ランドリモニタ
【課題】作業台から搬送部へ効率よく作業服も含む衣類等を供給するようにして、搬送効率を向上させたランドリモニタを提供する。
【解決手段】衣類等を折り畳むための作業台1、作業台に隣接して配置される衣類等の搬送部110、および衣類等の放射線検出部を備えたランドリモニタであって、作業台1は、衣類等のうち作業服の脚部を搬送部110から下側へ垂れ下げるための隙間(切り欠き)5を、搬送部110と作業台1との間であって作業台1の両側に備え、作業服の脚部を隙間(切り欠き)5を介して搬送部110から下側へ垂れ下げることで作業台1の作業空間を確保するようなランドリモニタとした。
【解決手段】衣類等を折り畳むための作業台1、作業台に隣接して配置される衣類等の搬送部110、および衣類等の放射線検出部を備えたランドリモニタであって、作業台1は、衣類等のうち作業服の脚部を搬送部110から下側へ垂れ下げるための隙間(切り欠き)5を、搬送部110と作業台1との間であって作業台1の両側に備え、作業服の脚部を隙間(切り欠き)5を介して搬送部110から下側へ垂れ下げることで作業台1の作業空間を確保するようなランドリモニタとした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、原子力発電所等の放射性物質取扱施設において作業した業務従事者が着用した衣類等の放射性物質による汚染(放射能汚染)を除去するための洗濯(除染)を完了した後に、除染済みの衣類等の放射能汚染の有無を検査し且つその検査結果によって衣類等を仕分けるランドリモニタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術のランドリモニタについて図を参照しつつ説明する。図10は従来技術のランドリモニタの内部構造を示す側断面図、図11は従来技術のランドリモニタの外観を示す斜視図、図12は操作パネルの説明図である。
ランドリモニタ2000は、図10で示すように、モニタ本体10と、除染済みの衣類等を載せて折り畳むための作業台20を備えるものであり、上述したように、放射性物質取扱施設で作業した業務従事者が着用した衣類等の一例である作業服30が、除染後この作業台20上で折り畳まれてモニタ本体10内へ搬送され、その放射能汚染の有無を検査する装置である。
【0003】
モニタ本体10は、外観上は図11で示すように、被検物を搬送するための搬送部110と、装置を操作するためのスイッチ類や表示器等を備えた操作パネル120と、メンテナンス時に開けられるメンテナンス扉130と、「挿入可」表示灯140と、音声発生部150と、不図示の表示灯付き運用モード切換スイッチが収納される運用モードスイッチ収納部160と、プリンタ170と、非常停止スイッチ180と、が設けられている。
そして、ランドリモニタ100の内部構造では、図10で示すように、さらに制御部190と、作業服30からの放射線を検出する放射線検出部200と、を備えている。
【0004】
このうち搬送部110は、不図示の駆動用モータやモータの動力を伝える駆動伝達ベルトと、駆動伝達ベルトに駆動される下側駆動ローラ111および上側駆動ローラ112と、これら下側駆動ローラ111および上側駆動ローラ112でそれぞれに駆動されるゴム製の下側ベルト113および上側ベルト114と、これらの下側ベルト113および上側ベルト114に適当な張力を付与する上下それぞれ不図示のテンションローラおよび不図示のテンション調節機構と、搬送される作業服30の位置を検知する入口側光電センサ115および出口側光電センサ116と、で構成されている。
【0005】
下側駆動ローラ111および上側駆動ローラ112は、下側ベルト113および上側ベルト114が弛むことを避けるために、衣類等を搬送する部分の出口側に配置されて、下側ベルト113および上側ベルト114をそれぞれに引っ張っている。なお、作業服30が搬送される部分の下側ベルト113の下側には不図示の搬送部ガイド板が配備されている。
搬送部110では、下側駆動ローラ111および上側駆動ローラ112と、複数の固定位置ローラと、テンションローラと、被検物保持搬送部材である下側ベルト113および上側ベルト114とが、下上それぞれのコンベアを構成している。入口側光電センサ115および出口側光電センサ116は、それぞれ投光器および受光器からなる。例えば上側が投光器で下側が受光器というものである。
【0006】
放射線検出部200は、プラスチックシンチレータ検出器201と、これを囲む鉛シールド202と、不図示の信号処理回路とで構成されている。
「挿入可」表示灯140は、被検物たる作業服30の装置内部滞留等の異常がない場合に点灯され、業務従事者が作業服30を作業台20の上に載せて下側ベルト113で構成されるコンベアへ挿入すると、音声発生部150が「ピンポン」という音を発生する。挿入された作業服30は、操作パネル120の測定開始ボタンの操作によって搬送され、放射線検出部200で放射能汚染の有無を検査され、その検査結果によって仕分けられる。検査結果や設定値等はプリンタ170で印刷される。また、運用モードスイッチ収納部160に収納される不図示の表示灯付き運用モード切換スイッチによって、運用モードが、通常測定用の自動モード、線源を用いた放射線検出器の校正時等に適用される校正モード、またはメンテナンス時に適用される手動モードに切り替えられる。
【0007】
操作パネル120は、図12で示すように、故障および異常が復旧した後に警報をリセットする警報リセットスイッチ、測定を開始させる測定開始スイッチ、測定を終了させる測定終了スイッチ、という操作部スイッチ121、不良品を払い出すための不良品払出スイッチ122、非常停止するための非常停止スイッチ123、機器の故障や異常等の各種情報を表示するLCDによる操作表示器124を備える。また、図示しないが測定した衣類等の枚数をカウントするカウンタをリセットするカウンタリセットスイッチ等も備えている。
これら搬送部110、操作パネル120と、「挿入可」表示灯140と、音声発生部150と、不図示の表示灯付き運用モード切換スイッチと、プリンタ170と、非常停止スイッチ180と、放射線検出部200はいずれも制御部190に接続され、この制御部190により随時制御や情報処理がなされ、一連の処理を行うようになされている。
