであろう。これらの複合体は「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は「水和物」として知られている。本開示の塩は溶媒和物(例えば水和物)を形成し得るものであり、本開示はすべてのそのような溶媒和物も含む。
【0057】
一態様では、本明細書に開示される化合物の塩の水和物などの溶媒和物が提供される。
【0058】
立体異性体に関して、本開示の塩は2個以上の不斉炭素原子を有する。図示する一般式(I)において、実線の楔形の結合は、その結合が紙の平面の上方にあることを示す。破線の結合は、その結合が紙の平面の下方にあることを示す。
【0059】
式(I)の化合物の塩は結晶形または非晶形でありうる。さらに、塩の結晶形の一部は多形として存在し得るものであり、いずれの形態も本開示に含まれる。そうは言うものの、一般に化合物は非晶質である。
【0060】
本発明の塩は、本明細書に記載の化合物と塩基とを適切な溶媒中で反応させることによって調製される。
【0061】
典型的には、薬学的に許容される塩は、所望の塩基を適宜使用して容易に調製することができる。塩は、溶液から析出させて濾取することができ、あるいは溶媒の蒸発によって回収することができ、例えば、式(I)の化合物を好適な溶媒、例えばメタノールまたはt-ブタノールなどのアルコールに溶解させることができ、塩基を同一の溶媒または別の好適な溶媒中に加えることができる。次に得られた塩を直接、またはジイソプロピルエーテルもしくはヘキサンなどの低極性溶媒の添加によって析出させ、濾過によって単離することができる。
【0062】
塩は、本明細書に開示される化合物を、t-ブタノールなどの好適なアルコール溶媒に、少なくとも1個のヒドロキシル基を含む1、2または3当量の低分子有機アミンの存在下で溶解させることによって調製することができる。
【0063】
したがって、親化合物を好適な極性有機溶媒に、適量の塩形成パートナーの存在下で溶解させる工程を含む、溶液中の塩を生成する方法が提供される。
【0064】
一態様では、溶媒はt-ブタノールおよび/またはDMSOである。
【0065】
一態様では、溶媒はt-ブタノールである。
【0066】
一態様では、溶媒はt-ブタノールおよび/または水、例えば20% w/w以下の水、例えば10% w/w以下、特に5% w/w以下の水である。
【0067】
一態様では、塩形成パートナーは、1当量超、例えば0.5〜3.5、例えば1〜3当量の範囲、例えば1、1.5、2または2.5当量、特に1.1、1.2、1.3、1.4、1.5などとして与えられる。
【0068】
本明細書に記載の化合物は一塩基性であり、したがって、1当量を超える有機アミンを使用する場合、得られる実体は、真の塩とさらなるアミンとの混合物を実際に含むことがある。しかし、本発明はそのような組成物(または混合物)に及び、これは溶解度を改善するために有利でありうる。
【0069】
一態様では、本開示の塩は、例えばロータリーエバポレーターを使用して溶媒を例えば減圧下で蒸発させることによって得られる。
【0070】
凍結乾燥(フリーズドライ)を塩の調製において使用することにより、本開示の凍結乾燥生成物を得ることができる。
【0071】
したがって、親化合物および塩形成パートナーを好適な溶媒に溶解させる工程、ならびに凍結乾燥させて本開示の凍結乾燥生成物を得る工程を含む、本明細書に開示される化合物の塩を調製する方法が提供される。
【0072】
したがって、一態様では、式(I)の化合物と低分子有機アミンとの塩および過剰の該アミンを含む組成物、例えば凍結乾燥生成物が提供される。
【0073】
一態様では、本開示の塩または凍結乾燥生成物は、10% w/w未満、例えば5% w/w以下、例えば3% w/w以下の水を含む。
【0074】
一態様では、本開示の塩または凍結乾燥生成物は、5% w/w未満、例えば2% w/w以下、例えば1% w/w以下のt-ブタノールなどの溶媒を含む。
【0075】
本開示の凍結乾燥生成物は少量のpH調整剤、例えばHClまたはTRIS緩衝液を含み得る。
【0076】
あるいは、噴霧乾燥を使用して溶液から塩を抽出することができる。一態様では、本開示の塩を例えば噴霧乾燥させることにより、好適な流動性を有する材料を得る。
【0077】
一局面では、本明細書に開示される塩を1つまたは複数の賦形剤と共に噴霧乾燥させることにより、塩と賦形剤との凝集物である粒子を得る。
【0078】
本開示の塩は、ヒト医学または獣医学における使用に好都合な任意の方法での投与用に調剤することができ、したがって本開示は、ヒト医学または獣医学における使用用の本開示の塩を含む薬学的組成物をその範囲内に含む。そのような組成物は、1つまたは複数の好適な賦形剤、希釈剤および/または担体の助けによる慣習的な使用のために提示することができる。治療用に許容される賦形剤、希釈剤および担体は薬学分野で周知であり、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co. (A. R. Gennaro edit. 1985)に記載されている。薬学的賦形剤、希釈剤および/または担体の選択は、意図する投与経路および標準的薬務に関して選択することができる。薬学的組成物は、賦形剤、希釈剤および/もしくは担体として(またはそれに加えて)、任意の好適な結合剤、潤滑剤、懸濁化剤、コーティング剤、可溶化剤を含み得る。
【0079】
保存料、安定剤、色素、さらには調味料を薬学的組成物中に与えることができる。保存料の例としては安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、およびp-ヒドロキシ安息香酸エステルが挙げられる。酸化防止剤および懸濁化剤も使用可能である。
【0080】
いくつかの態様では、本開示の塩はシクロデキストリンとの組み合わせで使用することもできる。シクロデキストリンは、薬物分子と包接錯体および非包接錯体を形成することが知られている。薬物-シクロデキストリン錯体の形成は、薬物分子の溶解度、溶解速度、バイオアベイラビリティおよび/または安定性を修正することができる。一般に薬物-シクロデキストリン錯体は、大部分の剤形および投与経路に有用である。薬物との直接錯体化の代わりとして、シクロデキストリンを補助添加剤として、例えば担体、希釈剤または可溶化剤として使用することができる。α-、β-およびγ-シクロデキストリンが最も一般的に使用され、好適な例はWO 91/11172号、WO 94/02518号およびWO 98/55148号に記載されている。