【0008】
また、この種のランドリモニタに係る従来技術としては、例えば、特許文献1(特開2005−134297号公報,発明の名称:ランドリモニタ)に記載のランドリモニタなども知られている。
【0009】
【特許文献1】特開2005−134297号公報(図3,図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来技術のランドリモニタ2000では、図10にも図示しているように、作業服30が搬送されている途中でも作業台20上に作業服30が載っており、この場合は作業台20上で作業をすることができなかった。したがって、作業台20から搬送部110へ作業服30を供給する際に、作業服30がモニタ本体10内へ完全に搬送されてから直ちに次の作業服30を作業台20上で折り畳んで搬送部110へ搬送するというものであり、作業服30が作業台20に載っているため作業台20を使用できない時間が長い、つまり作業台20を使える時間はわずかしかなく、作業服30を折り畳む時間が少ないという問題があった。この問題は長尺(人の身長程度の長さ)である作業服30では特に顕著であった。
さらに、このような問題は特許文献1に記載のランドリモニタの折りたたみ式テーブル(特許文献1の図3参照)でも同様に起こりうる問題であって、何らかの対策が必要であった。
【0011】
そこで、本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業台から搬送部へ効率よく作業服も含む衣類等を供給するようにして、搬送効率を向上させたランドリモニタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明のランドリモニタは、
原子力発電所等の放射性物質取扱施設において作業した業務従事者が着用した衣類等を洗濯して汚れを除去した除染済みの衣類等の放射能汚染の有無を検査するために、衣類等を折り畳むための作業台、作業台に隣接して配置される衣類等の搬送部、および衣類等の放射線検出部を備えたランドリモニタであって、
作業台は、衣類等のうち作業服の脚部を搬送部から下側へ垂れ下げるための隙間を、搬送部と作業台との間であって作業台の両側に備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る発明のランドリモニタは、
請求項1に記載のランドリモニタにおいて、
前記作業台は、切り欠きにより隙間が形成された作業板と、作業板の隙間に着脱可能な補助板と、を備え、補助板を取り付けて隙間を埋めることで作業面積を拡げた作業台とし、補助板を取り外すことで隙間を形成して作業服用の作業台とすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る発明のランドリモニタは、
請求項2に記載のランドリモニタにおいて、
前記作業板に対して前記補助板を開閉可能にする蝶番と、
前記作業板に対して前記補助板を一定位置に保持する保持部と、
を備え、
前記作業台は、前記作業板に対して前記補助板が閉じられて作業台の作業面積が拡げられ、また、前記作業板に対して前記補助板が開かれて前記隙間が形成されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項4に係る発明のランドリモニタは、
請求項2に記載のランドリモニタにおいて、
前記作業板に固定される被接続部と、
前記補助板に固定されるものであって、前記作業板の被接続部に接続される接続部と、
を備え、
前記作業台は、前記作業板に対して前記補助板が取り付けられて作業台の作業面積が拡げられ、また、前記作業板に対して前記補助板が取り外されて前記隙間が形成されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項5に係る発明のランドリモニタは、
請求項3または請求項4に記載のランドリモニタにおいて、
四角形の二隅を三角形で切り欠いた形状とした作業板および三角形の補助板とすることで四角形の作業台とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上のような本発明によれば、作業台から搬送部へ効率よく作業服も含む衣類等を供給するようにして、搬送効率を向上させたランドリモニタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
続いて、本発明を実施するための最良の形態について、図を参照しつつ説明する。まず、第1の形態について説明する。図1は本形態のランドリモニタの説明図、図2は作業台と搬送部との説明図、図3はランドリモニタへの作業服の搬入の説明図であり、図4は作業服と作業台との関係の説明図、図5は作業台から搬送部への作業服供給の効率向上についての説明である。
【0019】
ランドリモニタ1000は、図1で示すように、モニタ本体10、除染済みの衣類等を載せて装置内へ送り込むための作業台1を備えるものであり、上述したように、放射性物質取扱施設で作業した業務従事者が着用した衣類等の一例である作業服30が除染後にこの作業台1上で折り畳まれ、モニタ本体10内へ搬送されてその放射能汚染の有無を検査する装置である。
【0020】
モニタ本体10は、外観上は図1で示すように、搬送部110と、操作パネル120と、メンテナンス扉130と、「挿入可」表示灯140と、音声発生部150と、不図示の表示灯付き運用モード切換スイッチが収納される運用モードスイッチ収納部160と、プリンタ170と、非常停止スイッチ180と、が設けられている。
そして、ランドリモニタ1000の内部構造では、さらに制御部190と、放射線検出部200と、を備えている。モニタ本体10およびモニタ本体10が備える構成は、先に図10,図11,図12に記載されたモニタ本体10およびモニタ本体10が備える上記構成と同じであり、同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
【0021】
続いて本発明の特徴をなす作業台1について説明する。
作業台1は、図1,図2で示すように、作業板2、脚部3、固定部4、隙間(切り欠き)5を備えており、衣類等のうち作業服30の脚部31を搬送部110から下側へ垂れ下げるため、搬送部110と作業台1との間であって作業台1の両側に隙間(切り欠き)5を設けている。
作業板2は、四角形のうち二隅を切り欠いて隙間(切り欠き)5を形成し、平面から視て搬送部110側の台形と、また、反対側の四角形と、を組み合わせたような形状となっている。
脚部3は、二本設けられる。なお、脚部3の代わりに各種の支持部を採用しても良い。
固定部4は、搬送部110の搬入口で作業台1を固定する。なお、固定部4は作業台1を搬送部110の入口に固定する各種構成を採用できる。
隙間(切り欠き)5は、図2のように三角形の隙間としている。隙間(切り欠き)5は搬送部110へ近づくにつれて広くなるように形成され、搬送部110の近くでは作業服30の脚部31が無理なく垂れ下がる程度に充分な広さとしている。
【0022】
続いて、作業服30の搬送について説明する。この際、作業服30を作業台1上で折り畳んで、搬送部110に載せてある程度搬送させる。そして、脚部31のみが作業台1上に載っているような状態になったとき、図3,図4で示すように脚部31を隙間(切り欠き)5へ入れて折り曲げ部32を形成し、脚部31が下側へ垂れ下がるようにするとともに作業台1の上を空ける。これにより、作業着30がモニタ本体10内へ搬送される途中であっても作業台1が空いて次の作業着30を折り畳むことができるようになり、作業服30の脚部31がモニタ本体10内へ完全に搬送された直後に直ちに次の作業着30をモニタ本体10内に搬送させ、作業効率を高めることができる。
【0023】
続いて、従来技術と比較して効率向上を説明する。図5の従来方式において、例えば作業服30を搬送部110へ載置してから作業服30の全体が搬送部110内に搬入されるまで、約10秒要している。そして作業台があくまで8秒要するため、作業台1が空いてから2秒以内に作業服30を折りたたみ、この作業服30を搬送部110へ送る必要があった。しかしながら、2秒で作業服30を折りたたむことは熟練した作業員でも極めて困難な作業であり、搬送部110へ搬送されない期間が発生していた。このような未搬送の期間が累積していくと作業効率が悪いため、未搬送の期間を短縮する必要があった。
【0024】
一方、本発明による新方式では、作業服30を搬送部110へ載置してから作業服30の全体が搬送部110内に搬入されるまで、約10秒要する点は変わらないが、作業服30を搬送部110へ載置してから約4秒後に作業服30の脚部31を両サイドの隙間(切り欠き)5へ移動させて下側に落としているため、作業台1を空けている。そして作業台1上で約4秒間にわたり作業服30の折り畳み作業を行えるようになる。約4秒(従来方式の二倍の作業時間)で作業服30の折り畳みを完了させることは熟練していない作業員でも可能であり、比較的容易な作業である。そして作業服30の全体が搬送部110内に搬入された約10秒後に直ちに作業服30を搬送部110へ送ることが可能となる。このように本発明による新方式の搬送作業では、搬送部110への搬送終了後に直ちに次の作業服30を搬送できるというものであり、作業台1から搬送部110へ効率よく、作業服も含む衣類等を供給できるようなランドリモニタ1000を実現した。
【0025】
続いて、第2の形態について、図を参照しつつ説明する。図6は他の形態のランドリモニタの説明図、図7は作業台と搬送部の説明図である。
本形態のランドリモニタ1000は、図6で示すように、モニタ本体10、作業台1’を備えるものであり、先に説明した作業台1を改良したものである。モニタ本体10およびモニタ本体10が備える構成は、先に図10,図11,図12に記載されたモニタ本体10およびモニタ本体10が備える上記構成と同じであり、同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
【0026】
続いて本発明の特徴をなす作業台1’について説明する。
作業台1’は、図7で示すように、作業板2、脚部3、固定部4、補助板6、蝶番7、保持部(不図示)を備えている。先の形態の図2の作業台1に加え、補助板6、蝶番7、保持部(不図示)を追加した点が相違する。ここでは特に相違点について説明するとともに上記の構成については同じ符号を付して重複する説明を省略する。
【0027】
補助板6は、平面から視て隙間(切り欠き)5の形状(三角形)と同じ形状(三角形)の板である。
蝶番7は作業板2に対して補助板6を開閉させる機能を有する。補助板6を下降させると図2,図6で示すように、隙間(切り欠き)5が形成される。そして補助板6を上昇させると図6,図7で示すように、隙間(切り欠き)5が埋められて通常の四角形の作業板となる。補助板6を上昇させたときに保持部(不図示)により、補助板6を上昇させた位置で保持するようになされている。この保持部(不図示)は各種構成を採用することができる。
【0028】
このような作業台1’において、作業服30に対する除染のモニタリングを行う場合は、補助板6を下降させることで、先に図1〜図5を用いて説明した作業台1と同様の作業台1’を形成し、作業台1’から搬送部110へ効率よく作業服30を供給できるようになる。
また、作業服30以外の帽子・靴下・布・下着・手袋という通常の衣類に対する除染のモニタリングを行う場合は、ある衣類の搬送開始から次の衣類の搬送開始まで時間を要しないため、むしろ作業板2と補助板6とが水平になるように補助板6を上昇させて作業台1’を広くしており、例えば、多量の衣類等を作業台1’へ載せておけば衣類等を順次搬送できるというものであり、やはり作業効率を向上させている。このように本発明による新方式の搬送作業では、搬送部110への搬送終了後に直ちに次の作業服30や他の衣類(衣類等)を搬送できるというものであり、作業台1’から搬送部110へ効率よく衣類等を供給できるようにしたランドリモニタを実現した。
【0029】
続いて、第3の形態について、図を参照しつつ説明する。図8は他の形態のランドリモニタの説明図、図9は作業台と搬送部の説明図である。