【0081】
製剤の一つの態様において、最大15重量%のシクロデキストリンが含まれる。
【0082】
一つの態様において、本発明は本会時の治療上有効な量の塩と、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、および/または担体(これらの組み合わせも含む)とを含む薬学的組成物を提供する。湿式微粉砕などの公知の微粉砕手順を使用して本開示の塩を微粉砕することで、錠剤形成および他の調剤種類に適した粒径を得ることができる。本発明の塩の微粉化(ナノ粒子状)製剤は当技術分野で公知の方法によって調製することができる。例えば国際特許出願第WO 02/00196号(SmithKline Beecham)を参照。
【0083】
投与(送達)用経路としては経口(例えば乾燥散剤/易流動性粒子状製剤、錠剤、カプセル剤として、または経口摂取溶液剤もしくは懸濁液剤として)、直腸、頬側および舌下の1つまたは複数が挙げられるがそれに限定されない。本開示の組成物は、非経口、経口、頬側、直腸、局所、移植片、眼部、経鼻または尿生殖器用に特に調剤される形態のものを含む。本発明の一局面では、薬剤は経口送達され、したがって薬剤は経口送達に好適な形態である。
【0084】
いくつかの場合では、粘膜(例えば吸入用の経鼻スプレー剤もしくはエアロゾル剤として)、経鼻、胃腸、脊髄内、腹腔内、筋肉内、静脈内、子宮内、眼内、皮内、頭蓋内、気管内、膣内、側脳室内、脳内、皮下、眼部(硝子体内もしくは前房内を含む)を含む局所、非経口(例えば注射用形態による)または経皮経路で本開示の塩を送達することが可能であり得る。
【0085】
異なる送達系、または異なる投与経路に応じて異なる組成/調剤上の要件が存在し得る。例としては、ミニポンプを使用してまたは粘膜経路で、例えば吸入用の経鼻スプレー剤もしくはエアロゾル剤または経口摂取溶液剤として送達されるように、あるいは、例えば静脈内、筋肉内または皮下経路での送達のために注射用形態で組成物を調剤する形で非経口送達されるように、本開示の薬学的組成物を調剤することができる。あるいは、両方の経路で送達されるように製剤を設計することもできる。適切であれば、薬学的組成物を吸入により投与するか、坐薬もしくはペッサリー剤の形態で投与するか、ローション剤、溶液剤、クリーム剤、軟膏剤もしくは粉剤の形態で局所投与するか、皮膚パッチ剤の使用により投与するか、デンプンもしくはラクトースなどの賦形剤を含有する錠剤の形態で、または単独もしくは賦形剤との混合物のカプセル剤もしくはオビュール剤(ovules)として、または調味料もしくは着色料を含有するエリキシル剤、溶液剤もしくは懸濁液剤の形態で経口投与することができ、あるいは、それらを非経口注射、例えば静脈内、筋肉内または皮下注射することもできる。
【0086】
非経口投与では、本組成物は滅菌水溶液剤の形態で最善に使用することができ、滅菌水溶液剤は他の物質、例えばその溶液剤を血液と等張性にするために十分な塩または糖、特に単糖を含有し得る。本開示の化合物を非経口投与の例としては薬剤の静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内もしくは皮下投与および/または点滴技術を使用する投与のうち1つまたは複数が挙げられる。
【0087】
一つの態様において、製剤は、点滴または緩慢な注入による送達に適用される。
【0088】
一つの態様において、製剤は、ボーラス投与による送達に適用される。
【0089】
一つの態様において、投与される製剤は、透明な溶液である。
【0090】
頬側または舌下投与では、本組成物は、従来法で調剤可能な錠剤または舐剤の形態で投与することができる。
【0091】
本開示の塩は、調味料または着色料を含有し得る即時放出、遅延放出、調節放出、持続放出、パルス放出または制御放出用途の錠剤、カプセル剤、オビュール剤、エリキシル剤、溶液剤または懸濁液剤の形態で投与する(例えば経口または局所)ことができる。
【0092】
本開示の塩は、経口または頬側投与に好適な形態で、例えば、調味料および着色料を任意的に有する溶液剤、ゲル剤、シロップ剤、洗口剤もしくは懸濁液剤、または使用前に水もしくは他の好適な媒体を用いて構成される乾燥散剤の形態で、ヒトまたは獣医学用に提示することもできる。
【0093】
錠剤、カプセル剤、舐剤、パステル剤、丸剤、散剤、ペースト剤、顆粒剤、ビュレット剤またはプレミックス製剤などの固体組成物も使用可能である。経口用固体および液体組成物は当技術分野で周知の方法に従って調製することができる。そのような組成物は、固体または液体形態であり得る1つまたは複数の薬学的に許容される担体および賦形剤も含有し得る。
【0094】
錠剤は、結晶セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウムおよびグリシン、マンニトール、アルファ化デンプン、コーンスターチ、ジャガイモデンプンなどの賦形剤、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムおよびある種の複合ケイ酸塩などの崩壊剤、ならびにポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチンおよびアラビアゴムなどの造粒結合剤を含有し得る。
【0095】
さらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリルおよびタルクなどの潤滑剤が含まれ得る。
【0096】
同様の種類の固体組成物をゼラチンまたはHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセル状態で投よすることもできる。このような賦形剤としては結晶セルロース、ラクトース、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、およびマンニトール、アルファ化デンプン、コーンスターチ、ジャガイモデンプンまたは高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0097】
懸濁液剤および/またはエリキシル剤では、薬剤と各種甘味料または調味料、着色剤または色素、乳化剤および/または懸濁液剤、ならびに水、エタノール、プロピレングリコールおよびグリセリンならびにその組み合わせなどの希釈剤とを組み合わせることができる。
【0098】
1つまたは複数の本開示の塩および任意で担体を各々含む粉末(単独のまたは選択された充填剤とのブレンドとしての医薬の)あるいは液体でカプセル剤を充填することができる。カプセル剤を粉末で充填する場合、本開示の塩および/または担体を微粉砕または微粒子化して、適切な粒径を有する材料を与えることができる。
【0099】
錠剤またはカプセル剤として経口投与する場合、本開示の塩を例えば腸溶コーティングでコーティングすることができる。胃腸管内での制御された溶解を可能にするRohm Pharma Polymersより入手可能なEUDRAGIT(登録商標)フィルムなどの薄いフィルムで例えば錠剤またはカプセル剤を適宜コーティングすることができる。フィルムは、EUDRAGIT(登録商標)E 100 (アミノアルキルメタクリレート共重合体)などのカチオン性ポリマーまたはEUDRAGIT(登録商標)L (メタクリル酸共重合体)およびEUDRAGIT Sなどのアニオン性アクリルポリマーとして入手可能である。
【0100】
EUDRAGIT(登録商標)RL (アミノメタクリレート共重合体)およびEUDRAGIT(登録商標)RSなどの透過性アクリルポリマーも入手可能である。
【0101】
これらのコーティング製剤は、タルク、シリコーン消泡乳濁液、ポリエチレングリコールなどの最適な成分を含む水性分散液剤として調製することができる。あるいは、コーティング製剤を有機ポリマー溶液として調製することもできる。
【0102】
あるいは、Colorconより入手可能なOPADRY(登録商標)(Surelease(登録商標))コーティング系を使用して錠剤をコーティングすることもできる。水性系は最大15%w/wのOPADRY(登録商標)を一般に含む。有機溶媒系は最大5%w/wのOPADRY(登録商標)を一般に含む。
【0103】
コーティングは公知の技術、例えば以下によって調製することができる。1. 所要量のOPADRY(登録商標)フィルムコーティング系を秤量する、2. 所要量の水または他の溶媒を秤量して混合容器に入れる、3. 容器の中心かつ容器の底のできるだけ近くに混合プロペラを置いて、空気を液体中に引き込まずに渦を形成するように溶媒を攪拌する、4. 着実かつ速やかにOPADRY(登録商標)粉末を渦に加えて液体表面上の粉末浮遊を回避する、5. 必要であれば渦を維持するために攪拌機速度を増加させる、および6. すべての粉末成分を加えた後で混合機速度を減少させ、混合を約45分間続ける。
【0104】
錠剤コーティング機を使用して公知の技術でコーティングを塗布することができる。
【0105】
塗布されるコーティングの厚さは、所要の効果に応じて一般に5〜35ミクロンの範囲、例えば10〜30ミクロン、より具体的には10または20ミクロンである。
【0106】
あるいは、錠剤またはカプセル剤を別のカプセル(好ましくはCapsugel(登録商標)などのHPMCカプセル)に適宜充填することで、カプセル中錠剤またはカプセル中カプセル剤のいずれかの構成を与えることができ、この構成は、患者に投与される際に胃腸管内の制御された溶解を生じさせ、それによって腸溶コーティングと同様の効果を与える。
【0107】
したがって一局面では、本開示は、本開示の塩の固体投薬製剤であって、例えば腸溶コーティングを有する製剤を提供する。
【0108】
別の局面では、本開示は、保護カプセルを外層として含む、例えばカプセル中錠剤またはカプセル中カプセル剤としての固体投薬製剤を提供する。腸溶コーティングは、非コーティング製剤に比べて改善された安定性プロファイルを示すことができる。
【0109】
とはいえ、本開示の塩はインビボでの胃酸または腸内酵素による分解に対して特に感受性があるというわけではないと考えられる。
【0110】
また本開示の塩は、獣医学において、有効成分の溶液、懸濁液または分散液などの液体飲薬の形態で、薬学的に許容される担体または賦形剤と共に経口投与することができる。
【0111】
本発明の塩は、ヒト医学もしくは獣医学で使用される慣習的な坐薬基剤を例えば含有する坐薬、または慣習的なペッサリー基剤を例えば含有するペッサリー剤としても例えば調剤することができる。
【0112】
一態様では、製剤は、吸入を含む局所投与用製剤として提供される。
【0113】
好適な吸入用製剤としては吸入用散剤、噴霧剤ガスを含有する調量エアロゾル剤、または噴霧剤ガスを含まない吸入用溶液剤が挙げられる。活性物質を含有する本開示に係る吸入用散剤は、上述の活性物質のみ、または上述の活性物質と生理学的に許容される賦形剤との混合物からなり得る。
【0114】
これらの吸入用散剤は単糖(例えばグルコースもしくはアラビノース)、二糖(例えばラクトース、サッカロース、マルトース)、オリゴ糖および多糖(例えばデキストラン)、多価アルコール(例えばソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩(例えば塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)またはこれら同士の混合物を含み得る。単糖または二糖が好ましく使用され、ラクトースまたはグルコースの使用は特にそれらの水和物の形態であるがそれに限定されない。
【0115】
肺内での沈着用の粒子は、10ミクロン未満、例えば1〜9ミクロン、好適には0.1〜5μm、特に好ましくは1〜5μmの粒径を必要とする。
【0116】
吸入用エアロゾル剤の調製に使用可能な噴霧剤ガスは当技術分野で公知である。好適な噴霧剤ガスはn-プロパン、n-ブタンまたはイソブタンなどの炭化水素、ならびにメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパンまたはシクロブタンの塩素化および/またはフッ素化誘導体などのハロ炭化水素より選択される。上記噴霧剤ガスはそれ自体でまたはその混合物として使用可能である。