本形態ではランドリモニタ1000は、図8で示すように、モニタ本体10、作業台1”を備えるものである。モニタ本体10およびモニタ本体10が備える構成は、先に図10,図11,図12に記載されたモニタ本体10およびモニタ本体10が備える上記構成と同じであり、同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
【0030】
続いて本発明の特徴をなす作業台1”について説明する。
作業台1”は、図9で示すように、作業板2、脚部3、固定部4、補助板6、差し込みピン8、受け孔9を備えている。先の図1,図2で示した形態の作業台1に加え、補助板6、差し込みピン8、受け孔9を追加した点が相違する。ここでは特に相違点について説明するとともに上記の構成については同じ符号を付して重複する説明を省略する。
【0031】
補助板6は、平面から視て隙間(切り欠き)5と同じ形状(三角形)の板である。
差し込みピン8は、補助板6に固定されている2本のピンである。この差し込みピン8は、補助板6に固定される接続部である。
受け孔9は、作業板2に形成されている2個の孔部である。この受け孔9は、作業板2に固定され、補助板6の接続部に接続される被接続部である。
補助板6の差し込みピン8を作業板2の受け孔9に差し込みつつ、補助板6を作業板2に取り付ける。なお、保持部(不図示)も設け、補助板6を作業板2に保持するようにしても良い。この保持部(不図示)は各種構成を採用することができる。このような作業台1”では、補助板6を取り外すと図2,図8で示すように、隙間(切り欠き)5が形成される。そして補助板6を取り付けると図8,図9で示すように、隙間(切り欠き)5が埋められて通常の四角形の作業台1”となる。
【0032】
このような作業台1”において作業服30に対する除染のモニタリングを行う場合は、補助板6を取り外すことで、先に図1〜図5を用いて説明した作業台1と同様に作業台1”から搬送部110へ効率よく作業服を供給できるようになる。
また、作業服30以外の帽子・靴下・布・下着・手袋という通常の衣類に対する除染のモニタリングを行う場合は、ある衣類の搬送開始から次の衣類の搬送開始まで時間を要しないため、むしろ補助板6を取り付けて作業板2と補助板6とで作業台1”を広くしており、例えば、多量の衣類等を作業台1”へ載せておけば衣類等を順次搬送できるというものであり、やはり作業効率を向上させている。このように本発明により新方式の搬送作業では、搬送部110への搬送終了後に直ちに次の作業服30や他の衣類(衣類等)を搬送できるというものであり、作業台1”から搬送部110へ効率よく衣類等を供給できるようにしたランドリモニタ1000を実現した。
【0033】
以上、本発明について説明した。本発明のランドリモニタにより、作業服や、作業服以外の衣類について、共に作業台から搬送部へ効率よく衣類等を供給できるようにし、作業効率も高めたランドリモニタとした。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明を実施するための最良の形態のランドリモニタの説明図である。
【図2】作業台と搬送部との説明図である。
【図3】ランドリモニタへの作業服の搬入の説明図である。
【図4】作業服と作業台との関係の説明図である。
【図5】作業台から搬送部への作業服供給の効率向上についての説明である。
【図6】他の形態のランドリモニタの説明図である。
【図7】作業台と搬送部の説明図である。
【図8】他の形態のランドリモニタの説明図である。
【図9】作業台と搬送部の説明図である。
【図10】従来技術のランドリモニタの内部構造を示す側断面図である。
【図11】従来技術のランドリモニタの外観を示す斜視図である。
【図12】操作パネルの説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1000:ランドリモニタ
1,1’,1”:作業台
2:作業板
3:脚部
4:固定部
5:隙間(切り欠き)
6:補助板
7:蝶番
8:差し込みピン
9:受け孔
10:モニタ本体
110:搬送部
111:下側駆動ローラ
112:上側駆動ローラ
113:下側ベルト
114:上側ベルト
115:入口側光電センサ
116:出口側光電センサ
120:操作パネル
121:操作部スイッチ
122:不良品払出スイッチ
123:非常停止スイッチ
124:操作表示器
130:メンテナンス扉
140:「挿入可」表示灯
150:音声発生部
160:運用モードスイッチ収納部
170:プリンタ
180:非常停止スイッチ
190:制御部
200:放射線検出部
201:プラスチックシンチレータ検出器
202:鉛シールド
【技術分野】
【0001】
この発明は、原子力発電所等の放射性物質取扱施設において作業した業務従事者が着用した衣類等の放射性物質による汚染(放射能汚染)を除去するための洗濯(除染)を完了した後に、除染済みの衣類等の放射能汚染の有無を検査し且つその検査結果によって衣類等を仕分けるランドリモニタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術のランドリモニタについて図を参照しつつ説明する。図10は従来技術のランドリモニタの内部構造を示す側断面図、図11は従来技術のランドリモニタの外観を示す斜視図、図12は操作パネルの説明図である。
ランドリモニタ2000は、図10で示すように、モニタ本体10と、除染済みの衣類等を載せて折り畳むための作業台20を備えるものであり、上述したように、放射性物質取扱施設で作業した業務従事者が着用した衣類等の一例である作業服30が、除染後この作業台20上で折り畳まれてモニタ本体10内へ搬送され、その放射能汚染の有無を検査する装置である。
【0003】
モニタ本体10は、外観上は図11で示すように、被検物を搬送するための搬送部110と、装置を操作するためのスイッチ類や表示器等を備えた操作パネル120と、メンテナンス時に開けられるメンテナンス扉130と、「挿入可」表示灯140と、音声発生部150と、不図示の表示灯付き運用モード切換スイッチが収納される運用モードスイッチ収納部160と、プリンタ170と、非常停止スイッチ180と、が設けられている。
そして、ランドリモニタ100の内部構造では、図10で示すように、さらに制御部190と、作業服30からの放射線を検出する放射線検出部200と、を備えている。
【0004】