【0117】
特に好適な噴霧剤ガスは、TG11、TG12、TG134aおよびTG227より選択されるハロゲン化アルカン誘導体である。上述のハロゲン化炭化水素のうち、TG134a (1,1,1,2-テトラフルオロエタン)およびTG227 (1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン)ならびにその混合物が、本発明の製剤中での使用に好適である。
【0118】
噴霧剤ガス含有吸入用エアロゾル剤は、共溶媒、安定剤、表面活性薬(界面活性剤)、酸化防止剤、潤滑剤およびpHを調整するための手段などの他の成分を含有してもよい。すべてのこれらの成分は当技術分野で公知である。
【0119】
本発明に係る噴霧剤ガス含有吸入用エアロゾル剤は、最大5重量%の活性物質を含有し得る。本開示に係るエアロゾル剤は、0.002〜5重量%、0.01〜3重量%、0.015〜2重量%、0.1〜2重量%、0.5〜2重量%または0.5〜1重量%の活性物質を例えば含有し得る。
【0120】
本開示の塩は他の治療薬との組み合わせで使用することもできる。したがってさらなる局面では、本開示は、本開示の塩をさらなる治療薬と共に含む組み合わせを提供する。組み合わせは、例えば式(I)の化合物の塩と、バンコマイシン、β-ラクタム(セファロスポリンなどの)、アミノグリコシド、マクロライド、テトラサイクリン、リポペプチド、オキサゾリジノンなどの抗生物質および/またはステロイドなどの抗炎症薬との組み合わせであり得る。組み合わせは、共製剤(co-formulation)として与えることができ、あるいは同時送達または逐次送達用の別々の製剤として単純に一緒に包装することもできる。
【0121】
一つの態様において、本開示の塩は、更なる治療薬と組み合わせて提供される。
【0122】
組み合わせの化合物/塩のすべてを同一経路で投与する必要はないと理解すべきである。したがって、治療薬が2つ以上の有効成分を含む場合、それらの成分を異なる経路で投与することができる。
【0123】
そのような組み合わせの個々の成分は、別々のまたは組み合わせた薬学的製剤として任意の好都合な経路で逐次投与または同時投与することができる。
【0124】
投与が逐次である場合、本開示の塩または第2の治療薬のいずれかを最初に投与することができる。投与が同時である場合、組み合わせを同一のまたは異なる薬学的組成物として投与することができる。
【0125】
上記で言及する組み合わせは、薬学的製剤の形態での使用のために好都合に提示することができ、したがって、上記定義の組み合わせを薬学的に許容される担体または賦形剤と共に含む薬学的製剤は、本開示のさらなる局面を構成する。
【0126】
同一製剤中で組み合わせる場合、2つの化合物/塩は安定でかつ互いにおよび製剤の他の成分と相溶性でなければならないと認識される。別々に調剤する場合、そのような化合物について当技術分野で公知のように任意の好都合な製剤としてそれらを与えることができる。
【0127】
本組成物は0.01〜99%の活性物質を含有し得る。例えば局所投与では、本組成物は0.01〜10%、さらには例えば0.01〜1%の活性物質を一般に含有する。
【0128】
本開示の塩を、同一の疾患状態に対して活性な第2の治療薬との組み合わせで使用する場合、各化合物/塩の用量は、その化合物/塩を単独で使用する場合に使用される用量と同一であっても異なっていてもよい。適切な用量を当業者は容易に認識するであろう。処置における使用に必要な本開示の塩の量が、処置される状態の性質ならびに患者の年齢および状態によって変動し、最終的には付き添いの医師または獣医の裁量であるということも認識されるであろう。
【0129】
典型的には、個々の対象に最も好適な実際の投与量は医師が決定する。任意の特定個人の特定の用量レベルおよび投与頻度は変動し得るものであり、使用する具体的な塩の活性、その塩の代謝安定性および作用時間、年齢、体重、全身の健康、性別、食事、投与様式および投与時間、排泄速度、薬物組み合わせ、特定の状態の重症度、ならびに治療を経る個人を含む種々の要因に依存する。
【0130】
ヒトに対する経口および非経口投与では、薬剤の一日投与量レベルは単一用量または分割用量であり得る。全身投与では、成人のヒトの処置に使用する一日量は2〜100mg/Kg体重、例えば5〜60mg/Kg体重の範囲であり、これを例えば投与経路および患者の状態に応じて1日1〜4用量で投与することができる。組成物が投与単位を含む場合、各単位は100mg〜1gの有効成分を含有することが好ましい。処置期間は、恣意的な日数というよりむしろ応答速度により決定される。
【0131】
一態様では、処置レジメンを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21日間またはそれ以上続ける。
【0132】
先に記載のように、本開示の塩をヒトおよび/または動物の処置または予防に使用することができる。
【0133】
別の局面では、本発明は、治療有効量の本開示の塩と、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤および/または担体とを含む、治療における使用のための、特に抗菌化合物による回復の見込みがある状態のヒト対象または動物対象の処置における使用のための、薬学的組成物を提供する。
【0134】
さらに、本開示の塩または薬学的に許容されるその誘導体と、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤および/または担体とを一緒に混合する工程を含む、薬学的組成物を調製する方法が本開示により提供される。
【0135】
一態様では、本開示の塩は、処置において、例えばグラム陽性菌感染症の処置において有用である。
【0136】
一態様では、本開示の塩は、皮膚感染症、特に細菌による皮膚および軟部組織感染症の処置に有用である。
【0137】
一局面では、本開示の塩は、例えば菌血症、肺炎、および手術創を含む軟部組織の微生物感染症などの微生物感染症、特にMRSA感染症を含むブドウ球菌感染症の処置のための治療における使用に適している。
【0138】
一態様では、本開示の塩は、フェカリス菌(E. faecalis)およびフェシウム菌(E. faecium)感染症を含む腸球菌感染症、例えば皮膚および皮膚構造感染症、心内膜炎、尿路感染症および敗血症の処置に有用である。
【0139】
一態様では、本開示の塩は、化膿性連鎖球菌(S. pyogenes)感染症、例えば膿痂疹、丹毒および蜂巣炎、咽喉感染症、猩紅熱ならびに急性糸球体腎炎などの皮膚感染症の処置に有用である。
【0140】
一態様では、本開示の塩は、肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)感染症、例えば肺炎、急性副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎、菌血症、骨髄炎、化膿性関節炎および心内膜炎の処置に有用でありうる。
【0141】
一局面では、本開示の塩を細菌過剰症候群を制御するために使用する。過剰症候群(BOS)は、上部胃腸管および/または腸の下部における通常は少ない細菌コロニー形成が著しく増加する場合に生じる。
【0142】
一局面では、本開示は、本開示の塩の経口送達によるクロストリジウム ディフィシル(Clostridium difficile)感染症、特にそれに関連する下痢、または本明細書に記載の1つもしくは複数の微生物感染症などの微生物感染症の処置のための治療における本開示の塩の使用を提供する。
【0143】
一局面では、IBS(過敏性腸症候群)の予防、処置または維持のための本開示の塩の使用が提供される。例えばRifaximin Treatment for Symptoms of Irritable Bowel Syndrome. Andrea L. Fumi and Katherine Trexler, The Annals of Pharmacotherap, 2008, 4, 408を参照。
【0144】
一態様では、本開示の塩は潰瘍性大腸炎の処置に有用でありえ、処置はその再発を予防するための予防的処置を含む。本化合物はステロイド不応性潰瘍性大腸炎の処置に特に好適であり得る。例えばsteroid-refractory ulcerative colitis treated with corticosteroids, metronidazole and vancomycin: a case report J. Miner, M. M Gillan, P. Alex, M Centola, BMC Gastroenterology 2005, 5:3を参照。
【0145】
本開示の塩は長期の処置に特に有用でありうる。
【0146】
一局面では、処置または予防、例えば本明細書に記載の徴候のいずれか1つの処置または予防における使用のための、本開示の塩またはそれを含む組成物が提供される。
【0147】
一局面では、上記定義の徴候の1つまたは複数用の医薬の製造のための、本開示の塩またはそれを含む組成物が提供される。
【0148】
一局面では、例えば本明細書に記載の感染症/疾病または疾患の処置のために、治療有効量の本開示の塩またはそれを含有する薬学的組成物を、それを必要とする患者(ヒトまたは動物)に投与する段階を含む、処置方法が提供される。
【0149】
本開示の塩と薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物が提供される。
【0150】
一局面では、処置における使用のための、上記定義の塩、またはそれを含む組成物が提供される。
【0151】
一局面では、抗菌剤としての使用のための、上記定義の塩、またはそれを含む組成物が提供される。
【0152】
MRSAを含む黄色ブドウ球菌、フェカリス菌、フェシウム菌、化膿性連鎖球菌、肺炎連鎖球菌および/またはC. ディフィシル(C. difficile)などの微生物感染症の処置における使用のための、先に記載の塩または組成物も提供される。
【0153】
一局面では、治療有効量の上記定義の塩または組成物を、それを必要とする患者に投与する段階を含む、処置方法が提供される。
【0154】
一局面では、微生物感染症であるMRSAなどの黄色ブドウ球菌感染症、フェカリス菌、化膿性連鎖球菌、肺炎連鎖球菌および/またはC. ディフィシルの処置において使用される、先に記載の処置方法が提供される。
【0155】
本明細書の文脈では「含む(comprising)」は「含む(including)」として解釈すべきである。
【0156】
ある種の要素を含む本発明の局面は、関連性のある要素「からなる」かまたはそれ「から本質的になる」代替的な態様にも及ぶように意図されている。
【0157】
技術的に適切である場合は態様を組み合わせることができ、したがって本開示は、本明細書に示す態様のすべての順列/組み合わせに及ぶ。
【0158】
式(I)の化合物の塩について示される優先性は、技術的に適宜、本明細書に開示される本発明の他の塩にも同等に適用され得る。
【実施例】
【0159】
以下の化合物1では、図示される置換体はC末端を通じてDAB実体に結合しており、したがって図示される具体的な置換基は式(I)の化合物中のC末端修飾に対応する。
【0160】
化合物1:デオキシアクタガルジンB (3,5-ジクロロベンジルアミン)モノカルボキサミド

デオキシアクタガルジンB [DAB] (200mg)、3,5-ジクロロベンジルアミン(38mg)およびジイソプロピルエチルアミン(35μL)を乾燥ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させた。ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP) (84mg)の乾燥DMF (2mL)溶液を小分けして加えた。反応後に分析hplcを行い(表1参照)、出発原料が消費されるまでPyBOPを加えた。
【0161】
(表1)ランチビオティック(例えばアクタガルジン、アクタガルジンBまたはデオキシ-アクタガルジンB)およびジアミノアルカン誘導体化生成物の分離用の分析HPLC条件
カラム: Zorbax 5μ C18(2) 150 x 4.6 mm
移動相A: 20mMリン酸カリウム緩衝液pH 7.0中30%アセトニトリル
移動相B: 20mMリン酸カリウム緩衝液pH 7.0中65%アセトニトリル
流量: 1mL/分