このうち搬送部110は、不図示の駆動用モータやモータの動力を伝える駆動伝達ベルトと、駆動伝達ベルトに駆動される下側駆動ローラ111および上側駆動ローラ112と、これら下側駆動ローラ111および上側駆動ローラ112でそれぞれに駆動されるゴム製の下側ベルト113および上側ベルト114と、これらの下側ベルト113および上側ベルト114に適当な張力を付与する上下それぞれ不図示のテンションローラおよび不図示のテンション調節機構と、搬送される作業服30の位置を検知する入口側光電センサ115および出口側光電センサ116と、で構成されている。
【0005】
下側駆動ローラ111および上側駆動ローラ112は、下側ベルト113および上側ベルト114が弛むことを避けるために、衣類等を搬送する部分の出口側に配置されて、下側ベルト113および上側ベルト114をそれぞれに引っ張っている。なお、作業服30が搬送される部分の下側ベルト113の下側には不図示の搬送部ガイド板が配備されている。
搬送部110では、下側駆動ローラ111および上側駆動ローラ112と、複数の固定位置ローラと、テンションローラと、被検物保持搬送部材である下側ベルト113および上側ベルト114とが、下上それぞれのコンベアを構成している。入口側光電センサ115および出口側光電センサ116は、それぞれ投光器および受光器からなる。例えば上側が投光器で下側が受光器というものである。
【0006】
放射線検出部200は、プラスチックシンチレータ検出器201と、これを囲む鉛シールド202と、不図示の信号処理回路とで構成されている。
「挿入可」表示灯140は、被検物たる作業服30の装置内部滞留等の異常がない場合に点灯され、業務従事者が作業服30を作業台20の上に載せて下側ベルト113で構成されるコンベアへ挿入すると、音声発生部150が「ピンポン」という音を発生する。挿入された作業服30は、操作パネル120の測定開始ボタンの操作によって搬送され、放射線検出部200で放射能汚染の有無を検査され、その検査結果によって仕分けられる。検査結果や設定値等はプリンタ170で印刷される。また、運用モードスイッチ収納部160に収納される不図示の表示灯付き運用モード切換スイッチによって、運用モードが、通常測定用の自動モード、線源を用いた放射線検出器の校正時等に適用される校正モード、またはメンテナンス時に適用される手動モードに切り替えられる。
【0007】
操作パネル120は、図12で示すように、故障および異常が復旧した後に警報をリセットする警報リセットスイッチ、測定を開始させる測定開始スイッチ、測定を終了させる測定終了スイッチ、という操作部スイッチ121、不良品を払い出すための不良品払出スイッチ122、非常停止するための非常停止スイッチ123、機器の故障や異常等の各種情報を表示するLCDによる操作表示器124を備える。また、図示しないが測定した衣類等の枚数をカウントするカウンタをリセットするカウンタリセットスイッチ等も備えている。
これら搬送部110、操作パネル120と、「挿入可」表示灯140と、音声発生部150と、不図示の表示灯付き運用モード切換スイッチと、プリンタ170と、非常停止スイッチ180と、放射線検出部200はいずれも制御部190に接続され、この制御部190により随時制御や情報処理がなされ、一連の処理を行うようになされている。
【0008】
また、この種のランドリモニタに係る従来技術としては、例えば、特許文献1(特開2005−134297号公報,発明の名称:ランドリモニタ)に記載のランドリモニタなども知られている。
【0009】
【特許文献1】特開2005−134297号公報(図3,図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来技術のランドリモニタ2000では、図10にも図示しているように、作業服30が搬送されている途中でも作業台20上に作業服30が載っており、この場合は作業台20上で作業をすることができなかった。したがって、作業台20から搬送部110へ作業服30を供給する際に、作業服30がモニタ本体10内へ完全に搬送されてから直ちに次の作業服30を作業台20上で折り畳んで搬送部110へ搬送するというものであり、作業服30が作業台20に載っているため作業台20を使用できない時間が長い、つまり作業台20を使える時間はわずかしかなく、作業服30を折り畳む時間が少ないという問題があった。この問題は長尺(人の身長程度の長さ)である作業服30では特に顕著であった。
さらに、このような問題は特許文献1に記載のランドリモニタの折りたたみ式テーブル(特許文献1の図3参照)でも同様に起こりうる問題であって、何らかの対策が必要であった。
【0011】
そこで、本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業台から搬送部へ効率よく作業服も含む衣類等を供給するようにして、搬送効率を向上させたランドリモニタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明のランドリモニタは、
原子力発電所等の放射性物質取扱施設において作業した業務従事者が着用した衣類等を洗濯して汚れを除去した除染済みの衣類等の放射能汚染の有無を検査するために、衣類等を折り畳むための作業台、作業台に隣接して配置される衣類等の搬送部、および衣類等の放射線検出部を備えたランドリモニタであって、
作業台は、衣類等のうち作業服の脚部を搬送部から下側へ垂れ下げるための隙間を、搬送部と作業台との間であって作業台の両側に備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る発明のランドリモニタは、
請求項1に記載のランドリモニタにおいて、
前記作業台は、切り欠きにより隙間が形成された作業板と、作業板の隙間に着脱可能な補助板と、を備え、補助板を取り付けて隙間を埋めることで作業面積を拡げた作業台とし、補助板を取り外すことで隙間を形成して作業服用の作業台とすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る発明のランドリモニタは、
請求項2に記載のランドリモニタにおいて、
前記作業板に対して前記補助板を開閉可能にする蝶番と、
前記作業板に対して前記補助板を一定位置に保持する保持部と、
を備え、
前記作業台は、前記作業板に対して前記補助板が閉じられて作業台の作業面積が拡げられ、また、前記作業板に対して前記補助板が開かれて前記隙間が形成されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項4に係る発明のランドリモニタは、
請求項2に記載のランドリモニタにおいて、
前記作業板に固定される被接続部と、
前記補助板に固定されるものであって、前記作業板の被接続部に接続される接続部と、
を備え、
前記作業台は、前記作業板に対して前記補助板が取り付けられて作業台の作業面積が拡げられ、また、前記作業板に対して前記補助板が取り外されて前記隙間が形成されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項5に係る発明のランドリモニタは、
請求項3または請求項4に記載のランドリモニタにおいて、
四角形の二隅を三角形で切り欠いた形状とした作業板および三角形の補助板とすることで四角形の作業台とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上のような本発明によれば、作業台から搬送部へ効率よく作業服も含む衣類等を供給するようにして、搬送効率を向上させたランドリモニタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
続いて、本発明を実施するための最良の形態について、図を参照しつつ説明する。まず、第1の形態について説明する。図1は本形態のランドリモニタの説明図、図2は作業台と搬送部との説明図、図3はランドリモニタへの作業服の搬入の説明図であり、図4は作業服と作業台との関係の説明図、図5は作業台から搬送部への作業服供給の効率向上についての説明である。
【0019】
ランドリモニタ1000は、図1で示すように、モニタ本体10、除染済みの衣類等を載せて装置内へ送り込むための作業台1を備えるものであり、上述したように、放射性物質取扱施設で作業した業務従事者が着用した衣類等の一例である作業服30が除染後にこの作業台1上で折り畳まれ、モニタ本体10内へ搬送されてその放射能汚染の有無を検査する装置である。
【0020】
モニタ本体10は、外観上は図1で示すように、搬送部110と、操作パネル120と、メンテナンス扉130と、「挿入可」表示灯140と、音声発生部150と、不図示の表示灯付き運用モード切換スイッチが収納される運用モードスイッチ収納部160と、プリンタ170と、非常停止スイッチ180と、が設けられている。
そして、ランドリモニタ1000の内部構造では、さらに制御部190と、放射線検出部200と、を備えている。モニタ本体10およびモニタ本体10が備える構成は、先に図10,図11,図12に記載されたモニタ本体10およびモニタ本体10が備える上記構成と同じであり、同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
【0021】
続いて本発明の特徴をなす作業台1について説明する。
作業台1は、図1,図2で示すように、作業板2、脚部3、固定部4、隙間(切り欠き)5を備えており、衣類等のうち作業服30の脚部31を搬送部110から下側へ垂れ下げるため、搬送部110と作業台1との間であって作業台1の両側に隙間(切り欠き)5を設けている。
作業板2は、四角形のうち二隅を切り欠いて隙間(切り欠き)5を形成し、平面から視て搬送部110側の台形と、また、反対側の四角形と、を組み合わせたような形状となっている。
脚部3は、二本設けられる。なお、脚部3の代わりに各種の支持部を採用しても良い。
固定部4は、搬送部110の搬入口で作業台1を固定する。なお、固定部4は作業台1を搬送部110の入口に固定する各種構成を採用できる。
隙間(切り欠き)5は、図2のように三角形の隙間としている。隙間(切り欠き)5は搬送部110へ近づくにつれて広くなるように形成され、搬送部110の近くでは作業服30の脚部31が無理なく垂れ下がる程度に充分な広さとしている。
【0022】
続いて、作業服30の搬送について説明する。この際、作業服30を作業台1上で折り畳んで、搬送部110に載せてある程度搬送させる。そして、脚部31のみが作業台1上に載っているような状態になったとき、図3,図4で示すように脚部31を隙間(切り欠き)5へ入れて折り曲げ部32を形成し、脚部31が下側へ垂れ下がるようにするとともに作業台1の上を空ける。これにより、作業着30がモニタ本体10内へ搬送される途中であっても作業台1が空いて次の作業着30を折り畳むことができるようになり、作業服30の脚部31がモニタ本体10内へ完全に搬送された直後に直ちに次の作業着30をモニタ本体10内に搬送させ、作業効率を高めることができる。
【0023】
続いて、従来技術と比較して効率向上を説明する。図5の従来方式において、例えば作業服30を搬送部110へ載置してから作業服30の全体が搬送部110内に搬入されるまで、約10秒要している。そして作業台があくまで8秒要するため、作業台1が空いてから2秒以内に作業服30を折りたたみ、この作業服30を搬送部110へ送る必要があった。しかしながら、2秒で作業服30を折りたたむことは熟練した作業員でも極めて困難な作業であり、搬送部110へ搬送されない期間が発生していた。このような未搬送の期間が累積していくと作業効率が悪いため、未搬送の期間を短縮する必要があった。
【0024】
一方、本発明による新方式では、作業服30を搬送部110へ載置してから作業服30の全体が搬送部110内に搬入されるまで、約10秒要する点は変わらないが、作業服30を搬送部110へ載置してから約4秒後に作業服30の脚部31を両サイドの隙間(切り欠き)5へ移動させて下側に落としているため、作業台1を空けている。そして作業台1上で約4秒間にわたり作業服30の折り畳み作業を行えるようになる。約4秒(従来方式の二倍の作業時間)で作業服30の折り畳みを完了させることは熟練していない作業員でも可能であり、比較的容易な作業である。そして作業服30の全体が搬送部110内に搬入された約10秒後に直ちに作業服30を搬送部110へ送ることが可能となる。このように本発明による新方式の搬送作業では、搬送部110への搬送終了後に直ちに次の作業服30を搬送できるというものであり、作業台1から搬送部110へ効率よく、作業服も含む衣類等を供給できるようなランドリモニタ1000を実現した。