勾配:
時間0分 100% A 0% B
時間10分 0% A 100% B
時間11分 0% A 100% B
時間11.2分 100% A 0% B
サイクル時間 15分
注入容積: 10μL
検出: 210nm
【0162】
粗反応混合物を30%メタノール水溶液に注ぎ、得られた溶液をVarian Bond Elut C18カラム(30g)上に添加した。次にカラムを50%、60%、70%、80%、90%メタノール水溶液で順次洗浄し、所望の材料の大部分は70%画分中に溶出された(図6)。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液ジクロロメタン:エタノール:アンモニア 10:8:1)により、210nmの紫外線による純度90%超の材料を得た。収量107mg(50%)。(M+2H)+2の質量計算値1015.5、実測値1015.57。[M+H+Na]+2の計算値1026、実測値1025.32。
【0163】
表2に記載の条件を使用して試料をLC-MSで分析した。
【0164】
(表2)ランチビオティック(例えばデオキシ-アクタガルジンB)および誘導体化生成物の分析用のLC/MS条件
カラム: Zorbax 5μ C18(2) 150 x 4.6 mm
移動相A: 10%アセトニトリル、0.1%ギ酸
移動相B: 90%アセトニトリル、0.1%ギ酸
流量: 1mL/分
勾配:
時間0分 100% A 0% B
時間10分 0% A 100% B
時間11分 0% A 100% B
時間11.1分 100% A 0% B
サイクル時間 15分
注入容積: 20μL
質量分析計パラメータ
イオン化 エレクトロスプレー+ve
質量範囲 250〜1500mu
キャピラリー電圧 3.10KV
コーン電圧 40V
スキマーレンズオフセット 5V
イオンエネルギー 1.4V
【0165】
実施例1:デオキシアクタガルジンB(3,5-ジクロロベンジルアミン)モノカルボキサミドN-メチルグルカミン塩(実施例1と称す)の調製
化合物1(500mg)をt-ブタノール(250ml)に懸濁させ、すべての固体が溶解するまで懸濁液を45℃で4時間攪拌した。N-メチルグルカミン溶液(1M水溶液、492ul)を加え、混合物をさらに1時間攪拌した。反応混合物を-80℃で瞬間冷凍させた後、材料を終夜凍結乾燥させて白色固体(587mg)を得た。
【0166】
実施例1の抗菌活性
肺炎連鎖球菌以外の感受性試験を、50μg/mL Ca2+を補充したミュラー・ヒントン培地中にて連続2倍希釈で行った。肺炎連鎖球菌の感受性試験を、50μg/mL Ca2+を補充したブレインハートインフュージョン培地中にて連続2倍希釈で行った。




最大6回の決定によるモーダル値
【0167】
マウス菌血症モデルにおける化合物のインビボ有効性
体重24±2gの6匹の雄CD-1(Crl.)由来マウスの群を使用した。5%ムチンを含有するBHI培地0.5mL中のLD90〜100のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌ATCC 33591(1.1x107 CFU/マウス)をマウスに腹腔内(IP)接種した。実施例1およびバンコマイシンを15% HPβCD/4.4%グルコース/0.5mM KH2PO4(pH 5.0)に溶解させ、1、3、5、10および20mg/Kgの用量を皮下(SC)投与して、細菌接種の0、2および24時間後の時点で動物を試験した。投与量は5mL/Kgとした。死亡率を毎日1回、7日間記録した(図1)。各化合物のED50を非線形回帰により決定した。
【0168】
3、5、10および20mg/Kgx3、皮下での実施例1が、マウスにおける黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する有意な抗菌効果に関連することが実証された(少なくとも50%の生存率増加、推定ED50値は1.07mg/Kg)。
【0169】
同時に、3、5、10および20mg/Kgx3、皮下でのバンコマイシンは、マウスにおける黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する有意な抗菌効果を示し、推定ED50値は3.0mg/Kgであった。実施例1を3mg/Kgで処置したマウスは100%の生存率を示した。
【0170】
第2の実験においては、体重24±2gの6匹の雄CD-1(Crl.)由来マウスの群を使用した。5%ムチンを含有するBHI培地0.5mL中のLD90〜100のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌ATCC 33591(1.35x108 CFU/マウス)をマウスに腹腔内(IP)接種した。実施例1を5%ブドウ糖/1.5mMリン酸カリウム(pH 5.0)に溶解させ、1、3、5および10mg/Kgの用量を静脈内(IV)投与して、細菌接種の1および13時間後の時点で動物を試験した。投与量は5mL/Kgとした。死亡率を毎日1回、7日間記録した。
【0171】
バンコマイシンおよび実施例1がいずれも、7日後のマウス生存率の用量依存的増加を示すことが実証された。バンコマイシンでは、0、1、3、5および10mg/kgでの死亡数は5、5、3、1および0であり、一方実施例1では、死亡数はこれらの同一用量で5、5、4、1および1であった。
【0172】
好中球減少マウス大腿部感染モデルにおける化合物の有効性
細菌による組織感染症の処置における本発明の化合物のインビボ有効性を、好中球減少マウス大腿部モデルを使用して評価した。
【0173】
体重24±2gの6匹の雄ICRマウスの群を使用した。シクロホスファミドの2回の腹腔内注射によって試験動物を免疫抑制し、1回目は感染4日前(-4日目)に150mg/Kg、2回目は感染1日前(-1日目)に100mg/Kgとした。0日目、滅菌PBS(pH 7.4)100μLに懸濁したメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA、ATCC 33591)1.15x105 CFU/マウスを、個々の動物に、試験動物の右大腿部に筋肉内(IM)接種した。大腿部感染の2時間後および14時間後に用量6mL/Kgで、媒体および試験物質を静脈内(IV)投与した。実施例1およびバンコマイシンを、15%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン/4.4%グルコース/1.5mMリン酸カリウム緩衝液(pH 7.0)に溶解させ、用量5、10、20、30および40mg/Kgで投与した。接種の26時間後、各試験マウスの右大腿部の筋肉を収集した。処置なしの別の群より、接種の2時間後に右大腿部の筋肉を、基礎CFUの決定のために収集した。次に取り出した筋肉組織をPBS(pH 7.4)3〜4mL中でセラミック乳鉢を用いて均質化した。0.1mLのホモジネートを連続10倍希釈に使用し、CFU決定のために1.5% Bacto寒天中ミュラー・ヒントン培地上にプレーティングした。
【0174】
5、10、20、30および40mg/Kgx2で静脈内投与した実施例1は、10mg/kg以上で1000倍を超えるCFU/gの減少をもたらす有意な抗菌効果に関連することが実証された。同時に、バンコマイシンも30mg/kg以上で100倍を超えるCFU/gの減少を伴う有意な抗菌効果を示したが、実施例1について観察された1000倍を超える減少には達しなかった。結果(平均cfu/g)を図2に図示する。
【0175】
さらなる実験において、体重24±2gの6匹の雄ICRマウスの群を使用した。シクロホスファミドの2回の腹腔内注射によって試験動物を免疫抑制し、1回目は感染4日前(-4日目)に150mg/Kg、2回目は感染1日前(-1日目)に100mg/Kgとした。0日目、滅菌PBS(pH 7.4)100μLに懸濁したメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA、ATCC 33591)1.5x105 CFU/マウスを、個々の動物に、試験動物の右大腿部に筋肉内(IM)接種した。大腿部感染の2時間後および14時間後に用量8mL/Kgで、媒体および試験物質を静脈内(IV)投与した。実施例1を5%ブドウ糖/1mMリン酸カリウム(pH 5.0)に溶解させ、2.5、5、10、15、25および50mg/Kgの用量で投与した。接種の26時間後、各試験マウスの右大腿部の筋肉を収集した。処置なしの別の群より、接種の2時間後に右大腿部の筋肉を、基礎CFUの決定のために収集した。次に取り出した筋肉組織をPBS (pH 7.4) 3〜4mL中でセラミック乳鉢を用いて均質化した。0.1mLのホモジネートを連続10倍希釈に使用し、CFU決定のために1.5% Bacto寒天中ミュラー・ヒントン培地上にプレーティングした。
【0176】
実施例1およびバンコマイシンはいずれも、大腿組織中の細菌数の用量依存的減少を示した(図3)。
【0177】
マウスにおける本発明の化合物のインビボ血漿中半減期
マウスにおける化合物1のインビボ半減期を、静脈内投与後の様々な時点でのその血漿中濃度の測定によって決定した。18匹の7〜9週齢の雄CD-1マウスに、15%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン/4.4%グルコース/1mMリン酸カリウム(pH=7.6)中、実施例1の3.2mg/mL溶液を、用量9.3mL/Kgで静脈内投与した。血漿試料を、投与後10、20、30、60、120および240分の時点に、各時点で3匹の動物より試料採取することで得た。血漿中の化合物1の濃度をLC-MS定量化によって決定した。
【0178】
図4に要約するデータは、化合物1がマウスにおいて約2時間の血漿中半減期を有することを示す。
【0179】
溶解度
実施例1(10mg)をWFI(注射用水1または2mL)に溶解させた。溶液をMillex GP 0.2μmフィルターを通じて濾過した。
【0180】
実施例1のWFI中、5mg/mLおよび10mg/mL溶液のpHはおよそpH 8.5〜9.2の範囲であった。
【0181】
0.5〜1.5mMリン酸カリウム緩衝液(pH 5.0)を使用して、実施例1の5mg/mLおよび10mg/mL溶液のpHをpH 8.0〜8.5の範囲に緩衝させることができる。
【0182】
化合物1のN-メチルグルカミン塩は10mg/mLを超える溶解度を有する。
【0183】
化合物1のN-エチルグルカミン塩は10mg/mLを超える溶解度を有する。
【0184】
化合物1のエタノールアミン塩は10mg/mLを超える溶解度を有する。
【0185】
化合物1のジエタノールアミン塩は5mg/mLを超える溶解度を有する。
【0186】
以下は、固体の定性的溶解度評価の結果の表である。
【0187】
(表3)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:

の塩であって、
式中、
R1と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってアミノ酸残基となり;
R2と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってアミノ酸残基となり;かつ
pが、0または1であり、
少なくとも1個のヒドロキシル基をその中に含む低分子有機アミンで形成される、塩。
【請求項2】
pが1である、請求項1記載の塩。
【請求項3】
R1と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってロイシンまたはバリンとなる、請求項1または2のいずれか一項記載の塩。
【請求項4】
R2と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってイソロイシンまたはバリンとなる、請求項1〜3のいずれか一項記載の塩。
【請求項5】
R1と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってバリンとなり、R2と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってイソロイシンとなる、請求項1〜2のいずれか一項記載の塩。
【請求項6】
R1と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってロイシンとなり、R2と、それが結合している炭素ならびにα-窒素およびα-カルボニルとが一緒になってバリンとなる、請求項1〜2のいずれか一項記載の塩。