【0025】
続いて、第2の形態について、図を参照しつつ説明する。図6は他の形態のランドリモニタの説明図、図7は作業台と搬送部の説明図である。
本形態のランドリモニタ1000は、図6で示すように、モニタ本体10、作業台1’を備えるものであり、先に説明した作業台1を改良したものである。モニタ本体10およびモニタ本体10が備える構成は、先に図10,図11,図12に記載されたモニタ本体10およびモニタ本体10が備える上記構成と同じであり、同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
【0026】
続いて本発明の特徴をなす作業台1’について説明する。
作業台1’は、図7で示すように、作業板2、脚部3、固定部4、補助板6、蝶番7、保持部(不図示)を備えている。先の形態の図2の作業台1に加え、補助板6、蝶番7、保持部(不図示)を追加した点が相違する。ここでは特に相違点について説明するとともに上記の構成については同じ符号を付して重複する説明を省略する。
【0027】
補助板6は、平面から視て隙間(切り欠き)5の形状(三角形)と同じ形状(三角形)の板である。
蝶番7は作業板2に対して補助板6を開閉させる機能を有する。補助板6を下降させると図2,図6で示すように、隙間(切り欠き)5が形成される。そして補助板6を上昇させると図6,図7で示すように、隙間(切り欠き)5が埋められて通常の四角形の作業板となる。補助板6を上昇させたときに保持部(不図示)により、補助板6を上昇させた位置で保持するようになされている。この保持部(不図示)は各種構成を採用することができる。
【0028】
このような作業台1’において、作業服30に対する除染のモニタリングを行う場合は、補助板6を下降させることで、先に図1〜図5を用いて説明した作業台1と同様の作業台1’を形成し、作業台1’から搬送部110へ効率よく作業服30を供給できるようになる。
また、作業服30以外の帽子・靴下・布・下着・手袋という通常の衣類に対する除染のモニタリングを行う場合は、ある衣類の搬送開始から次の衣類の搬送開始まで時間を要しないため、むしろ作業板2と補助板6とが水平になるように補助板6を上昇させて作業台1’を広くしており、例えば、多量の衣類等を作業台1’へ載せておけば衣類等を順次搬送できるというものであり、やはり作業効率を向上させている。このように本発明による新方式の搬送作業では、搬送部110への搬送終了後に直ちに次の作業服30や他の衣類(衣類等)を搬送できるというものであり、作業台1’から搬送部110へ効率よく衣類等を供給できるようにしたランドリモニタを実現した。
【0029】
続いて、第3の形態について、図を参照しつつ説明する。図8は他の形態のランドリモニタの説明図、図9は作業台と搬送部の説明図である。
本形態ではランドリモニタ1000は、図8で示すように、モニタ本体10、作業台1”を備えるものである。モニタ本体10およびモニタ本体10が備える構成は、先に図10,図11,図12に記載されたモニタ本体10およびモニタ本体10が備える上記構成と同じであり、同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
【0030】
続いて本発明の特徴をなす作業台1”について説明する。
作業台1”は、図9で示すように、作業板2、脚部3、固定部4、補助板6、差し込みピン8、受け孔9を備えている。先の図1,図2で示した形態の作業台1に加え、補助板6、差し込みピン8、受け孔9を追加した点が相違する。ここでは特に相違点について説明するとともに上記の構成については同じ符号を付して重複する説明を省略する。
【0031】
補助板6は、平面から視て隙間(切り欠き)5と同じ形状(三角形)の板である。
差し込みピン8は、補助板6に固定されている2本のピンである。この差し込みピン8は、補助板6に固定される接続部である。
受け孔9は、作業板2に形成されている2個の孔部である。この受け孔9は、作業板2に固定され、補助板6の接続部に接続される被接続部である。
補助板6の差し込みピン8を作業板2の受け孔9に差し込みつつ、補助板6を作業板2に取り付ける。なお、保持部(不図示)も設け、補助板6を作業板2に保持するようにしても良い。この保持部(不図示)は各種構成を採用することができる。このような作業台1”では、補助板6を取り外すと図2,図8で示すように、隙間(切り欠き)5が形成される。そして補助板6を取り付けると図8,図9で示すように、隙間(切り欠き)5が埋められて通常の四角形の作業台1”となる。
【0032】
このような作業台1”において作業服30に対する除染のモニタリングを行う場合は、補助板6を取り外すことで、先に図1〜図5を用いて説明した作業台1と同様に作業台1”から搬送部110へ効率よく作業服を供給できるようになる。
また、作業服30以外の帽子・靴下・布・下着・手袋という通常の衣類に対する除染のモニタリングを行う場合は、ある衣類の搬送開始から次の衣類の搬送開始まで時間を要しないため、むしろ補助板6を取り付けて作業板2と補助板6とで作業台1”を広くしており、例えば、多量の衣類等を作業台1”へ載せておけば衣類等を順次搬送できるというものであり、やはり作業効率を向上させている。このように本発明により新方式の搬送作業では、搬送部110への搬送終了後に直ちに次の作業服30や他の衣類(衣類等)を搬送できるというものであり、作業台1”から搬送部110へ効率よく衣類等を供給できるようにしたランドリモニタ1000を実現した。
【0033】
以上、本発明について説明した。本発明のランドリモニタにより、作業服や、作業服以外の衣類について、共に作業台から搬送部へ効率よく衣類等を供給できるようにし、作業効率も高めたランドリモニタとした。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明を実施するための最良の形態のランドリモニタの説明図である。
【図2】作業台と搬送部との説明図である。