【請求項7】
前記化合物が下記式:

を有する、請求項1記載の塩。
【請求項8】
塩を形成する際の化合物が有機アミンである、請求項1〜7のいずれか一項記載の塩。
【請求項9】
前記化合物が10% w/w以下、例えば5% w/w以下、例えば4% w/w以下、特に3% w/w以下の水を含む、請求項1〜8のいずれか一項記載の塩。
【請求項10】
5% w/w以下、例えば4% w/w以下、例えば3% w/w以下、特に2% w/w以下のt-ブタノールを含む、請求項1〜9のいずれか一項記載の塩。
【請求項11】
塩を形成する際の有機アミン化合物が、6個以下の炭素原子を含む、請求項8記載の塩。
【請求項12】
有機アミンが1個、2個、3個、4個または5個のヒドロキシル基を含む、請求項8〜11のいずれか一項記載の塩。
【請求項13】
少なくとも、塩を形成する際の出発原料において、有機アミン中のヒドロキシルがその中のカルボニルに結合して酸を形成する、請求項12記載の塩。
【請求項14】
有機アミンがN-メチルグルカミンまたはN-エチルグルカミンなどのグルカミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびアルギニンより選択される、請求項12〜13のいずれか一項記載の塩。
【請求項15】
有機アミンがグルカミン、例えばN-メチルグルカミンまたはN-エチルグルカミンである、請求項14記載の塩。
【請求項16】
有機アミンがN-メチルグルカミンである、請求項14記載の塩。
【請求項17】
有機アミンがN-エチルグルカミンである、請求項14記載の塩。
【請求項18】
有機アミンがエタノールアミンである、請求項14記載の塩。
【請求項19】
有機アミンがアルギニンである、請求項14記載の塩。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一項記載の塩の、水和物などの溶媒和物。
【請求項21】
(a) 親化合物を好適な溶媒に、適量の塩形成パートナーの存在下で溶解させる工程; および
(b) 工程(a)の生成物を凍結乾燥させる工程; または
(c) 溶媒を蒸発させる工程
を含む、請求項1〜20のいずれか一項記載の塩を生成するための方法。
【請求項22】
前記溶媒がt-ブタノールおよび/またはDMSOである、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記溶媒がt-ブタノールおよび水である、請求項21記載の方法。
【請求項24】
塩形成パートナーが1〜2当量として与えられる、請求項21〜23のいずれか一項記載の方法。
【請求項25】
請求項21における工程(a)の溶液を1つまたは複数の賦形剤と共に噴霧乾燥させることによって、塩と賦形剤との凝集物である粒子を得る、方法。
【請求項26】
治療有効量の請求項1〜19のいずれか一項記載の塩と、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤および/または担体とを含む、薬学的組成物。
【請求項27】
治療における使用のための、特に抗菌化合物による回復の見込みがある状態のヒトまたは動物対象の処置における使用のための、請求項26記載の薬学的組成物。
【請求項28】
請求項1〜19のいずれか一項記載の塩と、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤および/または担体とを一緒に混合する工程を含む、請求項26または27記載の薬学的組成物を調製するための方法。
【請求項29】
さらなる治療薬と組み合わせた、請求項1〜19、26または27のいずれか一項記載の塩または薬学的組成物。
【請求項30】
処置または予防における使用のための、請求項1〜19、26、27または29のいずれか一項記載の塩または薬学的組成物。
【請求項31】
医薬の製造のための、請求項1〜19、26、27または29のいずれか一項記載の塩または薬学的組成物。
【請求項32】
治療有効量の請求項1〜19、26、27または29のいずれか一項記載の塩または薬学的組成物を、それを必要とする患者(ヒトまたは動物)に投与する段階を含む、処置方法。
【請求項33】
皮膚感染症、特に細菌による皮膚および軟部組織感染症の処置における使用のための、請求項1〜19、26、27または29のいずれか一項記載の塩または薬学的組成物。
【請求項34】
グラム陽性微生物感染症の処置における使用のための、請求項1〜19、26、27または29のいずれか一項記載の塩または薬学的組成物。
【請求項35】
MRSAを含む黄色ブドウ球菌(S. aureus)、フェカリス菌(E. faecalis)、フェシウム菌(E. faecium)、化膿性連鎖球菌(S. pyogenes)、肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)および/またはC. ディフィシル(C. difficile)などの微生物感染症の処置における使用のための、請求項34記載の塩または薬学的組成物。
【請求項36】
黄色ブドウ球菌の処置における使用のための、請求項35記載の塩または薬学的組成物。
【請求項37】
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の処置における使用のための、請求項36記載の塩または薬学的組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−518867(P2013−518867A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551673(P2012−551673)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【国際出願番号】PCT/GB2011/000133
【国際公開番号】WO2011/095768
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(508215762)ノヴァクタ バイオシステムズ リミティッド (6)
【Fターム(参考)】