【図3】ランドリモニタへの作業服の搬入の説明図である。
【図4】作業服と作業台との関係の説明図である。
【図5】作業台から搬送部への作業服供給の効率向上についての説明である。
【図6】他の形態のランドリモニタの説明図である。
【図7】作業台と搬送部の説明図である。
【図8】他の形態のランドリモニタの説明図である。
【図9】作業台と搬送部の説明図である。
【図10】従来技術のランドリモニタの内部構造を示す側断面図である。
【図11】従来技術のランドリモニタの外観を示す斜視図である。
【図12】操作パネルの説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1000:ランドリモニタ
1,1’,1”:作業台
2:作業板
3:脚部
4:固定部
5:隙間(切り欠き)
6:補助板
7:蝶番
8:差し込みピン
9:受け孔
10:モニタ本体
110:搬送部
111:下側駆動ローラ
112:上側駆動ローラ
113:下側ベルト
114:上側ベルト
115:入口側光電センサ
116:出口側光電センサ
120:操作パネル
121:操作部スイッチ
122:不良品払出スイッチ
123:非常停止スイッチ
124:操作表示器
130:メンテナンス扉
140:「挿入可」表示灯
150:音声発生部
160:運用モードスイッチ収納部
170:プリンタ
180:非常停止スイッチ
190:制御部
200:放射線検出部
201:プラスチックシンチレータ検出器
202:鉛シールド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子力発電所等の放射性物質取扱施設において作業した業務従事者が着用した衣類等を洗濯して汚れを除去した除染済みの衣類等の放射能汚染の有無を検査するために、衣類等を折り畳むための作業台、作業台に隣接して配置される衣類等の搬送部、および衣類等の放射線検出部を備えたランドリモニタであって、
作業台は、衣類等のうち作業服の脚部を搬送部から下側へ垂れ下げるための隙間を、搬送部と作業台との間であって作業台の両側に備えることを特徴とするランドリモニタ。
【請求項2】
請求項1に記載のランドリモニタにおいて、
前記作業台は、切り欠きにより隙間が形成された作業板と、作業板の隙間に着脱可能な補助板と、を備え、補助板を取り付けて隙間を埋めることで作業面積を拡げた作業台とし、補助板を取り外すことで隙間を形成して作業服用の作業台とすることを特徴とするランドリモニタ。
【請求項3】
請求項2に記載のランドリモニタにおいて、
前記作業板に対して前記補助板を開閉可能にする蝶番と、
前記作業板に対して前記補助板を一定位置に保持する保持部と、
を備え、
前記作業台は、前記作業板に対して前記補助板が閉じられて作業台の作業面積が拡げられ、また、前記作業板に対して前記補助板が開かれて前記隙間が形成されることを特徴とするランドリモニタ。
【請求項4】
請求項2に記載のランドリモニタにおいて、
前記作業板に固定される被接続部と、
前記補助板に固定されるものであって、前記作業板の被接続部に接続される接続部と、
を備え、
前記作業台は、前記作業板に対して前記補助板が取り付けられて作業台の作業面積が拡げられ、また、前記作業板に対して前記補助板が取り外されて前記隙間が形成されることを特徴とするランドリモニタ。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のランドリモニタにおいて、
四角形の二隅を三角形で切り欠いた形状とした作業板および三角形の補助板とすることで四角形の作業台とすることを特徴とするランドリモニタ。
【請求項1】
原子力発電所等の放射性物質取扱施設において作業した業務従事者が着用した衣類等を洗濯して汚れを除去した除染済みの衣類等の放射能汚染の有無を検査するために、衣類等を折り畳むための作業台、作業台に隣接して配置される衣類等の搬送部、および衣類等の放射線検出部を備えたランドリモニタであって、
作業台は、衣類等のうち作業服の脚部を搬送部から下側へ垂れ下げるための隙間を、搬送部と作業台との間であって作業台の両側に備えることを特徴とするランドリモニタ。
【請求項2】
請求項1に記載のランドリモニタにおいて、
前記作業台は、切り欠きにより隙間が形成された作業板と、作業板の隙間に着脱可能な補助板と、を備え、補助板を取り付けて隙間を埋めることで作業面積を拡げた作業台とし、補助板を取り外すことで隙間を形成して作業服用の作業台とすることを特徴とするランドリモニタ。
【請求項3】
請求項2に記載のランドリモニタにおいて、
前記作業板に対して前記補助板を開閉可能にする蝶番と、
前記作業板に対して前記補助板を一定位置に保持する保持部と、
を備え、
前記作業台は、前記作業板に対して前記補助板が閉じられて作業台の作業面積が拡げられ、また、前記作業板に対して前記補助板が開かれて前記隙間が形成されることを特徴とするランドリモニタ。
【請求項4】
請求項2に記載のランドリモニタにおいて、
前記作業板に固定される被接続部と、
前記補助板に固定されるものであって、前記作業板の被接続部に接続される接続部と、
を備え、
前記作業台は、前記作業板に対して前記補助板が取り付けられて作業台の作業面積が拡げられ、また、前記作業板に対して前記補助板が取り外されて前記隙間が形成されることを特徴とするランドリモニタ。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のランドリモニタにおいて、
四角形の二隅を三角形で切り欠いた形状とした作業板および三角形の補助板とすることで四角形の作業台とすることを特徴とするランドリモニタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−51503(P2008−51503A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−224818(P2006−224818)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】
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